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1970-07-07 第63回国会 参議院 災害対策特別委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十五年七月七日(火曜日)    午前十時五十分開会     —————————————    委員異動  五月十三日     辞任         補欠選任      西村 関一君     松本 英一君  七月二日     辞任         補欠選任      村尾 重雄君     片山 武夫君      河田 賢治君     渡辺  武君  七月六日     辞任         補欠選任      中村 波男君     加瀬  完君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         北村  暢君     理 事                 増田  隆君                 武内 五郎君     委 員                 上田  稔君                 江藤  智君                 小林  章君                 佐藤  隆君                 初村滝一郎君                 森 八三一君                 加瀬  完君                 上林繁次郎君                 片山 武夫君    事務局側        常任委員会専門        員        中島  博君        総理府総務副長        官        湊  徹郎君    説明員        内閣総理大臣官        房参事官     高橋 盛雄君        警察庁警備局警        備調査官     武士  孝君        大蔵省主計局主        計官       藤井 直樹君        文部省管理局教        育施設部長    菅野  誠君        厚生省公衆衛生        局防疫課長    石丸 隆治君        厚生省環境衛生        局水道課長    国川 建二君        厚生省社会局庶        務課長      岸野 駿太君        農林大臣官房参        事官      大河原太一郎君        農林省農政局参        事官       遠藤 寛二君        農林省農地局参        事官       住吉 勇三君        通商産業省化学        工業局窯業建材        課長       倉部 行雄君        中小企業庁計画        部金融課長    井川  博君        運輸省鉄道監督        局保安課長    森永 昌良君        運輸省鉄道監督        局土木電気課長  山本 正男君        気象庁予報部主        任予報官     大野 義輝君        建設省河川局長  川崎 精一君        建設省河川局砂        防部長      木村 三郎君        建設省住宅局住        宅総務課長    大富  宏君        自治大臣官房調        査官       成田 二郎君        日本鉄道施設局        長        北沢 秀勝君     —————————————   本日の会議に付した案件派遣委員報告災害対策樹立に関する調査  (梅雨前線豪雨による千葉県等における被害及  び台風第二号による被害に関する件)     —————————————
  2. 北村暢

    委員長北村暢君) 災害対策特別委員会を開会いたします。  委員異動について報告いたします。去る七月二日村尾重雄君及び河田賢治君が、また昨六日中村波男君が委員辞任され、その補欠として片山武夫君、渡辺武君及び加瀬完君がそれぞれ選任されました。     —————————————
  3. 北村暢

    委員長北村暢君) 災害対策樹立に関する調査を議題とします。  まず、七月三日、四日の両日、当委員会千葉県に行ないました委員派遣報告を、派遣委員武内理事から聴取いたします。武内理事
  4. 武内五郎

    武内五郎君 去る七月三日、四日の二日間、北村委員長佐田理事上林委員片山委員渡辺委員及び私は、梅雨前線に伴う集中豪雨による千葉県における災害実情調査を行ないました。私は調査団一行を代表して、その調査概要を簡単に報告いたします。  七月一日未明から梅雨前線に伴う降雨千葉県の南部地方では午前九時ごろから強くなり、特に大多喜町では午前十時から十一時までの一時間に百十六ミリという全国的にもきわめてまれな豪雨に襲われ、日雨量三百三十六ミリを記録しております。市原市鶴舞でも、時間雨量六十五ミリ、日雨量二百五十六ミリを記録するなど、千葉県においては戦後最大の被害を与える集中豪雨発生したのであります。このため夷隅川をはじめ、養老川小櫃川小糸川一宮川及び湊川等の各水系は鉄砲水となり各所山腹崩壊、土砂くずれを起こし、市原市、大多喜町など四十一市町村被害発生したのであります。特に夷隅川大多喜町久保では六メートル五十の警戒水位に対し、十二メートル二十五の最高水位を示し、養老川市原市外でも四メートル十五の警戒水位に対し、実に十三メートル四十の最高水位を記録するなど、この地方を貫流するこれらの中小河川は、警戒水位をオーバーする異常な洪水となり、中下流部では温水はんらんして激甚な災害発生したのであります。したがって、大多喜町をはじめ市原市、平川町、富来田町、小櫃町、上総町、君津町及び天羽町の一市七町に災害救助法適用されたのであります。さらに夷隅町と木更津にも同法の適用が追加されることになりました。また、大佐和町なども著しい被害を受けております。  七月二日十四時現在における千葉当局被害報告によりますると、死者十六名、行くえ不明四名、重軽傷者二十一名の人的被害をはじめ住家の全壊及び流失百十八戸、半壊二百十六戸、床上浸水二千二百四十四戸、床下浸水三千七百二十三尺田畑の流失埋没千五百八十二ヘクタール、冠水八千五十七ヘクタールのほか、公共土木施設道路決壊二千二百三十二ヵ所、橋の流失八十四カ所、山腹崩壊、がけくずれ千八百七十四カ所、房総西線の金谷駅−鋸山トンネル間の土砂くずれのため急行列車脱線転覆事故をはじめとする国鉄私鉄では四十二カ所、水道施設三十五カ所等の被災となっております。なお、三日夕刻の段階では、公共土木関係で五十八億円、農業関係で五十余億円に達しました。しかし、まだ市原市や夷隅郡の奥地等一部地域状況が明らかでありませんでした。今後、調査の進むにしたがって、その被害金額もさらに増加するものと考えられております。  次に、県及び市町村対策等について申し上げます。警察及び地元消防団活動自衛隊の出動によって人命救助救済物資輸送飲料水供給、医薬品の輸送配布消毒薬散布等徹底を期するとともに国県道等幹線道路交通確保に懸命な努力が払われておりました。また、市原市及び大多喜町では町に流れ込んだヘドロの排除作業が行なわれております。また、国鉄では房総東西線開通をはかったほか、久留里線等復旧が急がれております。しかし、小湊鉄道は、各所路床決壊が激しく復旧の見込みが立たない状態にあるといわれております。  さらに埋没水田に対しては、さしあたり無利子による貸し付け金を行なうほか、水田用水不足に対してはポンプを応急的に配置することとし、水道復旧には技術者を派遣して指導に当たらせることとしておりました。また、被害を受けた中小企業に総額四億七千余万円の再建資金融資をはかるなど特別の措置を講ずる等の措置がとられておりました。  さらに県当局等要望事項について申し述べます。  第一は、激甚災害指定公共土木施設及び農林関係施設にはすみやかに災害査定を進め、復旧事業早期着工をはかるとともに、改良復旧並びに復旧年次短縮措置を講ずること。  第二は、県及び被災市町村に対し、特別交付税と起債による等の財源措置について特別の配慮をとること。  第三は、罹災者に対する国税の減免及び納税期限延長等措置を講ずること。  第四は、災害に伴う低所得者世帯更生資金増額母子福祉資金国庫貸し付け金増額及び県条例に基づく寡婦福祉資金貸し付け金に対する国庫補助金増額を行なう等特別の措置を講ずること。  第五は、災害による私立保育所改修費国庫補助の対象に加えること。  第六は、市町村上水道及び簡易水道並びにごみ処理施設に対し国庫補助確保するとともに補助増額を行なうこと。  第七は、被災中小企業者に対し、設備近代化資金及び高度化資金貸し付け償還金について、その減免措置を講ずるとともに災害復旧資金借り入れについて、その融資条件を緩和すること。  第八は、農林災害に対しては、天災融資法に基づき天災としての指定を行なうとともに農林業の再興と経営の安定をはかるほか、自作農維持資金貸し付けワクの拡大、各種の制度資金償還延期措置並びに農業共済金早期支払い等措置を講ずること等でありました。最後に、本調査に基づく結論として若干の意見並びに対策について申し上げたいと存じます。  第一は、梅雨期長期化及び台風期を控えており、河川欠壊山腹崩壊及びがけくずれ等に対する応急復旧はきわめて緊急を要する問題であります。また水道用水確保防疫措置徹底のほか、市原市や夷隅郡の奥地等ではいまだ道路交通のとだえている地域に対しては、すみやかに交通確保をしなければならぬと考えます。  第二は、養老川をはじめ夷隅川小糸川、小樋川、湊川一宮川等の当地方を貫流する中小河川は、きわめて屈曲蛇行の激しい原始河川状態のままであり、上、中流部では、ほとんど改修が行なわれていない現状であります。もちろん、破堤個所に対しては復旧事業をすみやかに進めるべきは申すまでもありませんが、治山治水計画を抜本的に策定するとともに長期計画に基づいて、治山砂防事業のほか高滝ダム亀山ダム等計画中の多目的ダムの建設には同時に河道を整備する改良事業促進が必要であると考えます。  第三は、急傾斜地域で各公共施設及び住家に対する危険個所に対して、早急に再点検を行なうとともに危険な個所には崩壊危険防止区域として指定し、その防止事業をすみやかに行なう必要があります。また激しい土石や土砂の採取は今回の災害を激甚化していることにかんがみ、自然災害に対処する防護さく及び防止壁などの土石流に対する予防策をとらせるとともに採取に対して一定の規制を設け監督を強化する必要があると存じました。  さらに、宅地造成や急傾斜地に建てられる住宅に対しても、本災害を契機に再検討される必要があり、その監督及び指導について万全を期すべきであります。  第四は、休耕農家耕作水田被害を受け、流失埋没して収穫皆無となった場合においては、休耕水田と同様の補償制度適用を強く要望されたのでありますが、このような具体的な問題について、農林省はどのように対処されるか検討を要する案件が生じておると考えます。  第五は、東京湾沿岸工業地域の開発とこれら災害地域とは、公共投資に格段の差異があり、それが今回の災害を大きくしていることを直感いたしました。この過疎地域とも考えられる被災地域に対しても道路の整備、治山治水事業促進等公共投資を大幅に行なう必要があると考えます。  以上で本報告を終わります。なお具体的な対策等については、各委員の質問に待つことにいたします。
  5. 北村暢

    委員長北村暢君) 以上で報告は終わります。     —————————————
  6. 北村暢

    委員長北村暢君) 次に、梅雨前線豪雨による千葉県等における被害及び台風第二号による被害に関する件について調査を行ないます。  まず、関係政府当局から説明を聴取いたします。最初に中央防災会議からお願いをいたします。湊総理府総務副長官。
  7. 湊徹郎

