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1970-04-06 第63回国会 衆議院 建設委員会運輸委員会連合審査会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十五年四月六日(月曜日)     午前十時十三分開議  出席委員   建設委員会    委員長 金丸  信君    理事 天野 光晴君 理事 正示啓次郎君    理事 服部 安司君 理事 渡辺 栄一君    理事 小川新一郎君       池田 清志君   稻村左近四郎君       葉梨 信行君    廣瀬 正雄君       森下 國雄君  早稻田柳右エ門君       井上 普方君    佐野 憲治君       北側 義一君    小濱 新次君       内海  清君    浦井  洋君   運輸委員会    委員長 福井  勇君    理事 宇田 國榮君 理事 加藤 六月君    理事 内藤 良平君 理事 宮井 泰良君    理事 和田 春生君       砂田 重民君    中村庸一郎君       井野 正揮君    金丸 徳重君       田代 文久君    關谷 勝利君  出席国務大臣         建 設 大 臣 根本龍太郎君  出席政府委員         水産庁次長   藤村 弘毅君         運輸省海運局長 澤  雄次君         運輸省鉄道監督         局長      町田  直君         海上保安庁長官 河君 一郎君         建設大臣官房長 志村 清一君         建設省道路局長 蓑輪健二郎君  委員外出席者         日本国有鉄道総         裁       磯崎  叡君         参  考  人         (日本道路公団         理事)     村上 永一君         参  考  人         (日本鉄道建設         公団総裁)   篠原 武司君         参  考  人         (日本鉄道建設         公団理事)   増川 遼三君         参  考  人         (日本鉄道建設         公団理事)   別所多喜次君         運輸委員会調査         室長      鎌瀬 正己君         建設委員会調査         室長      曾田  忠君     ————————————— 本日の会議に付した案件  本州四国連絡橋公団法案内閣提出第八二号)      ————◇—————   〔金丸建設委員長委員長席に着く〕
  2. 金丸信

    金丸委員長 これより建設委員会運輸委員会連合審査会を開会いたします。  先例によりまして、私が委員長の職務を行ないます。  内閣提出本州四国連絡橋公団法案を議題とし、審査を行ないます。
  3. 金丸信

    金丸委員長 本案につきましては、お手元に配付してあります資料によって趣旨は御了解願うこととし、直ちに質疑を行ないます。  なお、本日御出席を願いました参考人は、日本道路公団理事村上永一君、日本鉄道建設公団総裁篠原武司君、同理事増川遼三君及び同理事別所多喜次君、以上の方々であります。  参考人からの御意見は、質疑応答の形式でお聞きすることにいたしたいと存じますので、さよう御了承願います。  また、御質疑される各委員に申し上げます。質疑者が多数おられますので、両委員長で協議の上、質疑時間はお一人二十分といたしました。質疑はこの時間内で終わるよう御協力を願います。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。加藤六月君。
  4. 加藤六月

    加藤(六)委員 本州四国連絡橋公団法案がこうやって建設運輸連合審査でできるようになりましたことにつきまして、建設委員会皆さんに対し、厚くまず感謝申し上げるものでございます。今日、この公団法ができ上がるに至りますまでの建設省当局道路公団鉄建公団皆さん方の御苦労、これに対しては、非常に長期にわたったものでございますが、この席をかりまして深甚なる敬意を表しておきます。  本日は、建設運輸連合審査でございます。主として私は、運輸委員会の立場でこの問題について質問さしていただきたい、こう思うわけでございます。  今日、瀬戸内海に三本のルートをきめ、三本の橋をかける、それに伴って生ずるところの国民的な利益あるいはまた地域格差の是正、いろいろなものについてこの公団法の成立並びに架橋完成ということは広く国民の関心を呼び、また、単に中国、四国地方国民だけではなくして、全国民の注視の的になっておるわけでありますが、御存じのように、瀬戸内海には非常に多くの船舶が航行いたしております。これを大別しますと、東西に走る船舶というものと南北に走る船舶というものがあるわけです。南北に走る船舶というものは、今日いわゆる橋にかわる役目を果たして、努力いたしておるわけであります。そこで、この橋が完成した場合を想定いたしますと、いろいろな問題が起こってくるわけでございます。また、今日瀬戸内海には、大型漁業でないところの中小漁業あるいは定置漁業というものが、非常に密度の高い漁法を行なっておるわけでございます。まあこういった関連、また今日、国の関係といたしましては、宇野高松間の日本国有鉄道連絡船というものがいわゆる大きな役割りを果たしているわけでございます。こういった問題等につきまして、時間の与えられた範囲内で質問していきたい、こう思うわけでございます。  まず、今日、この三ルート中心にしまして、約五十のいわゆる運送業者がおるわけでございます。いろいろな性格でございます。あるものはフェリー、あるものは離島と結んで本上と四国の間を結んでおる、あるものは機帆船、いろいろなかっこうのものがあるわけでございます。そこでわれわれが一番この点について問題にいたしますのは、補償の問題でございます。よくいままで言われておることに、いわゆる橋をかけた場合——有料橋であれ無料橋であれ、橋をかけた場合には、いわゆる性質の異なる——同種、異種という議論が出てきて、補償対象にならない、こういうことが言われておるわけでございます。ところが、同じ免許事業でございましても、陸上道路運送法地方鉄道軌道整備法、こういう法律には補償の規定がはっきり出てきておるわけでございますが、まず、こういった問題について、いろいろな議論等があるわけでございます。  道路局長さんにお伺いしてみたいと思いますが、今後こういった問題の折衝に応ずる意思がおありであるかないかということを一点お伺いしてみたいと思います。
  5. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 ただいまの御質問でございますが、本州四国の間に橋をかけた場合のフェリーその他の運送業者に対する補償の問題かと思います。実はこれは非常にむずかしい問題だと思いますが、一般的に言いますと、道路を新設し、改築した場合、これは陸上でも海上でもそうだと思いますが、やはりそれに伴って反射的な利益、また反射的な損害というものが出てまいるわけでございまして、こういうものに対しましては、道路を新設、改築することによって補償をしていないわけでございます。そういうことでございまして、いままでフェリーに対して補償した例はございませんが、ただ、地方公共団体民間フェリーに対して転業のためのいろいろな資金のあっせん、そういうものをした例がございます。これはいままで例のないような本州四国の大きな長大橋でございます。その点も考慮いたしながら、今後慎重に検討してまいりたいというように考えております。
  6. 加藤六月

    加藤(六)委員 そこで問題になりますのが、私が調べたので、これは正確であるかどうかわかりませんが、昭和四十一年制定の防衛施設周辺整備等に関する法律という法律ができております。これは船舶運航事業者補償対象になるという内容でございます。その次は、昭和三十七年の閣議決定公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」、これが一つあります。それから、昭和三十七年一月十九日の最高裁判決、こういうものが船舶運航事業に対しても補償対象になるということをいっておられます。ただいま、道路局長がおっしゃいました免許許可事業で、こういうものは反射的な利益という内容のおことばがございましたが、最高裁のこの判決を見ますと、「適正な許可制度の運用によって保護せられるべき業者の営業上の利益は、単なる事実上の反射的利益というにとどまらず、法によって保護せられる法的利益と解するを相当する」こういう、いわゆる反射的利益でなくして、法的利益という見解をもちまして、船舶運航事業者補償対象になるということでございますが、この席でこういった問題をあまりしつこく申し上げるのもどうかと思いますが、これは建設大臣、お考え願いたいと思いますのは、国鉄宇高連絡船を含めて、橋が完成するまでは——フェリー業者あるいはこういう定期運航業者というものが、たとえば昭和五十五年の何月何日にこの橋が完成する、そうすると、この定期運航業者というものは、三ルートとも橋が完成するまでは、現在の船、現在の荷役設備というものをそのまま持って運航しなければならなくなっているわけですが、あと三年先には橋が完成するから運航回数を縮小しよう、あるいは接岸設備をもう手入れすまい、こういった問題は許されなくなっております。一つは、生命、財産のいわゆる運航安全確保という問題から、いやが上にも安全性というものは強調してくる。そうしてまた、こういったものは、もう二年先には橋ができるんだからそろそろやめよう、縮小しよう。ところが、一般の機帆船のようなものでございますと、お得意さんを変えたりあちこちできますが、定期運航事業でやっておる場合には、その船、その人員をよそへ直ちに持っていくということができなくなる。しかも橋が完成するまで、この運航義務というものはなおざりにすることはできません、四国本州とを結ぶ橋にかわるいまの足でございますから。そこに私がこの問題を提起いたしました大きな理由があるわけでございます。そこら辺は、今後いろいろな問題になってくると思いますが、ひとつよろしく御検討をお願いいたしたいと思うんです。  それから、これは道路公団村上さんがおいでになっておるようでございますが、道路公団昭和四十四年から水産庁に対して、いわゆる瀬戸内海のいろいろな漁業問題について三カ年計画、合計四千万の調査費をお出しになっておられるやに聞いておるわけでございます。昭和四十四年度は六百万これを出されておるということでございますが、水産庁に対する調査依頼項目というものは、どういう内容になっておりますか。
  7. 村上永一

    村上参考人 道路公団村上でございます。  水産庁に対しましては、道路公団といたしましては、魚族回遊、それから工事による漁業に対する影響等につきまして調査を委託しております。
  8. 加藤六月

    加藤(六)委員 水産庁、いま道路公団村上理事からお話がございましたのですが、現在どの程度、いま委託を受けました調査事項調査が進行いたしておりますか。
  9. 藤村弘毅

    藤村政府委員 三カ年計画でございまして、架橋に伴う工事中及び工事完成後の濁り、潮流、音、光等漁場環境条件変化というものが第一、それから二番目に、環境条件変化魚族並びに海藻等に与える影響でございます。三番目に、水産物の影響漁業との関係、それから、水産生物への影響をできるだけ少なくする工事の進め方があるかどうかということを調査いたしておりますが、現在、初年度が終わりましたところで若干の準備的な調査を進めておるところでございまして、どちらかといいますと、本年度から本格的な調査を開始することになっております。   〔金丸建設委員長退席福井運輸委員長着席〕 その調査は、ただいま申し上げましたような調査を、池の中でやる場合あるいは浜名湖新幹線架橋の下で、類似な調査を行なう等の調査を進める予定にしております。
  10. 加藤六月

    加藤(六)委員 この席には運輸省建設省、自治省、道路公団鉄建公団等おいででございますので、私、先ほど申し上げました船の関係というものは、これはまだ相当先になるわけでございます。ところが、水産庁関係というと、もうことし、来年からいろいろ問題が起こってくるわけであります。それを三カ年、昭和四十四年、四十五年、四十六年でやるということに、私は少しスローテンポの気味を思うわけでございますけれども、その問題はこの席では申し上げません。しかし、いま申し上げましたような各省、公団皆さん方おいででございますので、特に今後のことに関係しますので私は念を押しておきたいと思います。  まず、この工事作業区域というものをどの程度に見るかということによって、この漁業関係というのは非常に大きな問題が生じてくると思います。そうしてそれに伴うところの補償としては、いわゆる柱を立てたり何かしますので、その区域のどのあたりまでを漁業権消滅区域とするかという、いわゆる消滅補償の問題が大きく出てくるわけでございます。そうしてまた、作業に伴うところの海水の汚濁という問題が出てきます。この汚濁がどの範囲に及ぶかということでございます。そうして、どういう影響があるかということでございます。これも私、相当厳重に調査してもらいたいと思います。それから、これは浜名湖でも一部実験されておりますが、浜名湖では実験できない問題があります。それは、今後工事を進めていく場合に、海中の岩礁の爆破でございます。ダイナマイトその他を使っての海中の岩を爆破いたしますと、相当幅広い影響が出てくるわけでございます。海中爆破問題について慎重な調査というもの、これが漁業魚族、稚魚の育成、魚族回遊、こういう問題に長期間的あるいは短時間的にどのような影響を及ぼしてくるかということ、こういった問題は相当検討していただかなくてはならない問題だと思います。さらには、これからの瀬戸内海漁業の将来性、あるいはまた水産資源という問題、全般的な調査等も、ぜひ綿密な調査をしていただきまして、工事中のものとして、こういった問題に対する一つのはっきりした資料というものを出していただきたいと思います。  それから、いま次長の話を承りますと、どうも完成後の内容に伴うようなものが多いのじゃないか。もちろん音とか光という問題、工事中にもありますけれども、われわれがこの際この席で考えておかなくてはならないのは、橋が完成した場合に橋の上を通る自動車その他のライト並びに橋を伝わってくるところのもろもろの振動、そしてまた、完成後の大きな問題としてはその下を通る船の航行規制、こういった問題等があるわけでございますが、いま申し上げておるのは主として漁業関係でございますが、さらにいま観光地のおもなところで全部問題になっておりますのがビニール投棄物という問題が出てきます。新しい観光地、新しい橋として開発された周辺には非常に多くの観光客を含めた人が通るわけでございますが、ビニール投棄物というのが、いわゆるビニール公害としていま全国でもいろいろ議論せられておるわけでございますが、この三ルートともビニール投棄物によるところの漁業関係公害漁業がこうむる被害というものもあわせて、今回こういった問題について調査していただくようにしていただきたいと思うわけでございますが、いま私が申し上げましたような調査内容をいままでの水産庁調査項目で十分カバーできるとお考えでしょうか、それとも調査項目を追加しないといけないとお考えでしょうか。水産庁次長どうでしょうか。
  11. 藤村弘毅

    藤村政府委員 ただいま御指摘の、工事中の水族に与える影響調査が不足しているのではないかという御指摘の点と、その他爆破あるいは転落物等影響調査が含まれているかというような御指摘は、現在私どもやっております調査項目に入っております。  それからビニール影響につきましては、現在も困っているところでございまして、特に瀬戸内海中心に海をきれいにする運動というので、そういうものを捨てないようにという運動を起こしております。これについての影響というの現在は含まれておりませんので、十分検討してまいりたいと存じます。
  12. 加藤六月

