○米原
委員 それでは、いまもいろいろ
お話が出ました
ヘドロの海洋投棄の問題、これについて若干聞きたいと思うのです。
いまの御回答では、九月二十日強行するということでは必ずしもない、いろいろ尋ねておられる。そこで何か必ずしもいい結果が出ないならば、やはりやり方も考え直すという含みも若干あるように思うのですが、実はこの問題がきのうも問題になりました。山中長官に私、聞いたのですが、まだ断定的な結論は水産庁は出してないようです。それから衆議院の科学技術
委員会で問題になったときにも、海の浄化力、潮流、風向き、魚族に対する影響、これについてはまだわかっていないという答弁があるわけですね。これから研究するのだという答弁なのです。はたしてそれで結論が、どうも九月二十日までに出るように思えないのですがね。実際は、これは官庁
関係じゃありませんが、多くの水産学者や地球化学の
関係の学者の
意見というのが新聞紙にもずいぶん出ております。この中でもうほとんどが絶対反対ということを言っておるですね。これは
駿河湾の実は漁民だけでなくて、国会にも陳情に来ているわけですが、伊豆七島の町村が全部反対決議して、そして町村長が絶対に反対だ、東京湾から出てくるのにも反対だということで、東京都と
政府に対する陳情があった。それを受けて立って東京都のほうは先ほ
ども話があった
措置をとられたと思うのです、
ヘドロの外洋投棄をやめた、そういう問題でありまして、私は、これを
解決するためには、
一つは単に
駿河湾関係の漁民だけの納得じゃ足りないのだと思うのです。まだ内々な話し合い
程度で、まだ話し合いも本筋に入っていないように思うのです。ある
程度までは話されているかもしれないけれ
ども、これは漁業の死活に関する問題じゃないか、そういうふうに考えるのです。いままで出ている案について、初めは、これはきのう山中長官に聞きますと、百五十キロのところに捨てるなどということをきめたわけじゃない、新聞でも初め百五十キロのところに捨てると出ていたので私
質問したのですが、それが最近では三百二十キロから三百三十キロのあたりに捨てる、この問題についても私はそういう学術
関係の人にもいろいろ調べてもらったのですが、たとえ三百二十キロ、三十キロの明らかに黒潮の外側のところに捨てたとしても、決してとれで安心できる問題じゃないんだということを一様に学者は言っております。そうだとすると、もちろん非常にいま
田子の浦の、私も行って驚いたのですが、この実情をそのまま放置しておくわけにいかないし、そのままにしておけば、さっきも
お話があったように
駿河湾の汚染もどんどん進みます。何とか処置しなければならぬというところに来ているのは事実です。思い切った
措置をとられなければならない、これはわかるのです。勇気を持ってやってもらいたい。しかし、その勇気を持ってやった結果が、
日本有数の漁業地帯、これをほんとうに荒廃させるようなことがあったら、取り返しのつかないことになるのじゃないかという点が一番
心配なんです。この点ではまだ水産庁も結論を出していないとなると、非常に重大なんです。
政府のほうが一応そういう
方針をきめたからというので、それに合わせたというような結果を出されてもらっては困るのです。この点はよほど慎重にやってもらわないといけない、こういうことが私の考え方なんです。できたらそういう乱暴なやり方はストップすべきだ。その点で
調査研究が十分でないのじゃないかという印象を受ける。
もう
一つは、
駿河湾のことですが、
駿河湾の汚染は何も
ヘドロだけのせいじゃ明らかにないわけですね。流れ込んでいる汚水が相当な範囲に広がっている。その結果として、おそらくいろいろな奇形魚というのですか、損傷魚というのですか、そういうものがずいぶん出ているという話も聞いておりますが、ただその点について、私
たちも
静岡県の水産試験場に行って聞きましたが、これは県のほうの
責任の問題だと思うのです。なぜ、どういうわけでこの損傷魚が出ているかということについての結論は、まだ水産試験場は出していないのですね。なぜそれをやっていないのかと聞いたところが、予算がないんだ、費用がないんだ、こう言っておりますが、私は外洋投棄そのものにも研究
調査が足りない。同時に、問題の起こった
駿河湾自身がまだ
調査もされていないということを非常に遺憾に思うのです。
一体あの損傷魚の原因はどこにあるのか、
ヘドロのせいなのか、汚水のせいなのか、そのあたりすら明確でないというわけです。
一体こういうようなことで、その
程度のことで、いままでは確かに――これは前々からの問題でありますから
知事さんだけの
責任を責めるわけにいきませんが、しかし、十分な研究がされていないという事実が
駿河湾ではあるわけです。こういう点をどう考えられるか。もっと慎重に対処しないととんでもないことになるのではないか、こう思うのです。この点について
知事さんの
意見を聞きたいと思います。