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1970-03-17 第63回国会 衆議院 予算委員会第五分科会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十五年三月十七日(火曜日)    午前十一時開議  出席分科員    主査 藤田 義光君       小平 久雄君    細田 吉藏君       松野 頼三君    渡辺 栄一君       川俣健二郎君    久保 三郎君       広瀬 秀吉君    有島 重武君       坂井 弘一君    二見 伸明君    兼務 相沢 武彦君 兼務 新井 彬之君    兼務 小濱 新次君 兼務 斎藤  実君    兼務 瀬野栄次郎君 兼務 多田 時子君    兼務 浦井  洋君  出席国務大臣         建 設 大 臣 根本龍太郎君  出席政府委員         首都圏整備委員         会事務局長   井上 義光君         建設大臣官房長 志村 清一君         建設大臣官房会         計課長     大塩洋一郎君         建設省計画局長 川島  博君         建設省都市局長 竹内 藤男君         建設省河川局長 坂野 重信君         建設省道路局長 蓑輪健二郎君         建設省住宅局長 大津留 温君  分科員外出席者         警察庁交通局交         通規制課長   井口 孝文君     ————————————— 分科員の異動 三月十七日  辞任         補欠選任   北山 愛郎君     川俣健二郎君   久保 三郎君     島本 虎三君   坂井 弘一君     有島 重武君 同日  辞任         補欠選任   川俣健二郎君     広瀬 秀吉君   島本 虎三君     久保 三郎君   有島 重武君     二見 伸明君 同日  辞任         補欠選任   広瀬 秀吉君     戸叶 里子君   二見 伸明君     坂井 弘一君 同日  辞任         補欠選任   戸叶 里子君     北山 愛郎君 同日  第二分科員浦井洋君、第三分科員斎藤実君、瀬  野栄次郎君、多田時子君、第四分科員相沢武彦  君、新井彬之君及び小濱新次君が本分科兼務と  なった。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和四十五年度一般会計予算建設省所管  昭和四十五年度特別会計予算建設省所管      ————◇—————
  2. 藤田義光

    藤田主査 これより予算委員会第五分科会を開きます。  昭和四十五年度一般会計予算及び昭和四十五年度特別会計予算建設省所管を議題といたします。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。新井彬之君。
  3. 新井彬之

    新井分科員 私は、おもに道路問題について、いろいろとお伺いをいたしてまいりたいと思います。問題がこまかい点にわたるとは思いますけれども、ひとつ具体的に丁寧なる御答弁をお願いしておきます。  交通規制課長がほかの分科会でも用事があるようでございますので、初めに交通の問題について聞いておきたいと思います。  現在、幹線道路として第一国道並びに国道第二号線が通っておるわけでありますけれども、この第二号国道混雑状況、そういうことについて警察庁としてどのような掌握をしているのか、お聞かせ願いたいと思います。
  4. 井口孝文

    井口説明員 国道二号線の交通状況はどうかというお話でございました。御承知のとおり、一号線は東名、名神というような高速道路がございますが、二号線は、最近建設省のほうでも、部分的に高速道路あるいはバイパス等をつくっておられるわけでありますが、しかしながら、まだ旧来の非常に幅の狭い国道二号線にたよっておるというような状況でございまして、各所で改良されていない部分交通渋滞を生じておるというような状況でございます。
  5. 新井彬之

    新井分科員 いま非常に交通渋滞があるというお話であったのでございますけれども、今回建設大臣出席をなさいました加古川バイパスまでは無事に通過をいたしまして、それから西が非常に混雑をしているということでございますけれども、特に姫路市内から——ちょうど今回バイパスができた高砂の魚橋から相生に至るまでの混雑状況というもの、この件について、大体どの程度車が通っているのか。そして車が二時間とか三時間とか停滞するということがございますけれども、そういうことについての状況をお聞かせ願いたいと思います。
  6. 井口孝文

    井口説明員 御指摘のございましたように、ただいま交通渋滞の起こっておりますのは、去る三月八日に供用開始いたしました加古川バイパス魚橋の西の部分であります。さらに姫路のうちで国道二号線と二十九号線の合流点、これもかなり混雑しておるような状況でございます。その前に、この二号線はいろいろと問題がございましたので、昨年十二月一日に加古川市内に一方通行をやりまして、これによって加古川市内流通をよくしたわけでございます。その後、姫路市内におきましても、同じく一方通行を行なっております。そういったことで、さらに加古川バイパスができましたのはつい先日でございますので、その後の交通量がどうであるということについては、われわれ十分にとれておりませんが、いずれにいたしましても、加古川通過する部分が従来に比べまして非常にスムーズになったようでございますが、その影響でこの魚橋から西のほうがかなりひどい渋滞をしておるというような形が出ておるかと思います。
  7. 新井彬之

    新井分科員 あまり具体的なデータはとっておらないようでありますけれども、これは少なくとも幹線道路でございますし、この第二国道を通らないで、要するに相生等に抜ける道というものが現在考えられているかどうか。それは姫路バイパスというものをつくるということになっておりますけれども、要するに現状ではほかに全然道がないように思いますけれども、交通規制の面から、たとえて言いますと、姫路市内を一方通行にするというようなことができるところがほかにあるかどうか、お聞かせを願いたいと思います。
  8. 井口孝文

    井口説明員 交通規制を行ないます立場から申しますと、国道二号線は片側車線道路でございますが、現在の道路状況のもとでいろいろ手は打っております。特に信号機高度化などをこの路線については中心的にやっておるわけであります。しかしながら、いまの状況ではそういった措置も限界がございますし、他に車を回すという路線はちょっと考えられないのではなかろうか、かように考えております。
  9. 新井彬之

    新井分科員 国道で現在非常に大型トラックが走っておるわけでありますけれども、そのトラックがたまたまパンクをする、もしくは交通事故でそこで一台がとまる、そういうときに、非常に長い時間後続車が行けなくて停滞をする場合があります。そういうことについて、警察庁としてはどのような方法を講じてその交通混雑緩和しておるか、お聞かせ願いたいと思います。
  10. 井口孝文

    井口説明員 先ほども一部御説明申し上げたかと存じますが、神戸以西岡山県境まで四十五交差点がございます。ここに信号機が設けられておるわけであります。このうち約十二カ所は地点感応信号機ということで、交通量を自動的に測定してサイクルを変えるという装置にいたしております。神戸市内、明石、加古川姫路市の区間の総延長十一・七キロが、同じく自動感応系統ということで系統化いたしておるわけであります。ただ、ただいまおっしゃいましたように、不時の交通事故というものがございました場合には、これは早急にその事故車を排除するということで、できるだけのことはいたしておりますけれども、何分にも道路形状の制約もございますので、なかなかうまくいかないということであろうと思います。やはり基本的には道路拡幅か別のバイパス道路の新設というようなことが望ましいのではなかろうか、かように考えております。
  11. 新井彬之

    新井分科員 このままの状態でどんどん車がふえた場合に、この地域においては非常に停滞があると思います。そういうことについての見通しはどのようになっておりますか。
  12. 井口孝文

    井口説明員 今後の自動車の増勢というものを考えれば、当然ますます困難になるということになるわけでございます。ただ、ただいま御説明いたしましたように、むしろ現在出ておる事象の中には、部分的に対策が進んだためという面もあるわけでございまして、東の部分がむしろ交通量をふやすような道路建設が行なわれるとか、また一方通行措置加古川姫路市内でそれぞれ行なわれております。そういったことで部分的に流通がよくなったために、他の部分しわ寄せがきておるということになろうかと思います。さらにこれが交通量がふえますと、現状のままでは、もちろんますますそういったしわ寄せがひどくなってまいる、かように考えます。
  13. 新井彬之

    新井分科員 もう一つお伺いしておきたいことは、その第二国道幹線道路としてずっと走っておるわけでありますけれども、特に市内中心部を抜ける——たとえて言いますと、加古川においてもこれは市内中心部を横切っておりますし、それから姫路でもそうですし、非常に中心部を通るために、東西線、要するに大阪から九州に行く、そういうようなところだけが混雑するのではなくて、その地域のおのおのの場所で南北の交通渋滞というものが非常にある。こういう点について、今後交通規制として考えられますことは、どのような方策をしたらいいのか、そういうことで何かいい手があるのかどうか、そのことをお伺いいたします。
  14. 井口孝文

    井口説明員 もとより、市内をこういう幹線道路が通っております場合に、市内交通に対する影響を及ぼしておるわけでございます。しかし基本的には、やはりこういう幹線通路交通を早く流してやることが、むしろ市内交通を少しでも緩和するゆえんであるということになろうと思います。そういったことで、すでに加古川市内姫路市内の一方通行規制なども行なったわけでございます。すでにこれらの区域では信号機高度化も実施しておりますし、あとこまかい点は別といたしまして、加古川市、姫路市といったようなところにつきましては、ちょっとこれ以上の大きな対策交通規制上は困難ではなかろうか、かように考えております。
  15. 新井彬之

    新井分科員 私も警察の方ともいつもいろいろとお話を聞いております。確かに現在第二国道なんかにおきましては、もうそれこそ一日じゅう車が通っている。したがいまして、それを規制するというより以上の努力というものはもうできない、そういう現地の声は聞いておりますし、警察官の方もなみなみならぬ努力をいつもされておるわけです。そういうわけでありますけれども、そこで警察のほうとして、今後この交通渋滞について、どうしても新しい道路を早急につけなければこの混雑は解決しない、こういう強い考えがあるのかどうか。それとも、何か交通規制等においてまだ段階的な手を打って、その間につくればいいという考えに立っているのか、その件についてお伺いいたします。
  16. 井口孝文

    井口説明員 現在の交通渋滞というものをこれ以上緩和しろということになりますと、交通規制その他の手段では、道路交通量との関係から基本的に困難な点が多かろうと思うわけでございます。特に市内通過国道というような条件を考えあわせますと、道路容量を広げていただくということについてはたいへん熱望いたしております。
  17. 新井彬之

    新井分科員 それからもう一つネックになっております、第二国道姫路陸橋というのがございますが、これはちょうど播但線という汽車の線路を陸橋において第二国道通過させようということになっておりますけれども、ここにおいて、非常にトラック等大型化してきたために、そのすれ違いができない。そのために、片方では待っておるし、たまたま一緒になるとバックしておりなければいけない、こういうような状況があるために非常に国道全体が混雑しておるということについて聞いていらっしゃいますか。
  18. 井口孝文

    井口説明員 だんだん車両が大型化してまいりまして、そういう場所があるということを聞いております。
  19. 新井彬之

    新井分科員 その場合、交通規制としてはどのようなやり方をしておるのか、お聞かせ願いたいと思います。
  20. 井口孝文

    井口説明員 現在、具体的に何らかの手段を講ぜよということではございませんで、交通整理をやっておるように聞いております。
  21. 新井彬之

    新井分科員 私は免許証を持っておりまして、いつも自分で自動車を運転して第二国道をよく通るわけです。その場合に、たとえて言いますと、さっきも申しましたように、ものすごいじゅずつなぎになってとまっている。どういうわけでとまっているのか。一時間も二時間も待っている。これは追い越しがききませんから。あと事情を聞くと、そのところでたまたま前の車が故障であった。二車線しかありませんから、もうそれを追い越していくところがない。そういうようなことも非常に問題になっております。それから、姫路陸橋につきましても、ものすごく待たなければいけないときがある。たまたまトラックの大きいのが来ますと、そのために時間のロスがある。こういうことで、姫路署が調べたと思うのですが、何かコンピューターを使いまして、いろいろのデータを使って、今回短い期間でありますけれども、姫路市内先ほど話があったように一方通行にした。そのためのロスというのは、時間にしますと年間六百七十三万時間である。それからガソリン代にしますと二億八千六百九十万円。これは実際問題として、時間を賃金に直したり、そういうガソリン代とかいろいろロスを含めますと、五十億九千万円の損失になっている。こういうような実態が出ておるわけでありますけれども、これはいまいろいろお話がありましたけれども、第二国道のことなんです。これは、全部九州だとかほかからあそこの一本の道を通って、そしてあらゆる会社に荷物を運んだりいろいろなことをやっておるわけでありますから、あそこの交通渋滞というものは非常な損失になる。それに対する規制の手というものは、規制だけでは課長はできないというお話だったのですけれども、今後またよく検討をしておいていただきたい、このように思うわけです。  時間がありませんのでもう一つ聞きますと、この地域交通事故が非常に多いということでございますけれども、そういうことは把握されておりますでしょうか。
  22. 井口孝文

    井口説明員 県内で事故多発路線と申しますか、非常に事故が多い路線になっております。そのことにつきましてはしばしば報告を受けております。
  23. 新井彬之

    新井分科員 時間がありませんから、どうぞけっこうでございます。  そこで、これから道路の問題に入るのですが、高速自動車国道であるとか一般国道というのは、都道府県において一定の法律要件においてつくられておるわけです。ところが、市町村道とかそういう面につきましては、自治体の意思決定によって自由につくられておる。そういうわけで非常に膨大な市町村道というのがあるわけでありますけれども、この国全体の市町村道というのは現在どのくらいあるか、お答え願いたいと思います。
  24. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 いまの統計では約八十五万キロくらいあると思います。
  25. 新井彬之

    新井分科員 そこで、その市町村道のうち自動車が通ることが不能なところですね。それは大体何%くらいあるのか、何キロくらいあるのか、お尋ねいたします。
  26. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 ちょっとはっきりした資料を持っておりませんが、大体二十五万キロくらいは自動車交通不能かと思われます。
  27. 新井彬之

    新井分科員 そのデータは私のデータとちょっと違うわけでありますけれども、要するに普通の車かまたは中型車の車が通ろうと思うと、大体七三%くらい通れないのではないかということであります。  そこで、この市町村道については、いろいろと道路があるわけです。たとえて言いますと、部落間の連絡道路であるとかいろいろありますけれども、何といいましても道路が非常に大事でありますから、都市から都市への連絡道路、こういうようなことがあるわけでありますけれども、今回、第六次道路整備五カ年計画というのをやることになっておると思うのですけれども、その整備すべき市町村道の順位というのをどのように考えているのか、お答え願いたいと思います。
  28. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 第六次の総額十兆三千五百億の道路整備の新しい計画がございます。その中に、やはり高速道路から国道県道市町村道、いずれも整備をしてまいるつもりでございます。それをどこを優先ということではないのでございます。  市町村道整備について言いますと、やはりいま言いました八十五万キロという膨大な数字がございます。これをどうやって整備するかの整備方針一つの大きな問題ではないかと思われます。実は数年来市町村道実態を調査してまいりました。市町村道八十五万キロといいましても、その中で非常に性格的に差がございます。県道に匹敵するような、その町なり部落なりの市町村交通幹線になる市町村道、また住宅の回りの歩くための道路というような性格のものがあると思います。私たちこの八十五万キロの中で、とりあえず重要な市町村道というものを今後指定してまいりたいという考えでございます。これはいまのところ約十万キロ程度指定いたしまして、これを新しい五カ年計画の中で優先的に整備してまいりたいというように考えておる次第でございます。
  29. 新井彬之

    新井分科員 いままで規制がなくて、たくさんの道路網がありますけれども、どこのいなかへ行きましても自動車等を持っております。そういうわけで、自動車一台通るところならば、向こうから来ればかわすことができない、そういうところがいろいろあるわけでありますけれども、少なくとも国の施策の一環といたしまして、全国の主要幹線道中心にして、そして当然都市から都市への連絡幹線というものについて、いまお話しになったようにやっていただきたいと思うのですけれども、その場合は市町村事情があると思いますから、そういうこともよく勘案しながらその道路をきちっとやっていただきたい。その場合に、一級であるとか二級であるとか、そういうものに市町村道を分けておやりになったらいかがであろうか、このように思うのでありますけれども、その件についてお答え願いたいと思います。
  30. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 実はいま申し上げましたように、いろいろ調査してみまして、やはり一級、二級、三級といいますか、そういうような性格別に分けたほうが私もいいと思います。ただこれは、道路法の改正をいま全般的に考えておりまして、その中でそういうような構想も入れたいというような感じもございまして、これはよく研究してまいりたいと思います。先ほど言いましたように、とりあえず十万キロくらいの、これは一級に相当するものだと思いますが、そういうものだけ指定しておきまして、それを重点に整備していきたいという方針でございます。
  31. 新井彬之

    新井分科員 時間がありませんのでもう飛ばしますけれども、先ほどの第二国道の問題について、交通規制といいますか、交通緩和という面から、これは交通安全対策であるとかいろいろの面がものすごい問題で、事故も続発をしておりますけれども、一応交通を整理して流すという点から警察方の御意見をお伺いしたのでありますけれども、要するに地方から来た車ですね。特に幹線道路になりますけれども、都市通過するということは非常に交通混雑する、そしてまた交通事故も引き起こしやすい、こういうことになるわけでありますけれども、この場合に、バイパス建設というものにいま力を入れておりますけれども、今年度において何カ所くらいバイパス建設予定があるか、こういうことをちょっとお伺いいたします。
  32. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 実は私たちバイパスというものを相当多くやっておりまして、その中で、非常に大規模のもの、小規模のものもありますが、現在やっておるのは、ちょっとはっきりした数字は覚えておりませんが、百七、八十本くらいのバイパスをやっておると承知しております。
  33. 新井彬之

    新井分科員 その中でいろいろとバイパスをやることについては、交通状況、そういうものが非常に問題になってまいると思います。非常に混雑しているところから何とか優先的に幹線道路については通さなければいけない、そういうことについて状況がいろいろあると思うのでございますけれども、私の聞くところによりますと、姫路バイパスの場合というのは、あそこは非常に交通混雑するし、よそに逃げ道がない。したがいまして、四十五年三月の万国博までにはあれを開通するのだというような予定で進められていた。ところが四十三年ごろには、全部の開通は無理だけれども片側通行で開通する。現在に至っては、四十六年の末になる、それも二車線だというように、非常に変わってきている。それからもう一つコース変更ですか、要するにコースが二回ぐらい変わっておるようでありますけれども、このようなおくれている理由であるとか——これは事実かどうかわかりませんけれども、もしおくれているとするならば、こういうコース変更があったというなら、その事情についてお聞かせ願いたいと思います。時間がないから、簡単でけっこうです。
  34. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 このバイパスを急がれておったことは事実でございます。ただ、いままでの五カ年計画の中でどのくらい道路事業に金がつぎ込めるか、こういうことを考えますと、姫路バイパスは非常に金も大きいために、万博までにはとても間に合いかねるということでございます。四十一年に着工いたしまして、逐次区画整理その他で用地を生み出しているわけでございます。先生の御質問にありますように、全国的に非常にバイパスをやっておりまして、その中で有数の混雑場所でございます。新しい五カ年計画の中でこのバイパス建設を促進してまいりたいと思いますが、そのためには、私たちやはりある程度有料ということも考えて、早く四車線のものを通したほうがいいんではないか、二車線だけだとなかなかこれは交通緩和にならないのじゃないかということで、四車線を完成するために、公共事業ももちろん入れますし、また有料道路事業考えまして、今後できるだけ早くこの完成をはかりたいと考えております。
  35. 新井彬之

    新井分科員 もう一つ姫路陸橋の問題です。この問題は前からお聞きになっていると思いますけれども、ここがあれだけ交通混雑して、交通規制等もできない状態なのに、どうしてその後拡幅工事をやらないのか、その事情についてお聞かせ願いたいと思います。
  36. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 姫路陸橋につきましては、私ここに資料がございませんが、大型車が来ればすれ違いができないというようなことではないように思います。この点もさっそく調べまして、いま先生のおっしゃるような状況であれば至急拡幅工事を進めたい、このように考えております。
  37. 新井彬之

    新井分科員 最後に。いま交通規制の問題から、警察のほうからも、この第二国道については、要するに抜けるところがないんだ、もうあと時間の問題で、混雑を待つだけである、こういうような状態で、交通事故のほうは聞かなかったのですけれども、データ的にはどんどんふえております。そういうことで、この幹線道路、第二国道について今後建設大臣として、いまのお話を聞かれて、どのような決意でやる意思があるのかお聞かせ願いまして、私の質問を終わりたいと思います。
  38. 根本龍太郎

    根本国務大臣 私も現地へ行ってみまして、引き続いて西のほうに向かってこれをやらなければならない、そこで地元の知事さんにも先行取得をやってください、先行取得をしますれば、建設省も積極的にこれを進めましょう、こう言っている次第です。具体的な計画については、道路局長から御説明いたさせます。
  39. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 ただいま大臣がお述べになりましたように、来年は約二十二億ぐらい地元用地先行取得をお願いしておる次第でございます。また工事にも着手いたしたいと思います。先ほど言いましたように、いまの計画、二車線をとりあえず通すということについてちょっと問題がございますので、やはり四車線を早く通すというつもりで、先ほど言いましたように、あるいは地元が納得されれば有料道路事業も入れまして、できるだけ早く四車線道路にしたいというように考えております。
  40. 渡辺栄一

    渡辺(栄)主査代理 新井君の質疑は終了いたしました。  有島重武君。
  41. 有島重武

    有島分科員 私は、予算委員会分科会の席をおかりいたしまして、都市再開発の問題特に防災計画について伺っておきたいと思います。  初めに建設省に伺いますけれども、全国の主要な都市計画の進捗の状態、特に再開発、防災計画の進捗状態の概略を伺っておきたいと思います。
  42. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 現在、再開発の仕事をいたしておりますのは、大きく分けまして公共団体と、それから権利者の組合がやっております。従来は防災街区造成事業、こういうのが大きなやり方でございます。それ以外に、住宅公団が工場あと地を買収いたしまして、かなり大がかりな団地をつくるというのも、これも一つの再開発に入ると思います。公共団体が施行いたしております再開発事業は、昨年都市再開発法ができます前は、市街地改造法という法律によって行なってきました。その市街地改造法によりまして、たしか十三都市につきまして再開発事業を進めていく。それは現在継続して十地区行なっております。完成したところもございます。新しい都市再開発法によりまして、四十四年度四地区、それから新年度の予算が成立いたしますれば、さらに十地区を公共団体施行としてやっていくというような状況でございます。  防災につきましては、住宅局長から……。
  43. 大津留温