    加藤(六)委員 船舶漁業については、大ざっぱに私、以上で質問を終わりたいと思うのでございます。  次にお伺いいたしたい問題は、一番初めに申し上げましたように、現在国鉄宇野高松間に連絡船を行なっております。宇野にも高松にも膨大なる施設を持っておられるわけでございますが、建設大臣にお伺いしますが、この本州四国連絡橋完成した場合には、この公団が将来併用橋の場合は、国鉄からも料金をもらうわけでございますか。そうしますと、その料金をもらう場合にどういう——この法律で見ますと政令をきめるというようになっておりますが、そういった原案はもうできておるのでしょうか、できていないのでしょうか。
  13. 根本龍太郎

    根本国務大臣 公団ができた場合、併用するところの鉄道関係から料金を取るかということの点でございまするが、これは出資もしておるわけでございますから、政府としてやりますからその併用橋についての一応の負担はあることと考えております。これをどの程度にするかは、いわゆる政令で定めることにはしておりますけれども、現在はまだ政令内容を具体的にはきめておりません。これは御指摘のように、この三橋とも公団建設し、管理するという結果になるか、あるいは一部においては別の形の民間資金でやるという場合もありますし、それから出資負担率と申しますか、これもまだきまっていないわけでございますから、そういう点は、公団技術開発実施計画を立て、さらにこれに基づく経済効果等総合的に判断した時点でこれをきめることが適当であろうと思いまして、現在の段階では、あらかじめ政令を準備することはまだその時期ではないと考えておる次第でございます。
  14. 加藤六月

    加藤(六)委員 そうしますと、たとえばの話ですが、あるルート併用橋完成した。そのルート在来線、いわゆるいまの路線ですね、在来線新幹線と両方通るようにしてでき上がったとしても、私が承りたいのは、料金鉄道部門としての料金計算でいくのか、あるいはまたそうでなく、併用橋新幹線と両方通るようになったんだから二倍よこせという方法にいくのか、そこまでは検討されてないということでございますか。——わかりました。  国鉄総裁鉄道公団総裁おいでになっておりますが、本四架橋公団がやる併用橋というのは二本ルートが入っております。もちろんこれも運輸委員会において全国新幹線網法案審議をやるわけでございますが、この法律が通ってない現在、いろいろな形が考えられるわけです。鉄建公団にお伺いしますが、本四の併用橋鉄道部門というものは、AB線あるいはCD線、いかなる区別というか色分けを胸の中がお考えになっておられるでしょうか、篠原総裁ひとつ承りたいと思います。
  15. 篠原武司

    篠原参考人 ただいまお話のありました併用橋の場合の新幹線につきましては、まだ法案が通っておりません。まだ出ておりませんので、はっきりしたことは申し上げられませんが、私なりに考えておりますのは、ABCDいずれの方式、つまり公団でやっておりますAB線とかCD線とかいうような方式とはまた違った形になるんじゃないか。新幹線につきましては、その財源によりましてまたいろいろ考え方が変わってくるだろうというように思いますので、そういう段階でいろいろ政府にお考えいただくようになるんじゃないかというふうに考えておりますので、まだ検討中だということを申し上げる以外にございません。
  16. 加藤六月

    加藤(六)委員 磯崎総裁、私先ほど来たびたび出しておるのですが、宇高連絡航路というものは、本州四国を結ぶ国鉄仕事としては非常に重要なる役割りをいままで果たしてきておるわけです。この公団法が通り、いわゆる橋が完成した場合における宇野線並び宇高連絡船に対してはどういう計画、構想をお持ちか、発表できる範囲内でよろしいですがお教え願いたい、こう思います。   〔福井運輸委員長退席金丸建設委員長着席
  17. 磯崎叡

    磯崎説明員 実は約二十年前に関門トンネルができましたときに、トンネルになる前は、御承知のとおりやはり私のほうで船でもって貨物はフェリー、旅客は乗りかえ輸送をやっておったおけです。それが関門トンネルができましたときに、それを大部分はやめて、一部ローカル交通だけのために残して約十五年間やっていましたが、そういう前例がございますので、そういう前例等も十分考えました上で、何と申しましてもあすこに七百人の人間が働いております。その職員の問題等もいろいろございますので、また船も五はいで約一万二千トン持っております。これらにつきましても橋のできる時点、そうしていわゆるローカル交通がどのくらいあるかという問題等も十分検討いたしました上で、慎重に取り計らってまいりたい。幸い前例がございますので、そういう点も十分検討した上でやってまいりたい、こういうふうに考えております。
  18. 加藤六月

    加藤(六)委員 鉄建公団国鉄本四架橋に対する大ざっぱな意見を承ったわけでございますが、私、時間も参りましたようでございますので、最後に建設大臣に要望いたしておきます。  どうぞ一日も早くこの公団法本国会で成立さして、一番最初に申し上げましたように、中・四国の人々ばかりでなくして、日本人全体がこの橋の完成を、一日も早くでき上がることを期待いたしております。今後、いろいろこの法案そのものを見さしていただきますと、私たちにも少しおもしろくないと思う点もあります。たとえば管理委員会制度・はたしてこういうもので公団の運営がうまくいくのだろうかといった問題から始まりまして、いろいろの問題等ありますけれども、しかし、そういうことを抜きにして、一日も早く強力な体制をつくり上げて橋を完成に持っていくということを、今後特に建設大原に要望をいたしまして、私の質問を終わらしていただきます。ありがとうございました。
  19. 金丸信

  20. 砂田重民

    砂田委員 私が伺いたいと思いますことは二十分もかかりません。二、三問だけでございます。  まず、最初に伺っておきたいと思いますことは、建設省からいただいておりますこの法案の第二十九条第八号に、「長大橋建設並びに長大橋に関する調査測量設計試験及び研究」、こういう仕事公団がなさることになっておりますが、とりあえずの公団のお仕事はここから発足なさるのだろうと思うのです。そこで、次の第三十条に、建設大臣基本計画を定めて、これを公団に指示する、運輸大臣も同じくということがきまっておりますけれども、この基本計画の中には、前条にある調査測量設計研究というものは含まれてない、調査測量等公団が独自の判断でスタートするのだ、こう理解してよろしゅうございますか。
  21. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 今度の法律では、基本計画は、建設大臣及び運輸大臣がおのおの自分の仕事関係するところを公団に指示するようになっております。  その指示の段階ですが、やはり基本計画の中では、まず調査段階基本計画と、それが済みまして実施計画が終わって、今度工事段階基本計画と両方あろうかというふうに考えております。  調査段階につきましては、これはいわゆる技術的な問題が主体になりますので、まず公団ができますれば調査について基本的な計画をつくる、その中で建設大臣が指示する基本計画というのは、やはり道路主体としたものが入ってくる、運輸大臣のほうは、鉄道のための一つ調査というのが入ってくると思います。しかし、調査段階では、橋をつくるために建設関係運輸関係も、両方関係してくるものが非常に多いと思います。そういうものは両省協議いたしまして、同じ方式基本計画を指示してまいりたいというように考えております。
  22. 砂田重民

    砂田委員 あるいは私の読み違いがあったかもしれないのですが、第三十条に、建設大臣は、政令で定めるところにより、前条第一項第一号の業務について基本計画を定めるとなっておりますので、これは建設から始まる管理建設管理等基本計画かと私は読んだものですから伺ったのですが、やはり調査測量設計試験研究というふうなことについても、ひとまず基本計画をお出しになるということでございますね。
  23. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 調査という問題につきまして、やはり当然、新設、改築をする場合にその前提として入ってくるものだということにわれわれ考えて、先ほど述べたとおりで基本計画を整理してまいりたいというように考えております。
  24. 砂田重民

    砂田委員 私はそのほうがけっこうだと思います。当然そうあるべきだと思うものですから、三十条の条文を私はちょっと心配して伺った。そういうふうにお取り計らいいただいてしかるべきだと思います。運輸大臣もまたしかり、こういうふうに私は考えます。  それから、二億円の政府出資公団がスタートなさるのでございますけれども、必要あるときには建設大臣の認可を得て資本金を増加することができる、この資本金を早急に増加するようなお考えがあるかどうか。その場合に、政府及び政令で定める地方公共団体がやはり公団出資をすることができるようになっておりますけれども、政令で定める地方公共団体は、どういう地方公共団体出資をさせよう、出資を許そうとなさるのか、そのお考えを伺っておきたいと思います。
  25. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 最初の二億円の出資金を今後どういう形でふやすかということでございます。これはやはり、毎年毎年、調査段階建設段階に入りますと工事費が必要になってまいります。そのつどどのくらい国が出資金を出すかということで、毎年毎年この出資金をふやすということになろうかと考えております。  次の地方公共団体出資につきましては、政令で定めるというようになっております。これはやはり今後のいろいろの協議になろうかと思いますが、地元の公共団体の出資につきましては、その橋によって著しく利益を受けるというようなものがまず第一になってくると思います。具体的に言いますと、いまの三本の橋がありますと、それがおのおの、四国側の三県、中国側の三県、さらにこの橋によって、高知県は実際に橋そのものがかかる位置にはございませんが、非常に利益を受けるということも考えられますので、高知、また近畿地方の神戸市の問題、これは指定市でございます。これは直接橋がかかる場所にあるわけでございます。そのほかに大阪市とか府、こういうものが今後一つの受益団体ということで出資の団体に入るかどうかというような問題が出てくると思います。その辺は、関係公共団体とよく協議の末、政令をきめてまいりたいというように考えております。
  26. 砂田重民

    砂田委員 この機会に道路局長一つ伺っておきたいのですが、建設省は地方道路公社というお考えをお持ちでございます。建設委員会にすでに法案も提出されているようでございますが、複数の地方公共団体一つの地方道路公社を設立することがあの法律では可能でございますか。
  27. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 可能でございます。
  28. 砂田重民

    砂田委員 私は、もう御質問申し上げることは以上のことだけでございますが、最後に、建設大臣一つお願いしておきたいと思うのです。  三つのルート関係府県の住民こぞって実は待望しているこの橋、本土四国連絡橋、それだけにそれぞれの地域社会、住民ぐるみのたいへん大きな期待をそれぞれ持っております。率直に申し上げますと、どうもいままで、政府と申しますかあるいは党と申しますか、この問題についての責任のある立場の人というものがあまり明確でなかった、こういうこともあって、あまりにもはなはだしい陳情合戦に明け暮れてきたというのが実情でございます。こうやって公団ができますからには、もういままでのようなことは断じて許すべきではない。また建設大臣運輸大臣がそれぞれ明確に、この法律の上でも、公団ができますからには責任を負っていかれるわけでございます。どうもそういう直接の責任者でない方の口数が多過ぎるような気持ちがいたします。そこらに乗せられてというか——乗せられるということばを使っていいかどうかわかりませんけれども、それぞれ関係地域社会、住民を込めて、どうも混乱もたびたびあったようなことでございまして、今後こういうことがもう断じてないように、建設大臣は、あまり責任のない、関係もない、そういう人の口をひとつ封じていただきたい。この公団できわめて科学的にドライに調査をして進めていただいて、順番なら順番をきめていただくべきだ、かように考えますけれども、建設大臣の御所見を承って、私の質問を終わります。
  29. 根本龍太郎

    根本国務大臣 お答えいたします。  この公団ができましたのは、いま砂田さんが御指摘になったことを現実に実行するためのものでございまして、言論を封圧することは、私は権限がございませんが、それとは別個に、この公団で客観的に技術調査、開発、それから経済調査、さらには関係地元自治体並びに住民の方々の協力体制を総合的に判断して着工する、こういうことになります。したがいまして、陳情運動で着工順位等が絶対に左右されない、こう信じていただきたいと思います。
  30. 砂田重民

    砂田委員 終わります。
  31. 金丸信

    金丸委員長 井野正揮君。
  32. 井野正揮

    ○井野委員 二十分という短い時間でございますから簡単にお尋ねしますので、要領よくお答えいただきたいと思います。  まず第一に、いま砂田さんからお話がございましたように、夢の大橋とかいって、ここ数年来全く痴人の夢なのか、ほんとうにできるのかということで話題をまいておるこの問題が、今回国会に法律案として出されたわけでありますから、私は具体的な執行について、特に予算の関係面からお尋ねをしてまいりたいと思います。  いままでのお話を聞いておって、三つ一緒にやるのか、それとも経済効果の高いものからやるのか、政治判断をするのか。いま大臣のお話を聞くと、地元の協力体制等も考慮してというお話でありますが、これがたいへんくせものなのでありまして、大体協力体制をあらわすためには陳情合戦、こうなってまいるわけであります。特にそういうような過大の期待をさせない。今日のわが国の諸般の経済情勢や財政力からいって可能のものであり、しかもきわめて経済効果の高いものから取り上げて、有効に収益をおさめながら、これらのすべてを完成するという方向ならそれでもよろしいと思いますが、そういう方向なのか、それとも三つ一緒におやりになるお考えなのか、その選択基準は、単に協力体制ということでなしに、今日まではじき出された試算の中で、どこをどういうふうに考えようかという大まかなめどがあってしかるべきだと思いますが、この点をまずお尋ねいたします。
  33. 根本龍太郎

    根本国務大臣 私がただいま申し上げましたことは、陳情合戦を地元の協力体制とは考えていないのです。先ほどいろいろ御発言がございました中に漁業権補償の問題がございます。それから架橋する場合における取りつけ地点の土地買収の点がございます。さらには、加藤委員から御指摘になりました運輸その他の補償問題と、こういう問題が解決つかなければ技術的に解決できましても着工できない、こういう点がございます。さらには、またこれは三本とも、端的にいえば橋だけでは解決できない。橋と今度はこれに接続する道路、この路線が、少なくとも先行取得が十分にできるという見通しがなければ、橋はつくったけれども、それに接続する道路はいつ土地買収並びに工事ができるかわからないということになりますと、膨大な資金を寝かしてしまうということになるのです。そういう意味で、私が地元の協力体制と言いますのは、そうした現実的な客観的な事実の整備ということでございまして、いわゆる陳情運動、政治運動というものは毛頭これを考慮に入れていない、こういう意味でございます。
  34. 井野正揮

