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1970-07-23 第63回国会 参議院 交通安全対策特別委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十五年七月二十三日(木曜日)    午前十時二十分開会     —————————————    委員の異動  五月十三日     辞任         補欠選任      瀬谷 英行君     小柳  勇君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         鈴木  強君     理 事                 鬼丸 勝之君                 二木 謙吾君                 千葉千代世君                 沢田  実君     委 員                 石原幹市郎君                 小柳  勇君                 永岡 光治君                 原田  立君                 小笠原貞子君    国務大臣        国 務 大 臣  山中 貞則君    事務局側        常任委員会専門        員        吉田善次郎君    説明員        総理府内閣総理        大臣官房交通安        全対策室長    平川 幸藏君        警察庁交通局長  久保 卓也君        文部省体育局学        校保健課長    橋本  真君        厚生省環境衛生        局公害部公害課        長        橋本 道夫君        厚生省医務局総        務課長      信沢  清君        通商産業省繊維        雑貨局紙業課長  宮本 二郎君        通商産業省鉱山        石炭局石油業務        課長       斎藤  顕君        運輸省港湾局長  栗栖 義明君        運輸省鉄道監督        局長       山口 真弘君        運輸省自動車局        長        野村 一彦君        建設省道路局長  高橋国一郎君        消防庁防災救急        課長       中沖  豊君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○派遣委員報告交通安全対策樹立に関する調査  (来年度交通安全対策予算に関する件)  (車両乗り入れ規制に関する件)  (救急医療体制に関する件)  (歩道等整備に関する件)  (違法駐車取り締まりに関する件)  (通学路等安全対策に関する件)  (踏切事故防止に関する件)  (学童の交通安全教育に関する件)  (田子の浦港における航行安全に関する件)  (自動車排気ガスに関する件)     —————————————
  2. 鈴木強

    委員長鈴木強君) ただいまから交通安全対策特別委員会開会いたします。  派遣委員報告に関する件を議題といたします。  先般、当委員会が行ないました委員派遣について、派遣委員から報告を聴取いたします。鬼丸委員
  3. 鬼丸勝之

    鬼丸勝之君 御報告を申し上げます。  交通事情及び交通安全施設等の実情を調査するため派遣されました委員は、鈴木委員長木村委員と私鬼丸の三名で、派遣期間は六月九日から十二日までの四日間、視察いたしました府県は、静岡県、愛知県及び大阪府であります。以下順次視察個所順に要点のみ報告いたしたいと思いますが、各機関からはそれぞれ詳細な資料が提出され、それらは調査室に保管してありますので、念のため申し添えておきます。  初めに静岡県下交通事情の概要について申し上げます。  まず、東京から東名富士までの東名高速道路交通事情東名富士から静岡までの間、特に国道一号線を中心県下交通事情視察いたしました。富士川から静岡市にかけての国道一号線は、自動車交通量の激しさに比べ道路幅がきわめて狭く、歩道がない上、横断歩道橋ガードレール等安全施設も設けられておらず、きわめて危険な状況にあります。道路管理者側説明によりますと、地元住民から安全施設設置の要請がないこと、来年中にはバイパスが完成するとの理由により、対策は講じておらないとのことでありましたが、われわれとしては、早急に歩道設置バイパス完成後の車両規制について対策を講ずるよう強く要望しておきました。  本県は東海道メガロポリスの中間に位置し、首都圏中部圏に狭まれ、産業経済の発展に伴い、交通事情はますます悪化の傾向をたどっております。昨年中の事故の概況は、件数にして二万六千五百十九件、死者七百十三名、傷者三万四千九百十九名で、それぞれ増加しており、本年に入りましてから前四カ月に比較し、全事故のうち死者の割合は七・六%で十六名増加しておりますが、その他はそれぞれ若干減少の傾向を示しております。  事故の特徴としては、自家用自動車による事故が多く、全事故の七〇%を占めていること、レジャーブームによって観光地等に集中した地理不案内の者による事故が多いこと、歩行者自転車事故は減少したとはいうものの、全死者二百二十六名に対するこれらの弱い立場にある者の死者が九十名で四〇%と依然として高い比率を占めていること、都市周辺に高い増加率を示していること等であります。  また県下における東名高速道路事故は、昨年五月二十六日全線開通以来一カ年間に件数にして六百八件、死者三十名、傷者千百九十九名にのぼり、物件事故千百十一件を含めますと、一日平均四・七件が発生しております。そのおもな原因は、ハンドル操作不適わき見運転ブレーキ操作不適が六五%で、事故類型別では、追突及び分離帯衝突が三六%のほか、事故車両約五万三千台中パンク、ガス欠が三四%を占めるなど、高速走行基本原則の無視によることが多いことから、インター付近における指導取り締まり重点を置くとともに、運転者教育の場において高速走行の知識の普及につとめ、交通安全活動組織づくり促進夜光化対策、広報の推進等、常時活動を行なっておりますが、一そうそれらの対策を進める必要があります。また被害者救済対策として、従来地方自治体の行なう救急業務のほか、昭和四十三年五月から県において交通事故被害者救急搬送報償金制度実施しており、さらに県交通事故相談所をはじめ静岡市など各地で交通事故相談に応じております。  交通安全施設等整備については、極力計画の完遂につとめており、用地買収を要しない分については、四十六年度で終了の見込みであるとのことであります。蒲原富士興津地区国道一号線については、バイパス建設を待ち、道路幅員関係もあるので、歩道設置は特に考えておらないとのことでありました。この点は先に申し上げましたとおり、早期に結論を出すよう強く要望しておきました。  交通安全対策として、本年度人身事故防止重点を置き、特に都市部における生活道路通学通園路等の確保を取り上げ、広域交通規制推進を通じ歩行者自転車安全確保混雑緩和策推進しており、また、交通事故に直結する酒酔い、無免許運転速度違反悪質事犯及び駐車違反取り締まり重点実施し、さらに安全教育推進につきましては、運転者教育強化安全運転管理者指導育成につとめております。  教育委員会では、交通安全教育の徹底をはかるため、近隣の小中学校、連絡協議会警察署交通安全協会、その他関係機関等地域ぐるみ組織活動強化をはかること等の指導体制の確立につとめ、計画的な指導実施交通安全訓練施設整備促進各種社会教育を通じての交通安全教育徹底等につとめているとのことであります。  次に、県側からの要望について申し上げます。  その第一は、救急医療に関する法的整備についてであります。医療に関する法的根拠は、消防法患者搬送義務が市町村に課せられていることと、救急医療機関を定める厚生省令があるのみで、患者搬送から医療に至る一貫した法制化がされていない現状であるが、救急医療に関する責任の所在、広域的な体制及び専門的な施設等についての法的な整備について配慮願いたい。また消防機関から搬送される患者の五〇%は内科系小児科系が占めている現状でありますが、厚生省令に定める救急医療機関外科系に限られているが、内科、小児科系救急医療機関についても早急に整備する必要があるということであります。  第二には、道路関係整備についてでありますが、富士−由比、静岡−清水、藤枝−磐田の各バイパス建設促進し、第二東海道早期建設をはかってもらいたい。また、現在、第二次交通安全施設等整備事業三カ年計画実施中でありますが、激増する交通量に対処するため、さらに第三次三カ年計画等による整備促進と、最近頻発する落石等による事故防止のため道路防災事業整備促進が必要でありますので、格段の配慮を願いたい。とのことでありました。  関係機関からの事情聴取後、地元新聞記者との記者会見において、蒲原富士・興津の国道一号線については、何回かの国会からの視察にかかわらず、安全対策がまだ講ぜられておらない不満の表明がありまして、安全施設早期実現の強い要望がなされました。  翌十日は、まずトヨタ自動車工業株式会社自動車安全対策研究実験中心視察いたしました。ここでは、衝突による人体の衝激を緩和する装置であるエア・バッグ等研究開発がかなり進んでいるようでありました。懇談の際、会社側から交通安全、公害対策及び交通運輸効率化をより効果的に推進するため、交通行政の一元化をしてほしい、交通安全の基礎技術研究開発を国家のビッグ・プロジェクトとして推進してほしい等の要望がありました。  続いて名古屋に至り、財団法人東海交通災害コントロールセンター活動状況視察いたしました。本コントロールセンターは、昨年十二月一日約二億円をもって開設されたもので、現在テレメーターによる遠隔診断と、自動車手術台麻酔装置脳手術装置等を完備したいわゆる走る手術室の活用による事業の運営を行なっております。  次に、愛知県下交通事故状況対策について申し上げます。県下における昭和四十四年中の交通事故は、人身事故にして四万三千三十件、死者九百十二名、傷者五万六千二百名で、四十三年に比べていずれも増加しており、交通事故死者数は二年連続全国第一位を占めております。本年に入りまして、一月から四月までの交通事故は、件数にして一万一千九百二十三件、死者二百八十八名、傷者一万五千九百六十四名で、前年同期に比べていずれも減少しておりますが、死亡事故については三月以降多発傾向が著しくなり、死者数は五月末現在三百六十八名で、前年同期の三百七十五名に迫り、前途が憂慮される状況にあります。  本県における交通事故特徴的傾向は、死亡事故が多発し、致死率が他の府県に比べて非常に高いこと、地域別には、名古屋市内より郡部で多発していること、当事者別では歩行者自転車事故が依然として多発し、特に死亡事故では死者の半分以上の約五四%がいわゆる交通弱者である歩行者及び自転車通行者であり、しかも年齢別では六十歳以上の老人が多く、他方若者無謀運転による加害自損事故も多発している状況であります。  県警察としては、前年に引き続き、交通事故防止業務運営の最重点と定め、諸対策を進めておりますが、特に本年以降交通死亡事故多発傾向に対処するため、交通弱者の立場にある歩行者及び自転車通行者、とりわけ老人、子供の交通事故防止するため、四月六日警察本部交通事故防止対策本部、全警察署交通事故防止対策推進本部を設けて総合的推進体制をとり、交通指導取り締まり強化老人層に対する個別交通安全指導推進緊急重点対策に総力をあげているとのことであります。また、今回の道路交通法の改正による交通巡視員設置されることになり、本年度予算で百八十名を要求する予定になっておりますが、県議会が九月開会を例としており、これがため巡視員活動は九月以降になるとのことでありました。ちなみに、静岡県、大阪府におきましても、同様な要求がなされる予定になっており、われわれとしては、現在の交通事故状況にかんがみ、各地において早急にこれが実現方要望してきた次第であります。  その他交通安全施設整備強化安全運転管理者指導免許更新時講習の実施等を内容とする安全教育徹底化をはかっているとのことであります。  次に、愛知県下東名高速道路交通事故発生状況対策についてでありますが、昭和三十九年九月に県下東名高速道路の一部が開通し、以来その供用距離の伸びと交通量の増加に伴い、交通事故は逐年増加しており、特に昨年は東名高速道路全線開通もあって交通量が激増し、交通事故発生も前年に比し件数において約三倍、死傷者数は約四倍になっております。  この対策として、高速道路交通機動警ら中隊として名神小隊東名小隊の二個小隊を編成配置し、各小隊ごとに隔日勤務により高速道路における交通指導取り締まり交通事故の処理に当たっており、また、道路公団、自動車会議所等と定期的に連絡会議を開催し、高速道路における交通安全対策に関する協議を行ない、総合的な対策を講ずるようつとめているとのことであります。  踏切道改良につきましては、関係法令に基づき大臣が立体交差等指定した管内踏切道数は合計千六百二十五カ所で、その実施状況は今年三月末現在千四百四カ所完了しております。  次に、道路関係につきましては、昭和四十三年の飛騨川事故以来特に道路災害による事故防止対策を強く打ち出し、路面の整備危険個所の点検並びに処置を十分にし、道路災害防止につとめるとともに、道路情報の収集、提供、交通規制基準作成等により管理体制強化をはかっております。  交通安全整備事業につきましては、歩道設置進捗率は、名古屋市は相当進んでおりますが、全体としては若干のおくれがあるので、四十五年度第六次道路改色計画でさらに進める予定であるとのことでありました。第二次三カ年計画既開発区域分はこの期間に完了予定でありますが、新規開発地域については第二次計画完了後も残事業はあるので、第二次計画を延長してほしいとのことでした。また、維持管理地方公共団体の負担が重くなりつつあるので、交通反則金使用範囲の拡大を検討してほしいとのことでありました。  次に、第四管区海上保安本部管内状況でありますが、当管区の管轄範囲は、愛知県、三重県及び岐阜県、並びにその沿岸水域である伊勢湾、遠州灘及び熊野灘一円で、十七隻の巡視船艇ベル型航空機一機の機動力をもって海難の救助及び港内における船舶航行管制業務実施するとともに、航路標識建設及び保守並びに水路の測量、潮流の観測等航行援助業務と相まって、船舶交通安全確保につとめております。  当管内で昨年中に発生した船舶海難事故は百二十七件で、そのうち一五%に当たる十九隻が全損しており、海難人員八百七十一名、うち二〇%に当たる二十五名の人命が失なわれております。これらの海難港湾内及び沿岸水域発生するものが七二%を占め、特に伊勢湾内及び布施田水道海難多発水域となっております。これらの海難に対処するため、濃霧期における伊勢湾口特別警戒大型タンカー航路警戒航行援助施設整備等船舶交通安全対策をはかっておりますが、さらに安全対策強化するため、巡視船艇整備増強、狭水道等における新たな交通ルール制定等が必要とされるとのことでありました。  十一日は、大阪救急医療情報センター大阪市内交通状況大阪湾における海上交通状況等視察の後、関係機関より事情説明を聴取いたしました。  大阪救急医療情報センターは、最近の激増する交通事故等による傷病者を迅速かつ適切に診療するため、府下における救急病院等受け入れ状況等を常に把握し、その症状に最も適切な処置及び搬入施設無線通信網等により、主として患者搬送機関に対して的確な情報を提供することを目的として昨年末設置されたもので、開設以来五月末までの取り扱い件数は千四十件で、現在順調に活動しており、今後この種の施設が全国的に整備拡充されることが強く望まれます。  次に、大阪市内交通規制状況でありますが、市内の一部、四つ橋筋、御堂筋、堺筋及び松屋町筋幹線道路について、わが国において全く初めての試みである一方通行規制実施し、既存の道路を最大限に活用し、道路容量を増加させることにより車の流れがスムーズに行なわれ、交通安全対策上かなりの効果をあげており、この結果、事故件数は五〇%減、スピードアップ一五%、交通量三〇%アップの好結果が出ているとのことでした。また、事故のうち、人対車両事故六〇%の大幅減歩行者の横断中の事故が四九%減、さらに車両相互事故が四九%の減とのことでした。  踏切道状況につきましては、国鉄阪和線長居駅付近と南海電鉄の敷津喜連線及び中央環状線における踏切道視察いたしましたが、そのいずれもいまだ平面交差できわめて危険な状況にあります。これらのうち一部は本年度から立体交差化の工事が着工される予定になっており、早期の完成が切に望まれる次第であります。  続いてハーバー・レーダー及び海上保安庁の巡視艇により大阪湾における海上交通状況視察の後、関係当局より説明を聴取いたしましたので、その概要を申し上げます。  大阪府における交通事故発生状況は、昨年発生件数にして九万七千二百四十一件で、そのうち人身事故件数は五万五千六百件、死者数七百九十三名、傷者数七万五千百八十四名で、今年度四月一日から五月二十八日現在でみますと、発生件数一万五千八百三十三件、死者数百二十七名、傷者数一万一千六十二名の多きにのぼっており、ことに死者数のうち歩行者の占める比率が高く、例を昭和四十四年にみますと、全国平均約三六%より一二%も高い四八%で、東京の四九%に次ぐ第二位の高率を示しております。これらの交通事故に対処するため多岐にわたる交通安全対策を総合的、効率的に推進する目的をもって、昭和三十七年五月関係機関団体による大阪交通対策協議会設置し、また、広域における交通問題の基本的施策の審議のため、知事の諮問機関として昭和四十三年十月に大阪交通安全対策審議会設置され、さらに、去る五月十二日成立した交通安全対策基本法に基づき、現在大阪府における交通安全対策会議設置等に関する準備事務を進めること等、組織整備強化につとめるほか、道路交通環境整備の改善、踏切道安全対策交通規制強化交通安全思想の普及、救急医療体制整備等対策を講じており、今年度は特に歩行者事故防止を主眼に住宅地及び市街地の裏通りを対象とした一方通行強化したいとのことでした。  次に、大阪港内交通概況についてであります。大阪港は旧大阪港の大阪区と、新興港湾である堺・泉北両区とからなり、大阪区は商港的性格、堺・泉北両区は工業的性格を有し、阪神経済圏の伸展とともにそれぞれ発展の一途をたどり、それに伴い船舶交通がふくそうし、その安全確保は大きな課題になっております。これがため大阪海上保安監部におきましては、航行管制実施航法指導危険物安全対策ハーバー・レーダーの活用による海上交通情報提供等船舶航行の安全につとめておりますが、大型タンカーがひんぱんに入港する堺・泉北両区の業務遂行に当たっている堺海上保安署には、十五メートル型巡視艇が一隻配属されているのみでありますので、巡装艇の増備、信号所近代化大型消防艇の配属を検討してほしいとの要望がありました。  陸運局よりは、踏切道改良促進法進捗状況説明があり、立体交差化は六八%、構造改良八六%、保安設備八八%の進捗状況で、踏切道改良促進法の期限を延長してほしいとの要望がありました。  最終日十二日は、日本万国博覧会場交通関係事故防止対策中心事情を聴取し視察いたしました。開設当初におきましては、管理運営上の不手ぎわ、利用者側のふなれということもあり、動く歩道事故等、若干の事故を生じましたが、早急な対策により、現在では事故もなく円滑に運営されているとのことであります。また、心配されました自家用車の来場につきましては、開幕後二カ月間で約六十五万四千台、一日平均一万台で、休日におきましても平均一万八千台にとどまり、予測を大幅に下回ったことが事故発生の抑制に一役買ったと思われます。  万博も、はや会期の半ばを過ぎましたが、今後とも事故を起こすことなく、無事閉幕されることを心から願うものであります。以上をもって報告を終わります。(拍手)
  4. 鈴木強

