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麻生委員 私が聞いているのは、
出版された時点のことを聞いているんだから……。その後のことなどは、いま申し上げたように、二十二万部どころじゃない。もっと売れているのだ。いまはどこの
取り次ぎ業でも堂々と取り扱っていますよ、もうかるから。
大臣、私が言っているのは、
出版された時点のことを言っているのです。その
観点に立って
質問しているわけです。いま
大臣が言われましたように、
一つは
広告の問題、もう
一つは
取り次ぎ業が不当な
理由で断わった場合、これは何といっても
独禁法違反の
疑いが出てくることだけは、まぬがれないと思います。
そこで私は、もう少しこの事実
関係を突っ込みたいと思うのですが、ここで
東販の堀さんとの間にやりとりされた事実を裏づけする
資料をいまお配りしてございます。それは「別紙アンケート
調査報告」というのをごらんいただきたい。この
調査は、
東京都下にあります約千軒の
本屋さんに対して、私のところから出したアンケートに対する回答でありますが、このアンケートを行ないましたのは、ここにあるように四月二十二日であります。差し出しは、私の政治研究所の名称を正式に使いまして、差し出し人としては私の名前を使って出したものであります。その千ほど出しました中で、古
本屋さんがありますから、これを除外しますと、実数約八百と推定されますが、その八百の書籍
小売り店の中から、五月四日現在で百九十三件返答が来ておるわけであります。このアンケートの
内容は、この
資料には書いてございませんが、こういうことでございます。「昨年十一月より十二月末までの間、
藤原弘達著「
創価学会を斬る」の取次店への
注文及び
店頭販売の過程の中で、次のような妨害の事実の有無についてお伺いします。」こういう文面であります。そして、「取次店へ
注文した場合、取次店から、品切れ等の
理由で、取次をことわられた事実があったかどうか。」これが
一つ。それから第二は、「
書物販売中、取次店から、返本をせまられた事実があったかどうか。」第三は、「
書物販売について、
創価学会員、もしくは、それに類する人から、販売中止を強要された事実があったかどうか。」この三点について
質問をした
調査票を送りつけました。それに対して返事が来ておりますが、その返事の
内容がこの
資料の中に記されておる。この中で、いま申し上げた五月四日現在で返事が来た数が百九十三件、それから記名をして返事をくれたものが百二十六店、それから匿名で返事をくれたものが六十七店あります。その報告
内容は、問一について、つまり
取り次ぎ業から断わられた、
注文ですよ、
注文をして断わられたという事実について、「あった」という返事が八十三件、約四三%という高率を示しております。
〔
委員長退席、河野(洋)
委員長代理着席〕
これはいずれも
注文をしたが、
注文を
取り次ぎ先に断わられた、こういう事実が出ております。それから、問二については、「あった」の返事のあったものは三件であります。この三件は、いずれも一回は送りつけられたけれ
ども、すぐ返本をせよと言われて返したというのであります。この返本をせよと迫った
取り次ぎ業は、
日販であります。それから問三について、「あった」という返事があったもの、これが七十件、約三十六%。なお、この中で、強要ではないが
要請を受けたもの、これが三〇%ですから、それを加えますと、つまり強要もしくは
要請を受けたといって返事をくれたものが、六六%にのぼるという回答が出ております。ここの注にありますように、強要もしくは
要請があったと答えたもののうち、しかもどういう人から
要請を受けたという名前を列記して返事をくれたもの、またその回ってきた人の名刺を添えて、こういう人が来たといってきたもの、その名前は
二つの
出版社であります。それは潮
出版社と
聖教新聞社、
あとは
学会員、こういうふうになっておるわけですね。それがほとんどであります。それから、名前があがっておりますもの、こういう人が来たといって、この注の中に、特にこの問題についての御意見、御
注文があったら書き添えてくれというところに書き添えてございます。潮
出版社の
営業部長、これは実在する方であります。
聖教新聞社
出版局海外書籍部主任加藤安久氏、これは明確に名前をあげてきております。それから
聖教新聞出版部
営業部長、これは肩書きだけあげてきております。それから
聖教新聞社編集部次長、これも実在の人であります。それから
聖教新聞社業務総局普及部、これは北原勝次、この人の名刺が送られてきております。こういう人が、この六六%にわたる
書店を歩いている事実を明らかにされておる。しかも、この中の意見書によると、いろいろな種類があります。たとえば、
藤原弘達さんの本がありますかと聞かれた、ありますと言うと、見せてくださいと言われた。それが十部、二十部とあると、まとめて買いましょうと言われたという返事が来ておるのもあります。もう
一つは、二、三部あると言うと、それは
本屋の片すみのほうに目立たないように置いてくださいと頼まれました、こういうことも出てきております。それから、もう
一つ、非常に重要なことは、もしあなたの
本屋でこの本を売るなら、以後
聖教新聞及び潮
出版社の
出版物の
取り扱いはあなたの
本屋にはさせないようになるかもしれないから、そのつもりでいていただきたい、こういう
要請をされた、強要をされたということも、この中に明らかにされております。
これはすべてアンケートの
調査でありまして、ここに全部その
資料がございます。これは捏造されたものではなくて、全部、
書店名も入っておるものもあります。匿名のものもございます。ということの事実
関係から判断をいたしますと、潮
出版社、
聖教新聞社の
営業部長といえば、これは
出版社の責任者であります。この責任者が組織的に
東京都下の六六%近くにわたる
書店を回り歩いて、
藤原さんの本が事実上売られないように強要もしくは
要請をして歩いた。しかも、なおかつその背景には、執拗に、
商売にならないほど何べんとなく
書店をたずねてくるので、ついやむを得ず目立たないようにしなければならなかったということを書いて、名前まで列記して、いつでも
国会の
証言に立ちますと言ってきている人も中に含まれております。
きて、こうなってまいりますと、先ほど
大臣が言われたように、これは一部の人、特定の人がこの
藤原さんの本を売らないようにしてくれと言ったということは、事実上においてくつがえされざるを得ない。しかも、潮
出版社、
聖教新聞社というのは、
出版業であります。これは同業であります。この同業が、組織的に
書店を回り歩いて他の
出版屋の
出版物を事実上売らないようにせしめた事実は、このアンケートの
調査の結果でも明らかだと私は判断します。これでも
大臣は、なお、それは明らかでない、個別的なことだとお考えになりますか。