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寺前委員 私は激励しているつもりではございませんのですけれ
ども、好評だという話もあるけれ
ども、決してそんなものじゃないと私は思いますよ。この問題は
ほんとうの
ところ深刻ですよ。だから私は、いま進めておられるような態度では、
ほんとうにお茶を濁しているような結果にしかならない。
ほんとうに私はこの悲しい老夫婦の死をむだにしないために、直ちにこういう分野で活動している人たちの
意見を積極的に組み入れて、ちょうど今月は敬老の日もある月だけに、威儀を正して謙虚に
研究してもらいたいというふうに思います。
そこで、第二の問題に移りたいのですけれ
ども、先ほど言いました
ところのお年寄りを道連れにして自殺をしていくという、この痛ましい現象ですね。聞く
ところによると、日本のお年寄り、御婦人の自殺率は世界で第二番目だというのですね。この汚名は私はたいへんな汚名だと思いますよ。自殺率が第二番目だ。自殺率第二番目の
ところの
厚生大臣、私はこれは海外へ行っても、国連へ行っても、日本人というのは年寄りを自殺に追い込んでおいて何とも思わぬのかというふうに言われたときに、
総理大臣は国連に行かれるようですけれ
ども、どんな顔をして歩いていくのだろうかと私は思うのですよ。
だから私は、少なくともこの問題について抜本的な問題を提起したいと思いますけれ
ども、時間がありませんから、それはきょうはやめます。せめていまからでもやり得る
ところの問題について考えてみようじゃないですか。やり得る
ところの問題についてすぐにでも……。私はいま現に一番問題になっている幾つかの問題だけでもすぐに取り上げたらどうですか。抜本の話は別にして…。
一つは年金の問題だと思いますよ。さっきも年齢を下げる、何ぼもかかりゃせぬという話があったのです。年齢を下げるという問題もあるし、それから福祉年金
——生活保護をもらっている人が福祉年金をもらったら引かれてしまうという、こういう制度
——私はお年寄りに限ってはそういう生活保護なんかとは別個に福祉年金は出してあげる。それから公的扶助を別にとっておられたら、それとは
関係なしに福祉年金をお渡しする。ともかくたいした金額じゃないですよ。せめてあの程度の年金についてはともかくお年寄りの扱い方を別個にしてやるというくらいな思い切った
処置は、金額にしてもたいしたことはないと思うのです。しかも多くの人々が厚生年金や何やらいうて将来の年いったときのことを考えて掛け金をやっている、そういう積み立て金というのが四兆何ぼもあるわけでしょう。そういう
事態まで
国民が全部真剣に考えているときだけに、この年金の取り扱いについては思い切って緊急
処置をとるべきじゃないか。これは私は
一つ提案をしたい
内容です。
それから第二番目に、お年寄りの仕事だと思うのです。私は、労働省がやっておる
ところのあの緊急失対事業法の中に、高齢者の
対策がありますよ、法律ではちゃんと。第何条でしたかね、法律がありますよ。
ところが、現にお年寄りの
ところの、緊急失対のこの法律の項に基づいての仕事は行なわれてないのですよ。私は、
厚生大臣として閣議で労働
大臣に、国自身が高齢者に失対法に基づく
ところの仕事をやってやってくれと言うぐらいのことをやってもらったらどうだろうか。私はきょうはちょっと具体的に提起しておきたいと思うのです。
それから三番目に、これは
医療の問題です。せめてお年寄りに無料でお
医者さんにかかれるようにということで、これもまたかなりの自治体で問題になっていますよ。すでに東京ではそのことは打ち出されました。園田
厚生大臣は、やろうじゃないかという話までしておったじゃないですか。私はせめてお年寄りが
医療費はただでお
医者さんにかかれるように、このぐらいのことを打って出て、自殺率第二位というこの汚名を何とか返上する
方向に
大臣やれぬもんかいな、せっかく敬老の日を迎えるのだったら、そのぐらいのことを準備されたらどうかと私は思うのですが、どうでしょう。