    ○井野委員 よくわかりました。そうしますと大臣、その次に今度はこまかくなるのでありますが、とりあえず今度出されております予算の十三億幾らですか、これのうち政府の二億はわかりますが、その次の公共団体が出す二億の金の割り振りでありますが、これは政令で定める地方公共団体といわれる中で、きょうこの段階でこの割り振りは明らかになっておりますか。
  35. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 この公団のための昭和四十四年度の資金でございますが、政府出資金二億円、これは道路特別会計からの二億と国の財政投融資の七億、これも国が出すような形になっております。そのほかに地方の出資金が二億、地方の民間資金の借り入れ二億五千というようにしております。ただ、地方の出資金二億円につきましては、公団設立までにいろいろ関係の公共団体と話し合いをいたしまして、どういう形で応募してもらうか、これが今度の公団法の附則にもありますように一つの条件になっておりますので、そういうことを、この法律が通れば地元の公共団体とどういう形で地元の出資金、民間の借り入れをするかをきめてまいりたいというふうに考えております。
  36. 井野正揮

    ○井野委員 政府委員にお願いしますが、こちらでわかっていて聞いていないことを言わないでください。二十分しかないのですから、もったいない。聞いたことに答えてください。  そうしますと、計画についても大臣のお話を聞いておると、かりに地方ですべて一〇〇%協力体制があってできるということになりますと、三本とも一ぺんにやるというふうにも聞こえるわけです。こっちはそういうふうにも聞こえるわけです。しかし、私は、それでは公共団体がその負担に耐えられなくなるのではないかという気がするからお尋ねをしておるわけであります。いま公共団体が背負わなければならないものには、新幹線もありますし、地方道路の問題もありますし、さらにこの橋の問題があり、加えて国鉄再建の計画の中にもたくさんの地方債を利用債として押しつけておるわけでありますから——押しつけているのではない、たっての希望があるからだとおっしゃると思いますが、住民の要望からいえばあれもやりたい、これもやりたいということでございますが、起債の限度もまたおのずから政府が統制するところでありますから、こういうものを考えてみますと、いま二億五千万円を出させるそのスタートにおいて大まかな計画の腹ぎめがないと、この案はきわめて無責任な法律案だということになってしまいまして、まさに法律案そのものが痴人の夢だということにもなるだろうと思うのであります。そこで全体の計画ですが、鉄道も含めてですが、三本の橋を一ぺんにかけた場合の予算総規模は、今日の時点調査された結果どの程度になるものか。  それからもう一つ、その実施しようとする大まかな計画はどのくらいの年数を要するのか。そして地方公共団体が耐え得る範囲、そしてまた、これは先ほども話が出ましたけれども、鉄道の場合はこれに要した費用と、これは運賃とはすぐはね返ってくるわけで不可分の関係を持っているわけでありますから、したがって、この運賃関係をはじき出す場合の利用者といってみても、四国の開発が進んで一体どれだけ人口が伸びるように考えておられるのか、こういうような大まかな地方の開発計画のプランというものがこれに並行してなきゃならぬことになると思いますが、こういう点はどういうふうになっておるのか、ひとつお尋ねしたいと思います。
  37. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 ただいまのお話でございますが、実はこの三本の橋をかける最終の時期は、われわれの計画では、昭和六十年までには三本とも完成を見たいというように考えております。その中で、当然三本のルートがおのおの建設段階に入っている時期が必ず出てくるはずであります。そういたしますと、毎年毎年のその時期で、年間一番事業費の要る年度でございますが、そのときにどのくらい事業費が要るかということになりますと、これはやり方いかんでございますが、一番最終の昭和六十年までに三本かけるということで資金計画をうまくやれますれば、大体一年七百億くらい。さらにそれがもう少しダブってまいりますと、千億くらいの建設費が要る勘定でございます。ただ、これに対しまして地方の公共団体がどう耐えられるか、これは非常にこれからむずかしい問題だと思います。と申しますのは、この一年、二年の問題じゃなくて、昭和六十年までの問題でございます。その間における日本の経済の成長、また地方公共団体の財政の問題、そういうものの見通しをつけていかないとなかなかはっきりしたことは言えないものでございます。その辺は、地方公共団体及び財政当局、自治省とも十分話をして、無理のない計画にしていきたいという考えでございます。  さらに、これができたあとの四国の人口の増というような問題になりますと、人口についてはちょっと私いまはっきりした資料を持っておりませんが、現在、中国と四国との貨物の輸送量及び旅客の輸送量がございます。これが昭和六十年までに三本できて、そのあと昭和六十五年くらいまでの時点を算定いたしますと、いまの輸送量の約七倍から九倍くらいになるものと予想しております。
  38. 井野正揮

    ○井野委員 たいへんむずかしい問題であることに間違いございませんが、しかし、大まかなものがなきゃ、これはプランとは言えないと思うんですね。そこで、長期債、短期債の問題もこの法案には触れられておりますが、私どもが推測するところ、短期債は特に年間公募する公債その他の、現金化と見合っての一時借り入れ金という形になるんだろうと思うんですが、長期債のほうは、これはどこの銀行からどれくらいの金額を、したがってまた国や公共団体が負担するのは、現在のところおおむね事務調査費のようなもので、事業そのものは借り入れ金とそれから公債をもってまかなう、こういうふうに規定をされておりますので、この公債の期限はどのくらいを考えておられるのか、百年なのか五十年なのか。それからまた、これは利回りはどんなふうになっていくのか。これは鉄道などの収益、道路料金の収益、その他関連事業収益と見合って、かなり具体的なものじゃなければどんぶり勘定ということになりかねないので、この辺はどういうふうに考えておられますか。あわせて先ほどの地方公共団体の背負うべきワクが、現在国鉄がおやりになっているような利用債形式をとられると、地方自治の本質からいって、公共団体はたいへんな苦労をしなきゃならぬ結果が出ますが、この辺はどういうふうにお考えになっておるのか、お聞かせを願いたいと思います。
  39. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 借り入れ金の条件でございますが、これは非常にむずかしいと思います。この辺に今後の本州四国の三ルートの橋が早くできるかできないかの非常に大きな問題があります。現在政府の財政投融資、ことし七億入っておりますが、財政投融資で建設費をまかなっております道路公団の例を見ますと、二年据え置き七年償還というような、非常に短い期間の償還になっております。こういうことでやっておりますので、やはりいまの日本道路公団あたりも、幹線自動車道をつくりまして、いままでの借金の借りかえ——七年間で償還しなければいけませんので、借りかえという金が非常に膨大になってきております。私たち、そういう意味でなるべく長期の償還ができるように、長期の据え置きの金を借りたいということを考えております。この本州四国公団についても同じことが言えるかと思いますが、実際長期といっても十年ぐらいから二十年ぐらいまであるかと思いますが、どの辺が借りられるか、これが非常に問題かと思います。実はこれについて、民間の借り入れの問題、政府の財政投融資の借り入れの条件、この辺はこれから詰めるということでございます。私たち、まずこの問題は、四十五年度から始まる道路の第六次五カ年計画、これは四十九年までですが、四十九年までの間では大体まだ大きな建設に着手できないだろうということで、現在のところ、四十九年までには約四百億から五百億ぐらいの調査費及び一部の事業費を見ておるわけでございます。このくらいのものでございますれば、いまの道路公団の財政投融資の借り入れの条件でも十分まかなえる。しかし、民間につきましては、これは今後の問題でございますが、私の考えておりますのは、少なくとも十年以上のもので、金利は約八分程度のものを期待したいというふうに考えておりますが、これもこれからやはり民間といろいろ話をして、償還の条件をはっきりさせなければいけないということで、いまのところこれでいくというはっきりしたものは持っておりませんが、大体構想としてはそういう構想でございます。
  40. 井野正揮

    ○井野委員 大体大まかな筋はわかりました。やはり大臣、何といっても決心をしなければならないことは、現行のわが国の財政、経済の能力、こういうものを考えてみて、また現行制度と照らし合わせてみて、この橋を三つともかけるということは何人も望むことですし、ぜひそうあってほしいと思います。しかし、そういう要望にこたえるにしても、実現可能の方法を模索しながら、しかも最も技術的なりっぱなものをやるということがいいことであり、十五年という年数の中にはわれわれの想像できない技術の開発もまた行なわれることは、最近十年間のわが国の変化を見ても明らかだと思うのであります。いま何を一番先にきめなければならないかというと、どこをどういうふうに早くかけて、その実効を得ながら、また技術的な体験を得ながら、かつ財政の無理のない方向をとりながらということになりますと、先ほど砂田委員お話しになりましたように、いろいろな雑音に惑わされないで、最も経済的な、技術的な面を選んで決断するということだと思うのであります。この間のハイジャックの問題でも痛いほど経験されたと思いますが、決断こそが最も効果ある政治を生む、こう思うのであります。そういう意味において、大臣、この際ずばり聞きますが、一番技術的に可能であり、経済的にもこれならそう間違わぬでやれるというものは、その三本のうちどこですか、これをお聞かせ願いたい。
  41. 根本龍太郎

    根本国務大臣 御指摘になりましたように、この問題は決断が必要でございます。その決断を単に観念的に、理論的にかくかくだからと言うことは、これまたそこまでの段階に至っていないところにこの問題があるのです。したがいまして、私は技術者でありませんから、この点がまだはっきりわかりませんけれども、これらの三本のうち、特に二本は、これは申し上げるまでもなく世界に類例のない困難な工事です。一応土木学会等では、理論的には可能と言っておりますけれども、これを現実に実施する場合における一つのプロジェクトとしての体験が全然ないということです。しかも、先ほどお話がありましたように、非常に交通の密度の激しい、しかも潮流の速い、それから地盤条件も悪い、台風常襲地帯である、しかも地震という世界の各国で経験のない条件のもとに、しかも今度これは併用橋でやるということでございますからたいへんなことでございます。ある意味における日本におけるアポロ計画とも言うべきところの問題でございます。したがいまして、一応学会等でそれぞれこれがいいとかなんとか言ったことだけで、そのままいくというわけにはいかない。しかも、これにはたいへんな人命がかかるということです。いまの日本の最高の権威といわれる東大が宇宙衛星をやって、理論的にはすでに十年前に確立しており、技術的にもこれが解決できたといいながら、五たびの失敗があるのです。あれは宇宙に雲散霧消していくからいいけれども、これが膨大な資金をかけて、しかもとれができなかった、できたけれども、実質上非常に危険なものである場合には、国民に一体何と答えるかということがあって慎重にならざるを得ないのです。その意味でこの技術開発というものを本格的にやるため責任ある機関としての公団をお願いしておることであり、そして、その過程において財政関係のことも、ある意味においては全部財政資金計画ができてからやるべきだというのは論理的には正しい。しかし、その論理的な正確を求めていったなら、いつやれるか、これはなかなかできないということです。そこで、これは公団をつくってまず三つともつくるという決意のもとにやるというところに政治的な意味があるというのでありまして、いま御指摘のように、日本の経済の発展のスピード、潜在能力からすれば、現在はたいへん資金のむずかしいように思われることでありましても、五年間になりますれば、それについては今日の困難性は相当部分解消される。であるから、まず公団を発足させ、技術開発を進め、さらにこれに伴って、今度はこれをいかに活用するかということもまた新たなる構想が私は出てくると思うのです。現在の時点における開発利益というものは、実際できた場合における効果よりかなり過小評価しているのではないかとすら思われるのであります。  そういう意見から見て、まず第一にやるべきことは、公団をつくり、技術開発をし、そしてそれぞれのルートにおいてこれをどう活用するかというプロジェクトを積極的に開発していくということに問題がある。そこにこそ政治の決断が必要であって、あまりにも論理の正確性を期するがために、これでは不安じゃないか、これではだめじゃないかということならば、結局やらないほうがいいということになってしまって、私は前向きではないと思うのです。  そこで、今回政府内あるいは与党内にもいろいろ意見がございましたけれども、本気でこの問題を解決するには公団を発足させる以外にないという決断を佐藤総理にしていただいた、こういうことでございます。
  42. 井野正揮

    ○井野委員 大臣、少し先回りされたようですが、今日、私及び多くの人々は決してこの仕事を否定的な立場に立って論議しておるのではございません。ただ、いまおっしゃられたようなきわめて未経験な、未開発の面を踏み、実際に学問的には証明されても、実験的にはその例証を持っていないというようなところになお予測し得ない面が介在するだろうということも、また想像にかたくないわけであります。しかし、これができたときにはまさに夢の大橋で、日本の体質改善ともいうべきものになるだろう。私ども、古い昔に、青函トンネルの問題を政府へ持ってきたときには一笑に付された時代がございました。ダイジェストにも世界の二十の地球体質改善として取り上げられた問題が、いま国民総意の決断によって取り上げられて成功に近づきつつあるという問題を考えてみましても、決して夢の大橋が四国やこの近県のものだけだとは思っておりません。そういう意味で、私はあまり政治的には関係のない場所でございますだけに、やはり多くのことを言う必要があるということを考えて言っておるわけでありますけれども、むずかしいものであるだけに、私は、三つかかるという方向については異議をはさむものではありません。しかし、同時ということになりますとこれはたいへんな危険を伴う、むしろ五年なり十五年のものであれば五年ずつに区切って、やはり第一期の工事の中に各般の危険な問題について実験的な成果を得て、さらに高い技術をもって次のものにかかるということのほうが常識ではないだろうか。いまいろいろな協力関係その他の問題があるにしても、それらの中にも、やるとすればここからだという方向を示して無用な競争を避ける、あるいは無用な政治摩擦を避ける、これは当然為政者として払わなければならぬ配慮ではないか、こういうことを言っておるのであります。どうか協力する意味で言っておるのだということをお考えになって、もう少し胸を開いてお話を願いたいと思います。やはり国民の合意を得ることが非常に大事だと思います。
  43. 根本龍太郎

    根本国務大臣 私もそういう意味で申し上げておりまして、これはいま順位をきめるということになりますと、それこそまたいろいろのトラブルが起こってくるだけでございます。したがいまして、この公団がまずできるということ、できて客観的に技術開発と同時に今度は実施設計に入ります。その段階でおのずから、これは同時着工と申しましても、ちゃんと一列に並べて用意ドンでいくというような同時着工ではないのであります。これは三つとも、技術開発と実施設計に入るという段階が同時でございます。しかし、工事そのものに入るときには、おのずからこれは物理学的な時間が同時で、それがいかなければ着工させないというようなものではございません。ここまで申し上げましたらおのずから結論が出てくるだろうと思います。
  44. 金丸信

