○
小林(進)
委員 この問題も、実はきょうあすじゃないのです。これももう三十年以来、国会の中に繰り返されてきた。時間もありませんから、古いことは言いませんけれ
ども、かつて熊本で阿蘇山が爆発して、あの噴火の灰や石が
個人の庭先や
屋根に落ちたときに、それを排除するための費用を
出した行政の経験が、国会には
一つあるのです。その経験に基づいて、それを直ちに雪にも
——一晩で二メートルも三メートルも降られたときに、どうなりますか。それは、考えようによっては阿蘇山の噴火なんというものじゃない。そういうものを類推適用すべきであるということを叫び続けてきたが、なかなか行政の面に進展をしなかったが、いま、ああいうふうな明快な回答を得たのでありまするから、この回答を行政において具体的に
実施するかどうかという問題は、
一つ残るわけであります。もう間もなくことしの冬に雪が降りますから、その辺、ひとつ頼みますよ。絶対
実施していただく。これはお手並みを拝見することにしまして、このお約束をありがたくちょうだいいたします。
それから、
あとはもう両君のほうでいろいろお話がありましたから
——ありましたが、先ほ
どもお話しのように、法律はでき上がっている。しかし、抽象論ばかりで、具体的にそれがさっぱり、
実施の
段階になってくるとぼけているじゃないか、こういうふうな嘆きが各末端の市町村にありますから、それを具体的に皆さん方に理解していただくために、先ほど私は、
新潟県の北魚沼郡の守門村という村の
豪雪の実際の写真を持ってまいりまして、見ていただきました。この村は、いわゆる過疎の特別法に基づく過疎
地帯ではありません。といって都市ではない。その中間のやはり山村の
地帯であります。人口が七千足らず。
新潟県における大
豪雪地帯でありまするけれ
ども、これに準ずる
豪雪地帯は、先ほ
ども米田
委員が言われたように、もう三、四十もある。その中の
一つであります。そこで、一体、この
豪雪のために住民がどんなに困るかということを私は具体的に申し上げて、それによって
答弁を得たいと思うのであります。
簡単に守門村の
実態を申し上げますると、早い年で十一月から、平年でも十二月初旬から五月の初旬または中旬まで、大体百八十日から二百日に近い間が根雪であります。これは
新潟県の標準の
実態です。そこに住んでいる住民の
日常生活、産業、経済、医療、文化等に及ぼすこの百八十日から二百日の根雪の中の生活。根雪というのはわかりますな。わからなかったら、根雪を
研究していただかなければならぬ。そういう
状態の中でいるのであります。それで、平年で、この根雪における百八十日間の平均の
積雪の量が三・五メートル。ことしは雪が多いなというときには、四・七メートルから五メートルに達する。これが百八十日も続くのですよ。いいですか。
まず、その中における
日常生活における雪害だ。こういう
状態の中で、住民がどんなに雪の害を受けているかという実情でありまするけれ
ども、昭和三十年ころまでは、この白い悪魔も、住民は宿命であると考えた。
災害であるという考えまで至らなかった。しかし、三十五年ころから高度成長政策というものが行なわれて、山村にも家庭の消費財、文化が押し寄せてきて、
機械の導入が進められた。農耕の形が変わってくる。現金収入が必要になってくる。出かせぎをしなければならないという、農村の生活
実態、経済
実態が変わってきた。その変わるに従って、冬季の労働力が不足をしてくる。いわゆる
豪雪のための大きな
被害が、今度は具体的にあらわれてくるというかっこうになったのでありまして、まず第一番に
豪雪地帯で行なわれなければならないのは、家屋の除雪であります。
雪なんて軽いじゃないか。とんでもない。あれほど重いものはない。あれが一晩で一メートルも二メートルも積もられたら、それだけで、鉄筋コンクリートでない限りは家がつぶれてしまう。そういうこともひとつ考えていただいて、将来、この