    委員長鈴木強君) どうもありがとうございました。  なお、国道一号線富士由比間バイパスに対して、蒲原の町長さん井上民三という方から私にあてまして、来年四月一日を期して供用を開始される一部二車線を四車線に増設されたいということ、新富士川橋、鉄橋の無料開放供用開始の時点で実施していただきたい、こういうことの二点を内容にした陳情がまいっておりましたので、このことを申し添えておきたいと思います。  以上で派遣委員報告を終わります。速記をとめてください。   〔速記中止
  5. 鈴木強

    委員長鈴木強君) 速記を起こしてください。  次に、交通安全対策樹立に関する調査議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
  6. 鬼丸勝之

    鬼丸勝之君 建設省関係厚生省関係総理府関係に簡単にお尋ねいたしたいと思います。  先ほど報告しました先般の視察調査の結果に関連いたしまして、特に第一点は交通安全整備事業計画の問題です。御承知のように、ことしが第二次計画の二年目で、大体、静岡愛知大阪ともこの第二次計画昭和四十六年一年を残しておりますが、大体相当進捗しておる。まあ七〇%台、八〇%近くいっておるようでございます。建設省地方建設局説明でも、全体としては四十五年度で第二次計画は八三%捗進する、こういう説明でございましたが、問題は、さっきも申しましたように、歩行者通行、さらに自転車通行事故が非常に多いということから、歩道あるいは歩道安全施設、こういうものの整備がどうも全体としてまだきわめて不十分じゃないか。そこでまず第一にお尋ねしたいことは、これらの整備を含めて、第二次計画——既定計画はなるほど八〇%前後いっておるが、計画そのものは最近の交通量増大からみて非常に不十分ではないか、第三次計画を考えておるかどうかという点をまずお尋ねします。
  7. 高橋国一郎

    説明員高橋国一郎君) 交通安全施設整備につきましては、現在第二次三カ年計画の二年目といたしましてその事業推進しておるわけでございますけれども、ただいま御指摘もございましたように、最近の自動車の台数はますます伸びておりまして、交通事故増大をしておるような状況でございます。したがいまして、われわれといたしましては、この際昭和四十六年度——年度初年度といたしまして新たな計画を策定し直したいというふうに現在考えておるわけでございます。御承知のように道路整備五カ年計画では、四十五年度——本年度初年度といたしまして新たな改訂をなしたわけでございますが、道路整備とともに交通安全対策を特に力を入れていく必要があるということで、最近特に大臣からも御指示もございまして、そういうことから、いまわれわれとしましては三カ年計画を二年目のことしで打ち切りまして、四十六年度から新たな計画に乗り移りたいというふうに考えております。
  8. 鬼丸勝之

    鬼丸勝之君 そこで局長道路整備五カ年計画は本年度から発足しているわけですね。そこで今度第三次交通安全施設整備事業計画をそれに合わせてやると、これは必ずしも三年でなくたっていいんだから、道路整備五カ年計画に合わせてやるとすると、四年間ということになるわけですね、来年度から発足させれば。そういうことをあわせて考えてもらったらどうかと思うのです。私はここで絶対にそうしてくれとは申しませんけれども、その点をひとつ十分検討していただきたい。やはり道路整備の中で維持管理、補修、それから静岡県から出ておったのですが、のり面の問題だけでなく、のりの上のがけ地の落石等の災害、こういう一つのもう少し道路敷のほかにそういう災害を考えていかないと、横から石が落ちてくるという、道路以外のところから落石したりして災害が起こる、こういうこともあわせて考えて、結局道路整備五カ年計画の中の重要な一環としてお考えいただきたい。そういう意味において年次も再検討をお願いしたいと思うのですが、この点いかがですか。
  9. 高橋国一郎

    説明員高橋国一郎君) ただいま御指摘のありましたとおり、緊急三カ年計画はもう一年あるわけでございますが、すでに御承知のように警察庁のほうからは新たに交通管理体制整備五カ年計画というものを提案されております。この三カ年計画も警察庁との共管でございますので、一緒の仕事でございますので、警察庁とも相談しなければいかぬことでございますが、ただいまわれわれが頭の中に描いておりますのは、それから大臣からもいろいろ御指示がありましたのは、ただいま鬼丸先生がおっしゃったように、五カ年計画に合わせて四カ年ということでやってみたらどうかということでございます。ただ、ただいま申しましたように警察庁との関係もございます。それから総理府のほうにもただいま相談をしておりますが、そういうような調整がございますので、必ずしも道路サイドで四カ年と希望いたしましてもそのようになるかどうかわかりませんが、よく政府各機関と相談いたしまして、三カ年計画になりますか、あるいは五カ年計画になりますか、まあわれわれの希望は四カ年でございますが、その辺調整してきまることになると思いますが、いずれにいたしましても、先ほどもちょっとお話しのございましたいままでの三カ年計画は、言うならば小規模の安全対策事業かと思います。御承知のように歩道をつくるにしましても八千万未満のものになっております。八千万をこえるものにつきましては、改築事業の中で安全施設的なものをやっております。今回はそういうものをすべて取り出しまして、安全施設事業として一切包含いたしまして大幅に大改訂を行なうべきではなかろうか。たとえばその中に、先生の御提案のような道路敷地外からの落石というようなものも含めるべきじゃなかろうかという意見も出ております。また踏切除却事業であるとか、立体交差等も当然安全施設事業ではなかろうかというふうな議論も出まして、目下検討中でございます。そういうことも含めまして、いずれにしましても従来よりさらに前向きな姿勢で安全整備の新しい計画を立案したいというふうに考えております。
  10. 鬼丸勝之

    鬼丸勝之君 そこで、警察庁のほうにお尋ねしますが、一つは、いま道路局長にお尋ねした関係で、交通安全施設整備事業計画、これをどういうふうに考えていくか。私は道路整備五カ年計画となるべく合わせて、その中に内容もいま局長が言ったように大幅に拡充して考えるべきじゃないか、ただ、警察庁所管の安全施設の問題がありますね。だからそれについても簡単でけっこうですから、この年次の問題と内容の問題をお答え願いたいことが第一点と、時間の関係で質問を続けますが、愛知県でこういうことを聞いたのです。さっきこまかくは言いませんでしたけれども、死者が非常に愛知県では多い。全国一の汚名を着ているので一生懸命努力しているが、その目標は具体的にどういう目標かと聞いたら、昭和四十五年以降、四十四年に比べて毎年一〇%ずつ死者を減らす、四十四年の死者件数から。そうして五年間、四十九年には死亡事故を四十四年に比べて半減する、まあこういうことを目標に一生懸命努力するという話でございましたが、これは現在全国的に警察庁としてそういう方針をとっておられるか、あるいは今後の交通安全施設整備事業計画の基本の考え方としてこの効果を、まあ効果はいろいろありましょうが、特に死亡事故についてはどのくらいの減少ということを目安に考えておられるか。もっとも今後の問題は交通量増大量をあわせて考えなければ意味ないのですね。その辺をひとつお伺いをしたいのです。以上二点。
  11. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) 第一点につきましては、建設省のほうからお話を伺って、私どもとしましてもたいへんありがたいことだと思っております。ところで、建設省の場合には四十九年までの五ヵ年計画があるわけでございますから、おそらく安全施設につきましても当然総体の十兆三千五百億というものの中でお考えになるべきでありましょうから、四カ年になるのはしごく当然であると思います。私どものほうは一応来年度からの五カ年計画ということになっております。これは安全対策基本法での考えます長期計画は一応五カ年ということもありますので、それに合わせておるわけですが、先ほど建設省からもお話しありましたように、現在の法律が共管で、しかも三年ということになっておりますが、これは両省で話し合いをいたしまして、建設省が四年であり、私どもが五年であっても支障がないように持ってまいりたい。私どものほうの五年ということを四年に合わせるべきであるということもあり得るかもしれませんけれども、必ずしもそうでもなくて、主として私どもは既存道路中心安全施設を考えてまいりたいし、それから新設道路については道路ができたあとで安全施設をつくるということを考えてもよろしいわけでありますから、五年と四年と一年の食い違いがありましでも、これは支障がないのではないかということで、私どももそれから建設省計画もともどもに大いに推進していただきたい、かように考えます。  なお、私どものほうの安全施設内容といたしましては、現在大体年間百億ぐらい使っておりますが、私どもの計画ではこれを数倍にふやしてまいりたい。具体的な金額も持っておりますが、まだ関係の向きとの折衝が済んでおりませんので、明確な数字は一応いまの段階では申し上げ得ませんが、何倍かにふやしてまいらなければとうてい今日の交通情勢に対応できないのじゃないかというふうに考えております。  それから愛知の例をお出しになりましたが、こまかい具体的な各県の事例はそれぞれの県で考えておられましょうけれども、私どもが全般的な目標として考えておりますのは、これは総務長官も再々申しておられますように、昭和五十年においては現在の歩行者自転車死亡事故、これを半減するということであります。昨年の歩行者自転車事故の死亡者は約五千八百名ぐらいでありますが、ほぼ昭和五十年——済んだ段階では三千人ぐらいに減らしたいというふうに考えております。  ところで、全体の死亡でありますが、これは私どもも数字は持っております。一応昨年が一万六千二百なにがしという数字でございまして、昭和五十年における死亡事故が一応私どもの見通しでは二万二千人ぐらいというふうに見込んでおります。これを一万人台に押えるとして一万何千になりますか、私ども計算はいたしておりますが、今日の数字よりも減らすような目標でまいりたい。愛知の場合は昨年の半減ということを申しておりますが、これは一応目標としてけっこうなことと思いますけれども、全国的にそういうような目標でまいりたい、それの裏づけとして先ほどのような長期計画を考えてまいりたい、こういうことを考えております。
  12. 鬼丸勝之

    鬼丸勝之君 それからちょっとこまかい話になりますが、道路局長に聞きたいのですが、さっき報告で申しました静岡県の蒲原地区の国道一号線バイパスがいま一生懸命工事を進めておりますけれども、りっぱなバイパスができそうですが、現在の国道一号線のあの地区は非常に交通も混雑して歩道も全然ない。歩行者の安全をはかる施設もないのですよ。これは地建の担当者のちょっとうっかりした説明だったのだと思うのですけれども、地元の要望がないからということを申しておりました。いままで何回も各種委員会視察に来て、これはもうたいへんだ、すぐひとつ実行させようというようなことを言っておるけれども、なかなか実行されぬじゃないかと言って新聞記者がいやみを言ったようもこともありまして、私の感じでは、なるほど道路そのものの幅員が非常に狭いので、歩道をつくることは実際上むずかしいのではないか、車を入れないということにでもしなければむずかしいんじゃないかという気がします。車を入れなければ、歩道をつくり歩車道分離ということも意味がないんだが、少なくとも歩行者安全施設のさく——ガードレールみたいなものでも要所要所につくる。これは経費も簡単なことだし、軽微な経費ですから考える必要があるんじゃないかと思うのです。とかくバイパス第二次改築をやっていると、旧道をほったらかすというと語弊があるけれども、そういう傾向があるんですよ、別に悪意はないのだけれども。この辺をひとつ早急に何か応急的な措置でも考えてもらう必要があると思うのですが、どうですか。
  13. 高橋国一郎

    説明員高橋国一郎君) ただいまの御指摘の個所はたいへん御案内のように幅員が狭うございまして、七メートル五〇から九メートルぐらいの幅員でございます。ところが、ガードレールで仕切ります場合は車道の幅をとらなければいけませんので、車道の幅は通常六メートル五〇というふうにわれわれ考えておりますが、六メートル五〇をとりますと、片側が五十センチからせいぜい一メートルちょっとぐらいしかない状態であります。歩道をつくる場合は最少限五十センチ以上が必要になりますので、非常に設置個所が困難な場所ということになるわけでございます。それで、実を申しますというと、事務所長がまだ着任して間もないのであまり詳しいことはわからないかもしれませんが、前に四十四年度設置した個所がございます。これは非常に地元の反対がございまして、先ほど委員長がちょっと御説明されました蒲原町長の井上さんから陳情が出ております。「四十四年度に施工いたしました延長六百メートルのうち二百メートル線上の住民による歩道設置反対の動きからも充分伺れるのであります。」と書いてございます。地元の反対がございました。そういう経緯がございまして、今回もこちらのほうでやらないというわけではございませんが、実は町長からも、これは先ほど委員長のお話がございましたように、設置に反対というような趣旨の陳情になっております。こういう経緯がございますので、実は設置できなかったというのが実情でございます。建設省としましては放置しておるわけではございません。ただいまみたいな個所が全国にたいへんあるわけでございまして、これに対する手当てと申しますのは、まず歩道をつくるためには道を動かすということが考えられるわけであります。これが非常に多額な金を要すると思います。むしろ新しいバイパスをつくったほうが安くなることもございます。交通量が激減します。ああいう東海道線の沿線でありますから、大部分通過交通でございますので、蒲原なりそういう地区に用のある車しか入りません。ですから非常に車が少なくなります。そうなりますというと、ガードレールをつくったり歩道をつくることは楽になりますが、そういうのが実は全国的に非常に多いわけでございまして、バイパスが非常におくれておりますのですが、今年度末には解決することになりますので、まあそれまでの間でございますが、結局ガードレールをつくることに反対の最大の理由は、どうも商店が自分の自家用の車がなかなか入りにくいというような理由とか、自分の前に停車できないというような理由とか、それから自転車が非常にあぶないので、結局こちらのガードレールの中に入ればいいんですけれども、狭くて自転車が通りにくいというようなことから、もしガードレールがなければ、すっと中に入るというような方法があるのじゃなかろうかと思います。そういうようなことを地元では申しておるようでございますが、基本的な問題は、実は地元が賛成しないということが一番大きいわけでございます。そういうことがございますので、できるだけわれわれとしましては早期バイパス完成することに全力をあげまして、そのあとに手当てするというほうがよろしいのじゃなかろうかというふうに考えております。
  14. 鈴木強

    委員長鈴木強君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止
  15. 鈴木強

    委員長鈴木強君) 速記を起こして。
  16. 永岡光治

    ○永岡光治君 長官、時間が限られておるようでございますから、簡単に基本的な問題についてお尋ねしてみたいと思います。  それは先般、万博の世界の進歩と調和という演題で、ミュルダールストックホルム大学の国際経済研究所長が講演をされた中にもありましたように、このままでいけば、科学の進歩によって都市公害というものが非常に激化してくると、そして人類というものは二十一世紀に死滅するのではないか、したがっていま公害の問題、これはまあ公害そのものを具体的には明示しておりませんけれども、いま当面する問題としては公害という問題が大きな問題だと思うのですが、それを考えてまいりますと、これはたいへんな問題になるのだから、どんなに神経質に、あるいはオーバーに対策を考えられ、宣伝しても決して行き過ぎではない、このように考えておりますがゆえに、真剣に取り組んでもらいたい、こういう意味から長官にお尋ねするわけですが、従来この委員会でも、私がこれから尋ねようとする問題については、おそらく数多くの委員から同じようなことを繰り返し繰り返し質問されただろうと思います。そして政府の答弁も善処する、検討するという一言に尽きたのではないかと思うわけであります。したがって、私は具体的に進める意味において、一体どこがどういう計画で進んでおるかということを、そういう観点から聞きたいわけでありますが、まず、その意味で交通安全対策の基本法というものの実施の準備体制も、この前法律が通過して進められておると思うのでありますけれども、そういうものもあわせ考えますと、一体来年度この交通安全対策関係の予算ですね、予算というよりは構想、その裏づけとなる予算、それから一体どこでどういうふうにまとめてどういうような具体的な内容になっているのかということを聞きたいわけであります。それをまず冒頭ひとつ聞いてみたいと思います。
  17. 山中貞則

    ○国務大臣(山中貞則君) そこらのところがいままでの交通対策、ことに人命を守る対策という観点からいって、政府の行政の中で若干問題があり、あるいはそれが早急に処理しなければならない一番大きな点であったろうと考えます。そこで私のほうで交通安全対策中心に立って総合的な政府の姿勢、行政のチェック、推進というものをやっていく立場を与えられておりますので、今回の予算の編成作業がすでに始まりつつございますが、来年度の予算編成にあたりましては、各省の交通安全に関する諸施設に関しまして、その安全対策予算というものを全面的に私の手元でいま点検と申しますか、各省の意見というものをそれぞれ承って検討をしつつあるところでございます。これからは各省が考えておられますことの食い違いをまず政府として歩調を合わせてもらう、そういう作業が最初に必要でありますが、第一の問題点は、たとえば建設省のほうですでに答えられておったと思いますけれども、道路五カ年計画の残りの四カ年をもって安全計画の年次計画とし、総額一兆六千億くらいのものらしいのですが、いま金額を研究中だそうでありますが、そういうような構想でありますし、一方警察庁のほうとしては、来年度初年度として四千六百億くらい——いままでの委員会では三千五百億、これは人件費その他を除く、こう申しておりましたが、警察庁が一応いまの段階で考えておるのは四千六百億くらいというのでありますが、こういうようなもの、さらに今度は、ことに過密大都市において見られる軌道と道路との交差点、これを立体化しなければ基本的な問題の解決にならないという長年指摘されている問題ですが、これを運輸省が本腰を入れて取り組もう。これは五カ年計画で相当規模のものを、まだ負担区分その他においてこまかくきめていないようでありますが、いずれも立案中であるやに見受けます。その他関係省庁それぞれございますが、大どころはそこらのところが具体的な、しかも巨額の予算を擁する役所であります。その三つの役所ですら、すでにそのような食い違いのあるところを見ますと、どうしても私のほうがあっせん役になりまして、行政所管庁の主導権を侵すわけにいきませんので、ごあっせん申し上げながら、少なくともまず思想を統一する。それはどういうことで、何年度を目標に、何ヵ年計画でやるのか、それは道路五カ年計画とどのような関連づけられた性格を持つのであるか、たとえばいま建設省がかりに最終的決定でないにしても、検討中であるのが道路計画の残りの四カ年という考えでおられることが、警察庁の考えているほうの五カ年計画とは一年しりのほうが食い違うわけですから、そうすると、それをかりに警察庁の場合にあわせて五カ年にしていただくということになると、道路五カ年計画と一年ずれた安全予算というものが、年次計画というものが組まれる。しかし道路計画安全施設を付帯的につけていくという作業から見れば、むしろ一年おくれくらいのところがかえってよろしいのではないか。道路建設が一年先行する五カ年計画であるということがよろしいという感じもしろうと考えながらいたしますが、いずれにしてもどちらがよい悪いにしても、政府としての姿勢の一本化が必要だと思います。これらのことを今後調整したいと思って作業いたしておりますが、これはさらに要求時点のみならず予算否定の過程においても、さらに最終妥結いたしまする際においても、やはり総理府において全体のバランスを見ながら妥結をしていきたいと思います。たいへん迷惑であるという省があるかもしれませんが、今日の交通事情を考えますときに、やはり貴重な人命を私たちが守るということから考えるならば、小異を捨てて大同についていただかなければならぬという気持ちがしておりますので、そこらのところの御理解は賜われると思っております。  ところで一番大きな問題は、各省それぞれ要求はいたしますが、肝心の財源問題について、これまた財源は別の話であるとか、あるいは財源は単純に自動車新税というものも聞いているので、そんなものであろうとか、あるいはさらに自動車の車検を引き上げればいいじゃないかというような簡単な思いつきに近いものが多うございます。道路五カ年計画でも十兆三千五百億円で出発いたしましたものの、本格的な財源の問題は、これを裏づけする財源の最終決定は実は四十六年度に持ち越されたというのが実態だろうと私は思います。ここで道路五カ年計画そのものの財源の問題に見通しを立てませんと、また旗だけを立てて、三年目くらいには改訂せざるを余儀なくされるというようなことにおちいる可能性が非常に濃厚でございますので、来年は道路五カ年計画そのものの財源、並びにそれらに付帯して当然行なわれなければならない関係省庁の安全施設、そういうものに関連する全体の財源というものをいろいろと検討をして、これは大蔵省との間にも十分税制の仕組みの上で、あるいはまたそれらの負担をどこに転嫁するか、されるか、転嫁しないで吸収させるかというようないろんな問題がありますから、そういうような問題も含めて、傍観的な態度で予算ができ上がったあとそれを各省からもらって印刷物を一冊にいたしまして、そしてことしの安全関係予算は幾らでございますというようなことにならないようにしてみたいと考えております。これはたいへんむずかしい仕事でございますけれども、これをやりませんと、各省ばらばらでは、みんないいことをやっておると思っていましても、受ける国民は一体でありまして、どの役所からこういうことをやってもらっているが、あれはいい、どこの役所は悪いというふうにとらえる問題でございませんので、政治全体の責任、そして責任を負う政府としての姿勢というものが国民にはっきりと映るようなものにしなければならぬ、その努力を自分がやろうと思っております。
  18. 永岡光治