    金丸委員長 井野君に申し上げます。時間がまいっております。
  45. 井野正揮

    ○井野委員 なお多くの問題があるのでありますが、同僚によってただされると思いますので、非常にもの足らなく思いますが、これで終わります。
  46. 金丸信

    金丸委員長 宮井泰良君。
  47. 宮井泰良

    ○宮井委員 建設委員会におきましてもたびたびこの問題が取り上げられまして審議されておると思いますが、また、現在まで三人の方がそれぞれ申されましたので重複を避けまして、あるいは念を押しておきたいという問題につきましては重ねてお聞きいたしたいと思います。  ルートの問題がただいまも話が出てまいりましたが、その工事着工の優先決定の問題でございます。その順位決定の基本的な考え方は、架橋による経済効果を優先とするのか、それともこの技術面から可能なルートから手がけていくのかという点を重ねてお伺いいたします。
  48. 根本龍太郎

    根本国務大臣 先ほど御答弁申し上げましたように、技術開発の裏づけなくしては、これはできません。同時に、経済的な効果を目的としてこの架橋がなされる限りにおいて、経済効果が非常に重要なファクターであることも事実であり、そうしてこの二つを全うするためには、着工順位という場合、先ほどの御質問にお答えしたように、特に漁業補償の問題、取りつけ道路の問題、あるいはまた接続地帯の用地買収等、あるいは航行の問題に関する先ほど加藤議員から指摘されたそうした補償問題等、技術あるいは経済効果以前の問題もこれは相当あります。そうした問題が総合的に、比較的早くでき得る条件を備えたところから着工するというのが実際的な結論になると思うのでございます。
  49. 宮井泰良

    ○宮井委員 それではこの問題はそれ以上お聞きいたしません。  続いて、運輸大臣がいらっしゃっておりませんが、鉄道監督局長にお伺いいたします。運輸省におきましては、鉄道道路併用橋のとの工事着手を優先にしたいという考えでおられるように私は伺っておるわけでございますが、全国新幹線網との関係もございますが、この点の運輸省の見解をお伺いしたいと思います。
  50. 町田直

    ○町田政府委員 お答え申し上げます。  運輸省は、鉄道橋としていままで鉄道建設公団調査いたしておりました。したがいまして、道路鉄道併用橋という面で、この問題については今後とも関与してまいるということでございます。ただ、御指摘のように、併用橋をほかよりも先につくるというようなことを決定したり、あるいは考えているというわけではございませんで、ただいま建設大臣からお話がございましたように、いろいろな面を検討いたした結果、三つのルートの中でどれを先にやるか、あるいは一緒にやるかということを判断してまいるというふうに考えてよろしいかと思います。  それから第二番目の新幹線の問題でございますが、これは実は今度の国会に、新幹線の整備に関する法案が議員提案で提案されるというふうに私ども伺っておる次第でございます。この法案が提案されますと、おそらく別表に新幹線ルートが規定されるということになると思いまして、そのルートの中に、この鉄道道路併用橋の本四連絡橋に相当するルートが入る、こういうことに相なりました場合には、当然新幹線をここに通すという前提のもとに、技術調査あるいは経済調査を進めるということに相なるかと思っております。
  51. 宮井泰良

    ○宮井委員 それではさらに建設大臣にお伺いいたしますが、この公団の総裁、役員などの人事の点でございますが、その編成がもう始まっているのかどうか。総裁の候補には、三十人ぐらいがあがっておるとかいう話も私は伺っておるわけでございます。また役員人事をめぐりまして、建設運輸両省の間におきまして主導権の争いがあるのではないか、これはうわさではございますけれども、そういったものも聞いておるわけでございますが、その点をお伺いいたします。
  52. 根本龍太郎

    根本国務大臣 まだこの法案が成立していないうちに人事をやるというようなことはとうてい考えられません。なお、この法律案ができますれば、私が人事を担当する閣僚になるわけでございます。私自身いま何にも特定の人間について考えておりません。また、運輸大臣からも何にも言われていないのでございますから、おそらくそれはちまたの一応のうわさであろうと思います。現在、人事構成については、何ら政府は具体的にこれにはまだ取り組んでいないのでございます。
  53. 宮井泰良

    ○宮井委員 同じくお尋ねいたしますが、先ほどもちょっと出ておったと思いますが、三ルート建設費総額は約八千億円とされておるようでございます。しかし、工事が長引いていくために、今後物価の値上げ、あるいは用地、材料費などによりまして建設費総額が相当アップされていくということでございまして、最終総額はどのくらいをめどにされておるのか、お伺いしたいと思います。
  54. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 現在、建設運輸両当局で発表しております工事費、工期、これは四十二年末の単価で計算しております。これはいろいろその前提条件がございまして、まだはっきりした施工の方法をきめておるわけではございません。大体いままでの基礎工事の例で見れば、このくらいかかるであろうというようなことで出したわけでございます。それが三本のルートを合わせますと、約八千億近くになります。今後、これが物価その他の労賃の値上がりで上がる要素もございます。またもう一つは、やはり技術開発によって相当下がる要素もあろうかと思います。ひとつ単純に計算いたしますと、いまの経済社会発展計画にありますように、建設単価が四%ずつ上がるということになりますと、これは一兆をこえるような数字になろうかと思います。私たちやはりいまの技術開発考えまして、その技術開発していく段階で、最終的な工事の見通しをつけるというように考えております。
  55. 宮井泰良

    ○宮井委員 同じく道路局長にお尋ねいたしますが、建設資金の構成は、国が一、地方公共団体が一、財政投融資が四、民間資金四となっておりますが、その資金コストにつきましてお伺いいたします。  この本四架橋は、鉄道道路併用橋の場合におきまして、道路部門と鉄道部門との資金コストは同じなのかどうなのか、その点をお伺いいたします。
  56. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 実はこれは併用橋として建設する場合は、全体で資金コストを幾らにするということになりますと、道路部分が幾ら、鉄道部分が幾らということに、あるいはならないのではないかというふうに考えております。いまのところ併用橋としての全体の工費のうち、どのぐらいを道路側が負担するか、どのぐらいを鉄道側が負担するかという問題について、まだこれからの問題でございます。これはやはりお互いが、運賃が適正なような配分をしなければならないのではないかというように考えて、これからの問題にしておる次第でございます。
  57. 宮井泰良

    ○宮井委員 同じく社会資本の充実ということを考えてまいりますと、この本四架橋は、先ほどもお答えがありましたとおり、約一兆円に及ぶものでございまして、国家的な大事業である。そのように考えました場合に、全事業費のうちの一割程度が国の一般会計から出されるということになりますと、民間資金が四割と比べて、これはあまりにも少な過ぎるのじゃないか、このように考えるわけでありますが、その点はいかがでしょうか。
  58. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 実はこの本州四国の橋梁の建設費の資金の構成でございますが、ただいま先生御指摘のように、国の出資が一、財投が四、地方の出資が一、民間資金が四というのは、これは一つの案でございまして、先ほど言いましたように、ほんとうの建設の最盛期になるのがやはり五年過ぎになりますので、その間において地方財政がどうなるか、民間資金と国の財政投融資の資金がどうなるか、この辺を十分考えないと、なかなか具体性のある、実行性のある資金割合がきまらないように考えております。いま御指摘のように、あの出資が一割で民間資金が四割というのは、あまりにも民間が多いのではないかという考えでございます。国の出資というのは、現在いろいろ道路公団にもされております。また首都高速、阪神高速にもされております。そういうもの等も考えまして、大体一割ということを考えたのでございます。ただ、これはまだはっきりきまったものではございませんので、先ほど言いましたように、今後国の資金、地方の財政状況、財投、民間資金の、今後どういう形で資金構成をすれば資金が安いかということが前提になりますので、そういうことで今後の一つ検討事項になろうかというように考えております。
  59. 宮井泰良

    ○宮井委員 それでは建設大臣にお伺いしますが、資金構成が、地方公共団体一、民間資本の導入四、ただいま申し上げたとおりでございますが、非常に地元負担が大きい。その点、地方財政健全化の上から、自治省との問題が出てくると思いますが、そういった点で自治省との話し合いは十分ついておるのかどうかという点をお伺いします。
  60. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 この問題は、国の出す分につきましては大蔵省、地方の出す分につきましては自治省、こういうものの意見を聞いて最終的な地方負担割合をきめてまいりたいというように考えております。いまその辺はまだ十分詰めておられない状況でございます。
  61. 宮井泰良

    ○宮井委員 この問題はその辺で終わります。  次に、本四連絡架橋は、一般国道として建設省管理されることになっておりますが、将来、高速道路網の建設計画から考えまして、高速自動車国道とする必要があると思いますが、一般国道とした理由はどのようなところからそのようになっておるか、また高速道路として考えていく必要はないのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
  62. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 現在の高速道路の主幹をなしますものは、国土開発幹線自動車道建設法できめられております七千六百キロでございます。そのほかに、空港へ行く線とか、それからまた関門の架橋の問題、そういう一部のものを政令指定で高速自動車国道としておりますが、現在のところ、こういう大規模のルートについては高速幹線自動車国道に入っておりません。また、現在三ルートについても国道のルートがございますので、国道としてまず実施してまいりたい。将来の問題といたしますれば、やはり全国の七千六百キロでさらに不足している高速道路網をつくる場合には、十分検討してまいりたいというふうに考えております。ただ、一般国道でも構造については、いまの三ルートのうちあるものは、高速道路としての規格で実施されるというようなことは十分考えられることでございます。
  63. 宮井泰良

    ○宮井委員 次に、鉄道監督局長並びに道路局長にお尋ねします。  いままでの鉄道建設は、鉄建公団国鉄に貸し付け、譲渡するという形をとってきたわけでありますが、このたびの本四架橋の場合は、架橋公団が有償利用という形で国鉄に利用させることになっております。この利用料につきましては検討しているかどうか、されているとしますれば、どのような形をとるのか、その点をお伺いしたいと思います。
  64. 町田直

    ○町田政府委員 先ほど道路局長からも御返事がございましたが、具体的にまだはっきり、どういう利用料にするかということまで話が詰まってはおりません。ただ、いずれにいたしましても、鉄道道路併用橋の場合、持ち分というものがまずきまりまして、それを何と申しますか償却するような利用料が必要ではないかというように考えております。そういう線に沿いまして、しかも先ほども御質問がございましたが、利用者に非常に高くなりますとこれまた鉄道の利用としての価値がなくなりますので、その辺のところを勘案しながら、しかるべき利用料を考えていきたいというふうに考えておる次第でございます。
  65. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 ただいまの御質問でございますが、鉄道施設の場合、いままで譲渡とか貸し付けということになっておるにかかわらず、この際、利用というものにしたのはなぜかということだと思います。実はやはり、この併用橋自体が鉄道道路との部分に本体を分けられるものでございませんので、一部を貸し付けておくというようなことも、実際上どこまで貸し付けるかの問題で非常に問題があろうと思います。それでこの併用橋の場合は、この構造物そのものを利用させるということにした次第でございます。
  66. 宮井泰良

    ○宮井委員 次に、鉄道監督局長にお伺いしますが、明石−鳴門、児島−坂出ルート鉄道併用橋鉄道の軌道は、在来線として工事を行なうのか新幹線として工事を行なっていくのか、その点と、また、将来全国高速貨物列車網の構想も国鉄は持っておりますが、その構想も工事内容として検討されておるかどうか、鉄道の使用目的によって工事規模が異なると思いますが、その点をお伺いいたしたいと思います。
  67. 町田直

    ○町田政府委員 ただいままで調査いたしましたのは在来線として調査いたしておりましたので、そういう意味で、現在考えております軌道は、在来線としての軌道を考えておる次第でございます。しかし、先ほどもお答え申し上げましたように、全国新幹線網の整備の法案ができまして、個々のルートに同じように新幹線が通るということになりますれば、当然のことながら新幹線の軌道と同時に考えるということが必要であろうというように考えております。その場合に、在来線新幹線をそれぞれ通すということにするか、あるいはいわゆる第三軌条と申しますか、三本の線を引いて新幹線も通れるようにするかというような問題が具体的にはあると思いますけれども、いずれにしても、新幹線も通れるという形で検討する必要があるのではないかというように考えております。  それから第二番目のフレートライナーでございますが、これは在来線を主にした調査ということは当然貨物を通すということでございます。したがいまして、国鉄としては将来四国にフレートライナーを通すという計画がございますので、そういうものが前提になる計画というように御理解いただいてけっこうだと思います。
  68. 宮井泰良

    ○宮井委員 最後にもう一点だけ。それではただいま申し上げました点について、建設運輸両大臣の基本計画が出された場合の意見交換及び調整はどのようにするのか、建設大臣にお伺いしまして、私の質問を終わります。
  69. 根本龍太郎

    根本国務大臣 いま御質問になりましたような点が、技術開発それからいろいろの実施設計に入った場合に出てくると思います。そのときに私がおるかどうかわかりませんけれども、技術的な問題が相当ありまするので、当然これは、まず公団中心になりまして一応の案をつくり、それに両省関係の事務当局の意見調整ができた上で、さらに両大臣がこれに検討を加えて案ができる、それがやがて政府の統一的な意見として閣議決定になって現実のものになってくるという形になろうと考える次第でございます。
  70. 金丸信