豪雪地帯における家屋のための補助金をつくって、全部鉄筋コンクリートにしてくれるというふうな案でもつくってもらうのなら別だが、普通の家屋ならば、一晩の雪でつぶれてしまう。だから、夢中になって
屋根の雪おろしをやる。この雪おろしというものを各戸で、大体百八十日の
期間の間に平均で八回、ちょっと雪が多いなといえば十二回。私なんかの長岡に住んでいる小さな家でありますけれ
ども、大体長岡でも、私は六回から七回おろす。一回六人雇っている。雪おろしの料金はいま高いですよ。このインフレのために大体四千円だ。四千円で六人。四、六の二万四千円。六回雇わなければいけない。これはしがないわれわれの歳費ではとても耐えられないけれ
ども、ましてや、
豪雪地帯における農民のささやかな生活の中で、おやじさんの男手はみんな出かせぎに行っているのだから、これを一体どう解決するのか。残るのは女だけだ。
豪雪地帯の住民の苦しみは、まずそこから始まる。
そのほかに今度は部落間。山村ですから、部落間と各戸問。隣の家に行く道路をつくるだけでも、これはたいへんです。住んだ者でなければわからぬでしょう。もう雪のないときには呼べば答えるような隣同士でも、雪が降ったら他国なんだ。そうですよ。三メートルも五メートルも降る雪の中を、これをはねのけて道路をつくって、隣の家に行けますか。一晩雪が降ったら、五十メートルと離れない隣の家に行くだけで、半日かかりますよ。そういう日常の苦しみを一体どう解決するか。
それから、まず各戸間のそこで雪踏みというのが始まる。一生懸命雪を踏んで道路をつくるという作業が始まる。次には公共施設の除雪です。学校だ、役場だ、あるいは農協だ、郵便局だ、電電公社だ、あるいは保健所だ、診療所だ、こういう施設の雪おろし、これは夢中になってやる。自分の家の窓だって、雪がくるので全部ふさがって、家の中はまっ暗です。あかりがない。それで、まず窓の雪おろしをやる。そういうことから始まってくるのであります。
一体、こういう中で病人が出たら、どう患者を輸送しますか。急患の輸送をどうしますか。雪上車とかヘリコプターという話が出ておりますけれ
ども、そんなのは机上の空論ですよ。こういう
豪雪の中でヘリコプターがききますか、雪上車がききますか。そんなものは雪が固まってしまった
あとの話ですよ。このときの急患の輸送をどうするか、考えてみてください。
次には、生活物資の搬出入だ。一体どうして出す、一体どうして入れる。まずこういう問題。きたない話ですが、屎尿の処理も困難だ。ごみの処理もたいへんな問題です。こういうのが出てまいります。
それから、まず、この
豪雪に備えて各戸の家庭が何をやるかといえば、もはや秋の取り入れが済めば、急いでやるのは、各家庭において冬囲いです。雪の
被害を防ぐのに、家のまわりを全部囲まなければならぬ。どんなすき間からも雪が入ってくるのです。水と空気と雪は同じなんです。これをどう防ぐかというのが雪囲い。それから家屋の除雪、雪踏み、雪害のための家屋の修理なんというものは、雪の降らない
地域に住んでいる方にはわかりません。もう一冬たてば家ががたがたする。そうでしょう。総数量で二万センチメートルくらいの雪が、一冬に
屋根に積もるのですから、もう家はがたがただ。その修理もたいへんであります。
こういうようなことによる損失は、どんなに貧しい人であろうと、貧富にかかわりなしだ。この守門村で、平均していえば、一冬これだけの
災害を除去するのに、大体貧富にかかわりなく、最低六万円から十万円の費用がかかる。いいですか。わかりますか。私の言うことに山があったら、うそだと言ってくださいよ。私は神に誓ってうそは言わない。正直の話を、ごく内輪に申し上げておるのであります。
次に、産業と交通等に及ぼす
被害の問題を、若干私は述べてみたい。
この守門村の山林は一万ヘクタール。しかし、植林可能な面積は二〇%、二千ヘクタール。しかし、この可能な
地域で植林を進めたって、四年か五年、ようやく雪の中に耐え忍んで成長を続けるまでに、みんなやられてしまう。せっかく植林をしたところで、一冬
豪雪が来ると、その中の何%しか残らない。全部だめになる。まず半分、もう五〇%は、一冬の雪害で、せっかくの植林がだめになってしまう。こういう
