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1970-11-16 第63回国会 衆議院 決算委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十五年十一月十六日(月曜日)     午前十時三十三分開議  出席委員    委員長 濱野 清吾君    理事 小山 省二君 理事 高橋清一郎君    理事 丹羽 久章君 理事 森下 元晴君    理事 華山 親義君 理事 鳥居 一雄君    理事 吉田 賢一君       中村 弘海君    原 健三郎君       三原 朝雄君    水野  清君       田中 武夫君    日野 吉夫君  委員外出席者         公正取引委員会         事務局長    吉田 文剛君         警察庁交通局長 久保 卓也君         大蔵省主計局主         計官      相原 三郎君         厚生政務次官  橋本龍太郎君         厚生省環境衛生         局長      浦田 純一君         厚生省薬務局長 加藤 威二君         厚生省薬務局製         薬課長     岡  浩策君         農林省農林経済         局企業流通部長 森  整治君         中小企業庁計画         部長      斎藤 太一君         運輸政務次官  山村新治郎君         運輸省船員局長 佐原  亨君         運輸省港湾局長 栗栖 義明君         運輸省鉄道監督         局長      山口 真弘君         運輸省自動車局         長       野村 一彦君         運輸省航空局長 内村 信行君         運輸省航空局飛         行場部長    丸居 幹一君         会計検査院事務         総局第三局長  中村 祐三君         会計検査院事務         総局第五局長  石川 達郎君         日本国有鉄道総         裁       磯崎  叡君         参  考  人         (新東京国際空         港公団総裁)  今井 榮文君         参  考  人         (新東京国際空         港公団理事)  磯江 重泰君         決算委員会調査         室長      池田 孝道君     ————————————— 委員の異動 十一月十六日  辞任         補欠選任   阿部 文男君     三原 朝雄君 同日  辞任         補欠選任   三原 朝雄君     阿部 文男君     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  昭和四十三年度一般会計歳入歳出決算  昭和四十三年度特別会計歳入歳出決算  昭和四十三年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和四十三年度政府関係機関決算書  昭和四十三年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和四十三年度国有財産無償貸付状況計算書  (運輸省所管日本国有鉄道厚生省所管)      ————◇—————
  2. 濱野清吾

    濱野委員長 これより会議を開きます。  この際、国庫債務負担行為総調書の様式をお手元に配付したとおり改正することについて、本日の理事会において了承したことを御報告いたします。      ————◇—————
  3. 濱野清吾

    濱野委員長 次に、おはかりいたします。  先般、本委員会は、委員を二班に分け、第一班を愛知県、岐阜県、滋賀県、兵庫県、大阪府、第二班を群馬県、新潟県、長野県にそれぞれ派遣いたしました。  各班の派遣委員より報告書委員長まで提出されておりますので、派遣委員からの報告聴取を省略し、会議録に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 濱野清吾

    濱野委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。     —————————————   〔報告書本号末尾に掲載〕      ————◇—————
  5. 濱野清吾

    濱野委員長 昭和四十三年度決算外二件を一括して議題といたします。  運輸省所管及び日本国有鉄道について審査を行ないます。  この際、おはかりいたします。  本件審査のため、本日、参考人として新東京国際空港公団より総裁今井榮文君、理事磯江重泰君の出席を願い、その意見聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 濱野清吾

    濱野委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  なお、参考人からの意見聴取委員質疑により行ないたいと存じますので、さよう御了承願います。     —————————————
  7. 濱野清吾

    濱野委員長 質疑申し出がありますので、順次これを許します。丹羽久章君。
  8. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 委員長の許しを得ましたので、運輸省所管国有財産利用収入、四十三年度どれだけあったでしょうか、この点ちょっとお尋ねいたしたいと思います。数字の問題ですから、資料がちょっと手元にないようですから私のほうから申し上げます。  運輸省所管国有財産利用収入は四十三年度二十四億五千四百万円あるのです。ちょっとメモしておいてください。さらに飛行場及び航空保安施設使用料収入が二十二億五千二百万円、これは報告せられておるのです。このうちの航空会社年間使用料算定基準について、これからお尋ねしていきたいと思います。  そこで、東京大阪空港ビル会社に対する国有地貸し付け面積、期間、年限、そして月額貸し付け料平米当たり、あるいは坪当たりでもけっこうです。それから建設面積工事費、これはどのようになっておるか、この点ひとつ報告を願いたいと思います。それから、建設面積のうち官公庁の使用部分民間使用部分はどのようになっておるか。  さらに、これに伴いまして、工事費のうち自己資金だとか借り入れ金だとか協力金だとか敷金等金額についてどういう方法でやっていらっしゃるのか、この点をひとつ御答弁願いたいと思います。
  9. 内村信行

    内村説明員 東京大阪国際空港ターミナルビルの問題でございますが、貸し付け面積について申し上げますと、日本空港ビルディング、これは東京国際空港でございます。これに対します面積は全体で十三万四千四十三平米でございまして、そのうちで官庁部分が二万四千九百五十九平米、それから民間部分が十万九千八十四平米というふうになっております。  それから、その次の御質問建設資金でございますが、資金について申し上げますと、日本空港ビルディング羽田国際空港ターミナル、これにつきましては約八十九億というのが全体の資金でございます。その中で十五億五千三百万程度官庁部分、それから七十三億三千四百万程度民間部分というふうになっております。  それからもう一つ先ほどお話ございましたターミナルビル民間資金の問題、これにつきましては、民間資金といたしましては、建設協力金あるいは敷金あるいは保証金というようなものをもってやっております。
  10. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 そういう金をもって充てておるということがわかっておるから、大体それの内訳を聞いているのですよ。  そこで、八十九億が総体的にまず羽田ではかかっておるのだ。  そうすると、少し話が飛躍しますが、あの空港ビルの建っておる土地ですね。あの土地は一体だれのものでしょうか。
  11. 内村信行