    説明員湊徹郎君) ただいまお話のございました六月から七月にかけての長雨、並びに特にその中で南関東、房総南部に生じました集中豪雨災害び台風二号の状況並びに今日まで政府がとっております措置等について、この機会に御報告を申し上げたいと思います。  初めに、今回の豪雨によりまして不幸にもおなくなりになられました方々に対しまして、つつしんで哀悼の意を表しますとともに、負傷されました皆さま方にお見舞いを申し上げ、また罹災された多くの方々には、政府といたしましてもできる限りのことをいたしまして、一日も早く立ち直っていただけるように努力をいたしてまいる所存であります。  本年の気象状況を申し上げますと、六月十日九州地方からつゆ入りになったわけでありますが、その後梅雨前線日本の南海上に相当長い間停滞をいたしまして、このためいわゆる陰性の梅雨という形をとって、そのため長雨がかなり長い期間続いてまいったわけであります。特に、六月の三十日の夕刻から降り始めました雨は、翌七月一日早朝から関東南部、特に湘南地方から房総方面にかけまして局地的な豪雨となって、ところによりましては一日の雨量が三百ミリをこえ、しかも一時間の雨量が百ミリをこえるというふうな記録的な降雨をもたらしたために、河川水位が急激に上がりまして、温水によってこの地方に大きな災害発生したわけであります。  このため、政府は、直ちに七月二日総理みずから現地をヘリで御視察願うと同時に、私ども防災会議といたしましても各省庁連絡会議を開催したわけでありますが、ちょうど総理に同行された官房長官も御出席いただきまして、現地状況を即刻報告願うと同時に、今後の政府対策等について御指示をちょうだいしたわけであります。  自来、数度にわたって各省連絡会議応急対策を講じておるわけでありますが、特に山間部等で全く隔絶された部落等もございましたので、救助救出等にとりあえず懸命の努力を払うと同時に、飲み水、食糧、医療、こういうものについて緊急確保をはかり、同時に、寸断された各地の道路あるいは鉄道、これについて一刻も早く交通確保をはかって民心の安定をはかることをまず第一に念願した次第であります。  今回の災害の特徴をこの機会に申し上げますと、大体関東南部、特に房総地区においては過去十年間災害らしい災害がなかった。昭和三十五年にかなり被害を受けたのでありますが、今回の雨量はまさにその当時の約倍にのぼる、こういう点が第一点。それから、先ほども申しましたように、非常に短い期間に集中的に雨が降ったということ、それから三番目には、川そのもの中小河川が多いわけでありますが、比較的平野部の雨であったということ。その次には、いま申しましたように中小河川、これもほとんど原始河川状態のままに残されておったもの並びに山くずれ、これらについては、先ほどの経過からもいろいろと、たとえば砂防工事あるいは崩壊防止のための指定地域——ほとんどいままで率直に申しまして対策が講ぜられていなかった。こういうことが被害を非常に大きくした原因であろうと私どもは考えております。その結果、先ほど現地視察をなさいました当委員会のほうから御報告がございましたように、小櫃川ほか数河川の平地に蛇行しております中小河川のはんらん、それから山くずれ等によって橋梁が流れたりして道路が損壊したりあるいは住家が倒壊したり浸水したり、こういう被害が大きかったわけであります。  現在までに判明いたしました被害の概況について申し上げますと、一般被害につきましては、死者、行くえ不明二十四名、負傷者三十七名、建物の全半壊流失二百八十八棟、床上浸水二千七百四十六棟、床下浸水が一万一千九百八十七棟、罹災された世帯数が三千百八十九世帯罹災者の数が一万一千六百四十七名にのぼっておるわけであります。  次に、施設関係被害といたしましては、これはもちろんいま各省から査定官あるいは調査官を現地に派遣して——最終的なものは国としてまとまっておりませんので、県の報告を総合いたしますと、公共土木施設が約百二十八億円、農地農業用施設等が約三十一億円、農作物等が約二十三億円、中小企業関係が約十九億円、その他約二十五億円、総計二百二十六億円という数字になっております。  政府のとりました措置といたしましては、まず第一に、先ほど申しましたように、警備救助活動でありますが、県の警察本部では警視庁の応援を得て警備活動に当たり、被災者救出救護避難誘導給水等を実施してまいっております。消防機関の職員、団員の方々も、避難指示あるいは人命救出救助、行くえ不明者の捜索、水防活動等を実施しておるわけであります。特に防衛庁では自衛隊員を今日まで延べ四千百五十名を派遣したほかに、車両七百余両、さらに航空機等を出動させ、人命救助道路啓開給水防疫等、広範にわたる活動を願っておるわけであります。  第二番目に災害救助法適用状況でありますが、千葉県では大多喜町をはじめ二市七町一村に災害救助法を発動いたしまして、避難所設置、たき出し、飲料水供給被服寝具給与等応急救助を実施いたし、さらに応急仮設住宅設置住宅応急修理、学用品の給与等応急救助を実施いたしておるわけであります。  三番目に防疫対策でありますが、この種災害に伴いがちな疾病の、特に伝染病発生を防ぐために被災者検病調査を行ない、そして伝染病患者の発見、流行の防止につとめておりますが、幸いにして目下のところ伝染病患者発生は出ておりません。また水道につきましては、大多喜町等十二市町村で二十五カ所が被害を受けましたが、水の問題は何よりも急を要する問題でございますので、応急に処置をいたしました結果、今日ではすでに四市町村を残して復旧をいたしております。断水中の被災地域につきましても、自家用の井戸を活用したり、あるいは自衛隊等給水救護活動等によって飲料水確保には万全を期しておる次第であります。  第四に住宅対策でありますが、応急仮設住宅設置住宅応急修理はもちろん、先ほど申しましたように、即刻実施をしておるわけでありますが、さらに被災されました方々住宅に対しては、災害復興のための住宅資金貸し付け手続を進めさせておりますほか、既設公営住宅復旧についても所要措置を講ずることにいたしております。  五番目には、文教対策でありますが、罹災された児童、生徒の学習に支障を来たさないように、なくした教科書の補給はもちろん行ないましたほかに、たまたま死亡された児童も一名ございますので、その方に対しては日本学校安全会法によって死亡お見舞い金三十万円を給付することにいたしております。  六番目に交通通信対策でありますが、主要国道につきましては、一カ所が交通制限をいたしておりますほかは、おおむね復旧いたしております。さらに主要地方道もほぼ開通を見るに至っております。しかし、一般県道さらに奥地市町村道等については、まだ調査中のところもございますし、一刻も早く復旧することにいたしたいと考えております。これまた幸いに通信関係は全部開通をいたしております。国鉄に関しましては、十一線区四十四区間被害を受けたわけでありますが、これもほとんど開通のめどがついております。私鉄も五社六区間に及んでおりますが、小湊線、この一部については今日まだ復旧目安がついておりませんが、ほかはおおむね復旧目安がついたわけであります。  七番目は、中小企業対策でありますが、これは特に大多喜町に集中的に被害発生しておりまして、中小企業金融機関において償還期限延長であるとか、あるいは新規貸し付け優先取り扱い、これらの措置についてはすでに指示いたしておるわけであります。  八番目は、公共土木施設等復旧でありますが、公共土木等復旧及び農地農業用施設復旧については、緊急に必要とする個所についてはもちろん現地に係官を派遣して応急工事に当たっておりますが、場合によっては査定着工を行なうように指導をいたしております。  九番目に、被災者援護対策でありますが、被災者に対してあるいは郵便はがき等無償交付、あるいは郵便貯金簡易保険等の非常取り扱い、さらに救援小包無料扱い等を実施いたしておる次第であります。  以上七月一日の関東地方南部特に房総南部豪雨による災害に対する被害状況と、政府の今日までとり、また今日とっております措置概要を御説明申し上げた次第であります。  次に、今回の長雨は先ほど申しましたように、相当期間続きましたので、六月中の被害状況を取りまとめて申し上げますと、一般被害につきましては死者十五名、負傷者六十一名、建物の全、半壊五十四棟、床上浸水四百三十九棟、床下浸水八千五十棟、罹災世帯数四百九十世帯罹災者数が千八百三十二名になっております。また、施設等被害につきましても、これまた県の報告によりますと、公共土木施設等が約百六十四億円、農地農業用施設等が約四十四億円、荒廃林地が約二十億円、国有林等が約八億円、その他約二億円、合計約二百三十八億円になっておりますが、この長期間にわたる長雨被害につきましては、ほとんど全国府県にまたがっておりまして、被害を受けた地域は三十六都府県に及んでおるわけであります。政府といたしましては、これが対策として、先ほど申し上げましたように、各省庁連絡会議を随時ひんぱんに開いて必要な諸対策を検討しておりますが、七月一日の豪雨災害が集中的に発生いたしましたので、それとあわせて所要対策を推進してまいりたいと思っております。  次に、台風第二号でございますが、初めこれが梅雨前線を刺激をいたしまして、それでたび重なる集中豪雨でさらにダブルパンチを受けるようなことになってはたいへんだというので、全国府県関係機関に対して応急措置をとらしておったのでありますが、幸い、後ほど申し上げますように、台風第二号の被害は非常に少のうございました。不幸中の幸いであると存じます。  去る六月の二十八日にカロリン諸島発生した、初めは非常に弱い熱帯低気圧であったのでありますが、それが二十九日の昼ごろにはヤップ島に達して、中心気圧が九百九十五ミリバール、そこで台風第二号と、こういうことになったわけでありますが、その後台風は本土に接近するにつれて逐次発達をしてまいりまして、九百五十五ミリバールとなり、七月五日午後六時三十分ごろ紀伊半島に上陸をしたのでありますが、その後実はきのうの四時前に鳥取県と兵庫の県境付近から日本海に抜けて、衰弱して温帯性の低気圧となったわけであります。  そういうことで、台風による一般被害は、現在のところ、死者、行くえ不明者七名、負傷者十八名、建物の全半壊十八棟、床上浸水が四十三棟、床下浸水が千百五十棟、罹災世帯数が五十五世帯罹災者数が百八十九名となっております。また、施設関係被害といたしましては、公共土木施設が約十三億円、農地農業用施設等が約二億円、農作物等が約十億円、合計約二十五億円となっております。なお、台風第二号による被災地域、これまた二十二都府県に及んでおります。現在、いさい鋭意調査中でございますので、多少は増加するものと考えられます。  以上御報告を申し上げます。
  8. 北村暢

    委員長北村暢君) 次に気象庁警察庁農林省運輸省建設省関係担当官から報告を受けるわけでありますが、ただいま総務長官から総合的に相当詳しく報告がございましたので、これに補足する説明がございますならば簡単に報告を願いたいと思います。まず、気象庁大野予報官
  9. 大野義輝

    説明員大野義輝君) ただいま湊総務長官から詳細にわたりまして御報告いたしまして、気象関係についてはそれに尽きるわけでございます。  なお詳しく申しますと、七月の一日早朝、今回の大災害でございますが、これの気象的な観点から申し述べますと、一日の早朝二つの強い雨、一つ関東北部でございまして、もう一つ関東南部、いずれも南下いたしまして、一日の早朝、これらのものが二つ合体いたしまして、そして雷を伴う激しい集中豪雨になったわけでございます。その強い雨の区域でございますが、その後も関東南部に定着いたしまして、湘南方面から房総方面にかけて大雨となりまして、特に十時から十五時ごろにかけて千葉大多喜町を中心にいたしまして、約四百ミリに達する豪雨を記録したわけでございます。その後十五時ごろからその強い雨の区域が東部に移りまして、十八時ごろ千葉県の大雨は峠を越したわけであります。  台風二号につきましては、日本海に出た後、七月七日ただいまでございますが、けさ六時現在のその後の様子を少しばかり申し上げさせていただきたいと思います。  六時現在でございますが、その温帯低気圧になりました低気圧は、朝鮮半島南部にございまして、中心気圧は九百九十九ミリバール、全く普通の低気圧になりまして、現在九州北部で多少にわか雨が降っている程度であります。  以上で御報告を終わります。
  10. 北村暢

    委員長北村暢君) 次に警察庁武士調査官。
  11. 武士孝

    説明員(武士孝君) 梅雨期の大雨による被害それから台風二号による被害並びにこれらに伴う警察措置概要についてごく簡単に御報告申し上げます。  局地的な大雨によりまして各地でがけくずれや河川の急激な増水、はんらんなどによりまして、三十六の都府県にわたり被害が出ているわけでありますが、その総括的な数は七月四日現在、当庁におきまして集計いたしましたものはお配りした資料の一のとおりです。次に、そのうち六月十四日から十六日にかけての被害状況は資料2のとおり、六月十八日から十九日にかけての被害状況は資料3のとおり、六月二十九日の被害状況は資料4のとおり、七月一日の被害状況は資料5のとおりであります。このうち被害の大きかったのは七月一日の大雨によるもの、次いで六月十四日から十六日にかけての大雨によるものであります。特に千葉県の被害が甚大であります。  これら全国的な広範囲にわたる災害に対しまして、警察庁ではつゆ入り早々全国警察に対しまして梅雨期に伴う局地的な集中豪雨に対処する警備体制の強化を指示いたしておったところでありますが、台風二号の接近に伴い、去る七月一日の大雨による死者の大部分ががけくずれによるという実情にかんがみ、長雨による地盤のゆるみをも考えまして、七月三日午後あらためて全国警察に対し危険個所の事前点検を徹底し、危険の予想される地域の住民に対する避難誘導措置に遺憾のないよう通達をした次第であります。また関係の府県警察では、気象状況を判断して早期に警備体制を整え、機動隊を中心に警察官一万三千三百六十一人を出動させて、危険地域に対する事前警戒をはじめ被災者救助活動所要災害警備を行なったところであります。  これら警備のうち、千葉警察の主要な救護活動を二、三御紹介申し上げます。七月一日午後一時二十分ごろ市原市高滝地区で養老川決壊したまたま当時牛久地区に増水警戒のために出動いたしました機動隊一個小隊が急報に接し五キロの山道を徒歩で急行、地元の消防団と協力して屋根等で救出を待っていた住民五十人を午後八時までに全員救出しております。同じ日の四時半ごろ、大多喜町猿稲地区におきまして、機動隊が地元消防団と協力して、住民三人を救出いたしております。それから、七月一日の午後一時四十分ごろ、天羽町にあります天羽山砂採取作業所で作業をいたしておりました二人の作業員を直ちに避難させ、その直後がけくずれが発生したという事案があります。その他給水活動として、警視庁から給水車三台、キチンカー三台、千葉県機動隊のキチンカー一台、七台によりまして、洗濯等の用水、飲料水として利用していただいた次第です。それから徹宵のパトロール、持参した投光器による夜間の照明、また、警視庁からはヘリコプターを一台出動させております。  それから、台風二号につきましては、被害状況はお手元の資料のとおりです。警察庁としては七月五日午後六時災害警備連絡室を設けまして、関係府県警察災害活動指導調整に当たったところでありますが、八千七百人の警察官を出動させて、所要の警戒警備活動を行なった次第です。  以上御報告終わります。
  12. 北村暢

    委員長北村暢君) 次に、農林省大河原参事官
  13. 大河原太一郎

    説明員大河原太一郎君) 委員長の御指示もございますので、簡単に被害状況及び応急対策について御説明申し上げます。  集中豪雨によります農林水産業の被害につきましては、お手元に差し上げてありますとおり、総額七十七億六千万円に達しておりまして、うち施設といたしまして五十四億八千万円、農作物といたしまして二十二億八千万円に及んでおりますが、逐次被害はふえておるというふうに判断しております。それらの内訳は資料によって御承知を願いたいと思います。  応急対策につきましては、七月二日に現地に責任課長等をそれぞれ派遣いたしまして、被害状況の把握につとめたわけでございますが、さらに、台風二号の関係、長雨の連続等がございますので、重複災害防止のための指示を、それぞれ関係局長名をもって指示してございます。応急対策といたしましての罹災者等救援のための食糧、乾パンとか、政府保有玄米等の配給等につきましても、市原市とか木更津市とか、それぞれ所要のところに所要の数量を応急配給いたしました。なお、復旧用材につきましては、御案内のとおり営林局署が応急用の木材を備蓄しておりますので、御要求がございますれば直ちに対応できるという措置をとっておるわけでございます。  なお、被災地におきましては、水稲の大事なかんがいの時期に当たっておりますので、かんがい施設等被害に対しましては、応急水路の設置なり、地方農政局の揚水機等の貸し出し等によりまして、用水の確保に遺憾のないような指導をしております。  また、今後の問題でございますが、緊急の災害復旧に伴います概要書の作成その他地元の技術者の要請も強いものでございますので、近県等から要請があればいつでも派遣できるような態勢を進めておるわけでございます。  以上、簡単でございますが、応急的な御報告を申し上げます。
  14. 北村暢

    委員長北村暢君) 運輸省森永保安課長
  15. 森永昌良

    説明員(森永昌良君) 鉄道被害につきましては、お手元に資料差し上げてございますので、それでごらんいただくことにいたしまして、不通個所だけ御説明いたしておきます。  現在、国鉄では木原線の国吉から上総中野までの八駅、距離にいたしまして二十七キロほどが現在不通になっております。で、そのうち大多喜までは比較的早く開通の予定でございますが、その先はかなり被害の程度が大きくて、現在のところ復旧の見込みが立っておりません。  次に、久留里線は、久留里まで五日の日に開通いたしましたので、残りは三つの駅、距離にいたしまして九キロの区間が不通でございますが、これまたかなりひどくやられておりまして、現在のところ開通の見込みは立っておりません。  次に私鉄関係では、小湊線がやられましたけれども、けさ現在月崎まで開通いたしまして、残りは三つの駅の駅間、距離にいたしまして九キロ残っております。そのうち養老渓谷までは約一カ月、終点の上総中野までは二カ月で復旧の予定であります。もう一カ所六月の中ごろの集中豪雨によりまして、北陸鉄道の石川線の伏見川の橋梁がいたみまして、現在この区間が不通になっております。  以上不通区間だけ御説明申し上げて、御報告を終わりたいと思います。
  16. 北村暢