状態です。
農林省、いらっしゃいますが、こういうことの
被害を皆さん方、真剣に考えたことありますか。
農業面でも、非常に根雪の
期間が長い。先ほ
ども高鳥君が言ったように、五月の初旬といったって雪が残っている。もはや五月の初旬といえば、あなた、千葉県なんかに行ってごらんなさい。私はこの五月の連休日に行きましたけれ
ども、田植えは済んでいますよ。みんな早場
地帯は済んでいる。しかし、こういう
地帯は、まだ雪が一メートルも二メートルもある。これをかきのけて早く苗しろづくりをやらなければ、一年の田植えができない。稲はつくれない。それで、一メートルも二メートルもある雪を、ようやく最近は雪上車ができましたから、
機械力でもってこれをはねのけて、そして苗しろだけのたんぼの黒土を
出して、そこへ苗しろをつくるという耕作に入るのです。種まきの耕作をやる。このために、一体十アール当たりの値段がどれだけかかるか。インフレですから、来年になったらまた上がりますけれ
ども、今年度の計算で大体六万八千円です。こうして苗しろづくりをやらなければ一年の作物はとれないのですから、それがかかる。そのほか、
あと苗しろの手当てだとか雪害のための病虫害の駆除だとか、ほんとうに田植えに至るまで、これに要する費用というものはばく大なものであります。いま申し上げました十アール六方八千円、来年になれば、自足党のインフレ政策でこれは七万五千円から八万円かかるようになってしまう、そういう
状態です。
その中で、まず多角経営をやったらいいじゃないかといいますけれ
ども、たとえば畜産です。
農林省の
指導に基づいて乳牛も飼ってみました。養豚もやってみました。しかし、雪が来たらどうなりますか。まず、飼料を入れるための貯蔵庫の設備をしなければならない。しかし、設備よりも一番困るのは、いわゆる搬出入なんですよ。乳をしぼったところが、このしぼった乳を一体どうやって市場へ出すのですか。これは一
地域では、長いパイプを用いて、六キロも七キロもある山の上から市場まで牛乳を流している。そういう設備を持っているところもありますけれ
ども、しかし、実情ではなかなかうまくいかない。ましてや養豚の肉なんか売ろうと思ったところで、搬出ができないのです。しかも、設備のための、豚小屋から牛小屋の雪おろしも、全部やらなければならない。雪おろしで困る。持った製品も金にはできない。搬出ができない。こういう苦労の話があって、みんな失敗しました。あるいは事業を縮小いたしました。こういう実情を、一体
農林省はどうこれを、
豪雪で苦しむ農民のために解決するというお考えを持っていらっしゃるのか。
時間がありませんから、私は続けていきますけれ
ども、
あとで一括して
答弁いただきますが、こういう苦しみがある。ましてや
果樹や園芸なんというものは、さっきの植林とみんな同じです。一冬でみんな枝が折れてしまう。倒れてしまう。ずいぶん
豪雪のための手入れをしても、雪のための囲みをしてやったところで、雪でやられてだめになってしまう。
それから、今度は、産業の問題は別にして、教育の面にまいりますと、この守門村は面積百十四平方キロメートルですよ。あまり大きくない、農村としては標準的です。しかし、こういう
豪雪ですから、学校は、義務教育の本校がこの中に六つあります。分教場が二つ、
豪雪のための寄宿舎、これが二つ。子供が、雪が降ったら通学できない。いたいけな子供が、親のところを離れて合宿生活をしなければならないという分教場が二つあります。そのために要する助成費だけでも、昭和四十四年度二百三十六万円かかっております。
それから、学校の通学と通勤、一般交通のために雪を圧して道路をつくるための雪上車四台、これは三台は県が貸し付けてくれました。これは率直に言いますけれ
ども、この雪上車の貸し付けは非常に善政だ。それが非常に威力を発揮して、住民の
要望にこたえておりますが、雪上車の維持費というものは、昨年一年間でやはり二百三十一万四千五百円かかっております。いいですか。これも雪の降らない地方なんか、こんな費用は要らない。頭を下げて雪上車を借りてきたのはいいけれ
