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井原参考人 いま鍛冶先生からおっしゃいました、この最悪の事態に直面いたしまして、議員連盟の先生方からも非常な御協力をいただいたということを感謝いたしますとともに、私
どもとしてまことにざんきにたえない次第でございます。
永易は、去年十月にそういう行動がありまして以来、みずからは姿を消してしまったわけであります。コミッショナーといたしましては、ゆゆしい事態と
考えまして、永易に対して徹底的に
調査をしたわけであります。もちろん協約に従いまして一定の
手続がありまして、そういうような場合には、所属するリーグの会長が
調査をいたしまして、そうしまして会長がその事実を認めたならば、コミッショナーに対してこれこれの
調査をした、よってこれを永久失格にしてくれという
要求を出すわけであります。ところが、コミッショナー
委員会とされましても——私はコミッ
ショナー事務局長でございますから、またあとでいろいろと立場上歯切れの悪い言い方をするかもしれませんが、ごかんべん
願います。
事務局長でございますが、コミッショナーといたしましても、リーグの会長が
調査をして、それでその
調査の報告を待ってそれをすぐ採択するということではありません。リーグの会長の
調査が不十分だと思いましたら再
調査を命ずることもございますし、コミッショナーのほう自体で
調査することもあるわけであります。永易の場合はそういうふうな経路を経まして、最後にはコミッショナーのほうで
調査いたしましたところ、これは永易自身の弁明なり釈明なりというものは、八方手を尽くしてさがしましたけれ
ども、所在が不明でありまして、とうとう弁明を聞く機会がなかったのでございますが、ともかくいろいろと
調査の結果から総合いたしまして、はっきりと
野球協約に規定しております有害行為という条章に当てはまることをしたという
結論に達したわけでございます。そこで永易は永久失格にしたわけでございます。
その後も報道によりますと、永易以外の選手に対してもいろいろとうわさが次々に出てくる。特に、いまからどのくらいになりましょうか、某新聞を通じまして永易の会見記が出ておる。永易とある報道者の会見記が出まして、それから永易がしゃべったということが報道されまして、それからの
プロ野球全体の緊張、特にコミッショナー
関係、所属リーグの
関係、そういうようなところは実に緊張いたしまして、その報道をすぐ取り上げるわけにいきませんが、何とかして永易に会いたいということを
考えておったわけであります。ところが、いろいろと手段を尽くしますが、永易に会うということが非常にむずかしい。ごく最近になりまして、議員連盟の方からまた警察にその協力を依頼していただいたり、その前から私
ども警察にもいろいろと協力をお
願いしているわけでありますけれ
ども、具体的に議員の先生方から警察のほうに、ぜひもっと協力をするようにというふうな呼びかけがございましたそうで、それに応じまして、さらに警察と密接な連絡をとりまして、それで会おうとしたわけであります。ところが、これもコミッショナーの
調査となりますと、永易が全く自由な立場で話せるという
状態においてやらなければいけない。いままでの
調査でコミッショナーが必要以外の人を入れて本人を調べたことはいまだかつてございません。コミッショナーの
調査の基本態度と申しましょうか、そういうような条件をぜひのんでもらった上で永易に会いたいということで、いろいろと
努力いたしましたところが、まだまだもう一息くらいのところでございましたでしょうか、もう一息で会えるというときだったと思いますが、先日十日、塩谷議員先生のお骨折りによりまして、全く突然に、コミッ
ショナー事務局に塩谷先生が同道して永易とコミッショナー
委員の三人と会うことのお手配をしてくださったわけであります。
そこで、永易の口からコミッショナー
委員は、いままでいろいろと新聞や雑誌やそれからテレビ、テレビは録音でございますが、そういうようなところで報道されていることがほんとうに永易自身の口から出たものであるかどうか、それを確かめたわけであります。永易は、全面的にその報道に対しては私が責任を持ちます、そういうふうに答えております。これはコミッショナーの今後の
調査の非常に大きなきっかけになるところであります。ただ、永易がそう言ったからといって、永易が言っていることがすべて事実だ、これはもちろん断定するわけにはいきません。いままでの報道が、いままでずっと——昔は知りませんが、先ほど申し上げましたような某新聞にぱっと出ましたのは比較的最近のことでありますが、それから以後の報道について、多少の食い違いはございますけれ
ども、大体自分は責任は持てるというようなことを言ったというようなことが、コミッショナーの今後の
調査の非常に大きな手がかりになるということで、まず一歩前進という
段階でございます。
それに基づきまして、パ・リーグの会長が協約に従いまして現地の
福岡におもむきまして、
調査を三日間でございますかいたしまして帰ってまいりました。きょうはパ・リーグの会長に私は会えぬと思いますが、これは非常に重大事でございますから、明日コミッショナー
委員三人が集まりました席で、岡野パ・リーグ会長から逐一報告があるはずでございます。それに基づきましてコミッショナーが今後の具体的対策を立てるという
段階でございます。
たいへんどうも世間をお騒がせして申しわけございませんが、これからコミッショナー
委員は全力を尽くして真実の発見につとめるという
考えであるようでございます。私が
事務局長でございますが、
委員長の固い決心も聞いております。
以上でございます。