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1970-07-07 第63回国会 参議院 災害対策特別委員会 閉会後第1号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十五年七月七日(火曜日) 午前十時五十分開会
—————————————
委員
の
異動
五月十三日
辞任
補欠選任
西村
関一
君 松本 英一君 七月二日
辞任
補欠選任
村尾
重雄
君
片山
武夫
君
河田
賢治
君
渡辺
武君 七月六日
辞任
補欠選任
中村
波男
君
加瀬
完君
—————————————
出席者
は左のとおり。
委員長
北村
暢君 理 事 増田 隆君
武内
五郎
君 委 員 上田 稔君 江藤 智君 小林 章君 佐藤 隆君 初
村滝一郎
君 森 八三一君
加瀬
完君
上林繁次郎
君
片山
武夫
君
事務局側
常任委員会専門
員 中島 博君
総理府総務副長
官 湊
徹郎
君
説明員
内閣総理大臣官
房参事官
高橋 盛雄君
警察庁警備局警
備調査官
武士 孝君
大蔵省主計局主
計官 藤井 直樹君
文部省管理局教
育施設部長
菅野 誠君
厚生省公衆衛生
局防疫課長
石丸 隆治君
厚生省環境衛生
局水道課長
国川 建二君
厚生省社会局庶
務課長
岸野
駿太
君
農林大臣官房参
事官
大河原太一郎
君
農林省農政局参
事官
遠藤 寛二君
農林省農地局参
事官
住吉 勇三君
通商産業省化学
工業局窯業建材
課長
倉部 行雄君
中小企業庁計画
部金融課長
井川 博君
運輸省鉄道監督
局保安課長
森永 昌良君
運輸省鉄道監督
局土木電気課長
山本 正男君
気象庁予報部主
任予報官
大野
義輝
君
建設省河川局長
川崎 精一君
建設省河川局砂
防部長
木村 三郎君
建設省住宅局住
宅総務課長
大富 宏君
自治大臣官房調
査官 成田 二郎君
日本鉄道施設局
長 北沢 秀勝君
—————————————
本日の
会議
に付した
案件
○
派遣委員
の
報告
○
災害対策樹立
に関する
調査
(
梅雨前線豪雨
による
千葉
県等における
被害及
び台風
第二号による
被害
に関する件)
—————————————
北村暢
1
○
委員長
(
北村暢
君)
災害対策特別委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について
報告
いたします。去る七月二日
村尾重雄
君及び
河田賢治
君が、また昨六日
中村波男
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
片山武夫
君、
渡辺武
君及び
加瀬完
君がそれぞれ選任されました。
—————————————
北村暢
2
○
委員長
(
北村暢
君)
災害対策樹立
に関する
調査
を議題とします。 まず、七月三日、四日の両日、当
委員会
が
千葉
県に行ないました
委員派遣
の
報告
を、
派遣委員武内理事
から聴取いたします。
武内理事
。
武内五郎
3
○
武内五郎
君 去る七月三日、四日の二日間、
北村委員長
と
佐田理事
、
上林委員
、
片山委員
、
渡辺委員
及び私は、
梅雨前線
に伴う
集中豪雨
による
千葉
県における
災害
の
実情調査
を行ないました。私は
調査団一行
を代表して、その
調査
の
概要
を簡単に
報告
いたします。 七月一日未明から
梅雨前線
に伴う
降雨
は
千葉
県の
南部地方
では午前九時ごろから強くなり、特に
大多喜
町では午前十時から十一時までの一時間に百十六ミリという
全国
的にもきわめてまれな
豪雨
に襲われ、
日雨量
三百三十六ミリを記録しております。
市原
市鶴舞でも、時間
雨量
六十五ミリ、
日雨量
二百五十六ミリを記録するなど、
千葉
県においては戦後最大の
被害
を与える
集中豪雨
が
発生
したのであります。このため
夷隅川
をはじめ、
養老川
、
小櫃川
、
小糸川
、
一宮川
及び
湊川等
の各水系は鉄砲水となり
各所
で
山腹
の
崩壊
、土砂くずれを起こし、
市原
市、
大多喜
町など四十一
市町村
に
被害
が
発生
したのであります。特に
夷隅川
の
大多喜
町久保では六メートル五十の
警戒水位
に対し、十二メートル二十五の
最高水位
を示し、
養老川
の
市原市外
でも四メートル十五の
警戒水位
に対し、実に十三メートル四十の
最高水位
を記録するなど、この
地方
を貫流するこれらの
中小河川
は、
警戒水位
をオーバーする異常な洪水となり、中
下流部
では温水はんらんして激甚な
災害
が
発生
したのであります。したがって、
大多喜
町をはじめ
市原
市、平川町、
富来田町
、小櫃町、上総町、君津町及び天羽町の一市七町に
災害救助法
が
適用
されたのであります。さらに
夷隅
町と木更津にも同法の
適用
が追加されることになりました。また、大佐和町な
ども
著しい
被害
を受けております。 七月二日十四時現在における
千葉
県
当局
の
被害報告
によりますると、
死者
十六名、行くえ不明四名、
重軽傷者
二十一名の
人的被害
をはじめ
住家
の全壊及び
流失
百十八戸、
半壊
二百十六戸、
床上浸水
二千二百四十四戸、
床下浸水
三千七百二十三尺田畑の
流失埋没
千五百八十二ヘクタール、冠水八千五十七ヘクタールのほか、
公共土木施設
の
道路
の
決壊
二千二百三十二ヵ所、橋の
流失
八十四カ所、
山腹
の
崩壊
、がけくずれ千八百七十四カ所、房総西線の金谷駅−
鋸山トンネル
間の土砂くずれのため
急行列車
の
脱線転覆事故
をはじめとする
国鉄
、
私鉄
では四十二カ所、
水道施設
三十五カ所等の
被災
となっております。なお、三日
夕刻
の段階では、
公共土木関係
で五十八億円、
農業関係
で五十余億円に達しました。しかし、まだ
市原
市や
夷隅
郡の
奥地等
一部
地域
の
状況
が明らかでありませんでした。今後、
調査
の進むにしたがって、その
被害金額
もさらに増加するものと考えられております。 次に、県及び
市町村
の
対策等
について申し上げます。
警察
及び
地元消防団
の
活動
、
自衛隊
の出動によって
人命
の
救助
、
救済物資
の
輸送
、
飲料水
の
供給
、医薬品の
輸送配布
、
消毒薬
の
散布等
の
徹底
を期するとともに
国県道等
の
幹線道路
の
交通確保
に懸命な
努力
が払われておりました。また、
市原
市及び
大多喜
町では町に流れ込んだヘドロの
排除作業
が行なわれております。また、
国鉄
では
房総東西線
の
開通
をはかったほか、
久留里線等
の
復旧
が急がれております。しかし、
小湊鉄道
は、
各所
で
路床
の
決壊
が激しく
復旧
の見込みが立たない
状態
にあるといわれております。 さらに
埋没水田
に対しては、さしあたり無利子による
貸し付け金
を行なうほか、
水田
の
用水不足
に対してはポンプを
応急
的に配置することとし、
水道
の
復旧
には
技術者
を派遣して
指導
に当たらせることとしておりました。また、
被害
を受けた
中小企業
に総額四億七千余万円の
再建資金
の
融資
をはかるなど特別の
措置
を講ずる等の
措置
がとられておりました。 さらに
県当局等
の
要望事項
について申し述べます。 第一は、
激甚災害
の
指定
と
公共土木施設
及び
農林関係施設
にはすみやかに
災害査定
を進め、
復旧事業
の
早期着工
をはかるとともに、
改良復旧
並びに
復旧年次
の
短縮措置
を講ずること。 第二は、県及び
被災市町村
に対し、
特別交付税
と起債による等の
財源措置
について特別の配慮をとること。 第三は、
罹災者
に対する国税の
減免
及び
納税期限
の
延長等
の
措置
を講ずること。 第四は、
災害
に伴う低
所得者
の
世帯更生資金
の
増額
、
母子福祉資金
の
国庫貸し付け金
の
増額
及び
県条例
に基づく
寡婦福祉資金
の
貸し付け金
に対する
国庫補助金
の
増額
を行なう等特別の
措置
を講ずること。 第五は、
災害
による
私立保育所
の
改修費
を
国庫補助
の対象に加えること。 第六は、
市町村上水道
及び
簡易水道
並びに
ごみ処理施設
に対し
国庫補助
を
確保
するとともに
補助
の
増額
を行なうこと。 第七は、
被災中小企業者
に対し、
設備近代化資金
及び
高度化資金
の
貸し付け償還金
について、その
減免措置
を講ずるとともに
災害復旧資金借り入れ
について、その
融資条件
を緩和すること。 第八は、
農林災害
に対しては、
天災融資法
に基づき
天災
としての
指定
を行なうとともに
農林業
の再興と経営の安定をはかるほか、
自作農維持資金
の
貸し付けワク
の拡大、各種の
制度資金
の
償還延期
の
措置
並びに
農業共済金
の
早期支払い等
の
措置
を講ずること等でありました。最後に、本
調査
に基づく結論として若干の意見並びに
対策
について申し上げたいと存じます。 第一は、
梅雨期
の
長期化
及び
台風期
を控えており、
河川
の
欠壊
、
山腹
の
崩壊
及びがけくずれ等に対する
応急復旧
はきわめて緊急を要する問題であります。また
水道用水
の
確保
、
防疫措置
の
徹底
のほか、
市原
市や
夷隅
郡の
奥地等
ではいまだ
道路交通
のとだえている
地域
に対しては、すみやかに
交通
の
確保
をしなければならぬと考えます。 第二は、
養老川
をはじめ
夷隅川
、
小糸川
、小樋川、
湊川
、
一宮川等
の当
地方
を貫流する
中小河川
は、きわめて
屈曲蛇行
の激しい
原始河川状態
のままであり、上、
中流部
では、ほとんど
改修
が行なわれていない現状であります。もちろん、破
堤個所
に対しては
復旧事業
をすみやかに進めるべきは申すまでもありませんが、
治山治水計画
を抜本的に策定するとともに
長期計画
に基づいて、
治山
、
砂防事業
のほか
高滝ダム
、
亀山ダム等
の
計画
中の多
目的ダム
の建設には同時に
河道
を整備する
改良事業
の
促進
が必要であると考えます。 第三は、急
傾斜地域
で各
公共施設
及び
住家
に対する
危険個所
に対して、早急に再点検を行なうとともに危険な
個所
には
崩壊危険防止区域
として
指定
し、その
防止事業
をすみやかに行なう必要があります。また激しい土石や土砂の
採取
は今回の
災害
を激甚化していることにかんがみ、
自然災害
に対処する
防護さく
及び
防止壁
などの土石流に対する
予防策
をとらせるとともに
採取
に対して一定の規制を設け
監督
を強化する必要があると存じました。 さらに、
宅地造成
や急傾斜地に建てられる
住宅
に対しても、本
災害
を契機に再検討される必要があり、その
監督
及び
指導
について万全を期すべきであります。 第四は、
休耕農家
の
耕作水田
が
被害
を受け、
流失埋没
して収穫皆無となった場合においては、
休耕水田
と同様の
補償制度
の
適用
を強く要望されたのでありますが、このような具体的な問題について、
農林省
はどのように対処されるか検討を要する
案件
が生じておると考えます。 第五は、
東京湾沿岸
の
工業地域
の開発とこれら
災害地域
とは、
公共投資
に格段の差異があり、それが今回の
災害
を大きくしていることを直感いたしました。この
過疎地域
とも考えられる
被災地域
に対しても
道路
の整備、
治山治水事業
の
促進等
、
公共投資
を大幅に行なう必要があると考えます。 以上で本
報告
を終わります。なお具体的な
対策等
については、各
委員
の質問に待つことにいたします。
北村暢
4
○
委員長
(
北村暢
君) 以上で
報告
は終わります。
—————————————
北村暢
5
○
委員長
(
北村暢
君) 次に、
梅雨前線豪雨
による
千葉
県等における
被害及
び台風
第二号による
被害
に関する件について
調査
を行ないます。 まず、
関係政府当局
から
説明
を聴取いたします。最初に
中央防災会議
からお願いをいたします。湊
総理府総務副長
官。
湊徹郎
6
○
説明員
(
湊徹郎
君) ただいまお話のございました六月から七月にかけての
長雨
、並びに特にその中で南関東、
房総南部
に生じました
集中豪雨
の
災害
及
び台風
二号の
状況
並びに今日まで
政府
がとっております
措置等
について、この
機会
に御
報告
を申し上げたいと思います。 初めに、今回の
豪雨
によりまして不幸にもおなくなりになられました
方々
に対しまして、つつしんで哀悼の意を表しますとともに、負傷されました
皆さま方
にお
見舞い
を申し上げ、また罹災された多くの
方々
には、
政府
といたしましてもできる限りのことをいたしまして、一日も早く立ち直っていただけるように
努力
をいたしてまいる所存であります。 本年の
気象
の
状況
を申し上げますと、六月十日
九州地方
から
つゆ入り
になったわけでありますが、その後
梅雨前線
が
日本
の南海上に
相当
長い
間停滞
をいたしまして、このためいわゆる陰性の
梅雨
という形をとって、そのため
長雨
がかなり長い期間続いてまいったわけであります。特に、六月の三十日の
夕刻
から降り始めました雨は、翌七月一日早朝から
関東南部
、特に
湘南地方
から
房総方面
にかけまして局地的な
豪雨
となって、ところによりましては一日の
雨量
が三百ミリをこえ、しかも一時間の
雨量
が百ミリをこえるというふうな記録的な
降雨
をもたらしたために、
河川
の
水位
が急激に上がりまして、温水によってこの
地方
に大きな
災害
が
発生
したわけであります。 このため、
政府
は、直ちに七月二日
総理
みずから
現地
をヘリで御視察願うと同時に、私
ども防災会議
といたしましても各
省庁
の
連絡会議
を開催したわけでありますが、ちょうど
総理
に同行された
官房長官
も御出席いただきまして、
現地
の
状況
を即刻
報告
願うと同時に、今後の
政府
の
対策等
について御
指示
をちょうだいしたわけであります。 自来、数度にわたって
各省
の
連絡会議
と
応急対策
を講じておるわけでありますが、特に
山間部等
で全く隔絶された
部落等
もございましたので、
救助救出等
にとりあえず懸命の
努力
を払うと同時に、飲み水、食糧、医療、こういうものについて
緊急確保
をはかり、同時に、寸断された各地の
道路
あるいは
鉄道
、これについて一刻も早く
交通確保
をはかって民心の安定をはかることをまず第一に念願した次第であります。 今回の
災害
の特徴をこの
機会
に申し上げますと、大体
関東南部
、特に
房総地区
においては過去十年間
災害
らしい
災害
がなかった。
昭和
三十五年にかなり
被害
を受けたのでありますが、今回の
雨量
はまさにその当時の約倍にのぼる、こういう点が第一点。それから、先ほ
ども
申しましたように、非常に短い期間に集中的に雨が降ったということ、それから三番目には、
川そのもの
が
中小河川
が多いわけでありますが、比較的
平野部
の雨であったということ。その次には、いま申しましたように
中小河川
、これもほとんど
原始河川
の
状態
のままに残されておったもの並びに山くずれ、これらについては、先ほどの経過からもいろいろと、たとえば
砂防工事
あるいは
崩壊防止
のための
指定地域——
ほとんどいままで率直に申しまして
対策
が講ぜられていなかった。こういうことが
被害
を非常に大きくした原因であろうと私
ども
は考えております。その結果、先ほど
現地視察
をなさいました当
委員会
のほうから御
報告
がございましたように、
小櫃川
ほか数
河川
の平地に蛇行しております
中小河川
のはんらん、それから山くずれ等によって橋梁が流れたりして
道路
が損壊したりあるいは
住家
が倒壊したり浸水したり、こういう
被害
が大きかったわけであります。 現在までに判明いたしました
被害
の概況について申し上げますと、
一般被害
につきましては、
死者
、行くえ不明二十四名、
負傷者
三十七名、
建物
の全
半壊
、
流失
二百八十八棟、
床上浸水
二千七百四十六棟、
床下浸水
が一万一千九百八十七棟、罹災された
世帯数
が三千百八十九
世帯
、
罹災者
の数が一万一千六百四十七名にのぼっておるわけであります。 次に、
施設関係
の
被害
といたしましては、これはもちろんいま
各省
から
査定官
あるいは
調査
官を
現地
に派遣して——最終的なものは国としてまとまっておりませんので、県の
報告
を総合いたしますと、
公共土木施設
が約百二十八億円、
農地
、
農業用施設等
が約三十一億円、
農作物等
が約二十三億円、
中小企業関係
が約十九億円、その他約二十五億円、総計二百二十六億円という数字になっております。
政府
のとりました