    ○永岡光治君 それで、はしなく長官の御答弁の中にありましたように、私はやはり調整するということはかなり困難な問題であろうと思うのですが、しかしそれはやらなければならぬと思うのです。たとえば先ほどのお話を聞きましても、道路五カ年計画はどんどん進んでいる。ところが標識とか信号という保安関係についてはよそのところがやっているのであまり進んでいない。ちぐはぐで、道路整備されているかもしれぬけれども、自動車はどんどんふえていく、また排気ガスがどんどんふえていく、また交通規制がよく行なわれていないから、それがまた混乱をして、これが交通事故のもとになる。何か自分かってにやっていて、調整の問題は十分されていないと思いますので、そこで、一体ものの見方の基準は何かということを長官から答弁してもらいたいのです。私は何といっても人命の尊重というのが基本でなければならないと思うんです。たとえばいまお話にあったように、ガードレールをつくったら道路が狭くなって人の歩行が困難になるからつくらないということは間違いだと思うんです。自動車規制してもつくらなければならない。したがって、人命の尊重というものを基本に置いて道路整備も考えるし、ガードレールも考えるし、信号も考えるし、交通規制も考えるし、あるいは広場を開放するとか、いろいろ問題がありますが、人間の生命尊重という基本でいくのだということを基本的に考えていけば、おのずから私は調整の基準が出てくると思うんですね。そういう私の主張、人間の生命の尊重といいますか、これを基準に交通公害の規制といいますか、防止といいますか、そういう問題を考えていきたい。したがって、今後いろんな五カ年計画等にいたしましても、その基準をやはり考えて、実施状況でも絶えずそのことを頭に置いて考えるし、各省は建設省なり運輸省なり警察庁なりいろいろあると思うんですけれども、それを調整していくということでなければならぬと思うのですが、この私の考えについて長官どのように考えておられますか。
  19. 山中貞則

    ○国務大臣(山中貞則君) 全く同感です。
  20. 千葉千代世

    千葉千代世君 いま総務長官から、各省からの企画とか予算とか、そういう資料を集めて調整の方法を考えるという御答弁があったわけですが、私はやはりそれでは旧態依然より幾らか前進という程度じゃないかという心配があるんです。というのは、交通ばかりではなくて、公害にしても、いままで各委員会、本会議等で述べられた中で一様に言われていることは、やっぱり一元化で、きちっと政府が一つところで急所を握って、そして幅のある運用をしていかなきゃならないということを言われているわけです。この交通安全対策にしましても、いま永岡委員から基準をどこに置くかということを述べられたわけですから、基準ができれば、当然それに沿った政府としての基本方針をきちっと定めて、各省庁ばらばらでないようなくふうというものはできないものか。結論的に言えば、一元化していくという一つの総理府なら総理府でもよろしいし、あるいは総理府では安全調査室というものが主になっているようですが、あそこは調査とかその他いろんな方面ですが、もっと抜本的な対策を立てる用意はあるかないかということ、政府全体としてです。でないと、幾らたっても同じことを各省庁でやっている。自動車の問題にしても、運輸省で言うのも通産省で言うのも、片方はつくって売りたいと言うし、片方はつくっては困ると言うし、東京都では車の規制をしてくれと言うし、こういうことですから、一体どこが主導権を握るかということが大事じゃないかと思いますが、そういう点について。
  21. 山中貞則

    ○国務大臣(山中貞則君) 先ほど永岡委員には、私は予算のこれからの編成の姿勢について申し上げたので、いままでと同じで、少し前進したぐらいだとおっしゃるならそれは大間違いであって、いままでは各省がそれこそ連絡なしに予算を要求して、そしてうちのほうは国会答弁の都合上、各省が妥結した予算の一覧表をもらって、そしてそれを各省についているのを総計して説明をやって、メモを読み上げているぐらいのものであって、何らそういうことに貢献していなかったのです。だから私としては、少し各省庁にとってはそこまでやってもらわぬでもという気持ちはあるかもしれないと思いますが、しかしやはり予算を要求する前の段階で考え方そのものも打ち合わせをし、そして予算の要求の姿勢、あるいは年次計画の目標、並びにその計画のあり方等について調整をして応援していくということを申し上げたんで、これはずいぶんいままでのやり方と全く違うやり方をとろうとするわけです。ただ、これ以上私にしろとおっしゃるなら、私に実は予算と行政実務をまかせていただかなければなりません。交通問題に関する限り、建設省も運輸省も、あるいは警察庁も全部取り締まりに至るまで、総理府総務長官に権限、予算、行政実務を譲るということであるならば、これは私快刀乱麻を断つ行政をやらなければならぬと思うんです。またやれると思う。しかし、それがそれぞれ建設省は警察の取り締まりのことを聞かれてもなかなかよくわかりませんし、かといって、取り締まりの行政の面から建設省道路のつくり方、あるいは設定のしかたというものに干渉してこられてもこれもおかしいと思うので、やはりそこらのところは私のほうがいまの立場でもってできる限りの努力をするということでやっていかなければならぬと思います。これは私予算の問題を申し上げたんで、これからはさらに交通安全問題という問題もまた別にこれは考え方なり、その考え方に基づく各省の具体的な手の打ち方によって、たとえば国と都と、あるいは警察と国とか都とかいう問題等でいろいろ新聞に出ておりますけれども、こういう問題は別途な意味で精力的な調整なり一本化なり推進なりをしなくちゃならぬ、このことは私もそのとおりだと思います。
  22. 千葉千代世

    千葉千代世君 御努力はよくわかりますけれども、別にあなたに一切の権限を握らせてどうしようなんて、そんなことを言っているわけではないので、やっぱり閣僚の一人ですから、あなたの持っている考えを徹底していって、よし、それならばひとつ交通安全なら交通安全に対する政府としての主体的な考えをきちっとまとめてやっていこうじゃないかという、そういう前進の方向は考えられないかと聞いたわけです。
  23. 山中貞則

    ○国務大臣(山中貞則君) それを考えていま努力をいたしております、と申し上げているわけでございます。
  24. 沢田実

    ○沢田実君 長官、時間の都合があるそうでございますので、時間をいただきまして一点だけお尋ねしたいわけです。  御承知のとおり光化学スモッグ、あるいは鉛公害等々いわゆる交通公害というものがどこまで伸びていくかわからないような現況にあります。それに対して車の乗り入れ規制とかいろいろなことが議論されているんですが、交通事故防止するための乗り入れ規制等については道交法でできる問題でございますが、東京都全体に対して外部からの車の乗り入れを規制するなんということは現在の道交法ではできない問題だと思います。またそう簡単に需要を制限してはいけないと思いますが、事人命に関する問題でございますので、緊急な対策も必要ではないかというふうに思うわけです。したがってそういうふうな制限をする場合には現在の道交法では間に合わないわけですが、あるいは道交法を改正しようというようなお考えがあるか、あるいは特別立法してそういう問題について対処するお考えがあるか、基本的なお考えを承りたいと思います。
  25. 山中貞則

    ○国務大臣(山中貞則君) 佐藤総理は都心という表現を使っておりますから東京都になるわけですけれども、車の乗り入れの制限ということを具体的にやらなければならない時期にきたというようなことを閣議等でも指示をされておられますが、私としてはそれはしばらく待ってほしい、なるほど交通安全のためにとらなければならない措置はあらゆる知恵をしぼって動員してやらなければならないけれども、都心への乗り入れ禁止もしくは規制というのはたいへんむずかしい問題で、都心の範囲やいかん、規制の程度やいかん、あるいは車種はいかんというようなことを具体的に調査して、そしてそれが可能であるという前提に立ちませんと、ただ車が入ってこなければ公害はないじゃないかと、これはまさにそのとおりですけれども、車が入ってこなくて人間社会の生活そのものが維持できるかどうかという問題、たとえば一応現在の東京都の区内、二十三区内に動いております自動車というものが六〇%が営業用、残りの二〇が通勤用、残りの二〇がその他と、こういうことに大体大別できるようでありますが、やはり都心で商売するのはけしからぬというわけにもまいりませんし、そうすると営業用六〇%という現実を踏まえて、びしっと環七以内に入ってはならぬとかいうようなことはなかなかやりにくいんで、私のほうとしては今年度予算を流用いたしましてでも、乏しい予算しか私のほうの交通対策にはありませんけれども、それでも流用してでもまず都心の乗り入れの規制をやる場合にはどういうことを知っておかなければならないか、知ったならばどういうことをやってその規制が可能であり、規制されてもなおかつ居住の問題まで含めた機能というもの、生活権というものが息をしていけるかどうかという問題の答えを出さないと、これは一方的に右折禁止とか一方通行というふうに断定的にやれない問題でございますので、総理はたいへんどうも規制に積極的なんですが、この問題は私の段階でやや実施——すぐやるということについてむしろ消極的というより慎重と申し上げておいたほうが私の立場としてはたいへん用語としてはよろしいんですけれども、ことしの予算を流用してでも調査しよう、そうして来年度はもっと予算そのものに乗り入れ規制ができるかできないかを対象にした明瞭なる予算というものをやってみようということでいま検討中でございます。
  26. 永岡光治

    ○永岡光治君 そこで来年度総理府総務長官として、具体的にこういうものをやりたいというそういうものがあるだろうと思うんですが、御披露いただきたいわけです。いかがでございましょう。
  27. 山中貞則

    ○国務大臣(山中貞則君) ここらになりますと、どうもいま議論をいたしておりまして、私のところだけ少し違うんですが、各局がみんないろいろなものを積み上げて大臣のところに持ってまいりまして、よほど何か特別意見の食い違いがなければそれを合わせて、ただいま大蔵省が二五%増というようなことで、そのワク内に押えて八月末に締め切って出す、そういう大体パターンを踏まないで、私の場合は、まずそれぞれの局において、自分が短いながらもその省について考えたこと、あるいは議会における質疑応答を通じて自分がなるほどと思ったこと、そうしてそれはやらなければならないと思うこと、あるいは違った形ででも何らかの前進を示さなければならないと感じたこと、あるいは自分の政治家としての長い生活においてぜひやりたいと思っていたことで、ことしの予算ではもう済んだあとで、最終決定の仕事だけをまかされたような時期でございましたので、何も自分の意思が盛られなかったというような気もいたしますので、それらの点を各部局にそれぞれまず示しまして、それからそれを受け入れられるかどうかについて作業をいたしまして、すでにその受け入れられるかられないかの第二ラウンドの作業を目下進めておるところでございまして、いまここで申し上げるのには少しまだ煮詰まっておりませんが、各省庁から先ほど申しましたとおり予算らしき、要求の内容らしきものをいまいただいて集めさしておりますけれども、先ほど建設省は一兆六千億だったかなと聞きましたら、いやまだそこまで詰めておりませんというように、一応手元にそういう数字がきておりましてもなお流動しておるという時期でございますので、現在の時点では予算の問題でどういうことを考えているということをちょっと打ち出しにくいという感じでおりますが、相当意欲的には取り組んでまいります。
  28. 永岡光治

    ○永岡光治君 それでいろいろ考えておるのですが、これはどう考えているかということをひとつ質問してみたいと思います。たとえば東京都知事の権限というものはかなり制約されるわけですね。そこでそれをバックアップする意味とか、あるいは国の立場でこれは立法事項として必要ならばそういうものをつくらなければならないということの立場でするわけですが、ニューヨークの五番街の例もあるようですが、銀座とか新宿とかの繁華街の日曜・祭日の交通規制による開放ということはどうなのか、そういうことは考えておられるかどうか、これは予防のほうの問題ですけれども。たくさんありますが、それが一つ。それと事故が起こったあとの処理ですけれども、患者を運んでもなかなか思うようにお医者さんが受け付けてくれないし、指定しているものも非常に少ない。ぜひこれを指定病院にしてくれとたのんでも病院のほうから断わられる例が非常に多いわけですが、その裏には政府の補助助成といいますか、予算的な措置が講ぜられていないところもあるようですけれども、そういう交通事故——これは外科になると思いますけれども、そういう病院をどんどんふやしていく、必要であれば政府も助成措置として予算的な裏づけもする、そういうことを考えておられるのかどうか。この二点をまず聞いておきたい。
  29. 山中貞則

    ○国務大臣(山中貞則君) 東京都の知事さんをバックアップするとかなんとかいう表現だと答えにくいのですけれども、そういう繁華街の規制、これは閣議でもけっこうだということにしておるわけでございまして、当然そういうことをやっていただくのは、ニューヨークのリンゼー市長がやったからということじゃなくて、前からそういうことを準備しておったからできたわけでございまして、決断がたまたま相前後したということに受け取ってもらっていいだろうと思いますが、その前にもやはり日曜、祭日の学童の遊び道路というものはすでに決定事項で本部長指示を流しておりますが、なかなか警察の署長さんのほうから、地区の単位になりますので、居住区の一道路を今週はこの道路を締め切りますよというのをなかなか積極的には主導権をとってものが言いにくいらしいということもわかりましたし、そこで私のほうでは、子供たちの安全、生命を守るためにぜひひとつこの学校区で——私は小学校単位に一道路ないし二道路ということを言ったのですけれども、そういうものを設けてほしいと警察のほうに相談をしてもらう。非常に各警察も協力する意思は持っていながらもう一歩のところでどうも遠慮しているような気がする実態がわかってきましたので、私のほうから文部省を通じて、いま警察のほうとぜひその問題で要請ないし相談してほしい。夏休みになって何本かつくったということじゃなくて、私は恒久的にこれはそういう制度としてつくりたいと思っておりますので、そういう点についてさらに前進していくつもりでございます。  それから第二点の救急病院の問題でございますが、これは最初のころは、救急病院に運び込まれた患者が金も払わないで逃げて行っちゃって退院という名の逃亡をして、お医者さんはどうも治療はさせられるわ、夜中にたたき起こされて、血だらけになって熱を出していてもちょっと四、五日してもう部屋にいなくなったというような、いろいろなことがありました。たいへん迷惑がられたことがございました。そのころにはそういう救急病院のことに交通事犯等については健康保険を適用しないというどうも内規と申しますか、適用までいっていなかったようです。そこでたしか昭和三十九年か四十年ごろでありますが、厚生省のほうで踏み切ってもらいまして、救急病院の診療については、ことに交通事犯等についてこれは保険で診療を請求できるということにしまして、まあそうすると、乱診乱療などと二、三日前新聞に出ておりましたけれども、しかしそれでも診療していただくということはたいへんありがたいわけでありますので、交通事故はいつも言っておりますとおり、自分がまさかあるいは加害者に、あるいは被害者になるということをだれも考えていない問題でありますだけに、なるべく多くの救急病院が指定してもらってあるということで、お医者さんたちに協力してもらうということ、これは非常に大切なことだと思います。ことに脳神経外科等の分野というものはまだまだもっと数多くの広く厚い分布をなしませんと、あたら助かる患者が後遺症、あるいは一生だめになるような状態になってしまうということはもうこれははっきり立証されていることでありますし、そういうことも含めまして、救急病院のあり方等については厚生省ともよく連絡をとりながら、私のほうとしてはおっしゃった事故のあと始末にも万全を期したいという点に遺憾なきように努力するつもりでおります。
  30. 永岡光治

    ○永岡光治君 予算措置は考えないのですか。
  31. 山中貞則

    ○国務大臣(山中貞則君) いま予算措置も議論をしておるところでございます。
  32. 鈴木強

    委員長鈴木強君) それでは、長官は公務のための会議でありますから、これろ以引きとめることは無理だと思います。それで論議は中途はんぱで終わるわけですけれども、特に交通安全対策基本法が制定されて初めての予算でありますので、私ども先般視察をいたしましたその結論からいたしましても、非常に国民は交通安全対策徹底的にやってもらいたいという強い希望を持っております、基本法の制定と同時に。ですから、ぜひ長官としても来年度は、今年度予算は七百八十九億しか組んでおりませんが、この倍ぐらいは少なくとも組んでいただいて、積極的に安全対策を拡大していただくようにお願いしておきます。
  33. 山中貞則

    ○国務大臣(山中貞則君) 私の所管する問題は、ということは総理を長とする総理府でございますので、内政上の重点は公害と交通問題が大きな柱であるということは、はっきり申し上げられると思います。
  34. 鬼丸勝之