    委員長北村暢君) 次に建設省川崎河川局長。
  17. 川崎精一

    説明員(川崎精一君) お手元のガリ刷りの資料に梅雨前線並びに台風二号に伴います建設省関係の公共土木施設被害状況がございますので、これをごらんいただきたいと思います。  梅雨前線豪雨につきまして、六月十三日以来の豪雨、七月一日を中心といたしました豪雨、これらに伴いまして、私どものほうに入っております被害合計は、全部で約二百九十億になっております。特に道路関係ではそれぞれ国道並びに幹線の道路につきましては、一応、応急復旧を行ないまして、交通確保いたしておりますが、なお奥地道路の一部には、若干不通のところがあるようでありまして、現在急いで復旧作業を行なっております。  なお、その後の対策でございますが、被害状況調査のために現地に主として被害の大きかった県を中心にいたしまして、長野、岐阜、山梨、滋賀並びに今回の千葉県に係官を派遣いたしております。特に被害が激甚でございました千葉県に対しましては、再度係官を派遣いたしまして、復旧工法の指導復旧工事の促進等、準備を急いでおります。なお、今後の復旧工事の準備のための技術職員の手配につきましては、建設省地方建設局の職員あるいは近府県の職員等を動員いたしまして、極力早期に査定を終えるような態勢を整えたいということで努力中でございまして、大体七月の末から八月の上旬にかけて、災害査定を実施いたしたいと、こういうふうに考えております。  なお、台風二号につきましての被害は次の資料にございますが、河川道路合計いたしまして、全体で十二億の被害がございました。なお調査に伴い若干この数字はふえるのじゃないかと思いますが、現在の報告ではこの程度でございます。  なお、道路関係につきまして、二十五号線、五十六号線等に一部不通個所がございますが、これにつきましても、鋭意復旧作業を急いでおります。なお、詳細の被害報告がございましたら、それに対応して応急措置を考えていきたいと、こういうふうに考えております。以上でございます。
  18. 北村暢

    委員長北村暢君) 以上で説明を終わりました。これより先ほどの派遣報告を含めまして、本件について質疑を行ないます。  質疑のある方は、順次御発言を願います。
  19. 加瀬完

    加瀬完君 今回の千葉県の災害に際しましては、本委員会はさっそく調査団を御派遣をくださいまして、まことにありがとうございました。なお、復旧に対しまして、関係機関がいろいろと御協力を賜わっておりまして、地元の一人として厚くお礼を申し上げます。ただいま政府側からいろいろ御説明もございまして、事情は十分おのみ込みとは存じますが、若干申し上げてみたいと思います。  千葉県下の今回救助法を適用されました地域は、生活状態は大体少ないところで五〇%、多いところは八〇%が、専業またはこれに近い農家でございます。上総町のように専業農家が少ないところがございますが、これはほとんど臨時工等で、付近に出かせぎをしておる生活の者が多いわけでございます。したがいまして、今回の災害は耕地を、そして住宅を、なおまた職場に通う道路鉄道というものを全部破壊されておる、一言に申しますればそういう状態でございます。  最初に農林省に伺いたいのでございますが、耕地の被害状況は御存じのように、流失埋没が田が千四百二ヘクタール、畑が九百六ヘクタール、冠水田畑合わせますと一万六千ヘクタールということになっております。なお、いま局長さんですか御説明がございましたが、特に君津地区は、このはんらん河川からほとんど揚水をいたしておりましたので、このはんらんのために揚水機が全部流失をいたしておりまして、干天がもしこれから続くということになりますと、ほとんど用水の設備というものがないわけでございます。なお水浸しの状態でございますから、飯米すらもこと欠く状態になってまいりました。  そこで、次の点を、まずどう対策を立てられておりますか、伺うわけでございますが、第一点は、飯米確保のためには、どういう措置をこれから講じられていただくのか、この点を伺います。
  20. 大河原太一郎

    説明員大河原太一郎君) お答え申しげ上ます。  被害を受けまして、自家保有米等を失いました農家の方々に対しましては、従来の例にならいまして、これを一般世帯並みの配給等を当然行なうということで、ただいま現地の食糧事務所並びに県と連絡をとりまして、所要量なり、今後の遺憾のないような措置を続けておるわけでございます。
  21. 加瀬完

    加瀬完君 いままで災害地の、まあ特に農家の食糧補給あるいは飯米対策というものはどういうふうになされておりましたか。
  22. 大河原太一郎

    説明員大河原太一郎君) これにつきましては、臨時配給切符を渡しまして、とりあえずその一カ月程度は所要の飯米の確保にこれは遺憾なからしめるということを、とりあえずやりまして、その後次の米作の収穫その他の飯米の確保ができる期間までは一般配給世帯として取り扱いまして、これに対して配給を確保いたすということに相なっております。
  23. 加瀬完

    加瀬完君 まあ一応形の上では飯米が確保できるということになりますが、配給ということになりますと、配給を受ける資金のない家庭は、結局配給を受けられないという結果も出てくるわけですね。もっといい方法はないですか。
  24. 大河原太一郎

    説明員大河原太一郎君) これにつきましては、過去の大災害等におきましては、その農家の被害の程度なり資金需要に応じまして延納の措置等を個別に知事と協議いたしまして、延納の措置を講ずる、あるいは卸売り価格で配給いたすというような例も、過去の大災害にとったことは事例があるわけでございます。今回の農家の皆さんの実情がこれに該当するかどうかにつきましては、なお県等と十分事情を伺いまして検討してまいりたいというに考えております。
  25. 加瀬完

    加瀬完君 県が責任を持っていままでの激甚災害農家同様に卸売り価格で配給をすると、配布をすると、こういう方法をとってもらいたいということになれば、農林省としてはそういうふうな手続をなさいますね。
  26. 大河原太一郎

    説明員大河原太一郎君) 県から詳細な実情を承りまして、それに基づいて御協議を申し上げたいというふうに考えております。
  27. 加瀬完

    加瀬完君 くどいようですけれども、詳細県が報告をして、いままでの激甚災害地と同様な条件であるということになれば、先ほど御説明のような方法もとっていただけると了承してよろしゅうございますね。
  28. 大河原太一郎

    説明員大河原太一郎君) これは過去の例を見まして、これよりきびしい条件でこれが取り扱うというようなことについては、毛頭考えておらないわけでございます。
  29. 加瀬完

    加瀬完君 いやそうじゃない。県からいままで卸売り価格で配布をしたような条件と同じだという説明があって、その後納得がいくならばいままでの一番ひどい農家の救済対策と同じような方法をとっていただけると考えてよろしいか、ということでございます。
  30. 大河原太一郎

    説明員大河原太一郎君) おっしゃるとおりの措置をしたいと思います。
  31. 加瀬完

    加瀬完君 第二点が、先ほど御説明もございましたが、揚水機がほとんど流れちゃってない。揚水機がないと、結局確保する来年の飯米にもこと欠くということにもなりかねるわけでございますが、この揚水機復旧はどういう対策でおやりいただきますか。
  32. 住吉勇三

    説明員(住吉勇三君) ただいまお話しのとおり、水田にとりましてはただいま非常に大事な時期でございまして、このかんがい期にポンプの流失相当あったようでございまして、災害復旧工事といたしまして、応急の処置もございますが、なお応急を要するものにつきましては、現在関東農政局で六十台余りの貸し出し用のポンプを確保しておりますので、必要に応じまして、いつでも貸し出しができるという準備を整えております。
  33. 加瀬完

    加瀬完君 これは、県のほうからも要請があったはずでございますが、そうすると千葉県のほうが農林省のほうにその六十台の中の何台かを貸し出してもらいたい、並びにこれを設置をしたり運用をしたりするのには、技術者も要するわけでございます。こういう技術者の要請等もあったように聞いておりますが、それらをあわせて要請をいたしましたときには、県の要請というものは、ある程度お考えいただけると考えてよろしゅうございますね。
  34. 住吉勇三

    説明員(住吉勇三君) ただいまのところ、まだ県のほうから、ポンプのほうは大きさとかいろいろございますので、詳細の要求はまだ受けておらないわけでございます。受け次第、私のほうからもまた必要に応じまして、あるいは技術者もつけまして貸し出す方法を考えております。
  35. 加瀬完

    加瀬完君 第三点は、武内理事のほうの御報告の中にもございましたが、埋没水田、これは休耕地としての取り扱いをしていただけないか。
  36. 遠藤寛二

    説明員(遠藤寛二君) お答え申し上げます。埋没、流失等あわれた方は非常にお気の毒だと思っておりますけれども、米の生産調整事業といいますのは、一つの目的をもちまして、別のルールでやっております仕事でございまして、ちょっと詳しく申し上げますと、昭和四十五年で稲の作付が可能な水田で、自主的に作付前に稲をおやめになるということにつきましての補助事業でございますので、災害対策とはちょっと何と申しますか、性格が異なっておりますので、これを生産調整の対象にするということは、たいへん困難であろうと思います。
  37. 加瀬完

    加瀬完君 それはわかっていますよ。しかし実質的に休耕地の申し出というのは、非常に少ないわけですね。ところが自然現象で休耕せざるを得なくなってしまったわけだ。だから作付減反の一つの形を変えた、目的は同じになってしまったわけなんだから、休耕取り扱いというものができないのならば、何らかそれに準ずる方法を講じてもらいたい。これは御紹介いただきました委員会報告も、同様に出ているわけでございますが、それならば休耕取り扱いに準ずる何らかの方法を講じてもらえまいか。といいますのは、何らかのそういう資金が流れてこない限り、水田の回復というのは不可能なのです。それらをあわせまして、地元では何らか、休耕取り扱いができないならば、それに準ずる方法を講じてもらいたいという要望が強いわけです。委員会報告もそれに基づいて行なわれたわけでございますが、この点についてはどうです。
  38. 大河原太一郎

    説明員大河原太一郎君) ただいま流失、埋没いたしました、すでに作付をいたしました水田の取り扱いを休耕、今度の生産調整との関係は、ただいま農政局のほうからお答えしたとおりでございますが、流失、埋没等を受けました非常にお気の毒な農家の方々に対しましては、先生御案内のように、従来の災害と全く同様に、共済金の仮り渡しとか、あるいは再生産確保のための天災融資法資金の融通措置あるいはさらに長期低利資金等、自作農資金を資金需要に応じまして必要額お貸しいたすということで対処いたしたいということでございます。
  39. 加瀬完

    加瀬完君 それからいま休耕地にしてくれないかと言った対象の地域は、流失だけではございませんで、ほとんど土砂の埋没で、これの復旧作業というのは、なかなか個人にまかせてもできない状態でございます。そこで、トラクターのような機械を貸与してもらうか、あるいは国が援助をして県等の責任でこの作業を遂行してもらうか、そういった方法をとってもらいませんと、既耕地に返すことはなかなか困難だという状態でございます。これらについて何か対策がございましょうか。
  40. 住吉勇三

    説明員(住吉勇三君) ただいま農地局のほうで全国的でございますが、保有しております機械を調べましたところ、バケットローダーそれからブルドーザー等合わせまして約四十台ぐらい現在お貸しできる機械がございます。なお、これによりましてなお足らないというような場合には、農地開発機械公団がございまして、ここはただいまいろいろ工事中でございますが、緊急な場合には、こちらのほうからも融通をいたしまして、要請がありました場合には、こういう両面からできるだけ要求におこたえするように努力していきたいと準備を進めております。
  41. 加瀬完

    加瀬完君 ありがとうございました。そのようにひとつ御措置をいただきます。  それから酪農の被害が非常に多いわけでございますが、この救済対策は、具体的に何かお立てでございますか。
  42. 大河原太一郎

    説明員大河原太一郎君) 被害人家その他の対策千葉県当局等も追われておりまして、逐次農作物関係の対策にも及んでくるというのが現状でございますので、われわれといたしましては、なお詳細に現地の畜産被害の実態を見て処置いたしたいと思うわけでございますが、乳牛等につきましては、先生御案内のように死亡なり骨折その他経済的価値を失うとか行くえ不明になるとかということにつきましては、家畜共済による損害保険がございますし、さらに再生産確保のためには、先ほど申し上げましたような天災融資法による資金の融通等被害についてこれを補てんするというような関係で、従来の損害も措置いたしましたし、今回についてもそれらを十二分に適用いたしまして、遺憾のないようにいたしたいというふうに考えております。
  43. 加瀬完

    加瀬完君 私ども千葉県に出向きましたときに、県のほうから次のような点をあわせて要請をされたわけでございますので、一括お答えをいただきます。  いまお話しになりました天災融資法に基づく天災として御指定をしてもらえると、この点は了解をしてよろしゅうございますね。そのほか自作農の維持資金の貸し付けワクを拡大をしてもらいたいという点が一点。もう一度申しますと、天災として指定してもらいたいということ、それから自作農維持資金の貸し付けのワクを広げてもらいたいということ、農林関係各種制度資金償還延期措置を、現在措りているところもありますから講じてもらいたいということ、それから農業共済金の早期の支払いをしていただきたいという点、これらが要請をされましたが、この点はいかがですか。
  44. 大河原太一郎

    説明員大河原太一郎君) 先生御指摘の四点でございますけれども天災融資法等につきましても、長雨災害梅雨前線による千葉集中豪雨のみならず、各地の被害も出ておりますので、これらもあわせまして天災融資法指定をいたしたいというふうに検討中でございます。それからその他の問題につきましても、当然自創資金の特別ワクにつきましても、農家の資金需要の実態を見まして、前向きに措置いたしたい。並びに農業共済金の仮り渡し等については、当然われわれとしても従来行なっておりますし、今回も行ないたいというふうに考えております。なお、従来の各種制度金融等の既貸し付け金を受けた農家の方で被害を受けられた方々に対しましては、農家の方々の実情に応じまして償還猶予なり、あるいは貸し付け期間の延長というような措置についても、それぞれの所要措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
  45. 加瀬完

    加瀬完君 次に、建設省と自治省に伺いますが、このたびの千葉県の被害状況は、道路決壊が二千六百六十二カ所、橋の流失が百十一カ所、提防の決壊が百二十一カ所、がけくずれが四千九百九十五カ所、こういうふうに千葉県は発表いたしておりますが、これはお認めになられますね。
  46. 川崎精一

    説明員(川崎精一君) 県の報告のとおりだと信じております。
  47. 加瀬完

    加瀬完君 そこで、市原それから上総地区、いずれも道路鉄道と川筋が重なっておりますので、道路の回復が早まりませんと、鉄道復旧も、河川改修もほとんど輸送路がないわけでありますから、困難な状態でございます。その中でも橋梁が流失決壊をしたままでありましては、どうにも人の交通もできないという状態に置かれているわけであります。いま申し上げましたとおり、養老川それから小櫃川でございますとか、地区でいうと市原の加茂地区あるいは大多喜の旧老川、西畑、君津の上総地区というものは道路が一本きりで、並行している道路がございませんので、さらに橋梁が破壊されたり流失されたりしておりましては、どうにも交通ができないわけであります。地元では特に橋梁の復旧を急いでいただきたいという要望が強いわけでございますが、これらに対して具体的に何か方法はお立ちでございますか。
  48. 川崎精一

