○武藤
委員 そういたしますと、先ほどのお話で、佐藤・ニクソン会談でもうまく話がつけばそれにこしたことはないけれども、いまの
状況では、非常に向こうの財務省なり、特に業界なりの抵抗が強い今日において、また先ほどのお話の
ように私どももたいへん心配をいたしておりますが、ミルズ
法案の通る
可能性がまだ相当ある今日においては、なかなか向こうの抵抗は強いのではなかろうか。そういうときに、こちら側の業界に納得をしてもらえる
ような案で話をつけるということは、たいへん私もむずかしいのではなかろうかと思うのでございますけれども、その
ようなむずかしいことをあえていたしまして、それこそ佐藤・ニクソン会談でまたこの話が持ち出され、またこれがうまくいかなかった、こんな
ようなことになりましては、ほんとうにたいへんなことになると思うのでございます。
私としては、日米の現在の経済問題
繊維以外にも、あるいはカラーテレビの問題、洋食器の問題、最近は板ガラスまで問題が出ておりますし、あるいは漁業の網でありますか、とにかく数えあげれば切りがないほどで、いま
通産省では摩擦品目をいろいろ
調査いただいておる
ようでございますが、そういう
ようないまの
日本と
アメリカの経済
関係を
考えてみますと、もちろん私は、何らかの形で、筋を通した形で、しかも
日本の業界が不承不承ながらもしんぼうできる範囲で、妥結といいますか、話がつくならば、これはやはり大局的な見地に立ってこの際解決をすべきである、こう思いますけれども、しかしそういう
ような形でなく、ほんとうに
アメリカ側の言いなりで解決をしなければならないというか、向こうの話をのまなければならないということになりますと、これは
あとあととんだことになりますので、その辺私、心配をしていまのお話を承らせていただいたのでございますけれども、今後それでは——これも予測の問題でございますから
大臣としてはおわかりにならないかと思いますけれども、しかし、
新聞による
総理の
姿勢というものは、相当熱意のあるものではなかろうか。でございますので、今後
総理から
大臣にいろいろ具体的にお話がある
可能性もあると思うのです。そういう場合には、いまお話ございました
ように、やはりいままでのいきさつからまいりまして、すべて
アメリカ側のペースで進まない
ような形、もし話をしていただくならば、あくまでも——もちろん、ものは話し合いでございますから、こちらが妥協しなければならないところもございますけれども、あくまでも
一つの線というものは、先ほどちょっと
新聞に出ておったということは私申し上げましたが、たとえば
規制の期間の歯どめだとか、あるいは個別でなく総量
規制であるとか、あるいは最初の一年はともかくといたしまして、将来においては被害の立証という問題とか、業界を納得させるにはどうしてもその辺のところが最後まで抵抗があると思うのでございますけれども、そういうものを含んだものでないと——それ以外は、期間が多少長くなるとかいうことは業界の方も納得していただけるんじゃないかと私は想像いたしておりますけれども、とにかくどうしても業界が了承できない
ようなところで話がつくということは、将来非常にまずいことになると思います。そういうことのない
ように、ぜひ
大臣として、もし
総理から御相談がありましたときには、この点の筋だけは通していただきたいと思いますけれども、その辺の
考え方をお聞かせいただきたいと思うのでございます。