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政府委員(長野士郎君) 地方団体から取りまして、地方団体に
貸し付ける金利の引き下げに使うという
意味では、地方団体で出したものを地方団体で使うということに相なりますから、御
指摘のような感じもあるわけでございますが、現在
公営競技を実施しております団体は、三千三百二十五でございますか、全地方団体から申しますと、三百八十五の団体しか
公営競技を実施していないわけでございます。そこで、
公営競技を実施しておる団体といたしましては、いろいろな御
意見がございますが、やはりギャンブルと申しますか、競技から上がりますところの
収益というもので
一般財源を強化しておることは、これは事実でございまして、そこで、多年
均てん化しろ、つまり一部の特定の団体のみがそういう利益といいますか、利権にあずかるのは不公平ではないか。したがって、そうでない団体についてもその利益を均てんすべきである、こういう議論がここ数年来非常に強いわけでございます。それは
一つは、
公営競技につきまして、
公営競技をこれ以上奨励して拡大するということはしないということに
政府の方針がきめられました
昭和三十七年以降、全体の開催回数を制限しております。それから一競技場におきますところの開催回数も制限しておる。したがって、新たな団体が
公営競技を行なうということは、事実上それが余裕のないときには認められないといいますか、それから競技を行なっている団体としてはそういう言い方になるわけでございます。なかなか受け入れてくれないというようなこともございます。事実問題として、そういう全体のワクがきまっております
関係上、
均てん化ということが、口では言うべくしてなかなかできない。自治省としましても、多年いろいろ
均てん化の方法を考えましたが、これはやはりそういうことでございますので、結局
公営競技の
売り上げ金の中から、いま御提案申し上げておりますような形で、一部を
納付金として
納付をしてもらいまして、
公営企業金融公庫という
政府関係の金融機関ということになっておりますが、これはもともと地方団体が個々に
公営企業のために、電車とか、上下水道とかいう
事業のために
資金調達をすることがなかなか困難でございますので、共同の
資金調達機関としてでき上がったわけであります。そういう機関の
資金なり利率の引き下げに役立てるということであれば、ほとんど全団体にその効果が及ぶのではなかろうか。しかも、最近の
公営企業におきましては非常に資本費の
割合が高くなっておりまして、平均いたしましてコストの中で六〇%、あるいはものによってはもっとこえるというようなところもあるわけでございますから、そういうものの中に占める利率の引き下げというものは非常に効果がある。そういう
意味で、全地方団体をほとんどおおう
公営企業についての役に立てば、それが
均てん化ということの実質にもなるんじゃないかというようなことで、
公営競技の
売り上げ金をそういうことにする。そうしますと、特定の団体だけのものであったものが全団体の
事業に入ってまいりまして、そうして、
公営企業といいますものはどうせ公共料金とか、そういうものにもいい作用をするわけでございますから、
住民福祉にも役立つ。こういうことで二つのものを結びつけまして
収益均てん化の理論と、それから
公営企業の
経営の健全化に資する、こういうことにいたした、こういうわけでございます。