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説明員(
馬場一也君) 先ほど私おくれて出てまいります前に
先生のほうから
電力の
需給について御
質問のございました事項、いま伺いますと、現在における
水力、
火力、
原子力別の現在の
供給能力と申しますか、現在の
出力がどうなっておるかという問題。それから二番目に、現在のいわゆる
供給予備力と申しますかそれがどうであるか、今後どういう
見通しになるであろうかというのが第二の御
質問。それから第三番目には、もう少し
長期に
需給の
長期見通しといいますか、そういうものについて三点御
質問があったように伺っておりますので順次お答え申し上げます。
これは、現在の
出力でございますが、ことしの四十五年、現在四十五年でございますけれども、現在正式に
手元に持っておりますのは四十四年、つまり四十五年の四月にわたる
時点、四十五年当初と申しますか、あるいは四十四
年度末と申しますか、本
年度当初の
能力で申し上げます。これで申し上げますと、
全国を合わせまして
水力が千八百十九万キロワット、これは
出力でございます。それから
火力が三千三百十五万キロワット、それから
原子力が五十万キロワットということに相なっております。パーセントは全体を一〇〇といたしますと
水力が三五%、
火力が六四%、
原子力が一%というのが四十四
年度末における公式の
出力でございます。むろんそれから半年たちましたので、今日におきましてはそれぞれ
出力がふえておるわけでございますが、まだ現在
時点におけるいまの
出力が幾らであるのかということは現在
手元に持っておりません。本
年度当初における
出力はそういう
現状になっております。それから現在の
予備力でございます。これは大体この
予備力を計算いたしますときには、ことしの八月に一番
全国的に
需要の
ピークが出ますので、その八月の
ピークにおいて
予備力が幾らあったかというのを見る通例になっておりますので、八月の
状況で申し上げますが、ことしの八月におきましては
供給力が、これは
供給力、
需要に対しまして、
予備力は
全国的に三・四%という
状況でございます。
それから今後の
見通しということでございますが、
資金年度について見ますと、これは今後どのぐらい、要するに
発電所ができるかということによって左右されるわけでございますが、いずれにいたしましても、来年、
再来年度の
出力は、現在
建設中のもので来年、再来年できるものはきまっておりまして、動かすことはできませんが、来年、再来年について申しますと、来年の夏は現在の
需要見通しから申しますと一
全国を平均いたしまして〇・一%の
マイナスということになるわけでございます。八月
時点におきまして、ただし、来年の春に若干の
発電所が仕上がりまして、すなわち、
発電所が仕上がりますと、検査をいたしまして正式に
出力として運開いたしますまでに
試運転の期間がございます。この
試運転中の
電気もこの際計算に入れて考えるというふうに考えますと、〇・九%、ごくわずかの
予備力はある。こういう
見通しでございます。もし、
試運転の
電力というものを勘定に入れなければ、来年の八月においては
全国的に
マイナス〇.一という、つまり若干
ピークの場合には不足をする、こういう
数字見通しになっております。
それから、四十七年の夏を同じような手法で想定してみますと、現在の
見通しにおきましては二・二%の
予備力を保有をするという
状況になりまして、以下四十八
年度におきましては一・七%、それから四十九年には今度はまた現在のままでまいりますと六・九%の
マイナス、こういう
見通しがあるわけでございます。そこで、四十六年、七年は、これはある
程度いたしかたがございませんが、四十八年の
予備力がただいま申しましたように一・七というような非常に窮屈な
状態でございますと想定しますと、たとえば
水力につきまして非常な渇水に遭遇するということになりますと、これはたちまち一・七が狂うわけでございますので、われわれは四十八年に間に合うようにもっと
出力を増加させたいということで、ことしの秋に
電源開発調整審議会におきまして、新たな
発電所の新増設を
計画に組みたいというふうに考えておりまして、この組みたいと思っておりますのが現在約二百万キロワットばかりあるわけでございます。それで、それを、もしやったといたしますと、四十八
年度には一・七%の
予備力が四・七ぐらいまでは回復をいたします。そういうのが現在の
需給の
見通しでございます。
それから次に
長期の
需給見通しでございますが、これはことしの春の
電源開発調整審議会におきまして、一応これからの
電源開発の
長期計画を練りますために、
昭和五十年、それから
昭和五十五年という向こう五年先、十年先の
需給見通しというのがございます。その
需要推定は、いわゆる国で組みました
経済計画等も参考にし、それからそれに対応して
経済がこれだけ伸びれば
電気の
需要がどれだけ伸びるであろうかという想定で積み上げました
需要見通しがあるわけでございますが、この
需要見通しに対して見ますと、現在の、これは同じく八月の
最大電力で申しますと、
昭和五十年におきましては大体八月に八千三百九十四万キロワットの
電気が必要であるという推定になっております。それから五十五年におきましてはそれが一億三千万キロワット必要である。こういう
需要見通しがございます。で、この
需要見通しをつくりますときの
電気の年の平均の伸び率をどういうぐあいに見るかというベースの
数字を申し上げますと、大体四十五年から五十年までは
電気の
需要が年平均一〇・七%伸びる。それから五十年から五十五年までの五年間におきましては九・二%伸びる。こういう推定のもとにただいまの
需要見通しがあるわけでございます。ちなみにこの一〇・七%の五年間の伸びと申しますのは、
経済社会発展
計画が五十年までできておりますけれども、この
経済社会発展
計画で、いわゆる国民総生産の伸びを一〇・六に見積もっておるわけでございます。
電気の場合には、GNPが一〇.六伸びましたときに、弾性値と申しますか、
電気がそれに相応してどのくらい伸びるであろうかというのをひとつ、より若干多目に見まして、一〇.七という推定をいたしておるわけでございます。そのような伸びで
電気の
需要の伸びを推定をし、それに必要な
電気の
出力というものを
ピーク時について申し上げますと、ただいま申し上げましたような
数字になるわけでございます。