措置
といたしましては、まず第一に、先ほど申しましたように、
警備
、
救助活動
でありますが、県の
警察本部
では警視庁の応援を得て
警備活動
に当たり、
被災者
の
救出救護
、
避難誘導
、
給水等
を実施してまいっております。
消防機関
の職員、団員の
方々
も、
避難
の
指示
あるいは
人命
の
救出
・
救助
、行くえ
不明者
の捜索、
水防活動等
を実施しておるわけであります。特に防衛庁では
自衛隊員
を今日まで延べ四千百五十名を派遣したほかに、車両七百余両、さらに
航空機等
を出動させ、
人命救助
、
道路
の
啓開
、
給水
、
防疫等
、広範にわたる
活動
を願っておるわけであります。 第二番目に
災害救助法
の
適用
の
状況
でありますが、
千葉
県では
大多喜
町をはじめ二市七町一村に
災害救助法
を発動いたしまして、
避難所
の
設置
、たき出し、
飲料水
の
供給
、
被服寝具
の
給与等
の
応急救助
を実施いたし、さらに
応急仮設住宅
の
設置
、
住宅
の
応急修理
、学用品の
給与等
の
応急救助
を実施いたしておるわけであります。 三番目に
防疫対策
でありますが、この
種災害
に伴いがちな疾病の、特に
伝染病
の
発生
を防ぐために
被災者
に
検病調査
を行ない、そして
伝染病患者
の発見、流行の
防止
につとめておりますが、幸いにして目下のところ
伝染病患者
の
発生
は出ておりません。また
水道
につきましては、
大多喜
町等十二
市町村
で二十五カ所が
被害
を受けましたが、水の問題は何よりも急を要する問題でございますので、
応急
に処置をいたしました結果、今日ではすでに四
市町村
を残して
復旧
をいたしております。断水中の
被災地域
につきましても、自家用の井戸を活用したり、あるいは
自衛隊等
の
給水救護活動等
によって
飲料水
の
確保
には万全を期しておる次第であります。 第四に
住宅対策
でありますが、
応急仮設住宅
の
設置
、
住宅
の
応急修理
はもちろん、先ほど申しましたように、即刻実施をしておるわけでありますが、さらに
被災
されました
方々
の
住宅
に対しては、
災害復興
のための
住宅資金
の
貸し付け手続
を進めさせておりますほか、
既設公営住宅
の
復旧
についても
所要
の
措置
を講ずることにいたしております。 五番目には、
文教対策
でありますが、罹災された
児童
、生徒の学習に支障を来たさないように、なくした教科書の補給はもちろん行ないましたほかに、たまたま死亡された
児童
も一名ございますので、その方に対しては
日本学校安全会法
によって死亡お
見舞い金
三十万円を給付することにいたしております。 六番目に
交通通信対策
でありますが、
主要国道
につきましては、一カ所が
交通制限
をいたしておりますほかは、おおむね
復旧
いたしております。さらに
主要地方道
もほぼ
開通
を見るに至っております。しかし、
一般県道
さらに
奥地
の
市町村道等
については、まだ
調査
中のところもございますし、一刻も早く
復旧
することにいたしたいと考えております。これまた幸いに
通信関係
は全部
開通
をいたしております。
国鉄
に関しましては、十一線区四十四
区間
が
被害
を受けたわけでありますが、これもほとんど
開通
のめどがついております。
私鉄
も五社六
区間
に及んでおりますが、
小湊線
、この一部については今日まだ
復旧
の
目安
がついておりませんが、ほかはおおむね
復旧
の
目安
がついたわけであります。 七番目は、
中小企業対策
でありますが、これは特に
大多喜
町に集中的に
被害
が
発生
しておりまして、
中小企業金融
三
機関
において
償還期限
の
延長
であるとか、あるいは
新規貸し付け
の
優先取り扱い
、これらの
措置
についてはすでに
指示
いたしておるわけであります。 八番目は、
公共土木施設等
の
復旧
でありますが、
公共土木等
の
復旧
及び
農地
、
農業用施設
の
復旧
については、緊急に必要とする
個所
についてはもちろん
現地
に係官を派遣して
応急工事
に当たっておりますが、場合によっては
査定
前
着工
を行なうように
指導
をいたしております。 九番目に、
被災者
の
援護対策
でありますが、
被災者
に対してあるいは
郵便はがき等
の
無償交付
、あるいは
郵便貯金
、
簡易保険等
の非常取り扱い、さらに
救援小包
の
無料扱い等
を実施いたしておる次第であります。 以上七月一日の
関東地方南部
特に
房総南部
の
豪雨
による
災害
に対する
被害
の
状況
と、
政府
の今日までとり、また今日とっております
措置
の
概要
を御
説明
申し上げた次第であります。 次に、今回の
長雨
は先ほど申しましたように、
相当
期間続きましたので、六月中の
被害状況
を取りまとめて申し上げますと、
一般被害
につきましては
死者
十五名、
負傷者
六十一名、
建物
の全、
半壊
五十四棟、
床上浸水
四百三十九棟、
床下浸水
八千五十棟、
罹災世帯数
四百九十
世帯
、
罹災者数
が千八百三十二名になっております。また、
施設等
の
被害
につきましても、これまた県の
報告
によりますと、
公共土木施設等
が約百六十四億円、
農地農業用施設等
が約四十四億円、
荒廃林地
が約二十億円、
国有林等
が約八億円、その他約二億円、
合計
約二百三十八億円になっておりますが、この長期間にわたる
長雨被害
につきましては、ほとんど
全国
各
府県
にまたがっておりまして、
被害
を受けた
地域
は三十六
都府県
に及んでおるわけであります。
政府
といたしましては、これが
対策
として、先ほど申し上げましたように、各
省庁
の
連絡会議
を随時ひんぱんに開いて必要な諸
対策
を検討しておりますが、七月一日の
豪雨災害
が集中的に
発生
いたしましたので、それとあわせて
所要
の
対策
を推進してまいりたいと思っております。 次に、
台風
第二号でございますが、初めこれが
梅雨前線
を刺激をいたしまして、それでたび重なる
集中豪雨
でさらにダブルパンチを受けるようなことになってはたいへんだというので、
全国
各
府県関係機関
に対して
応急
の
措置
をとらしておったのでありますが、幸い、後ほど申し上げますように、
台風
第二号の
被害
は非常に少のうございました。不幸中の幸いであると存じます。 去る六月の二十八日に
カロリン諸島
に
発生
した、初めは非常に弱い熱帯低
気圧
であったのでありますが、それが二十九日の昼ごろにはヤップ島に達して、
中心気圧
が九百九十五ミリバール、そこで
台風
第二号と、こういうことになったわけでありますが、その後
台風
は本土に接近するにつれて逐次発達をしてまいりまして、九百五十五ミリバールとなり、七月五日午後六時三十分ごろ
紀伊半島
に上陸をしたのでありますが、その後実はきのうの四時前に鳥取県と兵庫の
県境付近
から
日本
海に抜けて、衰弱して
温帯性
の低
気圧
となったわけであります。 そういうことで、
台風
による
一般被害
は、現在のところ、
死者
、行くえ
不明者
七名、
負傷者
十八名、
建物
の全
半壊
十八棟、
床上浸水
が四十三棟、
床下浸水
が千百五十棟、
罹災世帯数
が五十五
世帯
、
罹災者数
が百八十九名となっております。また、
施設関係被害
といたしましては、
公共土木施設
が約十三億円、
農地農業用施設等
が約二億円、
農作物等
が約十億円、
合計
約二十五億円となっております。なお、
台風
第二号による
被災地域
、これまた二十二
都府県
に及んでおります。現在、いさい鋭意
調査
中でございますので、多少は増加するものと考えられます。 以上御
報告
を申し上げます。
北村暢
7
○
委員長
(
北村暢
君) 次に
気象庁
、
警察庁
、
農林省
、
運輸省
、
建設省
の
関係担当官
から
報告
を受けるわけでありますが、ただいま
総務
副
長官
から総合的に
相当
詳しく
報告
がございましたので、これに補足する
説明
がございますならば簡単に
報告
を願いたいと思います。まず、
気象庁大野予報官
。
大野義輝
8
○
説明員
(
大野義輝
君) ただいま
湊総務
副
長官
から詳細にわたりまして御
報告
いたしまして、
気象関係
についてはそれに尽きるわけでございます。 なお詳しく申しますと、七月の一日早朝、今回の大
災害
でございますが、これの
気象
的な観点から申し述べますと、一日の早朝二つの強い雨、
一つ
は
関東北部
でございまして、もう
一つ
は
関東南部
、いずれも南下いたしまして、一日の早朝、これらのものが二つ合体いたしまして、そして雷を伴う激しい
集中豪雨
になったわけでございます。その強い雨の区域でございますが、その後も
関東南部
に定着いたしまして、湘南方面から
房総方面
にかけて大雨となりまして、特に十時から十五時ごろにかけて
千葉
県
大多喜
町を中心にいたしまして、約四百ミリに達する
豪雨
を記録したわけでございます。その後十五時ごろからその強い雨の区域が東部に移りまして、十八時ごろ
千葉
県の大雨は峠を越したわけであります。
台風
二号につきましては、
日本
海に出た後、七月七日ただいまでございますが、けさ六時現在のその後の様子を少しばかり申し上げさせていただきたいと思います。 六時現在でございますが、その温帯低
気圧
になりました低
気圧
は、朝鮮半島南部にございまして、
中心気圧
は九百九十九ミリバール、全く普通の低
気圧
になりまして、現在九州北部で多少にわか雨が降っている程度であります。 以上で御
報告
を終わります。
北村暢
9
○
委員長
(
北村暢
君) 次に
警察庁
武士
調査
官。
武士孝
10
○
説明員
(武士孝君)
梅雨期
の大雨による
被害
それから
台風
二号による
被害
並びにこれらに伴う
警察
措置
の
概要
についてごく簡単に御
報告
申し上げます。 局地的な大雨によりまして各地でがけくずれや
河川
の急激な増水、はんらんなどによりまして、三十六の
都府県
にわたり
被害
が出ているわけでありますが、その総括的な数は七月四日現在、当庁におきまして集計いたしましたものはお配りした資料の一のとおりです。次に、そのうち六月十四日から十六日にかけての
被害状況
は資料2のとおり、六月十八日から十九日にかけての
被害状況
は資料3のとおり、六月二十九日の
被害状況
は資料4のとおり、七月一日の
被害状況
は資料5のとおりであります。このうち
被害
の大きかったのは七月一日の大雨によるもの、次いで六月十四日から十六日にかけての大雨によるものであります。特に
千葉
県の
被害
が甚大であります。 これら
全国
的な広範囲にわたる
災害
に対しまして、
警察庁
では
つゆ入り
早々
全国
の
警察
に対しまして
梅雨期
に伴う局地的な
集中豪雨
に対処する
警備
体制の強化を
指示
いたしておったところでありますが、
台風
二号の接近に伴い、去る七月一日の大雨による
死者
の大部分ががけくずれによるという実情にかんがみ、
長雨
による地盤のゆるみをも考えまして、七月三日午後あらためて
全国
の
警察
に対し
危険個所
の事前点検を
徹底
し、危険の予想される
地域
の住民に対する
避難誘導
措置
に遺憾のないよう通達をした次第であります。また関係の
府県
警察
では、
気象
状況
を判断して早期に
警備
体制を整え、機動隊を中心に
警察
官一万三千三百六十一人を出動させて、危険
地域
に対する事前警戒をはじめ
被災者
の
救助活動
等
所要
の
災害
警備
を行なったところであります。 これら
警備
のうち、
千葉
県
警察
の主要な救護
活動
を二、三御紹介申し上げます。七月一日午後一時二十分ごろ
市原
市高滝地区で
養老川
が
決壊
したまたま当時牛久地区に増水警戒のために出動いたしました機動隊一個小隊が急報に接し五キロの山道を徒歩で急行、地元の消防団と協力して屋根等で
救出
を待っていた住民五十人を午後八時までに全員
救出
しております。同じ日の四時半ごろ、
大多喜
町猿稲地区におきまして、機動隊が
地元消防団
と協力して、住民三人を
救出
いたしております。それから、七月一日の午後一時四十分ごろ、天羽町にあります天羽山砂
採取
作業所で作業をいたしておりました二人の作業員を直ちに
避難
させ、その直後がけくずれが
発生
したという事案があります。その他
給水
活動
として、警視庁から
給水
車三台、キチンカー三台、
千葉
県機動隊のキチンカー一台、七台によりまして、洗濯等の用水、
飲料水
として利用していただいた次第です。それから徹宵のパトロール、持参した投光器による夜間の照明、また、警視庁からはヘリコプターを一台出動させております。 それから、
台風
二号につきましては、
被害状況
はお手元の資料のとおりです。
警察庁
としては七月五日午後六時
災害
警備
連絡室を設けまして、関係
府県
警察
の
災害
活動
の
指導
調整に当たったところでありますが、八千七百人の
警察
官を出動させて、
所要
の警戒
警備活動
を行なった次第です。 以上御
報告
終わります。
北村暢
11
○
委員長
(
北村暢
君) 次に、
農林省
大河原参
事官
。
大河原太一郎
12
○
説明員
(
大河原太一郎
君)
委員長
の御
指示
もございますので、簡単に
被害状況
及び
応急対策
について御
説明
申し上げます。
集中豪雨
によります農林水産業の
被害
につきましては、お手元に差し上げてありますとおり、総額七十七億六千万円に達しておりまして、うち施設といたしまして五十四億八千万円、農作物といたしまして二十二億八千万円に及んでおりますが、逐次
被害
はふえておるというふうに判断しております。それらの内訳は資料によって御承知を願いたいと思います。
応急対策
につきましては、七月二日に
現地
に責任
課長
等をそれぞれ派遣いたしまして、
被害状況
の把握につとめたわけでございますが、さらに、
台風
二号の関係、
長雨
の連続等がございますので、重複
災害
防止
のための
指示
を、それぞれ関係局長名をもって
指示
してございます。
応急対策
といたしましての
罹災者
等救援のための食糧、乾パンとか、
政府
保有玄米等の配給等につきましても、
市原
市とか木更津市とか、それぞれ
所要
のところに
所要
の数量を
応急
配給いたしました。なお、
復旧
用材につきましては、御案内のとおり営林局署が
応急
用の木材を備蓄しておりますので、御要求がございますれば直ちに対応できるという
措置
をとっておるわけでございます。 なお、
被災
地におきましては、水稲の大事なかんがいの時期に当たっておりますので、かんがい
施設等
の
被害
に対しましては、
応急
水路の
設置
なり、
地方
農政局の揚水機等の貸し出し等によりまして、用水の
確保
に遺憾のないような
指導
をしております。 また、今後の問題でございますが、緊急の
災害
復旧
に伴います
概要
書の作成その他地元の
技術者
の要請も強いものでございますので、近県等から要請があればいつでも派遣できるような態勢を進めておるわけでございます。 以上、簡単でございますが、
応急
的な御
報告
を申し上げます。
北村暢
13
○
委員長
(
北村暢
君)
運輸省
森永保安
課長
。
森永昌良
14
○
説明員
(森永昌良君)
鉄道
の
被害
につきましては、お手元に資料差し上げてございますので、それでごらんいただくことにいたしまして、不通
個所
だけ御
説明
いたしておきます。 現在、
国鉄
では木原線の国吉から上総中野までの八駅、距離にいたしまして二十七キロほどが現在不通になっております。で、そのうち
大多喜
までは比較的早く
開通
の予定でございますが、その先はかなり
被害
の程度が大きくて、現在のところ
復旧
の見込みが立っておりません。 次に、久留里線は、久留里まで五日の日に
開通
いたしましたので、残りは三つの駅、距離にいたしまして九キロの
区間
が不通でございますが、これまたかなりひどくやられておりまして、現在のところ
開通
の見込みは立っておりません。 次に
私鉄
関係では、
小湊線
がやられましたけれ
ども
、けさ現在月崎まで
開通
いたしまして、残りは三つの駅の駅間、距離にいたしまして九キロ残っております。そのうち養老渓谷までは約一カ月、終点の上総中野までは二カ月で
復旧
の予定であります。もう一カ所六月の中ごろの
集中豪雨
によりまして、北陸
鉄道
の石川線の伏見川の橋梁がいたみまして、現在この
区間
が不通になっております。 以上不通
区間
だけ御
説明
申し上げて、御
報告
を終わりたいと思います。
北村暢
15
○
委員長
(
北村暢
君) 次に
建設省
川崎
河川
局長。
川崎精一
16
○
説明員
(川崎精一君) お手元のガリ刷りの資料に
梅雨前線
並びに