    鬼丸勝之君 厚生省関係についてお尋ねしますが、救急医療対策につきまして、これは静岡県からも特に要望がございました。現在の救急医療に関する法的なよりどころとしては、御承知のように消防法患者搬送義務が市町村には義務づけられておるということと、救急医療機関厚生省令で定めてありますのですね。ところが、さっきもちょっとお話が出ましたように、現在の厚生省令で指定されておる救急医療機関の中でも救急病院を返上しようという動きもある。保険はなるほど使えるようになりましても、いろいろ病院の都合もありましょう。そういう動きも一部にありますし、もう一つ大きな問題は、この交通事故による患者の半分は内科系あるいは小児科系が多い。特にそういうものが厚生省令では救急医療機関としてきめられない状況にあるようですが、この点は省令を改正すればできると思うのですけれども、どういうように考えておられるか。  以上二点についてお尋ねしますとともに、法律制度としても救急医療制度についてはもう少しこの点を含めて整備する必要があると思うんですが、これは根本的にそういうお考えがあるかどうか伺いたいと思います。
  35. 信沢清

    説明員(信沢清君) ただいまお話ございましたように、現在消防法によるいわゆる救急告示病院あるいは診療所といたしまして、全国で四千四百の病院、診療所より御協力をいただいておるわけでございます。ただいまお話ございましたように、私どもとしてはこの数では必ずしも十分でない、もっとたくさんの病院、診療所にこの救急医療事業に御参加をいただきたいというお願いをいたしておるわけでございますが、いま先生お話のように、実際の現場ではなかなかうまくいかない、こういう例が多いわけでございまして、先ほども総理府総務長官からお話がございましたように、何か予算措置でそういう意欲を先生方に持っていただくような、そういう形のものをぜひ実現したいと、このように私ども考えておるわけでございます。  それからお話の第二点の内科系の病院、診療所が告示病院に指定されないというお話でございますが、確かに御指摘のように、現在きめております省令を読みますと、外科的な治療というものに重点を置いておりますことは仰せのとおりでございます。しかしながら実際の運用におきましては、これは制度発足のときからそうでございましたが、必ずしも外科でなければだめだということを申しておるわけではございませんで、実際問題といたしまして、いま申し上げた四千四百の中には全く外科の診療を行ない得ないような医療機関も告示病院として告示をされておるというのが実情でございます。いま静岡のお話が出ましたので、私も静岡県について若干その間の事情を聞いてみましたが、どうも静岡県ではこの省令をやや機械的にと申しまするか、率直に申し上げますと、非常に厳格に読んで運用されておられる、こういう面があるようでございますので、御希望の医療機関については先ほど申し上げましたように一つでも多く御参加をいただきたいというのが私どもの気持ちでございますので、実際の運用上はそういうことができるようにいたしたいと思っておりますし、御指摘がございましたように省令でございますので、こらが支障になっているという実情でございますれば、この改正をいたすにやぶさかではない、このように考えております。
  36. 鬼丸勝之

    鬼丸勝之君 何か運用でできるようないまお答えでしたが、省令だからこれははっきりしていると思うんですが、実はぼくも省令を正確に読んでいないが、省令の規定が何かあいまいな点があるならば、明確に改正するということをぜひひとつやっていただきたいと思います。  それから予算で救急病院に何らか助成しようとする、これは非常にけっこうなことで、私はやはり救急病院の処遇ということを経済的にも、あるいは経済的にだけでなく、何かほかの精神的にも考えていく、その根拠を法律の上で明確にしていくような制度にもっていったらどうか、こう思うのです。特に私はしろうとだからわからぬけれども、むち打ち症なんというのはやはり脳外科というのか脳神経というのか、そっちのほうの専門の診察や何かが必要でしょう。そういうものが非常に少ない。専門医がありましてもそこに殺到する。普通の救急病院ではそういう設備もないところが多いようです。これは私の郷里の福岡県でも現にそういうことで患者から苦情を訴えられている事例があるのです。だから、何とかいう権威がおる、その権威のところに持っていくのはたいへんなんで、少ないから設備なり専門家をふやすという根本的な問題ももちろんあると思いますが、どうかひとつこの救急医療体制についても、あるいは厚生省だけでなく消防庁の関係もございますから、両者ひとつ一体になった有機的な働きができるような体制に持っていってもらいたいということを——きょう消防庁関係が見えておりますかどうかわかりませんが、特に要望いたしますと同時に、先ほど申し上げました予算的なその他の助成措置をあわせて考えていただきまして、これを充実するようにしていただきたい。消防庁とあわせて要望しておきます。
  37. 信沢清

    説明員(信沢清君) ただいまの先生の御指摘のとおりでございますので、御指摘の線に沿って努力していきたい、このように考えております。
  38. 鬼丸勝之

    鬼丸勝之君 消防庁来ていますね。
  39. 中沖豊

    説明員(中沖豊君) 御質問ございましたように、搬送機関医療機関、これは密接不可分の関係にあると思っております。私どもいままで厚生省当局とも十分連絡を密にしておりましたけれども、現地においても医療機関搬送業務機関がさらに連絡を緊密にするように一そう指導してまいりたいと思っております。  なお、御承知かと存じますけれども、救急指令装置というのがございまして、これは救急自動車と消防本部署と救急医療機関とを結びつける、連絡緊密化をはかるための施設でございますけれども、これにつきましても、現在補助金を交付いたしております。こうした施設整備もはかりまして、今後さらに現地における連絡体制を緊密化することを指導してまいりたい、こういうふうに考えております。   〔委員長退席、理事千葉千代世君着席〕
  40. 鈴木強

    鈴木強君 私は先般、静岡愛知大阪の三県を視察さしてもらいましたが、いろいろ出先の皆さんや本省の皆さんの御協力で有効な視察ができましたことをこの際厚くお礼を申し上げます。さっきも長官にも申し上げましたが、今度の視察はこの委員会としては初めてでした。特に交通安全対策基本法が制定されたあとの視察だけに、地方におきましても、従来安全施設整備三カ年計画を逐次やってまいっておりますが、この機会に国の大方針を早く打ち出していただいて、それに基づいて各地方においてもできるだけやりたいという意欲をかなり持っておりました。したがって、きょう御出席の皆さんはそれぞれの関係の省庁の担当の方だと思いますから、これらの意見を十分胸におさめて、来年度予算はできるだけ大幅に持っていただいて、国民の非常に問題になっております交通戦争、これを防ぐための安全対策をぜひやっていただきたいと思います。そのことを前にお願いしておきます。時間がありませんから全部一ぺんに問題点だけを出していきますから、たいへん恐縮ですが、それぞれの省庁からお答えをいただきたいと思います。時間の関係からそういたします。今度われわれが参りました所は御承知のように大都市です。しかも死者あるいは負傷者におきましてもナンバー・ファイブくらいに入るような死傷者が多い県でございます。したがって、地元の皆さんの訴えを受け苦言を承っておるのは大都市の交通安全対策ということに限ると思いますので、その点を含んでおいていただきたいと思います。  それで第一番目に、大阪に参りまして幹線道路の一方通行をしておるのを拝見しました。これは能率的に四十五キロのスピードで行きますと、信号には全然引っかからないわけですね。非常にスムーズに動いてまいりまして、多少大阪市全体の交通から見ると、一方交通の逆にきたところが迂回しますから、不便はあるかもしれませんけれども、そのことによって信号で停車をし、不要な排気ガスを排出してその地域に一酸化炭素や亜硫酸ガス、あるいはいま問題になっております光化学スモッグなんかを生み出すような炭化水素だとかあるいは窒素酸化物だとか、そういったものをまき散らす量が少なくて済むということからいっても私は非常にいいことだと思います。ぜひこういった施策を名古屋あるいは東京方面でも幹線の道路において実施したらどうかということを考えるわけですが、この点はどうでございましょうか。  それからいまさっき総理府総務長官は永岡委員の質問に答えて、都心部ですね、東京のことを言ったのでしょうけれども、都心部への自動車の乗り入れの制限等については消極的だと、こうおっしゃいました。それはなぜかというと、六〇%が商業車だからということを言っておりました。しかし、この東京だけでなくて各大都市、少なくとも六大都市あたりにおきましては、この都心への乗り入れということですね、要するに市街の中心部に乗り入れるということについては、ある程度の規制をしてもらわなければ困るという意見がある。だからして、これはある程度犠牲というものがどこかにあっても、やるかやらぬかというそういう私は政治的な判断にかかってくると思うのです。ですから、それは時間をどういうふうに制限するとか、あるいは迂回をどうしてやるとかいうことも考えながら、ひとつこれはもう少し慎重に前向きで考えていただきたいと思うのですけれども、これは非常に警察庁だとか建設省だとか自治省であるとか、いろいろ入り組んでおるでしょうから、そういう点は相互に連携をとっていただいて、こういうことについてももっと真剣に前向きで検討してほしいと思いますが、関係省ではこれに対してどうお考えでしょうか。事務当局としてですね。  それから、いま全国で買いもの道路が八百八十七カ所、それから子どもの遊戯道路が二百七十一カ所あります。しかし、これによって確かに事故が減ったことも事実ですけれども、願わくばもう少し大きな道路においてもこういうふうなことがしてもらえないだろうか、こういう意見があるわけです。それが今度の東京における新宿から銀座、池袋、浅草ですか、この四地区が八月の二日から規制されるわけですけれども、こういうことは全体の協力がないとできないことだと思います。したがって、これはテストケースとしておやりになると思いますけれども、大阪なり名古屋なり、こういう所においてもやはりこういうようなある地点を限って開放するというようなことは、けっこうなことだと思うのですけれども、全国的にこれを推し進めていくことは考えられませんかどうですか。  それから、私は道路というものは歩道というものを確保することが絶対だと思うのです。道路でありながら人間が通れないなんて、そんなばかなことはないと思うのです。さっきも蒲原のことが出ましたが、これは蒲原だけでなくて富士川町、由比、それから興津、要するに清水にかけての一帯のところですが、たまたま私のところに来た陳情は道路局長がおっしゃったように蒲原だけですけれども、しかし、道路六百メートルのうち二百メートルは反対したけれども、四百メートルの人たちは喜んでいるわけです。だからもう少し地元が反対しているからというだけでなくて、やり方についてくふうをしていただく。天下の国道に人間の通るところがないなんというそんなばかなことはないと思うのです。そんな道路をつくったことがそもそも行政当局の先の見えない、見通しのない計画だったと私は思うのです。少なくとも道路があるところを人間が通れないなんというそんなばかなことはない。だからして、その点については絶対に私は歩道確保すべきだと思うのです。それから裏通りなんかを規制する場合でも、もし歩道のために車が入れないというなら全部シャットアウトしたらいい。車の通行規制したらいいのです。そのくらいのことをやるかたい決意がないと、私はこの交通事故はなくならないと思うのです。ですから、そういうような点を考えて、これは蒲原だけの話ですけれども、われわれが見たのは富士川町もあり、由比興津もあるわけですから、この辺一帯の実地調査ぐらいぜひしていただいて、その結果、それではどことどこに歩道をつくることによって、あるいはガードレールをつくることによって不可能でありますと、しからば二の策としてはやはりどうするかということも考えていただいて、ある程度通行車をある時間規制するとか何とか、そういうふうな思い切ったことをやっていただかないと、問題の解決にはならぬと思うのです。ですから、あまり地元が賛成していないのだというようなことではなくて、あの辺の国道一号線についてはもう少し国道管理事務所長に本省から命令を出して、もう一回検討さしてくださいよ。それでくふうをこらして、できるところはやはり歩道をつけて、国民の安全を守るというそういう方向にぜひやってもらいたいと思います。この点をひとつ建設省のほうから伺いたいと思います。  それからたとえば違法な駐車、停車ですね、こういったものが非常に多うございます。これの取り締まりを一体どうするかということですけれども、どうも車を買ったときには車庫を持たなければならぬ、車庫証明を持っていなければ認可されないはずなんですけれども、どうも最近は路上に長々駐車をし停車をして、人の迷惑になることを平気でやっております。こういう取り締まりを一体どうするかですね。今度八月十三日ですか、道交法が動き出して交通巡視員制度というのができるわけです。私は静岡名古屋大阪を見ましたけれども、それそれぞれの県で努力をしていただいておりますけれども、まだ静岡県のように、六月の県議会では補正予算を組まぬところがある。だからしてこれは九月県議会になるわけですね。そうすると、八月十三日に道交法が施行されましても、九月の県議会が終わるまではこの巡視員が生まれないわけです。こういうところもあります。われわれはできるだけその準備を進めていただいて、県議会が予算を通してくれたらすぐ動けるように事務的な準備をしておいてくださいと県にもお願いしておきましたけれども、全国的にどういうふうになっているか、私わかりませんけれども、この巡視員制度というものを活用してもけっこうですから、もっと徹底的にこの違法駐車取り締まりをしてもらいたいと思います。こういうことについて警察庁はどう考えておりますか。  それからパーキングメーターなんかももう少し復活をするようなことを考えたらどうですか。それから都心の駐車場をどんどんふやしているようですけれども、さっきも総理府総務長官とのやりとりもあったのですけれども、結局いまの東京都の場合を見ると、駐車条例というのがありますが、床面積三千平方メートル以上のビルには駐車場を設けるということになっておるのですが、こういうことをどんどんふやしていくと、結局都心乗り入れが合法化されていくので、これらはいまの情勢からするかある程度の制約を設けて、この駐車場の増設等については考えておく必要があるのじゃないかと思いますが、この点どうでしょうか。  それからもう一つは静岡県に参りまして、非常に児童に対して交通安全の教育をしてくれております。これは感謝しておりますが、しかし、それでも小学校の児童なんかの事故が多うございますね。最近登校や下校する場合に集団で動いておりますが、そこへ自動車が突っ込んで一ぺんに負傷者を出すような悲惨な事故が起きております。これはまあ警察のほうと学校のほうと教育委員会ですか、父兄なんかとよく相談をしてやられていると思うのですけれども、あの集団登下校が長い列になりますと事故が起きやすいという現象もあるわけですね。ですから、その辺もよく考えて、小グループに分けて通学するというようなことも真剣に考えてみたらどうかと思うのです。同時に、いま通学路が学校から半径四キロでしたかは通学路の指定になりますね。しかし、それ以下は児童の数によってきまるわけですけれども、もう少しこの通学路というものを長くしてもらいたいという意見もありました。この辺はどうでしょうか。あの通学路にしていただいて非常に事故が減っております。こういうようなこともありましたので、その点もお聞きしたい。  それからもう一つ最後に、大阪では南海電車が大阪市内を走っておりますけれども、そこが立体交差でないところがたくさんありました。こういうところは私は問題だと思うのですよ。東京大阪名古屋を見ましてもそういう点がたくさんあります。東京では御承知のように玉川電車が環七と交差する場合に、信号で赤のときには玉川電車がとまるのですよ。そうして環七の車が優先するということになっています。大阪の場合もそういうような方法もとったらどうですかと言ったのですけれども、考えようということになっておりますけれども、少なくとも立体交差の方向にこれを基本的にやっていただいていると思いますけれども、やはりこれは金がかかるものですから、それぞれのお役所との関係でうまくいっていないようですけれども、これはひとつぜひ少なくとも都心で平面交差がやられているというようなことは近代的都市から見ると恥しいことですから、ぜひひとつ立体交差の促進ということを大いにやってもらいたいと思います。  大体以上ですから、皆さんのお考え方を聞いて、ぜひ来年度予算の中にこれらのために積極的に生かしていただきたいと思います。
  41. 千葉千代世

