○土橋
委員 私は、先日もちょっと
委員会に問題を出したのでありますが、具体的に警察
当局と消防
当局に対して、こういう
内容については、いわゆる河川航行についてどういう安全を保障しているのかという点を聞いてみたいと思うのであります。
私の調べましたところは、東京都内の河川の船舶の航行の問題でありますが、その前に私のほうで調べました隅田川を
中心とする荒川水系には、一日約四百そうのタンカーが出入りをしておるということがいわれておるわけです。この
資料を提供した内航タンカー海運組合の調べによると、いま申し上げたように、一日四百そうのタンカーが隅田川をのぼってくるといわれておるわけです。私が具体的に調べたのは小名木川という川です。
〔
委員長退席、
加藤(六)
委員長代理着席〕
その川は清洲橋から新大橋の方向へ向かって、清洲橋の近くを右へ折れるところの川でありまして、私の歩幅ではかったところによると、大体八十歩ほどの川幅がございます。その一番最初の万年橋という橋を通って、高橋を通り越して、約二キロ半くらい荒川放水路のほうへ、東のほうへ向かっていくわけです。そしてそこから今度左折をしまして、それが横十間川という川になるわけです。この横十間川を同じようにまた二キロ半くらいのぼっていきますと、今度は北十間川というものにぶつかります。そこで東のほうへ行きますと、花王石鹸という工場があるわけです。これは墨田区になっておると思いますが、この約六キロ近い地域においての
内容を、これから
質問するわけです。
この小名木川には、毎日平均百トンないし二百トンのタンカーが上下しているわけですが、そこでいま問題になっていると思われるのは、シェル石油貯蔵所でございますが、ここは大体一日千五百トンの、たとえば石油とか灯油というものが、小名木川を通って、横十間川を通って入っていくわけです。この石油の貯蔵所には約十の大きいタンクがございまして、そこへどんどん川から入れるわけです。どういうもので入れるかというと、小型タンカーでございまして、ちょうどこのテーブルの外郭ぐらいの大きさで、長さはその壁の向こうの五メートルないしもう少しくらいあると思われる。それは大体二百トン積みでありまして、それが引き船でどんどん入ってくるわけです。問題になるのは、小名木川のところは、三つ水門をかけておりまして、まん中をいつもあけておるわけです。そこの水門のところはやっとこのタンカーが通れるという
状態なんです。それからいま申し上げるように二キロ半くらい行きまして、横十間川に入ってくる、それからが問題なんです。つまりそこにあるのは御承知のように流木、いかだというような、大きさにしまして大体十センチから十五センチの、約三メートルくらいの材木がその横十間川のところに、こちらの端からこちらの端までずっと並べてあるわけです。いかだを組んでおるわけです。この程度の大きさの材木が縦になり横になってずっとあるわけです。したがって小型の二百トンタンカーが、やっとそこを通れるわけですね。もともとこれは貯木場の一部であったという
関係もありましょう。このシェルがそこへタンクを設けましたのが大正十四年のころなんです。幸いにして、これは関東大震災にあっていないわけなんですが、非常に危険な
状態でそこを運航しているのです。特に潮が満ちてきているときには、非常に橋げたが低いので、全然通ることができないわけです。一番先の万年橋からこのシェルのところまで橋げたが大体十四、五ぐらいあるのじゃないかと思うのです。かどまでは九つあります。このかどから上にのぼったところが、いま申し上げるようにほとんど船が通行できないくらいになっておるところをこれが行くわけです。そして、干潮時をねらって橋げたそこそこのところを船がすれるようにして、人間は全部中に入って通る。そして、橋げたあるいはそういうところに高圧線が通っている、あるいは電話回線が通っている、あるいはガス管が通っている。場合によっては水道も通っているところがあると思いますが、そういう危険なところを航行していくわけです。それから、シェルから向こうの北十間川のところに来ますと、北十間川の一番最初の、花王石鹸のところにある境橋という橋なんか、非常に低いのです。ですから、船舶を運航する船員さんの危険の問題、流木との
衝突の問題、橋げたにそういう危険な高圧線があるとか、電話回線があるとか、非常に危険な
状態の中を航行しておるわけです。これに対して
警察庁や消防庁は、この運航を確保するために一体どういうふうに善処されておるのか。これは
一つの例であります。
〔
加藤(六)
委員長代理退席、
委員長着席〕
こういう面は川崎方面でも、あるいは名古屋港でも、大阪湾においても多いのじゃないかというふうに推測するわけです。これについての警察
当局の、
交通安全を保障しながら、そういう災害がいつ起こるやもしれないということについて、どういう措置なり考え方をいままでやっておられるのか、この点を第一にお聞きしたいわけです。
二番目の問題としては、同じようなケースですけれ
ども、荒川区の、ちょうどそこから見えると思うのですが、隅田川が曲がってくるところの地域で、南千住の八丁目という地域があります。そこには
日本石油の貯蔵所が入り口にありまして、左側には鐘淵紡績の工場があるわけです。向こうにはニチボーの大きい工場があるわけです。その地域には高専とか短大なんかもありますけれ
ども、この地図でごらんになってわかりますように、常磐線でこちらの荒川地区に逃げることができないわけです。そしてこれが南千住の駅の構内になっておりまして、汐入橋という橋