台風
二号に伴います
建設省
関係の
公共土木施設
の
被害状況
がございますので、これをごらんいただきたいと思います。
梅雨前線豪雨
につきまして、六月十三日以来の
豪雨
、七月一日を中心といたしました
豪雨
、これらに伴いまして、私
ども
のほうに入っております
被害
の
合計
は、全部で約二百九十億になっております。特に
道路
関係ではそれぞれ国道並びに幹線の
道路
につきましては、一応、
応急
の
復旧
を行ないまして、
交通
を
確保
いたしておりますが、なお
奥地
の
道路
の一部には、若干不通のところがあるようでありまして、現在急いで
復旧
作業を行なっております。 なお、その後の
対策
でございますが、
被害状況
の
調査
のために
現地
に主として
被害
の大きかった県を中心にいたしまして、長野、岐阜、山梨、滋賀並びに今回の
千葉
県に係官を派遣いたしております。特に
被害
が激甚でございました
千葉
県に対しましては、再度係官を派遣いたしまして、
復旧
工法の
指導
、
復旧
工事の
促進等
、準備を急いでおります。なお、今後の
復旧
工事の準備のための技術職員の手配につきましては、
建設省
の
地方
建設局の職員あるいは近
府県
の職員等を動員いたしまして、極力早期に
査定
を終えるような態勢を整えたいということで
努力
中でございまして、大体七月の末から八月の上旬にかけて、
災害査定
を実施いたしたいと、こういうふうに考えております。 なお、
台風
二号につきましての
被害
は次の資料にございますが、
河川
、
道路
等
合計
いたしまして、全体で十二億の
被害
がございました。なお
調査
に伴い若干この数字はふえるのじゃないかと思いますが、現在の
報告
ではこの程度でございます。 なお、
道路
関係につきまして、二十五号線、五十六号線等に一部不通
個所
がございますが、これにつきましても、鋭意
復旧
作業を急いでおります。なお、詳細の
被害報告
がございましたら、それに対応して
応急
の
措置
を考えていきたいと、こういうふうに考えております。以上でございます。
北村暢
17
○
委員長
(
北村暢
君) 以上で
説明
を終わりました。これより先ほどの派遣
報告
を含めまして、本件について質疑を行ないます。 質疑のある方は、順次御発言を願います。
加瀬完
18
○
加瀬完
君 今回の
千葉
県の
災害
に際しましては、本
委員会
はさっそく
調査
団を御派遣をくださいまして、まことにありがとうございました。なお、
復旧
に対しまして、関係
機関
がいろいろと御協力を賜わっておりまして、地元の一人として厚くお礼を申し上げます。ただいま
政府
側からいろいろ御
説明
もございまして、事情は十分おのみ込みとは存じますが、若干申し上げてみたいと思います。
千葉
県下の今回
救助
法を
適用
されました
地域
は、生活
状態
は大体少ないところで五〇%、多いところは八〇%が、専業またはこれに近い農家でございます。上総町のように専業農家が少ないところがございますが、これはほとんど臨時工等で、付近に出かせぎをしておる生活の者が多いわけでございます。したがいまして、今回の
災害
は耕地を、そして
住宅
を、なおまた職場に通う
道路
や
鉄道
というものを全部破壊されておる、一言に申しますればそういう
状態
でございます。 最初に
農林省
に伺いたいのでございますが、耕地の
被害状況
は御存じのように、
流失埋没
が田が千四百二ヘクタール、畑が九百六ヘクタール、冠
水田
畑合わせますと一万六千ヘクタールということになっております。なお、いま局長さんですか御
説明
がございましたが、特に君津地区は、このはんらん
河川
からほとんど揚水をいたしておりましたので、このはんらんのために揚水機が全部
流失
をいたしておりまして、干天がもしこれから続くということになりますと、ほとんど用水の設備というものがないわけでございます。なお水浸しの
状態
でございますから、飯米すらもこと欠く
状態
になってまいりました。 そこで、次の点を、まずどう
対策
を立てられておりますか、伺うわけでございますが、第一点は、飯米
確保
のためには、どういう
措置
をこれから講じられていただくのか、この点を伺います。
大河原太一郎
19
○
説明員
(
大河原太一郎
君) お答え申しげ上ます。
被害
を受けまして、自家保有米等を失いました農家の
方々
に対しましては、従来の例にならいまして、これを一般
世帯
並みの配給等を当然行なうということで、ただいま
現地
の食糧事務所並びに県と連絡をとりまして、
所要
量なり、今後の遺憾のないような
措置
を続けておるわけでございます。
加瀬完
20
○
加瀬完
君 いままで
災害
地の、まあ特に農家の食糧補給あるいは飯米
対策
というものはどういうふうになされておりましたか。
大河原太一郎
21
○
説明員
(
大河原太一郎
君) これにつきましては、臨時配給切符を渡しまして、とりあえずその一カ月程度は
所要
の飯米の
確保
にこれは遺憾なからしめるということを、とりあえずやりまして、その後次の米作の収穫その他の飯米の
確保
ができる期間までは一般配給
世帯
として取り扱いまして、これに対して配給を
確保
いたすということに相なっております。
加瀬完
22
○
加瀬完
君 まあ一応形の上では飯米が
確保
できるということになりますが、配給ということになりますと、配給を受ける資金のない家庭は、結局配給を受けられないという結果も出てくるわけですね。もっといい方法はないですか。
大河原太一郎
23
○
説明員
(
大河原太一郎
君) これにつきましては、過去の大
災害
等におきましては、その農家の
被害
の程度なり資金需要に応じまして延納の
措置等
を個別に知事と協議いたしまして、延納の
措置
を講ずる、あるいは卸売り価格で配給いたすというような例も、過去の大
災害
にとったことは事例があるわけでございます。今回の農家の皆さんの実情がこれに該当するかどうかにつきましては、なお県等と十分事情を伺いまして検討してまいりたいというに考えております。
加瀬完
24
○
加瀬完
君 県が責任を持っていままでの
激甚災害
農家同様に卸売り価格で配給をすると、配布をすると、こういう方法をとってもらいたいということになれば、
農林省
としてはそういうふうな手続をなさいますね。
大河原太一郎
25
○
説明員
(
大河原太一郎
君) 県から詳細な実情を承りまして、それに基づいて御協議を申し上げたいというふうに考えております。
加瀬完
26
○
加瀬完
君 くどいようですけれ
ども
、詳細県が
報告
をして、いままでの
激甚災害
地と同様な条件であるということになれば、先ほど御
説明
のような方法もとっていただけると了承してよろしゅうございますね。
大河原太一郎
27
○
説明員
(
大河原太一郎
君) これは過去の例を見まして、これよりきびしい条件でこれが取り扱うというようなことについては、毛頭考えておらないわけでございます。
加瀬完
28
○
加瀬完
君 いやそうじゃない。県からいままで卸売り価格で配布をしたような条件と同じだという
説明
があって、その後納得がいくならばいままでの一番ひどい農家の救済
対策
と同じような方法をとっていただけると考えてよろしいか、ということでございます。
大河原太一郎
29
○
説明員
(
大河原太一郎
君) おっしゃるとおりの
措置
をしたいと思います。
加瀬完
30
○
加瀬完
君 第二点が、先ほど御
説明
もございましたが、揚水機がほとんど流れちゃってない。揚水機がないと、結局
確保
する来年の飯米にもこと欠くということにもなりかねるわけでございますが、この揚水機
復旧
はどういう
対策
でおやりいただきますか。
住吉勇三
31
○
説明員
(住吉勇三君) ただいまお話しのとおり、
水田
にとりましてはただいま非常に大事な時期でございまして、このかんがい期にポンプの
流失
が
相当
あったようでございまして、
災害
復旧
工事といたしまして、
応急
の処置もございますが、なお
応急
を要するものにつきましては、現在関東農政局で六十台余りの貸し出し用のポンプを
確保
しておりますので、必要に応じまして、いつでも貸し出しができるという準備を整えております。
加瀬完
32
○
加瀬完
君 これは、県のほうからも要請があったはずでございますが、そうすると
千葉
県のほうが
農林省
のほうにその六十台の中の何台かを貸し出してもらいたい、並びにこれを
設置
をしたり運用をしたりするのには、
技術者
も要するわけでございます。こういう
技術者
の要請等もあったように聞いておりますが、それらをあわせて要請をいたしましたときには、県の要請というものは、ある程度お考えいただけると考えてよろしゅうございますね。
住吉勇三
33
○
説明員
(住吉勇三君) ただいまのところ、まだ県のほうから、ポンプのほうは大きさとかいろいろございますので、詳細の要求はまだ受けておらないわけでございます。受け次第、私のほうからもまた必要に応じまして、あるいは
技術者
もつけまして貸し出す方法を考えております。
加瀬完
34
○
加瀬完
君 第三点は、
武内理事
のほうの御
報告
の中にもございましたが、
埋没水田
、これは休耕地としての取り扱いをしていただけないか。
遠藤寛二
35
○
説明員
(遠藤寛二君) お答え申し上げます。埋没、
流失
等あわれた方は非常にお気の毒だと思っておりますけれ
ども
、米の生産調整事業といいますのは、
一つ
の目的をもちまして、別のルールでやっております仕事でございまして、ちょっと詳しく申し上げますと、
昭和
四十五年で稲の作付が可能な
水田
で、自主的に作付前に稲をおやめになるということにつきましての
補助
事業でございますので、
災害
対策
とはちょっと何と申しますか、性格が異なっておりますので、これを生産調整の対象にするということは、たいへん困難であろうと思います。
加瀬完
36
○
加瀬完
君 それはわかっていますよ。しかし実質的に休耕地の申し出というのは、非常に少ないわけですね。ところが自然現象で休耕せざるを得なくなってしまったわけだ。だから作付減反の
一つ
の形を変えた、目的は同じになってしまったわけなんだから、休耕取り扱いというものができないのならば、何らかそれに準ずる方法を講じてもらいたい。これは御紹介いただきました
委員会
の
報告
も、同様に出ているわけでございますが、それならば休耕取り扱いに準ずる何らかの方法を講じてもらえまいか。といいますのは、何らかのそういう資金が流れてこない限り、
水田
の回復というのは不可能なのです。それらをあわせまして、地元では何らか、休耕取り扱いができないならば、それに準ずる方法を講じてもらいたいという要望が強いわけです。
委員会
の
報告
もそれに基づいて行なわれたわけでございますが、この点についてはどうです。
大河原太一郎
37
○
説明員
(
大河原太一郎
君) ただいま
流失
、埋没いたしました、すでに作付をいたしました
水田
の取り扱いを休耕、今度の生産調整との関係は、ただいま農政局のほうからお答えしたとおりでございますが、
流失
、埋没等を受けました非常にお気の毒な農家の
方々
に対しましては、先生御案内のように、従来の
災害
と全く同様に、共済金の仮り渡しとか、あるいは再生産
確保
のための
天災融資法
資金の融通
措置
あるいはさらに長期低利資金等、自作農資金を資金需要に応じまして必要額お貸しいたすということで対処いたしたいということでございます。
加瀬完
38
○
加瀬完
君 それからいま休耕地にしてくれないかと言った対象の
地域
は、
流失
だけではございませんで、ほとんど土砂の埋没で、これの
復旧
作業というのは、なかなか個人にまかせてもできない
状態
でございます。そこで、トラクターのような機械を貸与してもらうか、あるいは国が援助をして県等の責任でこの作業を遂行してもらうか、そういった方法をとってもらいませんと、既耕地に返すことはなかなか困難だという
状態
でございます。これらについて何か
対策
がございましょうか。
住吉勇三
39
○
説明員
(住吉勇三君) ただいま
農地
局のほうで
全国
的でございますが、保有しております機械を調べましたところ、バケットローダーそれからブルドーザー等合わせまして約四十台ぐらい現在お貸しできる機械がございます。なお、これによりましてなお足らないというような場合には、
農地
開発機械公団がございまして、ここはただいまいろいろ工事中でございますが、緊急な場合には、こちらのほうからも融通をいたしまして、要請がありました場合には、こういう両面からできるだけ要求におこたえするように
努力
していきたいと準備を進めております。
加瀬完
40
○
加瀬完
君 ありがとうございました。そのようにひとつ御
措置
をいただきます。 それから酪農の
被害
が非常に多いわけでございますが、この救済
対策
は、具体的に何かお立てでございますか。
大河原太一郎
41
○
説明員
(
大河原太一郎
君)
被害
人家その他の
対策
に
千葉
県当局等
も追われておりまして、逐次農作物関係の
対策
にも及んでくるというのが現状でございますので、われわれといたしましては、なお詳細に
現地
の畜産
被害
の実態を見て処置いたしたいと思うわけでございますが、乳牛等につきましては、先生御案内のように死亡なり骨折その他経済的価値を失うとか行くえ不明になるとかということにつきましては、家畜共済による損害保険がございますし、さらに再生産
確保
のためには、先ほど申し上げましたような
天災融資法
による資金の融通等
被害
についてこれを補てんするというような関係で、従来の損害も
措置
いたしましたし、今回についてもそれらを十二分に
適用
いたしまして、遺憾のないようにいたしたいというふうに考えております。
加瀬完
42
○
加瀬完
君 私
ども
が
千葉
県に出向きましたときに、県のほうから次のような点をあわせて要請をされたわけでございますので、一括お答えをいただきます。 いまお話しになりました
天災融資法
に基づく
天災
として御
指定
をしてもらえると、この点は了解をしてよろしゅうございますね。そのほか自作農の維持資金の
貸し付けワク
を拡大をしてもらいたいという点が一点。もう一度申しますと、
天災
として
指定
してもらいたいということ、それから
自作農維持資金
の貸し付けのワクを広げてもらいたいということ、農林関係各種
制度資金
の
償還延期
の
措置
を、現在措りているところもありますから講じてもらいたいということ、それから
農業共済金
の早期の支払いをしていただきたいという点、これらが要請をされましたが、この点はいかがですか。
大河原太一郎
43
○
説明員
(
大河原太一郎
君) 先生御指摘の四点でございますけれ
ども
、
天災融資法
等につきましても、
長雨
災害
、
梅雨前線
による
千葉
の
集中豪雨
のみならず、各地の
被害
も出ておりますので、これらもあわせまして
天災融資法
の
指定
をいたしたいというふうに検討中でございます。それからその他の問題につきましても、当然自創資金の特別ワクにつきましても、農家の資金需要の実態を見まして、前向きに
措置
いたしたい。並びに
農業共済金
の仮り渡し等については、当然われわれとしても従来行なっておりますし、今回も行ないたいというふうに考えております。なお、従来の各種制度金融等の既
貸し付け金
を受けた農家の方で
被害
を受けられた
方々
に対しましては、農家の
方々
の実情に応じまして償還猶予なり、あるいは貸し付け期間の
延長
というような
措置
についても、それぞれの
所要
の
措置
を講じてまいりたいというふうに考えております。
加瀬完
44
○
加瀬完
君 次に、
建設省
と自治省に伺いますが、このたびの
千葉
県の
被害状況
は、
道路
の
決壊
が二千六百六十二カ所、橋の
流失
が百十一カ所、提防の
決壊
が百二十一カ所、がけくずれが四千九百九十五カ所、こういうふうに
千葉
県は発表いたしておりますが、これはお認めになられますね。
川崎精一
45
○
説明員
(川崎精一君) 県の
報告
のとおりだと信じております。
加瀬完
46
○
加瀬完
君 そこで、
市原
それから上総地区、いずれも
道路
と
鉄道
と川筋が重なっておりますので、
道路
の回復が早まりませんと、
鉄道
の
復旧
も、
河川
の
改修
もほとんど
輸送
路がないわけでありますから、困難な
状態
でございます。その中でも橋梁が
流失
や
決壊
をしたままでありましては、どうにも人の
交通
もできないという
状態
に置かれているわけであります。いま申し上げましたとおり、
養老川
それから
小櫃川
でございますとか、地区でいうと
市原
の加茂地区あるいは
大多喜
の旧老川、西畑、君津の上総地区というものは
道路
