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坂田国務大臣 これは非常にむずかしい問題でございますが、
先ほど局長から
お答えをいたしましたように、
一つにはやはり六・三・三・四制度をとったということ、それから
日本の経済が非常に成長したということ、それから元来
日本人が非常に
教育熱心であるということ、この三つから、
大学に入ろうとする者が当該年齢人口二〇%をこえるような
状況になってきたということだと思います。
これにつきまして、従来は長期
教育計画と申しますか、そういうものが当然なければならなかったのじゃないか。そうして
日本列島全体を見て、あるいは
社会の変化ということ、
発展ということについて、どういうような人材を養成すべきかというような、完全なものではないといたしましても、相当の長期計画というものが設定されて、しかも
日本列島全体を通じまして、その
私学を認可する場合においても、多少国としてのそういう大きいプランのもとにおいて意思が働いてこなければならなかったというふうに、私は思うのであります。しかし、それが実はいままでなされなかったということでございますが、これからはやはりそういう長期計画というものがつくられなければならないというふうにまず思うのです。したがいまして、おそらくこの五月には中教審の答申がなされると思いますが、さらに来年の春ごろまでに、長期計画と同時に、それに対して一体どのような財政措置を考えたらいいか、そしてその
お金というものはGNPでどれくらいだというようなことまでも、おおよそ見当をつけなければならないというふうに思います。それからまた、中教審におきまして、いま
大学改革に対する試案を発表しておりますけれ
ども、その中におきまして、国立の意義というものを検討しておるわけでございます。あるいはこういう国立という形でいいのかどうかということまでも、考えておるわけであります。国公
私立というもののかきねを撤廃するといいますか、そういうような形で一ぺん考えてみてはどうかというようなことから、
一つには、たとえば特殊法人というような
考え方も出てきておるようなわけでございまして、確かに明治初年の勃興期におきまして、国立
学校の果たしました
意味合いというものは、非常に大きかったと思います。あるいはまた、今後も国立
大学の意義は大きいかとも思いますけれ
ども、しかし、国立であるがゆえにかえってその
教育、
研究というものが十分でない、あるいはそれに縛られておるがためにかえってやりにくいのじゃないかということが、国立
大学の中からもぼちぼち出てきておる、あるいは国立
大学以外の
国民世論の中からも出てきておる、こういうことでございまして、この一年中教審の検討を持ちまして、来年の春ごろにその問題に私たちは具体的に取り組んでまいりたい、かように考えておる次第でございます。
国立の場合は、たとえば
授業料が一万二千円でございますし、また現在国立
大学に学んでおる三十数万の学生というものは、比較的低所得者の優秀な子弟というものが入ってきておるということを考えました場合におきましては、やはりこの国立
大学の
意味というものは大きいというふうに、一応私は考えておるわけでございます。