ども、ただじゃない。その運営費は全部こっちにかかってくる。
特に教育面で雪の影響を受けるのは、教室の採光、運動場の狭小です。文部省がけちんぼうのために、あんな標準なんかで学校を何にも見ないものだから、子供たちは百八十日から二百日、狭い屋内運動場の中で暮らしていなければならないという全く
——あれも人の子なんとかという俳句がありますけれ
ども、同じ日本国民と生まれて、この
豪雪地帯の子供たちは、降らない地方の子供並みの遊びもできない、運動もできない、体育の訓練もできないという
状態です。これは国家百年の大計の上からいっても重大問題です。文部省は、これに対して一体どういうふうに考えているのか。これも
豪雪地帯対策における重大な
質問でありますから、
あとでお考えをお聞きしたい。
こういうことで、農民は出かせぎに出なければならない。
農業や畜産ではだめだ。所得を得る道はない。出かせぎ以外にない。もしかりにこれが、せめて、先ほど言われた雪害をなくする道路行政だけでもうまくいって、部落と部落を合わせる村道、あるいは村道から町村道、部落道までが、ちゃんと雪が排除せられておるならば、これは部落道から村道を通じ、村道から市道を通じ、市道から県道を通じ、県道から国道を通じてその近辺に出かせぎに行って、また夜はあたたかい家庭に帰ってくることもできましょうけれ
ども、
豪雪地帯における道路行政が何もでき上がっていないから、そういう通勤、通学というものができない。これはみんな奥さんを半年後家、八カ月後家にして、他国に出て収入の道をはからなければならない、こういう
状態であります。この問題を一体どう考えるか、これは人道上の問題ですよ。単なる経済問題じゃありませんよ。夫婦の仲をさいている。人としての交わりもできないことにしているのだ。こういう問題を一体どう処置しようと考えていられるのか。
特に、はなはだしいのは医療問題であります。厚生省も来ているでしょうけれ
ども、この
豪雪地帯の中で急患ができた場合には
——この守門村では福山などという地区がありますけれ
ども、ここは、中心地の診療所があるところまで七キロメートルある。やはり人間だから、急患ができますよ。急患ができたときには、村の人が十人くらい出て、長いスノーボートに乗せて診療所まで通う。これに対して部落民は何と言ったか。急患になったおかげで、私はこうやって医者にかかれるというのだ。急患になったから、村の人が十人くらいで運んでくれるから医者にかかれる。急患にならなければ、こういう
地帯は、百八十日たとうと二百日たとうと、医者にはかかれないのだ。医者もこんなところに来てくれませんし、通うほうも、病気なんだから通っていけない。まさに医者にはかかれないのです。こういうような、急患になってはじめて医者にかかれると、涙を流して病人が喜ぶような医療行政をそのままにしておいて、一体どこに
豪雪地帯対策があるのです。皆さん方、聞いているのか。
そこで厚生省、私は言いますけれ
ども、この話をしたのです。医療関係の学者や関係者を昨夜呼んでこの話をし、諸君ら、いい知恵がないかと言ったら、知恵はありませんけれ
ども、それは厚生省はもとより、国が詐欺ですねと言った。詐欺で訴えなさいと言った。国民皆
保険なんといって、
保険料を出せば、医療はみんな政府が責任を持って行政の面で提供しますということを言っておきながら、病気になったところで医者にもかかれないような
制度にして、
保険料だけふんだくっているのは、国みずからが詐欺をしているのじゃないか。詐欺で訴えなさいと言われた。
なるほど、言われてみればそのとおりだ。国の経済の成長が世界で二番目などというようなことをおっしゃるならば、せめて、国みずからが詐欺をやっているなどと住民から非難されるような、そんな恥ずかしい行政だけでもおやめになったらいかがですか。一体こういう
豪雪地帯の病気
対策をどう処置されるか。その点を