    説明員(川崎精一君) ただいま先生のお話しのとおり、やはり災害復旧につきましては、道路交通というものが一番住民の生活上必要でございますし、復旧面あるいは産業活動等にもやはり道路を優先する必要があろうかと思いますので、私ども道路復旧を重点にして、いろいろ復旧の作業の方法とか、期間とかあるいは財政措置とかいろいろあろうかと思いますけれども、重点的に復旧を進めるようにいたしたいと思います。
  49. 加瀬完

    加瀬完君 副長官にお尋ねをいたしますが、国道、県道の復旧は先ほど御説明があったようにわりあいにめどがついている。ところが、市町村道あるいは林道にたよって交通している地域でございますから、そういう県道を除く地方道の回復というものは非常に急がれるわけでございますけれども地方財源はそういった非常災害までまかなっていくような余力はございません。そこで、市町村道路橋梁をはじめ、こういう交通関係の復旧財源というものを、政府としては特別に考えていただけるのか、この点自治省も御関係がございますが、まず副長官にお尋ねをいたします。
  50. 湊徹郎

    説明員湊徹郎君) 災害対策のたてまえ上それぞれの国道、県道、市町村道管理の責任の分担に従いまして、それぞれ措置を講ずるのは当然でございますが、ただいま話がございましたように、特に過疎地帯に属する市町村道、財政負担の上でかなり困難なところは過去においてもございましたし、今回の場合もあるいはあろうかと思います。そういうものに対しては主として自治省を通じ、交付税あるいは特別交付税ないし起債等の措置を通じて市町村の御負担を軽減する措置を極力講じていきたいというふうに考えております。
  51. 加瀬完

    加瀬完君 きょうの新聞に、地方版でございますが、建設大臣が「市町村道も国費で」復旧という見出しが載っておりますが、これは間違いございませんか。
  52. 川崎精一

    説明員(川崎精一君) 私、大臣から直接そういうお話は伺っておりませんが、大臣のおっしゃった趣旨は、ただいま副長官からおっしゃった趣旨じゃないかというふうに考えております。
  53. 加瀬完

    加瀬完君 きのうの衆議院の委員会での御答弁として載せられておりますが、「市町村道も国費で」復旧ということは、ただ現在きめられておるワクの中で、特別交付税とか起債ということだけでやるということでございますか。それは国費じゃないでしょう。
  54. 川崎精一

    説明員(川崎精一君) 国道、県道と同じようにいたしまして、市町村道もやはり災害復旧事業の対象にいたしております。なお、その他に地元負担につきましては、先ほどのようないろいろな財政上の措置も国としては講じていくと、こういうことになっております。
  55. 加瀬完

    加瀬完君 副長官がお認めになっていらっしゃるように、これは過疎地帯です。したがって、地方財源が枯渇しておる。そこで、起債といったところで、私も詳しくは調べませんが、起債が大蔵省の限度額をこえているかもしれませんし、あるいは今回の復旧財源を起債に求めれば当然限度額をこえるという形になります。限度額をこえたところは起債はできない。特別交付税といったところで、特別交付税もこれはワクがあるわけでありますから、無制限に特別交付税でまかなうという筋合いのものじゃありませんから、そうしてくれるというのなら別ですが、いままでの特別交付税の配賦の基準によれば、災害があったから特別交付税で財源を幾らでも無制限に見合って支出をしてくれるという状態ではないわけでありますから、市町村道も国費でまかなうなんということを御発言なさるなら、少しきっちりと、いままでの条件よりもこういう点で国のほうが地方負担を軽くいたしますとか、あるいは地方負担に対する補助のワクを広げますということを明確にしていただかなければ、非常にこれは困ることでございます。大臣はその説明の中で、公共事業費を大幅に振り向けるというお話があった。公共事業費を大幅に振り向けたところで、市町村の事業計画と公共事業費の対象として認定をされる計画と、必ずしも一致をするとは限りません。そうすると、公共事業費でまかなってくれるというので、復旧を急がれますから、幅を広げて市町村復旧工事にかかる。ところが、一部は公共事業として認定されたけれども、一部は認定されないということになりましたら、これはその返済を市町村はどうしていいかとほうにくれるわけです。公共事業費ということになれば結局は大蔵省でございますので、大蔵省に伺いますが、どうですか、災害復旧というワクの中でやらなきゃならない仕事ということで市町村が公共事業に組んだものは、今回はこういう激甚災害地に限っては公共事業の対象としてお認めくださいますか、いかがでしょう。
  56. 藤井直樹

    説明員(藤井直樹君) 災害復旧につきましては、現在公共土木施設に関する復旧の国庫負担法、そういう法律がありまして、その体系の中で、市町村の財政状況等も考えて、その財政負担の措置を講じておるわけでございます。で、もしその被害が判明して査定が終わるということになりますと、そのものから逐次予備費の支出をしていくということになります。特に災害復旧については既定の公共事業費予算を使うということはいたしておりませんで、別途予備費を組んでありますので、その予備のほうから支出するということになっております。
  57. 加瀬完

    加瀬完君 公共事業費の対象にするというなら、市町村道路、橋梁等も一応国費の一部を流してやるという理屈は立ちますけれども災害関係は公共事業の対象のワク外だというのであれば、大臣の説明していることはおかしいのだ。それを一点明らかにしていただきたいということです。  そこで、起債のワクであります。ある場合は、限度額をこえるという起債額が出てくる場合もありますけれども、そういう場合も、こういう天災地変のような災害復旧の場合は、起債をお認めいただけるように御配慮をいただけるか。これはむしろ副長官に——自治省、大蔵省だけれども政府としてこれからこういうふうにおやりいただけるかどうか。いままではおやりいただけなかった。これからおやりいただけるかどうか。これは大蔵省と自治省と副長官と三者にお答えをいただきましょう。
  58. 成田二郎

    説明員(成田二郎君) いま先生御指摘の、限度額こえましたものにつきまして、実は、従来そういうケースの事業はいわゆる小災害、こういう扱いにいたしまして、大きく言いますと、単独債のワク内で優先的に取り扱う。これに対しまして、後年度の対象につきましては、元利償還金の補給なりあるいは交付税の算出によって措置する、こういう扱いにしております。また、特に今回のような激甚の災害の起債につきましては、特別にいろいろな財政事情、前向きの財政事情を、たとえば災害復旧等のつき合いの地元負担の関係で、財政需要もありますけれども、またマイナスの面では地方税の減免、具体的にはおそらく大蔵のほうから御説明ございますと思いますが、国税の減免等の措置が講ぜられているようでございますので、地方税の関係につきましても、府県並びに市町村減免措置が講ぜられます。これ以外にも諸般の住民の公的な経済負担の面につきましては、もしその分だけ減収が広がりまして関係市町村の負担増、こういうかっこうになりますので、それに対しましても、別途歳入欠陥に対する起債の措置は講じておりますけれども、これら措置額については一応限度がございますので、御指摘の点につきましては、十分大蔵方面とも今後とも折衝してまいりたいと思っております。
  59. 加瀬完

    加瀬完君 それは災害対策費にはならないでしょう。地方税が減免をされる、その分を交付税でまかなうというのは、経常経費をまかなう点については理解ができます。しかし、収入が少ない上に事業が多くなるわけです、支出が多くなる。その災害復旧という支出増の分はどこで一体まかなうのか、こういう問題なんですよ。そうすると、それはたとえば、公共事業として国がまかなうというようなことを建設大臣はきのう御説明になったようです。ところが、いま伺ってみると、いや、公共事業費はそういう災害を対象には使われませんよということになれば、それはだめだ。じゃ、残るものはあとは起債と交付税だ。交付税はこういう激甚災害があったからといって、交付税は上げるわけにはいきませんから、特別交付税、あなたの御説明のような算定で交付税が来ても、それは経常費をまかなうだけで、広がった財政支出をまかなう、あるいは埋めることにはなりませんよ。そうでしょう。この点ひとつ確認をしていただきたい。  そこでもう一つ、そこで、それじゃ災害復旧なんかに出る新しい経費というものは、どこで国として認めてくれるのか、こういう問題になりますね。そうすると、先ほどから特別交付税ということばも出ておる。それじゃ、特別交付税の算定に、確実に災害復旧関係の費用というものを算定基礎の中に入れてくれるのか、この二点についてひとつお答えをいただきます、
  60. 成田二郎

    説明員(成田二郎君) 第一点の点は、先ほど申しましたように、後年度におきまして災害に、前年度あるいは前々年度等に支出されました地元負担の関係を、後年度において見ていくということでございますから、その辺は先生と議論のいき違いがあるかと思います。  第二点につきましては、当然いま先生御指摘のように、特別交付税といえども限度はございますので、十分見るというわけにはいかない。その点は別に先生に御異議を申し上げているわけではございません。
  61. 加瀬完

    加瀬完君 副長官、あなたは特別交付税等で結局新しい出費を見るということだけれども特別交付税にも計算の基礎があるのだから、そう無制限には見られないという担当のほうからのお答えがあった。そうすると市町村の財源は、御指摘のように過疎地帯でございますからございません。やっとやりくりでやっているような市町村財政のところに、今度は大きな事業費の出費が必要となってきた。ところがその財源の補てんは国のほうからはあまりはっきりしたものがないということになりますと、これは起債である程度見てもらって、それを交付税で算定をしてもらうというような方法をとるか、あるいはあらためて特別交付税のワクというものを広げて考えていただくか、二つしかないと思うのです。これらは政府としてはっきりと対策を立てていただかなければならないと思うのです、特別交付税はね。特別交付税のきめられたような方法では使われておりませんよ、このごろ。これは政府にはっきり言ってもらいたい。たとえば成田空港で代替地を提供したものが税金がかかった。これに対して特別交付税で見ておりますよ、同じ千葉県に。これは交付税法違法だ、これは。ところが便宜的にそういう方法もとっている。それならばこういう大きな災害復興に対してですよ、特別交付税の算定に便宜な方法をとれないということはあり得ない。これは自治省の係官に言ったってしょうがないから、政府としてひとつこれは特別交付税の算定で、ある程度財源の補てんをするという方向でひとつ御検討をいただきたいと思います。要望を申し上げますので、いかがでしょうか。御努力いただけましょうか。
  62. 湊徹郎

    説明員湊徹郎君) 実は私も一昔前までは府県の行政を担当し、その後、国会に出てから十年来、災害関係を主としてやっておりますので、過去の実績についてはまあいろいろございますが、ただいまのように、願わくば公共災害については、公共事業の負担という形で第一義的にはなるべく地元の負担を軽減する措置をとりたいというふうな観点から、まだ御質問はございませんけれども、いままでの激甚災害措置だけでは不十分だから非常に深度の深い、傷の深い災害に対しては局地激甚という特例措置を四十二年から講じ、それによりますと公共事業、ものによって違いますけれども、計算のしようじゃほぼ九割以上、九割八、九分まで国庫の負担になるような事業も実はございますし、それをさらに特別交付税あるいは起債の措置で緩和しながらいまのように負担能力のないところをカバーしていこうという各種制度の組み合わせでやっておりますので、今回の場合も特に千葉の副知事さんからきのうの衆議院の特別委員会でも局地激甚の指定をぜひなるべく多くの町村にひとつ適用してほしいと、こういう御要請もございましたし、そういうものを全部総合的に防災会議として調整をいたしながら、あるいは場合によって、ほんとうに極端な場合はまるきり従来のルールでもっては手足が飛び出しちゃってどうにもならぬというのも、あるいはあるかもしれません。そういうようなものについては、個個のケースについて内部的に検討もいたしておりますので、対応する方法はさっきから議論がございましたように、さまざまございますけれども、町村の御要請にこたえるような方向で、私どもとしては政府部内で総合調整をひとつやってまいりたいというふうに思っております。
  63. 加瀬完

    加瀬完君 まことにありがとうございました。そうすると、ただいまの御説明は建設大臣のおっしゃったように、市町村道も国費で復旧する、そういう趣旨を生かしてくださるのだと了解してよろしゅうございますね。ちょっと答えてください。
  64. 湊徹郎

    説明員湊徹郎君) 趣旨についてはおっしゃるとおりでございます。
  65. 加瀬完

    加瀬完君 さらに、住宅、店舗等の復旧対策について伺いますが、流失や破壊をされました住宅、店舗等は半壊を含めますと六百五十四尺これらは個人の責任のみではなかなか復旧が困難でございます。そこでどういう財政保護の対策をお立てになっておるか、まず建設省に伺います。
  66. 大富宏

    説明員(大富宏君) 罹災住宅に対する対策といたしましては二通りございまして、一つは既存の公営住宅のあき家に入居させることが第一点。第二点は、住宅金融公庫の災害特別貸し付けで助成することでございます。現に千葉県につきましては、金融公庫の係官を現地に派遣いたしまして、目下調査をいたしております。
  67. 加瀬完

    加瀬完君 そういう点が非常に認識不足だと思うのですね。先ほども申しましたとおり、少なくても五割、多ければ八割がもう純然たる農家ですね。それを公営住宅のあき家といったって、六百五十四戸も、半壊を含めるとございますのに、それに見合う公営住宅なんというものは、農村地帯にはございませんよ。ありましたところで、農業経営をする上に、一般のつとめ人が入るような公営住宅に入ったって、商売になりません。そこでそういう方法ではなくて、次のような方法はとれないかという点を伺います。申し落としましたが、住宅金融公庫等の融資ごあっせんをいただくことはまことにありがとうございます。お願いをいたします。県または市町村が農村向きの公営住宅をこの際建設をする、それに対して規格がどうだの、やかましいことを言わないで、県なら県が指導をして市町村に農村向きの公営住宅を救済の目的で建てる場合は、一般の補助対象にする、こういうお約束はいただけないかどうか。
  68. 大富宏

    説明員(大富宏君) お答えいたします。御趣旨よくわかりました。地方公共団体の要望がございましたら、お述べになりました農村向けの公営住宅について検討いたしたいと思います。
  69. 加瀬完

    加瀬完君 重ねて課長さんに伺いますが、一番、地元で要望をされておりますのは、低所得階層といいますか、この生活保護を受けているような方々の全壊や流失の家屋の復興をどうするかということで、ほとんど手がつけられないわけであります。そして他とのつり合いもありますから、それだけを市町村でまかなってあげるというわけにまいりませんが、これらの生活保護階層の住宅喪失に対する救済対策というものは何かお考えいただけましょうか。
  70. 大富宏

    説明員(大富宏君) 生活保護家庭につきましては、原則的には公営住宅に特別入居していただくほかないわけでありますが、現在流失して当面の住宅にお困りだという方につきましては、一時、第一次的に仮設住宅に入居いただくことにいたしまして、それの恒久的な対策といたしましては、来年度配分の公営住宅でこれを考えていくという、こういうことになろうかと思います。
  71. 加瀬完