    ○理事(千葉千代世君) 質問がまとめてされましたので、御答弁なさいます方々は順次挙手して御発言くださいませ。
  42. 平川幸藏

    説明員(平川幸藏君) 最初の二問につきましてお答え申し上げます。  第一問は、大都市における幹線道路の一方交通の問題でございますが、私も現地を通りまして、先生と全く同じ感じを抱いたわけでございます。御承知のように二月九日付で大都市における幹線道路の一方通行実施を交対本部で決定したわけでございます。で、その後の経過を見ますと、一方通行実施いたしました個所におきましては、事故におきまして約二分の一、それから渋滞におきまして約三割減っておるということになります。アメリカの多くの都市の例をとってみますと、この数字は大体一致しておりまして、大都市において幹線道路を一方通行にいたしますと、ほぼその数値が、事故は半減、それから渋滞度は三分の一減ると、こういう数字が出ております。こういうわけでございまして、こういう理論的な根拠もございますので、今後大都市におきましてはこの政策を強硬に施行していただくように、われわれとしては各都市に申し入れをしておるわけであります。たとえば一例を申し上げますと、札幌等におきましても、おそらくことしか来年におきましてはかなりの幹線につきまして一方通行をやる用意があるようでございます。さらに神戸市におきましても、審議会等を設けまして一方通行の問題につきまして審議する、おそらく審議するということは、やるという前提であるかと思います。  それから次に都心乗り入れの問題でございます。先ほど総務長官から答弁がございましたように、都心乗り入れの制限の問題につきましては、まず法律的な問題といたしましては道交法の問題がございますが、これは交通局長から答弁があると思いますが、総理府といたしましては、都心乗り入れ制限の客観的な条件というものをまず調査いたしたい、このように考えております。御承知のように、先ほど長官から申し上げましたように、現在都心と都心外における交通の実態が必ずしも明確にわかっていないということでございます。で、実は昭和四十三年に建設省で二億六千万をかけまして調査したパーソントリップ調査というのがございます。これはある人につきまして、利用した交通機関、その目的、そのかかった時間、あるいはどこからどこまで行ったというようなことがこまかく書かれておるわけでございまして、東京都四十万について調査した調査がございます。これを利用いたしまして、都心と都心外の車のあるいは目的別、あるいはゾーン別、そういったこまかい調査を来年度はいたしたい。それに基づいて、はたして都心乗り入れ制限についての可能性ありやいなや、あるとすればどういう方法があるかということについて、基本的な調査をいたしたいということでございます。なお、先ほど長官から答弁がございましたように、さしあたって本年度におきましても大体のアウトラインというような方向を、できる範囲において調査いたしたい、このように考えております。これはもう予算の本年度の都合がございますので、本年度調査徹底した調査はできかねると思いますけれども、ある程度の調査をいたしたい、このように考えておる次第でございます。
  43. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) 第一問の幹線道路の一方通行につきましては、いま説明がありましたように、交対本部からの指示で全国的に実施するように、私どもは指示をすでにやっております。しかし大阪の場合も全般の交通状況道路環境その他を十分に調査をしなければなりませんので、大阪の場合でもその調査関係で一年を費やしております。さらに地元の市議会、それから府議会並びに地元の道路の沿線の方々、そういった方々との調整に半年かかっております。したがってやる方向をきめましても、なかなか実現までには相当時間がかかるということを御承知いただきたい。それから東京の場合でも幾つかの案が出ております。これもすでに検討を進めておりますが、いずれは実現に達するであろう。ただし御承知のように東京の場合には碁盤の目のようになっていない個所が多いものですから、できる個所としからざる個所が相当あるということを御承知いただきたい。  それから都心部への乗り入れ規制につきましては、ただいま総務長官は消極的、あるいは慎重な、あるいは直ちにはやることには消極的というような表現をなさいましたが、現実問題としてはそのようであろうと思います。ただし、私どもは前向きに検討してまいりたい、この問題については私ども部外の学者先生方を呼んでいろいろ話を聞いております。大勢は消極的ではありますけれども、しかし私どもがまずやらねばならないことは、たとえば幹線道路の一方通行であるとか、右折禁止、あるいはコンピューターを導入して車の流れをよくし、かつ安全に寄与するといったような、社会に非常に影響を及ぼす乗り入れ規制の前にやるべきことがたくさんある、それをやった上で、なおかつお手あげの状態であるということであれば、都心部乗り入れ規制をやらなければならないということで、この場合に乗り入れ規制でも具体的な方法について実は問題がある。これは学者方は悪く申せば無責任でありまして、乗用車を禁止、制限すればよろしい、あるいはトラックは禁止、制限すればよろしいといういろいろなアイデアは出てまいります。しかしアイデアはそのまま行政につながってこない、やはり方法論として具体的にそれをどういうふうにやるかということを詰めねばならないと思うのですが、その点がいままでの議論では捨象されておるわけでありまして、この点を具体的に詰めてまいらなければ、どういうふうにやれるかということの自信が出てまいらないのです。しかし、いずれにせよこういったことは当然やらねばならないというふうに私は予想いたしますので、道交法を改正いたしまして、そういった法的根拠を入れておきたい。なお、念のために申し上げれば、全世界で都心部への乗り入れ規制を正式に取り上げているところ、あるいは成功しているところはまだない。一部部分的には昼間トラックの乗り入れ規制をしているところがあるというようなのが現状であります。  それから買い物道路その他をもっと広く広げていってはどうかというお話でございますが、私どもも当然買い物道路とかあるいは子供の遊戯道路、そういうものをどんどん広げていく方向で進んでおります。  さらに広い道路についてどうかということでありますが、たとえば繁華街につきましては、ある程度交通の安全とともに、市民生活に潤いを与える、いこいを与えるというような観点も加味しておるわけでありまして、東京の四地区のほかにも若干の候補地がございますが、これは交通上の問題でややむずかしかろうという話もあります。しかし全国的にたとえば京都の四条通り、名古屋の何という通りですか、そういうところもいま問題になっているようでありまして、私どもは近く全国の主要府県の担当者を呼んでこの方向で検討してまいりたい。ただ、私考えまするのに、単に繁華街ということは象徴的に市民にいこいの場を与えるということでありますが、より交通の安全に寄与するという観点に立ちますると、これはたとえば住宅街でありますとか、あるいは周辺地区の商店街を含んだ面的な規制を行なうということ、繁華街は部分的でありましょうけれども、それをもう少し大都市における市内全般についてやれるところを探して面規制を行なうということを考えていってはどうであろう。ロンドンでそういう試みを数カ所やって成功しているようでありますので、これをひとつならってみたい、かように考えております。  それから駐車取り締まりの問題でありますが、これは現在外勤警察官がやっておりますが、外勤警察官というのは取り締まりをやると同時に、地域住民と仲良くしなければならないという任務もまたあるわけで、いうならば、その土地の駐車取り締まりということは地域住民の反感を買うということでなかなかやりづらい面があるのが実態であります。しかしながら駐車違反取り締まりについては各県のいろいろな要望を見ておりますると非常に多いわけで、これは何とかしてやらなければならない。そこで機動隊を使うという方法、あるいは現在集団的に外勤を集めた警ら隊のようなものをつくっているところもありますが、交番とか駐在所、そういったところに張りつけられていない人を活用していくということをこれから推進していかなければならないというふうに思います。  それから巡視員につきましても、この六月に採用できたところ、あるいは九月が大部分でありますが、そういった県会の事情でおくれているところもありますが、いずれ街頭に進出できるようになれば、ただいま申しました外勤のむずかしさをこえて、そういった駐車取り締まりができる。なおこの車庫規制法の運用についても若干の改善をしております。しかしこの次の通常国会ではちょっと準備ができないのですが、車庫規制法を少しいじらないとまずいのではないかと思っております。これは意見がいろいろ出ておりますので、そういうものを調整して、いずれは車庫規制法のほうをいじって、もう少し実態に即して取り締まりができるようにしたいと思っております。  それからパーキングメーター、こういう問題でありますが、現在は建設省所管の駐車場法でありまして、建設省のほうでいま御検討になっております。現段階では建設省と私どもとで意見のすり合わせが行なわれておるわけではございませんが、私は先ほどの都心部への乗り入れ規制に関連をいたしまして、直接的に制限するよりも、パーキングメーターを設置して、駐車料金を高くすることによって、間接的に乗り入れ規制をする。そしてまた、駐車規制をするところが非常にふえてまいりますると、半面有効な駐車需要というものもあろうかと思いますので、一部にはそういう面にこたえると同時に、他面都心部への乗り入れ規制の間接的な効果を期待するという意味で、新たな観点からのパーキングメーターの設置ということを、大都市については少なくとも大々的に考えるべきではなかろうか。この点は必ずしも建設省とは同じ意見ではないかもしれませんが、今後意見のすり合わせをやってまいりたい。これを建設省がおやりになろうと、警察がやるか、あるいは市、県、そういったところがやるか、これはまあ今後の問題でありますが、そういう方向が少なくとも望ましいし、世界の大勢はそうであるというふうに思っております。  それから、集団登校については、文部省からもお答えになると思いますけれども、あまり大ぜいの人数で登校することは適当でないということがすでに文部省から通達が出されておりますが、数人、まあ十人以内の範囲、数人の範囲で登校するということがよろしい。まあしかし数人の範囲でも下校時が一致いたしますると、ついその数人のブロックがたまって長蛇の列になるという事例が多いようでありますが、学校の先生方に伺うと、そういった点も心して規制をしてまいりたいというふうに言っておられますので、そういう方向がいいんではないか。事故が最近相次いだわけでありますけれども、必ずしも集団登校自体否定すべきではなかろうと思います。これはいつかも申し上げたと思いますけれども、世界の交通警察官の会議のときに各国の人の話を聞きますと、スクールパトロール隊というのを非常に活用しております。わが国でどうしてうまくいかないのかわかりませんが、外国でほとんど事故がないということを言っております。これは道路環境の関係もあろうかと思いますけれども、そういった面で、スクールパトロール隊的な集団登校ということは、やはりいろんな配慮はしなければいけないと思いますけれども、方向としては堅持すべきではなかろうかというのが私どもの見解であります。
  44. 高橋国一郎

    説明員高橋国一郎君) 御質問の第三点に歩道設置の問題が出ておりました。先ほども由比蒲原付近歩道の問題で御指摘があったわけでございますが、先ほどの国道一号線の個所につきましては非常に狭隘でございますので、歩道設置は非常に困難かと思っております。けれども、御指摘のようにたいへん交通も混雑しまして、事故発生もしておりますので、できる限り歩道設置するように指導したいというふうに考えております。何べんも申し上げますが、しかしそれは抜本的な対策ではございません。やはり新しい道路を早くつくることが私は抜本的な対策だと思いまして、そのほうもあわせて促進してまいりたい。  それから六番目の通学路の問題につきまして、建設省立場からお答え申し上げたいと思いますが、七月の初めに、私たちのほうと文部省と協力いたしまして、学童の通学路につきまして、もう一度詳細な調査をお願いしております。その結果が八月の中旬に集計されるわけでございますが、それをもとにいたしまして、ただいまのわれわれの緊急措置法によりますというと、五百メートル以内の区域というふうな制限がございます。それから一日におおむね四十人以上の通行する道路というふうな二つの制限をされておるわけでございますが、この点についてもう少し再検討したいと思います。もう少し拡大したいということと、それから国道なり県道が通学路に使われている場合に、歩道がなかなかつくれない場合が多うございます。そういう場合には裏道に市町村道なり、たとえば農道でもけっこうだと思いますが、そういう道路がありまして、通学路に指定されるならば、新たに今度はそういうものに対しても補助したらどうだろうか。通学路として指定して国で積極的に補助して、むしろそちらのほうを国道なり県道の歩道的な性格に切りかえまして、そちらのほうに補助して整備さしたらどうだろうかというふうなこともあわせて検討したいと思います。  それから最後の立体交差の件につきましては、建設省といたしましては積極的に進めたいと考えております。以上であります。
  45. 橋本真

    説明員橋本真君) ただいまの集団登下校の編成、人数の問題でございますが、これにつきましては、いままで何回も通達を出しまして、その実施計画とか、あるいは集団登下校の訓練、それからまた人数等につきまして一応のパターンを示しまして、指導いたしております。特に人数につきましては、その道路事情とかあるいは道路整備状況または交通状況、そういったことの実情に即してきめられることでございますけれども、先ほど警察庁からもお話がございましたとおり、通例五、六人程度、多くても十人程度が適当ではなかろうかという観点から指導いたしております。また通学路の問題につきましては、いま建設省からお話がございましたが、私どものほうも都道府県教育委員会あるいは市町村の教育委員会等にも通知を出しまして、調査に十分協力するようにという意味の協力体制をしいております。
  46. 沢田実

    ○沢田実君 道路局長に一つだけお尋ねしたいんですが、いま報告がございましたように、静岡県は交通事故多発県になっておると思います。それでそのおもな理由の一つは、先ほど来お話がございますように、国道一号線が県を縦貫しておる。各都市が全部その町の中を国道一号線が通っておるわけです。そして、その対策としていろいろなことが議論されましたが、局長もおっしゃっておるように、バイパスを早急につくることだ、そのとおりだと思います。静岡にまいりますと、バイパスを早く完成してくれという声が非常に多いわけですが、現在は特に富士静岡の間が一番ひどいわけですが、完成予定はどうなっておるか、いまの国道を勘案してどこまで工期を縮めることができるか、その点をお尋ねしたいと思います。   〔理事千葉千代世君退席、委員長着席〕
  47. 高橋国一郎

    説明員高橋国一郎君) ただいま富士由比バイパスと称しましてやっております工事は、清水市の興津の町から発しまして、富士川を渡りまして、田子の浦の港を越えまして、国道の依田という地区になりますが、達する道路でございまして、その延長が二十四・三キロでございます。そのうち今年度末、つまり四十六年四月までには大部分二十キロ三百の供用開始をすることになっております。これが供用開始になりますと、由比町、蒲原町を初め富士川町、富士市、すべて現道を通らずにバイパスに乗ることになると思います。ただ、終点の東海道線を渡る田子の浦港付近用地買収が難航いたしまして残っておりますが、これも四十六年度末には完了する予定になっております。以上であります。
  48. 山口真弘

    説明員(山口真弘君) 先ほどの鈴木先生の御質問の第八問、南海電鉄の立体交差に関する問題でございますが、これは東急の玉川線のような、一種の路面電車的な性格の非常に低速の鉄道というような場合に東急のような場合があり得るわけでございますが、一般的に申し上げますと、鉄道の場合には非常に高速でございますし、またそれがダイヤによって輸送が行なわれておるということ、それから一個列車による輸送量が非常に大きいということ、それからもう一つこれは鉄道の特性でございますが、制動をかけてもすぐにはとまれないという鉄道の技術的な特性があるということ、というようなことで、踏切に車が入った場合には、運転手のほうがこれを見つけてブレーキをかけても間に合わないというのが通常でございまして、したがいまして一般的にはやはり踏切に対する規制ということをするというのがやむを得ないのじゃないかと思います。そこで踏切道整備を三十六年以来非常にやってまいりまして、これは特に道路交通法によるところの一時停止の励行という、非常に警察庁のほうの御協力をいただいて踏切事故が減ってきたのでございますけれども、しかしながら昨今の情勢はやや減ってきた状態がとまってきている状態でございまして、いままでのような単に保安設備だけを整備したのでは、踏切事故は今後減っていかないんじゃないかということを私ども考えております。先生御指摘のように、どうしてもこれは踏切と道路の、道路と鉄道の交差を抜本的に解決する立体交差の方向というものにやっていかなければならないというように考えております。先般国鉄につきましては、国鉄財政再建計画というものを打ち出しまして、その中におきましても、保安の強化というものが国鉄財政再建のやはり根本的な態度でなければいかんということでございまして、そういう方向にやはり努力をいたし、私鉄につきましては、第三次輸送力増強並びに踏切及び運転保安工事計画というものを策定いたしまして、現在着々それの工事の実施中でございます。私どもこういった方面につきまして十分力を注いでまいりたい。特に、来年度は先生御指摘のように、この抜本的な問題に取り組んで積極的にやっていかなければならぬ時期に私どもきているというふうに痛感をしていますので、この方面の促進につとめてまいりたい、このように考えております。
  49. 二木謙吾

    ○二木謙吾君 ただいま鈴木委員長から静岡愛知大阪等を視察されて御質問があったのでございますが、私ども非常に参考になったのでございますが、違法駐車の件について質問がございましたが、これはいま車庫が現状ではない。全国の都市どこでも違法駐車が非常に多い。これがために道路の効果を半減いたしておるのでございますが、この違法駐車をなくする、こういうことが私は交通安全対策の一つの大きな柱ではないかと思うのですが、いま外勤の警察官がこれをやかましく言われる、そうするとハエを追うようなもので、ちょっとは逃げるけれども、また出てくる。それの根本的な対策を講じなければいけない。欧米先進都市では勤労者の住宅を建てても、必ずそれに車庫をつけて建てている状況でございますので、ちょっとお尋ねしたいのは、日本でも自動車を許可される際に、車庫があるかどうかということを検査をして、そうして自動車の許可をされておるかどうかということをまず一点お尋ねしたいと思います。
  50. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) 御承知のように、日本では車庫規制法がありまして、車庫ではありませんが、車を置く場所を持っておることが前提となって車の登録が認められるということであります。ところで、この車庫規制法というのはきわめて画期的なものであって、外国の人は、日本でよくもそういった法律ができるものだな、私どもが立案すれば自分は首であるということを言う責任者がいるそうでございます。さように画期的なものだけになかなか実態と適合しない。つまり抜け道がいろいろあるということで、車庫規制法がそのままフルに活用されておらないという点がございます。したがって、現にたとえばアメリカが、おそらく義務づけしているわけではないと思いますけれども、個人住宅に車庫があるのが相当あります。しかし、たとえばヨーロッパあたりですと、アパート生活が都市では普通でありますから、そういったところは車庫の持ちようがないといったようなこともあります。そういう日本と外国の相違といったことも踏まえて、結局各人が具体的な車庫というものを個人のうちにつくるということはおそらく不可能ではなかろうか。したがって車庫規制法をもう少しうまく適用していくような方法、それから取り締まりをもう少し厳格にやっていく方法、そういう両方から補完していくよりしかたがないのではなかろうかと思います。
  51. 二木謙吾

    ○二木謙吾君 いますべて個人の家に必ず車庫を持つということは困難な点も市街地ではあるかもしれない。けれども駐車を非常にやかましく取り締まってもらうと、車を預けるところをこさえるわけであります。それをこさえている、私の市でも。そういうところへ持っていって預けておけば、自分の家に車庫を持ったと同じでありますから、そういうことをひとつ厳格にやってもらいたい。そうして違法駐車をなくする。いまの外勤の警察官がいかれても、顔なじみになっているからやかましく言われぬものですから、徹底しない。その点を警察庁のほうから各警察署へ厳重にひとつ通達されて、違法駐車を必ずなくせ、こういうことをやられれば、私はできぬことはないと思う。そうすると道路の効果があがってくると思う。道路幅を広くするというけれども、これはまたなかなか金が要ることでありますが、いまのほうは、徹底的に取り締まりを厳重にされるということで道路の幅員が十二分に活用できる、こういうことになるのだから、せっかくいまの法律があるのですから、あなた方のほうで徹底的な通達を各警察署に出されて、違法駐車がないようにひとつやってもらいたい。特にお願い申し上げておきたい。
  52. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) そういう方向で大いに努力をいたしたいと思います。
  53. 永岡光治

    ○永岡光治君 時間がありませんから、項目をまとめて質問をいたしますから、関係の部局のほうから責任者の答弁をお願いいたします。  その第一点は、例の信号とか道路標識とかいう、いわゆる交通管理緊急整備という問題があるわけですが、これは公安関係だと思うのですけれども、これは予算を伴う関係もありますので、道路拡充整備計画のときには、これは建設省のほうで十分ひとつ公安関係と相談されまして、ぜひ建設関係の予算の中にそれを含めて整備される計画が必要だと思うが、その点についてどう考えているか、それが一つ。  それから結局歩行者及び自転車というのが高速車の中にまじりますと、事故の起こる原因になりますので、私は歩道をつくる場合には自転車歩行者と一緒に歩ける、そういうことを考えながら歩道をつくったほうがいいのじゃないかと思うが、道路拡充計画の中にそういうことを考えられるかどうか、それが第二点。  次は通産関係ですが、鉛等の燃料規制の問題があります。それから無公害車の開発の問題も当然問題でありますが、この二つについて、これは通産省は積極的な指導を業者にしているだろうと思いますが、その具体的な指導方法と、その見通しですね、いつごろ大体これが目的が達せられる見通しなのか。この点は通産省。  それからもう一つは車両保安基準の問題でありますが、これは運輸省関係ですけれども、この改正をする必要があると私は思うのですが、される意思を持っているかどうか。もし意思があったとすれば、どういうような構想でこれを考えているのか、その点をお尋ねをしたいと思います。  以上御答弁をいただきまして、私は質問を終わりたいと思います。
  54. 高橋国一郎