が一本きりで、並行している
道路
がございませんので、さらに橋梁が破壊されたり
流失
されたりしておりましては、どうにも
交通
ができないわけであります。地元では特に橋梁の
復旧
を急いでいただきたいという要望が強いわけでございますが、これらに対して具体的に何か方法はお立ちでございますか。
川崎精一
47
○
説明員
(川崎精一君) ただいま先生のお話しのとおり、やはり
災害
復旧
につきましては、
道路交通
というものが一番住民の生活上必要でございますし、
復旧
面あるいは産業
活動
等にもやはり
道路
を優先する必要があろうかと思いますので、私
ども
も
道路
の
復旧
を重点にして、いろいろ
復旧
の作業の方法とか、期間とかあるいは財政
措置
とかいろいろあろうかと思いますけれ
ども
、重点的に
復旧
を進めるようにいたしたいと思います。
加瀬完
48
○
加瀬完
君 副
長官
にお尋ねをいたしますが、国道、県道の
復旧
は先ほど御
説明
があったようにわりあいにめどがついている。ところが、
市町村
道あるいは林道にたよって
交通
している
地域
でございますから、そういう県道を除く
地方
道の回復というものは非常に急がれるわけでございますけれ
ども
、
地方
財源はそういった非常
災害
までまかなっていくような余力はございません。そこで、
市町村
の
道路
橋梁をはじめ、こういう
交通
関係の
復旧
財源というものを、
政府
としては特別に考えていただけるのか、この点自治省も御関係がございますが、まず副
長官
にお尋ねをいたします。
湊徹郎
49
○
説明員
(
湊徹郎
君)
災害
対策
のたてまえ上それぞれの国道、県道、
市町村
道管理の責任の分担に従いまして、それぞれ
措置
を講ずるのは当然でございますが、ただいま話がございましたように、特に過疎地帯に属する
市町村
道、財政負担の上でかなり困難なところは過去においてもございましたし、今回の場合もあるいはあろうかと思います。そういうものに対しては主として自治省を通じ、交付税あるいは
特別交付税
ないし起債等の
措置
を通じて
市町村
の御負担を軽減する
措置
を極力講じていきたいというふうに考えております。
加瀬完
50
○
加瀬完
君 きょうの新聞に、
地方
版でございますが、建設大臣が「
市町村
道も国費で」
復旧
という見出しが載っておりますが、これは間違いございませんか。
川崎精一
51
○
説明員
(川崎精一君) 私、大臣から直接そういうお話は伺っておりませんが、大臣のおっしゃった趣旨は、ただいま副
長官
からおっしゃった趣旨じゃないかというふうに考えております。
加瀬完
52
○
加瀬完
君 きのうの衆議院の
委員会
での御答弁として載せられておりますが、「
市町村
道も国費で」
復旧
ということは、ただ現在きめられておるワクの中で、
特別交付税
とか起債ということだけでやるということでございますか。それは国費じゃないでしょう。
川崎精一
53
○
説明員
(川崎精一君) 国道、県道と同じようにいたしまして、
市町村
道もやはり
災害
復旧事業
の対象にいたしております。なお、その他に地元負担につきましては、先ほどのようないろいろな財政上の
措置
も国としては講じていくと、こういうことになっております。
加瀬完
54
○
加瀬完
君 副
長官
がお認めになっていらっしゃるように、これは過疎地帯です。したがって、
地方
財源が枯渇しておる。そこで、起債といったところで、私も詳しくは調べませんが、起債が大蔵省の限度額をこえているかもしれませんし、あるいは今回の
復旧
財源を起債に求めれば当然限度額をこえるという形になります。限度額をこえたところは起債はできない。
特別交付税
といったところで、
特別交付税
もこれはワクがあるわけでありますから、無制限に
特別交付税
でまかなうという筋合いのものじゃありませんから、そうしてくれるというのなら別ですが、いままでの
特別交付税
の配賦の基準によれば、
災害
があったから
特別交付税
で財源を幾らでも無制限に見合って支出をしてくれるという
状態
ではないわけでありますから、
市町村
道も国費でまかなうなんということを御発言なさるなら、少しきっちりと、いままでの条件よりもこういう点で国のほうが
地方
負担を軽くいたしますとか、あるいは
地方
負担に対する
補助
のワクを広げますということを明確にしていただかなければ、非常にこれは困ることでございます。大臣はその
説明
の中で、公共事業費を大幅に振り向けるというお話があった。公共事業費を大幅に振り向けたところで、
市町村
の事業
計画
と公共事業費の対象として認定をされる
計画
と、必ずしも一致をするとは限りません。そうすると、公共事業費でまかなってくれるというので、
復旧
を急がれますから、幅を広げて
市町村
が
復旧
工事にかかる。ところが、一部は公共事業として認定されたけれ
ども
、一部は認定されないということになりましたら、これはその返済を
市町村
はどうしていいかとほうにくれるわけです。公共事業費ということになれば結局は大蔵省でございますので、大蔵省に伺いますが、どうですか、
災害
復旧
というワクの中でやらなきゃならない仕事ということで
市町村
が公共事業に組んだものは、今回はこういう
激甚災害
地に限っては公共事業の対象としてお認めくださいますか、いかがでしょう。
藤井直樹
55
○
説明員
(藤井直樹君)
災害
復旧
につきましては、現在
公共土木施設
に関する
復旧
の国庫負担法、そういう法律がありまして、その体系の中で、
市町村
の財政
状況
等も考えて、その財政負担の
措置
を講じておるわけでございます。で、もしその
被害
が判明して
査定
が終わるということになりますと、そのものから逐次予備費の支出をしていくということになります。特に
災害
復旧
については既定の公共事業費予算を使うということはいたしておりませんで、別途予備費を組んでありますので、その予備のほうから支出するということになっております。
加瀬完
56
○
加瀬完
君 公共事業費の対象にするというなら、
市町村
の
道路
、橋梁等も一応国費の一部を流してやるという理屈は立ちますけれ
ども
、
災害
関係は公共事業の対象のワク外だというのであれば、大臣の
説明
していることはおかしいのだ。それを一点明らかにしていただきたいということです。 そこで、起債のワクであります。ある場合は、限度額をこえるという起債額が出てくる場合もありますけれ
ども
、そういう場合も、こういう
天災
地変のような
災害
の
復旧
の場合は、起債をお認めいただけるように御配慮をいただけるか。これはむしろ副
長官
に——自治省、大蔵省だけれ
ども
、
政府
としてこれからこういうふうにおやりいただけるかどうか。いままではおやりいただけなかった。これからおやりいただけるかどうか。これは大蔵省と自治省と副
長官
と三者にお答えをいただきましょう。
成田二郎
57
○
説明員
(成田二郎君) いま先生御指摘の、限度額こえましたものにつきまして、実は、従来そういうケースの事業はいわゆる小
災害
、こういう扱いにいたしまして、大きく言いますと、単独債のワク内で優先的に取り扱う。これに対しまして、後年度の対象につきましては、元利償還金の補給なりあるいは交付税の算出によって
措置
する、こういう扱いにしております。また、特に今回のような激甚の
災害
の起債につきましては、特別にいろいろな財政事情、前向きの財政事情を、たとえば
災害
復旧
等のつき合いの地元負担の関係で、財政需要もありますけれ
ども
、またマイナスの面では
地方
税の
減免
、具体的にはおそらく大蔵のほうから御
説明
ございますと思いますが、国税の
減免
等の
措置
が講ぜられているようでございますので、
地方
税の関係につきましても、
府県
並びに
市町村
に
減免
の
措置
が講ぜられます。これ以外にも諸般の住民の公的な経済負担の面につきましては、もしその分だけ減収が広がりまして関係
市町村
の負担増、こういうかっこうになりますので、それに対しましても、別途歳入欠陥に対する起債の
措置
は講じておりますけれ
ども
、これら
措置
額については一応限度がございますので、御指摘の点につきましては、十分大蔵方面とも今後とも折衝してまいりたいと思っております。
加瀬完
58
○
加瀬完
君 それは
災害
対策
費にはならないでしょう。
地方
税が
減免
をされる、その分を交付税でまかなうというのは、経常経費をまかなう点については理解ができます。しかし、収入が少ない上に事業が多くなるわけです、支出が多くなる。その
災害
復旧
という支出増の分はどこで一体まかなうのか、こういう問題なんですよ。そうすると、それはたとえば、公共事業として国がまかなうというようなことを建設大臣はきのう御
説明
になったようです。ところが、いま伺ってみると、いや、公共事業費はそういう
災害
を対象には使われませんよということになれば、それはだめだ。じゃ、残るものはあとは起債と交付税だ。交付税はこういう
激甚災害
があったからといって、交付税は上げるわけにはいきませんから、
特別交付税
、あなたの御
説明
のような算定で交付税が来ても、それは経常費をまかなうだけで、広がった財政支出をまかなう、あるいは埋めることにはなりませんよ。そうでしょう。この点ひとつ確認をしていただきたい。 そこでもう
一つ
、そこで、それじゃ
災害
復旧
なんかに出る新しい経費というものは、どこで国として認めてくれるのか、こういう問題になりますね。そうすると、先ほどから
特別交付税
ということばも出ておる。それじゃ、
特別交付税
の算定に、確実に
災害
復旧
関係の費用というものを算定基礎の中に入れてくれるのか、この二点についてひとつお答えをいただきます、
成田二郎
59
○
説明員
(成田二郎君) 第一点の点は、先ほど申しましたように、後年度におきまして
災害
に、前年度あるいは前々年度等に支出されました地元負担の関係を、後年度において見ていくということでございますから、その辺は先生と議論のいき違いがあるかと思います。 第二点につきましては、当然いま先生御指摘のように、
特別交付税
といえ
ども
限度はございますので、十分見るというわけにはいかない。その点は別に先生に御異議を申し上げているわけではございません。
加瀬完
60
○
加瀬完
君 副
長官
、あなたは
特別交付税
等で結局新しい出費を見るということだけれ
ども
、
特別交付税
にも計算の基礎があるのだから、そう無制限には見られないという担当のほうからのお答えがあった。そうすると
市町村
の財源は、御指摘のように過疎地帯でございますからございません。やっとやりくりでやっているような
市町村
財政のところに、今度は大きな事業費の出費が必要となってきた。ところがその財源の補てんは国のほうからはあまりはっきりしたものがないということになりますと、これは起債である程度見てもらって、それを交付税で算定をしてもらうというような方法をとるか、あるいはあらためて
特別交付税
のワクというものを広げて考えていただくか、二つしかないと思うのです。これらは
政府
としてはっきりと
対策
を立てていただかなければならないと思うのです、
特別交付税
はね。
特別交付税
のきめられたような方法では使われておりませんよ、このごろ。これは
政府
にはっきり言ってもらいたい。たとえば成田空港で代替地を提供したものが税金がかかった。これに対して
特別交付税
で見ておりますよ、同じ
千葉
県に。これは交付税法違法だ、これは。ところが便宜的にそういう方法もとっている。それならばこういう大きな
災害復興
に対してですよ、
特別交付税
の算定に便宜な方法をとれないということはあり得ない。これは自治省の係官に言ったってしょうがないから、
政府
としてひとつこれは
特別交付税
の算定で、ある程度財源の補てんをするという方向でひとつ御検討をいただきたいと思います。要望を申し上げますので、いかがでしょうか。御
努力
いただけましょうか。
湊徹郎
61
○
説明員
(
湊徹郎
君) 実は私も一昔前までは
府県
の行政を担当し、その後、国会に出てから十年来、
災害
関係を主としてやっておりますので、過去の実績についてはまあいろいろございますが、ただいまのように、願わくば公共
災害
については、公共事業の負担という形で第一義的にはなるべく地元の負担を軽減する
措置
をとりたいというふうな観点から、まだ御質問はございませんけれ
ども
、いままでの
激甚災害
の
措置
だけでは不十分だから非常に深度の深い、傷の深い
災害
に対しては局地激甚という特例
措置
を四十二年から講じ、それによりますと公共事業、ものによって違いますけれ
ども
、計算のしようじゃほぼ九割以上、九割八、九分まで国庫の負担になるような事業も実はございますし、それをさらに
特別交付税
あるいは起債の
措置
で緩和しながらいまのように負担能力のないところをカバーしていこうという各種制度の組み合わせでやっておりますので、今回の場合も特に
千葉
の副知事さんからきのうの衆議院の特別
委員会
でも局地激甚の
指定
をぜひなるべく多くの町村にひとつ
適用
してほしいと、こういう御要請もございましたし、そういうものを全部総合的に防災
会議
として調整をいたしながら、あるいは場合によって、ほんとうに極端な場合はまるきり従来のルールでもっては手足が飛び出しちゃってどうにもならぬというのも、あるいはあるかもしれません。そういうようなものについては、個個のケースについて内部的に検討もいたしておりますので、対応する方法はさっきから議論がございましたように、さまざまございますけれ
ども
、町村の御要請にこたえるような方向で、私
ども
としては
政府
部内で総合調整をひとつやってまいりたいというふうに思っております。
加瀬完
62
○
加瀬完
君 まことにありがとうございました。そうすると、ただいまの御
説明
は建設大臣のおっしゃったように、
市町村
道も国費で
復旧
する、そういう趣旨を生かしてくださるのだと了解してよろしゅうございますね。ちょっと答えてください。
湊徹郎
63
○
説明員
(
湊徹郎
君) 趣旨についてはおっしゃるとおりでございます。
加瀬完
64
○
加瀬完
君 さらに、
住宅
、店舗等の
復旧
対策
について伺いますが、
流失
や破壊をされました
住宅
、店舗等は
半壊
を含めますと六百五十四尺これらは個人の責任のみではなかなか
復旧
が困難でございます。そこでどういう財政保護の
対策
をお立てになっておるか、まず
建設省
に伺います。
大富宏
65
○
説明員
(大富宏君) 罹災
住宅
に対する
対策
といたしましては二通りございまして、
一つ
は既存の公営
住宅
のあき家に入居させることが第一点。第二点は、
住宅
金融公庫の
災害
特別貸し付けで助成することでございます。現に
千葉
県につきましては、金融公庫の係官を
現地
に派遣いたしまして、目下
調査
をいたしております。
加瀬完
66
○
加瀬完
君 そういう点が非常に認識不足だと思うのですね。先ほ
ども
申しましたとおり、少なくても五割、多ければ八割がもう純然たる農家ですね。それを公営
住宅
のあき家といったって、六百五十四戸も、
半壊
を含めるとございますのに、それに見合う公営
住宅
なんというものは、農村地帯にはございませんよ。ありましたところで、農業経営をする上に、一般のつとめ人が入るような公営
住宅
に入ったって、商売になりません。そこでそういう方法ではなくて、次のような方法はとれないかという点を伺います。申し落としましたが、
住宅
金融公庫等の
融資
ごあっせんをいただくことはまことにありがとうございます。お願いをいたします。県または
市町村
が農村向きの公営
住宅
をこの際建設をする、それに対して規格がどうだの、やかましいことを言わないで、県なら県が
指導
をして
市町村
に農村向きの公営
住宅
を救済の目的で建てる場合は、一般の
補助
対象にする、こういうお約束はいただけないかどうか。
大富宏
67
○
説明員
(大富宏君) お答えいたします。御趣旨よくわかりました。
地方
公共団体の要望がございましたら、お述べになりました農村向けの公営
住宅
について検討いたしたいと思います。
加瀬完
68
○
加瀬完
君 重ねて
課長
さんに伺いますが、一番、地元で要望をされておりますのは、低所得階層といいますか、この生活保護を受けているような
方々
の全壊や
流失
の家屋の復興をどうするかということで、ほとんど手がつけられないわけであります。そして他とのつり合いもありますから、それだけを
市町村
でまかなってあげるというわけにまいりませんが、これらの生活保護階層の
住宅
喪失に対する救済
対策
というものは何かお考えいただけましょうか。
大富宏
69
○
説明員
(大富宏君) 生活保護家庭につきましては、原則的には公営