    加瀬完君 これは厚生省の関係にも触れるかもしれませんが、副長官にもお答えをいただいたほうがいいかもしれませんが、災害に伴う低所得者世帯更生資金として、住宅資金とか災害援護資金等の貸し付け原資の増額を考慮をしていただければ、ある程度まかなっていけると思いますが、この点は政府としては御考慮いただけますか、副長官がお答えいたしてくださってけっこうです。
  72. 湊徹郎

    説明員湊徹郎君) 実は私全体のいろいろな問題の調整役はやっておりますけれど、個々の事業についてのいろんな実施の基準その他、細部よく承知しておりませんので、直接の担当省のほうからひとつ御返答申し上げたいと思います。
  73. 加瀬完

    加瀬完君 その方来ておらないでしょう、担当の人が……。——それでは副長官のほうからそういう要望もあったという点をひとつお伝えをいただきます。  厚生省に伺いますが、先ほども防疫関係の問題で御報告がございましたが、消毒等、事後の衛生管理というものを市町村にまかせておきましても、市町村はもろもろの問題をかかえておりますので、なかなか手が届きません。そこで、厚生省なら厚生省が主体となって、こういう災害地なんかのときには国が責任を持って防疫関係の一切の施行をするというような対策はとっていただけないでしょうか。あるいは今回は千葉県の県庁そのものは災害地域ではありませんでしたから、あるいは千葉県に依頼をして、千葉県なら千葉県に厚生省が援護をして、県の責任で防疫関係の一切の衛生条件の整備ははかる。そういうことをしませんと、貧弱町村なんかではどうにも防疫関係のあと始末まで全部やるということは不可能ですよ。こういう点、ひとつ厚生省に伺います。
  74. 石丸隆治

    説明員(石丸隆治君) 災害時におきます防疫体制につきましては、国、都道府県あるいは市町村、それぞれの分野を定めまして対処しているところでございますが、ただいま先生御指摘のように、市町村が貧弱なために、なかなかこの災害に対処できないというような場合もございます。こういった点につきましては、国、都道府県等からの応援態勢を考えておるわけでございます。今回も国のほうから防疫技師二名を派遣いたしておるわけでございますが、さらに今後必要に応じましては全額国費をもって都道府県に置いております防疫官あるいは防疫技師の応援派遣を考慮してまいりたいと思っております。
  75. 加瀬完

    加瀬完君 これは単に千葉県の数カ町村には限らないわけですね。こういうときには市町村というのは具体的ないろいろな相談なり事案の処理なんというものに奔走しなきゃならないわけですからね。もう永久的な対策を立てるとか、具体的な全地域にわたる施策をするなんというのは、非常に人手もありませんから困るわけですよ。しかしながら、一部消毒して一部を消毒しないということでは、衛生環境の条件を整えたということにならないわけですから、こういう点でむしろ国、県という責任で防疫関係は万全を期するということをたてまえにするほうが、私は現実的だと思うんですよ。この点重ねて伺います。
  76. 石丸隆治

    説明員(石丸隆治君) 先生御指摘のとおりでございまして、防疫体制というものは、これは一応国の仕事といたしまして、機関委任事務の形をとっております。したがいまして、市町村で対処できない場合は都道府県からこれを応援をする、あるいはまた都道府県でできない場合は他の都道府県からの応援命令を出す、こういった点で、さらに今後先生御指摘のような点を徹底してまいりたいと思います。
  77. 加瀬完

    加瀬完君 これは少し意地の悪い質問ですが、この辺は上水道簡易水道もございますが、いわゆる自然の井戸水を飲料水としている地域も多いわけですね、ところが、井戸水も何も一切埋まってしまったわけでございます。そこで、あとで伺いますが、上水道簡易水道復旧というのは手続をとって行なわれるわけでございますから、そう心配はありませんがね。井戸水を飲料水として確保するためには、相当のこの衛生的な指導というものが必要ですよね、あるいは条件の整備というのが必要ですよね。こういう点、厚生省は何らか、県なら県を通して指示をいたしておりますか、指導助言をいたしておりますか、伺います。
  78. 石丸隆治

    説明員(石丸隆治君) 家用水の供給につきましては、伝染病予防法の第十七条ノ二に基づきまして措置をとっておるところでございまして、伝染病予防上、必要に応じまして家用水の使用を廃止または使用停止を行ないました場合には、都道府県知事の指示に従いまして供給を義務づけておるところでございます。
  79. 加瀬完

    加瀬完君 そんな紋切り型のことを言ったって、水がなければ井戸水飲んじゃうんですよ。米がなくてもがまんできますけれども、水がなくてはどうにもならないわけですよね。ですから飲料水確保というものをどうするかということが一番の問題なんです。それは災害の直後二、三日は水を持って来てくれたりなんかしますよね。それが一週間たち十日たてば、そんなに水ばかり配給に来てくれる協力機関もなくなるわけですね。そうすると井戸水を使わざるを得ない。しかし井戸水をどういうふうに使うようにするかという指導がなければ、これは使われてしまいますよ。これはひとつ要望をいたしますが、県等にも適宜指導助言をなさいまして、県の責任で井戸水の飲料水の適格性というものの確保にはひとつお骨折りをいただきたいと思うのでございます。  次に、先ほど関係のほうから御説明もございましたが、学校等公共施設復旧対策については重ねてひとつ伺いますが、どういう対策をお立てになっておられますか。
  80. 菅野誠

    説明員(菅野誠君) 学校施設につきましては、先ほど総務長官のほうからのお話の中にも、その他の部分でお話に触れられたところでございますが、公立学校につきましてと国立学校施設につきましての被害が若干ございます。公立学校施設の災害復旧につきましては、御存じの公立学校施設災害復旧費国庫負担法がございますので、その第三条の規定に基づきまして、被害を受けた施設を原形に復旧するために要する経費の負担を行なうということになっております。建物、工作物、土地、設備等の災害復旧につきまして、この規定によりまして復旧を行ないたいと思っております。国立学校の復旧につきましては、当該学校が、これは国立でございますから、設置者が国になりますので、災害復旧要求書を整えて関係官の査定を受けて、国立学校施設災害復旧費の中からまかない切れない部分につきましては、予備費をもって大蔵省に要求をいたしまして復旧の要求を行なうことになります。申し落としましたが、公立学校施設につきましても、その設置者であります県、市町村のほうから、この負担法に基づく要求書が出てまいりまして、立会査定の上で、予備費支出の要求によってこれが復旧をはかるということになるわけであります。
  81. 加瀬完

    加瀬完君 水道簡易水道復旧でございますがね。これはある程度技術者を派遣をしてもらいませんと、市町村ではなかなか復旧に困難な問題がたくさんございます。これらの点はいかがでしょう。
  82. 国川建二

    説明員(国川建二君) 今回の災害によりまして千葉県内で二十五施設が被災をしたわけでございますが、今日までに六施設を残しまして応急復旧を終わっております。この間、厚生省からも担当官を派遣いたしまして全般的な指導をいたしましたが、それぞれの市町村には、まず県の水道局の技術者を派遣いたしております。また隣接の水道局からもそれぞれ技術者を派遣いたしまして、調査並びに技術指導を行なっておりますけれども、実態に即しまして、また御指摘もございましたので、私どももさらにその状況を考えまして、十分な対策ができますように指導いたしたいと思います。
  83. 加瀬完

    加瀬完君 それから地元で非常に困っているのは、事務手続の問題であります。この事務手続が非常に煩瑣でございますが、監督官庁のほうは急いで出せという。しかし、急いで出すにしては、ほかの仕事で目の前で処理しなければならない仕事がたくさんありますから、事務手続の整備だけに人をさけない。こういう場合、手続の担当者を県が派遣をするとか、あるいは手続をもっと簡素にするとか、こういう方法をとっていただけないかということが一つ。それから、先ほど御説明もございましたが、建設省査定官が急いで確実な査定をしてくれませんと、いろいろ報告をするにしても、なかなか市町村被害額というものを的確に報告をすることが困難な状態にもございます。そこで手続の担当事務についての援助対策というものを考えてもらえまいかということが一点、それから建設省そのものの査定事務というものを急いでもらいたいという点が一点、この二点をまず伺います。
  84. 成田二郎

    説明員(成田二郎君) 地方公務員法の規定によりまして、従前いろいろな技術面の、あるいは事務面の指導等につきまして、適宜府県の職員等を管内の市町村に派遣をする、あるいは場合によりますと、災害発生につきましては技術面、特に土木関係の技術が非常にむずかしいということになりますと、今回の被災地の千葉県のような場合につきましては、非常に従来の経緯によりまして技術者の配置が少ないということでございますので、きのうも川上副知事さん等がお見えになりましたので二、三いろいろ助言等を申し上げておるわけでございますが、今後ともわれわれとしてはできるだけの御協力を申し上げたいと思っております。
  85. 加瀬完

    加瀬完君 そこで、事務手続の問題には少しはずれるかもしれませんが、先ほど御説明がありましたから確認をしたいのでありますが、被災中小企業者に対する資金援助、それからこれも御説明がありましたが、今回の豪雨のための罹災者の所得の激減による減免措置、こういうものはそのとおり行なわれると考えてよろしゅうございますね。それについての手続も、特に中小企業が金を借りるというときに、ごたごたした手続で借りられないという問題も非常に多いわけでございますから、こういう点もひとつ市町村が窓口で借り受けの手続ぐらいはやってやる一それにしても窓口に回すだけの人がおりませんから、これは県か何かの援助によって手続を進める、こういう方法をとっていただけると考えてよろしゅうございますか。
  86. 井川博

    説明員(井川博君) 中小企業金融につきましては、政府系の三金融機関、すなわち中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工中金が今回の災害での災害貸し付けをいたすことに決定いたしております。この災害貸し付け手続の面におきましても、迅速簡便というものを旨といたしておるわけでございまして、具体的なやり方はいま先生がおっしゃったように、地方で一括云々というような方法がいいのかどうか、ここらあたりは県なりあるいは地元の市町村あたりと御相談をしてやらなくちゃなりませんけれども、よくありますことは、金融機関が一定のところに出向きまして、現地融資の御相談を受けるというようなやり方をやっております。今回もまだ救急対策で手が回らないと思いますけれども、そういう需要が非常に強い時期には、そういう方法が講ぜられるのではないか、というふうに考えておるのでございます。
  87. 加瀬完

    加瀬完君 そうしていただければけっこうです。一括して市町村でまとめるということではなくて、市町村の吏員が手伝ってやるような形でもとらなければ、なかなか手続がめんどうです。しかし市町村は現実にそういう手続にお手伝いするような人員を、さくことができませんから、それらの方法を県等で考慮していただきたいということでございます。  それから時間がございませんが、鉄道復旧問題で伺いますがね、久留里線は久留里まで通って、これから亀山まで復旧計画を進める、それから木原線は国吉までですか、それから大多喜までは通す、大多喜から中野までは非常に困難だと。で、木原線についてはこれは廃止計画というのがあるわけですね。幸いにもこれ線路が通らなくなったから、このままに廃止の方向に持っていくのではないかということで、地元はだいぶ心配しておる。現在廃止をされておらないわけですから、やはり大多喜までは復旧しますが、それから先は困難だというのではなくて、中野まで必ず復旧いたします、現在国鉄はそういう態度をとっていただかなければならないわけですけれども、そう考えてよろしゅうございますか。
  88. 森永昌良

    説明員(森永昌良君) 先生御指摘のとおり、一昨年国鉄総裁の諮問機関から、道路輸送に転換できる可能性のある線区として、赤字線の中で、木原線がその話題の一つにのぼったことは事実でございます。国鉄としましても、また運輸省といたしましても、木原線の廃止を正式に決定したわけじゃございません。ただ、いろいろ国鉄再建の一環として、国鉄ローカル線の中で、地元の御了解を得た上で、道路輸送に転換できるものがあれば、そういう方向に持っていきたいという考えもございます。ただ今回のような災害がちょうどいい機会だからやめてしまおうというようなことは、私ども毛頭考えておりませんし、あくまでも技術的な困難性のためにおくれているわけでありまして、その点につきましては、国鉄の施設局長がお見えになっておりますので、詳細御説明いただきたいと思います。決して私どもはこれを機会にやめてしまうということは毛頭ございません。一日も早く地元の方々に喜んでいただくように復旧したいということで、国鉄指導してまいりたいと思っております。
  89. 北沢秀勝

    説明員(北沢秀勝君) ただいま運輸省から御説明のありました災害復旧計画について、補足をさしていただきたいと思いますが、久留里から先、亀山までの問題とそれから国吉から先中野までの問題でございますが、先ほど御説明ありましたように、非常に復旧が困難だと申し上げたのは、ここにおきます被害が非常に大きいものでございまして、久留里から先が実に四十件という大被害を受けております。また国吉から先におきましても二十四件という大災害を受けておりまして、その災害そのものにつきましても、たとえば土砂の運搬に一万立米を要するという大災害であります。ただそれに加えまして橋梁が非常に多くありまして、たとえば久留里線でございますと、小櫃川の橋梁というのは四カ所か五カ所横断しておる。また木原線につきましても夷隅川橋梁が十回くらい横断しておるのでありまして、これが非常に大河川でございまして、今回の増水がまだ引いておりません。一時、三日に引き始めましたが、また台風の影響でございましょうか、まだ昨日現在で二メートル五十という平水よりも増水でございまして、この橋梁の破壊といいますか、橋梁の洗掘そのものの状態によりまして今後の復旧計画、土砂運搬であるか、あるいはその橋梁をどういうふうに復旧するかということで非常に困難を来たして、復旧見込みがただいま申し上げかねると申し上げておりますので、復旧をいたさないということでございませんので、御了解願いたいと思います。
  90. 加瀬完

    加瀬完君 とにかくそうすると、久留里線にしても木原線にしても、これを機会に廃止の方向へ持っていくんだということではないと了解してよろしゅうございますね、簡単にお答え願います。
  91. 北沢秀勝

    説明員(北沢秀勝君) 廃止の問題と復旧の問題とは全然別個でございますので、そういうことでございます。
  92. 加瀬完

    加瀬完君 そういうことというのは、とにかく廃止されておらないのだから復旧をすると、保安課長のお話のとおりに承ってよろしゅうございますね——そう承っておきます。  次に、これは国鉄関係ではございませんが、地元民にとってはただ一つの動脈でございます小湊鉄道も非常に破壊をされております。あそこは大体三千万くらいの赤字ですね、赤字路線ですね。で、営利会社ですから、その復旧に何も国がどうこうということはないわけでございますが、地元としては、この小湊鉄道復旧にも何らかの政府指導がほしい、早く復旧させるような指導がほしいという要望がございますが、この点はいかがですか。
  93. 山本正男