    金丸委員長 内藤良平君。
  71. 内藤良平

    ○内藤委員 これは大きい問題ですけれども、運輸大臣は御出席ないようでございますが、私の質問の要点は道路の問題、道路としての架橋よりも鉄道を敷設する場合のほうが中心になるわけであります。鉄道監督局長、いま国鉄関係では再建十カ年計画ができておるわけですね。再建十カ年計画だけれども、再建というのは財政の再建だけではなくて、やはり国鉄の線路の改良なりあるいはすでに東海道新幹線また博多までの新幹線も入っておるわけですが、そういう中で五十三年までにやるわけで、これが一番具体的な計画になっている、わけです。今度この公団ができて三本のルート、そのうちの二本は鉄道を併設するということですね。  それからもう一つの問題は、自民党から出てきておりまするが、各党共同提案での全国新幹線網の問題、こういうぐあいになるわけだ。この中で十カ年計画だけは、運輸大臣が承認してすでに執行されておる。公団はこれからいよいよ発足しようとしている。全国新幹線網は、おそらくこの国会で共同提案になるだろうと思いますけれども、これはまだ審議の段階です。こういう中で、私は、これは運輸省というより最後は国鉄の責任者が——いまの公団ができて三本のルートがでさて、そのうちの二本は国鉄が経営するわけでしょう。最終的にはそういうことになるわけだと思います。国鉄の経営に入るわけでしょう。そういう関係をいままでの審議の中でどういうぐあいに、十カ年計画というものがあるわけでありますから、この十カ年計画がある中でこの架橋の問題、これに新幹線在来線かわかりませんけれども鉄道を敷設する問題ですね、これは国鉄が担当する立場からどういうぐあいに結びつけて検討されておるのか。私は、いま申し上げました三つの点を関連させて考えますると、将来どういう状態になるものかちょっと理解に苦しんでおるわけです。私の質問も決してぴんとこないかもしれませんけれども、事ほどさように私も理解に苦しんでいるわけだ。この点、わかりますか。国鉄の現在の十カ年計画、それと公団ができて道路ができて国鉄が敷かれる。それから新幹線網、この関係の中でわれわれがもっとぴんとくるような——全部先へ持っていかれておるわけだ。こうなるだろう、ああなるだろう、それじゃちょっと理解に苦しむのでありまして、まあ御答弁願ってまた私も質問して、少しまた進みたいと思います。
  72. 町田直

    ○町田政府委員 ただいまの御質問でございますが、国鉄の十カ年計画というのは、御指摘のとおり、先般運輸大臣が認可いたしました。四十四年度から入っておるわけでございます。  そこで、まず新幹線でございますが、これにつきましてはこれから国会に法案が出まして、それによって新幹線の今後の敷設の方向が定まっていく、こういうことでございますが、私どもが考えておりますことは、まず第一に、新幹線建設いたしますために、それによって国鉄の十カ年計画影響されると申しますか、それによって十カ年計画が悪い方向になるということは困るということで、そういう意味で、新幹線を敷設することによって十カ年計画が悪くなるというような形でないような形にもっていきたい。つまり、新幹線建設のための予算、資金の問題、それから新幹線ができ上がりまして、それを運営するためにもし国鉄の経営に悪い影響が出るということになれば、それに対する補助の問題というようなことを考えてやっていかなければならぬだろうというふうに考えております。ただし、新幹線は、これは将来の問題ですから非常に考え方がむずかしゅうございますけれども、新幹線というのは本来非常に収益のいい路線でございますので、これができ上がりまして一定の時期がたちますと、これは東海道線等でも十分御承知のように、国鉄にとってはいい方向に作用するという部面が非常に多いのではないかというふうに考えておりますので、その点は、今後の建設の状況とも見合って考えていきたいということでございます。  それから、ただいま問題の本四連絡の問題でございますが、これにつきましても、大体考え方は同じにお考えいただいていいのではないかと思っております。つまり、十カ年計画の期間におきまして、当然この橋の調査あるいは建設の実施ということが行なわれますけれども、これは国鉄の十カ年計画に財政上の影響を及ぼさないような形で、つまり公団においてこれを行なっていくということにお考えいただいていいのではないか、そして将来それができまして国鉄が運営します場合には、私どもは、本州四国の間の交通が現在よりも数倍ふえていくであろう。したがいまして国鉄が、十カ年のあとになると思いますけれども、この施設を利用して仕事をしていく上においてやはりプラスになるのではないか、こういう前提のもとに考えていっていいのではないかというふうに考えておる次第でございます。
  73. 内藤良平

    ○内藤委員 そうしますと、こういうぐあいに理解していいですか。この橋ができて、新幹線在来線かわかりませんけれども敷かれる。というのは、十カ年計画は五十三年ですな。五十三年のあとになるような、いまそういう御発言じゃなかったでしょうか、そういうぐあいに聞いておりますけれども。これは大体六十年ごろまでにつくろうという計画ですね。そうしますと、十カ年計画以後に橋の上に鉄道が敷かれる、この順序をそういうぐあいに理解していいものですか。
  74. 町田直

    ○町田政府委員 これからの問題でございますけれども、一応現在のところでは、いままでの技術的検討ではいわゆるBルートが十一年くらい、それからAルートが十五年くらいかかるということでございますので、国鉄の十カ年財政再建計画のあとになるのではないかというように一応考えております。ただ、あとになったからといって、十カ年計画は十年でしまってしまうものでは御承知のとおりございませんで、そのあと、さらに国鉄が近代的経営をしてどんどん発展していくということが前提になっておりますので、そういう意味では、たとえあとになってもその橋を利用することによって、もちろん国民のためでございますけれども、同時に、国鉄の経営にもプラスになるという面がなければならないというふうに考えております。その面で問題があると思いますけれども、私どもは、将来中国と四国、九州との交通量が飛躍的にふえるであろう、したがいまして、現在Bルートについて、宇高連絡船で海を渡っているよりも、橋を利用する鉄道をつくるほうがよくなるだろうということを考えておる次第でございます。
  75. 内藤良平

    ○内藤委員 それから国鉄総裁にもお尋ねしますけれども、新幹線国鉄ではだいぶ期待しておるようでございます。ところでこの橋ができまして新幹線がこの上に敷かれる、そして四国の中を縦断ですか横断ですかいたしまして九州のほうまで延ばされる、こういうのはいわゆる全国新幹線網にあるわけですね。それは出ておるわけですね。   〔金丸建設委員長退席福井運輸委員長着席〕 そういうようなことをいまから想定されて、国鉄の最高責任者としていわゆる国鉄の置かれておる独立採算といいますか、これは道路のほうと違うわけでしょうけれども、建設省関係道路のほうと違って国鉄は独算の面が非常に強いわけでありますけれども、そういう企業の性格からいわゆる新幹線ということで進めていって、将来ペイができるといいますか、他の方面に悪影響を与えないで国鉄がますます発展ができるものかどうか、現時点でこれはやはりある程度の試算はしなくちゃならぬわけです。なぜかといいますと、十カ年計画では五十三年まである程度の試算をして、十カ年計画の五十三年には若干の黒字という計画書を出しておりますね。と同様に、この橋によりまして国鉄で敷かれて、さらにそれが発展していくというやはり長期の試算をしていなければならぬじゃないかと私は感ずるわけでありますけれども、そういう点は実際の担当は、最後は国鉄が来るわけでありますから、国鉄はどういうぐあいに取り組んでおりますか、その点をお聞きしたい。
  76. 磯崎叡

    磯崎説明員 先ほどの先生のお話のように、いまやっております再建十カ年計画の中には、山陽新幹線の博多までの建設の所要経費と、それから、それによって生ずる収入の増加、これを全部見込んでおるわけです。逆に申しますと、山陽新幹線以外は一切現在の再建計画の中に入っていない。資金的にも入っていないし、収入的にも入っていない。したがって、この本四の架橋問題もそれと同じでございます。したがいまして、五十三年度までの再建十カ年計画の中には試算いたしておりませんが、この橋の問題だけを取り上げてみますと、私のほうといたしましては、当然宇高連絡船をどうするかという問題とからんでまいります。現在宇高連絡船で年間大体約三十億くらいの収入をあげていると思いますが、もしそれ以上の使用料をお払いすることになると、それを利用者の負担に帰すか、その地域の利用者の負担にするか、あるいはよその地域の利用者の負担にするかは別といたしましても、とにかく国鉄の利用者の負担によらなければならない。これは非常に困るので、私どもといたしましては、試算の一番基準は、一体幾らで私どもにお貸し願えるかということが基準でございます。もちろん、これによって宇野高松の私のほうの設備が要らなくなり、あるいは船が要らなくなる。そういうコストの減を考えましても、やはり一番問題は、使用料の料金の多寡でございまして、これは先ほどからの道路局長あるいは鉄監局長お話を伺っておりますと、いろいろな角度から検討の最中でございます。私どもといたしましては、最大限、現在の宇高連絡船でお客さんが払ってくだすっている以上の使用料は困るというふうな、ごく概念的な算定基準を持っておるわけでございます。  問題は、どういう金をお使いになってこれをつくるかということが問題でございまして、それによっておのずから私のほうに響いてくる。しかし、最大限は、宇高連絡船による収入のコストの問題とからみ合わせたものを限界にして考えるべきではないか、こういうふうに考えるわけであります。
  77. 内藤良平

    ○内藤委員 それで、もう少し聞きたいのですが、いろいろはなやかな計画が出ることは、ぼくたちも、これは国民的な立場でけっこうなことだと思うわけであります。ただ、現在の宇高連絡船、あそこにもまた橋がかかる。それから淡路−明石、淡路島ですね、これを通ってまた橋もかかる、鉄道もやる、これは在来線であろうと新幹線であろうと、鉄道を伴ったものが二カ所必要なものであるかどうかですね。この点はやはり将来国鉄がしょっていく、国鉄にかかることでしょうから、国鉄としては、橋ができて道路ができることは、これはけっこうなことですけれども、それに併用して、付随して国鉄を二本必要とするものかどうか。そういう点は一まあ技術的には検討されておるでしょうけれども、いわゆる独算といいますか、経営の面でそれに対して何か検討を加えて一つの結論を持っておるものかどうか。あるいはもうおまかせします、こういうぐあいにのんびりした気持ちでおるものか、そこら辺をもう少し突っ込んで聞きたいと思うのです。
  78. 磯崎叡

    磯崎説明員 たいへん政治的な重大な問題で、私は簡単にお答えできませんが、ただ、私ども交通を担当しておる者の立場といたしましては、もし四国だけでとまるのならば——まあもちろん今後橋によって四国がどのくらい経済的、産業的に発達するか、これは一つの見方、これは経済企画庁その他のいわゆる新全総等がございますが、それによりましても、もし四国でもってその両方の橋を通ってきた鉄道をとめてしまうのならば、それは端的にいって私は二つ必要ないと思います。しかしながら、私どもの考えといたしましては、やはりそれを四国から九州へ抜くことによって初めて意味が出てくるのじゃないか。と申しますことは、南九州ということはございませんが、大分、宮崎、鹿児島、この三県は、北九州を回るより四国を回ったほうが京阪神との距離は近いわけでございます。したがって、児島−坂出ルートにしろ、あるいは淡路ルートにいたしましても、九州南部、それから四国、それから京阪神あるいは東京、これを結ぶということを考えますれば、二本ということは必ずしも過剰ではない、もちろん道路プラス鉄道ということを考えましても私は過剰ではない、こういうふうに考えておりますが、四国だけでとめてしまうのでは、あるいは二本は過剰ではないかというふうに考えます。
  79. 内藤良平

    ○内藤委員 総裁もいろいろ考えて発言されておるでしょうから——しかし、私は、無責任な発言ではありましょうけれども、四国と地域的に離れております北海道については、いまトンネル一本でこれをやろうとしておりますね。四国は四百万の人口、これは将来どうなるかわかりませんけれども、いま九州のほうに新幹線を延ばすとしましても、二本のルート四国に入っていくというのは、われわれいまの段階でしろうとのような考え方で見ても、国鉄というものが置かれておる現状から見ると、ちょっとこれはお荷物ではないかというぐあいにも考えるわけでございます。そこら辺はもっと率直な意見がこの段階で出てもいいのじゃないかと思うのでございますけれども、そういう点は建設省なり運輸省なり国鉄の当局なりがもう十分に意見をかわしておって、二本は必要だというぐあいに割り切っておるものかどうか。あるいは私のしろうとのような考え方で、四国へ入るのには、九州へ行く場合でも国鉄の将来のことを考えた場合には一本でいいじゃないか、そういうぐあいに議論をされておるものかどうか。いろいろ差しさわりがあるかもしれませんけれども、国鉄の現状から見る場合は、やはりいいかげんな話じゃなく、責任を持った大胆な発言もいまの段階でなければならないのじゃないかという気がするわけでございます。これは取り越し苦労であれば私は別段固執はしませんけれども、そこら辺は、ひとつ率直な御意見をお聞かせ願います。
  80. 町田直

    ○町田政府委員 いろいろな考え方があると思います。そこで実は結論だけを申し上げますと、二本とも併用橋にするのか、一本だけ併用橋にするのか、その辺のところもまだ実際には、実は最終的にはきまっていないというのが実情でありまして、すべていままでの調査並びに今後の調査によりまして、その辺も決定いたしていこうということでございます。
  81. 内藤良平

    ○内藤委員 私の時間もないようでございますけれども、運輸省局長さん、これは建設省道路や橋ができて——道路、これはもういいことですね、それは国でも金を出してやるのでしょうから。ただ、いままでの国鉄のやり方をやはり大幅に変えていく。建設省道路のように国で相当金を出していく、あるいは地方自治体でも応分の援助をしていく、そういうことで、国鉄に対してもそういうぐあいに政府の方針なりが変わるならば、私はいまの局長のような、二本にするか一本にするかまだきまっていない、情勢によっては、というようなきわめておおらかな発言で了解するわけでありますけれども、いま置かれている国鉄の状態から見ても、どうも十年、十五年後に道路と同じように国鉄が扱われるということはちょっと考えられません。何かそこら辺は、あの地区はいろいろな面について十カ年計画国鉄はシビアーに内外に向かってやっておるわけだ。ところが、この面になりますときわめておおらかな気持ちでおるわけだ。ここら辺がわれわれから見ると何かふに落ちない、納得のいかない点があるわけだけれども、運輸大臣おりませんけれども、その点をもう少しお話し願いたいと思うのです。
  82. 町田直

    ○町田政府委員 ただいまきまっておりませんと申しましたのは、そういう国鉄経営上の問題点というものもございます。それからいわゆる国土開発、本四間の総合的な開発という面から、二本要るかどうかという検討も、最終的にまだきまっていないということでございます。  そこで、国鉄経営上の問題点から申しまして、負担になるということであるけれども、しかし、総合開発上やはり両方とも併用橋にしたほうがいいのだ、こういう結論になるといたしますると、当然のことながら、それに対する国の何らかの措置が必要ではないかというふうに考えます。その意味では、御指摘のように、そういう結論が出ました場合には、それに沿いまして国からの補助か何かというものを考えていくということが必要ではないかと考えております。この点は、先ほど申しましたが、新幹線につきましても全国新幹線網というものをつくる場合において、これが国鉄経営上非常に負担になるものであれば、これに対する補助というものを考えていく必要があるのではないかと考えておりますのと、大体同じような考え方が必要ではないかと考えております。そういう点を総合的に検討いたしまして、両方とも併用橋にするか、あるいは一本は在来線併用橋であるけれども、一本は新幹線併用橋にするかというようなことを考えていく必要があるのではないかと考えておる次第でございます。
  83. 内藤良平

