○浦井
委員 非常にこまかいところまでお答えいただいたのですが、最後に、もう
一つ排気ガスの問題についてお聞きしたいのですが、いま神戸市では、神戸高速二号線というのが、細長い神戸市の町を縦貫しているという問題がある。本年度着工で四十九年度に完成する予定になっておるのですが、これは現在ある山手−上沢線の道幅を広げて三十六メートルにするのですが、この上に四車線の高速
道路をつくるというわけで、そうしますと、両側の家がちょうど側壁になって、そうして高速
道路の下がちょうど天井になって、道全体が隧道状になってしまうのですね。そうすると、排気ガスが抜けるところがない。排気ガスがその中に充満してしまって、家の中にどんどん入ってくるということが当然予想されるわけです。すでにそれの萌芽の形では、高速一号線もそういう
状態になっておるところがあるわけです。これは私、医者として申し上げるのですが、三月の二十何日かしらの朝日新聞に、名古屋大学でネズミの実験をやって、排気ガスをどんどん半年吸わせると、たくさん吸ったネズミは肺繊維症を起こす、あるいは脳細胞が萎縮した。他の排気ガスを少ししか吸わせなかったネズミに比べて明らかに有意の差が出たということが、たしか三月の二十八日の朝日新聞に出ておったと思うのですが、こういうことが人間でもやはり起こる可能性があるというふうに思うわけです。こういう高速二号線が通りますと、その両側に住んでおる人
たちは、どんどんと四六時中排気ガスを吸わされる。これは医学的にも人道上も非常に問題だと思う。こういう問題は、神戸だけでなしに、この都会の中で、もう至るところで今後起こるのではないかというふうに予想されるわけです。その点について、ひとつ
局長に
対策その他についてお尋ねしたいのと、同時に、時間がないので一緒に質問させていただきますけれども、こういう
状態の中で、やはり根本的な
対策を考える必要があるのではないかということで、三点ほど大臣に
提案をさせていただき、お答えをいただきたいと思うのですが、
自動車がふえて交通が渋滞する、だから
道路をつくればいいのだというふうに簡単に考えるのでなしに、先ほどから言われておりますようにモータリゼーション
対策、無制限にそれを許しておく、放置しておくというような点についてもひとつ抜本的、根本的に再考する必要があるのではないかという点が
一つ。それから第二点につきましては、さしあたって大都会、都市の中に無制限に大型トラックなどが入ってくるのを規制する方法をひとつ講ずべきではないかというふうに思うわけです。それから第三点は、特に
道路建設の問題をも含めて、神戸のような通過都市、町の中を
道路が通って、そしてどんどん車が走る。しかし、その走っている車は、その町にはほとんど関係なしに通り過ぎていく、そして非常に多くの被害だけをその都会に残していくという問題、こういう問題があるわけです。だから、そういう場合には、やはりそういう被害を及ぼすような
道路というものは、できるだけ都会、都市をはずれたところを通すべきではないかというふうに私考えるわけなんですが、その三点については、ひとつ大臣にお答えを願いたいと思うのです。