住宅
に特別入居していただくほかないわけでありますが、現在
流失
して当面の
住宅
にお困りだという方につきましては、一時、第一次的に仮設
住宅
に入居いただくことにいたしまして、それの恒久的な
対策
といたしましては、来年度配分の公営
住宅
でこれを考えていくという、こういうことになろうかと思います。
加瀬完
70
○
加瀬完
君 これは厚生省の関係にも触れるかもしれませんが、副
長官
にもお答えをいただいたほうがいいかもしれませんが、
災害
に伴う低
所得者
の
世帯更生資金
として、
住宅資金
とか
災害
援護資金等の貸し付け原資の
増額
を考慮をしていただければ、ある程度まかなっていけると思いますが、この点は
政府
としては御考慮いただけますか、副
長官
がお答えいたしてくださってけっこうです。
湊徹郎
71
○
説明員
(
湊徹郎
君) 実は私全体のいろいろな問題の調整役はやっておりますけれど、個々の事業についてのいろんな実施の基準その他、細部よく承知しておりませんので、直接の担当省のほうからひとつ御返答申し上げたいと思います。
加瀬完
72
○
加瀬完
君 その方来ておらないでしょう、担当の人が……。——それでは副
長官
のほうからそういう要望もあったという点をひとつお伝えをいただきます。 厚生省に伺いますが、先ほ
ども
防疫関係の問題で御
報告
がございましたが、消毒等、事後の衛生管理というものを
市町村
にまかせておきましても、
市町村
はもろもろの問題をかかえておりますので、なかなか手が届きません。そこで、厚生省なら厚生省が主体となって、こういう
災害
地なんかのときには国が責任を持って防疫関係の一切の施行をするというような
対策
はとっていただけないでしょうか。あるいは今回は
千葉
県の県庁そのものは
災害
の
地域
ではありませんでしたから、あるいは
千葉
県に依頼をして、
千葉
県なら
千葉
県に厚生省が援護をして、県の責任で防疫関係の一切の衛生条件の整備ははかる。そういうことをしませんと、貧弱町村なんかではどうにも防疫関係のあと始末まで全部やるということは不可能ですよ。こういう点、ひとつ厚生省に伺います。
石丸隆治
73
○
説明員
(石丸隆治君)
災害
時におきます防疫体制につきましては、国、都道
府県
あるいは
市町村
、それぞれの分野を定めまして対処しているところでございますが、ただいま先生御指摘のように、
市町村
が貧弱なために、なかなかこの
災害
に対処できないというような場合もございます。こういった点につきましては、国、都道
府県
等からの応援態勢を考えておるわけでございます。今回も国のほうから防疫技師二名を派遣いたしておるわけでございますが、さらに今後必要に応じましては全額国費をもって都道
府県
に置いております防疫官あるいは防疫技師の応援派遣を考慮してまいりたいと思っております。
加瀬完
74
○
加瀬完
君 これは単に
千葉
県の数カ町村には限らないわけですね。こういうときには
市町村
というのは具体的ないろいろな相談なり事案の処理なんというものに奔走しなきゃならないわけですからね。もう永久的な
対策
を立てるとか、具体的な全
地域
にわたる施策をするなんというのは、非常に人手もありませんから困るわけですよ。しかしながら、一部消毒して一部を消毒しないということでは、衛生環境の条件を整えたということにならないわけですから、こういう点でむしろ国、県という責任で防疫関係は万全を期するということをたてまえにするほうが、私は現実的だと思うんですよ。この点重ねて伺います。
石丸隆治
75
○
説明員
(石丸隆治君) 先生御指摘のとおりでございまして、防疫体制というものは、これは一応国の仕事といたしまして、
機関
委任事務の形をとっております。したがいまして、
市町村
で対処できない場合は都道
府県
からこれを応援をする、あるいはまた都道
府県
でできない場合は他の都道
府県
からの応援命令を出す、こういった点で、さらに今後先生御指摘のような点を
徹底
してまいりたいと思います。
加瀬完
76
○
加瀬完
君 これは少し意地の悪い質問ですが、この辺は上
水道
、
簡易水道
もございますが、いわゆる自然の井戸水を
飲料水
としている
地域
も多いわけですね、ところが、井戸水も何も一切埋まってしまったわけでございます。そこで、あとで伺いますが、上
水道
や
簡易水道
の
復旧
というのは手続をとって行なわれるわけでございますから、そう心配はありませんがね。井戸水を
飲料水
として
確保
するためには、
相当
のこの衛生的な
指導
というものが必要ですよね、あるいは条件の整備というのが必要ですよね。こういう点、厚生省は何らか、県なら県を通して
指示
をいたしておりますか、
指導
助言をいたしておりますか、伺います。
石丸隆治
77
○
説明員
(石丸隆治君) 家用水の
供給
につきましては、
伝染病
予防法の第十七条ノ二に基づきまして
措置
をとっておるところでございまして、
伝染病
予防上、必要に応じまして家用水の使用を廃止または使用停止を行ないました場合には、都道
府県
知事の
指示
に従いまして
供給
を義務づけておるところでございます。
加瀬完
78
○
加瀬完
君 そんな紋切り型のことを言ったって、水がなければ井戸水飲んじゃうんですよ。米がなくてもがまんできますけれ
ども
、水がなくてはどうにもならないわけですよね。ですから
飲料水
の
確保
というものをどうするかということが一番の問題なんです。それは
災害
の直後二、三日は水を持って来てくれたりなんかしますよね。それが一週間たち十日たてば、そんなに水ばかり配給に来てくれる協力
機関
もなくなるわけですね。そうすると井戸水を使わざるを得ない。しかし井戸水をどういうふうに使うようにするかという
指導
がなければ、これは使われてしまいますよ。これはひとつ要望をいたしますが、県等にも適宜
指導
助言をなさいまして、県の責任で井戸水の
飲料水
の適格性というものの
確保
にはひとつお骨折りをいただきたいと思うのでございます。 次に、先ほど関係のほうから御
説明
もございましたが、学校等
公共施設
の
復旧
対策
については重ねてひとつ伺いますが、どういう
対策
をお立てになっておられますか。
菅野誠
79
○
説明員
(菅野誠君) 学校施設につきましては、先ほど
総務
副
長官
のほうからのお話の中にも、その他の部分でお話に触れられたところでございますが、公立学校につきましてと国立学校施設につきましての
被害
が若干ございます。公立学校施設の
災害
復旧
につきましては、御存じの公立学校施設
災害
復旧
費国庫負担法がございますので、その第三条の規定に基づきまして、
被害
を受けた施設を原形に
復旧
するために要する経費の負担を行なうということになっております。
建物
、工作物、土地、設備等の
災害
復旧
につきまして、この規定によりまして
復旧
を行ないたいと思っております。国立学校の
復旧
につきましては、当該学校が、これは国立でございますから、
設置
者が国になりますので、
災害
復旧
要求書を整えて関係官の
査定
を受けて、国立学校施設
災害
復旧
費の中からまかない切れない部分につきましては、予備費をもって大蔵省に要求をいたしまして
復旧
の要求を行なうことになります。申し落としましたが、公立学校施設につきましても、その
設置
者であります県、
市町村
のほうから、この負担法に基づく要求書が出てまいりまして、立会
査定
の上で、予備費支出の要求によってこれが
復旧
をはかるということになるわけであります。
加瀬完
80
○
加瀬完
君
水道
、
簡易水道
の
復旧
でございますがね。これはある程度
技術者
を派遣をしてもらいませんと、
市町村
ではなかなか
復旧
に困難な問題がたくさんございます。これらの点はいかがでしょう。
国川建二
81
○
説明員
(国川建二君) 今回の
災害
によりまして
千葉
県内で二十五施設が
被災
をしたわけでございますが、今日までに六施設を残しまして
応急復旧
を終わっております。この間、厚生省からも担当官を派遣いたしまして全般的な
指導
をいたしましたが、それぞれの
市町村
には、まず県の
水道
局の
技術者
を派遣いたしております。また隣接の
水道
局からもそれぞれ
技術者
を派遣いたしまして、
調査
並びに技術
指導
を行なっておりますけれ
ども
、実態に即しまして、また御指摘もございましたので、私
ども
もさらにその
状況
を考えまして、十分な
対策
ができますように
指導
いたしたいと思います。
加瀬完
82
○
加瀬完
君 それから地元で非常に困っているのは、事務手続の問題であります。この事務手続が非常に煩瑣でございますが、
監督
官庁のほうは急いで出せという。しかし、急いで出すにしては、ほかの仕事で目の前で処理しなければならない仕事がたくさんありますから、事務手続の整備だけに人をさけない。こういう場合、手続の担当者を県が派遣をするとか、あるいは手続をもっと簡素にするとか、こういう方法をとっていただけないかということが
一つ
。それから、先ほど御
説明
もございましたが、
建設省
の
査定官
が急いで確実な
査定
をしてくれませんと、いろいろ
報告
をするにしても、なかなか
市町村
で
被害
額というものを的確に
報告
をすることが困難な
状態
にもございます。そこで手続の担当事務についての援助
対策
というものを考えてもらえまいかということが一点、それから
建設省
そのものの
査定
事務というものを急いでもらいたいという点が一点、この二点をまず伺います。
成田二郎
83
○
説明員
(成田二郎君)
地方
公務員法の規定によりまして、従前いろいろな技術面の、あるいは事務面の
指導
等につきまして、適宜
府県
の職員等を管内の
市町村
に派遣をする、あるいは場合によりますと、
災害
の
発生
につきましては技術面、特に土木関係の技術が非常にむずかしいということになりますと、今回の
被災
地の
千葉
県のような場合につきましては、非常に従来の経緯によりまして
技術者
の配置が少ないということでございますので、きのうも川上副知事さん等がお見えになりましたので二、三いろいろ助言等を申し上げておるわけでございますが、今後ともわれわれとしてはできるだけの御協力を申し上げたいと思っております。
加瀬完
84
○
加瀬完
君 そこで、事務手続の問題には少しはずれるかもしれませんが、先ほど御
説明
がありましたから確認をしたいのでありますが、
被災
の
中小企業
者に対する資金援助、それからこれも御
説明
がありましたが、今回の
豪雨
のための
罹災者
の所得の激減による
減免
の
措置
、こういうものはそのとおり行なわれると考えてよろしゅうございますね。それについての手続も、特に
中小企業
が金を借りるというときに、ごたごたした手続で借りられないという問題も非常に多いわけでございますから、こういう点もひとつ
市町村
が窓口で借り受けの手続ぐらいはやってやる一それにしても窓口に回すだけの人がおりませんから、これは県か何かの援助によって手続を進める、こういう方法をとっていただけると考えてよろしゅうございますか。
井川博
85
○
説明員
(井川博君)
中小企業金融
につきましては、
政府
系の三金融
機関
、すなわち
中小企業金融
公庫、国民金融公庫、商工中金が今回の
災害
での
災害
貸し付けをいたすことに決定いたしております。この
災害
貸し付け手続
の面におきましても、迅速簡便というものを旨といたしておるわけでございまして、具体的なやり方はいま先生がおっしゃったように、
地方
で一括云々というような方法がいいのかどうか、ここらあたりは県なりあるいは地元の
市町村
あたりと御相談をしてやらなくちゃなりませんけれ
ども
、よくありますことは、金融
機関
が一定のところに出向きまして、
現地
で
融資
の御相談を受けるというようなやり方をやっております。今回もまだ救急
対策
で手が回らないと思いますけれ
ども
、そういう需要が非常に強い時期には、そういう方法が講ぜられるのではないか、というふうに考えておるのでございます。
加瀬完
86
○
加瀬完
君 そうしていただければけっこうです。一括して
市町村
でまとめるということではなくて、
市町村
の吏員が手伝ってやるような形でもとらなければ、なかなか手続がめんどうです。しかし
市町村
は現実にそういう手続にお手伝いするような人員を、さくことができませんから、それらの方法を県等で考慮していただきたいということでございます。 それから時間がございませんが、
鉄道
の
復旧
問題で伺いますがね、久留里線は久留里まで通って、これから亀山まで
復旧
計画
を進める、それから木原線は国吉までですか、それから
大多喜
までは通す、
大多喜
から中野までは非常に困難だと。で、木原線についてはこれは廃止
計画
というのがあるわけですね。幸いにもこれ線路が通らなくなったから、このままに廃止の方向に持っていくのではないかということで、地元はだいぶ心配しておる。現在廃止をされておらないわけですから、やはり
大多喜
までは
復旧
しますが、それから先は困難だというのではなくて、中野まで必ず
復旧
いたします、現在
国鉄
はそういう態度をとっていただかなければならないわけですけれ
ども
、そう考えてよろしゅうございますか。
森永昌良
87
○
説明員
(森永昌良君) 先生御指摘のとおり、一昨年
国鉄
総裁の諮問
機関
から、
道路
輸送
に転換できる可能性のある線区として、赤字線の中で、木原線がその話題の
一つ
にのぼったことは事実でございます。
国鉄
としましても、また
運輸省
といたしましても、木原線の廃止を正式に決定したわけじゃございません。ただ、いろいろ
国鉄
再建の一環として、
国鉄
ローカル線の中で、地元の御了解を得た上で、
道路
輸送
に転換できるものがあれば、そういう方向に持っていきたいという考えもございます。ただ今回のような
災害
がちょうどいい
機会
だからやめてしまおうというようなことは、私
ども
毛頭考えておりませんし、あくまでも技術的な困難性のためにおくれているわけでありまして、その点につきましては、
国鉄
の施設局長がお見えになっておりますので、詳細御
説明
いただきたいと思います。決して私
ども
はこれを
機会
にやめてしまうということは毛頭ございません。一日も早く地元の
方々
に喜んでいただくように
復旧
したいということで、
国鉄
を
指導
してまいりたいと思っております。
北沢秀勝
88
○
説明員
(北沢秀勝君) ただいま
運輸省
から御
説明
のありました
災害
の
復旧
計画
について、補足をさしていただきたいと思いますが、久留里から先、亀山までの問題とそれから国吉から先中野までの問題でございますが、先ほど御
説明
ありましたように、非常に
復旧
が困難だと申し上げたのは、ここにおきます
被害
が非常に大きいものでございまして、久留里から先が実に四十件という大
被害
を受けております。また国吉から先におきましても二十四件という大
災害
を受けておりまして、その
災害
そのものにつきましても、たとえば土砂の運搬に一万立米を要するという大
災害
であります。ただそれに加えまして橋梁が非常に多くありまして、たとえば久留里線でございますと、
小櫃川
の橋梁というのは四カ所か五カ所横断しておる。また木原線につきましても
夷隅川
橋梁が十回くらい横断しておるのでありまして、これが非常に大
河川
でございまして、今回の増水がまだ引いておりません。一時、三日に引き始めましたが、また
台風
の影響でございましょうか、まだ昨日現在で二メートル五十という平水よりも増水でございまして、この橋梁の破壊といいますか、橋梁の洗掘そのものの
状態
によりまして今後の
復旧
計画
、土砂運搬であるか、あるいはその橋梁をどういうふうに
復旧
するかということで非常に困難を来たして、
復旧
見込みがただいま申し上げかねると申し上げておりますので、
復旧
をいたさないということでございませんので、御了解願いたいと思います。
加瀬完
89
○
加瀬完
君 とにかくそうすると、久留里線にしても木原線にしても、これを
機会
に廃止の方向へ持っていくんだということではないと了解してよろしゅうございますね、簡単にお答え願います。
北沢秀勝
90
○
説明員
(北沢秀勝君) 廃止の問題と
復旧
の問題とは全然別個でございますので、そういうことでございます。
加瀬完
91
○
加瀬完
君 そういうことというのは、とにかく廃止されておらないのだから
復旧
をすると、保安
課長
のお話のとおりに承ってよろしゅうございますね——そう承っておきます。 次に、これは
国鉄
関係ではございませんが、地元民にとってはただ
一つ
の動脈でございます
小湊鉄道
も非常に破壊をされております。あそこは大体三千万くらいの赤字ですね、赤字路線ですね。で、営利会社ですから、その