    説明員高橋国一郎君) ただいまの最初の御質問は、警察庁の計画しております交通管理体制整備五カ年計画の中に、道路標識等の道路管理者の設置すべきそういう施設も入れたらどうかという御意見であります。これにつきましては、警察庁ともまだ詳しく御相談しておりませんが、まあ考えられることでございますので、よく相談いたしまして、もし一緒にできるようならば一緒にしてもいいのじゃないかというふうに考えております。私、実は内容をまだ詳しく存じておりませんので、具体的に警察庁と御相談を申し上げて、入れられるべきものならば入れたいというふうに考えます。  なお、つけ加えて申しますというと、一昨年の飛騨川の大事故が起こりまして以来、道路管理者といたしましては、ああいう災害に対処するために事前に交通規制と申しますか、道路通行をとめたいというふうなことから全国各地調査をいたしまして、危険個所にはそれぞれ標示板などを設けています。それも一つの交通安全の管理施設かと思いますが、ものによっては電動——電気を用いまして自動的になるようなものもございます。そういうようなものは相当金がかかる。こういう施設があるいはこの中に該当するのかどうかと存じますけれども、これも今度のわれわれの緊急四カ年計画の中にもそういうものを含めようかとも考えておりますので、その辺どちらのほうがよろしいか、あるいは警察庁のほうとも相談いたしまして、自然一本の法律になる可能性が非常に強うございまして、その場合には一緒に相談して入れられることになると思いますので、その点十分検討させていただきたいと思います。  それから第二点の、歩道をつくる際に自転車道をつくったらどうかということでございますが、ただいま道路構造令の改正の準備を進めておりまして、早ければことしの秋には多分道路構造令が新たに改定されることになると思いますが、この新しい道路構造令の中には、自転車歩行者通行帯と称しておりますが、車道の外に自転車歩行者のための通路をつくるように規定されております。御承知のように市街地におきましては通常歩道を必ずつくるわけでございますが、もし自転車の非常に通行の多い都市でしたら自転車道も別につくってもいいということになっております。したがいまして、今後新しくつくられる道路につきましては、歩道と別に自転車道をつくる場合もございますし、ときには自転車歩道とが一緒になるような自転車歩行者通行帯というふうなかっこうでできることにもなるかと思います。以上でございます。
  55. 永岡光治

    ○永岡光治君 通産省の答弁の前に、いまの道路局長の答弁の中でございますが、道路拡充整備計画を進める上について、公安関係のほうではなかなか予算が取りにくいので、建設省の予算の中ならばかなり融通がつくのではなかろうかというおそらく希望が私はあるやに聞いておりますので、おそらく荒木大臣も何かそういう話をしたとかしないとかいう話も私聞いておるものだから、それならば一緒に考えてあげたらどうだろうかと、こういう意味で管理体制強化をしたらどうだろうか、こういうことを申し上げているので、まあ向こうがどうこうじゃなしに、おたくのほうも向こうはそういう希望が強いようですから、ぜひそれを取り入れて一緒に整備をされるように、拡充される場合には考えたほうが非常に早道であるし、また都合がいいんじゃないかということで、そういうことを考えたらどうかと、こういうことを聞いておるわけです。
  56. 高橋国一郎

    説明員高橋国一郎君) 先ほど長官からもお話が出ましたが、ただいま道路整備五カ年計画はことしの三月に閣議了解しましたが、財源がきまっておりませんので、四十六年度予算編成時までに財源をきめるということに閣議了解いたしております。ただいまそれで検討中でございます。まあその中にこれが属するかどうか私は存じませんが、従来の考え方は道路管理者の守備範囲とそれから公安委員会の守備範囲とがきまっておりまして、それぞれ別途の予算でもってそれぞれの分野を整備しておるかっこうになっております。したがいまして、今後そういうふうになるのじゃなかろうかと思いますが、いま先生の御質問のような向きがございましたら、当然建設大臣にもお話申し上げまして御指示を仰ぐつもりでございますが、私の段階では現在のところ御返答できないような状況でございます。
  57. 永岡光治

    ○永岡光治君 まあ善処してください。  通産省のほうから……。
  58. 斎藤顕

    説明員(斎藤顕君) ガソリンの無鉛化計画につきましては、先般新聞等でも発表になりましたように、御承知いただいていることと思いますけれども、六月五日にガソリン精製メーカーに対しまして、現在の自動車走行上差しつかえないオクタン価を維持しながらどこまでガソリンの中の加鉛量を減らすことができるかということについて通達いたしました。その結果七月一日以降発売されるガソリンにつきましては、トータルいたしまして、従来のガソリンの中の加鉛量に比べまして四〇%の減という結果が出ております。しかしこれはあくまで緊急かつ暫定的な措置でございまして、長期的な問題といたしましては、現在産業構造審議会の中の自動車公害対策委員会で案を練っております。この答申は八月中に中間的な答申が出てくる予定でございます。しかしながらこの中に盛られますところの無鉛化対策ということについては、現在大まかな見通しを立てておりますけれども、昭和四十九年の四月一日からすべてのガソリンを無鉛化することが可能であろうということが答申される予定でございます。  なお自動車につきましては一酸化炭素、炭化水素、窒素化合物等の排ガス対策、これらのために触媒コンバーターを自動車設置する問題、あるいは無鉛化のガソリンでもエンジントラブルを起こすことなく走り得る車、そういうようなことに関しましても、この答申の中に盛られる予定でございます。その答申の線に沿いまして、今後行政的な措置を進めていきたいというふうに思っております。
  59. 野村一彦

    説明員(野村一彦君) お答えいたします。  永岡先生のお尋ねの件でございますが、まず第一点は、車両の保安基準の改正についての検討でございます。これにつきましては、目下私ども研究を進めております。まず歩行者安全対策という面から、車両の保安基準がいかにあるべきかということで検討を進めておりますし、もう一つは一九六八年に改正されました国際条約がございますが、これを取り入れまして検討を進めておりまして、これは近く結論を得ますれば省令として実施できる運びになると思います。  それから鉛の問題でございますが、これはいま通産省から御答弁がございましたが、私どもといたしましても、自動車のユーザーサイドに対して六月六日でございますか、ユーザーサイド、それから自動車整備、そういうものに対しまして、極力レギュラーガソリンを使用するような通牒を出しまして、同時にレギュラーガソリン使用の可能な型式の自動車を公表いたしまして、こういう自動車についてレギュラーガソリンを使用するようにということを指導いたし、すでにこれはその方向で実施が行なわれております。それから無公害自動車につきましては、私どもも先般七月一日に交通安全公害研究所というものが新たに独立機関として試験研究機関ができましたので、ここを中心に各方面と連絡をとりながら検討を進めている、こういう状態でございます。以上でございます。
  60. 平川幸藏

    説明員(平川幸藏君) 道路管理の問題でございますが、総理府の立場としてお答えいたします。道路管理内容、いろいろ機能と申しますか、そういうものを分析いたしますと、道路自体をまず善良な状態において保存するということ、それから交通を規制するというような規制権の問題、それから事故が起こりました場合における救急の問題、そういったような内容を含んでいるかと思います。しかも道路の種類によりまして、いろいろその管理内容も異なってくるかと思います。たとえば高速道路のような閉ざされたような状態における道路と一般の道路とを同列に考えていいかどうかという問題もございます。要は道路を本来の機能にしたがって効果的に維持し、かつ交通安全を確保していくということが最大の目的かと思います。こういった点につきまして、実は建設省のほうからも御意見もございますし、警察庁のほうも当然御意見があると思います。こういった点につきましては、今後総理府におきまして十分両者の意見を聞きながら、最大の目的道路の効果的な使用と交通の安全ということを目標にいたしまして、十分調整してまいりたい、このように考えている次第でございます。
  61. 千葉千代世

    千葉千代世君 文部省にお尋ねいたしますけれども、万国博覧会の開催中で、夏休みを迎えて子供たちがたいへん見物に行くわけなんです。まあおもに保護者がついていくわけですけれども、学校では大体どういうような指導といいますか、方法をとっていらっしゃるのか。私の聞きたいのは、子供がたとえ一日校外教育に行くのでも、教師が実地踏査をして、そして慎重に教授するわけなんです。ところが、万博に限っては、これは全国の教師が実地踏査するわけにもいきません。したがいまして、いわゆるマスコミによって口伝えとかそういうことで行く。端的に言えば、子供たちがやっぱり競争して見に行きたいということが多いわけなんです。これは一つの学校の例で、東京近辺の学校ですけれども、ことしは海へも山へも行かないで万博に行くというのがたいへん多いわけなんですね。おとうさんの会社の休暇の申請を見ていっても、大体万博に行っているというのが多いわけなんです。おとうさんも見たい子供も見たいということになっていくのかどうか、それはわかりません。それからその教育的価値についても、きょうは文教委員会ではありませんから私いま議論する気持ちもありませんけれども、要は、この交通ラッシュのときに、たいへん暑い最中に、それに拍車を加えて全国から子供が列車に乗って長途の旅をして行く。こういうことに対して文部省、厚生省はどういう適切な指導をされたかということについて……。
  62. 橋本真

    説明員橋本真君) いま万博ということに焦点を合わせての御質問でございますが、私どものほうで、特に万博ということで安全教育ということの指示をしたことはございません。ただ、全般的に交通安全教育、特に休み中の交通安全教育ということにつきましては、機会はあるごとに日常の交通安全教育の中で、一人一人の子供が安全を確認して行動するように指導するとともに、PTAとかあるいは町内会、あるいは地区子供会、あるいは警察署と家庭とか、地域社会の理解と協力を求めるように学校教育当局者には指導いたしております。  それからまた、休み中の特に遊び場というような観点から先ほどもお話が出ましたが、いわゆる青少年の活動促進という観点、あるいは交通安全教育という観点から、小学校あるいは中学校の校庭開放ということをやっております。これにつきましても、四十三年に五百校、四十四年に七百五十校、四十五年は一応千校分を見込んで予算措置を行ないまして、交通安全というような観点からの遊び場の確保ということにつとめております。
  63. 千葉千代世

    千葉千代世君 時間の都合で進みますけれども、交通安全の問題についても、この前の予算で交通安全教育センターの設置というので四十五年度予算が出ていますね。二分の一補助ですか三分の一補助ですか——二分の一補助になっておりますね。それと全国で四十六カ所設置するという、これは新しいことになっているわけですけれども、これらの設置については、要綱を見ていきますと、やっぱり企画して具体的な要綱を出して、そして文部省の体育局に出すように、こういうことになっていますね。現段階ではどういうふうな状態になっているんでしょうか。おわかりなら……。
  64. 橋本真

    説明員橋本真君) お答えいたします。  いま御指摘のございました交通安全教育センターの補助金の予算でございますが、これは昭和四十三年から御承知のとおり始めたものでございまして、四十三年は一応四十六カ所を予定いたしまして、実際にいたしましたのが三十八カ所でございます。それから昨年の四十四年もやはり四十六カ所で、実際に補助いたしましたものが四十八カ所になっております。本年もやはり同じく四十六カ所で、現在申請等が出てきているところでございますので、まだ集計その他は途中でございますのでいたしておりませんので、こまかい数字はいまちょっと手元にございません。
  65. 千葉千代世

    千葉千代世君 先ほど山中長官が、各省庁から出ました交通安全対策についての予算編成のときに調整して前進の形をとると言われたのです。そうしてみますと、文部省自体の中でも関係省庁についても当然連絡をとっているわけですね。具体的に言えばいまの交通安全教育センターの問題、それから厚生省関係で言ったならば、一つの例をとってみますと、児童公園なんかについての整備ですね。そういうふうな問題の予算措置、これもやはり交通問題と無縁のものではないわけです。子供の遊び場というもの、交通事故をなくしていくという一つの観点から非常に大事な問題だと思うのです。そういう総理府が全体の省庁の調整をするということをおっしゃたのですが、文部省自体も子供の問題に対しては、関係省庁と十分に連絡をとって進めていられるわけですか。これは厚生省にも伺いたいと思いましたが、時間の都合で略して、あなたのほうから聞きたいと思います。そういう連絡をおとりになっておりますかどうですか。
  66. 橋本真

    説明員橋本真君) 総理府の陸上交通安全室のほうとすでに連絡をとりながらやっております。
  67. 千葉千代世

    千葉千代世君 総理府だけじゃなくて、たとえば厚生省関係等の児童公園の設置整備費とか拡張費とかあるいは増設とかね、そういうふうな問題、文部省と厚生省ね、こういう連絡をとって予算編成を組んでいらっしゃるのですか。下校したあとの子供の。
  68. 橋本真

    説明員橋本真君) それは私のほうから直接はやっておりませんが、総理府のほうで一括してやっていただいておると意識しております。
  69. 千葉千代世

    千葉千代世君 では、これは要望ですけれども、総理府にまかせるのはもちろんけっこうですけれども、やっぱり文部省自体が中心となって、子供をかかえた文部省、それから子供の中心になっている教育、遊び、そういうことと関連して厚生省関係ともやっぱり直接に連絡をとりながらやっていかないと、ただ総理府自体にまかせっきりということもどうかと思うので、要望して予算をうんと取っていただきたいという趣旨なんです、私は。  それから交通安全教育センターでもたいへん少ないのですね。二千八百万円ですか、四十五年度。そうですね。そうすると、全国四十六カ所の二千八百万円というと、しかも二分の一補助なものですからごく少ない。これはこの前の予算の審議のときにもたいへん出ましたのですけれども、ぜひこれはひとつふやして有効に活用していかなければならないのじゃないかということなんです。  それから先ほどの質問の中に集団登校下校の問題があったのですが、それに関連してこれは交通局長さんのほうへ伺いたいのですけれども、学校の近くに「文」という立て札というのですか標識がございますね。あれは道交法の中ではどういう——たとえば警戒標識であるとか、何かそこの近所に行ったらばどうするとかいう道交法の中に規制がございますか。
  70. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) 「文」というのは昔の標識だそうでして、現在はよくお見かけだと思いますけれども、子供が二人連れで歩いているような標識がございます。あれについては、通学では学童の横断歩道という標識になるわけですが、それについては、学童を認めた場合には車は徐行しなければならないという規定がありますので、そういった効果を持っております。
  71. 千葉千代世

    千葉千代世君 それは道交法の中にございますのですか。
  72. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) 標識令の中にいろいろな標識が書いてありますが、そのうちの一つであります。そうして、この標識そのものとの直接のつながりは道交法ではないのですけれども、道交法の中で、子供を認めた場合には当然そのそばにいる者が注意をしなければならないという規定があるわけですが、その横断をする場合に車が一時停止もしくは徐行しなければならないという規定が別にある。それを総合的にいわば明示をするという効果を持っておると思います。
  73. 千葉千代世

    千葉千代世君 その標識は横断のところだけでしょうか。たとえばさっきの通学道路の問題で、学校から五百メートル以内云々という話があったんですけれども、これは規制はどこで……。
  74. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) これは通常横断歩道のところに置いてありますが、厳密に申し上げますると、標識令では「学校、幼稚園、保育所等あり」ということになっております。そこで通学路というのは、これは前の第一次計画と併存して安全施設等の整備について通学路があったわけでありますが、学校、教育委員会、警察、それぞれ協議をしてそういうものを設定して、そして予算の範囲内においてそういうようなものを整備する、あるいはガードレールを整備する、そういうようにやっておったと思います。
  75. 千葉千代世

    千葉千代世君 これは道交法の中にきちっと織り込むというわけにはいかないでしょうか。というのは、いま局長さんのお答えになった中に、横断歩道で、それから横断歩道の標識に沿ってとまるということですね、車は。そこに子供の学校の標識があると、だからという、つまり付加したようなことにとれるわけなんです。私はやはりこれは道路交通法の中にきちっと入れていただくということが一番いいんじゃないかと思うんですけれども、多少繁雑にはなりますけれども、そう思いますけれどもどういうものでしょう。御検討していただけませんか。
  76. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) いまの段階ではこの標識令という総理府令と建設省令の共同令でまかなえると思うんですが、問題は、こういった標識がある場合に車がその標識を見ただけで一時停止をするように道交法に規定したらどうだろうかと、こういう御発言でしょうか。
  77. 千葉千代世

    千葉千代世君 これは一がいに、見たらすぐというわけではございませんけれども、そこに標識があれば注意して、警戒していくということですね。それから横断のところにありますから横断標識に沿ってそれをやるということですね。ところが、学校の近くの横断のところだけがそれがあるということですか。ほかにもあるんじゃないでしょうか、学校の近道に。
  78. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) おそらく横断歩道がない場所も当然あります。横断歩道がなくて子供が事実上横断する場所がありますから、そういったところには当然つけておると思います。
  79. 千葉千代世

    千葉千代世君 そういうふうに私の申し上げるのは、さっき言ったように表でなくって、通学路を農道であるとか裏道であるとか、子供の通るのに安全な場所を指定して、それに補助金を出して道路整備したらというお話が出ましたね。そうすると、いま言いました標識も必ずしも横断歩道ではなくっても、いま局長さんのおっしゃったように家と家との間の相当広いところがあります。その横からひょっと出てくる。あそこで車にぱっとやられるわけです。ですからそういう意味で、やはりこの点について考えていただきたいということの要望を出しておきます。  それから続いて、これは全然別の問題なんですが、ずっと前の当委員会だったと思いますけれども、これは長官からだったと思いましたけれども、都市の非常災害のときの対策、それについて伺ったんです。具体的には東京なら東京が震災等一朝事のあったときに、こんな交通状態の中で避難場所を一体どこに設定してどういう処置をとるようになっているのかと聞いたらば、お手あげの状態で、それで今後十分検討して対策を早急に立てるということをおっしゃったことがあるわけです。そうしますと、いまいろいろ述べられたように一番心配なのは、東京で都心部の交通規制についてはこれはたいへん英断だと思うし、これも恒久的にやっていただきたいと思うけれども、それ以前に車を規制して、車の製造についてもきちっと配慮させよということについても当然注文つけられてくるわけですが、私はそれと同時にやっぱり災害のことを予想したときに、東京都内はほんとうにもうお手あげの状態じゃないかということを考えていますが、その後その対策はどう立てられているんでしょうか。
  80. 久保卓也

    説明員(久保卓也君) 私は記憶いたしておりますが、消防庁のほうに御質問になって、それで……。
  81. 千葉千代世

    千葉千代世君 ああそうですか、失礼しました。
  82. 久保卓也

    委員長(久保卓也君) やや御満足のいく答弁ではなかったろうと思うんですが、ただ避難場所の設定は、これは東京では行なわれております。これはおそらく消防庁のほうであろうと思います。それで避難場所が設定されても車がそこへ殺到するようになれば事実上行けないのじゃないかという御質問であったろうと思います。この点については私に御質問がなかったので当時お答えしませんでしたが、そのことについてはそれぞれの都道府県本部で計画を立てております。具体的な計画を持っております。
  83. 千葉千代世