    ○大津留政府委員 民間の防災建築街区造成組合によります再開発事業でありますが、四十四年度は、七十六都市におきまして床面積四十万平方メートルにつきまして事業を進めてまいりました。これに対する国の補助金は六億円でございます。来年度はこれを八億円に増加いたしまして、同じく七十六都市におきまして床面積四十四万平方メートルについて実施する計画でございます。
  44. 有島重武

    有島分科員 都市再開発の中でも、やはり東京、大阪が一番主要なことになるのじゃないかと私は思いますけれども、初めに、非常に成功している例といいますか、幾つもやっておるけれども一番特徴的な成功の例、こういうのをお教えいただきたい。
  45. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 いままで市街地改造事業でやりました再開発事業で、まあ見方によりますけれども、成功していると思いますのは、神戸市がやりました大橋地区の再開発。これは、あそこはいろいろな権利者がおられましたのを、公営住宅等も導入いたしまして、低所得者用の住宅、それから普通の住宅、またあそこを副都心にするというようなことでデパート形式の総合的な商店街もつくるというようなことで、同時にあそこの幹線街路を大幅に拡張するというようなことを、立体的に数棟のビルを建てることによって行なう。これは地元の権利者との間の話し合いその他も、権利者の立ち上がりというようなものも非常に市のほうで指導いたしまして、まあうまくいった例じゃないかというように私ども考えております。
  46. 有島重武

    有島分科員 今度は逆に、非常にやりにくい場所、いまデッドロックに乗っかっているような場所がありましたら……。
  47. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 やりにくい場所は、結局はできましたけれども、たとえば東京の新橋の駅前の東口で行ないました再開発。これはやりにくかった理由は、非常に零細な借家人であって営業しているという方が非常に多かったということ、それから戦災復興以来のいろいろないきさつがございまして、そういうようなことで権利者の納得がなかなか得られなかったというような点で、駅前でいわば終戦直後の、ことばが悪うございますけれども、やみ市みたいなものがあったところの改造というのは、なかなか仕事がやりにくい面がございます。
  48. 有島重武

    有島分科員 防災計画についてですけれども、防災計画というものについては、今度は大きな被害があった場合の、その被害量の予想ということが前提になるのではないかと思います。それで、再開発を防災計画と同時に進めていらっしゃるかと思いますけれども、全国的に見て、最も被害量が多くなりそうだというようなところはどこでしょうか。
  49. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 私も専門家ではないものですからはっきりはわかりませんが、一番問題になりますのは、やはり地震の際の被害、特に地震によりまして家屋が倒壊して火事が発生する。ある程度は消防力で押えられますけれども、押え切れないというような大地震が起こった場合の問題だと思うのです。その地震に弱いといわれておりますのは、東京とか横浜とかいう都市が弱いというふうにいわれているようでございます。
  50. 有島重武

    有島分科員 この前の大震災のときから類推していわれるのですけれども、関東大震災並みの災害というものが、ある説によれば六十年を周期にしてくる、あるいは六十九年ですか、七十年ばかりの周期でくる、そういうようなことがいわれておりますけれども、たとえば東京の場合、横浜の場合、もし大震災並みの災害があったときに一体どのくらいの人的、物的な被害があるかということは、これはきちんと計量されたデータが出ておりますでしょうか。
  51. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 これはいろいろなところで調査をいたしておりまして、若干調査の時点あるいは調査の内容が違うようでございます。非常に大ざっぱに申し上げますと、東京で関東大震災と同じ程度の地震が発生した場合、人的被害につきましては、警視庁の警備部で出しました三十七年の調査によりますと、地震発生後火災延焼五時間後までの被害といたしまして、東京の二十三区内において死者及び行方不明が二万人という数字が出ております。それから、東京消防庁で昭和四十二年に調査いたしました資料によりますと、家屋の倒壊が二十三区内におきまして二万棟ということが出ております。それから火災につきましては、冬の夕食のときに地震が起こったという仮定がございまして、これも四十二年の東京消防庁の調査でございますが、二十三区内におきまして出火件数が七百三十二件、そのうち消火不能件数が百四十七件というような数字が出ております。
  52. 有島重武

    有島分科員 ただいまの大災害があったときの被害の量でございますけれども、これを明確にするんだというようなことをおきめになっておったように私は仄聞しているのでございますけれども、いまのデータですと、警視庁の三十七年のデータ、それから消防庁の四十二年のデータ——これは昨年の暮れでございましたか、この四十二年の計量というものが、石油コンロというのが全然入ってないということが新聞で騒がれたことがございますが、それ以後に、もう少ししっかりした災害の予想量が出ておりますでしょうか。
  53. 井上義光

    ○井上政府委員 災害等におきます被害の予想につきましては、私どもにおきましても、先ほど都市局長からお話がございました推定等も参考にしまして研究いたしておりますが、いま政府委員から説明がありました数字と違った数字は、まだ持ってきてないわけでございます。
  54. 有島重武

    有島分科員 これは四十三年六月の東京都防災会議から出ている資料でございましたけれども、ここでもって諸般の対策の基礎を提供するというようなことがありましたので、これはいつごろしっかりした調査ができるのでしょうか。
  55. 井上義光

    ○井上政府委員 首都圏整備委員会におきましては、現在既成市街地、東京等の区部等も含めまして整備計画を立案いたしておりますが、それに基づきまして明年度以降におきまして専門家に委嘱をいたしまして、二年ぐらいの継続でひとつそういった調査をいたすというふうに存じております。
  56. 有島重武

    有島分科員 こうした防災計画の実施状況も今度は伺いたいのでございますけれども、東京並びに横浜でごさいましたね、一番ひどい。——おもな防災計画並びにその進捗状況について伺いたい。
  57. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 実は、防災計画というものは総理府のほうでやっておりまして、私どもの所管ではないのでございます。
  58. 有島重武

    有島分科員 そうすると、首都圏整備委員会のほうではどうなっていましょうか。
  59. 井上義光

    ○井上政府委員 大都市地域の防災計画でございますが、いま都市局長からお話がありましたように、いわゆる防災基本法によります防災計画は、各省協力しまして内閣でつくることになっておりますが、私どもとしましては、現在東京都内に三万ヘクタールくらいの住宅地がございますけれども、荒川放水路と江戸川の間にあります江東、墨田地区あるいは荒川沿いの板橋地区、それから目黒川、神田川沿いの地区、それから大田区にあります城南地区といったところが、特に住宅等と工場が混在しておりますので、そういった住工混在地区に重点的に着目しまして、騒音でありますとか大気汚染でありますとか、あるいは交通渋滞緩和するほかに工場の分散といったこと、及び職場に対して住居を近づけるというようなことから、そういった大規模な工場のあと地を核にしまして地域の再開発をやるということで、大体昭和五十年目標で、千ヘクタールくらいの地域につきましてはそういった再開発をやる、こういう工場あと地を核にして、都市開発資金の貸し付けを受けて東京都がこういった土地を買収し、また単独でも予算を計上して買収いたしておりますが、そのほかにも日本住宅公団等が工場あと地等を買収いたしておりまして、五十年くらいまでには、二百数十ヘクタールくらいの工場あと地を買収してそういう再開発をやっていきたいということで、いま計画を立案している最中でございます。
  60. 有島重武

    有島分科員 計画立案の段階でございますか。まだ実施という段階にはならないのかどうか。
  61. 井上義光

    ○井上政府委員 何ぶん役所の性格計画について申し上げましたが、もちろん現在、基本計画によりまして建設省中心になられまして、各公共団体なり組合において、実際上防災緑地でありますとか、市街地再開発でありますとかいった事業が進められているわけでございます。
  62. 有島重武

    有島分科員 そういたしますと、さっき総理府のほうの話だとおっしゃいましたけれども、それは計画にかかわる問題だけが総理府にあるのですか。いま実際にこれを扱っていらっしゃるのは、やはり建設省で進めていらっしゃるんじゃないかと思っておりましたけれども、その辺の進め方は、どこを押せばどういうふうになっていくのか。
  63. 志村清一

    ○志村政府委員 防災問題につきましては、災害基本法等がございまして、内閣で取りまとめてやっているわけでございますけれども、個々の事業、たとえば再開発事業とか都市の改造事業とかいうふうな問題につきましては建設省が事業を施行する、あるいは都道府県に補助金を与えまして事業を行なわせるというふうなかっこうになっております。
  64. 有島重武

    有島分科員 都市の再開発は、防災という見地をやはり加味するというか、関連し合って進めているはずだと思うのですね。それで、その進捗があまりおくれては困ると私は考えますので、五十年までに計画ができるなんというのじゃ、ちょっと困るんじゃないか。  建設大臣に一言伺っておきたいと思うのでございますけれども、防災計画の実施、再開発でございますが、これは不時の災害に間に合わなかったらしょうがないと思うのですね。一刻も早くこれはつくってもらいたい。これは国民の願いでございます。先ほども言ったように、大きな災害というものは一つの周期をもって来るということでございますが、大臣としては、大体何年ごろまでにはできなければならないのか、それにはいつごろから手をつけなかったら間に合わないのじゃないか、そういうような一つの時間的なリミットというものはおのずからおありになって、お考えじゃないかと思うのでございますけれども、その点のお考えをひとつ伺わさせていただきたい。
  65. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 ちょっと、防災計画と言われたものですから、先ほどああいう答弁をいたしたわけでございますが、東京都が地域防災計画というのを昭和四十三年に立てております。その中の避難計画というのがございまして、一番大事なことは、先生いまおっしゃいましたように人命を守るということでございますけれども、避難計画を立てておりまして、東京都二十三区を七十の避難地区に区分いたしまして、一ないし四地区ごとに避難する場所を充てまして、四十二の避難地を一応設けております。避難地の合計面積は二千二百三十ヘクタール、避難地の収容人口は千二百四十万、例を申し上げますと、たとえば北の丸公園、日比谷公園、それから上野公園、七号埋め立て地、新宿御苑というようなところが避難地になっておるわけでございます。これだけで十分かというと、一応こういう計画は立てておりますけれども、先ほど首都圏整備の局長が申されましたように、特に江東地区あたりは地域的に見ますとまだ非常に避難地が足りないという状況でございますので、建設省並びに東京都が協力いたしまして、四十年から四十四年まで各種の調査を行ないまして、本年、江東地区につきましては六カ所避難拠点をつくろうじゃないかというような構想ができておる段階でございます。ただ、これにつきましては、平時の場合にもやはりある程度有効に使いたいということがございますので、大きな空地をとりましてそのまわりを高層住宅で囲む、それによりまして火災の熱を遮断して、そして避難に利用する。平時におきましては空地はいろいろグラウンドその他に使う、住宅住宅に使う、そういう考え方で構想を進めております。     〔渡辺(栄)主査代理退席、主査着席〕 何ぶん、大事なときに避難して万が一また避難した場所で焼けるとか、あるいは人命を失うというようなことがあるといけませんから、各種の火災実験等を行なっておりますけれども、さらになお十分入念な調査をいたしまして、私どもといたしましては、四十六年くらいから、白鬚地区からこの計画を取り上げて、実施に移してまいりたいというもくろみで現在進めておるわけでございます。
  66. 根本龍太郎

    根本国務大臣 災害がいつ来るかということは、はっきりこれは現在の日本の地震予知の研究では出てこないようでございます。ただ、何と申しますか、過去の地震発生のデータから見て、ある方は、これは七十年周期と言う人もあるし、あるいはいや二百年で来るとかいろいろ見方があるようでございまするが、いま建設省で地理院とかあるいはその他のほうでもいろいろ調べておりますけれども、確たるあれはない。一つの大ざっぱな見通しでそういうことが言われているだけである。特に房総半島の地盤の隆起があったりしたものだから一応それが出たのであるけれども、現在、この十年そこそこで出てくるということを推定するほどの確実性はないということであります。しかし、これはいつ来るかわからないということでありまするから、十年で来るかあるいは来年そういうことが起こるかもしれませんから、そういう意味で大体タイムリミットをどこに置いてやるというような性質のものではなかろうと思います。でき得るだけ、これはいまあなたが御指摘になりましたように、都市再開発の場合においては常にそうした防災に役立ち得る配慮をしつつ、行政指導をすることが必要であるということでございます。  それから、特にいま都市局長から御説明いたさせましたとおり、どうも東京における震災あるいは戦争の経験からしますれば、火災によるところの人命の損傷、これが一番おそろしい。そこで、いま市街地再開発あるいは住宅政策をやる場合に、相当の火災に対する防壁を大きくつくったような形、それを住宅でつくらせる、そういうようなことをもう少し検討してみて、それが相当実績があがるというなら、そういう地区を各地につくるということを進めてもいいじゃないか、こういうことを考えております。繰り返して申し上げますが、いつまでどうだということではなくして、現在やり得る可能性のあることは都市再開発、あるいは住宅を構築する場合、あるいは公園緑地を設置する場合に、常にそうした災害に対する配慮を含めて進めておるという段階でございます。
  67. 有島重武

    有島分科員 どうもただいま大臣、七十年説もあるけれども二百年説もあるんだ、タイムリミットがあるようでないようなものだと言うんですけれども、やはり二百年説をとらえてのんびりやろうというんじゃ困るんですね。それから、なるべく早くやりたいということでございますけれども、そのなるべくと言っているんだと、これは先ほど神戸のほうは非常に地元権利者と話し合いがうまくいったという話がございましたけれども、東京の場合、特に下町の場合、江東方面の場合は、いろいろな問題が起こり得ると思うのでございますね。やはりひとつ十年なら十年、一九七〇年代とよくいわれておりますけれども、この十年代には一つの形までつくっていきたいという意欲は、これは大体東京都民としても納得のしやすい、コンセンサスのつくりやすいものであり、私はいろいろな方と話し合ってみてそういうことを感じております。やはり一つのめどをつくって、もうそこまでにはどうしてもこういうものをやっていこう、そういう目標をつくって、これは地元の方々には生活問題がかかわっておりますから、すぐどけといってもどくことはできない。しかし、一つのモデル地区ができて、いま白鬚の話が出て、そこから手をつけていくという話が出ましたけれども、そこで相当いいものが身近にできれば、ほかの方々も納得できると思うんですね。神戸のお話じゃ、わざわざ見にいくというわけにいかないけれども……。  それから、ここで時間がございませんからちょっと伺っておきますが、建設省の所管の国有地を公団住宅で開発する計画があると聞いておりますけれども、これも決定して進捗しておるのでしょうか。もしこれがうまくいけば、白鬚地区を手始めとして、それをモデルとしてほかのところを進めていくということができるんじゃないかというふうに私は思っておりますけれども、これは決定しているか、進捗しているか、この点だけ……。
  68. 大津留温

    ○大津留政府委員 墨田区立花地区にございます建設省の事務所を移転いたしまして、そのあと地に高層住宅を建てようということで、現在ある事務所の移転先地を千葉県のほうへ買収いたしまして、それで四十五年度からこれの移設を開始するという計画で進めております。
  69. 有島重武

    有島分科員 もう時間になりましたので、くれぐれも住民の生活を一時的にでも脅かすことがないような配慮をくふうしていただきたい。  それからもう一つは、消防のことでございますけれども、消防庁のほうに伺ってみますと、大きな災害があったときに火事がたくさん出る。そうすると、もう自分で消してもらう以外に手はないのだということを言っております。そうなりますと、これは平素からの防火ということに対してのPRというものが非常に必要だと思うのですね。ここには消防関係の者はいないのだけれども、そういった災害についてのいろいろな処置についてのPRというものを、やはり総合的にやっていくということが相当大切な問題になると思います。それでいまの、つくっていくのもこれもPRの問題、それからいざとなったときの逃げるというのも——あんまりPRがきき過ぎてびくびくさせても困るし、だけれども知らないでも困るし、そこら辺のPRの問題をうんとこれはやっていっていただきたい。これは総合的になさるのだろうけれども、まあ閣僚の間等で御発言のチャンスはいつでもあると思いますから、ひとつそちらのほうにもうんと力を入れていただきたいことを御要望申し上げまして、最後に大臣から一言御答弁をいただいて、終わります。
  70. 根本龍太郎

    根本国務大臣 防災のためのPR並びに訓練は、これは非常に大事なことでございまするから、総理府が中心で取りまとめておりまするから、そちらの方面へよく御趣旨を通じておきたいと思います。
  71. 有島重武

    有島分科員 終わります。
  72. 藤田義光

    藤田主査 浦井洋君。
  73. 浦井洋

    浦井分科員 きょうは土地問題について二、三お伺いしたいと思いますが、御承知のように非常に住宅難でございます。その住宅難の大きな原因に、やはり用地の取得の困難性ということがあると思うわけなのです。私、東京都へ行ってまいりましたのですが、やはり非常に東京都でも、都営住宅その他の建設用地難で困っておる。ある場所に都営住宅を建てるとき、いろいろな公害があるという環境の悪い場所、みすみす公害があるとわかっておっても、そこに都営住宅などを建てざるを得ないのだというような実情も伺ったわけなのでございます。そこでクローズアップされてまいりますのが、やはり米軍基地の問題でございます。実は一昨年の八月八日、五十九国会ですが、わが党の参議院の春日議員の質問に答えまして、当時の保利建設大臣がこういうふうに言われておった。簡単ですからちょっと読み上げてみますと、「基本的にこの基地の問題に関しましては、安保条約が締結せられた当時の日本の国土状況と、今日の都市周辺の国土状況というものは全く様相が、姿が違っておる。そのことをよく理解をして、米軍当局にも理解を願って、そこの調整をとっていくことが大事じゃないか。それで機能が果たせないということであれば別だけれども、狭いといっても何かくふうがありそうなものじゃないか。それは全体を通じて私が思っておるところでございます。そしてそれは、今後の新しい都市計画を推進していきます上におきましての基本的な私の考えである、そういう考え努力をいたしておる」、こういう答弁をいただいておるわけなのですが、そこでお聞きしたいのですが、その後一年半ほど経過しておりますけれども、建設省においてこの方向での努力、どういう努力を払っておられるのかという点をお聞きしたいと思うのです。
  74. 大津留温

    ○大津留政府委員 お話のように、大都市地区におきましては住宅建設用地に非常に困難しております。したがいまして、米軍基地がこれに有効に活用できる場所につきましては、できるだけ返還されることを希望いたしまして、大蔵省、防衛施設庁を通じましてそういう希望を出しております。  東京周辺におきまして返還が見込まれます地区のうち、住宅用地として利用することが適当なものとして十二カ所、四百四十ヘクタールにつきまして、これの転用について希望を大蔵省、防衛施設庁に出しております。このうち成増にございますグラントハイツは返還が内定いたしまして、ここにございます米軍人用の住宅を他の地区に移設いたしまして、そのあと地を住宅公団あるいはその他の住宅に活用したいということで、四十五年度におきましては、この米軍住宅の移転の費用を予算に計上しているというような状況でございます。
  75. 浦井洋

    浦井分科員 もう少し具体的にお聞きしたいのですが、御承知のように、一昨年の十二月二十三日に開かれました日米安保協議会で五十カ所、全部あるいは一部の施設を返還しようという話し合いができたというふうに聞いておるわけなんですが、しかも昨年の十一月現在までで、二十七施設の一部または全部の返還が、内定というのですか決定というのですか、そういう話し合いがついたというふうに聞いておるわけなんです。いまグラントハイツのお話が出ましたが、その二十七カ所の中でお聞きしたいのですが、首都圏内といいますか、東京都、埼玉県、神奈川県、こういうような範囲内で、建設省のほうが住宅その他の市民のための設備に適しておるというふうに考えられて、現に防衛施設庁であるとか大蔵省などと先ほど言われたように折衝中のところは、一体どことどこなのかということをお聞きしたいと思うのですが……。
  76. 大津留温

    ○大津留政府委員 先ほど申し上げましたように十二カ所ございますが、その中には、御指摘のように一昨年の暮れ返還がきまったといいますか、予定された個所もございます。グラントハイツのほかはキャンプ王子、調布の飛行場、横浜海浜住宅地区、久里浜倉庫地区、キャンプ朝霞の一部でございます。武蔵野住宅地区、横浜の山手住宅地区、これは二カ所ございます。横浜の根岸住宅地区、横浜の富岡倉庫地区、埼玉県の大和田通信所、この十二カ所です。
  77. 浦井洋

    浦井分科員 キャンプ王子というのは、四十四年十一月、昨年の十一月現在での話し合いの中に入っておらなかったというふうに聞いておるのですが、これはおかど違いかもわからぬですが、その辺はどうですか。
  78. 大津留温

    ○大津留政府委員 私のほうで、もし返還されました場合は住宅用地として使いたいということで申し入れたわけでございます。キャンプ王子についても返還があるやもという状況が見られましたので、そういう要請をした、こういうわけでございます。
  79. 浦井洋

    浦井分科員 時間がございませんが、公団の当事者にいたしましても、それから東京都の当局にいたしましても、やはり返還可能な米軍基地を非常に待望しておるわけでございます。やはりそういう点では、防衛施設庁あるいは大蔵省も大事でございますけれども、実際に国民の住宅を建てるんだということで建設省が積極的な姿勢を示してその衝に当たらなければ、なかなか話が進まないというようなことも聞いておるわけなんで、大臣としても、その点で話し合いを進める積極的な姿勢をぜひやっていただきたいというふうに思うわけですが、どうでしょう。
  80. 根本龍太郎

    根本国務大臣 これは御承知のように、それぞれ国の任務がございまして、防衛施設庁並びに大蔵省がその任に当っておるのでございまして、私が行きましても特に解決するという性質でございませんので、これは私のほうから関係筋に、ぜひ積極的にやってほしいということ、具体的にこの点が必要なんだ、この点をぜひやってくれということをやっているわけでございまして、私が行きましても、相手側のほうに陳情くらいに聞かれてしまってはどうもかっこうがつかないのでございます。やはり国の一つの組織としてやることが適当と存じます。
  81. 浦井洋

    浦井分科員 もう一つ追加で住宅局長にお聞きしたいのですが、多摩弾薬庫はどうなっていますか。この返還の話——返還というよりも建設省としての見通しですね。
  82. 大津留温