復旧
に何も国がどうこうということはないわけでございますが、地元としては、この
小湊鉄道
の
復旧
にも何らかの
政府
の
指導
がほしい、早く
復旧
させるような
指導
がほしいという要望がございますが、この点はいかがですか。
山本正男
92
○
説明員
(山本正男君) お答え申し上げます。 先ほど保安
課長
のほうから
小湊鉄道
の月崎までの
開通
を御
報告
申し上げました。これはきょう始発からおおむね平常運転を月崎−養老間をいたしております。問題は、月崎から養老渓谷を経まして上総中野に至ります約十キロの路線の
被害状況
でございますが、ここがたいへん
被害
を受けておりますのは、先生御承知のとおりでございます。一応の私
ども
の
指導
並びに
小湊鉄道
の
計画
を申し上げますというと……
加瀬完
93
○
加瀬完
君 簡単にしてください、時間がないから。
山本正男
94
○
説明員
(山本正男君) 二カ月かかりまして上総中野まで到達するということでいま
努力
をいたしております。
加瀬完
95
○
加瀬完
君
政府
関係の方、いろいろ長時間ありがとうございました。特に副
長官
にお願いをしたいのでございますが、ただいまお伺いをしたような解決まだされないいろいろの問題点がございますので、御存じのような過疎の地帯、財政力の貧困な
地域
でもございますので、
政府
の特段の御援助、御協力をいただきたい、特に副
長官
から関係の各大臣にもお願いをしていただきたいと思います。ありがとうございました。
上田稔
96
○上田稔君 私もこのたびの
災害
に際しまして、
現地
に行かしていただきましてお
見舞い
を申し上げ、またいろいろと御事情を承ってまいったのでございますが、それにつきまして二、三の質問を行ないたいと思います。 まず通産関係でございますが、砂利
採取
法についてちょっとお伺いをしたいと思う次第でございます。これは天津町に参りますと、大きな砂を取っておられる場所がございます。また君津郡の各地におきまして、あそこは下の岩盤が砂岩からなっておりますので、非常に大規模に砂を取っておられるところがあるわけでございます。これにつきましては、このたびの
災害
におきまして、その砂を洗われたヘドロが川にあるいはたんぼに流れてきてその
被害
を起こしておるという地元の方方からのお話がございました。川につきましては、必ずしもそればかりではなくて、上流の大きな山くずれといいますか、がけくずれ、そういうものから
発生
をしたヘドロが入っておると思われますけれ
ども
、この砂を
採取
をしておられるところにつきましても砂利
採取
法によっておやりになっておるのかどうか、その点をお伺いいたしたいと思います。
倉部行雄
97
○
説明員
(倉部行雄君) 砂利の
採取
につきましては、
河川
あるいは山、おかを問わず砂利
採取
法によりまして、
千葉
県におきまして県が、
河川
につきましては一部
建設省
もございますが、山砂利、おか砂利等につきましては県が直接
採取
計画
の認可を行なっておるわけでございまして、
千葉
県におきましては約七十カ所の
採取
が行なわれておりまして、県の事前の
採取
計画
のチェックによりましてやっておるはずでございます。
上田稔
98
○上田稔君 この砂利
採取
法でございますが、砂利
採取
計画
認可準則といいますか、こういうものを通産省でお出しになっておると思います。これに基づいて県が
監督
をしておられるんじゃないかと思うのですが、この点はいまも変わっておりませんでしょうか。
倉部行雄
99
○
説明員
(倉部行雄君)
採取
計画
の認可にあたりまして、通産省と
建設省
の共同でつくりました認可準則に従ってやっておるわけでございまして、その際、当然それぞれの
地域
の特殊事情というものを、そういった認可準則の運営上配慮してやっておるはずでございます。
上田稔
100
○上田稔君 この君津郡の場合におきましては、山砂利の
採取
のほうに該当するわけでございますが、この山砂利を取られるときには、
現地
に行きますと、非常に階段掘りといいますか、階段掘りというよりも一段の階段掘りになっておりますが、この高さというものをどの程度にお考えになっておられるでしょうか。
倉部行雄
101
○
説明員
(倉部行雄君) 階段掘り、掘さくの方法等につきまして認可準則で詳細きめている面と、具体的な
状況
によって
現地
で県が判断してやっておるものとございまして、現在の点につきまして、私はまだ十分
調査
いたしておりません。
上田稔
102
○上田稔君 この階段掘りにつきましては、山砂利でなくておか砂利の
採取
のほうにその高さについて書いてあるのですけれ
ども
、この高さは五メートルとしてありますが、
現地
はそれよりも——準ずるわけですから、少し高いようでございますが、それに土質がやわらかいようでございますので、そういう点をよくお考えになっていただきたいと思う次第でございます。それから「安定こう配」ということがあるのですが、これも砂の場合は一メートルの高さに対して横が一メートル五十という勾配で取れと、こういうことが書いてございます。この場合にはそれよりももっと急なやつを
現地
では採用されておる。これは
現地
に応じておやりになっておると思いますけれ
ども
、これの点において少し危険なようなところもあるのでございますので、この点を十分
監督
をしていただきたいと思います。 それから次に土砂の流出でございますけれ
ども
、これに対しては水路を設け、土盛りをするということが準則に書いてございますが、これではどうもちょっと土砂の流出を防ぐというようなことに十分にいかないのじゃないかと思うのでございます。したがいまして、この点
採取
認可基準といいますか、この認可基準について御検討をいただきたいと思うのです。また各地の、ほかの
地方
でございますが、見に行きますと、丘陵地におきましては、すき取り式でやっていけ、こういうような準則になっておりますが、実際上このすき取り式というやり方でやるというのは、非常に金がかかるというようなこともありますし、これは実情に実際合っていないというようなこともあります。したがいまして、この準則については、もう砂利
採取
法がきまりましてからだいぶ年数がたつわけでございますから、まあ二、三年かもしれませんが、いろいろのケースがもうおわかりになっていると思うわけでございます。こういうことにつきまして、認可準則というものを御検討をいただきたいと思う次第でございます。いかがでございますか。
倉部行雄
103
○
説明員
(倉部行雄君) ただいまお話がございました砂利
採取
のやり方等につきまして、この認可準則は四十三年の十月に通産省と
建設省
でつくったものでございますが、その後の
状況
、特に今度の
災害
の
状況
等も十分考えまして、認可基準の各県におきます運用の問題、さらに基準自体につきましても、
調査
の結果を、また
建設省
とも十分相談いたしまして、検討いたしたいと思います。
上田稔
104
○上田稔君 ひとつよろしくお願いいたします。 次に、この急傾斜地の基準でございますが、この
夷隅
町の正立寺部落でございますが、ここへ参りますと、房総半島の東側というのは下の地盤が粘板岩からなっておりまして、その上に土砂がたまって、風化をいたしまして土に変わっておって、そこに木がありあるいは草がはえておる、こういうような
状態
になっておるわけでございますが、この房総半島ではいままでこういうように百十六ミリというような一時間に非常にひどい雨を受けたことがなかったのじゃないか、そういうような地帯でありますが、これがすべり落ちておるわけでございます。したがいまして、そういうすべり落ちることを知らないものだから、そこのところに昔から部落ができておる、その部落が非常に危険になっておるというのでございます。この急傾斜地の基準によりますと、たしかあの法律をつくるときには五戸以上について
適用
をするのだ、そうしてそれに対して安全な施設をつくって
人命
を守っていくというのが、たしか趣旨であったと思うのでありますが、何かお話を聞きますと、県工事におきまして、五十戸以上
被害
がないと国は
補助
をしないのだというようなことを言っておられます。この点はどうでございますか。
木村三郎
105
○
説明員
(木村三郎君) 急傾斜地の
崩壊
対策
事業の
国庫補助
の採択基準につきましては、人家密集地区におきまして、おおむね五十戸以上の家屋が倒壊などの著しい
被害
を及ぼすおそれのあるとき、または
災害
の
発生
いたしました場合、緊急に工事実施が必要であるというときにはおおむね三十戸以上の
地域
に対しまして、都道
府県
が工事を行ないますものにつきまして
国庫補助
をいたすということになっております。このたびの
人命
に及びました
災害
の実例にかんがみまして、極力事業費の拡大に
努力
いたしますとともに、これらの基準に満たない
個所
につきましても、
防止
工事を実施するよう検討いたしたいと存じます。
上田稔
106
○上田稔君 最近の
災害
におきましては、急傾斜地の下におきましておなくなりになる方が非常に多い。こういうことからいいまして、この法律ができたわけでございますので、これはぜひとも大蔵省のほうにもお願いをいたしたいのですが、この急傾斜地の
国庫補助
の基準をもっと下げていただきたい。そうしてこの
夷隅
町のような場合におきましては、二十八戸でございますけれ
ども
、これを放置いたしておきますとさらに
被害
が大きくなってくる。いま現在においては四、五軒の家が土砂に埋まっておるというような
状態
ですけれ
ども
、それから上の部分あるいは両サイドの部分が
崩壊
をいたしますと、非常に広範囲に大きな
被害
を受けるというおそれがある。こういうようなものは、三十戸だとか五十戸だとか、そんな基準にとらわれないで、
人命
に非常な危険があるという場合には、これはぜひとも
国庫補助
によって
防止
をしていただきたい。
災害
国庫負担法という法律ができたゆえんのものは、やはりこれは国民の財産、生命を守るために国の費用を全額投ずるのだという趣旨から出ておるわけでありますから、こういう急傾斜地の場合におきましては、これはもう
人命
に直接関係するのでありますから、基準を下げてそうして
適用
をしていただきたいと思う次第でございます。どうかひとつよろしくお願いをいたします。 それからもう
一つ
、この急傾斜地につきまして、人工的な以前につくられた護岸があるが、こういう場合には
適用
しないのだというお話を聞いておりますが、持ち主のわからないようなもの、あるいは善意の第三者が買ってしまったような場合におきましては、これはやはりこの急傾斜地の基準を
適用
をしてもらわないと、何にも知らないで入った者が、やはりそこで死ぬということが起こってくるわけでございます。この点もひとつお考えをいただきたいと思いますが、いかがでございますか。
木村三郎
107
○
説明員
(木村三郎君) この急傾斜地の
崩壊防止
の工事につきましては、原則的には人工のがけにつきましては対象といたしかねるわけでございます。ただいまお話のございましたような特殊な事情、すなわち所有者やあるいは管理者のないような、長年月を経まして老朽化いたしました唐石積みのきわめて効力のない人工がけにつきましては、これはそのものの従来の経過等十分
調査
いたしまして、その立地条件を勘案いたしまして、場合によりますれば自然がけに準じた取り扱いをいたしますよう今後検討いたしたいと、かように考えております。
小林章
108
○小林章君
人命
を守るという意味において、いまの御質問に間接的な関連があると思いますが、一言お伺いをいたしたいと思います。 おそらく所管は
中央防災会議
になるだろうと思いますが、先ほど来のお話を聞いておりまして、またあの写真を見ておりまして私非常に心配になりましたのは、先ほど水と米の配給についての御
説明
がございましたが、おそらくあれだけやられておりますと、各自の手持ちの塩が流されておりますし、また小売店の塩もおそらく流されておるのではないかと思うのです。この水とか塩は人体にとって非常に大事なものですから、その後配給が一体どのようになっているのか、全然御
説明
がなかったものですから、非常に心配だったのでお伺いいたしたいのですが、いかがでしょうか。
高橋盛雄
109
○
説明員
(高橋盛雄君) 塩の問題のお尋ねでございますけれ
ども
、現在のところ、
地方
防災
会議
の連絡協議会を開催いたしましたわけでございますけれ
ども
、
各省
からその問題と
対策
についてはまだ出ておりません。
小林章
110
○小林章君 ちょっと、非常に重大な問題だと思うのですが、おそらく各自の手持ちの塩は流されているでしょうし、それからまたその近隣の小売店の塩はなくなっているのじゃないかと思うのですよ。ほんとうに人間のからだにとってたいへんなものですから、水だけやっておけばいいというものじゃないので、聞いてないから知らぬというだけでは、防災
会議
としてはたいへんな怠慢だと思うのですが、いかがでしょうか。
高橋盛雄
111
○
説明員
(高橋盛雄君) 直ちに大蔵省、専売公社に事情を
調査
いたしまして善処いたします。
佐藤隆
112
○佐藤隆君 いま上田
委員
から御発言ありました急傾斜地
崩壊防止
法、これは一ぺん国会で流れて二度目に通ったわけですが、これは五戸以上の
住宅
のあるところの急傾斜地に対していろいろ
調査
をし、
措置
をするということだったわけですよ。これはいま私もちょっとわれながら不勉強だったかなと、いま驚いて聞いておるわけです。三十戸とか、五十戸とかいう基準はどこでどなたがいつおやりになったのですか。これはたいへんな問題ですよ。これは法律をつくるときの趣旨と大幅に違いのある基準、あるいはそうしたことを通達を出されるときは、ひとつ連絡をしてもらいたいですな。きょうここで私はいきなり発言をして、関連で責め立てようとは思いません。ただ、私は
総理
府にごめんどうでもお願い申し上げておきたい。
災害
関係の最近つくられた立法
措置
で基準とか、そうした形で通達、通牒等で著しく趣旨にたがうような、いま申し上げた急傾斜地
崩壊防止
法、そうしたことについてひとつ
調査
をして、その資料要求をここにいたしておきたいと思います。資料を出してください。これはあとからそのときになって
措置
をしたとき、いやこれはこういう通達が出ておって基準がこうなっているから、いやこれはだめなんですと、これじゃやっぱりだめですよ。ひとつ
総理
府、
調査
をしてください。たとえばいまの急傾斜地
崩壊防止
法のようなものについて、まだほかにもあるかと思います。だから、せっかく法律をつくっても骨抜きになって、ざる法みたいなことになるのです。これはどうもほんとうに遺憾なことです。そうしたことを副
長官
が幸いいらっしゃいますが、ひとつその資料要求に対してお答えをいただきたい。それだけです。
木村三郎
113
○
説明員
(木村三郎君) 急傾斜地の
崩壊
の
災害
防止
に関する法律におきまして、
相当
数の居住者あるいは危険な急傾斜地に対します
崩壊
危険区域の
指定
につきましては、基準といたしまして五戸以上の家屋に著しい
被害
が及ぶ場合ということで区域の
指定
をいたしております。そこで先ほど御
説明
申し上げました基準の関係は、都道
府県
が
防止
工事を行ないます場合に、国の助成の対象といたします当面の事業取り扱いの基準といたしまして五十戸、あるいは
災害
発生
の場合の三十戸ということで事業の
国庫補助
対象の事務取り扱いの場合の基準を申し上げたわけでございます。で、昨年法律案の御審議をいただきましたとき、五戸以上という問題は、この法律の働かせる区域
指定
といたしましての
地域
の条件基準として五戸以上ということを基準といたしておるわけでございます。その点区域
指定
と工事に対する
国庫補助
というものとに基準の取り扱い上差異を設けておるわけでございます。この差異の生じましたのは、やはり将来は多くの
危険個所
に事業を及ぼしていきたいという考えでございます。当面
被害
の影響のきわめて大きいもの、あるいは危険度の高いもの、がけの特性上危険度の高いもの、そういう事情から事業をやっていく緊急の順序といたしまして、やはり
被害
のおそれの大きい、影響の大きい、そういうところから財政上の許す限り早急に処置していこうということで、事業の対象として五十戸もしくは
災害
のときの三十戸ということで取り扱っておるわけでございまして、その辺ひとつ御理解をお願いしたいと思います。
佐藤隆
114
○佐藤隆君 そういうことを私聞いているのじゃないのですよ。そういうことはわかっているのです。いままでの法律で往々にしてそういうことが多いのですよ。
指定