——ヘリコプターで何とか、スノー何とかというちゃかちゃかした話はもうだめですぞ。、実情に即した、生きた話をひとつしていただかなければならないと思うのであります。
もう時間がありませんので、私は割愛をいたしまして、いまのことを総括して、ちょっと結んでまいりますると、
個人の受ける直接の
被害が、家屋の除雪や道路費、自分のうちから隣のうちに行くまでの道路の除雪、村道まで出る除雪費、そういうことのために、一人大体最低三万から三万五千円だ。守門村全町村一千六百五十戸といたしまして、大体四千九百五十万円から五千五百万円。家屋の修繕、冬囲い費
——冬囲いをやらなければならないのですから、その費用が一戸平均二万円で、大体三千三百万円。農作物が雪のために受ける
被害、これはもう
災害なんでありますから、毎年繰り返し繰り返し
災害期に大体一千万円前後、八百五十万円から一千万円の損害。これが
個人です。みんな負担している
個人の
被害です。
そのほかに、公共団体の受ける
被害というのは、先ほど申し上げました苗しろの除雪の補助金として、補助金をお
出しになっている。これが、苗しろが三十五ヘクタールといたしまして大体二百四十万円。道路の除雪費が三百万円、これはブルドーザー二台であります。雪上車の運行費が、先ほど申し上げました雪上車四台で二百三十一万円。学校の建物、学校だけの除雪の費用が二百三十六万円。その他の公共施設の除雪費が百七十万円。農地融雪の
災害費、雪よけをやらないと田植えができないから
——いまでもまだ雪があるのですから。行ってごらんなさい。それは谷間ですけれ
ども、ちゃんと雪があるのですから。これを消して、今度は苗しろから本田に田植えをしなければならない除雪費が四百二十万円。土木融雪の
災害費が大体五百万円というように、この公共事業に要する、いま申し上げました費用だけで概算一億一千五百七十二万円から一億二千万円。一体この守門の一年間の
予算が幾らであるかと申しますと、私はちょっと調べてみましたが、大体二億から二億五千万円くらいの村の財政です。その財政の中でだれが出そうと、村自身が出すのもありましょうけれ
ども、一億一千万円から一億二千万円、雪のためのみの、
豪雪のためのみの費用を毎年
出していかなければならないという切実な形を、一体どう皆さんが処理をしてくださいますかということを私は言いたい。私は、みんな
質問をしているのですから、
あとで答えてくださいよ。
それで、以上の概況
質問の中で、今度はこれからお願いです。
これからお願いいたしますが、まず部落の再編成をやらなくちゃいかぬ。とてもこれは、このままではいけません。それで、集落を中心にまとめて、医療、教育、文化等の面が部落の集約で解決される。しかし、
個人ではできません。そのための家屋移転の費用等に要する助成金を、一体お
出しくださるお考えがあるかどうか。
それから、先ほど申しました
豪雪地の税の軽減をやっていただく。これは二十年も国会の中で叫び続けているのですから、もはや結論を
出していただきたい。これは池田さんも、慎重に考慮して前向きに解決しますと言って死んでいったのですから、これはひとつ政府でやっていただきたい。もちろん固定資産税等についても、もっともっと軽減の
措置をやっていただかなければなりません。
特に私は
経済企画庁にお願いしたいのは、除雪の
機械です。三分の二の国の補助がありました。これは限られた台数です。国、県道の除雪にこれが当たっております。本来ならば、当然国と県の道路の管理者が、これらの
機械を用いて除雪を行なうべきでありますけれ
ども、町村が国や県になりかわって、いま除雪を実際にしているという
状態でありまするが、これをいま少し、
機械の増加も
認めてもらわなくちゃならない。
予算も
認めてもらわなくちゃいけない。特に除雪の
機械を町村の
実態に合わしてひとつ配置をするようにしたい。先ほどの、特別
豪雪地帯を設けていただきたいというお願いと同じなんでありますけれ
ども、
経済企画庁は、昭和四十一年から町村に雪上車を貸し付けるという、これは非常に善政である。善政でありますけれ