    ○大津留政府委員 多摩弾薬庫のあと地も、もし返還になりました場合には、住宅地として利用することが十分可能だと思います。
  83. 浦井洋

    浦井分科員 私どもの計算によりますと、いまあげられたような固有名詞でございますが、たとえば多摩弾薬庫、それからキャンプ朝霞、横浜の根岸、海浜住宅、それからグラントハイツ、武蔵野住宅地区、それから先ほど出ましたキャンプ王子、こういうようなところにもし二DK程度の公営の住宅が建つというふうに仮定いたしますと、面積といたしましてほぼ千ヘクタール、三百万坪でございますが、千ヘクタールで付属の公共施設などもつくりまして、中層ぐらいで、荒い計算で大体十五万戸から十八万戸ぐらい、少なく見積もってもできるんではないか。現在、東京都で住宅困窮世帯が約九十万世帯であるというふうに聞いておるわけなんですが、これで十五万戸ないし十八万戸できるというような見通しが立てば、非常に具体的な住宅難の解消にもなるし、また市民に対して非常に安心感を与えるというふうに思うわけで、この点はぜひ積極的にやべきだというふうに考えるわけでございます。本年の一月十九日の住宅宅地審議会の建議でも、その中で宅地対策として、国、公有地、それから都市近郊農地、工場あと地などを総点検して宅地に活用する、特に返還される米軍用地は宅地に優先してほしいというふうに建議があるわけでございますので、その線に沿ってもっともっと積極的にやるべきであるというように私思うわけでございますが、大臣、その辺で姿勢はいかがでございましょうか。
  84. 根本龍太郎

    根本国務大臣 そのとおりやっておる次第でございます。
  85. 浦井洋

    浦井分科員 そういう場合に、今度はその次の問題に入りまして、そういう地域を転用して住宅にする場合に、やはりその地域の周辺の人々、住民あるいはそこの土地の属しております地方自治体などとよく話し合って、その土地の利用計画を民主的につくって、住宅をはじめ住民のためのいろいろな諸施設、こういうものをつくる、こういうための話し合いを十分にやって、その用地を当てるべきだというふうに考えるわけなんですが、その辺はどうでしょうか。
  86. 大津留温

    ○大津留政府委員 住宅建設いたします場合に、その地元の地方公共団体と十分御協議をいたしまして進める、これは当然のことでございますし、従来からそういうことでやってまいっております。
  87. 浦井洋

    浦井分科員 時間がございませんので、米軍基地の問題はその辺で一まず終わりまして、次の土地問題に移りたいと思います。  住宅難のもう一つの原因になっている土地騰貴の問題でございますが、これは首都圏もそうでございますが、住宅窮迫地域で大企業が土地の買い占めをやって、そのために地価が騰貴しておるというようないろいろな事実あるいはうわさというものがあるわけでございますけれども、この問題につきまして大臣はどの辺まで実情を把握しておられるか、ちょっと聞きたいと思います。
  88. 川島博

    ○川島(博)政府委員 お答え申し上げます。  昭和四十三年末現在におきまして、私どもが調べました全国における資本金一千万以上の不動産業者、これが一体どの程度の土地を保有しておるであろうか調べてございますが、約一万一千ヘクタール程度持っております。これらはまだ買ったばかりの土地、あるいは造成中のもの、また造成してもまだ買い手がつかぬもの、これらを含めての数字でございますけれども、約一万一千ヘクタールございます。
  89. 浦井洋

    浦井分科員 私、神戸に住んでおるわけなんですが、兵庫県の川西市、これは大阪の梅田から私鉄で三十分ほどのところなんですが、こういう実例があるわけなんです。  昭和三十九年から現在に至るまで、その地域で非常に大規模な山林あるいは農地の買収が行なわれた。その行なった業者は、西武化学工業あるいは進和不動産、大和団地KK、日本生命。それから住宅公団もやっておられる。合計百八十八万坪の土地の買収が行なわれておるわけなんです。この中で公団はごく一部分で二十六万坪しか買っておらない。これは川西市の市の当局からの聞き取り調査なんでございますけれども、実際に土地を持っておられる農家の方々から、そういういろいろな不動産会社への売り渡し価格というものは、大体坪五千円から一万円ぐらいだった。その土地が、昭和四十年以後に宅地あるいは分譲住宅が建てられて売り出されておるわけなんですが、そのときの土地の値段が、宅地ですが、坪当たり三万円から五万円に上がっておる。農地あるいは山林を宅地に造成するという費用は、大体坪当たり五千円から六千円だというふうに聞いております。こういうふうに計算していきますと、これらの不動産業者が非常に大もうけをしたということになるというわけなんでございますけれども、こういう事実を御存じかどうか。また、それについてどういうふうに考えておられるか、ちょっとお聞きしたいのです。
  90. 川島博

    ○川島(博)政府委員 御指摘の川西の具体的な事例については、詳細承知しておりませんけれども、一般的に申しまして、公団あるいは地方団体、あるいは供給公社等の公的機関が宅地を取得、造成いたします場合には、これは法律で利潤を得ることは禁止されておりますから見込んでおりませんけれども、民間の宅地造成業者は当然ある程度利潤を見込むわけでございます。ただ最近におきましては、住宅地造成事業法あるいは規制法によりまして、粗悪な造成宅地の供給は厳に禁止されております。したがいまして、かりに素地を比較的安く入手いたしましても、関連の公共施設等については相当設備をいたしませんと、宅地造成事業そのものが許可にならないという仕組みになっております。したがいまして、造成工事にも、地形あるいは周辺の社会資本の整備状況にもよりますけれども、やはり相当費用がかかるというのが実情でございますし、また造成期間も、一年とか二年、場合によっては三、四年もかかる場合もございまして、その間の金利も込めて考えなければならぬということで、でき上がり価格がある程度高くなるのはやむを得ないと思っております。
  91. 浦井洋

    浦井分科員 これは一つの例でございますけれども、とにかく非常に高利潤を上げておるということは、まだほかにもいろいろ例があるわけなんです。時間がないので省きますけれども、非常な利潤を上げておるということは明らかなんでございまして、建設省としては、こういう利潤の規制のためにどういうようなことをやっておられる、またどういうふうにやろうとしておられるのか。この辺をお聞きしたいと思うのです。
  92. 川島博

    ○川島(博)政府委員 現在、民間の宅地造成事業につきましても、大規模で優良なものにつきましては、譲渡所得税の特別控除制度、これはこれらの不動産業者に土地をお売りした地主に対する減税措置でございますが、これがございますし、また住宅金融公庫から、優良な民間宅地造成業者に対しましては融資の道が開かれております。これらの公庫による融資あるいは減税特権を受けようとする場合には利潤制限をいたしておりますが、これらの公的な援助にたよらず、全く自力で宅地を開発し分譲するという場合に、政府は利潤の制限はいたしておりません。
  93. 浦井洋

    浦井分科員 非常にそういう実情でございますので、私、一つ提案をさせていただきたいと思うのでございますが、こういうような住宅緊迫地域内に大きな企業が投機的なねらいをもって保有しておる土地、こういうものは、民主的な都市計画あるいは土地利用計画に基づいて、国あるいは地方自治体、または他の公共機関が収用するようなことができないものか。それからもう一つは、このような土地は、国、自治体、公団などの公的機関が、住宅用の土地の大量造成と、それに関連する都市づくりに充てるようにしてはどうかというふうに考えるわけで、こういうような相当思い切った手段をとらなければ、現在の用地問題を解決することができないのではないかというふうに私は思うわけなんですが、この提案はどうでしょうか。
  94. 川島博

    ○川島(博)政府委員 現在、住宅建設五カ年計画が進行中でございますが、これに合わせまして、私どもも宅地の供給見通し、計画というものを持っております。これによりますと、四十一年から四十五年までの五年間に必要とする宅地の供給量は、全体で五万三千ヘクタールでございます。このうち公的機関が造成する面積は約二万五千ヘクタール、これに対しまして民間の宅地開発事業で供給していただく面積が二万八千ヘクタールございます。したがいまして、供給すべき宅地の半分以上は民間の宅地開発に期待しておるという計画になっております。したがいまして、大手、中小を問わず、不動産業者が優良で、かつなるべく大規模に宅地開発をしていただく、必要な公益関連施設を整備し、しかもでき得べくんば比較的廉価に販売していただくということは、これは私どもの宅地供給計画の中のいいことではないかというふうに考えております。したがいまして、造成、供給する意図もなくただ値上がりを待っておるというような場合には問題でございますが、これを造成をして良好な宅地につくり上げて供給ベースに乗せるということは、たいへんけっこうなことじゃないかと思います。ただ、そうでなくて、値上がりを待って土地を買い占めておる、しかもそれが都市化の傾向から見て非常にいいところであるという場合、しかもそれが公的機関の開発に適しておるという場合には、もちろん住宅公団なり地方団体で収用し、これを取得することは、十分可能でございます。適当なところであれば当然そういうこともできるわけであります。
  95. 浦井洋

    浦井分科員 これは非常に大きな問題で、時間がございませんので、きょうはこの辺にしておいて、あとで機会があればもう少し質問をしたいと思います。  次に、最近問題になっております公団の共益費の問題を最後にざっとやってみたいと思うのです。  ここに毎日新聞の切り抜きがございますが、最近公団の家賃の値上げが伝えられて、非常に入居者の不満を買っておるわけなんでございますが、それと似たような性格の問題で、共益費の一方的な値上げの問題があるわけです。共益費というのは、建物の内外の共有部分の維持管理のための清掃、手入れなどの費用を、住民が公団に預けて公団が運用しておる費用であるというふうにきめられておるわけですから、その運用については、住民と相談をしながら民主的な運営がなされなければならないというふうに私は思うわけです。ところが、従来も内容に不明朗なところが多かったわけですが、特に最近、その内容の説明を十分にせずに、しかも一方的に値上げを強行しようとしておる。その結果、公団と住民との間で問題になっておるところが相当多いというふうに聞いておるわけなんです。一昨年五月の参議院の建設委員会で同じこの問題が取り上げられて、そのときの、公団だろうと思うのですが、発言では、いろいろの誤りを改めて、今後はあらゆる努力を払って共益費の内容の理解を得て円滑な運営をはかるというふうに約束されておるわけです。ところが、実際にはかえってこの時点よりも秘密主義といいますか、知らせないという傾向が強められているということが、私、団地の住民から訴えられておるわけでございます。これは一体どういうことなのかというふうにお尋ねしたいわけなんですが、住宅公団のほうはきょうは来ておられないわけなんですけれども、四十三年の国会で約束されたとおりに、共益費の運用について居住者の納得を得るためにあらゆる努力を払う。それから特に民主的運営という観点から、年次運営計画や決算について居住者に詳しい報告と説明を行なうことが必要だというふうに思うわけです。  新聞によりますと、値上げの根拠となる経費の増加のこまかい数字について、公団側は、入札に差しつかえるという理由をたてにして公表を拒否しておるということですけれども、これでは住民が納得しないのはあたりまえだというふうに考えるわけです。入札のために秘密にしておかなければならないのはごく一部分でしょうし、それもそう秘密を要するものでもないのではないかというふうに考えるわけです。少なくとも決算についてはきちんと提出して住民に報告する義務があるというふうに思うわけでございます。  そのほか、ガラス張りの民主的な運営をするために、共益費の金額の変更の際はもとより、自転車置き場がほしいというような要求も出ておるようですから、日常的に居住者の代表の自治会の人人と話し合いをして運営していくべきではないかというふうに考えるわけです。  それからもう一つ、多くの団地では自治会がつくられておるわけなんですが、住民の自治活動を行なっていく上に自治会の事務所が当然必要だと思うわけです。現在公団側は認めておらないようでございますけれども、これからつくられる団地にはそうした施設をつくること。それから、いままでのものには団地の用地を使用させるとか、あるいは集会所の一画を事務所に使わせるとか、そういうことを認める必要があるというふうに私思うわけでございますが、これはひとつ関係筋から一括しまして御答弁をお願いしたいと思います。
  96. 大津留温

    ○大津留政府委員 公団住宅の共益費は、賃貸契約に基づきまして、団地内の共用部分の電気料、水道料、ごみ処理の費用、芝生、樹木の手入れ費、こういったものに充てるために、家賃のほかに入居者の方から公団が徴収して運用しておる、こういうものでございます。住民の方々からお預りしているという性格のものではございません。  これは、通常三年くらいの見通しをもちまして、団地ごとに必要経費を見積もりまして、いただいておるのですが、三年ごとに収支決算の結果、余裕が出れば共益費を値下げする、しかし不足が出ますならば値上げをせざるを得ない、こういうことでやってまいっておるわけでございます。四十五年度におきましても、そういうことで値上げをする団地が五十三、値下げをする団地が二十予定されております。そういう共益費は、ああいう団地を維持管理するためにはどうしても必要なものでございますので、それが不足した場合には、どうしてもそれを御負担いただくということはやむを得ないことでございますが、できるだけ入居者の方々にその事情を説明いたしまして、できるだけ御理解をいただいてこれを実施する、そういうことはもちろん望ましいことでございますので、そういうふうに公団にも指導いたしてまいりたいと思います。  また集会所の使用の問題でございますが、これは公団が団地を管理する上でいろいろ居住者の方方に公平に利用していただくというたてまえから、いろいろ規定を設けて運用しておるわけでございますが、何ぶんにも集会所等が居住者の方々の要望に比べまして足らない、狭いような状況でございますので、いろいろとくふうして皆さん方に御利用いただくというたてまえで運用しておるわけでありますが、自治会等の事務所に充てるということはなかなか困難かと思います。
  97. 浦井洋

    浦井分科員 足らぬのですが、時間がきましたのでこれでやめます。
  98. 藤田義光

    藤田主査 浦井君の質疑は終わりました。  二見伸明君。
  99. 二見伸明

    二見分科員 きょうは建設大臣に筑波学園都市の問題について二、三御所見を承りたいと思います。  筑波学園都市は、各省が錯綜しておりまして、窓口が一本化してないために、その建設が遅々として進まないという批判があるわけでありますが、建設大臣首都圏整備委員会の委員長として、この筑波学園都市建設については最高の責任者であると承っておりますけれども、その立場はそれでよろしゅうございましょうか。
  100. 根本龍太郎

    根本国務大臣 最高の責任者というと——私が窓口になって私がお世話することになっておるのは御承知のとおりであります。
  101. 二見伸明

    二見分科員 その場合、建設大臣の権限といいますのは、ただ単に窓口なのか、あるいはこの事業が年度内に完成するようにかなりの主導権を持った立場にあるのか、その権限はどうでございましょう。
  102. 井上義光

    ○井上政府委員 首都圏整備委員会委員長である  国務大臣は、実は昭和三十九年の十二月に筑波研究学園都市推進本部というものが設置されまして、国務大臣を委員長とし各省庁の次官クラスを委員としまして、用地取得なり移転計画なり関連事業の推進ということについての推進体制ができまして、その長でございます。推進の責任はあると思います。
  103. 二見伸明

    二見分科員 推進の責任は建設大臣がお持ちになっておる、ただいまそういう井上局長の答弁でありましたけれども、ひとつ完成時を目ざして、建設大臣、その推進の力を思う存分に発揮していただきたい。そういたしませんと、地元では土地は提供したけれども、いつまでたっても何も来ないではないかという猛烈な不満が強いわけです。そんなことなら土地を返してもらったほうがありがたい、こういう極端な意見も出ておりますので、どうかその点はよろしくお願いいたします。  ところで伺いますが、この学園都市に充てる総予算は大体どの程度まで見込んでおるわけでございましょうか。
  104. 井上義光

    ○井上政府委員 筑波の学園都市建設いたしますためには、用地取得、行政あるいは周辺を含めましての関連公共事業、それから移転します職員の宿舎の費用及び移転機関そのものの移転費用等ございまして、つまびらかにすべての項目につきまして算定はまだされておりませんが、用地取得は御承知のように五百八十万坪で八十七億円、造成事業費は約三百億円というふうに見込まれておるわけであります。その他関連の街路事業でありますとか、道路、河川、下水道といった公共事業、及び地区内に十数校の小学校及び数校の中学校あるいは高校といったような教育施設等も含めまして、関連事業につきましては最終的にはきまっておりませんが、地元の要望と各省の話し合いの段階では、おおむね五百億円程度がかかるのではないかと考えております。  なお、宿舎につきましても、必要に応じて公務員宿舎等がつくられますが、これも金額はまだ出ておりませんが、おおむね一万戸から一万二千戸ぐらいになるだろうと思いますので、現在の単価でいきますと三百億円、その程度のものは必要になるのではないかと思います。  なお、移転機関につきましては、移転計画に載っております移転機関というものの現地におきます整備内容でありますとか、あるいは新設機関の施設計画は明確でございませんが、一応関係省庁の担当官におきまして若干理想的な研究施設という気持ちもありますので、少し多い目に出ているかというふうにも考えられますが、おおむね二千億をやや上回るのではないかと考えております。
  105. 二見伸明

    二見分科員 これはかなりの膨大な予算を要するわけでありますけれども、これが一つの省で全部やるのならば、わりと計画も立てやすいし、予算も取りやすいとは思います。ところが、これは科学技術庁だとか農林省だとか厚生省だとか、省庁が非常に分かれておりますので、まず予算獲得の面が問題になるわけです。この点は、各省庁それぞれ予算要求をされることとは思いますけれども、首都圏整備委員会の委員長として、どうしてもこれだけはどんなことがあっても取れ、あるいはよこせ、こういう強い態度で予算編成時にはこれからも臨んでもらいたいと思うわけです。それだけの決意をもって大蔵省に臨んでもらいませんと、向こうは出し渋ると思いますので、その点の御決意のほどはいかがでしょうか。
  106. 根本龍太郎

    根本国務大臣 極力努力いたしまして実現をはかりたいと思っております。
  107. 二見伸明

    二見分科員 実はこの問題につきましては、きのう第一分科会のほうでこまかい点をお尋ねしましたので、それに関連いたしますけれども、きのう一つの問題となったのは、筑波学園都市が完成したときの下水道のことが一つ問題になったわけです。きのうの井上局長の答弁ですと、下水道は小貝川を通って利根川に流すという計画を明らかにされたわけでありますけれども、実は現地に行って調べましたところ、小貝川の下流に取手という町がありまして、そこにキリンビールの工場があるそうです。キリンビールの工場は、小貝川の水が最もビールに適している。また小貝川の流域には優良な農地もありまして、非常に優秀な農業地帯になっているわけでありますけれども、学園都市十六万の人口の汚水が小貝川に流れ込んだ場合に、どうもこれはあまり芳しくない。アンモニアの入った水でビールをつくられたら、あまり気分のいいものではありませんし、できれば小貝川に流さずに、まっすぐ利根川のほうに流してもらえないだろうかという要望もあるわけです。そういう点は、これからも検討してもらえるのでしょうか。それとももうこれ以上この計画を一歩も曲げられないという態度なのでしょうか。
  108. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 下水道の計画は、小貝川から利根川というような考え方でおりますけれども、小貝川の上流のほうに落とすのか、あるいは下流のほうに落とすのか、三案ばかり現在ございまして、目下検討中でございます。  それから取手町のキリンビールの取水の問題も、私どものほうでは、どういう形で取水するかということを、うわさの程度のことは聞いておりますけれども、正式に水利権をもらってその水を取るのか、あるいはほかの方法にするのか、ちょっとそこの点まだ正式に聞いてないわけでございます。  また、研究学園都市の汚水がどういうような成分のものが流れてくるかというような問題もございます。下水道ではある程度受け入れ基準がございます。受け入れ基準をオーバーするものにつきましては、それぞれの施設が除外施設を設けて、ある程度きれいにして下水道に流す、下水道で処理をしてきれいにして川に流す、こういう関係がございまして、受け入れ基準でいまわかっております成分につきましては基準がつくられておるわけでございます。将来、研究学園都市に入ります研究所がどういう汚水を流すか、それに対応して受け入れ基準も改正さるべきだと思います。そういうようないろいろな点を考慮いたしまして、先生ただいま問題にされました点で心配のないように今後してまいりたい、こういうふうに考えております。
  109. 二見伸明

    二見分科員 そういたしますと、汚水の問題ですけれども、これは途中で浄化装置をつくったりして、かなりきれいな状態で小貝川なら小貝川に流すので、地元考えているような心配はまず起こらないだろう、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。
  110. 井上義光

    ○井上政府委員 三方面ございまして、一つは、研究所なら研究所が相当毒性の強い水を流す場合には、除外施設を設けるということが必要だろう。それからもう一つは、キリンビールの取水計画というのがはっきりしておりませんけれども、それをどうするか。もう一つは、いま先生おっしゃいました、下水道の流し口をいまのキリンビールの上流のほうに設けるか、あるいは下流まで持っていくか、ここらがまだ正式にきまっておるわけではございません。今後の検討問題でございますので、この三方面からアプローチいたしまして、先生が心配されているようなことが起こらないような計画にいたしたい、こういうことでございます。
  111. 二見伸明

    二見分科員 くどいようになりますけれども、浄化装置をつけるということでお尋ねしたいわけでありますが、その場合、浄化装置は国の負担でやってくれるわけですか。それとも地元の町で、あるいは村の負担になるわけですか。あるいは県の負担になりますか。
  112. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 それぞれの施設、たとえば工場みたいな場合に、その工場が非常に悪い水を流す場合には、工場が除外施設を設けるわけでございますので、研究所が非常に悪い水を流す場合には、国の研究所が国の費用で除外施設をつけなければならぬ、こういうことになると思います。
  113. 二見伸明

    二見分科員 それからもう一つ、土地の買収価格の件でございますけれども、きのうもお尋ねしました成田空港の場合には、たんぼが十アール当たり百五十三万円、畑が百四十万円、山林が百十五万円、宅地が二百万円、これは畑を基準にいたしまして、最低六十五万、最高百十万という価格が四十一年九月の閣僚協議会できまったそうです。それで、実際には土地買収にかかったのが四十三年でありますので、それから二年間の時差を見まして畑が百四十万になったんだ、こういうふうに私聞いております。そういたしますと、筑波学園都市の場合は、閣僚協議会で決定した一カ月前の四十一年八月に、住宅公団と地元六カ町村との間で話し合いがきまって、そのときの売買契約では、十アール当たり平均三十五万円という単価なのです。私は、これはおかしいじゃないかと思う。どういう基準で成田のほうが百十万円であったのか、筑波のほうがなぜ三十五万円なのか。筑波のほうではこれですなおに応じております。しかも応じる条件としては、離農する人は離農補償金を出す、離農したくない、どうしても農業をやりたいという人には代替地を出すという約束で買収が行なわれている。三十五万円という値段は、成田に比べれば安いのです。しかし、農家の場合は、代替地をくれるからということで応じた人もかなりいる。ところが、代替地というのはほとんどいっちゃいないのです。二町歩余りを買収された開拓農家が十軒ございますけれども、代替地は全然もらえないということであります。そういう点を考えまして、三十五万円をいまさら引き上げろという、そういう非常識なことを私は申し上げませんけれども、同じ国策で行なわれる事業でこういう価格差があり過ぎるということです。しかも片一方には、代替地を設ける、代替地を渡すと言っていながら、渡してない。こういう点で、私は、筑波の問題に対しては、首都圏整備委員会委員長として何らかの対策を講じてもらいたい、成田とのアンバランスを多少なりとも是正するような方向で、何とか方策を考えてもらいたいと思うのですが、この点はいかがでしょう。
  114. 根本龍太郎