    説明員(山本正男君) お答え申し上げます。  先ほど保安課長のほうから小湊鉄道の月崎までの開通を御報告申し上げました。これはきょう始発からおおむね平常運転を月崎−養老間をいたしております。問題は、月崎から養老渓谷を経まして上総中野に至ります約十キロの路線の被害状況でございますが、ここがたいへん被害を受けておりますのは、先生御承知のとおりでございます。一応の私ども指導並びに小湊鉄道計画を申し上げますというと……
  94. 加瀬完

    加瀬完君 簡単にしてください、時間がないから。
  95. 山本正男

    説明員(山本正男君) 二カ月かかりまして上総中野まで到達するということでいま努力をいたしております。
  96. 加瀬完

    加瀬完君 政府関係の方、いろいろ長時間ありがとうございました。特に副長官にお願いをしたいのでございますが、ただいまお伺いをしたような解決まだされないいろいろの問題点がございますので、御存じのような過疎の地帯、財政力の貧困な地域でもございますので、政府の特段の御援助、御協力をいただきたい、特に副長官から関係の各大臣にもお願いをしていただきたいと思います。ありがとうございました。
  97. 上田稔

    ○上田稔君 私もこのたびの災害に際しまして、現地に行かしていただきましてお見舞いを申し上げ、またいろいろと御事情を承ってまいったのでございますが、それにつきまして二、三の質問を行ないたいと思います。  まず通産関係でございますが、砂利採取法についてちょっとお伺いをしたいと思う次第でございます。これは天津町に参りますと、大きな砂を取っておられる場所がございます。また君津郡の各地におきまして、あそこは下の岩盤が砂岩からなっておりますので、非常に大規模に砂を取っておられるところがあるわけでございます。これにつきましては、このたびの災害におきまして、その砂を洗われたヘドロが川にあるいはたんぼに流れてきてその被害を起こしておるという地元の方方からのお話がございました。川につきましては、必ずしもそればかりではなくて、上流の大きな山くずれといいますか、がけくずれ、そういうものから発生をしたヘドロが入っておると思われますけれども、この砂を採取をしておられるところにつきましても砂利採取法によっておやりになっておるのかどうか、その点をお伺いいたしたいと思います。
  98. 倉部行雄

    説明員(倉部行雄君) 砂利の採取につきましては、河川あるいは山、おかを問わず砂利採取法によりまして、千葉県におきまして県が、河川につきましては一部建設省もございますが、山砂利、おか砂利等につきましては県が直接採取計画の認可を行なっておるわけでございまして、千葉県におきましては約七十カ所の採取が行なわれておりまして、県の事前の採取計画のチェックによりましてやっておるはずでございます。
  99. 上田稔

    ○上田稔君 この砂利採取法でございますが、砂利採取計画認可準則といいますか、こういうものを通産省でお出しになっておると思います。これに基づいて県が監督をしておられるんじゃないかと思うのですが、この点はいまも変わっておりませんでしょうか。
  100. 倉部行雄

    説明員(倉部行雄君) 採取計画の認可にあたりまして、通産省と建設省の共同でつくりました認可準則に従ってやっておるわけでございまして、その際、当然それぞれの地域の特殊事情というものを、そういった認可準則の運営上配慮してやっておるはずでございます。
  101. 上田稔

    ○上田稔君 この君津郡の場合におきましては、山砂利の採取のほうに該当するわけでございますが、この山砂利を取られるときには、現地に行きますと、非常に階段掘りといいますか、階段掘りというよりも一段の階段掘りになっておりますが、この高さというものをどの程度にお考えになっておられるでしょうか。
  102. 倉部行雄

    説明員(倉部行雄君) 階段掘り、掘さくの方法等につきまして認可準則で詳細きめている面と、具体的な状況によって現地で県が判断してやっておるものとございまして、現在の点につきまして、私はまだ十分調査いたしておりません。
  103. 上田稔

    ○上田稔君 この階段掘りにつきましては、山砂利でなくておか砂利の採取のほうにその高さについて書いてあるのですけれども、この高さは五メートルとしてありますが、現地はそれよりも——準ずるわけですから、少し高いようでございますが、それに土質がやわらかいようでございますので、そういう点をよくお考えになっていただきたいと思う次第でございます。それから「安定こう配」ということがあるのですが、これも砂の場合は一メートルの高さに対して横が一メートル五十という勾配で取れと、こういうことが書いてございます。この場合にはそれよりももっと急なやつを現地では採用されておる。これは現地に応じておやりになっておると思いますけれども、これの点において少し危険なようなところもあるのでございますので、この点を十分監督をしていただきたいと思います。  それから次に土砂の流出でございますけれども、これに対しては水路を設け、土盛りをするということが準則に書いてございますが、これではどうもちょっと土砂の流出を防ぐというようなことに十分にいかないのじゃないかと思うのでございます。したがいまして、この点採取認可基準といいますか、この認可基準について御検討をいただきたいと思うのです。また各地の、ほかの地方でございますが、見に行きますと、丘陵地におきましては、すき取り式でやっていけ、こういうような準則になっておりますが、実際上このすき取り式というやり方でやるというのは、非常に金がかかるというようなこともありますし、これは実情に実際合っていないというようなこともあります。したがいまして、この準則については、もう砂利採取法がきまりましてからだいぶ年数がたつわけでございますから、まあ二、三年かもしれませんが、いろいろのケースがもうおわかりになっていると思うわけでございます。こういうことにつきまして、認可準則というものを御検討をいただきたいと思う次第でございます。いかがでございますか。
  104. 倉部行雄

    説明員(倉部行雄君) ただいまお話がございました砂利採取のやり方等につきまして、この認可準則は四十三年の十月に通産省と建設省でつくったものでございますが、その後の状況、特に今度の災害状況等も十分考えまして、認可基準の各県におきます運用の問題、さらに基準自体につきましても、調査の結果を、また建設省とも十分相談いたしまして、検討いたしたいと思います。
  105. 上田稔

    ○上田稔君 ひとつよろしくお願いいたします。  次に、この急傾斜地の基準でございますが、この夷隅町の正立寺部落でございますが、ここへ参りますと、房総半島の東側というのは下の地盤が粘板岩からなっておりまして、その上に土砂がたまって、風化をいたしまして土に変わっておって、そこに木がありあるいは草がはえておる、こういうような状態になっておるわけでございますが、この房総半島ではいままでこういうように百十六ミリというような一時間に非常にひどい雨を受けたことがなかったのじゃないか、そういうような地帯でありますが、これがすべり落ちておるわけでございます。したがいまして、そういうすべり落ちることを知らないものだから、そこのところに昔から部落ができておる、その部落が非常に危険になっておるというのでございます。この急傾斜地の基準によりますと、たしかあの法律をつくるときには五戸以上について適用をするのだ、そうしてそれに対して安全な施設をつくって人命を守っていくというのが、たしか趣旨であったと思うのでありますが、何かお話を聞きますと、県工事におきまして、五十戸以上被害がないと国は補助をしないのだというようなことを言っておられます。この点はどうでございますか。
  106. 木村三郎

    説明員(木村三郎君) 急傾斜地の崩壊対策事業の国庫補助の採択基準につきましては、人家密集地区におきまして、おおむね五十戸以上の家屋が倒壊などの著しい被害を及ぼすおそれのあるとき、または災害発生いたしました場合、緊急に工事実施が必要であるというときにはおおむね三十戸以上の地域に対しまして、都道府県が工事を行ないますものにつきまして国庫補助をいたすということになっております。このたびの人命に及びました災害の実例にかんがみまして、極力事業費の拡大に努力いたしますとともに、これらの基準に満たない個所につきましても、防止工事を実施するよう検討いたしたいと存じます。
  107. 上田稔

    ○上田稔君 最近の災害におきましては、急傾斜地の下におきましておなくなりになる方が非常に多い。こういうことからいいまして、この法律ができたわけでございますので、これはぜひとも大蔵省のほうにもお願いをいたしたいのですが、この急傾斜地の国庫補助の基準をもっと下げていただきたい。そうしてこの夷隅町のような場合におきましては、二十八戸でございますけれども、これを放置いたしておきますとさらに被害が大きくなってくる。いま現在においては四、五軒の家が土砂に埋まっておるというような状態ですけれども、それから上の部分あるいは両サイドの部分が崩壊をいたしますと、非常に広範囲に大きな被害を受けるというおそれがある。こういうようなものは、三十戸だとか五十戸だとか、そんな基準にとらわれないで、人命に非常な危険があるという場合には、これはぜひとも国庫補助によって防止をしていただきたい。災害国庫負担法という法律ができたゆえんのものは、やはりこれは国民の財産、生命を守るために国の費用を全額投ずるのだという趣旨から出ておるわけでありますから、こういう急傾斜地の場合におきましては、これはもう人命に直接関係するのでありますから、基準を下げてそうして適用をしていただきたいと思う次第でございます。どうかひとつよろしくお願いをいたします。  それからもう一つ、この急傾斜地につきまして、人工的な以前につくられた護岸があるが、こういう場合には適用しないのだというお話を聞いておりますが、持ち主のわからないようなもの、あるいは善意の第三者が買ってしまったような場合におきましては、これはやはりこの急傾斜地の基準を適用をしてもらわないと、何にも知らないで入った者が、やはりそこで死ぬということが起こってくるわけでございます。この点もひとつお考えをいただきたいと思いますが、いかがでございますか。
  108. 木村三郎

    説明員(木村三郎君) この急傾斜地の崩壊防止の工事につきましては、原則的には人工のがけにつきましては対象といたしかねるわけでございます。ただいまお話のございましたような特殊な事情、すなわち所有者やあるいは管理者のないような、長年月を経まして老朽化いたしました唐石積みのきわめて効力のない人工がけにつきましては、これはそのものの従来の経過等十分調査いたしまして、その立地条件を勘案いたしまして、場合によりますれば自然がけに準じた取り扱いをいたしますよう今後検討いたしたいと、かように考えております。
  109. 小林章

    ○小林章君 人命を守るという意味において、いまの御質問に間接的な関連があると思いますが、一言お伺いをいたしたいと思います。  おそらく所管は中央防災会議になるだろうと思いますが、先ほど来のお話を聞いておりまして、またあの写真を見ておりまして私非常に心配になりましたのは、先ほど水と米の配給についての御説明がございましたが、おそらくあれだけやられておりますと、各自の手持ちの塩が流されておりますし、また小売店の塩もおそらく流されておるのではないかと思うのです。この水とか塩は人体にとって非常に大事なものですから、その後配給が一体どのようになっているのか、全然御説明がなかったものですから、非常に心配だったのでお伺いいたしたいのですが、いかがでしょうか。
  110. 高橋盛雄

    説明員(高橋盛雄君) 塩の問題のお尋ねでございますけれども、現在のところ、地方防災会議の連絡協議会を開催いたしましたわけでございますけれども各省からその問題と対策についてはまだ出ておりません。
  111. 小林章

    ○小林章君 ちょっと、非常に重大な問題だと思うのですが、おそらく各自の手持ちの塩は流されているでしょうし、それからまたその近隣の小売店の塩はなくなっているのじゃないかと思うのですよ。ほんとうに人間のからだにとってたいへんなものですから、水だけやっておけばいいというものじゃないので、聞いてないから知らぬというだけでは、防災会議としてはたいへんな怠慢だと思うのですが、いかがでしょうか。
  112. 高橋盛雄

    説明員(高橋盛雄君) 直ちに大蔵省、専売公社に事情を調査いたしまして善処いたします。
  113. 佐藤隆

    ○佐藤隆君 いま上田委員から御発言ありました急傾斜地崩壊防止法、これは一ぺん国会で流れて二度目に通ったわけですが、これは五戸以上の住宅のあるところの急傾斜地に対していろいろ調査をし、措置をするということだったわけですよ。これはいま私もちょっとわれながら不勉強だったかなと、いま驚いて聞いておるわけです。三十戸とか、五十戸とかいう基準はどこでどなたがいつおやりになったのですか。これはたいへんな問題ですよ。これは法律をつくるときの趣旨と大幅に違いのある基準、あるいはそうしたことを通達を出されるときは、ひとつ連絡をしてもらいたいですな。きょうここで私はいきなり発言をして、関連で責め立てようとは思いません。ただ、私は総理府にごめんどうでもお願い申し上げておきたい。災害関係の最近つくられた立法措置で基準とか、そうした形で通達、通牒等で著しく趣旨にたがうような、いま申し上げた急傾斜地崩壊防止法、そうしたことについてひとつ調査をして、その資料要求をここにいたしておきたいと思います。資料を出してください。これはあとからそのときになって措置をしたとき、いやこれはこういう通達が出ておって基準がこうなっているから、いやこれはだめなんですと、これじゃやっぱりだめですよ。ひとつ総理府、調査をしてください。たとえばいまの急傾斜地崩壊防止法のようなものについて、まだほかにもあるかと思います。だから、せっかく法律をつくっても骨抜きになって、ざる法みたいなことになるのです。これはどうもほんとうに遺憾なことです。そうしたことを副長官が幸いいらっしゃいますが、ひとつその資料要求に対してお答えをいただきたい。それだけです。
  114. 木村三郎

    説明員(木村三郎君) 急傾斜地の崩壊災害防止に関する法律におきまして、相当数の居住者あるいは危険な急傾斜地に対します崩壊危険区域の指定につきましては、基準といたしまして五戸以上の家屋に著しい被害が及ぶ場合ということで区域の指定をいたしております。そこで先ほど御説明申し上げました基準の関係は、都道府県防止工事を行ないます場合に、国の助成の対象といたします当面の事業取り扱いの基準といたしまして五十戸、あるいは災害発生の場合の三十戸ということで事業の国庫補助対象の事務取り扱いの場合の基準を申し上げたわけでございます。で、昨年法律案の御審議をいただきましたとき、五戸以上という問題は、この法律の働かせる区域指定といたしましての地域の条件基準として五戸以上ということを基準といたしておるわけでございます。その点区域指定と工事に対する国庫補助というものとに基準の取り扱い上差異を設けておるわけでございます。この差異の生じましたのは、やはり将来は多くの危険個所に事業を及ぼしていきたいという考えでございます。当面被害の影響のきわめて大きいもの、あるいは危険度の高いもの、がけの特性上危険度の高いもの、そういう事情から事業をやっていく緊急の順序といたしまして、やはり被害のおそれの大きい、影響の大きい、そういうところから財政上の許す限り早急に処置していこうということで、事業の対象として五十戸もしくは災害のときの三十戸ということで取り扱っておるわけでございまして、その辺ひとつ御理解をお願いしたいと思います。
  115. 佐藤隆