一つ以外に外との連絡ができないわけです。これは向島のほうから来ますと、白髪橋を通って、すぐ右を行ったところをまっすぐのぼっていくと汐入橋に入るわけです。ここに相当人がいるわけです。ここにもずっといままで
日本石油はそういう
方法で石油を運んでおりましたけれ
ども、いまこの水門を閉じて、ここは全部埋め立てをしているわけです。
ここで問題になるのは、汐入橋という小さい橋は、バス一台しか通ることができないのです。ところが、この
日本石油さんもタンカーで各地方地方にそれぞれ石油を配っておられるわけです。また普通の
タクシーも通るわけです。通行人も通るわけです。これだけの地域がこの橋一本で、あるいは新しく向こうのほうに抜けるところをつくったかもわかりませんが、私がきのう見たところでは、この橋一本なんです。そうしますと、きのうの夕方のように非常に
交通がふくそういたしますと、しばらく待っていなければその橋を渡ることができない。もちろん人間もここを全然渡ることができない、こういう状況にあるわけですね。これは要するに橋が狭隘である。こういう陸上
交通から見ても非常に危険な
状態の地域が依然として残っているわけです。こういう点について、
皆さんとしては、一体どういうふうに
交通安全を保障されておるのか。たとえばさっき申し上げたシェルの場合ですと、大体九十台の
自動車が一日に動いておるわけです。そうしてここの署長さんの
説明によりますと、多いところは四回、少ないところでも二回、そうしてやはり千五百トン程度の石油をさばいておるというお話であったわけです。そうなってまいりますと、この周辺、いま申し上げた
日本石油の場合もほぼそういう傾向にあるわけです。ましてやここのいわゆるシェルの地域は、地図でも
皆さんごらんになっていると思いますが、ここはちょうど錦糸町の駅と亀戸の駅の中間のところの北側に当たるわけです。ですから鉄道レールが真近に迫っているわけですね。その北側にはすばらしい大きい公団住宅、つまり十一階とか十二階という高層の団地がずっとあるわけです。それで小学校な
ども近くに建っているわけです。ですから、ここでもし火災を起こしたとかあるいは
事故を起こしたというときには、たいへんなことになりますので、そういう点について消防署などはどういうふうに協力されているか。ここの署長さんのお話を承りますと、相当協力はしていただいておるようなんですが、私
どもが見るところでは、非常に危険じゃないか。特に
日本シェルは三カ所でタンカーからタンクへあけるところを持っているわけです。そこへいま申し上げるように船が三そう、四そうといますので、そうして貯木がずっとありますから、危険と言おうか何と言おうか、全くはらはらするわけです。そうしていま申し上げましたように、干潮時をねらって船が全部そこを通るわけです。そしてここまで入ってくるわけですね。それからこちらの北十間川というのは非常に浅いのです。開さくしておりませんから、非常に浅いので、ここはそんなに船はおりませんが、たとえば花王石鹸はやはり二百トンぐらいか、もう少し大きい船に鯨の油を一ぱい持ってきて、そうして月に十六、七回は運ぶということを話しておりました。ここはそれほど貯木はございません。ここと小名木川のところには貯木がないわけです。あるのは横十間川のところがものすごいわけです。こういうところは先ほど申し上げたとおりです。
もう
一つ、先ほどの議員さんのお話からもわかりますように、シェルが自分では運んでいないわけです。上野運輸株式
会社というのがタンカーを一切運んで、そうして入ってくるわけです。そうしてシェルの大きな黄色いのに貝のしるしをつけたトラックは、これまたほとんど大
部分を上野運輸株式
会社というのでやらしているわけです。私が、
事故が起こったときにはおたくのほうは一体どうされるんですかと聞いたら、それは上野運輸とシェルが責任を負わなければならぬでしょうということをおっしゃっているわけですね。つまり、そのことばだけを聞きますと、脱法行為をしていらっしゃるのじゃないかという気がするわけです。
日本シェルそのものが全部やらなければいけないけれ
ども、輸送の上において問題が起これば、上野運輸が責任を負うという形で引き船その他を一切そこまで持ってくる。陸上で一日百五十トンもはかす。問題は、これまた上野運輸という
会社で、シェルの看板をつけて、そして車の運転手さんだけはそこの所属になっているわけです。そこの上野運輸というのが、これまたはからずもこのシェル
会社と同じ敷地のうちに別にしておいて、二階建ての建物にして、そこに従業員の宿舎と事務所がある。こちらには壁一重でシェルさんの管理者のいる住宅やなんかがちゃんとある。こういうまことに奇怪なところがあるわけですね。これは私は
一つの脱法行為をしていらっしゃるような気がするわけです。ですからこういうことを一体調べ上げておるのかどうか、もし問題が起こったときに、それを一体どうしようとしておるのか、こういう点について明確なお答えをしていただきたいと思います。
時間がありませんので、私は簡単にそのことだけ
質問をいたしまして、
皆さんこれからどういうふうにこれを処置してくださるか。これはもういまから一週間ぐらい前の
委員会でもこの問題を出しまして、警視庁のほうでも知っていらっしゃると思いますが、具体的な例を私は申し上げて、ここで善処方をお願いしたいということであります。