    根本国務大臣 筑波の土地提供者が、一応その当時において合意されたけれども、成田の問題が出たから、これに対して非常に抵抗を感じているということは、私もよくわかります。そこで、代替地の問題は、できるだけ御趣旨に沿って前向きで検討すべきだ、こう思います。事務当局等に対しては、これは結局具体的な土地がないとなかなかむずかしいのですから、それをできればまた地元からも協力してあっせんしてもらって、代替地を提供するように努力したいと思います。
  115. 二見伸明

    二見分科員 もう一点ですけれども、あそこに都市計画公園というのができているわけです。地元では新グリーンということばを使っておりますけれども、これは当初は区画整理区域ではなかった。ところが、四十三年の十二月に区画整理区域に入ったのです。土地収用法のかかる買収地域ではなかったのか、とにかくいずれにいたしましても、地元ではそれが公園になるということについては全然知らなかった。ところが、四十三年十二月にこれは買収されてしまった。しかも価格はやはり三十五万円です。最初きめられた基準価格でもってきめられてしまった。これに対して地元では相当に感情が悪化しているわけです。最初は計画にはなかった。ところが、今度は公園をつくるのだからといって、一方的に土地を取り上げてしまった。それで、いまさらながらどうしようもありませんので、どうしたらあなた方納得できるのかと、私いろいろ聞いてみました。そうしたらやはり代替地の問題なんです。われわれは農業をやりたいのだ、代替地を約束してくれれば、不満ではあるけれども悪感情を多少なりともやわらげてもよろしい、こういう返事なんです。私は、こういうきめ方自体、いままで計画外だったものを、いきなり四十三年十二月になって、ここは公園にするのだ、こういう一方的な上からのきめ方、そういう点も考慮して、この問題をどういうふうに対処していただけるのか、ちょっとこまかい問題になりますけれども、お尋ねしたいと思います。
  116. 川島博

    ○川島(博)政府委員 筑波の研究学園都市におきましては、洞峯公園、赤塚公園という二カ所の公園が予定されております。この赤塚地区はゴルフ場の一部でございますし、洞峯公園は二十ヘクタールあるわけでございまして、これは開拓農地ということであります。実はこの両公園ともまだ買えておりません。先ほど御指摘のありました四十三年十二月に、茨城県の都市計画審議会にはかりまして、公園の計画決定並びに事業計画が決定を見たわけでございます。この都市計画審議会の御同意が得られましたので、買収交渉に入ったわけでございますが、両方ともやはり代替地をほしいということで、まだ買収は完結しない段階でございます。私どもといたしましても、住宅公団を督励いたしまして、できるだけ代替地のあっせんに努力をさせておる最中でございます。
  117. 二見伸明

    二見分科員 時間がありませんので先へ進みますが、筑波学園都市が成功するかしないかの一つの問題は、東京と学園都市をつなぐ幹線道路建設だろうと思います。それで建設省では、常磐自動車高速道路というものの基本計画をすでにおつくりになっておりますけれども、この整備計画はいつごろ提出していただけるのか、その点をお伺いしたいと思います。
  118. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 常磐自動車道につきましては、昨年の一月に埼玉県の美里から石岡市間五十五キロの基本計画をつくりまして、その後整備計画のための調査をしている。できるだけ早い機会に整備計画を出したいと思います。私たちいまの予定では、おそくても五月ぐらいまでには幹線自動車道審議会を開きまして整備計画をきめるという段取りに持っていきたいというふうに考えております。
  119. 二見伸明

    二見分科員 それからこの道路、現在美里−石岡間までが一応基本計画ではさまっているわけでございますね。この道路は当然いわきまで行くわけでありますけれども、石岡から先、水戸、日立と延長する計画はどういうふうになりますか。石岡までできて、それから先なるたけ間隔を置かないで水戸、日立、いわきと、こういうふうにつなげるような工事計画になっておりますか、それともとりあえず石岡までやっておいて、それから一年、二年と間を置いてから向こうへ行くというような形になりますか、その点はどうでしょうか。
  120. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 石岡から北の基本計画につきましては、いまいろいろ調査しておる次第でございます。これには水戸の東を通るか、西を通るか、この辺に一つの問題がございまして、長期計画につきましては、そういう問題がなくなれば、逐次出していきたいというふうに考えております。さらに工事を実施いたしますための整備計画につきましては、これは私たち昭和六十年までには全国の七千六百キロやりたいということでございますが、その中でやはり交通混雑しておるところについては、できるだけ早くしたいという考えがございます。ただ、幹線自動車道の財源の問題もございまして、それと勘案いたしまして、整備計画追加を逐次やってまいる所存でございます。
  121. 二見伸明

    二見分科員 最後に、一点だけお尋ねしたいと思いますけれども、たしかいま局長おっしゃられたように、道路計画の場合、財源が大きな問題になるのは私わかります。それで建設省のほうでは、道路債というものを財源としてお考えになったことがあるようでございますけれども、道路債については、私は私なりの意見はありますけれども、建設大臣としては、道路財源としての道路債というものを今後どういうふうにお考えになっていくのか、その点だけお伺いして、質問を終わりたいと思います。
  122. 根本龍太郎

    根本国務大臣 道路財源については、現在党のほうとも相談しながら、これは特定財源を何としても確保しなければならないということで、大蔵省といま話し合いをしております。これにはいろいろの方法がありますので、いま道路債だけ一点だけとってお答えすることもできないのであります。それも一つの有力なる財源として考えておることは事実でございます。
  123. 藤田義光

    藤田主査 二見君の質疑は終わりました。  本会議散会後直ちに再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時五十八分休憩      ————◇—————    午後三時三十六分開議
  124. 藤田義光

    藤田主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。小濱新次君。
  125. 小濱新次

    ○小濱分科員 本国会に提出予定法案の中で、一番最後のところに、日本道路公団法の一部を改正する法律案並びに下水道法の一部を改正する法律案、もう一つございますが、この三件が検討中のもの、こういうふうになっております。  そこで、この法案は住民福祉の立場からもきわめて大切な法案と、このように思われるわけですが、この法案の一覧表に書いてあるように検討中のものとなっておりますが、この見通しについてお聞かせいただきたいと思うのです。
  126. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 下水道法の一部を改正する法律案というのが検討中と掲げてございますが、この中身といたしましては、流域下水道という、都道府県が事業主体になりまして幹線水路と終末処理場をつくります流域下水道の管理主体を、法律上明確にしたいということと、それからそれ以外に、新しく事業主体に、関する規定あるいは使用料の徴収に関する規定、その他数点を内容といたしておりますけれども、現在各省と折衝しておりまして、いろいろ財政的な問題あるいは地方自治との関連等で折衝を進めておりますけれども、なかなか難航いたしておりまして、いま一生懸命その作業をやっておる段階でございまして、今国会に提出することは、あるいはむずかしくなるかもしれぬというふうな見通しを持っておるわけでございます。
  127. 小濱新次

    ○小濱分科員 この河川の流域一帯が近年急激に市街化が進んでまいっております。そこへ工場などが進出をいたしまして、各都市の下水道整備が非常に立ちおくれを来たしている現状でございます。そこで、河川の水質汚濁の進行が憂慮されておりますが、全国的に流域下水道事業が進められてきておるわけです。そこでやはり自治体としては、流域下水道の法案が通らないと水が使えない、こういう苦しい悩みがございますと訴えております。まず、首都圏における広域流域下水道計画と財源等について、ひとつお述べをいただきたいと思います。
  128. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 首都圏におきます流域下水道につきましては、荒川左岸流域下水道、これは埼玉県施行でございます。印旛沼流域下水道、千葉県施行、多摩川流域下水道、東京都施行、相模川流域下水道、神奈川県施行、この四本をやっております。  その財源といたしましては、事業費の二分の一を国費、残りの二分の一を地元公共団体の負担ということで実施いたしておるわけでございます。
  129. 小濱新次

    ○小濱分科員 いまから十年ぐらい前ですか、三十五年度の補助額が二十七億円出ておりました。十年間たってきたわけです。今回の予算額を見ても、自治体の要望額は決して満たしてないわけです。こういうことで、この問題の中身が非常に問題でございます。これから私も内容を少しくお述べ申し上げて、御理解ある御答弁をいただきたいと思いますが、こういう現状をどうやって打開をしていこうとされるのか。この問題については大きな関心を大臣にも持ってもらわなければなりませんが、ひとつ大臣から御意見を聞かしていただきたいと思います。
  130. 根本龍太郎

    根本国務大臣 御指摘のとおり、最近、大都市のみならずその周辺の都市においても急速に都市化が出てまいりまして、それに伴うじんあい、下水、これが一つの公害的な現象を起こしておりまして、人間生活の非常なマイナス面がここに出てきておるという感じであります。これについては重点的にしなければならないと思いまして、実は四十五年度予算編成のときにも、かなり強く私が大蔵大臣と折衝しましたが、従来の実績がないために、御承知のようになかなか伸び率が少ない。  そこで、広域下水道なんかもこれは一つの効率的な施策でありまするので、そのために、実はでき得れば今国会に立法措置をしたいと思って、建設省としてはずいぶん一生懸命やりましたが、関係省庁とのあれができないで、まだ停とんしておる状況です。今後意欲的に下水道政策は推進してまいりたいと考えておる次第でございます。
  131. 小濱新次

    ○小濱分科員 今回アメリカで、五カ年間に水をきれいにするという計画が発表されまして、約百億ドル、日本円で三兆六千億ですね、こういう金額が一応示されておるようであります。アメリカはもう施設ができているわけですね。ものすごい鉄管が敷設してある。水質処理のために百億ドル使おうとする。日本では施設と処理と両方に使う予算になっているわけです。四十二年から四十六年までの五カ年計画、これは閣議で決定されて、いよいよ進められてきたようであります。来年最終年度を迎えるわけですが、この達成率は六八%の見込みなんですね。これはどういうことでしょうか、少し説明をしていただきたいと思います。
  132. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 先生ただいま御指摘のように、下水道整備五カ年計画、これは第二次五カ年計画でございますが、九千三百億という規模で進めているわけでございますが、四十二年度から四十五年度までにおおむね六千百五十六億円の投資が行なわれるというふうに見込まれております。九千三百億、三百億は予備費で、九千億に対しまして六八・四%の進捗率ということでございまして、四十五年度は五カ年計画の第四年度でございますので、あと一年しかないということでございます。  現在の状況では、計画の完全達成は相当困難であると考えられますが、事業主体である地方公共団体と力を合わせまして、できるだけ目標の達成につとめていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
  133. 小濱新次

    ○小濱分科員 先ほど話が出ましたけれども、相模川と荒川左岸流域に属する地域の広域下水道計画についてですが、この財源措置地元地方公一団体との関係、これはそれぞれの県のほうに伺いますと、建設省とよく話し合いをしてはおりますが、こう濁しておるわけです。そこで、県のほうの要求額に対して今度の補助率が非常に少ない、こういう内容を聞いておりますが、この相模川と荒川のことについて少しく説明をしていただきたいと思います。
  134. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 相模川は総事業費が二百九十四億円でございまして、神奈川県が四十四年度、今年度から着工した仕事でございます。本年度は初年度でございますので、事業費一億円で着手しております。ただいま先生からお話が出ましたのは、いよいよ着手したんだから、四十五年度におきまして相当規模の予算をつけてもらいたいという要望が神奈川県から来ております。これは予算が通りましたあとで予算配分をいたすわけでありますが、私どもといたしましても、神奈川県の水の状況からいたしまして緊急を要する事業だと思いますので、相当これに予算配分をしなければいかぬじゃないかというふうに考えております。  それから財源につきましては、先ほど申し上げましたように、半分が国の費用、残りの半分が県ということになりますが、県はやはり地元市町村に分担してもらうという形に流域下水道はどこでもやっております。したがいまして、大体県と市町村折半負担ということになろうかと思います。それに対しましては、それぞれ県及び市町村に対しまして、起債が県、市町村の負担分の六割充当されることになっております。残りの財源は一般財源でございますが、これにつきましては別途交付税の上で措置をする、そういう形になろうと思います。
  135. 小濱新次

    ○小濱分科員 いま水の問題が出ましたけれども、神奈川県の将来の人口や産業の発展状況から、昭和五十年には約三百万トンの水不足が予想されるわけです。そこで相模川ですが、現在県民の水需要を大部分ここでまかなっているわけです。それをさらに高度に利用して、一日当たり約百万トン新規水源を開発しようというのが、今度の流域下水道のこの工事の主たる目的になっていくわけです。さらに第二次計画として、酒匂の取水計画をいま立てておりますが、ここから三百万トンを何とかしてつくり上げていこう、こういう水確保の計画を持っておるわけですが、神奈川県としては、残された水資源というのは、この二カ所しかもうないわけです。これは大臣、聞いていただきたいのですが、昭和五十年を越えたより長期の水供給計画というのは、五十年を過ぎますと神奈川県は、下水道処理水の再利用、あるいは海水の淡水化方式、すでにもう研究を始めさしてもらいましたけれども、それ以外にない、こう悩んでおるわけです。五十年でお手あげになるわけです。  そこで、この流域下水道の効果についてはよく御存じのとおりでありますが、こうした河川の利用の効果を最大に発揮していこうということになっております。この問題について、四十五年度県からの需要額の予定として約十五億国にお願いしたそうでありますが、大蔵省段階で全国的にワクが半分ぐらいに削られてしまったんだ、こういうことでございますが、いまなお県のほうの割り当て額はきまってないということで非常に不安を感じておる、こういうことなんです。ただいまの御答弁ですと、相当予算配分をしなければならない、そういう県の水需要の状態であるということをいまお聞きいたしました。私もそのようにしていただきたいと思いますが、大臣からも、このことについてはお考えをひとつ聞いておきたいのでございます。
  136. 根本龍太郎

    根本国務大臣 都市局長が申し上げた趣旨に沿って、十分考慮いたしたいと思っております。
  137. 小濱新次

    ○小濱分科員 そこで、今回のこの法案の提出に対する考え方、この内容がどれほど重要な意味を含んでおるかということになりますが、財源確保ということが最たる問題であろうと思うわけですね。この間の予算配分のときに建設大臣が非常に努力をせられて、この下水道関係全体に対して三十九億ですか獲得された、そのことについて、非常な喜びの声を私も聞いたわけであります。三十九億じゃどうにもならぬと思いますけれども、それでもそれを取ってもらったために、その関係自治体が非常に喜んだ声を私のほうへよこしてこられた、こういうことがございます。復活要求、これは来年も当然起こってくる問題ですけれども、これ以外に大蔵省の理解を深めていかなければならない。建設大臣に課せられた使命は非常に大きいと思います。この財源確保の問題については、一そう努力をしていただきたいと思います。この点についてのお考えを聞かしていただきたいと思います。
  138. 根本龍太郎

    根本国務大臣 できるだけ時勢に合うように、予算獲得に努力したいと存じます。
  139. 小濱新次

    ○小濱分科員 そこで、先ほども話が出ましたように、県の割り当てはここでは発表できないわけですか。
  140. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 予算配分は、予算案が現在国会にかかっておるわけでございまして、国会を通過いたしましてから配分する、こういう形になるわけでございます。
  141. 小濱新次

    ○小濱分科員 案はあっても、終わるまでは発表できない。けっこうでございますが、先ほどの局長の御答弁の内容をよくわれわれは承知しながら、期待をしていきたいと思います。  そこで、最後に建設大臣にお尋ねしたいのですが、昨年の交通事故死が、十二月の二十七日現在で一万六千人なくなられました。十年間で十二万人以上の人がなくなっておられます。この人身事故対策としても、道路管理者という立場で責任ある立場に置かれておるわけですが、私はやはりこの根本をなすものは、何といっても安全施設であろうと思うのです。信号灯あるいは標示、標識、これに主体を置いてもっと力を注いでいったならば、この事故の半減、絶滅を期することができるのではないか。これについては例がたくさんございます。今度は自治省でも道交法の一部改正をするようであります。あるいは総理府でも、長官がいろいろと発表しておられます。また建設大臣道路財源として十兆三千億円、この数字に対して、聞くところによると閣議の席上で、三千億円以上の金が安全施設費に充てられるという話も、われわれはうすうす聞いておるのですが、この問題について大臣の確たる、確信あるこれからの行動をわれわれは期待しております。この問題について御意見を聞かせていただきたいと思います。
  142. 根本龍太郎

    根本国務大臣 交通戦争といわれるほどのモータリゼーションに伴う事故死、損傷、これはまことに重大な問題でございます。その原因はいろいろあるようでございまするが、私が担当する部面においては一生懸命やりまするが、相当部分が、実は日本においてはドライバーマナーが非常に悪いということです。幾ら道路をよくしても、全然それが役に立たないということであってはいけません。がしかし、道路自身においてできるだけ交通障害をなくするというのは私どもの責任でございます。  そこで、今度の新しい道路五カ年計画では道路構造令を変えまして、新しいモータリーゼーションと、さらには交通戦争の激化する中において、どうしたならば交通障害がなくせるかという観点から、これは相当改正したいと思います。それから、従来道路の延長だけ非常に急がせられておりましたが、安全性ということを重点に考えまして、構造面において、当然安全施設をたくさんつくるということにしております。  ただ、十兆三千五百億の計算の算定の中には、市街地における信号とか、こういうものは従来建設省道路予算から出さない一つの仕組みになっております。これは地方自治体において、あるいはまた警察関係でやっておることになっておりますので、この点は関係省庁で必ずこれを充足するようにしようという意思統一はしております。この安全の措置のうちの信号等、こういうものについては、どの程度どういうふうな措置をするかは、総務長官のところで調整の上、関係省庁にそれを実行せしめる、こういうふうにいたしておる次第でございます。
  143. 小濱新次

    ○小濱分科員 最後に、時間の制約がありますので、一言だけお尋ねしておきたいと思います。  いろいろとデータを調べてみますると、七都府県の事故の内容、それからその他の道県の事故の内容、こうずっとこれを十年間追って調べてみますると、この七都府県の事故の内容、これの負傷者の内容は約三分の一ぐらいですね。あと三分の二が郊外のほうになっているようです。その他の道県の郊外のほうになっておる。たとえば神奈川県の場合ですが、横浜とか川崎あるいは横須賀方面よりも、四十一の警察管区の中で一、二、三、四、五、六、七番目ぐらいは全部郊外で、小田原が第一、第二が大和、第三が相模原、こういうふうにして郊外の市に事故が非常に多く発生しておる。やはりこれは信号機がない、標識、標示がない、ここに問題があろうかと思います。その中でも、十六号線とか二百四十六号線とか、国道での発生事故が非常に多くなっております。この国会のまわりを見ましても、信号がずいぶん、五、六カ所立っております。こんなに狭いところでも五、六カ所ついているわけです。いなかにいきますと、何キロも信号なんか一つもないところを走っていくわけです。そういうところに事故発生の原因があろうかと思いますが、これはやはり総合的な計画を立てて、もっとこの安全施設に対する関心を深めていかなければならなかろう、こう思うわけですが、今後の、ひとつ勇断をもっての御活躍を期待するわけです。一言これに対するお答えをいただきたいと思います。
  144. 根本龍太郎

    根本国務大臣 同感でございます。
  145. 小濱新次

    ○小濱分科員 ありがとうございました。
  146. 渡辺栄一

    渡辺(栄)主査代理 小濱新次君の質疑は終了いたしました。  斎藤実君。
  147. 斎藤実

    斎藤(実)分科員 時間の制約もありますので、大臣にまず住宅問題についてお尋ねをいたします。  特に大都市におきますこの住宅難ということは、非常にいま問題になってきております。特に低所得者あるいは勤労者ですね。確かに家は持ちたいという望みは皆持っています。なるほど経済成長によって所得も向上した、こういいながら、やはり公団住宅にしても三万ないし四万、こういう高い家賃ですから、高額な住宅を借りるというわけにもいかぬ。     〔渡辺(栄)主査代理退席、主査着席〕 さりとて家を建てることも、経済的にもなかなか困難だ、こういうことで、国民の期待というものはやはり政府で住宅を、公営による住宅をひとつたくさん建ててくれと、われわれもいろいろな陳情を受けております。  それで、昭和四十三年十月の住宅難世帯の調べでは、約三百六十万世帯が住宅で困っている、こういう統計が出ております。そのうち二人以上で九畳未満あるいは四人以上で十二畳未満、こういった過密居住世帯というものは二百八十三万四千世帯にのぼっているというふうに数字が出ております。この数字は、住宅の五カ年計画の二百七十万世帯、これは御承知のように公営あるいは公団、公的住宅計画をさえ上回っているわけです。ですから、こういった住宅難の現状を踏まえて住宅問題を政府としてどう解決するのか、土地問題も含めて、大臣からひとつ最初に御答弁をいただきたい。
  148. 根本龍太郎

