○
小林(進)
委員 私はあなたがその五項目を
中国側に要望していることをみんな知っているのです。そんな
ことば言わずもがなの、相手国の名誉にかけてもそういうことを答えられないことを承知でおやりになっている。現実に三十一年には牛の枝肉六頭を試験的に
中国から入れているのでございますよ。同時に、その結果に基づいてとりあえず月三百トンずつ入れますという、そういう取りきめもちゃんとできている。ただ、あのときに岸内閣の長崎国旗事件があって、あれで行き来がとだえて、それが中絶をいたしましたけれ
ども、あの国旗事件がなければ、自来三十一年から毎月最低三百トンずつの
中国の肉は入っていたのです。
それからいま
一つ私が特に言いたい
ことば、坂田農林
大臣はそれはもう許可されたのでございますよ。その許可することについても、
昭和四十一年とあなたはおっしゃったが、その
昭和四十一年に参議院の
委員会の中でいまの事務次官の檜垣君がこう言っているのだ。わが党の渡辺勘吉君の
質問に「これ以上調査すべき問題は残っていない」
——あなたはいま調査していますと言うけれ
ども。だからいやがらせであるというのはそれなんだ。当時の事務次官みずからが四十一年五月二十六日に「これ以上調査すべき問題は残っていない」と言っている。
田中副
理事長
——当時
中国に口蹄疫の調査に行っていた
田中さんが正式な報告書を書いてくれたら、この問題については前向きに解決をいたします、こういう
回答を与えていたわけです。あなたの幕僚自体がもう調査することはないという
回答を与えている。そして坂田
大臣は入れることを
国民に約束した。私
どもは、だから言うんだ。農林
大臣の許可、不許可は技術の問題じゃない。
大臣自体の性格と
中国に対する敵性いかんの問題だ、こう言っている。坂田さんの次に松野さんがなられた。松野さんの次にいまここにいられる西村さんがなられた。その次にあなただ。だから巷間人々は言っています。この四人並べてだれが一番善良であり、だれが一番良心的か、それは坂田さんだ、庶民はみんなそう思っております。ならばこそ、その坂田さんは技術的に科学的に全部調査して、この食肉輸入を許すべきだと言った。次は松野さん。これはタカ派ですよ。だれが見たって、
日本における反共防衛の巨頭で、だれもこの人が平和主義者だとは
考えない。それが
大臣就任とともにきちんとこれをやめちゃった。坂田さんが許可したものを中止せしめた。次が西村さんです。官僚の秀才です。官僚には腹がない。頭はいいけれ
ども、腹はない。右すべきか左すべきか、許すべきか許すべからざるかをふわふわしながらじんぜん日を過ごして
大臣のいすを去る。次になられたのがあなたですよ。そこでだ。だから
中国の食肉輸入問題は
——長谷川君、これは一休み。時間があればするけれ
ども、時間がないから一服して、そこでいまあらわれたのがあなただ。そのあなたらの姿勢をやっぱり
国民はみんな見ておりますよ。あなただって
労働大臣をやられた。倉石労政のあり方も
国民はちゃんと正しく批判している。時間がないから言いませんけれ
ども、そのとき私はあなたを近藤勇だと言ったら、あなたは非常におこられた。あなたの頭にちょんまげを乗せて、大小二本をさしてやったら、幕末の明治維新のために働く志士をばさばさと切っていった反動近藤勇と同じじゃないかと言ったら、あなたはおこった。まあこれはじょうだん話でありますけれ
ども、しかし、それはあなたの不法を言うのではない。あなたの
労働行政の中にも若干そのにおいがあったからこそ私は言った。しかし、あなたは今度返り咲いて農林
大臣になられた。その農林
大臣になって勇ましく
日本海のラッパを吹かれた。守るも攻めるもくろがねのということで
大臣の地位を去られたが、またいまここで農林
大臣になられて、いまこそこの食肉の問題をあなたの手で解決していただければ、
国民のあなたに対する
一つのイメージというものが私は変わってくると思う。われわれは誤解しておった、しかし、倉石農林
大臣は、なるほど
真意は実に心のあたたかい、りっぱな、やさしい方だ、われわれの要求するこういう願いをかなえてくれたという形になると私は思いまするし、私がいまも繰り返して言うように、五項目の問題はあなたは金科玉条のように言われたけれ
ども、決してそんなのが食肉輸入を押える条件にはならない。それは、
中国という独立国家に対する大きな侮辱と不信感を投げつけたにすぎない。向こうが、ない、命にかけてない、口蹄疫はありませんと、こう確約をいたしておるならば、私は、その問題ではもはや信頼をしていいじゃないか、かように
考えているのであります。
時間がありませんから、入れるか入れないか、私の主張に賛意を表せられるならば、直ちに退場せられてもよろしい、私はそう思います。確約いたしますから……。ひとつこの問題をいま一度明確にやってください。入れると言明をしてくれませんか。