    ○内藤委員 いろいろまた別の機会に伺うことにいたしまして、きょうはこれで終わります。
  84. 福井勇

    福井委員長 次に、和田春生君。
  85. 和田春生

    ○和田(春)委員 時間もあまりございませんし、すでに各委員からいろいろ質問が出たこととの重複を避けまして、もっぱら論点を本四の連絡橋と海上航行の安全の見地にしぼりまして質問をいたしたいと思います。技術的な問題が中心でございまして、あまり大きな政治的な問題はございませんので、イエスならイエス、ノーならノー、わかっていないならわかっていない、その場合には将来どうするということを簡潔に、的確にお答えをいただきたい、こう考えるわけでございます。  まず最初にお伺いしたいことは、実施設計が進んでいきまして工事が始まるという形になりますと、橋が完成した後の条件よりも付近の海上の交通条件は非常に悪くなると思います。工事現場がかなり広がりますし、また工事用の船舶も往復することになるわけでございますが、その際の海上の航行の安全の管理はどこが責任を持ち、どういう方法でコントロールするおつもりであるか、その点を海上保安庁長官にお伺いしたいと思います。
  86. 河君一郎

    ○河君政府委員 本四連絡架橋工事中の航行安全の対策につきましては、私どもが一義的に検討しなければならない、このように考えておるわけでございますが、その工事現場におきます船の航行状態あるいは具体的な工事の態様というものを今後さらにきわめまして、現場及びその付近の海域の交通整理あるいは特別な航法あるいは速力の制限等の措置を実施する必要があろうと存じますし、またブイその他の航行援助施設につきましても整備をはかる必要があろうかと存じておりますが、まだ具体的な点は検討をこれから開始するということでございまして、建設当局とも緊密な連絡を保ちまして遺憾のないようにいたしたい、このように考えております。
  87. 和田春生

    ○和田(春)委員 まだこれから検討するというお話でございますが、公団法によりますと、この本四の連絡橋基本的な計画等については建設大臣の責任のもとにつくられるようになっておりますが、単に橋をどのようにつくるかという設計ではなくて、相当長期にわたる大がかりな工事でございまして、工事の進行していく間にも特に内海の船舶航行量はふえてまいりますし、これは東西の大型船のみならず、本州四国を結ぶ小型船等におきましても、日本の経済の発展に応じて航行量がどんどんふえていくということになるわけでございます。そういう工事の進行計画について基本計画を立てるときに、海上交通の関連を十分検討し、関係省庁また関係業者団体等とも連絡してお立てになるおつもりであるかどうか、その点を建設大臣にお伺いしたいと思います。
  88. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 できましたあと、工事中の船に対する問題、また、ことにできましたあとにつきましては当然……(和田(春)委員「いや、できましたあとじゃない、できましたあとはまた聞きます」と呼ぶ)工事中につきましては、やはり運輸省、海上保安庁と十分連絡をして——施工の方法、それとその間におけるいろいろ船に対して警告を与えるようなコントロールタワーとか、そういうような問題につきましては今後海上保安庁と十分協議をして、船舶の航行に支障のないようなことでやってまいりたいというふうに考えております。
  89. 和田春生

    ○和田(春)委員 今後十分に検討してということでございまして、その点ははっきりしてないわけでございますけれども、なお長期にわたって工事が行なわれますと、海の交通の常識からいいまして、かなりの交通の制限あるいは操業の制限、禁止、こういう問題が行なわれることになると思います。橋ができれば、陸上交通においては橋ができた後において大きな利便を受けるわけでございますが、海上運送関係に焦点をしぼってみますと、橋ができた後におきましても、あとから質問いたしますけれどもいろいろ問題があるわけでございます。そういう航行や操業の制限等によって関係者がかなり大きな経済的負担も負うことになると思いますが、そういう点についての補償その他の交渉の責任の主体、またどういうふうにしたいと考えておられるか、建設大臣にお伺いしたいと思います。
  90. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 実は橋をかけます場合でも、一例をいいますと相当つり橋のための橋脚ができます。これを同時に着工いたしますとますます船舶の航行に影響があるということで、その施工の方法につきましても海上保安庁とも協議をして、施工の方法が船にあまり影響のないような形をとっていくわけでございます。  ただいま先生の御質問の、そういう場合における船舶航行についてのいろいろな補償の問題があろうかと思います。この辺はまたこれから海上保安庁その他との協議になろうかと思いますが、私たちのいまの考えでは、いまの航路にそう大きな影響のない——大型船についてそう大きな影響を持たないような工事の方法を考えていきたいと思います。  もう一つは、やはり漁船その他になりますと、これは農林省その他と協議いたしまして、ある程度の操業の禁止というようなことはあろうかと思います。そういうものについてはまた漁業補償の中で十分考えてまいりたいというふうに考えております。
  91. 和田春生

    ○和田(春)委員 建設大臣にお伺いしているのですがね。こういう点について非常に重要な問題があると思うのです。道路をつくるという場合には、土地の買収であるとかあるいはそのことによって損失が生じたときの補償とか、わりあいにわかりがいいわけです。またその付近で漁業をやっている、非常に操業区域が限られている場合にもわかりがいいと思う。しかし、運航条件が非常に阻害されることによって経済的な負担がかけられる。これはいろいろな面でいろいろな影響があると思うのですけれども、そういう点について補償をするお考えがあるのかどうか、はっきりお伺いしておきたいと思います。
  92. 根本龍太郎

    根本国務大臣 理論的にはそういうふうに御指摘になりますけれども、現在道路を構築している場合に、これは相当程度のタクシーあるいは路線バス等が拘束されます。しかし、これには補償いたしておりません。したがって、こういう問題につきましては、現在のところ、補償するかどうかということは正直なところ実は確定しておりません。しかし、現実にこの公団がやる工事は相当大規模のものであり、長期にわたることである。そこで海上保安庁と十分連絡、あるいはまた運輸省と連絡の上、どうしてもその工事運送業者に重大なる障害を与えることなくして工事ができない、したがって、補償しなければならぬという段階になりますれば考えられるけれども、いまはそういうふうな障害を起こすようなことのないようにして工事をするという前提で工事の手法、技術開発あるいは地点を研究していこうということでございまして、この架橋のために交通阻害になり、特に海上運送の阻害のためにどういうふうな補償をするかについて、現実にははっきりと政府補償するとか、公団補償させるということは現在考えていないのでございます。
  93. 和田春生

    ○和田(春)委員 先ほど質問の前提に置いておりますように、路線バスとか陸上交通機関の場合には、道路がよくなれば完成後に利益を受けるわけです。海上交通の場合には、完成後にかえってじゃまものができるわけなんです。利益を受けることがなくて、工事の進行中にも損害を受ける、でき上がったあとにおいてもいろいろと支障が生ずる、そういう問題があるわけです。これは単に関係の海運業者の問題だけではなくて、そのことのために運航をギブアップする、こういう形になってまいりますと、働いている船員の首切りから労働条件にまでいろんな形で波及してくるという面について、まだ検討してないということははなはだ遺憾でございますけれども、短い時間でここで直ちにお答えを得るわけにはいかぬと思います。ひとつ責任をもってそういう点を検討してもらいたいと思いますが、いかがですか。
  94. 根本龍太郎

    根本国務大臣 この問題は、先ほど話したように、公団を設立し、かつ建設にあたって原則として海上運送に重大なる支障を与えないという前提のもとに技術開発並びに工法をきめたい、こういうふうに考えておるのでございます。したがいまして、いま和田さんから御指摘された条件を考えてやるということになると、その補償主体補償の方法その他がきめられなければならないけれども、現在の段階では、実はそうした重大なる支障を来たすようなところはやらないという前提で考えておるものでございますから、若干そこに食い違いがございます。しかし、現実に今度は公団ができて、技術開発もでき、それから実施設計が出てくる。その段階になりまして、いま御指摘のような問題が出ますれば、それは当然にこの問題に取り組んで、補償等手段あるいは方法、いろいろ考えなければならないと考えておる次第でございます。
  95. 和田春生

    ○和田(春)委員 それではその問題はそういうことにいたしまして、海上交通に重大な支障が生じないような方法でやるというふうにおっしゃっているわけでございますけれども、御承知のように、船舶が走るときには船舶の後方の閉塞区域、つまり陸上の車の車間距離のように、それ以上近づくとあぶないということが船の大きさや速度の関係であります。また大きな橋脚のような障害物が海の中にできますと、その周辺にも、船が安心して通れない閉塞区域ができるわけでございます。こういう点についてかなり調査をいたしておるようでございますけれども、その前提になっているのは、大体大型船の標準を千トンないし五千トン、長さを九十メートル、そこで東行、西行往復一レーンずつありますと、長さの大体九・二倍、千メートルのスパンがあればその点については安全だ、一応こういうような計算もしておるやに聞いておるわけでございますけれども、急速に船舶の大型化が進んでおります。さらに大型フェリ一等もどんどんできてきております。特に海の銀座といわれる瀬戸内海において非常に交通量がふくそうしてくるという場合に、この計算でいま計画されているスパンについてわずかに千メートルというのでは、航行に非常に障害が出てくるとわれわれは専門的に見て考えるわけなんでありますけれども、その点について十分であるとお考えなのかどうか。十分であるとすれば、その根拠はいかん。もし船の長さを千五百メートルとすると、スパンは千四百メートルぐらいなければ、最小限安心して航海ができないという計算になってくるわけでございますが、まずこれは公団計画実施をされると思いますので、この点を公団の方にお伺いしたいと思います。海上保安庁長官でもいいですよ、どなたでも責任を持って答えられる人……。
  96. 河君一郎

    ○河君政府委員 将来この橋が実現するために相当時間がかかるであろうということは、私も当然予想いたしております。それからまた、このような計画の前提といたしまして、昨年、本四連絡架橋の行なわれましたあとにおける航行安全上の問題につきまして、建設省の御委託を受けて本四連絡架橋航行安全技術検討会議を設けて、専門的な立場からいま先生指摘のような問題について検討を重ねまして、その報告も出ておるわけでございますが、今後の架橋工事の具体的な進め方あるいは海上交通の見通しなどにつきましては、私どものほうでも十分にこれを検討いたしまして、必要な場合には建設省とも御連絡申し上げるということにいたしたい、このように考えております。
  97. 和田春生

    ○和田(春)委員 現在出ている設計では、スパンの一番長いところが約千メートルの幅員しかないわけであります。そういたしますと、技術的に検討してみまして、千トンから五千トンということではなくて、かりに万トン単位の船で長さが百五十メートルないし二百メートルの船がすれ違う、回りに小さな船がおるということになれば、安心して航行できないということは当然でございまして、サンフランシスコのベーブリッジなどもございますけれども、これは湾の入り口にかかっている橋でございますから、入港していく船、出港していく船が通るわけであります。瀬戸内海の場合には、交通の主要路のどまん中に橋がかかるわけでございまして、非常に航行制限が必要になってくる。また運航に慎重でなければならないということが考えられるわけです。お天気のいい静かな場合には差しつかえございませんけれども、問題は、視界が非常に悪い、ガスがかかっている、あるいは天候が悪いというときです。こうなりますと、当然レーダーによって安全を確認しながら運航するということは今日普通に行なわれているわけでございますが、このレーダーの点について、実験によりますと、尾道大橋の場合に送電線が近くにあるために、そこにこぶができたようになる。つまり偽像、ゴーストイメージが出てきて船舶の航行を見誤るという実験結果が報告されているわけでございます。今後の本四架橋の場合は、この上を国鉄の電車を走らせるわけであります。そこで架線がかかる、パンタグラフをつけた電車がそこの上を走っていくという場合に、レーダーに映る映像についてどういう変化を与えるかということについて実験し、あるいは研究された結果があるかどうか、お伺いしたいと思います。
  98. 河君一郎

    ○河君政府委員 ただいま先生からお話がございましたように、昨年の調査会で実験をいたしました場合に、架線がレーダー映像に影響を及ぼすということは判明したわけでございますが、ただいまお話のございましたようなケースにつきましては、私どもが存じ上げている範囲におきましてはまだそのようなことが行なわれていない、このように了解いたしております。
  99. 和田春生

    ○和田(春)委員 この点につきまして、もしレーダーに偽像ができるとか、あるいはそれを読み取る場合に判読を誤るという形になりますと、たいへん大きな事故につながるわけであります。したがってこの上を国鉄線を走らせるというような場合には、当然そこには架線が伴うわけでございますし、そのことによって船舶のレーダーにどういう映像変化が生じるか、そういう点についても十分慎重な検討をしていただきたいと思うわけでありますが、結局どういうふうにやってみましても障害物ができるわけですから、危険がそこに生じるわけであります。  工事をされる場合のことについてお伺いをしたわけでございますけれども、この架橋ができ上がった後においても、当然信号所あるいは航行管制の設備、こういうものが考えられないと航行の安全を期しがたいと思うのですけれども、そういう信号所等は当然でございますが、航行管制の設備、コントロールをする設備ないしは船舶の通信方法、そういうものについてどの程度研究をされているか、お伺いしたいと思います。
  100. 河君一郎

    ○河君政府委員 ただいまお話のございました、橋が完成いたしましたあとその付近における航行の安全を確保いたすためにどのような組織あるいは方法が必要であるかという点につきましては、今後のそれぞれの具体的架橋工事計画その他におきましても、基本的には先ほど建設大臣からお話がございましたように、船舶による海上運送に重大な支障のない方法を検討するというお話を私どもも伺っておりますし、その具体的な内容が今後おいおい明らかになると考えておりますので、それとあわせまして私どものほうも慎重に検討いたしたい。このように考えております。
  101. 和田春生