    根本国務大臣 住宅が不足しておる。しかもその中には、特に低所得者の人たちが非常にお困りだということは御指摘のとおりでございます。そこで、これを全部公的資金によって解決しようとする場合には、実質上財源は裏づけされていないのです。一方においてはサラリーマンが非常な減税を要求している、こういう状況です。そこで、われわれがいま考えておることは、公的資金による貸し家、分譲住宅は、ずっと生活関係のお困りの人に重点を指向する。そのほかに民間資金を活用することによって、相当程度これは新しい道が開けるのじゃないかということを考えているのです。  それは何かというと、現在、企業は高度成長下において年々かなり増収、増益が続いております。それを事業主体がサラリーマンの賃金だけで解決していこうとするけれども、賃金を上げられても、勤労者の方々あるいはサラリーマンは、住宅を持ちたいという願望はありますけれども、これにまとめてやるということはほとんど不可能な状況です。そこで私は、増収、増益しておるところの企業においては、一つの会社の方針として持ち家政策を企業の中でやってほしい、これを実は昨年党におる間に、経団連、それから商工会議所、それから同友会、日経連、これらの幹部の諸君におすすめしているのです。彼らも、これには原則として大いにけっこうなことだ。最近では、幸いに総評も、一つの勤労者の福祉のためにこれをやろうということになっておりますので、これにも一つ期待しております。  それからもう一つ住宅ローンです。住宅ローンを合理的に運営してもらえば、かなりの者が、サラリーマンの人々が持ち家の希望を持ってくる。それには保険制度が完全しておりませんために、住宅ローンが必ずしも十全に利用されていない。これをやるべきだ。それから民間デベロッパーの協力も望むわけですけれども、基本的には私は、いま申し上げたことと、それから地方自治体、これは都道府県あたりがやはり住宅政策に大いに創意くふうをこらしていただきまして、これに対して建設省が積極的に協力するということが必要だと思います。特に地方自治体におきましては、例の土地基金という制度がございまするので、これによって地方自治体が宅地を先行取得するというか、開発をして、そしてそれを住宅を欲しておる一般の需要者に分譲するなり、あるいはまた持ち家政策をやっていただくということが望ましいと思っております。その施策を進めておる状況でございます。
  149. 斎藤実

    斎藤(実)分科員 いま大臣から、持ち家政策を今後進めていくんだ、それから公営住宅については収入の低い人の対策だというお話がありました。それで、これは事務当局でもけっこうですけれども、住宅五カ年計画の公的住宅建設は百九十五万戸、目標の七二%だというふうに伺っておりますが、この点はどうですか。計画の中であと何戸残っておりますか。
  150. 大津留温

    ○大津留政府委員 五カ年計画の公的住宅計画は、全体で二百七十万戸でございますが、四十五年度建設いたしました結果は、トータルが実績としては二百五十九万戸になる見込みでございます。これは全体に比べまして九五・八%で、はなはだ残念でございますが、四%ばかり達成ができません。  この中で達成できなかった一番大きな原因は何かということでございますが、公営住宅の中にいわゆる改良住宅というものがございます。これは、御承知のように不良住宅地区を取っ払いまして、そこに新しいアパートを建てて、そこにお住まいの方に入っていただくという事業でございますが、そういう事業の性質上、現にお住まいの方方にその事業の計画を御説明して納得していただくというように、やはりいろいろ時間がかかります。そういうような関係で、当初約十万戸を計画しましたけれども、実績は三万五千戸程度にとどまったわけでございます。それが、達成できなかった主要な原因かと考えております。
  151. 斎藤実

    斎藤(実)分科員 それでは、公的住宅建設の何カ年間か計画があると思いますけれども、昭和四十五年度の数字を示していただきたい。公的な住宅計画の中で、公団と公営住宅に分けて御答弁を願いたい。
  152. 大津留温

    ○大津留政府委員 四十五年度の計画は、公営住宅が十一万三千五百戸でございます。この中に、先ほど申しました改良住宅というのが一万五百戸含まれております。それから公団住宅が八万一千戸、住宅金融公庫の融資にかかるものが二十五万六千戸、その他が十六万九千戸、こういう内訳になっております。
  153. 斎藤実

    斎藤(実)分科員 そうしますと、この公営住宅の十一万三千五百、公団が八万一千ですね。これは、このベースで何年か続いていくのか、あるいは低くなるのか、それとも上回るのか、計画をひとつお聞かせ願いたい。
  154. 大津留温

    ○大津留政府委員 昭和六十年までの長期見通しにおきましては、二十年間に約三千万戸の住宅が必要だという見通しになっております。第二次五カ年計画におきましては、四十六年度から五十年度まで五カ年間の計画を立てるわけでございますが、これは、現在いろいろ審議会におはかりして、その計画の規模なり内訳なりを御検討をお願いしておるところでございます。  私どもといたしましては、先ほど大臣から答弁のありましたように、公的施策住宅におきましては、低所得者向けの公営住宅等に重点を置きまして、現在の五カ年計画よりは大幅にこれを上回るものに持っていきたい、こういう考えております。
  155. 斎藤実

    斎藤(実)分科員 先ほど大臣から、公営住宅については低所得者に対して入ってもらうというお話がありました。それでは低所得者というのは、どこで線を引くのかという問題になってくる。大都市周辺の平均的な勤労者は、ボーナスを含めた月収でも一坪の土地を買うことも不可能です。  そこで、なるほど政府は、家は自分で建てるものだという考え方で、持ち家政策を推し進めようとしておりますけれども、やはり国の住宅政策の中で、現在の社会情勢あるいは経済情勢の中で、住宅を建てられないというのはやはり非常に多い、これは事実なんです。非常に困っておる。ですから、かりに所得水準が向上して、あるいは、もし各人が土地を買いあさるようなことになれば、土地の利用上からいっても不経済だ。ですから、社会資本としての勤労者に対する秩序ある公営住宅を大量に建設することが、住宅政策の基本ではないか。ですから、民間住宅に一応力を入れる持ち家主義もけっこうですけれども、そういう論議は国の責任回避論だというふうに考えるのです。こういった住宅難で悩んでいる勤労者、低所得者に対して、公営住宅の一そうの建設をお願いしたい。最後に大臣、ひとつお願いしたい。
  156. 根本龍太郎

    根本国務大臣 現在の状況において、公営住宅というのは、御承知のように国もしくは地方自治体が、究極するところ税金でやるということです。その税金はできるだけ下げるという状況下において、住宅を全部公的機関でやるということは、これは政治的な発言としてはいいけれども、現実にそれはできないのですよ。そこで民間の力でやり得るものはでき得るだけこれを活用して、そうしてほんとうに公的機関でめんどう見なければできないという人が現実にあるわけですから、そこにその力が集中的に及ぶようにするというのが、私は政治の実際だと思うのです。その意味で先ほども申し上げたように、企業なんかでも、これはやろうとすればやれるし、また現にやっているところがある。それをやってもらいますれば、それに対して税制上の優遇措置あるいはまた若干の財投をやることによって、そうした人々の住宅の需要が満たされれば、公的機関でつくられた住宅に対する申し込みがずっと緩和されるわけです。そういう意味で私は言っているのでございます。したがいまして、住宅問題を公的機関でやれということはよくわかりますけれども、現実にそれを今日までやって、なかなか解決しないために今日の状況になっておるのですから、他面において民間資金の活用方策をもっと創意くふうをこらして実施することによって、あなた方が要求しておる問題をより効率的に解決したい、こういう意味でございます。
  157. 斎藤実

    斎藤(実)分科員 私の申し上げているのは、いま住宅難で困っている方に対して、全部公営でやれということは言っているのではないのです。大臣のおっしゃることもわかる。ですから五カ年計画でも実際は計画どおりいっていないわけですよ。先ほど私、お聞きしたように、ことしも十一万三千戸ですか、こういったことについて、ひとつ計画どおり実績をきちっとやってくれということを、私は言っているわけですから、その点ひとつお間違いのないように願いたい。  それで大臣、時間もないので飛び飛びで恐縮ですが、国鉄の高架について、従来の建国協定が改定されて、国鉄の持ち分もだいぶ低くなって一割程度になった。そのかわり道路側の負担もふえてくる。建設省としても、この事業拡大のためには、財源のことでいろいろ非常に頭を悩ましておるのではないかと思うのです。こういったことで何か特別な配慮は考えていらっしゃいますか。
  158. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 先生御指摘のように、従来は国鉄の高架につきましては道路側が半分、鉄道側が半分ということでございました。実際問題といたしまして、国有鉄道の財政状況が御承知のとおりでございますので、なかなか国鉄側と具体的な協定ができなかったわけでございます。そのために、建設省でこれはやってもいいということで予算を内定いたしましても、具体的な協定ができないために実現ができないで引き延ばされてきたという事例が相当あるわけでございます。そういうような状況でございますが、一方、鉄道によってそこで都市機能が分断されているわけでございますので、地元のほうから鉄道を上げてくれという要望が非常に強いわけです。これは鉄道を上げる方法と実は道路を上げる方法と二つあるわけでございますが、道路でいくということよりもむしろ鉄道を上げてくれという要望が強いわけでございます。私どもといたしましても、道路側の負担がふえるという点につきましてはいろいろ問題があったわけでございますけれども、やはりこれを促進するためには鉄道につきましての負担を軽減するほかなかろうということで、四十四年の十月に建設省、運輸省の協定で現在のような負担方式に改めたわけでございます。したがいまして、道路側の負担がふえるということは、道路側につきましては三分の二を国が持つわけでございます。三分の一を地方が持つわけでございますので、地方の負担も若干ふえるわけでございます。従来から地元のほうの要望が強くて、そしてやってくれという声が現在も非常に多うございますので、この体制のまま私どもとしては費用負担については進みたいということであります。  それから、なお、新しく四十五年度から鉄道高架事業調査費という制度ができました。これは、やはり採択がきまりましても、具体的に精密な計画を立てませんと事業が進まないわけでございます。そのために鉄道側とのいろいろな打ち合わせもございますので、調査費の制度を設けまして、綿密な調査をあらかじめ十分行なって、そして綿密な事業計画を立てられるようにして事業を促進していきたいということで、四十五年度から調査費の制度を設けていただいてやっていきたいということでございます。
  159. 斎藤実

    斎藤(実)分科員 いま答弁がありましたように、いままで国鉄の負担が非常に多い。これは大都市でもすべてそうだと思いますけれども、町のまん中を国鉄が走っておるということで非常に交通混雑、町の発展を阻害しているし、交通事故等も起きておる。これはぜひとも高架にしろというような要望が、答弁があったように、強いわけです。国鉄のほうは金もかかりますから、道路をもぐらしてくれ、立体交差にしろという意見が非常に強い。地元のほうはぜひとも高架にしてくれというのですね。非常に対立しておるわけです。  札幌の例をとりますと、高架問題について、七・六キロの間に二十数カ所もありまして、非常に町の発展を阻害しているわけです。そういったことで、知事を会長にして期成会をつくって、早く計画をつくってくれ。国鉄のほうも、金の関係もあるのでしょうが、なかなか乗り気じゃない。こういったことで、今度都市計画事業としてこの高架というものは取り上げられるということで、今度第六次五カ年計画ですか、その中で地元もこの問題について非常に積極的である。この都市計画事業に、北海道の中心都市である札幌のこの高架計画を入れてもらいたい、こういう声が非常に強いのですが、この点どうですか。
  160. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 札幌の鉄道高架化事業については、早くやってほしいというような話も聞いております。ただ、現在オリンピック関連事業で相当多額の道路、街路事業をやっておりますので、私どもといたしましてはオリンピック終了後の事業として十分検討いたしまして、鉄道高架化事業を取り上げる、こういうようなつもりで考えております。
  161. 斎藤実

    斎藤(実)分科員 そうしますと、第五次の中にはオリンピック関連ということで入っておって、第六次に取り上げていきたい、こういうことでございますか。
  162. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 実はオリンピック関連事業には鉄道高架化事業は入っておりません。したがいまして、第六次五カ年計画の中で何らかの形で取り上げていく、こういうふうに考えております。
  163. 斎藤実

    斎藤(実)分科員 時間が参りましたので、以上で質問を終わります。
  164. 藤田義光

  165. 瀬野栄次郎

    ○瀬野分科員 国土開発幹線自動車道の中で五道がありますが、九州縦貫自動車道について建設大臣にお伺いしたいと思います。  申すまでもなくわが国経済の高度成長、最近の産業構造の高度化、また所得水準の向上に伴って自動車輸送の伸展は著しく、道路整備が今日ほど急務とされておるときはないのでございます。特に九州縦貫自動車道は、九州地方のおくれている開発促進のため早期にこれを建設する必要に迫られておるわけでありますが、政府では昭和四十年十一月一日福岡−熊本間の基本計画の決定を最初として、現在までに約二百六十三キロメートルの施工命令が出されております。この九州縦貫自動車道についてその進捗状況をまずお尋ねいたしたいのであります。
  166. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 九州縦貫自動車道につきまして現在用地の買収のための調査を行なっております。その内容をちょっと言いますと、福岡の粕屋から熊本の託麻まで、これが用地買収がことしの一月現在で三五%終わっております。この大部分が熊本でございまして、残念ながらまだ福岡のほうは非常におくれているような状況でございます。そのほかに四十三年、四十四年に出しました整備計画のところは、現存のところ路線の調査中でございます。
  167. 瀬野栄次郎

    ○瀬野分科員 現在の計画によりますと、植木−熊本間が四十六年七月、福岡−植木間が四十七年度中、さらに第三次施工命令の区間を入れまして全線開通は五十一年度中を目標にしておるやに聞いております。なお、供用開始はその区間の経済効果の大きいところから順次開始する。こういうことでございますが、福岡−熊本間の工事予算の大幅増額と早期完成を強く期待をしておるのでございます。この九州縦貫自動車道の完成の時期の見通しについてお伺いしたいのであります。
  168. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 実は九州縦貫の福岡から熊本間、この間が第一次の整備計画といたしまして非常に急いでいるところでございます。この間につきましては、やはり先ほど言いましたように福岡側が非常におくれているということで、熊本のほうの植木−熊本間については大体四十六年ぐらいには供用が開始できると思います。全線につきましては、いま福岡の用地のできるだけ早期の解決に努力しておりまして、それの完了後工事をするということになりますと、やはりいまの予想では四十九年くらいになるのではないかというような感じがいたします。
  169. 瀬野栄次郎

    ○瀬野分科員 御承知のように熊本県側は県民の協力によって用地買収あるいは土地の問題等の解決が順調に進みまして、現在本線工事に着手しているのでありますが、ただいまも説明ございましたように、福岡県側が、設計協議のところもまだたくさん残っておりますし、用地交渉、用地買収がほとんどなされておらずに、たいへんおくれているわけです。これでは熊本県側が早く完成しても、せっかくの縦貫道もその効果をあげることができないのでございます。  そこで、建設省はどのように監督指導をしておられるか、また福岡県側がおくれている原因に、二日市の路線決定と土地買収の問題が一つのネックになっておりますし、瀬高の高架線の問題がまた問題をかかえております。こういった現状並びに解決の見通しについてお伺いしたいのであります。この解決ができなければ、かなりまたおくれるのじゃないか、こういうふうに憂慮をいたしておるわけでございます。
  170. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 ただいま先生御指摘のように、福岡県の筑紫町、二日市地区、これにつきましては、場所が温泉街の近くでございまして、また非常に文化財の多いところで、われわれの最初出しました線に対して、もっと山に入れてくれというような要望がございました。そのためにその比較調査をやっておりまして、やはりこれは、いろいろ地元の御要望もございますが、いまの公団の線が私たちも一番いいというような技術的な検討を終わりまして、現在地元の説得中でございます。やはりこういう問題は、話し合いで——一方的に押しつけるということも用地の問題を早く解決する方法でございませんので、現在地元に私たちよく説得しておる次第でございます。  また、御指摘の瀬高町からの全面高架につきましても、やはりどこも全面高架を要望されますが、地元が農業をやっていくために必要なものは、これは通路をつくらなければならないというような技術的な問題で、これも説得しております。こちらのほうは比較的早いうちに解決できるものと思っております。
  171. 瀬野栄次郎

    ○瀬野分科員 ただいま御説明ございました二日市の問題については、聞くところによると、何か二、三名の方がものすごく反対をしておられまして、実際に相当問題が大きいようであります。福岡県の知事も中に入っていろいろあっせんの労をとったようでございますが、この問題について、いつごろ大体、五月か六月かわかりませんが、解決のめどがあるか、または、この問題について解決しない場合に土地収用法の問題等も考えておられるものか、その点御意見を承りたいのであります。
  172. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 実は現在説得中でございますので、すぐにでも説得によって解決する可能性はあると思いますが、まだまだ一カ月、二カ月ぐらいはかかるのではないかというような感じもいたします。  また、これがもしどうしても説得ができない場合に土地収用法をかけるかということでございますが、やはり最終的には土地収用法ということも、それはしなきゃならぬ事態が出るかもしれませんが、いまのところ、私たちはこの地元の説得で十分解決ができるということで説得を主体に考えております。
  173. 瀬野栄次郎

    ○瀬野分科員 せっかく熊本県側も順調に進んでまいっておりますので、どうかひとつせっかく努力していただいて、福岡県側の促進をはかっていただき、全線開通が予定よりも早くできますように要望をする次第です。  さらに、九州縦貫道に関連しまして、現在すでに基本計画の決定を見ております熊本県南部のことについて若干お尋ねをいたします。  まず最初に、熊本−松橋間の早期着工を県民はひとしく願っておるわけでありますが、これは福岡−熊本間と同様に、同時に完成を目ざしたい、このような強い要望を持っているわけです。この早期着工について見通しはいかがでございましょうか。
  174. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 熊本−松橋間については、現在路線発表を終わっております。これは御承諾を得られれば用地の買収に入るという状況でございます。これの工事でございますが、ことしの高速道路関係の事業費といたしましては、私たちは千八百億程度要求しましたが、千二百五十億ということになりまして、現在これをいかに有効に使うかということを検討しておる次第でございます。早く用地の買えたところは工事をしたい。また、してくれという要望が強いのでありまして、私たちやはりこの問題はことし以後、来年もそうですが、やはり高速道路の財源については、もう少しめどを持たないと、用地が買えてもなかなか思うように進まないであろうということで、財源の強化のほうを今後強力に進めたいというように考えております。
  175. 瀬野栄次郎

    ○瀬野分科員 熊本県の松橋−八代間の実施計画の策定と、それから八代−人吉間の整備計画を早急に策定してもらいたい、こういうように思うわけです。この点については、見通しはどういうふうになっておりましょうか、お尋ねします。
  176. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 松橋−八代間は、いま道路公団のほうでルートについての設定をいろいろしておりまして、それによってルートの路線の発表ということに持っていきたいと思っております。八代−人吉間については、御承知のように球磨川がありまして、そこのルートではなくて、それより少し東北に寄りました肥後峠を抜けるように基本計画を出しております。これは御承知のように急峻なところでございますので、将来の九州幹線になる道路でございますので、あまり勾配のきついようなものでも非常に困りますので、そういう地形も考えまして、いま調査を鋭意しておる状況でございまして、まだ一、二年調査が必要になるのではないかというように考えております。
  177. 瀬野栄次郎

    ○瀬野分科員 これもおくれている地域開発のために早急なる実施計画並びに整備計画を進めていただきたい、このように強く要望申し上げる次第です。  なお、縦貫道の最後のもう一点としまして、人吉から鹿児島並びに宮崎に抜ける縦貫道の一部施工を開始しておるところもあるようでありますが、見通し、現状について一言お願いいたしたいと思います。
  178. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 実は人吉からえびのに行くところには御承知のような加久藤峠というのがございまして、これが高速道路を通るようになっております。また、現在国道が通っておりまして、現在その国道のトンネル工事を実施しております。その間につきましては、交通量の関係もございまして、とりあえず国道の無料のトンネルをつくりまして、それで高速道路から来たものを一時それに乗せるというような考えをしております。将来交通もふえるのでございますから、将来は国道のトンネルと別に高速道路のトンネルをつくりたいというふうに考えております。まず第一段階としては、国道のトンネルを利用して加久藤峠を越えていきたいというような計画を持っております。
  179. 瀬野栄次郎

    ○瀬野分科員 このことについて建設大臣に所信を伺いたいと思いますが、九州は御存じのようにずいぶん地域開発がおくれておりまして、道路の完成を渇望いたしております。先ほどもお聞きのように、福岡県もずいぶんおくれておりまして、また、南のほうはまだそのおくれがひどいわけでございますが、建設大臣として、特におくれている九州の産業開発のためにも、九州縦貫道の建設についてどのような姿勢で、お考えで臨んでおられるか、決意のほどを伺いたいと思います。
  180. 根本龍太郎

    根本国務大臣 九州縦貫道の建設はできるだけ促進したいと思いますが、一番の問題は、やはり用地取得の問題です。これなくしては幾らやろうとしてもできませんので、どうかひとつ地元の皆さんを説得して御協力していただきますことを、私のほうからもお願いする次第でございます。
  181. 瀬野栄次郎

    ○瀬野分科員 次に、河川総合開発事業について建設省にお伺いをいたします。  熊本県阿蘇郡長陽村字立野の立野ダムは、すでに政府でもいろいろお考えのようでありますが、一級河川白川の上流でございまして、昭和四十四年度三百六十万円をもって予備調査が行なわれたのであります。その調査の状況及び四十五年度の調査のための予算、並びに今後どのような調査を進めておいでになるか、まずお尋ねをいたします。
  182. 坂野重信

    ○坂野政府委員 このダムにつきましては、かねて地元からも要望もございますし、白川自体の洪水調節という立場から非常に重要な問題でございますので、四十三年度には県が単独費で調査いたしております。それを受けて四十四年度から基礎的な調査を始めておるわけでございますが、やはりダムをつくるためには、その前提となる洪水調節上の立場で、幾らの容量のダムが必要であるかという基礎的な調査と水利用の問題、熊本を中心といたしまして都市用水あるいは沿岸の畑地かんがいの問題等の需要が逐次ふえておりますので、こういったものに対する基礎的な調査、四十五年度はこういうものをさらに継続すると同時に、できればダムの地質についての概査定をしたい。ダムサイトをつくるとすれば、はたしてどこに持っていったらいいかというようなことを、ひとつ十分調査する方向で進めております。
  183. 瀬野栄次郎

    ○瀬野分科員 四十五年度の調査費の予算は、どのくらい見込んでおりますか。
  184. 坂野重信

    ○坂野政府委員 まだはっきりいたしてはおりませんが、まあできれば五、六十万程度というようなことでございます。これはまだ最終的に予算が確定しておりません。
  185. 瀬野栄次郎