をきめたのだが中身は違うのですと、それじゃ困るから申し上げているのですよ。それじゃ困るんです。あのとき五戸の問題についても多少議論したことがあるのです。しかしどこかでやはり線を引こう、小集落というか、そういうことで五戸になったいきさつも承知しております。そこで急傾斜地で危険であったらやっぱり
措置
しなければいかぬでしょう。その
措置
がされてなかったから、これでいよいよ工事をやると三十戸、五十戸とまた基準がある、こういうのですから法律の趣旨が生かされてないでしょう、こう言うのです。生かされてないことは事実なんです。それが財源上の問題があるなら、それは対大蔵の問題なんです。だから大蔵省へ問題をさらけ出せばいいでしょう。そうして討議をすればいいんです。そういう討議をしなければ
災害
対策
は進まないでしょう。それを私は言うているのですよ。副
長官
、おわかりになっていただけたと思うのですけれ
ども
ね。
湊徹郎
115
○
説明員
(
湊徹郎
君) ただいまたいへん適切な御質問をいただきまして、実は私自身も就任以来
災害
に対処する各種の基準等について一応全般的にそれぞれのバランス等もございますし、過去の実績との対比等もございますので、それらをひとつ洗い直してみると申しましょうか、そういう必要を私個人は感じておったところであります。で、内々防災
会議
の事務局内部に対してもそういうやつをひとつ検討してみいということを申しておった関連もこれあり、せっかくの
機会
でございますから、それぞれいま話がありましたように、対象を選ぶときの基準、それを実際に
適用
するときの基準あるいは
補助
の対象を選択するときの基準、それぞれの基準と申しましてもいろいろ各種の制度ごとにあることと思いますので、それらを全部まとめてひとつ内部的に検討してみたいと思いますが、同時に特別
委員会
におかれても、私
ども
資料として出せとこういう話もございましたので、早急に防災
会議
の内部において検討して資料として出したいと思いますし、それをもとにしてひとつ
委員会
のほうでも御検討いただくように、今後進めてまいりたいと思います。
上田稔
116
○上田稔君 次に
簡易水道
についてちょっとお願いを申し上げたいと思うのですが、この
簡易水道
、上
水道
、先ほど
加瀬
委員
からお話がございましたが、あの
災害
復旧
費というものは認められるのでしょうか、厚生省にお伺いいたします。
国川建二
117
○
説明員
(国川建二君) お答えいたします。
簡易水道
につきましても、上
水道
につきましても、
災害
が起こりました場合には、
復旧
工事費に対しまして、一定の基準はございますけれ
ども
、
復旧
工事費として採択いたしております。
上田稔
118
○上田稔君 それでちょっとお尋ねいたしたいのですが、
簡易水道
あるいは上
水道
の水源地が埋没をしたと、こういう場合においては
災害
の
復旧
費は認められますか。
国川建二
119
○
説明員
(国川建二君)
災害
の、まあ
被災
の
状況
によると思います。水源にもいろいろな形のものがございますし、井戸の場合もございますし、さらには
河川
の場合もあると思います。もちろん
災害
復旧
でございますから、たてまえといたしましては、原則としてまあ原形
復旧
ということでございますけれ
ども
、再度
災害
あるいはその地点が使用不能ということになりますと、別の地点に移設ということも、
復旧事業
の内容として考えられると思います。
上田稔
120
○上田稔君 埋没土砂の取り除きも認められるんでしょうか。
国川建二
121
○
説明員
(国川建二君) 施設、たとえばいろんなものがございますけれ
ども
、浄水場あるいは水源の位置に土砂が流入して使用不能になったといいます場合には、これを取り除く費用も
復旧
の費用に入ります。
上田稔
122
○上田稔君 ありがとうございました。 で、次はお願いだけをひとつ申し上げたいと思うのです。実は先ほど急傾斜地の問題がありましたが、あそこのところにはがけくずれが非常にたくさん
発生
いたしております。したがいまして、この
地域
をよく調べてみますと、砂防
指定
地にはどうも今度の
被災
地はなっておらないようでございます。したがいまして、こういうところはぜひ砂防
指定
地にしていただきまして、砂防を十分に行なっていただきたい。そうでないと、
河川
のほうが非常に流出土砂で埋まっておりますので、こういうことを考えると、そういうことが原因ではんらんが起こっているんじゃないかと思われます。ぜひこれは砂防
指定
地にしていただきたい、こう思います。 それから次に
一宮川
の
改修
でございますが、これも断面が小さい点もあるんでしょうけれ
ども
、特に河口のところが
改修
がやっていない。海への出口のところが非常に何といいますか、海岸線に沿って流れておりまして、出口が非常に遠いところにいっておる。したがって、上流のほうに湛水を起こすというようなこともありますので、この河口の
改修
をこめてぜひ早くやっていただきたい。それをやっていただかないと、どうも上流にある用水せきの水門なんかが、上流のほうはあけろと言うし、下流のほうは締めろと言うし、担当している人はきりきり舞いをして困っておるというようなのが実態じゃなかろうかと思うのですが、こういうことをこめまして、ぜひとも
一宮川
については早く
改修
を河口からやっていただきたいと思う次第でございます。 その次に、学校
災害
でございますが、これはちょっとお聞きをしなくちゃいけないのですが、瑞沢川と埴生川との合流点のところに中学校があるんですが、それの校庭が非常に荒らされて川になってしまっておる。で、土砂にいたしましても一万五千立米ぐらいの土砂が流されているのじゃないかと思うのですが、こういう校庭の
災害
は
災害
復旧
として認めていただけるんでしょうか、先ほどの公立学校施設
災害
復旧
費国庫負担法によって。
菅野誠
123
○
説明員
(菅野誠君) 文部省の教
育施設部長
でございます。ただいまのお話の点でございますが、
河川
自体につきましては
建設省
の
河川
の関係のものになると思いますが、校庭の
流失
の原形
復旧
につきましては、公立学校施設
災害
復旧
費国庫負担法の対象になります。したがいまして、教育
委員会
を通じまして申請がありますれば、その原形
復旧
の範囲内において御趣旨に沿って
復旧
費の支出になることになると思います。
上田稔
124
○上田稔君 この校庭の
復旧
についてはぜひとも、何といいますか、瑞沢川のほうがショートカットして流れて入っておりますので、そのほうの
復旧
とあわせてひとつお考えをいただきたいと存じます。以上でもって質問を終わります。
川崎精一
125
○
説明員
(川崎精一君) 上田先生からお話の砂防
指定
地の問題でございますが、今回の
千葉
県の南総部は一体に見まして非常になだらかな丘陵地帯でございます。しかも今回のような大雨というのは非常に記録的なものでございまして、そういった点で私
ども
も多少考えが甘かったんじゃないかということを反省いたしておるわけでございます。したがいまして、お話の場所以外でも必要なところにつきましては砂防
指定
地を拡大していきたい、こういうふうに考えております。 それから次に
一宮川
の問題でございますが、お話のございます松潟ぜき等につきましては、これは土地改良組合が管理しておられるようでございます。
農林省
ともお話をいたしまして、管理なり構造等の問題は協議していきたいと思っておりますが、下流の
改修
につきましては、今回の出水によりまして特に左岸側、それから河口の白州の問題、こういったところに
改修
計画
上いろいろ問題があろうかと思いますが、できるだけ再び
災害
のないように基本的な
計画
の上に立って
改修
を進めるようにいたしたいと思っております。
武内五郎
126
○
武内五郎
君 もうすでに
加瀬
委員
、上田
委員
から主要な質問が出ておりますので、私はそれらを除いて今後のことについて一、二点にしぼってお尋ねしたいと思います。 実は御承知のとおり
千葉
県
南部地方
の
河川
は非常に
屈曲蛇行
の激しい
河川
ばかりであります。したがって先ほど私が
報告
の中に申し上げましたように、
原始河川状態
でそのまま放置されておるということが、今度の水害を大きくさせた何といっても重要な原因であったことは、私は避けられないと思います。なるほど雨の
雨量
も非常に多かった。かつて
昭和
四十二年に北陸北部
地方
に降った
集中豪雨
で私
ども
の先輩の佐藤議員が新潟県の山村で土砂にうずもれてなくなった、大きなショックを受けた問題があったのでありますが、そのときの
雨量
は
千葉
県の今回の
雨量
の半分にもならなかった。こういうような
状態
で、なるほど
雨量
の多かったことは非常に驚異的なものでありまするけれ
ども
、しかし私はその
降雨
——雨を流す川の
状態
が結局洪水を引き起こすような
状態
になっておると考えます。行ってみますると、どの川もほとんど手入れがない
状態
で、堤防があってもいつできたかわからぬようなそういうようなことで、たとえばこれは君津でありまするが、下流
地域
は
昭和
三十年にわずかに一部
改修
された。第二期の
改修
を要請しておりまするが、まだ一向
計画
にものぼってこないという
状態
。あとたとえば
昭和
三十五年に
大多喜
町の水害があって、そこに多少の緊急手入れがあったというだけで、どの町へ行ってもどの
河川
の
状態
でも、
河川
に対する手入れがあったという
報告
は私
ども
は受けてはいない。そういうようなことで全くこれは投げっ放しの
状態
にあったものではないかと考えられます。私は先ほど
報告
の中で指摘しましたように、そういう
地域
に対する手入れなり予算の手入れ等も非常な格差がある。市川、
千葉
、船橋、そういう
地方
に対する手入れと、いま私
ども
が水害の中心である
地方
を見てまいりましたところの手入れというものは、全くお話にならない大きな格差があります。市川の真間川とそれから
千葉
の都川等の予算
措置
と、私
ども
の見ました
小櫃川
であろうと
夷隅川
であってもあるいは
湊川
であっても、その差が非常に大きい。私はこれが今回の水害の大きな原因であったと考えざるを得ないのです。抜本的な
対策
、抜本的な
対策
と言われまするけれ
ども
、こういうことを是正しない限り、私は水害の抜本的な
対策
というものはないのじゃないかと思いますが、まことに残念にたえない。これは
政府
自体として全く基本的な考え方に立った
対策
を考えていかなければならないと思います。一応副
長官
のお考えを伺っておきます。
湊徹郎
127
○
説明員
(
湊徹郎
君) ただいま御指摘がございましたように、特に、まあ先ほ
ども
報告
で申し上げたのでありますが、
千葉
県の場合、
房総南部
における
災害
というものは、このところ十年ぐらいなかった。そのためにいろいろ日ごろの
災害
に対応する
措置等
について落ち度がなかったかどうかということになりますと、私はあったような気がいたします。で、国土全体ながめ渡しながらそれぞれの立場から防災という観点でいろいろな
計画
が進められておりますけれ
ども
、さらに予防的な見地に立って防災
計画
等一応立てられておるわけではありますけれ
ども
、もう一ぺんこういう
災害
の経験にかんがみて洗い直しながらその重点を、たとえば先ほど私申しましたように、
中小河川
が
原始河川
のままであったり、あるいは砂防
指定
地になっていなかったり、あるいは
崩壊防止
の危険
地域
として
指定
されていなかったりというのが、今回の
災害
の実態でございますから、そういう実態に即して、それぞれそういう予防的な観点に立った
措置
を一そう充実していくようにしたい、というふうに考えております。
武内五郎
128
○
武内五郎
君 そこで
河川
局長に
中小河川
に対する
災害
防止
の立場から、
河川
行政の正しい運営の立場から、これらの
中小河川
の
改修
について、治水
計画
についてどういうふうなお考えを持っているかお伺いしたい。
川崎精一
129
○
説明員
(川崎精一君) 私
ども
河川
の
改修
をする立場から申し上げますと、特にまあ
千葉
県の中におきましても、南と北を区別するとか、あるいは都市の
河川
と
過疎地域
の
河川
を区別するとか、そういったことは、基本的にはいたしていないわけでございます。過去の三十年なり五十年なりの雨なり洪水の記録を見まして、それに対応するような
改修
事業を進めておるわけでございますが、たまたま北のほうはいろいろ
地域
の開発とか社会条件が非常に変貌がはなはだしいために、多少金の上から見れば、北のほうにまあ傾斜をしておるといったことが実情でございます。しかし、今回の出水によりまして、私
ども
も
改修
計画
をこの際謙虚に反省する必要があるということで、できるだけそういった山間部の今後の
河川
改修
に重点的に予算等の配賦を考えていきたい、こういうふうに思っております。なお今回の
災害
にかんがみまして、
災害
復旧
だけではなくて、
災害
の改良的な
復旧
、それから砂防の
措置
、ある
河川
につきましてはやはりダム等も含めまして総合的に
河川
の
計画
を立て直した上で急いで
改修
事業に着手をいたしたいと、こういうふうに思っております。
武内五郎
130
○
武内五郎
君 たいへん
災害
について経験の深い
総務
副
長官
の謙虚な態度でのお答え、たいへん感謝いたします。感心しました。同時に、
河川
局長もまたそういう態度でありますので、これはひとつぜひ真剣に御検討願って、
災害
の再発のないように
対策
をお願いしたいと思うのでございます。 そこで、まだ今日孤立している部落がたくさんあります。たとえば養老渓谷の中でさえも数個の部落が孤立して食糧の
供給
も十分でない。生産した牛乳の搬出もできないという部落がたくさんあります。こういうような人間の生活を脅かすような、あるいは生産を阻害するような結果がまだ今日残されておりまするので、十分
対策
を早急に立てるようにお願いしたいと思います。 そこで私は、今回のそういう水害をさらに大きくさせたことは、先ほど来上田
委員
から御指摘がありまするように、砂防施設が、砂防の
指定
が全然なかったと言っても差しつかえない、これが第一。それから第二は、砂利の無謀な
採取
が行なわれている、しかも山砂利を川で洗ってそれがそのままヘドロになって流れ出して下流に流れ込む、こういうようなこと。私は、天羽の町のだいぶ山のほうに入ったところに目下建設中の郡ダム建設工事場がありますが、これは
湊川
の取水の工事でありますが、この現場は西松建設が経営をしておるようであります。そこに山のように積まれた砂利と砂があの
豪雨
の中で流れ出して下流の田畑を全部つぶした。これはもちろん用水路にも入り、川にも流れ込んでいっているに違いないのです。こういうような事態が私は各地にあると思うのです。たとえば国道百二十七号沿線でやはりこれは天羽でありますが、この沿線で土砂の中で埋もって死んだ人が二人あります。竹岡と
湊川
河口の間の土砂で、そこに土砂で埋もった人が一人、加藤地区で一人、これは堆積された土砂がくずれ出して死んでおります。私はこういうような事態を見のがすことができない。いたずらに工業都市の建設にいま一生懸命になっているらしいが、それはそれでよいとしても、そういうような土砂の流れ出したことについての何ら
対策
が立てられていない、砂利
採取
についての防災の
対策
がない、堆積された土砂に対する防災の
対策
がない。こういうような事態が、私は痛ましい
災害
を起こしていると考えております。これについてはこれらの人々に対してまことに痛ましいとお
見舞い
申し上げなければならないのでありますが、こういうような規制が、
災害
を
防止
する、予防するという規制が何にもなかった。私はここに土砂を取る、それに対する予防の規制がない、土砂が堆積する、それに対する
災害
予防の規制がない、これが私は今回の
災害
をさらに大きくさせたものではないかと考えます。これについて
建設省
並びに砂利関係の通産省の考えを承っておきたい。
災害
を
防止
する何ら
指導
がなかったという二とを常に残念に思って参りました。そのお考えを承っておきたい。
倉部行雄
131
○
説明員
(倉部行雄君) 砂利
採取
につきましては、先ほ
ども
申し上げましたように、各県を中心といたしまして
採取
計画
が出ました場合、
災害
防止
の観点から
調査
をいたしまして認可をいたしておるわけでございますが、今回の
千葉
県におきます
災害
と砂利との関係につきましては、先ほど来お話がございましたが、予測を上回りました非常に記録的な
集中豪雨
によりまして、山くずれあるいは
河川
の増水、そういったものによりまして砂利
採取
場自体が破壊されるというふうな場合もあったようでございまして、これがいろいろと他に