    千葉千代世君 その具体的な計画を聞きたいわけなんです。それは消防庁長官でした。全然身もふたもないように、どうにもしようがありませんというようなことだった。たとえば自動車排気ガスの問題も述べられたわけですが、それよりも、同時にもし一度火がついたとなったらずっと火の海になってしまうでしょう。そういうときにどうなんでしょう。駐車しているのもあるし、一台も進めない。そういうことがあったら、具体的にやっぱりそれじゃどうするかということがなかったらば、きょうの日にもし震災でもあった日には一体どうなるのだろうかということになって、それで避難場所は何カ所あっても、行けなければ海上に逃げ出すということも容易じゃない、東京都の中じゃどこへ逃げるということもできないでしょう、ということになる。警察庁としてもそれは考えてなさることなんでしょう。消防庁もただ消せばいいということじゃないでしょう。どういうことなんですかね、その分担は。
  84. 平川幸藏

    説明員(平川幸藏君) この問題は私のほうの所管ではございませんで、実は災害対策基本法という法律がございまして、防災基本計画を立てております。それの中に、私内容はよく承知しませんが、あらゆる場合を想定しましていろいろな関係の避難場所等につきましても規定しておるはずでございます。したがいまして、所管といたしましては内閣審議室というようなことになるかと思います。
  85. 千葉千代世

    千葉千代世君 もうこれでやめますけれども、そこで私は交通安全については抜本的に一貫した対策がないといけないのじゃないかということをさっき長官に申し上げたわけなんです。というのは、何といっても交通麻痺ということがある限りはこれはもう解決できないわけなんですね。どんなにうまい案を立てても、自動車がこういうふうにずっと一ぱいある限りはどうにもならないということが出てくるわけです。そういう意味で、帰するところはやっぱりこの交通麻痺の解除ということにあるのじゃないかということを考えて質問したわけなんですから、きょうは時間もございませんので、ひとつ次の機会に納得のいくような、避難場所でもよろしいし、対策についても研究体制でもよろしいのですが、お示しいただきたいと思います。
  86. 平川幸藏

    説明員(平川幸藏君) 御質疑の点はよく審議室とも連絡いたしまして、そのように伝えておきます。   〔委員長退席、理事千葉千代世君着席〕
  87. 鈴木強

    鈴木強君 時間がありませんから、通産省と運輸省のほうにお尋ねいたしますが、実は静岡県の富士市にございます国際貿易港田子の浦ですね、ここでヘドロという公害のためにこの港の機能が麻痺寸前になっておるという問題がございます。この問題の内容をちょっと拝見しますと、この港は一日に三千トンもの割りで流れ込んでくる。紙をつくっておるのですね、あそこは。製紙かすの腐ったヘドロが航路を埋めてしまう。それで貨物船の航行が不可能になってきておる。田子の浦には港湾管理事務所がありますが、そこでヘドロの港内移動作業を始めたところが、作業員十一人がヘドロにやられてしまって、硫化水素でガス中毒を起こして倒れて作業ができなくなってしまった。そうしている問にどんどん流れ込んでくるヘドロというものは駿河湾の沿岸漁業にも影響を及ぼしてきておりまして、アワビトリの漁民五十数人が全身に発しんを起こす事件が起きておりまして、ヘドロというものがたいへん広域化して問題になっておる事件でございます。そのヘドロというのは、この港が大体一万トン岸壁で水深が九メートルくらいあるのですけれども、このヘドロが二メートルから多いところは五メートルも埋まっておる、たまっておるというようなことがございまして、五月中旬には貨物船がヘドロに乗り上げています。それから六月二十一日には砂利運搬船の冷却水のパイプにヘドロが詰まってしまった、こういうような事件がございます。通産省は現地を見ておられると思いますので、この工場の排水処理について具体的にどういうような措置を直ちにやろうとしているのか、この方針を伺いたい。  それから運輸省には、国際貿易港に指定されたのは四十年の四月であります。したがって、この機能が喪失するというような重大段階に立ち至っておりますが、県がこれはおそらく管理をしていると思いますけれども、県に対して適切な措置をどういうふうにいままでとってきたのか、また今後の対策はどうするのか、これだけをひとつ伺いたいと思います。
  88. 宮本二郎

    説明員(宮本二郎君) お答えいたします。  田子の浦港の現実は、ただいま先生がおっしゃいましたように、非常に浅く埋まりつつあるような状況でございます。私どもといたしましてはこの事実を知りまして、現在緊急対策を準備中でございます。これにつきまして若干の経緯と実情とを御報告させていただきたいと考えますが、静岡県の富士市を中心といたしますところは日本最大の製紙産業地帯でございまして、産地を形成いたしております。工場数約百四十ございまして、中小企業が約百十を占めておるわけでございます。それで早くから農業用水の汚染というトラブルがございまして、昭和二十六年以来静岡県は専用排水路、これを岳南排水路と申しておりますが、これをつくりまして、最終的には共同で終末処理場をつくり海中に放流する、こういう計画で専用排水路をつくっておるわけでございますが、現在はその前期計画ができたところでございまして、まだ完成いたしておりませんわけでございます。その後たしか昭和三十四、五年でなかったかと思いますが、田子の浦港開設されまして、ちょうど現在のところその排水路が田子の浦港に注ぐような状況になっているわけでございます。そこで県といたしましては、最終的に排水路を建設いたしまして、海中放流するまで持っていく計画を持っておったのでございますが、いろいろ漁業者の反対、あるいは資金面の問題もあったかと思いますが、まだその計画が着手に至っておりませんわけでございます。それで県といたしましては、田子の浦港にだんだん汚濁物質が入りますので、長い間それを自分でみずからしゅんせつして港湾機能の維持をはかっておったと思います。しかるに、港外にそれを捨てておりました関係上漁業者の反対がございまして、本年の三月から中断いたしております。そのために急に浅く埋まってくる、こういう状況になったわけでございます。それでそういう実情を知りまして、私どもといたしましては、別途運輸省のほうで港湾管理者でございます県を督励いたしまして、そのしゅんせつの準備をいろいろ進めておられると思いますが、通産省といたしましては、その後続を断つ必要がある。こういう観点から急遽これには強制力を動かすようにいたさなければなりませんので、排水口で水質基準を急遽きめねばなりません。この水質基準は非常にいろいろの指標がございましてなかなか調査が要るわけでございますが、暫定的にとにかく浮遊物質だけの規制をやっていただきたい。こういう観点から、水質基準をきめますのは経済企画庁でございますので、経済企画庁に要請いたしまして、経済企画庁では急遽その準備を進めておられるということを聞き及んでおります。この基準ができますれば、私どもといたしましては、これに基づきまして、元来専用排水路でございますので、規制はせぬでもいいということで専用排水路はできたような現地の実情でございますので、そういう過去の経緯はさておいて、急遽排水口の規制実施いたしたいと考えております。なお私どもといたしましては、ここには中小企業が非常に多うございますので、急に規制いたしましてもなかなか実際問題として円滑に進まない点がございますので、公害防止事業団というのがございます。そちらに財源を準備いたしまして、中小企業が公害処理施設を設まることにつきまして低利の融資をする。こういう考え方で本年度緊急対策として十億円を出してもらうように準備を進めておる状況でございます。以上でございます。
  89. 栗栖義明

    説明員(栗栖義明君) 港湾の状態につきましては、先ほど先生から御指摘でございましたけれども、新聞にも出ておりますように、現在田子の浦港で水深が五メートル五〇といいますから、約千五百トンクラス以上の船がつくバースが、一番大きいのは一万トンクラスのバースがございまして、全部で二十一ございますが、これが今年度、例年やってまいりました維持しゅんせつができなくなりましたので、だんだん埋まってまいりまして、現在不十分ながら使えるのが十六バース、使えないバースが五バースというのが現状でございます。これは港督管理者は県でございまして、県を私どもは監督する立場にあるわけでありますが、そういうふうな事態を県からお聞きいたしまして、県のほうでもいろいろこの対策について検討している最中でございますが、ここ四、五年前から岳南排水路ができるまでということで、埋まってくるのを毎年漁業者と話し合いの上で、ポンプ船でたまったものを放流してまいったわけであります。それが今年になりまして漁業者のほうから困るというふうな話が出て、ポンプ船のしゅんせつをやめましたので、ただいま申し上げましたような状態になっております。したがいまして、先ほど通産省からお話ございましたが、上流から出るものが出なくなりますれば、港のほうはとまるわけでありますので、それを一刻も早くやっていただきたい。ただ、それまでにだんだんたまってくるのを黙って待っておれませんので、どういうふうに処置するかということについていろいろ検討しているのでございます。  ただ技術的に申し上げますと、すぐ近くに在来どおりのポンプ船でほらしていただければそう大きな技術的な困難はなくてやれるのでありますが、これが港の近くに放流できないということになりますと、黒潮まで持って行かなければならない。そういたしますと、機材その他も全然別のものを用意しなければならないということになりますので、私ども県と一緒になりまして、具体的な実施方法その他を現在検討中でございますが、なるべく早く処理いたしたいというふうに存じております。  なお新聞にもございましたように、作業員が中毒症状を起こしたということも聞きまして、さっそく県はそれをやめまして、ただ現地に聞きますと、保健所なり関係方面と十分相談しながらいろいろと放流作業を進めてまいっているわけでございまして、先ほど申し上げましたしゅんせつ作業と申しますのは、極度に浅くなった所を、たまたま港のまん中で深い所もございますので、浅い所のものを深い所に移して、船をつけやすいようにするという作業をやっている最中に硫化水素が発生したというふうなことでありまして、作業のしかたなり、あるいは作業時間の短縮、そういうことを検討して急場をしのいでおりますが、やはりこれを処理するのに具体的にどうするかということについていま検討しているところであります。
  90. 鈴木強

    鈴木強君 ここは御指摘のように、紙の工場がたくさんありまして、あそこの住民はばい煙の大気汚染、それによって苦しめられているわけであります。その上にまたこういった問題が起こっておりまして、漁民に被害が出ている。通産省のほうからいま経過を聞きましたが、各工場の汚物の処理施設、こういうものが非常に不十分のように聞いております。いま御指摘のように、いろいろ研究していただきまして、水質基準も経企庁とも十分連絡をとっていただいて、できるだけ早く汚物処理の施設というものをはっきりしてもらいたいし、完備してもらいたいのですよ。  それから運輸省のほうは、港湾内の航行の安全ということが言われておりまして、これの支障があっちゃ困るわけで、特に石油タンカー等が入っておるようでありまして、非常に危険なことも考えられますので、硫化水素ですか、これの問題なんかもあるようですけれども、もう少しそれらをどういうふうに科学的に処理して工事ができるか研究していただいて、積極的にひとつ対策を立てていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
  91. 沢田実

    ○沢田実君 ただいまのことですが、ここは交通安全関係ですから、突っ込んだことは申し上げたくはありませんけれども、   〔理事千葉千代世君退席、委員長着席〕 通産省の局長さんちょっと答弁して、適当にお答えして帰っていかれるようではまことに困るわけです。といいますのは、いま始まったことじゃないのです。岳南排水路の問題が出ましたけれども、ずっと前に計画しておりまして、その後企業が拡張しておりますから、現在あの排水路では全部のみ切れません。それから共同処理施設をつくるようなお話ですけれども、あの計画は海にたれ流しの計画ですから、ただ、港湾より海に出すと、海に出すと漁業者が困るということで、どうしようもなくなっているのです。ですから、いまおっしゃったくらいのことじゃ解決しません。その点ひとつ十分御検討くださることと、それから企画庁のほうで何とか水質基準をきめるなんとおっしゃっているけれども、普通だったら三年もかかるようなことをやったってどうしようもないでしょう。いまの見通しをいつきめて、工排法の取り締まりもいつからできるか、その辺できれば答弁願いたいと思います。
  92. 宮本二郎

    説明員(宮本二郎君) 水質基準は、いま先生申されましたように、精密な基準をつくるのは相当長時間かかります。それで現在港湾を埋めておりますのは浮遊物質、要するに排水の中に溶解していない物質が下にたまるわけでございます。しかし、指標で申しますとSSと申しておりますが、したがいまして、経済企画庁に当方が要請いたしておりますのは、SSだけを暫定的に緊急にきめてもらいたい、いつになるか私どもわかりませんのですが、早急にきめる。まあここ二カ月から三カ月ぐらいのうちに経済企画庁できめていただけるのではないかと思っております。それを受けまして強制力を、工場排水法を動かさなければならぬ、こういうふうに考えております。
  93. 沢田実

    ○沢田実君 静岡県というところは、前々からそういうことはたれ流しに平気なところなんですよ。悪臭についてはたいへん前から問題になっていて、そのままになっている。大体県の姿勢が悪い。それに対しては通産省はもう少し本腰を入れてやっていただきたい。私、北海道に行きましたら、ああいうのは全部燃してしまう施設までつくっている工場もあるわけです。ところが、大工場でありながらそういうことを平気でやっている。静岡県はまことにけしからぬと思う。ですから、通産省も本腰を入れてひとつ徹底的にやっていただきたいと思います。
  94. 宮本二郎

    説明員(宮本二郎君) 最大限の努力をいたします。
  95. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 交通事故が減るどころか、ますます交通事故がふえてくる。夏休みに入って子供たちのことを考えると、これもまたたいへんな心配でございます。それに加えて、また光化学スモッグというような事件が起きてまいりまして、そういうことについて私はやはり光化学スモッグをつくり出した主要な発生源が車であるというところから考えても、この委員会で当然取り上げなければならない。そう思って、そのことについてこれからわずかの時間でございますが、質問をさせていただきたいと思います。  その質問の前に私は一言申し上げたいのです。総理大臣も施政方針演説で言われたし、また各委員会で言われていました。ことしは交通、公害、物価、それに一生懸命やるんだ。テレビを見ても、国民は何とかっこうのいいことを言うのだろう、こういうことです。ところが、実際にそういう大事な問題について私たちが真剣にここで御答弁いただきたいと思ったときに、私要請いたしました運輸大臣も厚生大臣も来ていただけません。こういうことでは、国会のテレビ用の発言でしかないんじゃないか。ほんとうに政府がいま公害や交通問題を真剣にやろうとしていらっしゃるのかどうか、その姿勢に疑問を持たざるを得ないわけでございます。きょうお出になった方は申しわけないのですけれども、そういう立場において、お帰りになりましたら大臣にもとくとそのことをお話しおきいただきたいと思います。  質問に入りますが、まずこういう光化学スモッグというものが起きまして、各新聞社が一斉に取り上げたと、この中で一体どれだけの被害の実態があるのだろうかということをお聞きしようと思いましたら、きのう厚生省のほうで会議をお開きになりまして、新聞を読みますと、被害は実に一万一千人だと、しかも東京だけではない、埼玉、千葉、神奈川というように広範囲に広がっている。こういうことになりますと、いままで公害というようなことがある局地的な工場地帯に起こっていた。ところが、これはある日突然光もにおいも色も何にもなしで、そして安心だと思われていたようなそういう場所にまで大きく襲いかかってきた、こういうわけなんです。私は三鷹に住んでおりますけれども、うちの裏の小学校でもそういう事件が起きた。近所の奥さんはびっくりしちゃって、一体どこに住んでいたらいいんだと、こういうわけです。こういうような状態がいまこれまでの調査で非常に大きく出てきたということがわかったわけですけれども、厚生省として、また運輸省としても、こういう状態というものが起きるということを予測されていたのかどうか。もし予測されていたとしたら、それについてどういうような対策、考え方を持っておられたのか。また運輸省のほうについても、それを発生する原因である車の排出ガス、こういうものが当然この光化学スモッグをつくるという、そういう危険性を考えていらっしゃったのかどうか、全く突然であったとおっしゃるのかどうか、その点御両人からお伺いしたいと思います。
  96. 橋本道夫

    説明員橋本道夫君) 初めに先生がおっしゃいました、大臣にそのようにお話をするようにということでございまして、十分私どももその点を大臣にお伝えいたしたいと思います。  それから第二点でございますが、今回の件につきまして、昨日一都三県の担当者と専門の学者とを呼びまして午後にかけて検討いたしました。そこに出ました人数は、二つの事件がありまして、その二つを全部合わせた数字ということになっておりまして、一つは六月二十八日の千葉で起きたケースでございます。六月二十八日の午後、これは日曜日でございます、その千葉で起きましたケースの場合には、学校の子供中心でございますが、全体で五千九百二十三名が鼻あるいはのどの粘膜刺激を訴え……
  97. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 おそれいりますが、時間がないので簡潔にお答えをいただかないと、一時半までに終わるようにということに御注意をいただきましたので、どうか御協力をいただきたいと思います。
  98. 鈴木強

    委員長鈴木強君) では委員会からも一言。ひとつ要領よくポイントだけにしてください。
  99. 橋本道夫

    説明員橋本道夫君) 事件は二つに分れたものの合計でございます。  それから厚生省として予測しておったかということは、光化学スモッグは起こるであろうということは予測しておりまして、そのための規制についての要望は四十三年以来運輸省に要望しておったということでございます。調査、研究も進めてまいりました。
  100. 野村一彦