    ○佐藤隆君 そういうことを私聞いているのじゃないのですよ。そういうことはわかっているのです。いままでの法律で往々にしてそういうことが多いのですよ。指定をきめたのだが中身は違うのですと、それじゃ困るから申し上げているのですよ。それじゃ困るんです。あのとき五戸の問題についても多少議論したことがあるのです。しかしどこかでやはり線を引こう、小集落というか、そういうことで五戸になったいきさつも承知しております。そこで急傾斜地で危険であったらやっぱり措置しなければいかぬでしょう。その措置がされてなかったから、これでいよいよ工事をやると三十戸、五十戸とまた基準がある、こういうのですから法律の趣旨が生かされてないでしょう、こう言うのです。生かされてないことは事実なんです。それが財源上の問題があるなら、それは対大蔵の問題なんです。だから大蔵省へ問題をさらけ出せばいいでしょう。そうして討議をすればいいんです。そういう討議をしなければ災害対策は進まないでしょう。それを私は言うているのですよ。副長官、おわかりになっていただけたと思うのですけれどもね。
  116. 湊徹郎

    説明員湊徹郎君) ただいまたいへん適切な御質問をいただきまして、実は私自身も就任以来災害に対処する各種の基準等について一応全般的にそれぞれのバランス等もございますし、過去の実績との対比等もございますので、それらをひとつ洗い直してみると申しましょうか、そういう必要を私個人は感じておったところであります。で、内々防災会議の事務局内部に対してもそういうやつをひとつ検討してみいということを申しておった関連もこれあり、せっかくの機会でございますから、それぞれいま話がありましたように、対象を選ぶときの基準、それを実際に適用するときの基準あるいは補助の対象を選択するときの基準、それぞれの基準と申しましてもいろいろ各種の制度ごとにあることと思いますので、それらを全部まとめてひとつ内部的に検討してみたいと思いますが、同時に特別委員会におかれても、私ども資料として出せとこういう話もございましたので、早急に防災会議の内部において検討して資料として出したいと思いますし、それをもとにしてひとつ委員会のほうでも御検討いただくように、今後進めてまいりたいと思います。
  117. 上田稔

    ○上田稔君 次に簡易水道についてちょっとお願いを申し上げたいと思うのですが、この簡易水道、上水道、先ほど加瀬委員からお話がございましたが、あの災害復旧費というものは認められるのでしょうか、厚生省にお伺いいたします。
  118. 国川建二

    説明員(国川建二君) お答えいたします。簡易水道につきましても、上水道につきましても、災害が起こりました場合には、復旧工事費に対しまして、一定の基準はございますけれども復旧工事費として採択いたしております。
  119. 上田稔

    ○上田稔君 それでちょっとお尋ねいたしたいのですが、簡易水道あるいは上水道の水源地が埋没をしたと、こういう場合においては災害復旧費は認められますか。
  120. 国川建二

    説明員(国川建二君) 災害の、まあ被災状況によると思います。水源にもいろいろな形のものがございますし、井戸の場合もございますし、さらには河川の場合もあると思います。もちろん災害復旧でございますから、たてまえといたしましては、原則としてまあ原形復旧ということでございますけれども、再度災害あるいはその地点が使用不能ということになりますと、別の地点に移設ということも、復旧事業の内容として考えられると思います。
  121. 上田稔

    ○上田稔君 埋没土砂の取り除きも認められるんでしょうか。
  122. 国川建二

    説明員(国川建二君) 施設、たとえばいろんなものがございますけれども、浄水場あるいは水源の位置に土砂が流入して使用不能になったといいます場合には、これを取り除く費用も復旧の費用に入ります。
  123. 上田稔

    ○上田稔君 ありがとうございました。  で、次はお願いだけをひとつ申し上げたいと思うのです。実は先ほど急傾斜地の問題がありましたが、あそこのところにはがけくずれが非常にたくさん発生いたしております。したがいまして、この地域をよく調べてみますと、砂防指定地にはどうも今度の被災地はなっておらないようでございます。したがいまして、こういうところはぜひ砂防指定地にしていただきまして、砂防を十分に行なっていただきたい。そうでないと、河川のほうが非常に流出土砂で埋まっておりますので、こういうことを考えると、そういうことが原因ではんらんが起こっているんじゃないかと思われます。ぜひこれは砂防指定地にしていただきたい、こう思います。  それから次に一宮川改修でございますが、これも断面が小さい点もあるんでしょうけれども、特に河口のところが改修がやっていない。海への出口のところが非常に何といいますか、海岸線に沿って流れておりまして、出口が非常に遠いところにいっておる。したがって、上流のほうに湛水を起こすというようなこともありますので、この河口の改修をこめてぜひ早くやっていただきたい。それをやっていただかないと、どうも上流にある用水せきの水門なんかが、上流のほうはあけろと言うし、下流のほうは締めろと言うし、担当している人はきりきり舞いをして困っておるというようなのが実態じゃなかろうかと思うのですが、こういうことをこめまして、ぜひとも一宮川については早く改修を河口からやっていただきたいと思う次第でございます。  その次に、学校災害でございますが、これはちょっとお聞きをしなくちゃいけないのですが、瑞沢川と埴生川との合流点のところに中学校があるんですが、それの校庭が非常に荒らされて川になってしまっておる。で、土砂にいたしましても一万五千立米ぐらいの土砂が流されているのじゃないかと思うのですが、こういう校庭の災害災害復旧として認めていただけるんでしょうか、先ほどの公立学校施設災害復旧費国庫負担法によって。
  124. 菅野誠

    説明員(菅野誠君) 文部省の教育施設部長でございます。ただいまのお話の点でございますが、河川自体につきましては建設省河川の関係のものになると思いますが、校庭の流失の原形復旧につきましては、公立学校施設災害復旧費国庫負担法の対象になります。したがいまして、教育委員会を通じまして申請がありますれば、その原形復旧の範囲内において御趣旨に沿って復旧費の支出になることになると思います。
  125. 上田稔

    ○上田稔君 この校庭の復旧についてはぜひとも、何といいますか、瑞沢川のほうがショートカットして流れて入っておりますので、そのほうの復旧とあわせてひとつお考えをいただきたいと存じます。以上でもって質問を終わります。
  126. 川崎精一

    説明員(川崎精一君) 上田先生からお話の砂防指定地の問題でございますが、今回の千葉県の南総部は一体に見まして非常になだらかな丘陵地帯でございます。しかも今回のような大雨というのは非常に記録的なものでございまして、そういった点で私どもも多少考えが甘かったんじゃないかということを反省いたしておるわけでございます。したがいまして、お話の場所以外でも必要なところにつきましては砂防指定地を拡大していきたい、こういうふうに考えております。  それから次に一宮川の問題でございますが、お話のございます松潟ぜき等につきましては、これは土地改良組合が管理しておられるようでございます。農林省ともお話をいたしまして、管理なり構造等の問題は協議していきたいと思っておりますが、下流の改修につきましては、今回の出水によりまして特に左岸側、それから河口の白州の問題、こういったところに改修計画上いろいろ問題があろうかと思いますが、できるだけ再び災害のないように基本的な計画の上に立って改修を進めるようにいたしたいと思っております。
  127. 武内五郎

    武内五郎君 もうすでに加瀬委員、上田委員から主要な質問が出ておりますので、私はそれらを除いて今後のことについて一、二点にしぼってお尋ねしたいと思います。  実は御承知のとおり千葉南部地方河川は非常に屈曲蛇行の激しい河川ばかりであります。したがって先ほど私が報告の中に申し上げましたように、原始河川状態でそのまま放置されておるということが、今度の水害を大きくさせた何といっても重要な原因であったことは、私は避けられないと思います。なるほど雨の雨量も非常に多かった。かつて昭和四十二年に北陸北部地方に降った集中豪雨で私どもの先輩の佐藤議員が新潟県の山村で土砂にうずもれてなくなった、大きなショックを受けた問題があったのでありますが、そのときの雨量千葉県の今回の雨量の半分にもならなかった。こういうような状態で、なるほど雨量の多かったことは非常に驚異的なものでありまするけれども、しかし私はその降雨——雨を流す川の状態が結局洪水を引き起こすような状態になっておると考えます。行ってみますると、どの川もほとんど手入れがない状態で、堤防があってもいつできたかわからぬようなそういうようなことで、たとえばこれは君津でありまするが、下流地域昭和三十年にわずかに一部改修された。第二期の改修を要請しておりまするが、まだ一向計画にものぼってこないという状態。あとたとえば昭和三十五年に大多喜町の水害があって、そこに多少の緊急手入れがあったというだけで、どの町へ行ってもどの河川状態でも、河川に対する手入れがあったという報告は私どもは受けてはいない。そういうようなことで全くこれは投げっ放しの状態にあったものではないかと考えられます。私は先ほど報告の中で指摘しましたように、そういう地域に対する手入れなり予算の手入れ等も非常な格差がある。市川、千葉、船橋、そういう地方に対する手入れと、いま私どもが水害の中心である地方を見てまいりましたところの手入れというものは、全くお話にならない大きな格差があります。市川の真間川とそれから千葉の都川等の予算措置と、私どもの見ました小櫃川であろうと夷隅川であってもあるいは湊川であっても、その差が非常に大きい。私はこれが今回の水害の大きな原因であったと考えざるを得ないのです。抜本的な対策、抜本的な対策と言われまするけれども、こういうことを是正しない限り、私は水害の抜本的な対策というものはないのじゃないかと思いますが、まことに残念にたえない。これは政府自体として全く基本的な考え方に立った対策を考えていかなければならないと思います。一応副長官のお考えを伺っておきます。
  128. 湊徹郎

    説明員湊徹郎君) ただいま御指摘がございましたように、特に、まあ先ほども報告で申し上げたのでありますが、千葉県の場合、房総南部における災害というものは、このところ十年ぐらいなかった。そのためにいろいろ日ごろの災害に対応する措置等について落ち度がなかったかどうかということになりますと、私はあったような気がいたします。で、国土全体ながめ渡しながらそれぞれの立場から防災という観点でいろいろな計画が進められておりますけれども、さらに予防的な見地に立って防災計画等一応立てられておるわけではありますけれども、もう一ぺんこういう災害の経験にかんがみて洗い直しながらその重点を、たとえば先ほど私申しましたように、中小河川原始河川のままであったり、あるいは砂防指定地になっていなかったり、あるいは崩壊防止の危険地域として指定されていなかったりというのが、今回の災害の実態でございますから、そういう実態に即して、それぞれそういう予防的な観点に立った措置を一そう充実していくようにしたい、というふうに考えております。
  129. 武内五郎

    武内五郎君 そこで河川局長に中小河川に対する災害防止の立場から、河川行政の正しい運営の立場から、これらの中小河川改修について、治水計画についてどういうふうなお考えを持っているかお伺いしたい。
  130. 川崎精一

    説明員(川崎精一君) 私ども河川改修をする立場から申し上げますと、特にまあ千葉県の中におきましても、南と北を区別するとか、あるいは都市の河川過疎地域河川を区別するとか、そういったことは、基本的にはいたしていないわけでございます。過去の三十年なり五十年なりの雨なり洪水の記録を見まして、それに対応するような改修事業を進めておるわけでございますが、たまたま北のほうはいろいろ地域の開発とか社会条件が非常に変貌がはなはだしいために、多少金の上から見れば、北のほうにまあ傾斜をしておるといったことが実情でございます。しかし、今回の出水によりまして、私ども改修計画をこの際謙虚に反省する必要があるということで、できるだけそういった山間部の今後の河川改修に重点的に予算等の配賦を考えていきたい、こういうふうに思っております。なお今回の災害にかんがみまして、災害復旧だけではなくて、災害の改良的な復旧、それから砂防の措置、ある河川につきましてはやはりダム等も含めまして総合的に河川計画を立て直した上で急いで改修事業に着手をいたしたいと、こういうふうに思っております。
  131. 武内五郎

    武内五郎君 たいへん災害について経験の深い総務長官の謙虚な態度でのお答え、たいへん感謝いたします。感心しました。同時に、河川局長もまたそういう態度でありますので、これはひとつぜひ真剣に御検討願って、災害の再発のないように対策をお願いしたいと思うのでございます。  そこで、まだ今日孤立している部落がたくさんあります。たとえば養老渓谷の中でさえも数個の部落が孤立して食糧の供給も十分でない。生産した牛乳の搬出もできないという部落がたくさんあります。こういうような人間の生活を脅かすような、あるいは生産を阻害するような結果がまだ今日残されておりまするので、十分対策を早急に立てるようにお願いしたいと思います。  そこで私は、今回のそういう水害をさらに大きくさせたことは、先ほど来上田委員から御指摘がありまするように、砂防施設が、砂防の指定が全然なかったと言っても差しつかえない、これが第一。それから第二は、砂利の無謀な採取が行なわれている、しかも山砂利を川で洗ってそれがそのままヘドロになって流れ出して下流に流れ込む、こういうようなこと。私は、天羽の町のだいぶ山のほうに入ったところに目下建設中の郡ダム建設工事場がありますが、これは湊川の取水の工事でありますが、この現場は西松建設が経営をしておるようであります。そこに山のように積まれた砂利と砂があの豪雨の中で流れ出して下流の田畑を全部つぶした。これはもちろん用水路にも入り、川にも流れ込んでいっているに違いないのです。こういうような事態が私は各地にあると思うのです。たとえば国道百二十七号沿線でやはりこれは天羽でありますが、この沿線で土砂の中で埋もって死んだ人が二人あります。竹岡と湊川河口の間の土砂で、そこに土砂で埋もった人が一人、加藤地区で一人、これは堆積された土砂がくずれ出して死んでおります。私はこういうような事態を見のがすことができない。いたずらに工業都市の建設にいま一生懸命になっているらしいが、それはそれでよいとしても、そういうような土砂の流れ出したことについての何ら対策が立てられていない、砂利採取についての防災の対策がない、堆積された土砂に対する防災の対策がない。こういうような事態が、私は痛ましい災害を起こしていると考えております。これについてはこれらの人々に対してまことに痛ましいとお見舞い申し上げなければならないのでありますが、こういうような規制が、災害防止する、予防するという規制が何にもなかった。私はここに土砂を取る、それに対する予防の規制がない、土砂が堆積する、それに対する災害予防の規制がない、これが私は今回の災害をさらに大きくさせたものではないかと考えます。これについて建設省並びに砂利関係の通産省の考えを承っておきたい。災害防止する何ら指導がなかったという二とを常に残念に思って参りました。そのお考えを承っておきたい。
  132. 倉部行雄

