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今澄委員 いまいろいろお話を聞いて、私はこれ以上申しません。ともかく
佐藤・
ニクソン会談の中で
——核防条約もまだやりたいと思っておりましたが、時間がなくなりましたが、とにかくいろいろのものが犠牲になっておるという姿を、私はこの席上で明らかにしたのであります。急いで強引に九百万人もの生活のかてとなっておるものを押していくことには、断じて私は反対であります。
佐藤さんがいま言われたように、
総理大臣がこんなこまかいことがどうしてわかりますか。私はその点は
佐藤さんの言われるとおりだと思います。あなたのところに説明をするいわゆる
日本の大使のやり方が悪いと私は思っておるのであります。現に下田大使は、十一月十五日の
新聞でいたか、やめて、牛場外務次官があそこへ行くことになっていた。もう
新聞まで、
新聞辞令は各紙出ている。私は念のため見てきた。だがそれがあなた、転勤もしないでいまだにがんばっておるじゃないですか。なかなかたいした力といわなければなりませんよ。私は、
矢野さんもここで言っておったけれ
ども、下田大使が大きなガンであると思いますよ。しかも
繊維のことはこの人は
一つも知らないくせに、自分が出しゃばってやるから、これはだめなんですよ。いま
日本におる
アメリカの公使も、ほかのことはたんのうだが、大使も
繊維のことは知らぬですよ。知らぬのは、ジョンソンさんも知らない。知らぬのがみなやって、あなたのところへ持ってきたから、こういう結果になったと私は思うのです。だからこの際ひとつ、私は、
沖繩返還のときも下田大使は
沖繩を核抜き
返還でやるなどとはもってのほかだなんて言って、
アメリカの代表であるか
日本の代表であるかわからぬような話で、ここへ呼ぼう、呼ぼう、召喚して
国会に呼ぶべきであるという
議論があったが、そのときはかんべんしてやりました。もし
繊維の話が解決しないようなら、わが党としては、
矢野さんその他社会党さんともこれは相談しなければいかぬが、わが党としては、下田大使を
国会に召喚して、
予算委員会でひとつぜひこの
繊維の問題の経緯について報告をさせたいと思っております。これは民社党の代表として
中野予算
委員長にも申し入れておきますから、
あとでひとつ
理事会で御相談を願いたいと思います。ぜひひとつこの
繊維の問題については、私はいま経過の途中ですからこの程度にいたしておきますが、何せ
佐藤内閣はもう少し様子をよく調べて、実情に即応して、これはひとつやってもらわなければならぬと思うのであります。この辺で、この問題は無罪釈放ということにいたしましょう。
それではひとつ大蔵
大臣に聞きたいのでありますが、大蔵
大臣、せっかく質問の予告で案内をいたしておきましたが……。(「処分保留と言っておかなければだめだよ」と呼ぶ者あり)処分保留で
あとひとつ続いてやってもらいたい。そういうことにしましょう。
それではひとつ大蔵
大臣に聞きたいが、ワシントン発二十一日のAFPによると、「ケネディ米財務
長官は二十一日シカゴのテレビ局とのインタビューで、円の切り上げが必要になるかもしれないと示唆した。同
長官は「
日本はすでに巨額の国際収支黒字をかかえており、なんらかの手段を講じなければならない」と述べ、詳細については説明を避けていた。」私が、軍事的には
アメリカの友好国にいま
佐藤さんはあるが、
経済的にはなかなか競争が激しいと言ったのは、ここのことなんでして、わが一国の通貨に関しても、円の切り上げを、
向こうの財務
長官ともあろう者が示唆するということになると、
経済的な
日本と
アメリカとの対立というものは、
新聞によっては
経済戦争などと書いておるが、私は戦争とは思いませんよ。戦争はきらいですから。これは競争対立ですね。
だが、大蔵
大臣にひとつ聞きたいが、この円の切り上げをやらないのだなどとここで口先だけで御
答弁されても、これはだめなんです。私が諸
情勢を勘案してみると、このままほうっておけば、毎年、毎年これは十五億ドルくらいたまってきて、なかなか
日本の外貨の蓄積は、あなた四十億ドルと言っておったが、もう四十億ドルはすぐに来ましょう。これはやはり円価の切り上げをやらないやらないと言っても、何もほかのことをやらないのでは、円の切り上げになると思うのですね。いま表向きにうまい
ことばかり言って
議論が行なわれておる。どういうことかというと、みな選挙で圧力団体がおりますから、残存輸入品目で
自由化する
——これは
アメリカと
約束しておる。
共同声明に載っておる。そのおもなものはほとんど農産物ですよ。幾ら国内で農民にうまいことを言ったって、この
アメリカと
約束した
共同声明では、残存協定の八割が農産物なんです。これをあなたやるということになれば、いずれ農産物にかかるでしょう。そうすれば、それまで農業の構造改善をして、農村の近代化に金を入れて、これに見合うような農村を建設し直さぬことには、これはだめなんです。二律背反になっておるのですね。だから、この残存輸入制限品目の中で、
日本経済に照らして、これをあるいは五十五品目早めるとか、あるいはこういうものはやって、もっと輸入をふやして、物価の引き上げ、インフレにも対処するとか、あるいは後進国開発、その他に
日本の円をどんどんあれして、戦争が南北問題で起こらぬような対策をとるとか、私は、いろいろ円を切り上げないで済むような対策を真剣にいま
政府が考えなければならない重大なときだと思うのですよ。選挙地盤の養成ばかり考えて、
国会じゃうまいことを言う。そのどたんばに来ると、いまの食管法でも買い上げ制限はできるなどと言う。問題はここから出ておるのじゃないですか。だが私は、いま
日本経済が置かれておる本質を踏まえて、この円の切り上げには反対です。反対だが、しかし、
アメリカの財務
長官あたりがこういうことを言うようになると、なかなか
アメリカに対して腰の弱い
佐藤内閣では、この辺の問題が次の重大な課題になるおそれがあるので、大蔵
大臣にひとつ聞きたいと思うのです。