    ○瀬野分科員 御承知のように、昭和二十八年六月二十六日の災害といえば、未曽有の大水害でございました。阿蘇山一円の火山灰土の流出によって熊本市一円が埋没し、まさに大泥害となったことは記憶になまなましいものがあるわけです。この立野ダムの建設こそは、白川流域をはじめ熊本市及び下流の洪水調節並びに災害防止になるということは言うまでもなく、現在建設中の新熊本空港の高遊原台地をはじめ、右岸、左岸の約千五百ヘクタールに及ぶ農業、果樹団地のかんがい用水にもなりますし、さらに最近、熊本市の都市用水もずいぶんと少なくなりまして、夏場は足りなくなってまいりました。これらの都市用水及び熊本市のかんがい用水の不足を補うなど画期的な意味を持った県民待望のダムであります。従来、ダムといえば反対が強くて、熊本でも下筌ダム等の例がございますが、このダムについては、もちろん一部の反対等も若干あるにしても、大かたの賛成とまた歓迎をいたしている県民渇望のダムでもございます。  そこで、効率的利水をねらいとした多目的ダム法によるダムをつくっていただきたい。建設省は、聞くところによると、治水ダムというようなことも聞いたのでありますが、河川流域及びその周辺地域の総合開発等を促進する上からも、ぜひ多目的ダムをつくっていただきたい、こう思います。  そこで、立野ダムの規模について、概要の御説明を承りたいのであります。
  186. 坂野重信

    ○坂野政府委員 その前に、先ほど五、六十万と申し上げましたが、四、五百万程度で、まだこれは確定いたしておりませんが、あとで追ってお知らせいたします。  ダムの規模でございますが、これはもちろんさっき申し上げましたように、まだ調査中でございますのではっきりいたしませんが、九十メートルから百メートル程度の高さになるのじゃないか。有効の貯水量は二千万トンくらいのものにぜひ持っていきたい。  それから、先生おっしゃいましたように、どうせつくるならば、熊本の都市用水が特に逼迫しつつありますので、できだけ多目的ということで考えてまいりたいというぐあいに考えております。
  187. 瀬野栄次郎

    ○瀬野分科員 聞くところによると、事業費なんかも約六十八億を見込むようなダムにしたいというようなことも聞いておりますし、重力式コンクリートダムで、着工も昭和四十七年または四十八年ごろに考えているということでございますが、その点についてお伺いしたいと思います。
  188. 坂野重信

    ○坂野政府委員 事業費のほうは、六十八億という資料お話しのようですけれども、これはもちろん調査の結果変動があると思います。見当は、その辺の六、七十億ということじゃないかと思っております。  それから着工は、予備調査の進行度によるわけでございますが、できれば四十七、八年ごろから着手するという目途で調査を進めたいというふうに考えております。
  189. 瀬野栄次郎

    ○瀬野分科員 最後に、多目的ダム法によるダムをつくる計画であるということで私も安心いたしましたが、立野ダムを利用して、今後いよいよ近代化する農業用の電力、過疎対策のための工場誘致に必要な電力、こういったものを供給するためにも、発電計画をぜひやっていただきたい、このように思うのですが、これについてどのようにお考えでございましょうか、一言お願いします。
  190. 坂野重信

    ○坂野政府委員 まだ発電までは具体的に考えておりませんが、今後の調査の進行によって、発電側の要請があり、またダムの構造上も許せるようなことならば、発電も含めたダムを考えたいと思います。
  191. 瀬野栄次郎

    ○瀬野分科員 建設大臣に最後にお伺いします。  こういった状況でございますが、このダムは熊本のほとんど半分を潤すところの大きな問題でございます。建設大臣も十分御承知と思いますが、今後ぜひ発電計画等も考慮に入れていただいて、このダムが早期に実現すべく調査を進め、着工をしていただくように強くお願いをするわけでございますが、最後に大臣の決意を一言承りたいのであります。
  192. 根本龍太郎

    根本国務大臣 調査の結果、そういうことができるならば、多目的ダムとしてやることが国益に沿うゆえんだと思いますので、ぜひそのように取り計らいたいと思います。
  193. 瀬野栄次郎

    ○瀬野分科員 以上で私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
  194. 藤田義光

    藤田主査 瀬野栄次郎君の質疑は終了いたしました。  多田時子君。
  195. 多田時子

    多田分科員 最初に、下水道の問題についてお尋ねしたいと思います。時間も短いようですので、単刀直入にいろいろ質問申し上げたいと思います。  最近では、都市河川の汚濁が公害問題として社会問題となっております。この河川の汚濁を防ぐためには、下水道の整備こそ最も必要なことだと考えられます。ところが、都市の基盤的な施設である下水道の普及は、わが日本の国は全く立ちおくれております。資料によりますと、昭和四十三年の公共下水道の普及率はわずかに二一・四%であるという現状でございます。それが先進国の諸都市の普及率のすばらしさに比べますと、あまりにも恥、ずかしい現状でございます。また、公共下水道を設置している都市は、日本の全国三千三百七十六市町村、そのうち二百二十七市町村にしかすぎないという現状でございます。  このような下水道施設の整備状況に対処するためには、抜本的といいましょうか、飛躍的といいましょうか、そうした対策がはかられなければならないと思いますけれども、まず最初に、この点についての今後の方針について伺いたいと思います。
  196. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 先生ただいま御指摘のとおりの下水道の現況でございます。私どもといたしましては、現在、先ほど御答弁申し上げましたように、下水道整備第二次五カ年計画に基づいて整備を進めているわけでございますが、近く経済社会発展計画の改定というようなものも行なわれますので、その行政投資のワクの中におきましても、下水道の投資が相当大幅に確保されるように努力して、できる限り先進諸国の水準に近づくように努力してまいりたい、こういうふうに考えております。
  197. 多田時子

    多田分科員 全体的にその普及について努力されていくことはわかるのですけれども、五カ年計画の中の今年度における普及率といいますか、そうした進捗状況と、ことし一ぱいの普及率といいますか、その状況についてお知らせいただければと思います。
  198. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 四十五年度末におきまして下水道の面積当たりの普及、つまり市街地面積に対します排水ができます区域の面積が、二三・六%くらいになるだろうというふうに見込んでおります。
  199. 多田時子

    多田分科員 現在の東京、一千万の人口をかかえております文化都市を誇る東京でございますけれども、その東京の中ですらもわずか四〇%でございますし、中でも、この一覧表を見ますと、目黒区が三・五%、練馬区が三・七%、江戸川区三・七%、さらに最もひどいのは世田谷区の〇・三%で、一%にも満たないという現状でございますが、これはもうほんとうにどういうわけだろうかとふしぎに思わざるを得ないのですけれども、これを読みますと、世田谷の下水道の必要面積は五千七百十四ヘクタールで、その中の普及面積はわずかに十九ヘクタールであるという現状でございます。  こうした現状を見ますと、いわゆる私どもの国民生活の基盤というのは、全く無視されているというような現状でございます。確かに経済の高度成長ともいわれますし、GNPは世界三位ともいわれておりますけれども、こうした現状ではまことに恥ずかしいし、またそうした現状認識に立てば、そうした最も普及率の悪い地域に対して優先的に強力な工事が進められていかなければならないと思いますけれども、その辺のお考えについてお伺いしたいと思います。
  200. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 東京都区部の普及率は、先生御指摘のとおり四十四年度末で四〇%でございます。東京都の普及状況を見ますと、都心部を中心にいたしまして環状六号線の内側くらいのところが大体下水道が整備されておる。いまその外側のところを逐次やっているという状況でございます。  下水道は、御承知のように自然流下で、つまりポンプなどを若干途中で使うこともございますが、原則として自然流下で、だんだん下流に持ってまいりましてそこで処理をして、海なり川なりに放流するという仕事でございますので、結局、根元のほうから仕事をやってまいりませんと、上流のほうはなかなか、上流だけつくりましても処理場につながらないわけです。したがいまして、都心部につきましては、これは隅田川の汚濁対策あるいは荒川の汚濁対策というようなことがございまして都心部から進められたわけでございますが、世田谷区も多摩川に面しておりまして、多摩川がだいぶよごれておりますので、これも急いでやらなければいかぬということで、現在この世田谷地区は、森ケ崎という羽田のそばに処理場があります、あすこにつなぐようになるわけであります。多摩川の沿岸地区の幹線と、それから森ケ崎周辺の下水道から始めておるわけでございますが、世田谷が一番その奥に当たるものでございますので、先生御指摘のように、〇・三%というふうな普及率でございます。これは逐次上流のほうに及ぼして、私どもといたしましては、できるだけ早い機会に公共下水道を普及したいと思っておりますけれども、相当面積も大きゅうございますし、投資額も大きいものでございますので、そう数年でできるというようなわけにはまいらないというふうな状況になっておるわけでございます。
  201. 多田時子

    多田分科員 いま数年ではできないということでございましたけれども、ことし四十四年度末で〇・三、四十五年度末で〇・六ということで、わずかその差〇・三なわけですけれども、これはもう今年度確定的なことでこれ以上どうにもならない、こういうことでございましょうか。なおもう一歩、最も低い点に対しては考慮をしようという余地がありますものかどうですか。
  202. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 現在、主として進めておりますのは、森ケ崎系統では大田区の辺でございます。さらに目黒区それから世田谷区ということになるわけでございます。下水道の工事性格からいいまして、これをそう大幅に引き上げるということは、本年度無理じゃないかと思っております。
  203. 多田時子

    多田分科員 三多摩のほうですか、世田谷から隣接しております三多摩のほうでは、いわゆる枝線ですか、そうしたものができておりまして、森ケ崎線から入ってきましたときに合致するという方針で、三多摩は三多摩なりに進んでいるようでございますが、その辺に対しては、世田谷区の場合はどういうことになっておりますか。
  204. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 実は、いままでの下水道の整備というのは面的に整備をする、つまり幹線と枝線を同時に入れていきまして、直ちに下水道の処理ができるような形で逐次面積を拡張するという方法でやってきたのでございますが、そういう方法でやりますと、郊外地区の下水道がなかなかできないということになりますので、ここ一、二年若干方針を変更いたしまして、幹線の管渠をできるだけ早く整備する。そしていまお話しのように、たとえば武蔵野とかあの辺の三多摩の地区で、もうすでに下水道の枝線のパイプができていて、それが処理場がないために処理ができないという状況のところがございますので、幹線管渠をできるだけ早くつくりまして、枝線をそれに結ぶことによって三多摩地区におきまして処理ができるような体制に早く持っていきたいということで、多摩川水系につきまして、森ケ崎系統につきましては多摩川沿いに幹線管渠の整備を急いだわけでございます。  そういうことで、幹線管渠はほぼ多摩川沿いにできておりますので、次は各地の枝線の整備ということになってまいるわけでございます。かなり面積が広いものでございますので、すぐできるというわけにはまいりませんけれども、そういうような考え方で幹線整備されましたら、逐次枝線の整備を早急にはかっていきたい、こういうふうに考えております。
  205. 多田時子

    多田分科員 今回急にというわけにいかないので、〇・六ということでございますけれども、次回はやはりせめて目黒、大田、あるいは一番低いところの練馬、そうした線にまでは持っていっていただくように努力をお願いしたいと思います。  次に、少しこまかな問題でたいへん恐縮でございますけれども、いまあちらこちらで地下鉄工事あるいは道路工事等が盛んでございますし、いまもいろいろと御質疑が行なわれておりましたけれども、ひとつ初めに、三号線、それから地下鉄新玉川線、この二つの現在の進捗状況と完成の期日について明確にお教えいただきたいと思います。
  206. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 首都高速の三号線の進捗状況について申し上げます。  御承知のように、渋谷のところまでは三号線が来ておるわけであります。渋谷から先、東名高速道路に結ぶところまで現在事業を施行中でございますが、現在、大体事業費で申し上げまして半分くらいの状況でございまして、四十六年十二月完成ということを目途に現在工事を進めておる段階でございます。  それから地下鉄と申しますのは、玉電のかわりにつくる地下鉄のことですか。これは三軒茶屋から大橋のところまでは地下鉄も同時に施工をしておるということで、あそこにつきましては、下に地下鉄の箱をつくって、その上に柱を立てて高速道路をつくるという工事を同時にやろうということでございます。ただ、三軒茶屋から先につきましては、高速道路を先につくりまして、あとシールド工法によりまして、地下鉄が免許をされました路線を別途あと工事する、こういうような計画になっております。
  207. 多田時子

    多田分科員 四十六年の十二月といいますのは、新玉川線、高速三号線のことでございましたでしょうか。
  208. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 高速三号線のことです。
  209. 多田時子

    多田分科員 地下鉄のほうはおわかりになりませんか。
  210. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 地下鉄のほうは、工事の関係上、三軒茶屋から大橋の間は同時に施工いたしますけれども、三軒茶屋から先は、これはおそらく東急がやることになりますので、東急の現在の計画はたしか四十八年度くらいというふうに聞いておりますけれども、私どもの所管ではございませんので、はっきりしたことはわかりません。
  211. 多田時子

    多田分科員 さらに、こまかい問題で恐縮でございますけれども、こうして道路計画が充実されますし、またそうした地下鉄が完成される等で、たいへん喜ばしいことでございますけれども、こうした工事によって、工事中とはいえども周囲の住民の生活が無視されていいということは当然ないわけでございます。こうした見地に立ちまして、施工にあたっては、当局としても、また各会社としても、十二分に現地の住民に対する細心な配慮がなされていることと思います。その辺の御配慮、また対策、そうしたことに対して伺いたいと思います。
  212. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 一番問題になりますのは、交通渋滞と騒音であろうと思います。  交通渋滞につきましては、実はあそこは非常に交通量の多いところでございまして、あれを着工するということになれば、相当工事用の面積が削られるということになりますので、さらに混雑が多くなるのではないかということで、そこのところは、一番われわれといたしましては苦心した点でございます。これにつきましては、いろいろないきさつがございましたけれども、結局現在、いままでございました玉川線を撤去いたしまして、そうして工事は夜間に行なうということを原則にいたしておるわけでございます。と同時に、商店街の方には御迷惑かもしれませんが、歩道を若干切削いたしまして、そして何とか交通をさばきながら工事ができるような体制をとったわけでございます。しかし、何せ二四六というのは非常に交通の多いところでございます。それにつきましては、相当御迷惑はかけているのではないかと思いますけれども、しかし、これもできますまでしんぼうしていただきたいというふうに考えておるわけでございます。  それから、もう一つ工事騒音でございますが、工事騒音は、御承知のように騒音規制法で、建設工事につきましては騒音規制がなされております。それ以外に、私どもといたしましては、現在開発されております工法のうち、最も騒音の少ない工法、たとえばくい打ちというようなものは一番やかましいわけでございます。あれにつきましては、アースオーガーというようなドリルのようなもので穴をあけてくいを入れて、最後に一、二メートルはどうしてもくいを打たなければならないわけでございます。たとえばそういうような工法をとりまして、極力騒音が少ないようにすると同時に、ほんとうは昼間やればよろしいのでございますけれども、片一方で交通渋滞という問題が起こりますので、大部分のところは夜間工事をいたします。工事の施行にあたりましては、工期とか施工の時間ということにつきまして、付近の住民の方々に十分説明を行なうというようなことを指導しているというのが状況でございます。
  213. 多田時子

    多田分科員 一つ一つ例をあげるとたくさんあるのですけれども、騒音による公害といいますか、それでノイローゼになったとか、いたたまれなくて神奈川県の相模原のほうに越したという方もございます。最初工事開始のときには、皆さんずっと回られまして、写真までとって、そして、もしものことがあったらというようなことだったようでございます。しかしその後、騒音ばかりではございませんで、工事の振動——たまかもしれませんけれども、とにかく振動で壁は落ちる。あるいはタイルのおふろ場が使用不能になる。あるいはひびが入って水が漏れる。一番大きい問題としては、井戸水が出なくなったという渇水の問題。もう一つは日照権の問題。それから交通渋滞によってみんな車が町の裏側へ逃げていきます。その裏道における交通事故の頻発。そうしたような問題が各所にあるわけでございます。そうした問題に対して、もし壁が落ちた、あるいは屋根が傾いた、かわらが落ちた、あるいは井戸の水が出なくなった、こうした問題に対しての対策というか、その後の事後処理といいますか、そうした問題に対してはいかがでしょうか。
  214. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 工事中の振動によりまして家屋に被害が生ずるというような場合には、すぐ使わなければいかぬようなものもございますので、応急対策のための工事を公団もしくは業者がやる。同時に、実害が起こりました場合に、それを直さなければいかぬ、壁に亀裂が入って直さなければいかぬというようなものにつきましては、公団側で必要な工事をするか、あるいは補償をするというようなことにいたしております。応急工事のほうはすぐやりますけれども、工事中でございますので、本格的な復旧工事につきましては、工事が終わりましたあとで、公団側が工事をやるか補償をするというようなことをいたすことにいたしております。  それから、井戸水が出なくなったという問題につきましては、とりあえずは簡易な施設によりまして水道の供給をする。仮給水をいたします。そして、どうしても工事が終わったあとにおきまして井戸水が出なくなったという状況が確認されましたならば、これは御本人との協議によりまして、水道に切りかえるか、あるいはどうしてもそういうことじゃ困るというものにつきましては、井戸をさらに深く掘るというようなことをいたしまして、支障を来たさないような措置をすることにいたしております。
  215. 多田時子

    多田分科員 そういうことになってはいると思いますけれども、現実にはいい例もあるんです。ということは、池尻方面では、そういうことを申し出ますと、その辺に工事をしている方に申し出ても、それがすぐ通じまして、さっそく来てくれて見てくれて、あくる日には直してくれたといういい例もございます。ところが、三軒茶屋、中里から上馬、向こうのほうになりますと、だれに言ってもらちがあかない。それで先日もちょっとお話ししましたら、それは手が打ってあるというお話でしたけれども、昨日再確認をいたしましたら、何ら手が打たれておりませんで、こちらに行けば、いや、うちのほうの関係ではないと言う。こちらに行けば、それは公団の問題だと言うので、どこに一体責任があるのかということで、地元の人たちは悲憤慷慨している方たちもいるわけでございます。その辺……。
  216. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 それはまことに申しわけないと思います。さっそく調査いたしたいと思いますけれども、あそこをやっておりますのは首都公団の第一建設工事事務所、そこに申し出ていただけば、さっそく必要な措置を講ずるようにいたしたいと思います。
  217. 多田時子

    多田分科員 もう一度名前を……。
  218. 竹内藤男

    ○竹内(藤)政府委員 失礼しました。第一建設部でございます。
  219. 多田時子

    多田分科員 各所にこうした問題で、片や建設、片やそうした被害で悩んでいる人たちがたくさんいると思いますし、前にもこうした問題で何らかの手を打っていただいた例もたくさんあるようでございますけれども、この新玉川線ですか、高速三号線ですか、この付近に対しましても、皆さんの誠意ある御配慮のほどをよろしくお願いしたいと思います。  最後に建設大臣一つお伺いしたいと思います。道路関係で大きいことになりますけれども、わが国の高速道路は、昭和六十年までに約七千六百キロに及ぶ幹線自動車道路網建設がなされるといわれております。この工事建設費なんですが、諸外国の例を見ますと、たいへん日本の建設費は高いということで、一キロあたりの工事費が、アメリカで二億三千万、西ドイツでは三億五千万、イタリアでは二億、フランスで一億八千万。こうした金額に対比しますと、日本の名神高速道路が六億三千万でぐっとお高いように思います。また東名高速は十億かかったといわれております。こうした建設費に関しましては、確かに日本の地形というのは複雑ですし、トンネルもあり川もありで、そうした建設費のたいへんかさむ理由はいろいろあると思いますけれども、もう一つの理由として、高盛り土方式というのがなされている、それが大きな原因ではないか、こういうふうに伺っております。今後高速道路建設にあたっては、極力地表面方式が採用されればいいのではないかと伺っているわけでございますけれども、その辺の事情と今後の方針について。  もう一つは、その高盛り土方式と地表面方式のキロ当たりの単価の相違、その二点について伺いたいと思います。
  220. 根本龍太郎

    根本国務大臣 技術的なことでございますから、専門家の事務当局からお答えいたします。
  221. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 ただいまの高盛り土方式という点でございますが、日本は御承知のように平地は大体水田になっておりまして、水田の用水路を越えて、また市町村道を越えるときにはどうしても立体交差しなければいけない、そういうことで盛り土を高くせざるを得なくなってくるわけでございます。そういう意味からいえば、そういうもののないような比較的高原地帯、ここはやはり工費は相当安くなります。ただ、あまり山が急になりますと、今度はトンネルとか橋梁とか擁壁とかいうものが多くなり、またこれも高くなるわけでございまして、やはり水田はそういう高い盛り土をしなければいけませんし、また構造物が非常に多い。山へいくと、同じようにいま言ったようなことで、やはり丘陵地帯、この辺が高速道路としては一番安くできるわけでございます。外国と比べますと、用地が高いことのほか、やはりいま言った構造物というものがたくさんあるということは、非常に高価になってきておることだと思います。また雨の量も外国と違って日本は非常に多い。その雨の処理のために、かなり構造物に金がかかっているわけでございます。  次のどのくらいの工費かということになりますと、ちょっとはっきりした代表的な数字は言えませんが、まあこれも私の常識的な数字でございますが、やはり丘陵地帯でいけば大体四億くらいでできる。水田地帯にいくと、やはり高盛り土にすると六億くらいかかるのではないか。さらにそれが長い橋とかトンネルとかというものになりますと、十億以上の金額になるというようなことではないかと思います。
  222. 多田時子

    多田分科員 質問を終わります。
  223. 渡辺栄一

    渡辺(栄)主査代理 多田君の質疑は終了いたしました。  相沢武彦君。
  224. 相沢武彦

    相沢分科員 私は道路問題でお尋ねをしたいと思います。  バイパス建設にあたって、有料道路事業一般国道事業と分かれておるそうですが、今後のバイパス建設について、建設省としてはこの比率等をどのような考えを持っておやりになるのでしょうか、まず基本的なことからお聞きしたいと思います。
  225. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 道路をつくります場合は、私たちいまの原則としておりますのは無料公開の原則でございます。いまの国道に限らず地方道について、なかなか車の交通需要に追いつけないような状況でございますので、有料道路というような制度も入れまして道路整備を促進しておるわけでございます。  いまの御質問の、国道バイパスをする場合に有料にするか無料にするかというのは、一口で言えば場所によるのではないかというふうに考えております。有料道路になりますと、やはり端的に言いますと、市街化するようなところでは料金の徴収が非常に困難でございます。こういうところは有料道路は成り立たないのではないか。ただ、国道バイパスとしての有料道路が今後考えられますのは都市間の高速道路で、これも四車線以上の自動車の専用道路、普通の一般の道路を通るよりかなり交通の便益の多いようなところ、こういうものを道路整備の不足を補うために有料道路にしていきたいと思います。また都市の中では、やはり市街地になりますと周辺に家が建ちますので、下の街路的な道路の上に高架の道路をつくる。これも自動車の専用道路になりまして、こういうものは有料にしていくというような方針で今後やっていきたいと思っております。
  226. 相沢武彦

