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川村委員 いま
国際条約関係のあれが明らかになりましたが、ただ
一つ明らかになったのは、
ブラッセル改正条約にはもう
日本はおそらく入れない。
ストックホルム改正条約もそう先まで
——いまあなたが
お話しのように、管理規定が発効しただけである。これはおそらく今日の世界の動きをずっと見ていると、これは七カ国ぐらいの加入はそう困難じゃないのではないかと、私はしろうとでございますけれ
ども、そういう情勢を実は
考えてみるわけです。そうなると、
ブラッセル改正条約に入れない。あなたの
ことばのように、それはいいのだ、
ストックホルム改正条約に入れる道は残っておる。それはそのとおりかもしれません。
そこで、これは間違いないでしょうが、あったらひとつ教えてください。
ベルヌ同盟に五十九カ国入っておる。
ローマ条約に入っているのは
日本を含めて十四カ国である。その中で、先進国、なんという
ことばを使うのは語弊がありますけれ
ども、
ローマ条約に入っている十四カ国の中には、
日本、カナダ、オランダというのが先進国といえばいえる国であって、
あとはみな後進国か共産国、わずかに十四カ国。ブラセッル
条約は四十三カ国入っておる。しかもそれは大部分が
——皆さんからいただいた資料、一覧表もちゃんとありますが、四十三カ国で、ほとんど先進国が入っている。私は少し気に病むのかもしれませんが、こういうことを見ても、いまあなたは中進国と言われたけれ
ども、中進国の中の下くらいいきますか、そういうことではないか。それはそれとして、とにかく
日本が
ブラッセル条約に入られない、あるいは
附則十四条が
——長官はわりあい
気持ちよくお答えになりましたけれ
ども、どうも私の見るところ、これはずいぶん生きるな、こう思って
考えると、ちょっとやそっとで
ストックホルム条約にも
加盟できないということになると、
日本という立場からして、しかも
日本の
著作権の大
改正をやろうとしているときに
——諸
外国には、非常に急いで
全面改正をして
ブラッセル条約に入ろう、早く入らぬとなくなるぞというようなことで、南米あたりの国では盛んに
努力をしている。
日本がいまここにこの大
改正をやろうとするときに、それなのにどうも少しぞんざいにしておられるということも、何か私の胸の中にひっかかるものがあるのですよ。なぜこういう大
改正を足がかりにして
ブラッセル条約に入って、そして国際的に
日本が大手を振って歩けるようにしてやらぬのか。そういうことで実は気になるわけで、ひとつこれから小
委員会等でも
——お聞きすると小
委員会を設置されるそうでありますから、やはりこの
附則十四条等についてはもう少しひとつ忌憚のない
議論をしていただいて、私さっきちょっと申し上げたのだけれ
ども、
日本の
国内の
実情、実態、そこにだいぶ
心配みたいにしてウエートを置くのでなくして、この
ブラッセル条約等によって
著作権をほんとうに
保護する、これが第一義なのだから、そこに立って、それには
喫茶店か何か知らぬけれ
ども、そういうところに
音楽や
レコードなんかの問題がひっかかってくるときには、何か行政的な調整をするとか、あるいはそういうところの諸君のおくれた頭をぱっと切りかえさせてやる、それが大事なことではないかと私は思うわけです。大体お
考えはよくわかりましたが、どうもくどいようでありますけれ
ども、この点は私残念でならないわけです。
そこで、一番初めの私の
ことばに帰ってお尋ねするわけですけれ
ども、私、初めにこう申しましたね、六十一回
国会で
委員の
皆さん方や
参考人の
皆さん方からいろいろと
意見が出された、それをひとつくみ取って、少し新しく
提案が挿入されたであろうか。それはないということで申し上げたわけですけれ
ども、ちょっと申し上げましたね。お聞きのとおりに、わざわざこの
委員会に
参考人として
著作権制度審議会の野村さんという方がおいでになった。その人がここで
意見を述べられた中に、実はそのことが大きく触れられておったわけです。いま私は、その速記録を実は頭にありましたので読み返してみたのですけれ
ども、私は、その速記録を見ながら、ほんとうにやはりそうなければならないのではないか、こう
考えているわけです。私はいまこの速記録に基づいて、野村さんが
意見を述べられたことについて、繰り返してお尋ねする必要はございませんけれ
ども、野村さんは、要約すると、この
著作権法の
改正にあたっては、審議会の答申をおおむね受け入れられているから、たいへん賛成だ。しかし、いま私のお尋ねいたしましたように、この
附則十四条によるところの経過措置、録音物によるところの
演奏についての経過措置、この規定が設けられていることは、先進国のすべてが加入しておる
ブラッセル条約に
わが国が加入できないということで、実に残念だ、こういうことを実は
お話があったわけであります。ここに
著作権制度審議会の答申をいただいておりますが、審議会としてもそうするだろうと思ってちゃんと
考えながらこの答申を
出しておる、こういうことを野村さんは言っておるのですね。それらがあるのに、くどいようですけれ
ども、おやりにならなかったということは、実に残念でならない、こういうわけでありますが、これどうかなりませんかね、
政務次官、お答えいただきましょうか。