ども、実情を知らないから、一町村三台なんという平均的な割り当てをしている。
豪雪の
被害などというものは、町村別にみな違うのですから、
一つ一つこまかく実情をやはりながめて、血の通った配分
方法をしていただかなければならない。さしあたりことしから、この一町村三台などという原則を排除して、やはりひどいところには五台も六台も配置をしていただく、今年からこれを
実施してくださるかどうか。これは、私はこの席上ばかりではない、直接電話でも企画庁に厳重に申し込んでおいたのでありますけれ
ども、私の前からの申し入れとあわせて、この席上でひとつ明快な回答をしていただきたいと思うのであります。
それから、公共の建物の除雪事業に補助金をお願いしたい。これは文部省は、さっきごちゃごちゃ何か言っておりましたけれ
ども、
答弁は長いが、結論を見たら、わずかスズメの涙の金しか
出していない。
新潟県でたった三カ所なんという、そんなことじゃ問題にならない。こういう公共施設、特に学校の建物等に対する雪おろしの除雪費というものは、もっと懇切丁寧に
出していただくような考え方があるかどうか。
医療問題については、特に町村は悲鳴をあげている。これは僻地の問題と同じなんでありまするけれ
ども、僻地に加うるに
豪雪地帯の住民の最大の悩みであります。人の命に変わりがないのでありますから、こういう問題だけは特にひとつ慎重にかまえて、どうしても今年中にこの問題を解決してもらいたい。解決しなければ、何回でも何回でもこれを繰り返しますよ。やりますから。立法の処置は立法でやる、行政でいけることは行政でやっていただきたい。
限られた時間が参りましたから、いま一問だけ申し上げて、
あとは皆さんの
答弁におまかせいたしますけれ
ども、国家公務員の寒冷地手当の問題です。
これもやはり
豪雪と関係がありますけれ
ども、御承知のとおり昭和二十四年に、雪国に働く恵まれない公務員関係の職員のために、冬営生活改善というところから、議員立法で、法律第二百号としていわゆる寒冷地手当が発足いたしまして、これは人事院等御理解ある御協力によりまして、たいへんいろいろの改善が行なわれてまいりましたけれ
ども、まだ不均衡が完全に解決されておるわけではございません。関係公務員並びに
地域自治体、
豪雪地帯の自治体の方々は、この解決をすみやかに望んでいるのであります。
去る四十三年の国会で、両院において、すみやなかる改定の附帯決議が満場一致で行なわれている。これは人事院もよく御存じのとおりでありますけれ
ども、この寒冷地手当の級の格づけは、私が申し上げるまでもなく、公務員諸君の手当の増額だけではなくて、自治体の交付税そのものにも大きく関係してまいりまするから、自治体の首長もあげて、超党派的にこのいわゆる公正な均衡格上げ等を
要望いたしていることは、御承知のとおりであります。この点、十分ひとつ御了承いただきまして、公務員諸君の強い要求でありまするから、関係自治体が熱心に
要望いたしておりまするこの問題を一日も早く解決をして、みんなが安心して働き得るような体制を整えていただきたい。
まず、
質問の第一点として、昭和四十四年に参議院の内閣
委員会へ提出された、いわゆる級地格づけの
基準です。これは一体、絶対に不変なものであるか。
第二番目、昭和四十三年八月十六日に出された級地改定の勧告は、この
基準に基づいて勧告されたものであるかどうか。
第三点、もしこの
基準によって
調査した場合、この
基準が変わるのだったら別ですけれ
ども、
基準調査では上位の級に該当するという結果
——その
基準に基づいてこれはひとつ級を上げなければならないという結果が出た場合には、一体人事院は、いつこれを改められるお考えであるかどうか。できれば、当然今年度からこれを直ちに改めるべきである。もはや勧告もお
出しになるのでしょうから、改めるべきでありますけれ