    相沢分科員 本年度の予算の中において、有料道路一般国道事業、それぞれバイパスが何カ所ずつできる予定になっているのでしょうか。
  227. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 四十五年度の予算では、午前中にも無料のバイパスを何カ所くらいやっているかという御質問がありましたが、これは非常に大きなバイパスと小さなバイパスがあります。また、県道をちょっと広げるような二次改築もありますのでなかなか集計しにくいのですが、国道、地方道を入れまして約百八十カ所くらいあるのじゃないかと思っております。それに対して、有料としてやっている国道バイパスというものは、四十五年は大体十九本を予定しております。
  228. 相沢武彦

    相沢分科員 北海道の道路事情の中から幾つか拾い出してみたのですけれども、国道二百三十五号線というのがございます。これは苫小牧から浦河へ向かう日高縦貫産業道路一つでありますが、このうち春立というところと東静内間、これは非常に年月がたっているのですが、一向に道路の進捗状況がよろしくないということで——まあ技術的にもむずかしい急カーブの多いところだということ。また、その付近はちょうど漁師のコンブの干し場や船揚げ場になっておりまして、舗装を広げるということになりますと、どうしてもそのコンブの干し場、船揚げ場が少し削られる。漁師にとっては生命線なわけで、代替地といっても、狭い海岸でもってぎっしりそれぞれの持ち場がありまして、代替地もないということで、おいそれと移転もできない。こうした補償問題は非常にやっかいになっている。私も昨年このあたりずっと見て歩いたのですけれども、確かにあそこは非常に急カーブの多いところで、多少手直ししても、車両の事故ということを考えますと、なるべく直線コースということが望ましいわけです。そこで、工事費はかさみますけれども、あそこを橋梁による直線コース考えてはどうかなと思うのですね。そうしますと、漁師の家屋移転あるいは船揚げ場等の移転の問題も解消されますし、また、工事関係者も、そういった問題が長引きますと非常にいや気がさしているという、意欲的な問題から考えまして、すっきりした形で工事を早く進めるためには、もう一度この橋梁工事に変更するように再検討できないものかどうかということを考えるわけですが、その点どうなんですか。
  229. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 最初の国道二百三十五号、苫小牧−浦河間ですが、これはいま御指摘のように、全体は大体改良率が九四%というように非常に高い改良率なんですが、その中の元静内−春立間一・七キロ、これについては、地形がちょうど山と海にはさまれた地形で、家屋の移転その他で用地の問題もあり、工事が難航しているところでございます。ただいま先生のおっしゃいました海に橋を渡すというのも、これも一つの案だと思います。実はこの国道——われわれ未改良の国道の改良、一次改良と言っていますが、この辺は地元の周辺の人家が国道の開通によって便利になる、そういうような効果が非常に多いものでございますので、道路だけ海へ行ってしまっていいかどうか、その辺にも一つ問題がございます。いまおっしゃいました周辺の漁をされておる漁民の方、それからそれに必要な干し場、この辺の問題を考えますと、海に橋を出してしまうとなかなか今度はそれに乗れないということ。それから全然国道を海に出してしまうと、旧道、いまの現道はほとんど放棄する。これを放棄して、ほとんど維持管理が十分にできないと交通はできないような——あの辺は御承知のように山の崩壊その他もございまして、ほんとうに普通の山道以上のひどい道になってしまうということもございます。その辺を考えて、どういう計画にするのか。私、実はこの現地に行ったことがございませんので、いまはっきりしたことを申し上げられませんが、ただいま先生のおっしゃいましたことをよく考えまして、もう一回現地の詳細な図面をとりまして、補償の問題その他を入れまして十分検討いたしまして、早くこの間の工事ができるようにしたいと思います。
  230. 相沢武彦

    相沢分科員 船揚げ場の問題は、これは沿岸漁民で非常に小さな船ですので、橋梁をつくってもその間をくぐっていけるということで、全然その点の心配はありません。もう一つ橋梁にしたほうがいいという意見は、次に話す二百三十六号線の問題とも同じような事情なものですから、あわせて考えていただきたいのです。  様似−幌泉の間、これは二百三十六号線ですが、これは昨日の午後、降雨のために二カ所、がけくずれで不通になっております。開通は不明だという。昨晩の十一時二十分ぐらいに現地へ確かめてみたのですが、依然として開通不明ということです。ここは一年間に五回も六回もがけくずれがある非常に危険な場所でございます。一つには防護施設をもっと完備しなければならぬじゃないかと思うのですが、何回やってもだめなんですね。一つには冬季間凍りついて、そこがそれによって膨張する。それによって岩が割れる。それで湧水期になるとくずれてくる。こういう悪循環を繰り返しております。こういった点で、この防護施設に対する技術革新、これはどの程度期待できるか、これをまずお聞きしたいのです。
  231. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 二百三十六号線、これも先生御指摘のように黄金道路といっているところでございます。御指摘のようによく災害が起こるようなところでございます。いま先生のおっしゃいましたように、山の崩落を防ぐような技術革新ということでございますが、どうも山の崩落そのものは、簡単にいえば風化した土がくずれてくるので、これを簡易な方法で押えるということはほとんど不可能ではないか。やはり相当な擁壁をし、コンクリートで巻いて山が風化しないようにするということ。もう一つは、山の崩壊には地下水の問題がございまして、山に降った地下水が抜けないようなことになりますと、今度は地すべりというような現象も起こしますので、その辺も考慮しないと、ただ擁壁だけつくればいいというような問題でもございませんので、海岸から相当入った山の中までよく調査いたしませんと、山のほんとうの保護ということはできないのではないかというように考えております。実は内地についても、新潟の親不知というところが、ちょうどこれと同じようなものではないかと思います。今後の改良につきましては、山のそういう崩落を防ぐような工事とあわせまして、できるだけ災害が防げるような構造に持っていく所存でございます。
  232. 相沢武彦

    相沢分科員 ここの道路は現在非常に幅が狭いわけですし、いまのお話のように、落石やなだれがしょっちゅうあるところでございますね。それで、がけを削るか、それとも海へ道路幅を広げるかという方法しかないわけですが、御承知かと思いますが、海岸線にはもうすぐ鉄道が敷かれているというわけで、結局がけを削って広げる以外にはない。そのがけはしょっちゅうくずれやすい、そういう性質のがけだということで、非常にむずかしいところであるわけです。しかも紆余曲折の多いところでありまして、これをこそく的な手段で防護施設を応急措置的にやったのでは、もう何年たっても同じことの繰り返しだ。それだったら、もう初めから大きなカーブの地点から次のところまで、やはりこれも橋梁でもって結んでしまうということが、五十年、百年という先のことを考えた場合には、かえって経費的に安上がりなのじゃないか。危険防止、また経費も長期にわたって考えれば安くなるという観点から考えて、ここの道路計画ももう一ぺん検討する必要があるのではないかと思いますが、この点、大臣どうでしょう、この考え方は。
  233. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 その前に。実はできるだけ早く改良したい、そのためには、いまの山をある程度防護いたしまして、道路の幅を広げていくということも必要かと思います。ただ、恒久的な考え方から言いますと、やはり海に出す、これも一つの方法かと思いますが、もう一つはやはり中にトンネルをつくるというのも一つの方法だと思います。実は海の上に出す場合には、これは波浪の問題、それから海岸の土砂の移動の問題がありまして、これもなかなかとにかく容易なことではないと思います。いま私たち先ほど言いました親不知でも、かなりトンネルを採用いたしまして、トンネルも長くなると換気の問題もございますので、ある程度の長さになったら、外側の安全なところに一回顔を出して、またトンネルへ入るというような方法をとっております。いずれこの道路についてもそういう必要が出てくるかと思いますが、まず、いまのところは早く道路を改良する、一次改築するということが必要でございますので、やはりどうしてもそうしなければならないような地形のところは検討いたしたいと思います。十分防護工事を施しまして、まず現道の拡幅をはかっていきたいと考えております。
  234. 相沢武彦

    相沢分科員 私もたびたびあそこを通ってみるのですが、非常に危険を感ずるわけです。このまま放置しておきますと、かつての飛騨川の事件みたいな大惨事が起きるのじゃなかろうかという気がします。日高から黄金岬を通って帯広に抜ける産業道路なんですし、また夏になりますと、襟裳岬などもありますので相当観光客も通る道路で、これは早急に強力な対策を立てて工事を進めなければならないのじゃないかと思いますので、一そうの努力をお願いしたいと思います。  次に、幌泉の近くに近浦というところがあるのですが、ここは漁師の家ががけ下に約五十軒ばかり密集しているところがありまして、毎年融雪期になりますとがけくずれの被害を受けております。危険を避けて町の生活館や学校へ一時待避をしているわけで、町では危険を未然に防ごうというわけで団地等をつくったのですが、これとて予算が少ないので全員を収容することができない。戸数はわずかだ。また一つには、そのつくられた団地から漁場へ通うのに非常に距離があって仕事にならぬということで、そのがけ下にまだがんばっているわけです。そこで問題点は、災害防止対策法の適用を申請したいのだけれども、これも国費が八〇%、地元自治団体が二〇%負担しなければならない。非常に小さな町村でそのわずか二〇%の予算もとれないというわけで、何とかこの点を国のほうでもう少し考えられないか、こういうことなんですが、この点についてはどうでしょうか。
  235. 坂野重信

    ○坂野政府委員 災害対策防止法とおっしゃいましたけれども、急傾斜防止工事の補助の問題じゃないかと思います。そういうことでお答えいたします。  急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律というのが昨年成立をいたしました。それによりまして、急傾斜地の崩壊防止工事を現在各所でやっているわけでございますが、事業は都道府県が公共事業として実施することにいたしておりますが、補助率としては予算の範囲内において二分の一以内ということになっているわけでございますが、一般の公共事業と違いまして、この急傾斜の場合は利益を受けるものが特定されるということでございまして、受益者負担等を考慮しまして、事業費の二割相当額を控除し、残りを補助基本額ということで、その半分を国が補助しているわけでございます。したがいまして、市町村によっては、受益者負担に肩がわりして地方自治体が二割相当分を出しているわけであります。そういうことで、この事業は全国的に統一的にやっておるわけでございますので、現在のところ、その受益者負担分を実質的にやめるというような問題につきましては検討中の段階で、まだ結論を出しておりませんが、御指摘の幌泉町の地点につきましては、公共事業として採択をすべきでございますけれども、国庫補助の採択基準が、実は当面人家五十戸以上が一カ所に集まっているというのが原則になっております。それに当てはめにくいということで、実は北海道庁のほうからも補助申請がまだ出ていない段階でございますけれども、御指摘のとおり、聞きますと非常に放置しがたいような問題でございますので、とりあえず法律に基づいて急傾斜の地域指定をしたい。それによって、警戒避難体制だとか、あるいは家屋移転の際の金融公庫の融資の措置もできるようになっておりますので、現在一部やっておるようでございますけれども、これはこの法律を早く適用して、それによってやったほうが地元としても条件はよくなる。できれば北海道としても当面単独事業か何かで防止工事を実施できないかというような問題につきましても、北海道庁とも十分連絡をとりまして、地元の御心配のないように措置するようにしたい、こういうように考えております。
  236. 相沢武彦

    相沢分科員 最後に、国道十二号線のバイパス迂回計画についてお尋ねしますが、岩見沢市の四条通りを通過している国道バイパスによって迂回する計画なんですが、その迂回地点の選定で、最初に市側が選定した北三条ですか、これが建設省の意見と食い違いまして、いろいろ折衝があったそうですが、現在了解点に達して工事着工の見通しがついているのかどうか、お尋ねします。
  237. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 岩見沢のバイパスについては、いま先生のおっしゃいましたように、建設省側のルートが、現在の岩見沢の東の十条通りですか、これを通るようになっております。一方、その当時は岩見沢の市長その他は、鉄道の西側を通ったらというような案を出しております。ところが、西側は非常に湿地帯でございまして、とても道路が通れないというので、現在は建設省の案で市長も賛成いたしまして、四十五年から事業費をつけて実施に入りたいと考えております。
  238. 相沢武彦

    相沢分科員 そうすると、事業費ということは、四十五年調査で四十六年着工ですか。それとも今年着工ですか。
  239. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 実は四十五年は一千万でございまして、これは事業費でございますが、実施の計画をするためのいろいろな測量調査費でございますので、実際には調査費かと思います。そういう意味でほんとうの工事が始まるのは四十六年以降ということであります。
  240. 相沢武彦

    相沢分科員 この区間は、冬季になりますとますます交通渋滞が激しくなるところで、わずか三キロの区間を抜けるのに常時三十分は待たなければならない。しかも融雪時には、融水が車輪で飛ばされまして、商店街や通行人が非常に迷惑する。しかも交通事故が頻発しておりまして、きのうもちょうど午後三時ごろ、学校帰りの小学生が一人交通事故でけがをしておりまして、交通安全対策の上からもここは非常に早く着手してほしい、こういうような要望もありますので、また御検討の上、進捗するように御努力願いたいと思います。  時間ですので、以上で終わります。
  241. 藤田義光

    藤田主査 相沢君の質疑は終わりました。  川俣健二郎君。
  242. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 質問の機会をいただきましてありがとうございました。  私は日本社会党議員の一人といたしまして、またあえて申し上げますが、東北地方出身議員として、すなわち、日増しに過疎化が進んでおるし、さらにいまの米価の据え置きなり減反騒ぎで過疎化が急激に進むであろうということを案じながら、大臣の御所見をただしながら、私も一緒に考えていきたいと思います。連日の御答弁でお疲れだろうと思いますが、大臣、よろしく御教示のほどをお願いいたします。  まず最初に、数字的な問題ではなくて、幼稚であり、素朴である質問かもしれませんが、大臣の感想をお聞かせ願いたいと思うのです。  国土開発、地域建設に当たられる所管省としては、やはり日本の国の地価の動きというか、そういったものが一番前提になるだろうと思うのですが、いま日本の国で、まあ東京は銀座の四つかどか新宿が一番高値だろうといわれておりますが、いま地価高騰がいわれておるが、全国的に見た場合に、高くなりっぱなしの土地だけではなくて、とてもとても横ばいどころか、むしろかえって地価が下落していくという地方、地域もあることだろうと思うのですが、大臣のお考えでは、日本の国の建設大臣という最高峰の立場に立って見た場合に、面積的にどんどん高くなっていく面積が多くなっているだろうか、それとも下落なり横ばいの状態地域が多いだろうか、その辺の感じ、感想をひとつお聞かせ願いたいと思います。
  243. 川島博

    ○川島(博)政府委員 たいへんむずかしい御質問でございます。実は全国の市街地あるいは田畑、山林を通じまして詳細な調査がございません。したがって、全体的に見まして、地価の下がった面積と上がった面積といずれが多いかということを的確にお答えができないわけでございますが、いろいろ考えてみますると、現在過疎地域、過密地域というふうに国土の利用が非常に片寄っておりますので、過疎地域等の一部では地価が下がった地域が現実にあるであろう、これはいえると思います。しかしながら、民間の調査でございますが、日本不動産研究所が全国の市街地価格について調査をしておりますし、また田畑の価格、小作料の調査もいたしております。また、同じ不動産研究所では、全国の山林の素地価格並びに山元の立木価格の調査を実施いたしております。さらに別途、全国農業会議所では、農地の転用価格調査もいたしておるわけでございます。これらの資料によって見ますると、各都道府県ともにいずれも価格は上昇傾向を示しております。したがいまして、お尋ねの件につきましては、全国的に見れば、土地の価格が上昇している面積のほうが、下落している面積より多いのではなかろうかというふうに考えられます。
  244. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 日本全体的に見れば、上昇のほうが多いんじゃないかという御感想ですが、大臣いかがなものでしょうか。一言でけっこうです。
  245. 根本龍太郎

    根本国務大臣 大体そういうことだろうと私も思っております。
  246. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 そういうような前提でけっこうだと思いますが、これからある程度具体的なことに入らせてもらいます。  池田内閣当時は、太平洋ベルト地帯構想、さらにはその後は拠点開発方式ですか、そうして今度は新全国総合開発計画、新全総とおっしゃっておられるようですが、こういったものが政府から出されておりますが、建設省二十年史を拝見さしていただいても、建設省というのは、土方、土いじりの発生由来はあるけれども、いまやむしろ、過密化した都市から過疎化した農村に豊かな福祉社会を建設するための基盤を整備すべきことが責務とされている、こういうふうに非常にわかりやすく明記されておりますが、それでは一体、もしこの考え方が新しく就任された大臣にもおありだとすれば、それじゃ予算にどういうようにあらわれておるだろうか。もう一度申し上げますと、過密化した都市から過疎化した農村に豊かな福祉社会を建設するための基盤を整備すべきことが責務とされておる、こういうようにうたわれておるのを、具体的に予算の面等からお答え願いたいと思います。
  247. 根本龍太郎

    根本国務大臣 御指摘の点は、御承知のように、新全総に明確に党並びに政府として意見を一致して、そういう方向づけをしたのでございます。当時、私は党の政調を預かっておりましたために、特にそういう点を強調したことは事実でございます。したがいまして、端的に過疎、過密を解消する一つの大きなベースをなすものは道路政策であろうと思います。そういう観点から、新しい道路計画は、十兆三千五百億のうち、これはいわゆる五道も含めまして地域開発を基本として、これから具体的に策定をするということを考えております。なおまた、御承知のように、新産都市あるいは工特法によって指定された地域についても、やはり道路あるいは上水道、さらには住宅政策等をも、そうした首都圏あるいは近幾圏というところに、集中的に人口並びに産業が集まってくるところに、できるだけ拠点都市にそうした施設をすることによって緩和し、かつまた、さらには最近実施している生産圏の構想も、都市と農山村を結ぶ一つの体系的な道路網でそうしたものを緩和していきたいという考えでございます。
  248. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 開発は道路からということばは、古今東西たいへんけっこうなことだと思います。計画もある程度見せていただきましたが、計画は非常にりっぱでございますが、何ですか私たち東北の者から見ますと、決して計画倒れとは言わないが、遅々として進まない。あるいは大臣がかわるたびに予算の金が方々に回って歩いて、一貫したものがなさそうだというのが、ちょっと当たらない批判かもしれませんが……。  そこで、いま国土縦貫道、いわゆる五道といわれておるようですが、その中で東北道というのが、当然ながら私の質問に入るわけですが、この東北道というのは、一体いつごろ着手されて、もちろん完成がわれわれの聞きたいところですが、土地買収その他の問題は——非常にこれに期待をしておるし、しかもこれがなかりせば、東北の開発というのは——背骨でございますから、その辺をお聞かせ願いたいと思います。
  249. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 東北縦貫自動車道、これは東北の背骨でございまして、これによって東北の今後の開発というものは非常に期待されておるところでございます。これは東京から青森まで六百八十一キロございますが、その中で、昭和四十一年に岩槻−仙台市間、これの整備計画を出しております。また四十三年四月に仙台−盛岡間及び十和田町から青森の間、これの整備計画を出して、現在工事に着手中でございます。実はそれに残りました盛岡−十和田間につきましては、これは基本計画だけでございますが、これにつきましては、いま整備計画を出すための調査を鋭意実施しておる次第でございます。  工事についていいますと、昭和四十一年に整備計画を出しました岩槻−仙台間、これを優先的に、いま用地の買収、工事の発注をしておる次第でございまして、これについては、大体四十八年から四十九年くらいまでには完成したいというような考えで進めておる次第でございます。
  250. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 ありがとうございました。  問題は、東京から青森まで一気に行けるというのが初めての道路の価値でございまして、そうしますと、全部完成するというのはいつごろでございますか。見通しだけでも……。
  251. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 これは、実は七千六百キロに及びます幹線自動車道の完成を私たち昭和六十年としております。ただ、その七千六百キロの中で、特に骨組みになります東北縦貫自動車道、東京から青森まではもっと六十年以前までに完成させたいと思っております。いつ完成できるかということになりますと、やはり今後の高速道路の財源いかんだというような感じもするわけでございます。私たちいまの感じでは、五十三、四年ぐらいまでには全線の開通をはかりたい考えでございます。
  252. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 五十三、四年で食いとめておきたいと思いますが、いろいろな問題が横たわることだと思います。用地買収ばかりでなくて。しかし、一番大きいのは財源の問題もあるだろう。そこで、伺い知るところによりますと、債務負担で府県の立てかえ買収というような案が出されておる。この債務負担立てかえ買収というのは、強制的なものなのか、それとも各府県の意向を打診したのか、そして意向を打診したとすれば、各府県の反応はいかがなものでありましたか。
  253. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 実は、四十五年度の高速道路の関係の予算につきましては、工事費が千二百五十億ございまして、そのほか用地の債務負担行為として三百五十億を認められております。もちろん、この用地地元府県で買っていただくということは、これは強制できるものではございません。ただ、用地の買収をこの際農地との関連でやりたいというような県も非常にございまして、そういうところにこの債務負担行為を用いたいというふうに考えております。いま各県といろいろ道路公団が折衝しておりますが、まだどのくらいそういう各県で用地の先行ができるか、はっきりした数字は確定しておりませんが、大体各県でも相当先行をしたいというような意向のように聞いております。
  254. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 わかりました。  私は、実は常に過疎地帯を何とかしたいものだという——これは大臣も同じ東北の御出身でございますから、それ以上だと思いますが、そういう地域の開発、建設にあたってはいろいろな問題が横たわると思いますが、これが非常に大きいだろうと思います。  次に、質問の観点を変えまして、いま政府の減反政策の一つとして、土地を買い上げましょう、土地を買い上げて一時をしのごうという案も出されておりますが、決してこれは思いつきでもなければ、ある程度自信のほどもあることだと思いますが、買い上げ後の具体策といいますか、あの東北地方の水田を買い上げてどのようにされるのかというアイデアだけでもよろしいですから、大臣、お聞かせ願いたいと思います。
  255. 根本龍太郎