    説明員(野村一彦君) まず第一点でございますが、私ども先般運輸技術審議会の自動車部会の答申がございまして、それに基づいて対策を進めているわけでございますが、大臣が外国旅行に行きます前に実はこの答申が出ることが予測されましたので、大臣説明を申し上げました。本日夜に帰って参りますので、私早速大臣にこのことを御報告したいと思っています。それが第一点でございます。  それから第二点でございますが、ロスアンゼルス・スモッグというものが、御承知かと思いますがアメリカでだいぶ問題になっておりまして、それが今日言われておりますところのオキシダントといいますか、先般の立正高校で問題になりましたガスと非常に似ておるということでございまして、私どもも厚生省等からいろいろとデータもちょうだいいたしまして、条件いかんによってはこういうようなことが日本で起こるかもわからないということはかなり予測をいたしておったわけでございます。  運輸省としての対策でございますが、冒頭に申し上げましたように、運輸技術審議会の自動車部会というものが正式に発足いたしましたのはごく最近でございますが、その前に運輸技術懇談会という事実上の会合がございまして、ここに各方面の先生方にお集まりいただいて対策を練っていただきまして、それが審議会になって正式の方針として出たわけでございます。この答申におきましては、従来一酸化炭素を中心とする排出ガス対策というものが主でございましたが、今後は炭化水素、窒素酸化物に対する対策を考えていきたいということで範囲を広げて考えておりますのがその内容の第一点でございます。  それから第二点は、その規制のしかたでございますが、これは結局自動車から排出されるガスの量を少なく押さえるわけでございますが、その押さえ方といたしまして、現在とっておりますところの濃度、つまりパーセンテージで押さえるというやり方から、将来は絶対としての重量規制に持っていこうということで、絶対の量を押さえる方向に持っていこうということを考えております。そこでその目標といたしましては、一挙になかなかまいりませんので、昭和四十八年を第一の目標にし、第二の目標を五十年ということで二段階に分けております。四十八年ではまずメーカーその他に協力を求めまして、また私どもの研究所において研究を進めて、排出ガスの量を昭和三十八年の状態に押えるような量的な規制をしたい。それからそれにはもちろん何よりも内燃機関そのもののエンジンの改良をするという技術的な研究が必要でございます。これは極力つとめてそういうことにもっていくように努力したいということでございます。  それから第二の段階といたしましては、昭和五十年を目標にして、昭和三十六年の状態にまでに大気の汚染といいますか、それをもっていくようにさらに規制強化したい、そういう規制を加えていきたいと考えております。ただ四十八年から五十年ということになりますと、規制をさらに強化するわけでございますから、エンジンの改良をもってしてもカバーできないという部面があるかと思います。そういう面につきましては、これは清浄装置というものを自動車に取りつけて、そうしてどうしてもエンジンを改良しても出てくる、そういう汚染物質については清浄装置によってこれをクリアにしていこうと、そういうことと相まって、五十年に昭和三十六年の状態の実現をするような規制をしたい。これは私ども研究の進展に応じまして、運輸省の道路運送車両法に基づく省令でもって規制をしていく、もちろんこれは私どもだけでできることではございませんので、厚生省、通産省その他関係各方面の十分の御協力を得てやっていこうと、こういうことを考えております。
  101. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 いまの御答弁で、厚生省としても予測されることだというふうにお考えになっていたというわけですけれども、実はこの光化学スモッグというものは起きるだろうということは私どものほうでも予想されていたわけです。共産党といたしましても、ちょうど去年の九月三日でございますが、すべての自動車に有毒ガス除去装置をつけさせようということで、私もそのときに参りまして、厚生大臣にもお目にかかりました。そのときのお話、それからまたたくさんの民主団体の方、おかあさんたちと集まって、そしてぜひやってほしいと言ったときなどは、こうおっしゃっているのです。それは日本の場合はロスアンゼルスと違います、気象条件も違うのだからそう心配なさることはありませんと、こういうことで、いま課長さんがおっしゃったように、ほんとうに危険を感じてという積極的な姿勢は全く見られなかったわけです。それからまた今度は自動車メーカーのほうに行っても、やっぱりそういうようなお答えだったし、そういうふうに確信を持って言われた人たちは、政府があんなふうに言うのだから、それじゃこれはそんなに心配ないのかなというふうなことまで言い合ったりなさった方がいたわけです。鉛の問題もわずかな問題でしてと、こういうふうにおっしゃっていたわけです。ですから、いま課長さんから聞けば予測はされていたと、これに対しても運輸省に申し入れをしていたとおっしゃるけれども、ほんとうにそういう立場に立って大臣以下各省力をあげてやっていてくださっていたかということにやっぱり非常に私は心配なんで、いまの御答弁を聞きましても、運輸省のほうの御答弁でも、二段階に分けて五十年までにと、こういうふうな御答弁です。私たちにすればもういまの問題なんですね。いまのこの問題どうしてくれるのかというのが、ほんとうに私たちにとっては心配している問題で、具体的にいまこういう時点でどうやろうとしていらっしゃるかということについて御答弁をいただきたいわけなんです。  そこで、私たちが共産党の申し入れのときにも行きましたし、わが党の車は全部とりあえずアフターバーナーをつけたわけです。アフターバーナーをつけただけでも相当の効果を出てきているということは、この間の予算委員会で、わが党の春日議員の質問に対して橋本大臣も御答弁くださいました。とにかく調査するなんという段階じゃなくて、少しでもよい結果があれば、それをつけるべきではないか、人命尊重というほんとうの立場に立てば。それからまた輸出車の問題ですね。これも前々申し上げておりました。七月二十日の毎日新聞をちょっと見ておりましたら、橋本課長さんが光化学スモッグの一因となる排気ガス中の炭化水素の規制について一日も早くやってほしいと、先ほどもおっしゃったように、運輸省に再三申し入れている。炭化水素の規制はやればできるはずだと、現に輸出車にはこういう装置をつけている。こういうふうにおっしゃっているが、これは私たちが絶えず言ってきたわけなんです。ところが、そういうようないま直ちにできること、しかもお値段といったら決してばく大なものではございません。私たちいろいろ取り寄せて調べてみましたけれども、安いものは一万円足らずから、せいぜい二万円もあればできるのじゃないか。アメリカ向けにはつけている、そのことだけでもすべきだし、それからまたアフターバーナーだけではちょっとまだ足りません。特に炭化水素なんというのは、これはエンジンをずっと見てみたんですけれども、蒸発ガスの中からも、またブローバイガスからも大体炭化水素が四五%出てきておる。そうすると、このアフターバーナーと一緒にブローバイガスの換気装置、還元装置といいますか、これもつけなければならないわけですね。これももちろん安いわけですね、ちょっと調べてみましたら。そうしたら、当然これは調査いたしまして四十八年、五十年と、そんなことおっしゃらなくても、これをつければ相当の効果ができるのなら、なぜそれをすぐつけていただけないのだろうか。それをすぐつけて、そしていまできる範囲でこういう公害をなくすということが、運輸省としてもなさるべき態度であろうし、また厚生省からも運輸省にあててこういうのが出されておりますね、厚生大臣から運輸大臣にあてても。こうなりますと、こういう除去装置をすぐにつけろということを運輸省の力、権限でできるわけでございましょう。それができない、またやろうとなさらない、できないということは一体どういうふうなことなんでございましょうか。
  102. 野村一彦

    説明員(野村一彦君) ただいま御指摘がございましたが、一酸化炭素のみならず、炭化水素等についての措置を考えろということでございます。これは先般、運輸委員会で同様の御質問が鈴木委員長からございました。私、そのときに申し上げたわけでございますが、実は運輸省令を改正いたしまして、九月一日からブローバイガス還元装置をつけるということを義務づけております。したがいまして、私どもこれだけで十分とは思っておりませんけれども、逐次研究開発が進むに応じまして、こういうものを省令で追加していってやりたいということで、炭化水素の大きな原因の一つとなっておりますブローバイガスにつきましては、九月一日から実施を義務づけるという措置をすでにとっております。
  103. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 ブローバイガスはそうやって九月一日からとおっしゃいますけれども、ちょっとこれでみますと、排気ガスのほうで出てくる炭化水素というのは五五%になっているわけですね。私しろうとが見ましても、こっちのブローバイガスの還元装置で減ると思われる炭化水素が蒸発ガスで二〇%、ブローバイガスで炭化水素が二二%、そうすればこれは半分以下でございます。そうすれば当然半分以上を占めるアフターバーナー、これは当然つけてもらわなかったら、片方の弱いほうだけつけてもだめじゃないか。どうしてこれを両方つけるというところまでお進めになれないのでございますか。
  104. 野村一彦

    説明員(野村一彦君) ブローバイガスの還元装置だけで十分なものでないことは御指摘のとおりでございます。しかし、これをいまおっしゃいましたすべての炭化水素、炭化水素に限っていいますと、炭化水素を外に出ないように完全に措置できる装置というものの研究開発は残念ながら現段階におきましてはまだ不十分でございまして、これを法令で義務づけるということは、残念ながら現在できかねる状態でございますので、これは私ども民間と毛連絡をとりながら、開発を進めて、やがてはそういう装置ができるように研究開発を進めたいと思っております。
  105. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 その答弁が私は気に入らないわけなんですよね。アフターバーナーつけて、そしてどの程度がどうで、どうなったらどうだと、最終的な調査ができまして、それからつけますなんと言っている間に犠牲者が出るわけなんですよ。現在つけている車もございます。国会の車でもつけていらっしゃるし、官庁でもおつけになってやっていらっしゃるわけです。それをつけたから出過ぎたなんというものじゃないでしょう、減ったというわけでしょう。だから、大臣もこれは効果があるとおっしゃっているわけですね。そうしますと、そういう効果があるとおっしゃっているいま、当然この時点においては、少しでも効果があればそれをしなければならないのに、それのほうにあまり力をお入れにならない、いまのようなたいへん歯切れの悪い御答弁しかいただけないわけなんです。  そこで、私が申し上げたいことは、なぜそういう御答弁しかいただけないだろうか。それはやっぱりこれをつけますと高いものになる、二万円もかかっちゃう、これはメーカーのほうで言っております。これはコストが高いから値上げしなきゃいけないなんて言っている。私のほうはそのほうのこともちょっと調べてみまして、いつも言いますことですけれども、たとえば自動車、通関統計から見ましても、トヨタのトヨペットコロナ一五〇〇スタンダード、輸出二十八万円でございますよ。国内の販売価格が五十万四千円でございます。この金額を考えてみましても、二万円のアフターバーナーつけるなんということは、メーカーに規制さしても決して値段上げなくたってできることなんです。そしていろいろ調査するまでもなく、いいということがわかったと言っている、いまの段階で決して悪いもんじゃないんだ、よくなるんだということがわかっている段階で、運輸省としての規制をなさらないというのは、やっぱり決して国民の生命の安全のためというような立場に立っていらっしゃらない。ここまで放置した政府の責任をまだはっきりとろうとなさらないで、まだその辺でまごまごしていらっしゃるというのは、まことに私は遺憾なんでございますが、どうでございますか。
  106. 野村一彦

    説明員(野村一彦君) 自発的にそういうアフターバーナー等を取りつけることによって空気が清浄化されるということは御指摘のとおりでございます。ただ、私どもはただいま先生の御質問の中にありましたように、値段の点にこだわっているわけではございません。これはメーカーサイドにいたしましても、これは別の問題でございますが、昨年不幸な欠陥車事件がありましたときに、非常にメーカー自身もあれを契機に反省をいたしまして、いまや金額の問題ではないということはよくわかっておりますので、私どもはそういうことで義務づけをやっていないわけではございません。したがいまして、一方では行政指導としてそういう装置を取りつけてやるということはもう非常にけっこうなことでございますから、これは極力やっていただくようにやっております。ただ、こういうものを法令に義務づけるということになりますと、すべきの点を研究し尽くして、しかる後にやるということでは必ずしもございませんで、私ども先ほど申し上げましたような研究段階に応じて研究開発が進めば、それは逐次省令で義務づけるものは義務づけるということができるわけでございますから、全部問題が明らかにならないと一斉にやらないということではございませんで、できるものから逐次やっていくということでございますから、これはもう研究が進み、また、それを法令によって義務づけることが適当であるという判断になれば、それはもう逐次やっていくということでございますから、その辺は御理解いただきたいと存じます。
  107. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 まあいろいろ御答弁いただいたわけですけれども、当然私たちにしてみれば、いまの問題で、自主的におつけになるのはけっこうですからどうぞつけてくださいと、しかしメーカーに対してそれをつけさせるということをなさらないというところがいまの政府の姿勢に問題があると、こう言いたいところなんですよ。いいものだから自主的におつけくださいと、それならば当然メーカーにしたって、これは金額の問題じゃないのだ、たくさんの車に全部つけてみて、そうしてその中からどんどん開発ということも進むのだから、当然このブローバイガスの還元装置と一緒にこれもつけなさいというような具体策があって、初めてほんとうにこれが私は公害や何かに対する姿勢だと思うのですよ。それがやっぱりきょうのところも歯切れが悪い。やっぱりどこかに御遠慮なさっているようで、これではほんとうに私は安心できないと思うのです。  それから引き続いて、もう最後ですから、お伺いしたいと思うのですけれども、先ほどおっしゃっておりましたが、まあ五年後の昭和五十年には一酸化炭素も半分以下に減らしていこうとか、いろいろ出ておりますね。炭化水素は四十八年基準の六分の一に、それから窒素酸化物を四十八年基準の五分の一にすると、こう運輸省のほうで運輸審議会の答申が出てきている、中間報告の中でも出ている。その答申を尊重してやっていきたいと、こういうふうにおっしゃっております。私それはもちろんやってもらわなければならない、これだけだって足りないくらいだと思うけれども、一体これどうなるのかと思いましたのは、警察庁のほうの見通しによりますと、昭和五十年の自動車台数というのは現在の二倍以上の三千四百万台になる、こう言われているわけなんです。そうしますと、こっちは昭和三十六年から八年までのあのきれいだったときに戻したいとおっしゃるけれども、自動車は警察庁のほうからは倍以上になりますよと、こうなってくると、これだけの規制ではとても間に合わないのじゃないだろうか。だからもう当然もっときびしい規制にしていただかなければならないし、先ほどから何回も言っているように、装置をきちっとつけさせる、こういうことがなければならないと思うのですけれども、その車がふえるということをお考えになってこれはどういうふうに考えていらっしゃるのでしょうか。
  108. 野村一彦

    説明員(野村一彦君) 先ほど私が濃度の規制から重量の規制に移る考え方であると申し上げましたのはそのことでございまして、ただいま御指摘のように、昭和五十年になりますと自動車が非常にふえるということは当然私どもも考えております。したがいまして、その自動車部会の委員の中に警察庁の科学警察研究所の交通部長も入っておられまして、そういう方々の御意見も十分聞いた上で、自動車がそれだけふえる、ふえる前提で、したがって重量を規制しなければならないということでああいう基準をきめたわけでございまして、自動車が量的に非常にふえるということは当然考慮した上の各委員の方々の何といいますか、ディスカッションの結果ああいう数値が出たということでございます。その点をお答えしておきたいと思います。  それからさっきちょっと私の答弁が足りなかったかと思いますが、炭化水素の例でおっしゃいましたけれども、実は私も化学には暗うございまして的確なお答えができないかと思いますが、専門の学者がいろいろ研究をしております。その話を聞いておりますと、窒素酸化物の規制と、たとえば炭化水素の規制ということは非常にその清浄装置において相矛盾する面が出てくる。片一方を押えると片一方が出る、今度は片一方を押えると片一方が出るということで、有毒ガスを全部平均的に押えていくということは非常にむずかしいのだということを聞いております。したがいまして、そういう観点から私ども排気ガス規制を考えておるわけでございまして、価格の点とか、費用の点、そういうことではございませんので、その点は御了解いただきたいと思います。
  109. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 すみません、最後にもう一問だけお願いいたします。  いままでの答弁で、私はたいへん歯切れが悪いと言ったり、それからまたいつも私国会に出てつくづく感じましたことは、ほんとうにいつも政府の対策というものは後手後手なんですよね。そうしてその上にできた法案というのはざる法なんでございますわ。そうしてそのざる法のざるが抜けちゃったようなものですね。たとえば私ちょっと見まして、八月一日から道路運送車両法安全基準改正、こういうことが改正なさるわけですね。その改正なさるのはいいのだけれども、みずからおきめになりましたその改正ですね、この改正された状態で進めるために一体どういうような具体的なものが必要か、どうしたって測定器をつけなければならない。いろいろなものが必要になってくるわけですよ。ところが、みずからつくった政令さえも十分に実行できないような、測定器もまだ買えないとか予算化されていないとかいうようないろいろな問題が出てくると、全くもういまの政府の無責任さは、そうしてまた政治の私たち国民に対する姿勢というものがもうほんとうに私はここでいやというほど知らされたわけなんです。もう時間になりましたから、この辺のところでやめますが、私は政府がほんとうに無責任であるということと、そうしてまだいま事ここに至ってもその姿勢たるや実にだらしがない。もうほんとうに怒りを覚えるようなそういう姿勢でしかないということを申し上げたいのですね。そうして私たちとしてはぜひこれだけはやってほしいということですね。それで、さっき言いましたように、排気ガス除去装置、これはもうほんとうにいろいろな問題がおありだろうと思います。いろいろ科学者を加えてどうとかということも御調査なさりたいかもしれないけれども、よりよいというものが現在あるんだったら、それを直ちにつけるというような、そういうことをきちんとやっていただきたいし、また交通規制の問題ですね、こういう問題についても政府として直ちに交通規制ができるような、そういうような権限を地方自治体のほうにもお譲りになるとか、また密接にやるというふうなこともやっていただきたいと思いますし、また光化学スモッグ発生防止するために必要な調査、それから研究というのを早急にやっていただきたいと、こういうことを御要望したいと思うんです。それで、現実にこの間うち高校生が倒れましたね。あれは病院に入りました。その費用については当然政府として責任があるんだからお払いになるべきだと、補償なさるべきだと思うんですけれども、それを最後にとなたかちょっと——私が先ほど言いましたようなことをしていただきたいということと一緒に、一言聞かせていただきたいと思います。
  110. 橋本道夫

    説明員橋本道夫君) いまおっしゃいました医療費の問題でございますが、公害の被害者救済の法律がございますが、現在おっしゃいました医療費というものをそれに適用できるというぐあいに私ども残念ながら現在考えておりません。そういうことで、将来医学の研究というものを進めていかなければならぬと思っておりますが、倒れたという件につきましては、立正高校の校長先生からも電話がかかってまいりました。患者が直接校庭で倒れたり吐いたりしたという事実はない、そういう電話が直接ございました。目が痛いとか鼻やのどが痛いとか、息苦しいという訴えがあって保健室に連れてきたということで、校庭で倒れたり吐いたりした事実はないということで、きのうも東京都のほうからもそういうお話ございましたので、その点だけ申し添えておきます。
  111. 野村一彦

    説明員(野村一彦君) 先生の御意見、非常に私どもも貴重な御意見だと思いますので、十分参考にさしていただきたいと思いますが、また、私ども決して災害対策をおろそかにしているつもりはございませんし、大臣も安全の問題等、公害の問題は何よりも優先してやれという御指示でございますので、私ども極力その方向で努力したいと思います。
  112. 鈴木強

    委員長鈴木強君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめておきます。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時四十三分散会