被害
を与えたというふうなこともあるようでございます。また、認可された
計画
どおりにはたしてやっていたかどうかというふうな問題もございます。したがいまして、こういった点につきまして県で現在
調査
中でございますので、私
ども
も県並びに関係の
省庁
と連絡をとりまして、今後砂利
採取
法の運用というものをさらに強化いたしますとともに、零細な
採取
業者におきましてはなかなか
災害
防止
態勢というものは十分とれないわけでございまして、それに対しまして今後協業化あるいは共同化、こういったことによりまして十分な
災害
防止
設備の
設置
というふうなことも、一そう推進してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。
木村三郎
132
○
説明員
(木村三郎君) 今回の南総
地域
の
被害
の中で
砂防事業
の土砂の関係でございますが、先ほど
河川
局長から治水の今後の取り組み方の中で、
砂防事業
も十分反省して積極的に推進するという御
説明
があったわけでございますが、
千葉
県におきまする
砂防事業
は、従来県南部の鴨川流域以南の比較的地質構造上変化を非常に受けております
地域
に重点を置いて実施いたしてきたわけでございまして、その
地域
におきましては砂防の効果もあげてまいったのでございます。しかし、今回
災害
の激甚でございました
地域
の山地は標高も低く、比較的地形もなだらかでございまして、従来から土石流の
発生
に原因します土砂流出ということによっての
河川
の
被害
が、そういう原因による
被害
というものは比較的少なかったのでございます。しかし、今回の異常
豪雨
によりまして、山地部には多数の小規模の
崩壊
地も
発生
いたしておりまして、今後の出水によりまして有害な土砂の流出もさらに考えられますので、
現地
を詳細に
調査
をいたしまして、林野庁の
治山
事業とも十分調整をはかりまして、治水砂防上必要な
個所
につきましては砂防
指定
地を積極的に
指定
いたしますとともに、
砂防事業
の
対策
を積極的にやるよう検討してまいりたいと、かように考えております。
上林繁次郎
133
○
上林繁次郎
君 各
委員
からいろいろと微に入り細に入った質問がありましたので、大体言い尽くされたのじゃないかというふうに感じられます。それで、私は確認をしておきたいわけなんですが、特に
加瀬
委員
からは、
千葉
県の事情に詳しい、そういう立場でいろいろな角度からその
対策
についてお話がありました。そこで、各関係官庁からも責任ある答弁があったわけでありますが、この
委員会
が終わりますと、各関係官庁はそれぞれの
委員
に答弁されたそのいわゆる実施が、各官庁が独自の立場でこれを進めていく、こういうことになると思います。そこでいままでの例からいくと、往々にして答弁はよかったけれ
ども
、現実にはそれがなかなかおくれて推進されない、こういう傾向がいままであった。そこで、やはりこれはほんとうに
千葉
県の大きな今回の
災害
を一日も早く
復旧
しようということであるならば、これはこの各関係官庁が責任を持って進めていくことは、これは当然のことであるけれ
ども
、これをなお強力に推進していくための立場といいますか、それは、いわゆる
総理
府のほうで、これを強力に推進していくというそういう体制を私はつくっていく必要があると思うのです。それでなければ、
委員会
での答弁はうまく言ったけれ
ども
、あとはずるずるでいった。これでは、困るのは
千葉
県、地元です。そこで私は強力なそういう体制をつくっていく必要があると、こう考えるのです。これが最も前向きな姿勢だと思う。一日も早く
復旧
がなされるそれが原因になっていくのだと、こういうふうに思いますので、この点について副
長官
の考え方といいますか、所信というか、ひとつ述べていただきたいと思うのです。
湊徹郎
134
○
説明員
(
湊徹郎
君) ただいまお話がございましたが、最近、
災害
に限らず公害の問題もありあるいは
交通
事故、その他各
省庁
にわたって総合調整を要する種類の仕事が非常にふえてまいっております。で、率直な話、私も副
長官
に就任以来、その種の仕事を
政府
全体としてやはりまとめていく当面の責任は
総理
府にあると心得ております。そういうような観点から、かなり
長官
とも相談いたしまして、防災
会議
の事務局長役を私自身お引き受けをいたして
一つ
い数日前でありますが、そういうかまえでやってまいりたいと思っておりますが、率直な話、いままでの防災
会議
の事務局の手勢、ここに参
事官
もおりますが、ちょっと手不足であります。そこら辺も含めて、いまお話がございましたように、今回の
災害
につきましても、さっそく二日に
各省
担当官
会議
を
総理
官邸に開いたのを手はじめに、四日に続いて第二回、それからきのう、きょうは
委員会
でございますから、さらに今後随時ひんぱんに開いて
各省
の施策の全体の調整をやりながら、実施部隊は当然
各省
になりますけれ
ども
、従来以上に総合調整をした上で、総合的な施策がアンバランスを生じないように進むように全力をひとつ尽くしていきたい、こういう考えでおります。
上林繁次郎
135
○
上林繁次郎
君 よくわかりました。 そこで、何といっても
千葉
県、地元で一番大事な問題、また今回の
災害
を一番詳しくわかっているのは地元の
千葉
県であります。こう考えます。そこで、今回の、皆さんのお手元にも配られていると思いますけれ
ども
、
要望事項
というのがございますけれ
ども
、この中からやはり
加瀬
委員
のほうからいろいろと話がありました。ただいまここで、私が最後の質問になりますので、いまも申し上げたようにほとんどが言い尽くされたわけです。そこで確認という意味、また整理という意味になるかもしれぬけれ
ども
、十四項目にわたるこの
要望事項
に対して、各関係官庁がもう一度、現在どうしているのか、今後どうしていくのかという点について的確にひとつ御答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
湊徹郎
136
○
説明員
(
湊徹郎
君)
千葉
県のほうからちょうだいいたしております
要望事項
のうち、それぞれ
各省
担当の分は
各省
からお答えいたしますが、最初の問題でありますいわゆる激甚災の
指定
に関することにつきましては、御承知のように、今回の
災害
の規模から考えて、従来の体験に徴すれば、全般的ないわゆる「本激甚」と通称言っています激甚
指定
はこれは困難であろうと思います。そこで、四十二年にできました局地激甚、特に
大多喜
町のごとく集中的に
被害
を受けておる町村がございますので、そういうところを中心に局地激甚の
指定
ができますように、そういう前提で私
ども
急速に作業を進めてまいりたいというふうに思っております。
上林繁次郎
137
○
上林繁次郎
君 先ほどから聞いていますと、この
大多喜
が主体になっているわけですけれ
ども
、私たち実際に見てきた段階では、
大多喜
に限らず
相当
これは大きく
被害
を受けております。したがってその
調査
を早く行なって、これが全体、いわゆる
被害
を受けた
地域
が局地激甚の
指定
を受けられるよう、これはそういう前向きの姿勢でもって私はやっていただきたい、そのことを要望しておきます。
湊徹郎
138
○
説明員
(
湊徹郎
君) 承知いたしました。
北村暢
139
○
委員長
(
北村暢
君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
北村暢
140
○
委員長
(
北村暢
君) 速記を始めて。
高橋盛雄
141
○
説明員
(高橋盛雄君) 激甚処理につきましては、ただいま副
長官
の御答弁にもございましたように、
総理
府といたしましては、
各省
と——関係
各省
は建設、農林、通産
各省
にわたるわけでございますけれ
ども
、資料を早急にいただきまして作業を進めたいと思っております。
北村暢
142
○
委員長
(
北村暢
君) それでは、
上林委員
からは一々読み上げておりませんが要望は
各省
に対する
要望事項
が出ているわけですから、それに対してどうされるかということを答弁してもらいたい、こういうことでございますから、そのようにひとつ承知をして答弁を願いたいと思います。 まず、大蔵省はおられないようでございますから、順序からいくと文部省関係……。それではおられるところからやりますから。
農林省
関係。
大河原太一郎
143
○
説明員
(
大河原太一郎
君) お答えいたします。十四項目のうちの当省関係について御答弁を申し上げます。 まず「
農地
、
農業用施設
、林道及び農林水産業共同利用施設の
災害
復旧事業
」、これは先ほ
ども
お答え申し上げましたように、暫定
措置
法なりあるいは負担法という
所要
の制度に基づきまして万全を期したいと思っております。また、
施設等
の
災害
復旧
のうち緊急を要するものについては、準備の整い次第
査定
を実施することにしておりまして、これについては、
概要
書作成のための
技術者
の不足する場合には、先ほど申し上げましたように他
府県
より援助できるように
措置
することとすでにしておるわけでございます。 なお第六番目の「
被害
農林漁業者に対する特別
措置
」の内容、
千葉
県の御要望は七ページにそれが書かれておると思います。なお先般、
加瀬
委員
から御質問あったような
応急
の場合等、米穀配給の問題等も含んでおると思いますが、これにつきましては先ほどお答え申し上げましたように、それぞれ国としての
被害
の
調査
が判明次第、
天災融資法
の発動、自作農資金の
貸し付けワク
の拡大、農林漁業資金等の
償還延期
の
措置
、
農業共済金
の早期支払いの
措置等
については、前向きに対処いたしたいというふうに考えております。
岸野駿太
144
○
説明員
(岸野
駿太
君)
厚生省社会局庶
務課長
でございますけれ
ども
、先生の要望書の二ページにございます
各省
共通関係の部分で、厚生省関係のことを一括してお答え申し上げます。 ここにまいりますと四番目に
児童
福祉施設の
災害
復旧事業
というのがございます。これはたぶんこの六ページにございます、厚生省関係というところにございます公立保育所の
改修費
について
国庫補助
の
増額
、これは一カ所公立保育所が
災害
を受けているというぐあいに、私
ども
も承知してございます。これは三十日以内に
現地
の
千葉
県のほうを通しまして私のほうに必要な
国庫補助
の協議がくるという仕組みになって、現在
調査
中でございます。いずれ協議がまいりましたならば、必要な
措置
をとりたいというぐあいに考えております。それから十番目の「母子福祉法による国の貸付けの特例」、これもたぶん私のほうに
千葉
県からまいっております要望は、すでに
千葉
県に対しましては第一次の
補助
の内示をしましたけれ
ども
、その額では足りないというぐあいに私
ども
聞いております。まだ手持ちもございますので、これはもしすでに渡しました内示をいたしました
補助
金のワクが実際に消化いたしましたならば、直ちに必要な
増額
の内示をいたしたいというぐあいに考えております。
石丸隆治
145
○
説明員
(石丸隆治君)
伝染病
予防事業の費用につきまして申し上げます。
伝染病
予防事業のために
市町村
が支出いたしました金額につきましては、その三分の二を都道
府県
が負担いたしまして、その都道
府県
の負担いたしました三分の二の二分の一を国が負担する、こういう制度になっております。ただ
激甚災害
の
指定
を受けました場合には県が三分の一を支出いたしまして、残りの三分の二を国が負担する、こういう制度になっております。
上林繁次郎
146
○
上林繁次郎
君
伝染病
予防についてでございますが、法的にいえばそういうことになっている、それはわかっている。こういういわゆる特別な
災害
を受けたその場合、激甚法の
指定
がなければあとはどうにもならぬというのでなくて、そこのところをもう一歩これをいわゆる財源的に救済していく方法はないのか、こういうことなんですから、その点はどうですか。
石丸隆治
147
○
説明員
(石丸隆治君)
補助
率につきましては、ただいまのところ法律でそういう規定になっておりますが、その支出いたしました額につきましては、一般の
伝染病
予防事業の場合には算定基準で算定されるわけでございますが、この
災害
の場合には適正な実支出額につきまして、すべてこれを
補助
の対象とするという扱いにいたしております。
川崎精一
148
○
説明員
(川崎精一君)
激甚災害
関係のほうは
総理
府のほうで担当していただいておりますが、私
ども
のほうのそれに基づきます
公共土木施設
の
災害
復旧
につきましては、改良的な工事も含めまして、できるだけ積極的に早急に
復旧
のできるように全力をあげたいと思っております。その他水防資材費の
補助
の特例という項目が出ておりますが、これも特例を
適用
いたしますのにはいろいろ基準ができますが、防災
会議
のほうで協議いたしまして、できるだけ前向きに考えたいと思っております。
上林繁次郎
149
○
上林繁次郎
君 これからの問題はいまお話になったのでわかりますが、それじゃ現在それを早急に
復旧
していくための
建設省
関係としては
災害
の
査定官
というのがいるわけですけれ
ども
、こういう立場の人たちがどの程度現時点で派遣されているのかどうか、この点について。
川崎精一
150
○
説明員
(川崎精一君)
災害
が起こりました場合に、直ちに
現地
的にはもし必要な場合には
応急工事
に着手いたしているわけであります。たとえば
道路交通
を
確保
しなくちゃいけない、あるいは川の
決壊
が徐々に進行していって、また堤防がくずれるとかはんらんを助長する、そういう場合には
応急工事
をやっておりますが、これは技術的にはあまりむずかしいものは少ないわけであります。
応急
の手当てでありますから、大体
現地
の施工能力、技術力等である程度解決をしているわけでございます。県といたしましてもいろいろ人員、機材あるいは施工業者を動員されて現在進めております。今度は本格的ないわゆる
災害
復旧
の工事でございますから、これについてはかなり大規模なものでございますし、将来の
河川
の
改修
とか改良的な要素も考えあわせながらやる必要がございます。またときには、非常に技術的にも
相当
高度の検討を要するものもございます。したがって、私
ども
のほうでは、直ちに、そういった
災害査定
を受ける前の県なり
市町村
の準備がございます。県から
査定
の申請が出てきてから
災害
の
査定
をする、こういう順序を踏んでおるわけでございますけれ
ども
、その
査定
にいくまでの県なり
市町村
の作業、これをできるだけ応援をしまして早くやる必要があるというようなことで、
現地
に係官を——これは
査定
じゃございませんが、係官を出しまして、大体
査定官
クラスの者が行っております。大体基本的にこういう考え方で
災害
復旧
の設計をやりなさいというような工法の事前の協議といったようなものを現在進めております。これが順調にいきますと、そこで県から
災害
の設計がまとまって、そして
査定官
を派遣する、こういう手順になるわけでございます。 なお、現在いろいろ県のほう、特に
市町村
関係の
技術者
が不足いたしておりますようでございますので、私
ども
のほうで、もよりの近
府県
の
技術者
を送り込みたいということで、県とも打ち合わせをいたしまして、現在関係県にそういった作業の応援隊の編成をやっておる最中でございます。そういったものが大体整いますと、今度は
査定
の段階に入るわけでございます。非常に
個所
がたくさんございます。したがって、
査定
のチームもかなりたくさん要るんじゃないかと思います。大体通常は
査定官
を班長にいたしまして、それに検査官を数人つけまして、
一つ
のグループで回っておるわけでございます。したがって、その
査定官
の数は大体私
ども
のほうでかっこうはつくと思いますが、検査官——手足になって実際に
査定
をする担当の係員でございます。こういったものにつきましては、
建設省
の
地方
建設局の組織を動員いたしまして、
査定
申請によって大体の工事量等がつかめましたら、そういった要員を動員いたしまして、できるだけ短期に
査定
を完了するように
努力
いたしたいと、こういうふうに考えております。
北村暢
151
○
委員長
(
北村暢
君) 他に発言もなければ、本件についての
調査
は、本日はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後二時散会