    根本国務大臣 私が答弁するのははたしてどうかわりませんけれども、現在政府が考えておるのは、御承知のように、農工一体政策をこれからとろうとしておるのでございます。  現在、米の問題のみならず、日本の農業構造が、純経済的な合理性からするならば、相当な面積、水田については、ある人たちの見方では、一戸当たり十ヘクタール程度の規模にしないと、少なくとも昭和六十年度における他産業の高水準の所得に対応することができない。しからば、十ヘクタールのものを全部の農民に持てといったら、これは不可能です。そこで、そういう可能なものは、そういうふうに構造上の一つのモデルに近づけることはいたしましょうけれども、大部分のものはやはり兼業農家で、農業収入のほかに、他産業に安定的に勤務することで所得を確保するということがクローズアップされてきます。そうした場合に出てくる問題は、農村に適当なる工業を誘致する。そのときにあたって、やはり農地というものを工業団地というものに転換し、それに関連して若干の住宅等もそれについてくるというふうに活用されるものと思われるのでございます。そうした場合に、いま川俣さんがお聞きになりたいと思っている点は、たぶんこうだろうと思って申し上げますが、従来は、地方の道路を、先ほどお話があった縦貫道路とかあるいは地方主要道路というふうに、計画的な路線がきまっておりまして、それにもう予算が張りつけられてしまっておる。機動性がない。ところで、今度そういうふうに総合農政の観点から、地方開発のために一つの工業団地その他ができた場合に、それがたとえ市町村道であろうとも、機動的に、政府がそれに対して公共事業道路整備できるというような機動的な予算の配分をしてやろう、必要の場合にはいままでの市町村道県道に昇格してもいいじゃないか、あるいはまた、市町村道のまま補助率を高くしてあげるというふうなことをやっていかなければ、地方の開発にはならないと思って、そういうふうな方向づけをしようと思っておるのであります。
  256. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 意見の交換は時間がありませんから一切省きますが、非常にいい機会でありますので、大臣のあれを端的に聞いていきたいと思います。  水利権の問題なんですが、これもやはり地域開発にどうしてもつきまとう場合があるだろうと思います。この前の大臣お話に出た慣行水利権の問題でありますが、水利権というのは、この歴史的な発生由来はやはり慣習的なものからできておるのだろうと思います。それが排他的な法律に守られておるというのが今日でありまして、発生由来は慣習的なものから出ておるのだろうと思います。ところが、慣行水利権を云々ということを大臣が出されますと、いろいろと誤解がある。そこで、大臣の底意なりをわれわれとしては知っておきたいと思いますので、この慣行水利権をあえてお話しされたのは、そのねらいというものはどういうところにあるのか。あるいはこれを強行するというか、見通しというか、そういうものも政府、自民党の内部の見通しもあることだろうし、お聞かせを願いたいと思います。
  257. 根本龍太郎

    根本国務大臣 御承知のように、慣行水利権というものは、私もあまり文献を調べていないけれども、これは平安朝時代から、特に荘園時代からあったものと思われます。それは水田耕作を主体とする日本農業における一つの必然的なあらわれだと思います。ところが、それが明治二十九年に河川法が制定されるときにあたって、慣行水利権を一つの権利として法定したわけです。それはいわば河川法上一つの水利権として、許可水利権と同様にこれを認めるということです。私が申し上げておるのは、いままでの慣行水利権をはっきりと許可水利権と具体的にきめてしまっていかなければいけない。たとえば秋田県の例で申し上げますと、玉川の水、これが御承知のように、実は慣行水利権と、それから発電のための水利権が交錯してしまった事実があります。これは、あの時代の知事があそこの水利権を東北電力に売っちゃっている。そのために第二田沢疎水をやる場合において、水資源がないために、あそこで約四年ないし五年停滞しました。片方は、われわれは完全に許可水利権を買っているんだ、こう言う。一方は、そういうふうに売ってしまっておるもの、だから、これを利用すればあそこで少なくとも一千ヘクタールの水田ができると思うのに、できない。どうしても解決ができないというので、私が中に入って実は東北電力に妥協させまして、あれをやったわけなんです。  それから、今度末端に来ますと、土地改良区によってみんな水利権が錯綜しておって、農民が二重、三重に用水負担金を負担しておるという非常な矛盾があるのです。そこで、御承知のように、仙北用排水でこれを一貫して国で用排水をやって、あそこの水利権を整理しようということまでやっておるわけです。そういう意味で、慣行水利権というものが実は非常に整理されないままに残っているために、農民同士、あるいはこれが都市化する場合における障害になるわけであります。先ほど申し上げたように、農村地区において今度工業団地を持っていって農工一体でやらなければならぬときに、すぐにぶつかるのが水利権の問題になります。  そこで、農民の慣行水利権を害しないで、そうしてその水を一般社会のために合理的に活用する方策を考えなければならない。それから、農業構造も変わっている今日、いわゆる利水の面からこの点を考えていかなきゃならぬ。そういうふうにして、農民の権利を害しないで、しかも全体の利益になるようにするにはどういうふうにこの水利権を解釈し、これをどういうふうにして保護しつつ他に利用するか、こういう問題を考えなければならない時期に来ておる。  そこで、関係省庁が基本的な調査をし、それからこれをどういうふうに活用するかについての調査のために、いま内閣が各省庁協力してやっておる。その取り持ちの役を総理府がしたほうがよかろう、こういうふうに言っておるのでございます。それを今度、何か私が農民の諸君の持っている水利権を取り上げて、そうして農業をないがしろにするがごとき先入観で受け取る者があるが、全然そうじゃございません。
  258. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 前に進みます。  観点をまた変えますが、新全総、いわゆる新全国総合開発計画、東北地方を考えてみた場合に、その地域その地域の特徴を生かすという、そういう意味においては非常に価値のある計画だと私は思うのです。そういうところから見ますと、東北地方は何といったって土地に恵まれておるし、緑があるし、でき上がった米もうまいということから考えますと、いまの米が余るという大騒ぎは別といたしまして、長期計画といたしましては、日本の食糧の供給基地にするというような考え方がここに盛られていると思うのです。その点について、絵にかいたもちに終わらないで、このとおり進めようという考えであるのかどうか、その辺も、直接大臣とは関係ないかもしれませんが、お聞かせ願いたいと思います。
  259. 根本龍太郎

    根本国務大臣 私が答弁すると倉石農林大臣から越権行為だと言われてはなんでありますが、私は、やはり東北、北陸が米作の適地だと思います。天候並びに自然条件のほかに、やはりこの地区の人々が一番米作にすぐれております。それから、他産業に転換する場合の難易等から考えても、それから従来の政策からしても、一番米作に必要な基盤整備、国家投資が一番多くここの地区にやられております。そういう意味からして、必然的にそうなるであろうと思います。ただ、現在の過渡期において、御承知のように、いろいろ文句を言いながらも、米作が一番有利です。それゆえに、東北が将来米作の主産地形成になるからということで、そこだけを残して他のほうは犠牲になれといっても、それは農民諸君が納得しないために、やはり悪平等的な機会均等の措置をとらざるを得なかったというのが政府の立場でもあり、かつ、それに協力しておる農業団体の実際の姿であったと思われるのでございます。
  260. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 これは倉石農林大臣にお答え願わぬでも、むしろ大臣が政調会長のころからいろいろと頭を悩ましていただいた問題でもあるだけに、この問題は、過疎地帯の開発の問題としてはどうしても切り離せないと思うので、もう一つついでですから。いまのようなお考え方だとすれば、土地が広いし、緑があるし、でき上がった米がうまいし、ほかのものをつくれといったってそのとおりいかぬし、だとすれば、なぜ自民党に日本の食糧供給基地だという太い背骨がなかったのだろうかと思うのです。ついこの間出た「財界」という雑誌にも、官庁の高官の方が言っておりましたが、一律一割減反なんというのはナンセンスですよ。政治家の考えることじゃないと思うのです。しかもあの新全総というりっぱなものが自民党内部に確認されておるのですから。ただ、今回こういう一律一割減反という悪平等にならざるを得なったという弁明も大臣からありましたが、これから得られたものは、農民からときの政府が不信を買ったということと、大騒ぎをしておるということ、末端では村長も農協組合長も各農家もてんやわんやの状態に終わってしまっておるのだということだと思うのです。こういった問題ですから、やはり過疎の地域開発なんという問題も、われわれとしてはどうしても安閑としていられないというように思うのです。特に過疎の地域開発というのは、実績主義に流れるのは当然だと思います。これは社会党が内閣をとった場合でも、実績主義で社会資本が投じられると思うのです。ところが、実績主義で社会資本が投じられると、いつまでたっても過疎問題が解決しないと思うのですよ。これこそ、収支の合わないであろう、そろばん屋では当然投げ出すであろう先行投資だと思うのです。この先行投資の心がまえが建設大臣にない限りは、過疎地帯の開発はやはりうたい文句に終わってしまうだろうということを、私は非常に案じておるわけなんです。最後でございますから、大臣がせっかく建設大臣に再度おつきになりましたから、自民党内部でも、政府内部でもたいへんだろうと思うのですが、東北地方に、もうからないであろうが社会資本の先行投資だという腹がまえがあるのかないのか、その辺を確認してみたいと思います。
  261. 根本龍太郎

    根本国務大臣 先行投資はやっておるのです。したがいまして、昨年やりましたが、今回の道路の昇格の問題も、これは開発のおくれておる東北、北陸等、いままで道路整備のおくれているところに優先的に多くの昇格を認めておる。今後の投資計画もそうなります。ただし、現実に過密状況になってどうにもならないのを放置するわけにもいきません。したがって、これはバランスのとれた形においてやっていきまするが、過疎地帯なるがゆえにほっておくということは全然考えておりません。
  262. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 時間だそうですから、半分もあれですけれどもこれで終わりますが、大臣も私と同じ東北。同じ東北どころか、同じ選挙地盤でいろいろとお世話になったわけでございます。自民党というのは、すぐに大臣がかわるとまた変わっちゃう。せっかく東北、秋田から大臣が出たのに、根本大臣はどっち向いているのだろうか。東京から箱根を越えて、テープを切るのは全部近畿道なり中国道なり、あるいは万博なり、そうしてやがてくるであろう四国のかけ橋なりでありまして、東北方面の板谷峠を越えてせっかくの根本大臣がいつテープを切るだろうかという、こういったものはやはり一般の悲願であり世論だと思いますから、その点よろしくお願いいたしまして、私の質問を終わります。
  263. 藤田義光

    藤田主査 川俣君の質疑は終了いたしました。  広瀬秀吉君。
  264. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)分科員 東北縦貫道関係について若干の御質問をいたしたいわけですが、東北縦貫道の進行の状況、特に第一期工事といわれる岩槻−宇都宮間、この状況について、そしてこの区間の進行見通し、こういうものについて、この際どういう状況になっているか、これをまず明らかにしていただきたいと思います。
  265. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 東北縦貫自動車道につきましては、これも御承知のように、昭和四十一年の七月に岩槻−仙台間、三百十七キロの整備計画を出しております。その後、仙台−盛岡、盛岡−十和田−青森整備計画を出したわけです。     〔主査退席、渡辺(栄)主査代理着席〕 最初に出しました岩槻−仙台、これをまず最重点に用地の買収をしております。現在のところ、この岩槻−仙台間については、一月末でございますが、用地買収が約三二%終わっております。その後これは非常に順調に進んでおりまして、用地の買収は一部を除いては大体目鼻がついてまいりました。工事も相当発注しておりまして、現在のところ四十九年くらいまでに仙台まで完成させたい。その前に四十八年くらいには関東の一部が供用開始になることを目標に、現在鋭意工事計画しております。
  266. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)分科員 岩槻−宇都宮間の用地買収は完全に済みましたか。
  267. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 岩槻−宇都宮につきましては、用地買収はほぼ妥結しております。ただ、まだはっきりした調印に至っておりませんが、大体妥結しております。この一部といいますと、宇都宮−鹿沼間、これが一部残っておりますが、その他は大体話がついて妥結しております。
  268. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)分科員 その宇都宮−鹿沼間で一つの問題があるわけでありますが、聞くところによると、大体買収に応ずるという判を押したというのが大谷石で有名なあの地区でございます。そこでひとつお伺いしたいのは地下権ということで、あすこに大谷石が埋蔵されている。石脈が走っているわけでありますが、その上を縦貫道が通る予定地になって、いまその買収交渉が行なわれておる。民法第二百七条を見ますと、「土地ノ所有権ハ法令ノ制限内二於テ其土地ノ上下二及フ」と、こういう規定があることは御承知のとおりであります。上に水田なり畑地なり、あるいは山林なりがある。その所有権の地下に大谷石が埋蔵されている、石脈が走っているという場合には、当然この民法の規定からいっても地下権として石材に対する所有権があると思います。そこでお伺いしたいのは、大谷石が存在するということについて、これは当然財産権であるということになりますが、皆さんそのとおりに解釈されているかどうか、この点をお伺いします。
  269. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 実は大谷石が地中にあるということの評価でございますので、もちろんこの採石権が設定されておれば、それは当然それに対する補償はしなければならない。また一般には、そういう下に大谷石があるということでその地価の評価が高くなっておるところは、やはり高い値で買収しなければならないと思います。といいますことは、そういう大谷石が下に入っておるということのためにその地価が高い、こういうことが近傍類地の取引事例で十分立証されておりますれば、こういうものは、当然それを含んだ一つの地価ということで買収されるべきだというふうに考えております。
  270. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)分科員 地下権を認められた立場で御発言があったと思うのでありますが、それは実態的には、通常地下に大谷石があるという場合には、表面は水田であって、その水田の価格が、下に地下権がないものとの間にはかなりの差がある、こういうようなことは今度の買収の過程の中で証明されます。そういうものが入って取引されたものと、それからその石脈のないところと、表面上は同じような場所でどれだけの差があったか。これは、石材業者が採石権を設定してその地下で採石を行なう場合について、賃貸借なりあるいはその売買なりというようなことで、現に相当な価格で取引さえている実態があるわけですね。はたしてそういうものが乗って評価がされたのかどうかということが、現実に調印をした段階においてどういう取り扱いになっておるか、そこのところはっきり、そういうものが含まれたものは高く買っておりますと、こういうことが言えますか。
  271. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 先ほど言いましたように、やはり地下に大谷石があるということで実際に高く買われておる取引事例がございますので、私たちは、そこについては、大谷石があるということによって評価が高くなっているというような説明をしておると聞いております。
  272. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)分科員 その辺のところにも、いろいろこまかい点実例をあげてすれば問題はたくさんあるのでありますが、大蔵委員会のほうで私の質問時間がきているという注意を受けましたので省略をいたしますが、この点では現地ではなお非常に大きな不満が残っております。将来、来年の十月ごろに引き渡しをするというようなことで地域の関係者、所有権者は一応判をついたということになっておるわけでありますが、来年の十月でおそらくこの登記も済ませて引き渡しも済むということになれば、国にその権利が移るわけであります。そういった場合に、現在、その東北縦貫道が通る予定敷地のほうに、いまだんだん従来のところを掘り尽くしてどんどんそっちへ延びてきているのですね。近い将来において、これは五年先になるか十年先になるか、これはそれぞれ業者の関係もありますけれども、いずれにしても、その地帯も大谷石を採石する状況が必ずやってくるということは、火を見るよりも明らかな状況にあるわけなんですね。そして、その道路敷地になったところの下にこの大谷石が多量に埋蔵されている、そこに道路の両サイドから掘り進む、こういう状況になった場合に、国が所有権がある、そういった場合に、業者から、採石権を設定をしてその道路の敷地の地下の大谷石を採取したい、こういう申請というようなものがあった場合には、これはもう無条件に——道路の使用に差しつかえない、安全を確保するというような見地はもちろんあろうけれども、そういう条件さえ満たして安全が確保されるならば許可をするのかどうか、この点をお伺いしたいわけです。
  273. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 一回買収いたしまして、そのあと、その下に大谷石があるから採取させてくれということでございますが、この辺は、先ほど先生おっしゃいました、道路に支障のないということがどの程度立証されるか、そこに問題があろうかと思います。一般的には、やはり、道路敷地になったところの、そういうような敷地の中で採石するということは認められないというような考えでございます。
  274. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)分科員 そうなりますと、いまの答弁は——両サイドから、七十五メートルくらいの幅で縦貫道がつくられている。その両サイドから縦穴を掘って横に掘り進むわけですね。大谷石は御承知のように地下作業です。ほとんど完全に地下作業になっております。これはほかの採石業界に見られない。採石法は当初全くそういう地下作業ということを予定しないでできておった。これを地下作業としての大谷石ということで、かつて私が昭和三十七年でございましたか、採石法の改正をそういう形でやったわけです。いまのように、所有権が国のものになったということによって地下権を主張されて、その採石を認めないで、道路の安全性、陥没というようなことのないように、そういうものが保証されるならばこれは当然に認めていいのではないかということを——これは有料であるか、あるいは無料で、地下のことであるから支障がなければということになるかは別といたしましても、そういうことはやはり当然、国の財産権であるとしてもやるべきではないか、こういうふうに思うわけです。  それでは建設大臣にお伺いしたいのですけれども、いわゆる地下権というものが所有権に含まれておるのだということで、それが財産権であるということなんです。それに対する明確な補償なしに国のものにしておいて、そういう地下に眠る資源を開発しようという場合に、これは一体いまのような答弁でいいのかどうか。この点ひとつ建設大臣にはっきりした答弁を……。
  275. 根本龍太郎

    根本国務大臣 私も専門家じゃないからよくわかりませんけれども、おそらく採石権については、その権利というものは、採石の許可を受けて始めて確定するのじゃないですか。したがいまして、その土地の所有者が自分でやる場合には、おそらくいまお話しになったように、地上、地下に所有権は及んでおると思いますが、そこで水田なり何かやっておる人は、その地価というものは、その下に石材があるがゆえに、普通売買するときにはそれも評価して売買されておるのじゃないですか。そうした場合は、政府がいまそういう地帯を道路敷地として買収する場合の評価は、その近隣の同じような条件の土地と大体同じ評価をするということが私は現在の実際の姿じゃなかろうかと思います。その結果国の所有になった場合に、今度は、その下に石材があるからだれか石材業者がその下を掘らしてくれという場合に、政府としては、道路専門のためにつくったことであるからそれは応じないといっても、それは何ら法律上違反ではないと私は思うのです。  そこで、これは私たち今度は、政府のものあろうとも、鉱業権設定のように、そのために申請されれば無条件に採石を許可しなければならないという立場はとれないと思うのですね。どうもそういうふうな感じがします。いずれこれは法律問題になりましょうから、ひとつ法制局あたりの意見を聞いてみます。
  276. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)分科員 いまの答弁、非常に不満なんですけれども、これはまた将来の問題に残しておきたいと思います。非常に問題のあるところですから。この完全な補償をしてそのものを取り上げたかどうかということがポイント、争点になるだろうと思います。そのことをやっておると、いまも大蔵委員会から呼びにまいりまして非常にあせっておるわけですが、稲作の転換の問題との関連について一応妥結をしたという形で判を押したということであるけれども、ことしの十月までは稲を対象の土地に植えない、こういうようなことにする。そうしますと休耕した。大体稲は、十月に引き渡し完了するまでにちゃんととれる。それをやめたということで、一応その妥結した判を押した該当水田を使用しない。こういう場合に、これは当然に稲作転換の奨励金の対象になるということも農民にとって非常に重大な関心事であります。それについては農林省の方針も、大体そういうものを対象にしてもよろしいということになっていると聞いておりますが、建設大臣として、その点についてはっきりした、そういう場合には適用するように農林大臣に明確に働きかけて適用対象にする、こういう御答弁できますか。
  277. 志村清一

    ○志村政府委員 ただいまの問題につきましては、農林省の側でいろいろ検討しているようでございますので、農林省の方針に従って措置をいたしたいと考えております。
  278. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)分科員 それでは次に質問を移しますが、御承知のように国土縦貫開発道路であるということでありますが、開発道ならば有料でなくともいいじゃないかというような議論も、かつて予算委員会でもあったわけでありますが、東名道なりあるいは名神道、こういうようなところと、有料にする場合にこの賃率は全く同じに適用していく考えであるのかどうか、この点だけひとつ……。
  279. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 実は高速道路の料金がどうあるべきかにつきましては道路審議会に諮問しておりまして、道路審議会に料金部会をつくっていただきましていま検討しております。ただ、いま中間報告が出ておりまして、中間報告の趣旨から見ますと、いまの料金制度というのは、名神が一番初めに料金を設定したわけですけれども、あの料金制度はまあ妥当ではないか。今後相当高速道が伸びていく場合には、都市周辺の非常に建設費の高いところについては、また交通量が非常にキャパシティが多くなっているようなところについては、二〇%くらい割り増ししてもいいんじゃないか、また非常に未開発でまだ交通量が非常に少ないところについては、二〇%逆に下げたほうがいいんじゃないかというような、そういう意見がいまの中間答申にも盛られております。ただ全体としては、いまのそういうような割り増し、割引を入れまして、いまの名神の小型乗用車でキロ七円五十銭というようなこの料率制が妥当ではないかというような中間答申がいま出ておる次第でございます。私もそれで、今後しばらくは高速道路の料金はそういう答申に基づいてやってまいりたいと考えております。
  280. 広瀬秀吉

    広瀬(秀)分科員 これで質問を終わりますが、建設大臣先ほどの御答弁の問題については、さらに慎重を期して、将来に問題を残さないように、先ほど私が指摘した問題点を十分再検討をしていただくように柔軟な考え——道路局長答弁のようなことではなしに、もう少し再検討していただくように要望をいたしまして、きょうの私の質問を終わります。
  281. 渡辺栄一

    渡辺(栄)主査代理 広瀬君の質疑は終了いたしました。  次回は明十八日午前十時より開会し、引き続き建設省所管について審査を行ないます。  本日は、これにて散会いたします。     午後六時三十七分散会