ども、具体的に、今年の何月からこれを改めるとおっしゃるのか、それをひとつ承りたい。両院とも附帯決議の中で、すみやかにこれを解決しなさい、改めなさいという勧告をしているのでありますから、両院の決議を忠実に履行するという任務が人事院にはあるはずでありますから、ひとつその点を明確にしていただきたい。四十三年に決議が付せられ、ことしでもう三年たっております。三年間、とうとう食い逃げされてしまっておる。当然給与の改定があってもらうべき給与を、もらってない。これは損失が大きいのであります。補償してくれとまでは言わないのでありますけれ
ども、すみやかにひとつこれを改定するというお答えをいただきたい。
その給与改定の具体的な例、これは全部あげてしまったら、人事院の不公平をそのまま暴露するようなものでありますから、全部やりませんけれ
ども、参考までに一、二を申し上げますと、わが
新潟県の長岡市であります。
私の住んでいるところでまことに申しわけありませんけれ
ども、不公平の例でありますから申し上げますが、ここは、同じ長岡市の中でも四級地と五級地が混然としている、こういう
状態でありますから、人事交流上非常に不便だ。同じ市の職員の中でも、四級地へ行ったり五級地へ行ったりするものですから、非常に人事の交流がうまくいかない。
気温は、一九一六年から一九五〇年までの三十五年間平均です。この出所は気象庁の
観測技術
資料第十号、全国気温
資料からとっておる。
積雪量及び
積雪期間については、一九三六年から一九五五年までの二十年の平均値で、
農林省農業総合
研究所の調べたものとなっておりまするし、また、日照時数は
新潟地方気象台調べのもので、一八九二年から一九五〇年までの五十九年の平均値で、これはいわゆる公式
資料であります。
その
資料によりますると、気温が月別累年平均値で摂氏十二・三度です。デグリーデー指数ですと二七〇三。
積雪量の平均は百四十三センチメートルで、基本
基準は四・〇級地であります。また調整
基準では、日照時間が七十九・三時間で一・〇級、
新潟気象台調べ。
積雪期間は九十三日で〇・五級地であります。合計いたしますると五・五級地になっておるのであります。
ところが、先ほ
ども申し上げましたように、五級地がほんの一部分で大部分が四級地という、きわめて不均衡な
状態にありますから、これをひとつ早急にお手直しをいただきたい。五級地でひとつ
認めていただけますかどうか。お
認めいただけますというならば、もうお答えはそれ一言でよろしいし、まだまだ云々おっしゃれば、これまた、繰り返しひとつ御
質問を申し上げます。
次は、
新潟県の南蒲原郡の下田村というところです。ここは非常に雪が多いところでありまして、新聞によりますと、ここには日本で一カ所、カモシカが住んでおるという。サルも生息しております。これはもう有名なところであります。
ここでの気温は、月別平均値で十二・三度C、デグリーデー指数ですと二六四〇で、
積雪の平均が百八十一センチメートルであります。したがって、基本
基準は四・五級地です。これは一九〇五年から一九六五年の森町という、県の種畜場がございますが、ここの数値で、
新潟地方気象台の区内
観測所の原簿からとった数値であります。また、調整
基準では、日照時間は
新潟市のものをとって七十九・三時間。ここは四囲は山また山の谷間の部落でございまして、実際の日照時間はもっと少ないかもしれませんが、
観測はこのようにできておるわけでございます。この中の
積雪期間は九十二日で〇・五級地。合計いたしますと、これは六・〇級地になるのであります。
これが四級地のままに放置せられている。これも当然五級地に
認めていただく性質のものとわれわれは考えますが、一体人事院はどうお考えになっておりますか、御親切な
答弁を要求いたします。
少し与えられた時間を超過いたしたようで、まことに失礼いたしましたけれ
ども、私
どもは、
地域住民の多年の願いを込めて、ややくどくお願いいたしたわけでございますから、
各省それぞれ責任ある
答弁をお願いいたしたい。
答弁に実のあるものがあれば、私はこのまま下がりますし、もし了解し得ないところがあれば、再三再四
質問を繰り返すことを御了承をいただきたいと思います。