    説明員(倉部行雄君) 砂利採取につきましては、先ほども申し上げましたように、各県を中心といたしまして採取計画が出ました場合、災害防止の観点から調査をいたしまして認可をいたしておるわけでございますが、今回の千葉県におきます災害と砂利との関係につきましては、先ほど来お話がございましたが、予測を上回りました非常に記録的な集中豪雨によりまして、山くずれあるいは河川の増水、そういったものによりまして砂利採取場自体が破壊されるというふうな場合もあったようでございまして、これがいろいろと他に被害を与えたというふうなこともあるようでございます。また、認可された計画どおりにはたしてやっていたかどうかというふうな問題もございます。したがいまして、こういった点につきまして県で現在調査中でございますので、私どもも県並びに関係の省庁と連絡をとりまして、今後砂利採取法の運用というものをさらに強化いたしますとともに、零細な採取業者におきましてはなかなか災害防止態勢というものは十分とれないわけでございまして、それに対しまして今後協業化あるいは共同化、こういったことによりまして十分な災害防止設備の設置というふうなことも、一そう推進してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。
  133. 木村三郎

    説明員(木村三郎君) 今回の南総地域被害の中で砂防事業の土砂の関係でございますが、先ほど河川局長から治水の今後の取り組み方の中で、砂防事業も十分反省して積極的に推進するという御説明があったわけでございますが、千葉県におきまする砂防事業は、従来県南部の鴨川流域以南の比較的地質構造上変化を非常に受けております地域に重点を置いて実施いたしてきたわけでございまして、その地域におきましては砂防の効果もあげてまいったのでございます。しかし、今回災害の激甚でございました地域の山地は標高も低く、比較的地形もなだらかでございまして、従来から土石流の発生に原因します土砂流出ということによっての河川被害が、そういう原因による被害というものは比較的少なかったのでございます。しかし、今回の異常豪雨によりまして、山地部には多数の小規模の崩壊地も発生いたしておりまして、今後の出水によりまして有害な土砂の流出もさらに考えられますので、現地を詳細に調査をいたしまして、林野庁の治山事業とも十分調整をはかりまして、治水砂防上必要な個所につきましては砂防指定地を積極的に指定いたしますとともに、砂防事業対策を積極的にやるよう検討してまいりたいと、かように考えております。
  134. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 各委員からいろいろと微に入り細に入った質問がありましたので、大体言い尽くされたのじゃないかというふうに感じられます。それで、私は確認をしておきたいわけなんですが、特に加瀬委員からは、千葉県の事情に詳しい、そういう立場でいろいろな角度からその対策についてお話がありました。そこで、各関係官庁からも責任ある答弁があったわけでありますが、この委員会が終わりますと、各関係官庁はそれぞれの委員に答弁されたそのいわゆる実施が、各官庁が独自の立場でこれを進めていく、こういうことになると思います。そこでいままでの例からいくと、往々にして答弁はよかったけれども、現実にはそれがなかなかおくれて推進されない、こういう傾向がいままであった。そこで、やはりこれはほんとうに千葉県の大きな今回の災害を一日も早く復旧しようということであるならば、これはこの各関係官庁が責任を持って進めていくことは、これは当然のことであるけれども、これをなお強力に推進していくための立場といいますか、それは、いわゆる総理府のほうで、これを強力に推進していくというそういう体制を私はつくっていく必要があると思うのです。それでなければ、委員会での答弁はうまく言ったけれども、あとはずるずるでいった。これでは、困るのは千葉県、地元です。そこで私は強力なそういう体制をつくっていく必要があると、こう考えるのです。これが最も前向きな姿勢だと思う。一日も早く復旧がなされるそれが原因になっていくのだと、こういうふうに思いますので、この点について副長官の考え方といいますか、所信というか、ひとつ述べていただきたいと思うのです。
  135. 湊徹郎

    説明員湊徹郎君) ただいまお話がございましたが、最近、災害に限らず公害の問題もありあるいは交通事故、その他各省庁にわたって総合調整を要する種類の仕事が非常にふえてまいっております。で、率直な話、私も副長官に就任以来、その種の仕事を政府全体としてやはりまとめていく当面の責任は総理府にあると心得ております。そういうような観点から、かなり長官とも相談いたしまして、防災会議の事務局長役を私自身お引き受けをいたして一つい数日前でありますが、そういうかまえでやってまいりたいと思っておりますが、率直な話、いままでの防災会議の事務局の手勢、ここに参事官もおりますが、ちょっと手不足であります。そこら辺も含めて、いまお話がございましたように、今回の災害につきましても、さっそく二日に各省担当官会議総理官邸に開いたのを手はじめに、四日に続いて第二回、それからきのう、きょうは委員会でございますから、さらに今後随時ひんぱんに開いて各省の施策の全体の調整をやりながら、実施部隊は当然各省になりますけれども、従来以上に総合調整をした上で、総合的な施策がアンバランスを生じないように進むように全力をひとつ尽くしていきたい、こういう考えでおります。
  136. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 よくわかりました。  そこで、何といっても千葉県、地元で一番大事な問題、また今回の災害を一番詳しくわかっているのは地元の千葉県であります。こう考えます。そこで、今回の、皆さんのお手元にも配られていると思いますけれども要望事項というのがございますけれども、この中からやはり加瀬委員のほうからいろいろと話がありました。ただいまここで、私が最後の質問になりますので、いまも申し上げたようにほとんどが言い尽くされたわけです。そこで確認という意味、また整理という意味になるかもしれぬけれども、十四項目にわたるこの要望事項に対して、各関係官庁がもう一度、現在どうしているのか、今後どうしていくのかという点について的確にひとつ御答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
  137. 湊徹郎

    説明員湊徹郎君) 千葉県のほうからちょうだいいたしております要望事項のうち、それぞれ各省担当の分は各省からお答えいたしますが、最初の問題でありますいわゆる激甚災の指定に関することにつきましては、御承知のように、今回の災害の規模から考えて、従来の体験に徴すれば、全般的ないわゆる「本激甚」と通称言っています激甚指定はこれは困難であろうと思います。そこで、四十二年にできました局地激甚、特に大多喜町のごとく集中的に被害を受けておる町村がございますので、そういうところを中心に局地激甚の指定ができますように、そういう前提で私ども急速に作業を進めてまいりたいというふうに思っております。
  138. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 先ほどから聞いていますと、この大多喜が主体になっているわけですけれども、私たち実際に見てきた段階では、大多喜に限らず相当これは大きく被害を受けております。したがってその調査を早く行なって、これが全体、いわゆる被害を受けた地域が局地激甚の指定を受けられるよう、これはそういう前向きの姿勢でもって私はやっていただきたい、そのことを要望しておきます。
  139. 湊徹郎

    説明員湊徹郎君) 承知いたしました。
  140. 北村暢

    委員長北村暢君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  141. 北村暢

    委員長北村暢君) 速記を始めて。
  142. 高橋盛雄

    説明員(高橋盛雄君) 激甚処理につきましては、ただいま副長官の御答弁にもございましたように、総理府といたしましては、各省と——関係各省は建設、農林、通産各省にわたるわけでございますけれども、資料を早急にいただきまして作業を進めたいと思っております。
  143. 北村暢

    委員長北村暢君) それでは、上林委員からは一々読み上げておりませんが要望は各省に対する要望事項が出ているわけですから、それに対してどうされるかということを答弁してもらいたい、こういうことでございますから、そのようにひとつ承知をして答弁を願いたいと思います。  まず、大蔵省はおられないようでございますから、順序からいくと文部省関係……。それではおられるところからやりますから。農林省関係。
  144. 大河原太一郎

    説明員大河原太一郎君) お答えいたします。十四項目のうちの当省関係について御答弁を申し上げます。  まず「農地農業用施設、林道及び農林水産業共同利用施設の災害復旧事業」、これは先ほどもお答え申し上げましたように、暫定措置法なりあるいは負担法という所要の制度に基づきまして万全を期したいと思っております。また、施設等災害復旧のうち緊急を要するものについては、準備の整い次第査定を実施することにしておりまして、これについては、概要書作成のための技術者の不足する場合には、先ほど申し上げましたように他府県より援助できるように措置することとすでにしておるわけでございます。  なお第六番目の「被害農林漁業者に対する特別措置」の内容、千葉県の御要望は七ページにそれが書かれておると思います。なお先般、加瀬委員から御質問あったような応急の場合等、米穀配給の問題等も含んでおると思いますが、これにつきましては先ほどお答え申し上げましたように、それぞれ国としての被害調査が判明次第、天災融資法の発動、自作農資金の貸し付けワクの拡大、農林漁業資金等の償還延期措置農業共済金の早期支払いの措置等については、前向きに対処いたしたいというふうに考えております。
  145. 岸野駿太

    説明員(岸野駿太君) 厚生省社会局庶務課長でございますけれども、先生の要望書の二ページにございます各省共通関係の部分で、厚生省関係のことを一括してお答え申し上げます。  ここにまいりますと四番目に児童福祉施設の災害復旧事業というのがございます。これはたぶんこの六ページにございます、厚生省関係というところにございます公立保育所の改修費について国庫補助増額、これは一カ所公立保育所が災害を受けているというぐあいに、私どもも承知してございます。これは三十日以内に現地千葉県のほうを通しまして私のほうに必要な国庫補助の協議がくるという仕組みになって、現在調査中でございます。いずれ協議がまいりましたならば、必要な措置をとりたいというぐあいに考えております。それから十番目の「母子福祉法による国の貸付けの特例」、これもたぶん私のほうに千葉県からまいっております要望は、すでに千葉県に対しましては第一次の補助の内示をしましたけれども、その額では足りないというぐあいに私ども聞いております。まだ手持ちもございますので、これはもしすでに渡しました内示をいたしました補助金のワクが実際に消化いたしましたならば、直ちに必要な増額の内示をいたしたいというぐあいに考えております。
  146. 石丸隆治

    説明員(石丸隆治君) 伝染病予防事業の費用につきまして申し上げます。  伝染病予防事業のために市町村が支出いたしました金額につきましては、その三分の二を都道府県が負担いたしまして、その都道府県の負担いたしました三分の二の二分の一を国が負担する、こういう制度になっております。ただ激甚災害指定を受けました場合には県が三分の一を支出いたしまして、残りの三分の二を国が負担する、こういう制度になっております。
  147. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 伝染病予防についてでございますが、法的にいえばそういうことになっている、それはわかっている。こういういわゆる特別な災害を受けたその場合、激甚法の指定がなければあとはどうにもならぬというのでなくて、そこのところをもう一歩これをいわゆる財源的に救済していく方法はないのか、こういうことなんですから、その点はどうですか。
  148. 石丸隆治

    説明員(石丸隆治君) 補助率につきましては、ただいまのところ法律でそういう規定になっておりますが、その支出いたしました額につきましては、一般の伝染病予防事業の場合には算定基準で算定されるわけでございますが、この災害の場合には適正な実支出額につきまして、すべてこれを補助の対象とするという扱いにいたしております。
  149. 川崎精一

    説明員(川崎精一君) 激甚災害関係のほうは総理府のほうで担当していただいておりますが、私どものほうのそれに基づきます公共土木施設災害復旧につきましては、改良的な工事も含めまして、できるだけ積極的に早急に復旧のできるように全力をあげたいと思っております。その他水防資材費の補助の特例という項目が出ておりますが、これも特例を適用いたしますのにはいろいろ基準ができますが、防災会議のほうで協議いたしまして、できるだけ前向きに考えたいと思っております。
  150. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 これからの問題はいまお話になったのでわかりますが、それじゃ現在それを早急に復旧していくための建設省関係としては災害査定官というのがいるわけですけれども、こういう立場の人たちがどの程度現時点で派遣されているのかどうか、この点について。
  151. 川崎精一

    説明員(川崎精一君) 災害が起こりました場合に、直ちに現地的にはもし必要な場合には応急工事に着手いたしているわけであります。たとえば道路交通確保しなくちゃいけない、あるいは川の決壊が徐々に進行していって、また堤防がくずれるとかはんらんを助長する、そういう場合には応急工事をやっておりますが、これは技術的にはあまりむずかしいものは少ないわけであります。応急の手当てでありますから、大体現地の施工能力、技術力等である程度解決をしているわけでございます。県といたしましてもいろいろ人員、機材あるいは施工業者を動員されて現在進めております。今度は本格的ないわゆる災害復旧の工事でございますから、これについてはかなり大規模なものでございますし、将来の河川改修とか改良的な要素も考えあわせながらやる必要がございます。またときには、非常に技術的にも相当高度の検討を要するものもございます。したがって、私どものほうでは、直ちに、そういった災害査定を受ける前の県なり市町村の準備がございます。県から査定の申請が出てきてから災害査定をする、こういう順序を踏んでおるわけでございますけれども、その査定にいくまでの県なり市町村の作業、これをできるだけ応援をしまして早くやる必要があるというようなことで、現地に係官を——これは査定じゃございませんが、係官を出しまして、大体査定官クラスの者が行っております。大体基本的にこういう考え方で災害復旧の設計をやりなさいというような工法の事前の協議といったようなものを現在進めております。これが順調にいきますと、そこで県から災害の設計がまとまって、そして査定官を派遣する、こういう手順になるわけでございます。  なお、現在いろいろ県のほう、特に市町村関係の技術者が不足いたしておりますようでございますので、私どものほうで、もよりの近府県技術者を送り込みたいということで、県とも打ち合わせをいたしまして、現在関係県にそういった作業の応援隊の編成をやっておる最中でございます。そういったものが大体整いますと、今度は査定の段階に入るわけでございます。非常に個所がたくさんございます。したがって、査定のチームもかなりたくさん要るんじゃないかと思います。大体通常は査定官を班長にいたしまして、それに検査官を数人つけまして、一つのグループで回っておるわけでございます。したがって、その査定官の数は大体私どものほうでかっこうはつくと思いますが、検査官——手足になって実際に査定をする担当の係員でございます。こういったものにつきましては、建設省地方建設局の組織を動員いたしまして、査定申請によって大体の工事量等がつかめましたら、そういった要員を動員いたしまして、できるだけ短期に査定を完了するように努力いたしたいと、こういうふうに考えております。
  152. 北村暢

    委員長北村暢君) 他に発言もなければ、本件についての調査は、本日はこの程度とし、これにて散会いたします。    午後二時散会