    ○和田(春)委員 時間がございませんので、最後に建設大臣にお伺いをし、また要望をいたしたいと思うのですが、いまの海上保安庁長官の答弁によりましてもはっきりしてないわけであります。私どもも、国民経済の発展という大局的な見地、本州四国架橋を行なう、あるいは先ほど国鉄総裁お話しになりましたように、将来は四国から九州に抜く、そういうことが進められることについては賛成でございます。ところが、陸上運輸のサービスが向上するという点にもっぱら重点が置かれまして、海上運送の安全とさらにふくそうしていく海上運送との関連というものについては、私が調べた限りにおいて、まだはなはだお粗末な現状であって、突き詰めていない。これからいよいよ実施の計画設計に当たっていくときに、この点について取り返しのつかないことになる危険性があるわけでありますから、十分遺憾なきを期して、安全と海上運航の将来についての方策をお立てくださるように、お伺いをし、かつ希望したいと思います。
  102. 根本龍太郎

    根本国務大臣 ただいま御指摘されたことが非常に重要な問題なのでございます。ところで従来は、四国架橋の問題のときには、早くつくれつくれということだけで、しかもこれについて、技術的に可能だという点から一本にしぼるとか二本だということを言ってきたので、それは政治的な発言としてはしかるべきであるけれども、現実これを実施する場合には非常にいろいろの要素がある。そこで、私はこの公団をつくりまして、技術開発をしつつ、それから実施設計という場合に、いま和田委員指摘されたことが全部含まれております。そうした結果においてこれは着工していかなければ、功を急ぐあまり途中でたいへんな障害がきたり、あるいはできたものが今度は手直しをしなければならぬということをおそれるがゆえに、私は、この公団を発足することがまず第一である、それなくしてやるということは非常に困難だということでございます。その意味において、御指摘になりました点は十分に、公団発足後それこそ——先ほど私が申し上げましたように、これはある意味におけるシステム開発だと思うのです。単に鉄道をつくるにはこれだけの耐久力があればいいとか何かではなくて、とにかく非常に複雑な要素を全部技術的に総合した上で判断しなければならない。十分に御指摘の点は心に入れて、今後の開発を進めていきたいと思う次第であります。
  103. 和田春生

    ○和田(春)委員 質問を終わります。
  104. 福井勇

    福井委員長 次に、田代君。
  105. 田代文久

    ○田代委員 先ほど根本建設大臣から、公団をつくってこの事業完成させるためには、当然漁業権補償とかあるいは土地の買収とか、こういう関係者の方々の意見を十分聞いてやらなければ、この問題は解決しないということを言われたわけですが、これは当然のことですね。それを私どもは文字どおり実行していただきたいのですが、その点について簡潔に御答弁願いたいのです。そういう観点から、実際にそれをやるためには、地元関係者の代表から民主的に選ばれた代表とかあるいは学識経験者、そういう人々をもって構成された審議会、こういうものをつくって、そして意見を十分聞くというような処置をとられるかどうか、そういう点をとってもらいたいということが私たちの考え方なんですよ。同時にまた、公聴会なんかを開いて、そうして十分意見を聞いてそれを尊重するということ、そういうことを十分やれるかどうか、そうして計画案を適正なものにされるというようなことがされなければならないと思うのですが、そういうことですね。最後的には国会の議決によってこれをきめるというような結果を得ることが、最も民主的で正しいことになると思うのですが、そういうことについて大臣の御見解を伺いたい、このように思います。
  106. 根本龍太郎

    根本国務大臣 事務当局から後ほど補足説明させますが、この公団には管理委員会を設けまして、この管理委員会には、この三ルート関係する地方自治体の人、あるいは学識経験者から選ばれた三名の方がこの管理委員会に入ってもらいます。しかし、いま御指摘になりましたように、一々補償の問題とかそういう問題のために、何らかの公開された公聴会のようなものを法的にやるという組織にはなっておりません。これらのことは、先ほどの御質問にお答えいたしましたように、できるだけ地元で、補償の問題とか土地の先行買収等は地方自治体でひとつやっていただきたい、そうして具体的な対象は、その実務をやるのは公団がやる、こういうことにしておるのでございます。  それから、この本四連絡架橋の問題について、国会に報告するという義務づけは、公団法には考えておりません。しかし、これは国会には運輸委員会でも建設委員会でも本会議もございますから、そちらで御質問があればいつでもこれはお答えするということにしておりますから、あえて法的にこの架橋に関する報告義務を規定する必要はないと考えておる次第であります。
  107. 田代文久

    ○田代委員 時間がございませんから、その点については議論はできませんけれども、しかし、こういう国家的な事業ですから、やはり最終的には国会ではっきり議決する、そうして民意を十分反映させるということが必要だと思いますが、その点を要望しておいて、次の質問に入ります。  先ほど来いろいろ答弁がありましたけれども、財政的にも実にこれは膨大な内容を持って、大体新聞などで報じられておりますこの資金も、四十五年度の予算案、これに出ていますけれども、新公団について建設省分が十三億五千万円、その内訳が国が二億、財政投融資が七億、地方公共団体が二億、民間からの借り入れが二億五千万円、したがってこれを全体でいいますと地元負担が大体三三%程度になって、三つの橋が大体同時に計画されるというふうなお話で、三本という線が出ておるのですけれども、それの現在における計画数字というものが、総計で七千五百二十一億くらいになるように計算がなると思います。しかし、これは完成時における数字ではありませんから、完成時、六十年度あたりを見ますと、実際は物価高やらその他の関係で、少なくとも一兆円くらいにはなるのじゃないか。そうしますと、これの計算からいいまして地方負担が三三%、ところがこれに対して大蔵省はこの割合を大体五〇%、つまり国、地方公共団体出資金がそれぞれ一、財政投融資、民間からの借り入れ各四の割合にするように主張しておる。つまり地元から大いに吸い上げようというような計画になっておるというわけですね。これは実際になっておるかどうかも発表はしておりませんけれども、しかし、こういうことになりますと、地方自治体や地元は一兆円の半分、五千億という膨大な負担にとても耐え得るわけはないと思うのです。またかりに耐え得るとしましても、これは地元に対してとてもまかない得ないような借金を将来に残して、たいへんなことになると思うのです。ですから、もし大蔵省が地元に半分は持ってもらうのだというような計画を立てておるとすれば、私たちは全く不当であるし、けしからぬと思うのです。ですから、地元の方々の立場から申しましても、当然運輸省なりあるいは建設省は、そういう出方に対しては徹底的に反対してもらわなければなりませんし、私どもとしましても、少なくともこういう国家的な事業に一億国民の公益という観点からいって、九〇%くらい国が当然負担すべきじゃないかというふうに考えますが、こういう観点について財政資金の国あるいは地方自治体、地方住民が負担しなければならない問題について、大臣の見解を伺いたいと思います。
  108. 福井勇

    福井委員長 政府委員にちょっと申し上げます。  共産党の田代君が冒頭において、特に時間がないから簡単にということを申されましたので、そのつもりで御答弁願います。
  109. 根本龍太郎

    根本国務大臣 九割程度国が負担すべきだということを指摘されましたが、そういうことは現在考えておりません。これは原則として有料でありますから、有料である場合には、そういう前例はございません。
  110. 田代文久

    ○田代委員 私のそこだけの答弁をしていただきましたが、有料を原則としておるとおっしゃいましたが、公団のあれはそういうたてまえです。しかし、全体の性格からいって、必ずしも有料を前提にしなければならないというのは国民の要望であるかどうか、この点が問題であります。しかし、それはそれとして、最初言いましたいわゆる大蔵省の考えからいえば、五〇%くらい負担すべきだ、こういうふうな意見が出ているわけですね。将来の問題として、この点は三〇%になるかあるいは二〇%地元負担になるかということが非常に大きな問題になりましょう。そういう場合に建設省はどういう姿勢で臨まれるのか。いわゆる地元負担が非常に大きくなるような方向でいかれるのかどうか、その点です。
  111. 根本龍太郎

    根本国務大臣 これは国の経済あるいは地方自治体の財政状況、それから民間の協力体制等を総合的に判断してやるべきでありまして、いまからどうあらねばならぬということを観念的に申し上げても、いま答えにならないと思います。これは実施計画その他の進行過程において、さらに先ほど申し上げました管理委員会の御意見等、地元の御意見を十分に勘案してきめていくべきものだと考えております。
  112. 田代文久

    ○田代委員 いまの答弁はおかしいと思うのですよ。地元なり地方自治体というのは、財政的にいつも困っておるわけですね。ですから、国の基本的な姿勢としては、こういうものをやる場合に、とにかく具体的に何億何千ときめられなくても、大体地方に対してはできるだけ軽減する方向でいくべきであるとか、国ができるだけ大きく負担すべきであるというような基本的な路線は、はっきりきめられるべきだと思うのです。具体的に進まなければまだわからないというのは無策だということになってしまって、結果的には、これは地方自治体におっかぶせていってもしようがないのじゃないかということになる危険性がありますので、私はいま質問したわけです。そういう点では私は非常に不安を感じますけれども、時間がございませんから、これは次に質問いたします。  あと一点でございますが、料金の問題です。料金も、これは具体的にきまらない。——そうでしょう。しかし、その問題はさっきのような形で答弁されますと、これは全く無策を暴露されると思う。料金の問題につきまして、大体基本的にはこういう路線でいきたいということを答えていただきたいのですけれども、実例として若戸大橋ですけれども、これが三十七年から去年までですね。いまもらった道路公団資料によりますと、三十七年度は初年度ですから収入が少ないのですけれども、一億八千八百万円、三十八年度になりますと三億一千百万円、四十一年度になりますと四億二千万円、それから四十三年度、おととしになりますと五億五千百万円というふうに、年々非常にふえておるわけですね。そうして四十四年度で大体黒字になるという見通しだそうですが、この地元の意見を聞きますと、あの橋を渡るのに、ハイヤーにしましてもあるいはタクシーにしても個人の車にしてもあまりに高過ぎる、とにかくちょっと車に乗って往復するだけでも、戸畑から若松まで行くのに、料金が百円で済むところが橋代を往復とられるので四百円以上になる、何でこんなに黒字がふえておるのに取るのか。また、トラックなんかでもそんなことをいうのですね。ですから、こういう料金をきめられる場合に、先ほど私が申しましたように、地元の意見なりを十分聞いた上でやらないと、とにかくこういう高い料金というのは利用者にとっても困るということは、一般の世論になっておるわけです。そういう点でこの料金を今後決定される場合などにおいて、十分これを考慮していただかなければならない。特に地元の関係者にとりましてはこれの負担が大きくなるわけなんですから、私どもは特にこの関係住民の地元の方々に対しては無料というような形で——これは全体を取るなというわけではありません。大会社がとにかくどんどん荷物を輸送するというのは、取ってもらっていいと思うのです。しかし、地元の方々に対してはそういう点では料金を十分考慮していただかないと、これはあとあとまで非常に問題を残すし、先ほどの地元住民の意見を十分聞くという問題からいきましても、これは非常に問題が残るし、不満が残るんじゃないか、このように思うわけでございます。ですから、そういう点で料金の構想について私どもが要望し、地元の方々が期待されるような、いわゆる若戸大橋でとられたようなそういう高料金を取るような処置、これを考慮されるかどうか。  それからもう一つ、最後ですけれども、現在船で生活を立てておられる、あるいは港で生活を立てておられるというようなこういう方たち、この橋ができ、路線ができることによって将来の職業とか生活に非常に大きな影響を及ぼすわけですね。先ほども航行上の問題についての補償問題の御質問があっておりましたが、こういう将来の、現在船やあるいは漁業で生活を立てておられる方々に対する職業をかえるとかあるいは暮らしを立てるというような問題についての配慮、どういう具体的な配慮が大体構想せられておるか、そういう点の御答弁を願いたいと思います。
  113. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 料金につきましては今後きめる問題でございまして、一般有料道路料金といたしましては、やはりそこを通過することによって受ける利便の範囲内で料金をきめておる次第でございまして、決して別の方法——これによって生じるいろいろ利益計算を計算いたしまして、その範囲内で料金をきめる次第でございます。  もう一点は、地元に無料にし、大企業に有料ということも、実際に個々の車についてなかなかそういう区別はできませんし、まあ現在の有料道路としては、そういう企業別で料金をきめていない次第でございます。  もう一つの地元の港湾関係また船の関係で離職するような方々に対してはどうするか、この問題は今後の一つ問題かと思います。そういうような地元の受け入れ体制も含めまして、今後円満に解決をはかってまいりたいということを考えております。
  114. 田代文久

    ○田代委員 要望として、料金問題は非常にこれは問題になりますから、いろいろ答弁がありましたけれども、十分考慮していただきたい。全国の各橋の実績なりあるいは見通しとの関係ですね。  以上をもって質問を終わります。
  115. 福井勇

    福井委員長 最後に、關谷勝利君。
  116. 關谷勝利

    ○關谷委員 この架橋の問題につきましては、いままで激しい陳情合戦が続けられましたが、その際の党の首脳部あるいは関係閣僚等の御答弁といいますか、陳情を受けた際の発言は、これはその人々によって異なってもおりまするし、またその同じ人でも、そのときによってニュアンスが違います。   〔福井運輸委員長退席金丸建設委員長着席〕 ときによりますと、相手によって、両方ともに対しまして一方では右と言い、一方では左と言うような発言をされておるということもあるのであります。したがいまして、いまこの三橋の関係者のところでは、どこらがほんとうなのかという疑心暗鬼と申しますか、暗中模索の状態にあると思います。そこで、ひとつこういうふうなことがはっきりとするように、大臣から御答弁を願いたいと思います。なお、大臣がかわりますと次の大臣は、あの大臣はそう言うても、ぼくはそうではないんだというような御答弁もときにはあるのでございます。そういうふうなことのないように、実力大臣である根本大臣が、ぼくが答弁したことはそのとおりやれよ、必ず変えてはならないぞということで、これは次へひとつ引き継ぎを申し渡しをしておいていただきたいと思います。これだけ最初に申し上げておきます。  それから第一にお尋ねを申し上げたいのは、この公団によって本四連絡橋、これを三本とも、書いてありますところを見まするというと、全部「建設及び管理を総合的かつ効率的に行なう」と書いてありまするので、ことばの上から申しますると、これは建設までやるんだということになっておるようであります。ところが、これは大臣の御発言でありまするが、いままでに、これは体制の整ったところからということの御発言もございます。三月の十七日のこれは御発言でございます。また社会党の藤田君に対する御答弁で、地元の体制で早まるというようなことも言っておられるのであります。そういたしますと、本四架橋公団でこれが全部やるということになるというと、協力体制のあるところが早くなるのだということであるのか、あるいはこれが場合によれば、きょうの大臣の御発言でありまするが、これは三橋とも公団でやるとは限らない、一部民間資金でやるところもできる、こういうことを言っておられるのであります。そうすると、これは順序だけの問題ではなくして、かわった主体によって、あるいは具体的に申しますと、地方道路公団というようなものにこれを引き継ぐ、あるいは肩がわりをする、こういうふうなことも考えておられるのかともとれまするので、そこらをはっきりとひとつ間違いのないように、地元がこれから陳情いたします際にも、ここではっきりときまっておればその趣旨に基づいて御陳情を申し上げる、こういうことにもなりまするので、はっきりと御答弁を願います。
  117. 根本龍太郎

