○手塚
説明員 第一問は、大阪国際空港の騒音
対策委員会の御
質問でございます。官民合同によります騒音
対策委員会というのを、羽田並びに伊丹両方にそれぞれ別個につくっておりますことは先生の御承知のとおりでございますが、この構成員といたしまして、大阪の場合におきましては三十五名からの付近
関係市長あるいは市
会議長、それから
関係航空会社、それに私
どもの空港
関係者、こういった者をメンバーにしまして、三十五名という者がこの
委員になっております。この
委員会は四十年につくったわけでございますが、この騒音の問題につきまして、やはり官で一方的にいろいろな
対策をやるということでは必ずしも十分ではない。地元の皆さん方と十分によく実情を把握し、分析をし、話し合いをした上で実情に合った
対策をとっていきたい、こういうような
意味合いで、空港長の主導によりまして、
関係の皆さん方とのお話し合いの結果つくった
委員会でございます。活動
状況が非常に不活発という御
指摘でございますが、大阪国際空港におきましては四十年の十二月九日にこれが発足いたしまして、自来四回開いております。
これを開きましてやりました内容は、当時一番熾烈でございました騒音防止法というものの立法
措置を促進したい、あるいは今度も実施をいたしましたけれ
ども、騒音の規制をどこの場所で何ホンというようなことを具体的にきめていきたいというようなことにつきまして、以上の回数をもってやりました。それぞれ行ないました成果につきましては御承知のとおりでございますが、今後やはりこういった
委員会で具体的な問題を具体的に取り上げて、それを積極的に解決していくということが非常に必要かと思います。そういう
意味で、この
委員会も大いに活用していくといいますか、私
どものほうの空港長だけの発意ではございませんで、地元の皆さん方の御発意を入れましてやっておりますが、私
どものほうでそういった主導をとりまして、いろいろ現在問題の多い大阪国際空港の騒音
対策に善処いたしたい、かように考えております。
それから次の御
質問でございますが、周辺整備法の設定を大阪国際空港
においてもすべきではないかという御
質問でございます。おそらく新東京国際空港の周辺整備のための特別
措置との比較のお話だと思いますが、新東京国際空港でこれをきめましたのは、この新空港の設置に伴いまして、その周辺における道路、上下水道あるいは河川等々の公共施設が十分に整備をされていない。しかも、これらの施設を空港の供用開始に間に合わせてやらなければならぬというような、時間が非常に切迫しておるあるいは空港がもしこの地方に設置をされなければやる必要がなかったもの、あるいはその拡張整備というものが漸を追って適時やればよかったというようなもの等々が重なっておりまして、これらを実施するについて地元の負担が格段に、一時的に集中をして多くなる、こういった面について、地元の財政的負担の軽減をはかる、かような
意味で今回緊急に御設定を願ったわけでございます。
大阪国際空港の周辺につきまして、いま先生からは移転補償に伴って、やはりそういった一部の
対策が必要ではないかという御趣旨の御
質問であったわけです。もちろん私
どものほうも、空港の騒音
対策としまして、いわゆるゾーニングといいまして、この周辺の土地利用計画というものを十分に勘案をすることが非常に重要なことであるというふうに考えておるわけでございます。新しいところに新しい空港をつくります場合には、当然全般にわたってそういうことを
検討していく。今後は特にそういうことが必要であろうと考えております。
ただ、大阪空港につきましてのいまの移転の補償の問題につきましては、今回初めて予算上も二億九千万、約三億前後の予算がついたわけで、これからその実施につきまして、地元とは十分御協力をした上で実施していこうと考えておるわけであります。今後それの進捗度合いを勘案いたしまして、この
あと地利用その他についてのゾーニングの問題等が大きなウエートを持った問題として出てくる場合には、これに対する
対策というようなことを考える必要はあろうかと思いますが、当面直ちに新空港で言うような趣旨のものは、その必要はなかろうかというふうに考える次第でございます。
それからさらに、最後の移転補償の範囲につきまして、現行三百十五の千三百という範囲が、いわゆる移転補償ということで、買い取り請求の御希望の方に対する地域、範囲にきめられておるわけです。大阪につきましては、先般来訴訟等も起こされまして、非常にこの問題が熾烈な問題になっておるということは私
どももかねがね考えておるところでございますので、予算面におきましても、この移転補償費二億九千二百万円なるものが四十五年度初めて認められて、実施に移すことになったわけでございます。ただ、この範囲の千三百という長さでは必ずしも十分ではない。現地の実情にもそぐわない。かようなことで、私
どもも実はその点いろいろ
検討をいたしまして、千六百にとりあえず拡張をしたい。そういうことで実は告示もこの十日付をもちまして、その線で改正をして出すということにいたしております。
先生の御
質問の
成田との差があるではないかという点は、確かにそういう差がございます。
成田におきましては、その長さが幅六百で二キロということになっております。ただ、
成田につきましては、実はああいった国際空港を早急に供用開始に持っていくということで、いろいろ地元
対策の
関係がございました。またここで受け入れの飛行機の機種にいたしましても、いわゆるSSTという相当に騒音の問題になろうかと思う飛行機を飛ばすということを、また
一つの大きな目的にしてつくろうとしつつあるわけでございます。そういうような
成田におきます特別な事態をこの際勘案をいたしまして、一応この二キロという範囲を範囲としてきめたわけでございますが、ただ、これの実施にあたりましては、やはり予算上の範囲でもって逐次これを実行していくというふうなことで実施に移そうと考えておるわけです。したがいまして、伊丹の場合におきましても、とりあえず千六百ということで、従来より拡張した線を考えましたが、この範囲全体がかりに移転補償を希望いたします場合にも、先ほど申し上げたような予算額ではとうてい間に合わない。これは逐次やはり予算の内容とともに実行に移していく、こういうふうに思っております。したがいまして、この範囲のきめ方自体につきましても、当初からきめるかあるいは逐次そういった実情に合わしてきめていくかということでございまして、決してこれは今回きめるということで固定するものではございません。実情に合わせて、飛行機の運航回数あるいは飛ぶ機種等も変わってまいりますので、それらに合わせた方向で改変をしていかなければならない、かように考えておりますので、そういった方向で移転補償も今後さらに研究を重ねて実情に合うようにしていきたい、かように考えておる次第でございます。