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岡沢委員 重ねて
お尋ねします。
裁判官の具体的な補充といいますか人員を増加する問題について、これはほんとうに真剣に考えないと、単なる事務分配あるいは行政機構の合理化、簡素化、能率化だけでは済まされないものがあると思うわけです。魅力ある職種にしたいという抽象的な御
答弁がございました。たとえば司法試験の採用人員をふやすとか、民間の
法曹あるいは大学教授等を
裁判官に迎えるについて、やはり特別の
用意がなければ、抽象論では解決できないし、実際問題として、私は先ほ
ども申し上げましたように、信頼される
裁判官あるいは
裁判制度、司法の優位といいますか法の優位こそ新しい
近代国家に要求される最も正しい道だ。
国会の面あるいは政治の面におきましても、
予算を外交、防衛で全く使うなという
意味ではございませんけれ
ども、その面に使う金をもし有効に
司法制度あるいは内政面の充実に使うことのほうが、よほど国際的に見て平和、あるいはまた国内的に見て
国民のしあわせに通ずると信ずるだけに、やはり具体的な御
用意をしてもらわなければ、抽象論としてはもう論議を重ね過ぎた
感じがございます。いまは実行の段階であると思いますので、具体的な
裁判官の充実あるいは
裁判機構の合理化、近代化についての構想があればお聞かせいただきたい。
特に最後に、これで終わりたいと思いますが、先ほど申しましたように、公害、交通災害あるいは新しい傷害
事件、特許、従来の
裁判所で扱っていただきますケースに比しまして、性格的にあるいはまた
内容的にだいぶ
日本の近代化に対応して新しい面での
訴訟事件というのがいわば続発すると言うと語弊がございますけれ
ども、大きなウエートを占める時期に来ておると思いますだけに、そういう面に対する
最高裁としての御
用意があるかどうか。これは
事件が起こってすぐといっても間に合いません。そこで、
裁判をしていただく
裁判官にそれだけの素養を持っていただく、あるいは理解を持っていただくためには、かなり事前の先手を打った御
用意が必要じゃないか。
事件が起こってから
裁判官に勉強していただく、あるいは
国会の場合に、問題が起こってから公害罪の創設を急速あわててやる、あるいはまた
民事上の場合、
刑事上の場合、ともに
国会としても、今度の乗っ取り
事件あるいは公害等を通じまして、いわば非常にその場的な立法がなされる心配があるわけでございます。これはそのことが悪いのだというよりも、われわれの事前の
用意が後手に回ったという
指摘を受けてもこれはしかたがない、
国民から非難を受けてもしかたがないと思うだけに、やはり
最高裁としても、これは
事件を待っていただく
立場でありますけれ
ども、
事件が起こったときにすぐに対応できる機構上のあるいは法制上の人的な
用意が必要だと思うわけでございますが、その辺の
対応策を
お尋ねいたします。