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武部委員 そういう
確信でおやりになることは、まことにけっこうだと思うのです。
確信がはずれなければまことにけっこうなことなんで、いいことですが、どうもわれわれがいろいろと
考えるのに、この四・八という
数字は、いまの
物価上昇率の
内容から見ると、
相当な
決断をもって
物価政策をやらなければ、とても四・八というようなことにおさまる
可能性はないのではないか。それだけに、
大臣も一生懸命になってこの問題に取り組んでおられることはよくわかりますが、当初からこういう
予想が出てきておる。だとするならば、本
年度のように、
年度途中で五を五・七に直してみたり、それが結果的には六・五になってみたり、こういうことではやはり
国民の不信を買うと思うのです。そういう
意味から、いまお述べになった四十三
年度の
げたの三・二ですか、というような
数字に比べますと、大体同じような
げたの
数字になっておるからそう心配は要らぬということをおっしゃったわけですが、必ずしもそういう楽観的な見方は当たらぬのではないか。それにはそれ相応の
対策なり
政府の
決断というものがない以上不可能な
数字になって、またぞろ、
年度で一回も二回も変えなければならぬというようなことになる
可能性が非常に強いように思うのです。ですから、
長官がそういう
確信をもってお述べになったとするならば、きのうもおっしゃっているように、ぜひひとつ実行の面でどしどし具体的な
政策を出し、おっしゃっておるような
公共料金の
抑制についても、あるいは個別的な
輸入物資の問題についても、私は当
委員会で、今度はひとつ具体的な
政策をはっきりしていただきたい。そうでないと、これからひとつ
決意をもってやるんだとか、勇断でやるんだとかいう抽象的なことばでは、これは納得できないわけですから、その点をはっきりしていただきたいと思うのです。
私が前回、
大臣といろいろとやりとりいたしたときに、この異常なる
物価高の根本的な原因は、
季節の
野菜であるとか
季節物資の
値上がりだということをおっしゃった。確かに
野菜は
値上がりをいたしておりますが、これの
消費者物価の
指数に占めるところのウエートは、一万分の三百四十五なんです。一万分の三百四十五が、
野菜の占めるところの
消費者物価指数です。そう大きな額ではないのです。それは、きのうも
野菜問題がこの
委員会で問題になったのですが、
農林省の
担当課長がお
見えになっておりましたが、そう大きな
値上がりではない。なるほど、たとえば大根とかキャベツとか
タマネギとか、そういう個別のものを選びますと、特に
タマネギあたりは倍以上になっております。ところが、レタスなんかは下がっておるのです。そういうような具体的な事実を私どもはつかんでおりますが、そういう点から見ると、必ずしも
季節商品だけが異常に上がったから、今回八・五とか八%とかいうように、二月、三月上がったというふうにはとれないのです。ですから、そういう面でこの間の、
大臣は見られたかどうか知りませんが、第一
銀行が出しておったあの
統計といいましょうか
調査というものは、私はこれは非常に
実感の伴う
調査だと思うのです。
私、若干ここへ書き上げてきましたが、一月で七・八%の
消費者物価の
上昇率を
総理府が発表いたしました。
主婦の
実感をつかむために、一年に百回以上
家計簿に記入した
日常購入品十
品目ですね、
野菜とか主食とか肉とか菓子というようなことがありましたが、十
品目についてそれを調べてみたところが、一一・三という
数字が出ておる。これは
日常どうしても買わなければならぬ。いわゆる
教養娯楽費のように、切り詰めることができるものならいいのですが、切り詰めることのできない、
日常どうしても、どの人も、どの階層も買わなければならぬ
品物です。こういうものを計算をすると、
総理府統計局の
数字に一・五倍かけた
数字になるのだ、こういう
調査が出ておりました。二月の
消費者物価が八・五ということになったわけですが、これをかりに一・五倍だとすると、この十
品目で一二・七五%という
物価の
値上がりになるのです。これは私が何べんも言うように、たいへん重要な
品物です。
主婦の
実感から見れば、いかに
総理府統計局がああいう
数字を発表しようとも、一・五倍から二倍に近い
物価の
値上がりというものを身をもって体験しておる。
そうなってくると、
物価問題の中で特に
重点を置かなければならぬのは、こういう
日常特に家庭の台所を預かる
主婦の
皆さんが
物価高にあえいでおる、こうしたものに
重点的な施策を行なわなければならぬのじゃないか、緊急一番必要なものはこういうものじゃないか。
農林省にいろいろ聞いてみたって、
野菜の
流通機構の改善などというにはほとんどほど遠い。たとえば
輸入ができるかというと、なかなか困難である。肉の値段だってたいへんなことです。アルゼンチンから持ってくる肉なんというものは、これはほとんどハムやソーセージに肩がわりされてしまっておる。こういう結果ですね。これは何べんか、私ども論争いたしました。そうなってくると、こうした庶民に一番
関係の深いものについて、いま一番
政府が
重点を置いて
対策を立てなければならぬのじゃないか。さしむき
企画庁長官としては、こうした問題についてどういうふうにお
考えでしょうか。