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鈴木強君 私は先般、
静岡、
愛知、
大阪の三県を
視察さしてもらいましたが、いろいろ出先の皆さんや本省の皆さんの御協力で有効な
視察ができましたことをこの際厚くお礼を申し上げます。さっきも長官にも申し上げましたが、今度の
視察はこの
委員会としては初めてでした。特に
交通安全対策基本法が制定されたあとの
視察だけに、地方におきましても、従来
安全施設整備三カ年
計画を逐次やってまいっておりますが、この機会に国の大方針を早く打ち出していただいて、それに基づいて
各地方においてもできるだけやりたいという意欲をかなり持っておりました。したがって、きょう御出席の皆さんはそれぞれの
関係の省庁の担当の方だと思いますから、これらの意見を十分胸におさめて、来
年度予算はできるだけ大幅に持っていただいて、国民の非常に問題になっております交通戦争、これを防ぐための
安全対策をぜひやっていただきたいと思います。そのことを前にお願いしておきます。時間がありませんから全部一ぺんに問題点だけを出していきますから、たいへん恐縮ですが、それぞれの省庁からお答えをいただきたいと思います。時間の
関係からそういたします。今度われわれが参りました所は御
承知のように大都市です。しかも
死者あるいは負
傷者におきましてもナンバー・ファイブくらいに入るような死
傷者が多い県でございます。したがって、地元の皆さんの訴えを受け苦言を承っておるのは大都市の
交通安全対策ということに限ると思いますので、その点を含んでおいていただきたいと思います。
それで第一番目に、
大阪に参りまして
幹線道路の一方
通行をしておるのを拝見しました。これは能率的に四十五キロのスピードで行きますと、信号には全然引っかからないわけですね。非常にスムーズに動いてまいりまして、多少
大阪市全体の交通から見ると、一方交通の逆にきたところが迂回しますから、不便はあるかもしれませんけれども、そのことによって信号で停車をし、不要な
排気ガスを排出してその地域に一酸化炭素や亜硫酸ガス、あるいはいま問題になっております光化学スモッグなんかを生み出すような炭化水素だとかあるいは窒素酸化物だとか、そういったものをまき散らす量が少なくて済むということからいっても私は非常にいいことだと思います。ぜひこういった施策を
名古屋あるいは
東京方面でも幹線の
道路において
実施したらどうかということを考えるわけですが、この点はどうでございましょうか。
それからいまさっき総理府総務長官は永岡
委員の質問に答えて、都心部ですね、
東京のことを言ったのでしょうけれども、都心部への
自動車の乗り入れの制限等については消極的だと、こうおっしゃいました。それはなぜかというと、六〇%が商業車だからということを言っておりました。しかし、この
東京だけでなくて各大都市、少なくとも六大都市あたりにおきましては、この都心への乗り入れということですね、要するに市街の
中心部に乗り入れるということについては、ある程度の
規制をしてもらわなければ困るという意見がある。だからして、これはある程度犠牲というものがどこかにあっても、やるかやらぬかというそういう私は政治的な判断にかかってくると思うのです。ですから、それは時間をどういうふうに制限するとか、あるいは迂回をどうしてやるとかいうことも考えながら、ひとつこれはもう少し慎重に前向きで考えていただきたいと思うのですけれども、これは非常に警察庁だとか
建設省だとか自治省であるとか、いろいろ入り組んでおるでしょうから、そういう点は相互に連携をとっていただいて、こういうことについてももっと真剣に前向きで検討してほしいと思いますが、
関係省ではこれに対してどうお考えでしょうか。事務当局としてですね。
それから、いま全国で買いもの
道路が八百八十七カ所、それから子どもの遊戯
道路が二百七十一カ所あります。しかし、これによって確かに
事故が減ったことも事実ですけれども、願わくばもう少し大きな
道路においてもこういうふうなことがしてもらえないだろうか、こういう意見があるわけです。それが今度の
東京における新宿から銀座、池袋、浅草ですか、この四地区が八月の二日から
規制されるわけですけれども、こういうことは全体の協力がないとできないことだと思います。したがって、これはテストケースとしておやりになると思いますけれども、
大阪なり
名古屋なり、こういう所においてもやはりこういうようなある地点を限って開放するというようなことは、けっこうなことだと思うのですけれども、全国的にこれを推し進めていくことは考えられませんかどうですか。
それから、私は
道路というものは
歩道というものを
確保することが絶対だと思うのです。
道路でありながら人間が通れないなんて、そんなばかなことはないと思うのです。さっきも
蒲原のことが出ましたが、これは
蒲原だけでなくて
富士川町、
由比、それから
興津、要するに清水にかけての一帯のところですが、たまたま私のところに来た陳情は
道路局長がおっしゃったように
蒲原だけですけれども、しかし、
道路六百メートルのうち二百メートルは反対したけれども、四百メートルの人たちは喜んでいるわけです。だからもう少し地元が反対しているからというだけでなくて、やり方についてくふうをしていただく。天下の
国道に人間の通るところがないなんというそんなばかなことはないと思うのです。そんな
道路をつくったことがそもそも行政当局の先の見えない、見通しのない
計画だったと私は思うのです。少なくとも
道路があるところを人間が通れないなんというそんなばかなことはない。だからして、その点については絶対に私は
歩道を