    根本国務大臣 簡潔にお答え申し上げます。  この公団は、技術開発から設計調査から一応全体の三ルートとも公団でやるというたてまえで、これは公団法はつくっております。しかし、一面におきまして地方道路公社法案を提案していることも事実でございますので、これができた場合、この制度を利用して、いま三ルートのうちどこかの路線がやろうとした場合に、これを許さないというわけにはいきません。したがいまして、その点は関係者の御意思に相当依存するということになるわけであります。  それから、私が先般来御質問に答えておりますることは、先ほどもございましたが、三本とも同時に着工という物理的、時間的に用意ドンというようにやれというような印象があるからそういうわけにもいくまいだろう、それには実施設計をし、技術開発をした段階において、先ほど御説明申し上げましたように、現実に着工するという場合にはいろいろの問題がございます。いわゆる土地買収の問題もあり、漁業補償の問題もあり、運航の安全等諸般の問題がここに解決しなければ、これは着工できないわけです。だから、その点を関係地元民においてその条件を早く整備したほうが、物理的にもそれから行政的にも着工が早くなるという事実は客観的に言えると思うのであります。そういう意味のことを言っておるのでございます。
  118. 關谷勝利

    ○關谷委員 それではただいまのお話を承りますと、たてまえとしては、これは三本とも連絡橋公団でやるのだ、しかしながら、地元で希望のあるところは、地方道路公社法が現在提案せられておるので、それで希望するところはそれはやらしてもいいのだ、これは実施の段階であって、この調査、それから技術開発とかあるいは実施設計の面までは少なくともこの架橋公団でやる、こういうことになるわけですか。その点をひとつはっきりとお答え願います。
  119. 根本龍太郎

    根本国務大臣 そのとおりです。
  120. 關谷勝利

    ○關谷委員 そういたしますると、この調査設計をやりまするのは、この三つの橋につきまして一つ一つ調査設計を順序をきめて行なうのか、あるいは同時に調査設計にかかるのか、あるいはやりやすいところから調査設計にかかるのか、この点もう大臣の腹がまえはできておられるはずでありまするので、お尋ねをしたいと思います。
  121. 根本龍太郎

    根本国務大臣 調査技術開発は共通性が相当ありまするので、一緒にやるわけであります。それを同時着工と表現しているのでございます。(「名答弁だ」と呼ぶ者あり)
  122. 關谷勝利

    ○關谷委員 メイ答弁は迷うほうの迷答弁でございますが、これはその技術開発の要りまするのは、私は、主として併用橋の場合につきましては、鉄道建設両方の技術的な打ち合わせ、技術開発、いろいろこれは要ると思います。ところが、併用橋でない、単独橋であるというようなものにつきまして、しかも技術的には文句なしといままで建設省が折り紙をつけておるようなところがあります。そういたしますると、そういうところはその必要がないから先にかかるのだ、こういうふうな解釈はしてよろしいか。
  123. 根本龍太郎

    根本国務大臣 そういう結論は出ていないと思います。先ほど御質問がありましたように、運航の安全の問題とか、あるいはまたその海底工事の問題とか、いろいろの問題が、あるいはコンサルタントにおいては解決したというようなものもあるようですけれども、これはそう端的に結論ができない。そこで、この公団で従来の資料を尊重しながら実施、設計並びに技術開発もやっていくということでございます。
  124. 關谷勝利

    ○關谷委員 結論が出ていないということは、これはおかしいのです。私はかつて質問をしたことがあるのでありまするが、その際に、鉄道併用橋でありまする二つの橋につきましては、いろいろと建設省意見も言っておりました。そして、単独橋である一つルートにつきましては何ら触れない。しかもそこを飛び越えて、関門の架橋のこと、トンネルのこと、そういうふうなことがあるから、なぜこの三つの中で一つだけは説明をしないのかと申しましたところが、これは文句なしということでございますと。文句なしということは、何にも言わない、けちのつけようがないから言わないでいいのでしょう、文句なしということばで御了承をいただきたいという答弁があったのであります。  そういたしますると、これらにつきましては条件がすべて整っておるのだ、文句はないのだ、こういう結論が出ておるはずであります。技術屋の関係の首脳部に聞いていただければわかると思いますが、それなら、そういうふうなところは早急に順序をきめていくということになりまする場合に、早くそれをやるということになるのかならないのか、お尋ねをしておきたいと思います。
  125. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 ただいまのお話は尾道−今治のEルートお話かと思いますが、これは、鉄道調査しておりませんので、道路の単独の橋でございます。これにつきましても、文句ないということを私言った覚えはございませんが、ただ、ほかのルートに比べれば、技術的に難易はやさしいほうだというようなニュアンスのことだったと思います。ただ、どっちにいたしましても、そのルートについて千メートルのつり橋でございまして、現在関門のトンネル架橋自身が七百十二メートルの架橋でございます。またそれ以上の大きなものになりますし、耐風、耐震、また先ほど御質問ございました船の問題、こういう問題を入れますと、隅田川に橋をかけるというような文句ないというようなものでもないというふうに考えております。
  126. 關谷勝利

    ○關谷委員 これは蓑輪局長の発言というのではないので、いま次官である、前の道路局長、そこがはっきりと言うておるので、そのときの発言について私はあとでまた証人を幾らでも引っぱり出してもけっこうでありまするので、私がまたそれは証明をいたします。  これにつきましてはそのくらいで押し問答はやめますが、それでは、ここで、技術開発その他、これは難易がありましょうが、そういうふうなことをこの公団がやった、そうしてその実施設計が終わった。こういうふうなことになってきますと、その際に、地元が早くやりたいというような希望で、地方道路公社法によってこれをやりたいという希望があった場合には、大臣は許可をいたしますね。
  127. 根本龍太郎

    根本国務大臣 私はそのつもりでおります。
  128. 關谷勝利

    ○關谷委員 だめを押しますとそこらでちょっとぼやかすところが、まことにじょうずなメイ答弁という、いわゆる迷い答弁というのでありましょうけれども、もう少し地元へは、やはり心がまえが要る、協力をせいといえば協力をする目標を置いてやらなければならない。それでありますので、それははっきりとその許可をしてやるのかどうかということを、もう一度ひとつ答弁してやってください。
  129. 根本龍太郎

    根本国務大臣 許可する方針でございます。
  130. 關谷勝利

    ○關谷委員 はっきりと答弁を得ました。  それから、この技術開発、全部が共通のと申しますが、これは三つともそれぞれの特性がありますので、共通した場面だけではありません。そういうふうな異なった条件のものに対しましてのその技術開発というようなことにつきましては、それぞれ、公団ができました場合に、分担させていく。おまえはどの橋の担当、おまえはどの橋の担当、おまえはどの橋の担当だと、それぞれAからCまでくらいの部を設けまして、それでそれぞれそれを担当さしてやるのか、一つずつをやっていく——もちろん共通の場面は一つずつやる部門がそこになければなりません。ところが、各三つのそれぞれ異なった条件についての検討というものは、これについての技術開発あるいは設計というものにつきましては、これはそれぞれの部門を設けて同時に——同時着工というのはそこらから出ておるのだろうと思いまするが、そうすると、そのことにつきましては同時に発足をする、こう心得てよろしゅうございますか。
  131. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 各ルートおのおの特徴がございます。現地で実際にそのルート調査をする段階は、これはおのおの三ルートが別々になろうかと思います。現地の調査機関を置くようになろうかと思います。ただ、それを全部本社に持ってきまして、どういう順序に技術開発するかということになりますと、やはり海中の基礎の問題、耐風設計、耐震設計、みんな同じような共通の部分が非常にございますので、そういうのは本社のほうで全部一つにまとめまして、逐次開発しやすいものからしでいくということになろうかというように考えています。
  132. 關谷勝利

    ○關谷委員 そういたしますると、これは公団に支所を設けることができるようになっておりますが、その支所を設けると申しますのは、各橋について一つずっと解釈してよろしゅうございますか。
  133. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 調査段階についても、各橋ごとに一つの機関を設けたい、また建設の場合は、もちろん各橋ごとに一つ建設局というようなものができるというように考えております。
  134. 關谷勝利

    ○關谷委員 私たちが考えましても、第一線で工事をやりまするところの現場の職員あるいは労務者、熟練工というふうなものは、これはなかなか、三つを一緒に着工して、それがやれるほどあるとは考えられません。いまの状態では、ないとはっきり言ったほうがいいのであります。しかも、これらを養成いたしまするためには、やりやすいところから、短い橋から逐次長い橋へもっていくというのが、これがいき方だと思います。技術者の養成という面からいきますと、現場の熟練工というものを養成いたしまするのはそういうふうなところからやっていくべきだ、このように考えますが、それにつきましてのお考えはどうでございますか。
  135. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 ルートが三本ございますが、やりやすいところからかけていくという考え、これは一つ考えだと思います。ただ、総合的には資金の集め方、また技術的な問題の解決のしかた及び地元の受け入れ体制、こういう全般のものを考えて、まずやるべきものをきめていくことになろうかと考えております。
  136. 關谷勝利

    ○關谷委員 時間もありませんので、またあらためて何かの機会にお尋ねすることにしたいと思いますが、地元で非常な誤解をしておる向きもありまするから、これははっきりとしておいていただきたいと思うのでありますが、橋は本州四国の橋の公団でやるのだ、そうしてその中間をつなぐところの道路は国道として国がまるがかえでやるのだ、こういうことをはっきりと党の首脳部で言った人が事実あるのであります。そこで地元といたしましては、橋のほうは公団でやるのだ、それ以外のところは国がまるがかえでやってくれるのだ、こういうふうなことを言われたので、それをそのとおり金科玉条のごとくに考えて、あの人が言ったのだから間違いないのだということで、いまでもそれを信じ切っておる人があります。ところが橋ができますと、三つの橋の料金調整ということもなければならぬと思います。そうする際に、二つは全部公団でやった、ある一つは橋だけやって残るところは国がやったのだということになりますと、料金の調整というようなことができなくなってまいります。そういうことはあり得べからざることだと私自身は考えておりまするけれども、ずっとえらい人が言っておるのだからということで、地元ではそれを信じ切っておるのであります。これはどんなことでございましょうか。ここではっきりさしておいてもらいませんことには誤解が解けません。誤解のないように、ここでひとつ解明していただきたいと思います。
  137. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 橋は公団でやる、そのほかのものは国がまるがかえでやるということでございますが、まるがかえというのは一体どういう意味かわからないのでございます。実は、いまEルート、尾道−今治につきましては、相当島々を橋をかけ渡して本州四国をつなげるわけでございます。その際に、いまのお話は、島の中の道路は国道としてやるという話ではないかと思います。島の中の道路を無料の国道としてやるか、島の中も有料としてやるか、それはいろいろ料金の問題、資金の問題もからみまして、これからの問題だというように考えております。
  138. 關谷勝利

    ○關谷委員 これからの問題、この公団ができます際に——私は、きょうの御答弁に対しましてもだいぶ不満があるのであります。昔は、法律案を提出いたします際には、この中に政令ということばが使ってありますが、政令の案というものも全部示して親切な答弁ができたものであります。いまは、法律案を通すのに、なるべくそういうことをぼかしておいて、逃げられるものは全部逃げておいたらいいんだ、あとから政令で自分たちのかってのいいようにやっていけばいいんだ、悪い解釈をいたしますとそういう解釈もできるのでありますが、あれだけのルートをいままで長らく陳情したのに、橋だけはやって、島内の道路は国道でやるのかどうかまだわからないというようなことは、私はあまりにも無責任過ぎるのではなかろうかと思います。そういうことだと、やはりそういうことができるのではなかろうかという期待感を持ちますが、この期待感を持ってよろしゅうございますか。これは大臣から答えてもらいたい。
  139. 蓑輪健二郎

    蓑輪政府委員 私からまず最初に事務的なことを申し上げたいと思います。  実は、政令の問題は確かにおっしゃったとおりかと思います。しかし、これを出す際は、関係公共団体の意見も十分聞いて政令をきめるというように考えておりまして、出資の団体にしろそういうものは、これから地元公共団体の意見を聞いてから行ないたいと考えております。  もう一つ、島内の道路については国道としてやるか有料でやるかきまらないということでございますが、いまの考えでは全部を有料でやろうという考えがまずあります。ただ、昭和六十年までにこの三ルート完成するということになりますと、その間で国の資金がどれくらいになるか、そういうことも考えますと、有料道路というのは無料でやる一つの便法でございますので、無料でできるものなら将来無料にしたいという考えもあって、そういうことはこれからの問題だというようにお答えした次第でございます。
  140. 金丸信

    金丸委員長 關谷君、お約束の時間が参っておりますから、ひとつよろしくお願いします。
  141. 關谷勝利

    ○關谷委員 これで終わります。  それでは、十分にはっきりとした解明がされないままにこの質問を終わることになりますが、ここでお願いしておきたいのは、ここに書いてある政令というのがあります。その政令の案をあとで御提出を願いたい。あとでけっこうでございます。それと、それぞれ地元の協力体制ということをたびたび言われておりますが、地元の協力体制はどのようなことに対しての協力体制か、一から十まで、どれとどれが整ったものから着工するようになるんだということがはっきりとわかるような協力の基準を、あとで書面でけっこうでありますから、出していただきたいと思います。  これだけお願いしておいて、これが十分にわからないままに質問を打ち切ります。
  142. 金丸信

    金丸委員長 以上で本連合審査会を終了いたしました。  これにて散会いたします。    午後一時七分散会