確保すべきだと思うのです。それから裏通りなんかを
規制する場合でも、もし
歩道のために車が入れないというなら全部シャットアウトしたらいい。車の
通行を
規制したらいいのです。そのくらいのことをやるかたい決意がないと、私はこの
交通事故はなくならないと思うのです。ですから、そういうような点を考えて、これは
蒲原だけの話ですけれども、われわれが見たのは
富士川町もあり、
由比、
興津もあるわけですから、この辺一帯の実地
調査ぐらいぜひしていただいて、その結果、それではどことどこに
歩道をつくることによって、あるいはガードレールをつくることによって不可能でありますと、しからば二の策としてはやはりどうするかということも考えていただいて、ある程度
通行車をある時間
規制するとか何とか、そういうふうな思い切ったことをやっていただかないと、問題の解決にはならぬと思うのです。ですから、あまり地元が賛成していないのだというようなことではなくて、あの辺の
国道一号線についてはもう少し
国道の
管理事務所長に本省から命令を出して、もう一回検討さしてくださいよ。それでくふうをこらして、できるところはやはり
歩道をつけて、国民の安全を守るというそういう方向にぜひやってもらいたいと思います。この点をひとつ
建設省のほうから伺いたいと思います。
それからたとえば違法な駐車、停車ですね、こういったものが非常に多うございます。これの
取り締まりを一体どうするかということですけれども、どうも車を買ったときには車庫を持たなければならぬ、車庫証明を持っていなければ認可されないはずなんですけれども、どうも最近は路上に長々駐車をし停車をして、人の迷惑になることを平気でやっております。こういう
取り締まりを一体どうするかですね。今度八月十三日ですか、道交法が動き出して
交通巡視員制度というのができるわけです。私は
静岡、
名古屋、
大阪を見ましたけれども、それそれぞれの県で努力をしていただいておりますけれども、まだ
静岡県のように、六月の県議会では補正予算を組まぬところがある。だからしてこれは九月県議会になるわけですね。そうすると、八月十三日に道交法が施行されましても、九月の県議会が終わるまではこの
巡視員が生まれないわけです。こういうところもあります。われわれはできるだけその準備を進めていただいて、県議会が予算を通してくれたらすぐ動けるように事務的な準備をしておいてくださいと県にもお願いしておきましたけれども、全国的にどういうふうになっているか、私わかりませんけれども、この
巡視員制度というものを
活用してもけっこうですから、もっと
徹底的にこの
違法駐車の
取り締まりをしてもらいたいと思います。こういうことについて警察庁はどう考えておりますか。
それからパーキングメーターなんかももう少し復活をするようなことを考えたらどうですか。それから都心の駐車場をどんどんふやしているようですけれども、さっきも総理府総務長官とのやりとりもあったのですけれども、結局いまの
東京都の場合を見ると、駐車条例というのがありますが、床面積三千平方メートル以上のビルには駐車場を設けるということになっておるのですが、こういうことをどんどんふやしていくと、結局都心乗り入れが合法化されていくので、これらはいまの情勢からするかある程度の制約を設けて、この駐車場の増設等については考えておく必要があるのじゃないかと思いますが、この点どうでしょうか。
それからもう一つは
静岡県に参りまして、非常に児童に対して交通安全の教育をしてくれております。これは感謝しておりますが、しかし、それでも小学校の児童なんかの
事故が多うございますね。最近登校や下校する場合に集団で動いておりますが、そこへ
自動車が突っ込んで一ぺんに負
傷者を出すような悲惨な
事故が起きております。これはまあ警察のほうと学校のほうと
教育委員会ですか、父兄なんかとよく相談をしてやられていると思うのですけれども、あの集団登下校が長い列になりますと
事故が起きやすいという現象もあるわけですね。ですから、その辺もよく考えて、小グループに分けて通学するというようなことも真剣に考えてみたらどうかと思うのです。同時に、いま通学路が学校から半径四キロでしたかは通学路の指定になりますね。しかし、それ以下は児童の数によってきまるわけですけれども、もう少しこの通学路というものを長くしてもらいたいという意見もありました。この辺はどうでしょうか。あの通学路にしていただいて非常に
事故が減っております。こういうようなこともありましたので、その点もお聞きしたい。
それからもう一つ最後に、
大阪では南海電車が
大阪の
市内を走っておりますけれども、そこが立体交差でないところがたくさんありました。こういうところは私は問題だと思うのですよ。
東京、
大阪、
名古屋を見ましてもそういう点がたくさんあります。
東京では御
承知のように玉川電車が環七と交差する場合に、信号で赤のときには玉川電車がとまるのですよ。そうして環七の車が優先するということになっています。
大阪の場合もそういうような方法もとったらどうですかと言ったのですけれども、考えようということになっておりますけれども、少なくとも立体交差の方向にこれを基本的にやっていただいていると思いますけれども、やはりこれは金がかかるものですから、それぞれのお役所との
関係でうまくいっていないようですけれども、これはひとつぜひ少なくとも都心で
平面交差がやられているというようなことは近代的都市から見ると恥しいことですから、ぜひひとつ立体交差の
促進ということを大いにやってもらいたいと思います。
大体以上ですから、皆さんのお考え方を聞いて、ぜひ来
年度予算の中にこれらのために積極的に生かしていただきたいと思います。