    内村説明員 国有でございます。
  12. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 国有地——そうすると、国があのビルの中で使用している面積というのは、おおまかにいって、国が使っておるいろいろの税関関係だとか貿易関係だとか、そういうのがありますね。それはその総体の建物のうちの大体何%くらい使っているのですか。
  13. 内村信行

    内村説明員 面積は、先ほど申し上げましたように、大体国の部分が二万四千九百平米、それに対しまして、民間部分が約十万九千平米くらいでございますから、大体二四%くらいということになります、十万に対しまして二万四千平米でございますから。
  14. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 十万平米に対して二万四千平米を国が使っているから二四%見当ということですか。
  15. 内村信行

    内村説明員 いや、失礼いたしました。民間が十万九千でございまして、官庁が二万四千九百、合わせますと十三万四千でございますから、十三万四千のうちの二万五千がそうでございますから……。
  16. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 いまの局長さんの話でいくと、十三万何千のうちで国の使っている部分は二万五千使っておる、こういうことですが、そうすると、あとはほとんど民間で使っているということですね。  もう一ぺん尋ねますが、建設資金は八十九億かかっている。それは大体継ぎ足し工事や何かを合わせて八十九億だろうと思うのです、いろいろで。そこで、八十九億円のうちで国はどれだけ出しているのですか。
  17. 内村信行

    内村説明員 建設資金全体八十九億八千七百万円のうち、国が十五億五千三百万円くらいです。
  18. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 それじゃもう一度、済みませんけれどもあとの金の割り振りはどういうような金でこれの建設を進められたのでしょうか。
  19. 内村信行

    内村説明員 先ほど申し上げましたように、民間資金につきましては、敷金でありますとか建設協力金でございますとか保証金とか、そういったものがございますけれども、ただいま割り振りがどれくらいになっておりますか、ちょっと資料がございませんので……。
  20. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 それじゃ局長さん、割り振り資料は大体調べたのですよ。皆さん出資金だとか坪数、どれくらいかかっておるかという平米当たり資料をもらっておりますから、それはそれとしまして、これでいきますと、それぞれ使用料というのが違っておるのですよね。安いのと高いのと、もうたいへんな違いがあるのです。これは、私の想像でいくと、場所のいいところ悪いところによってはそれは違うであろうから、これはやむを得ないということは一応考えられますが、そこで、算定基準というのがきちっとできておるでしょうかどうでしょうか。こういう航空会社だとか、いろいろなものに貸す算定基準というのはきちっとできておりますか。
  21. 内村信行

    内村説明員 算定基準は大体できております。  賃貸料算出基礎、これをちょっと申し上げますと、これは日本空港ビルでほかのものに貸す場合、この場合の賃貸料算出基準でございますが、これはまず建設取得原価、これを出します。それから、その建物経営原価といたしましては、建設している原価に対しまして資本の報酬率がどれくらいか、これが大体一〇%くらいでございます。それから償却率を大体年平均しまして、耐用年数二十五年くらいに見ている、それから固定資産税が大体一・六%程度、それから社会保険料率が〇・一六%くらい、それから、そのほかに年間土地使用料が大体四十一年から四十四年度まで、これを平均いたしまして、大体、年坪当たり千円くらいとしております。それから年間不動産管理費、これはいわゆる不動産管理に必要な役員報酬とか人件費物件費あるいは管理費構内清掃費、そういうような一般管理費を出しまして、それによりまして年間建物経営原価というものを出しております。それを十二分の一いたしまして月間を出します。ただし、その場合に、このターミナルビルと申しますのは公共部分がだいぶございます。したがいまして、一般ビルと異なりまして、金になる部分が至って少のうございます。有効率から申しますと、大体五〇%弱程度有効率でございます。そういうものを掛けまして、それによりまして年間平均坪当たりの単価を出しておる、こういうところが算定基準でございます。
  22. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 局長さんの説明を聞いておりますと、なかなか順序正しく大体うまくやっているようですが、資料を追求していきますと、そんなにうまくいっておりません。これは頭の中に置いておいてください。もう少しよくお調べいただくと私の言うことがわかっていただけると思います。  そこで、空港の中の出店者、いろいろな商売をやっている人、そういうのは一般募集をせられるのか、あるいは指名できめられるのか、どうでしょう。これは空港管理規則からいきますと、なかなかむずかしいことが書いてあって、許可というものに対しては選考をきちっとやるのだということになっておりますが、そのような事実に基づいてやっていらっしゃいますかどうですか。これは時間がありませんからまたの機会にゆっくり聞こうと思いますから、大綱的なお考えだけでもひとつお聞かせいただきたい、こういうふうにやっているのだということを。いま申し上げたように、一般募集でやっておるのか、適当な人であるという、その申し出によって指名でやっていらっしゃるのか、この点の二点だけをお尋ねいたしたいと思います。
  23. 内村信行

    内村説明員 御質問の点でございますが、必ずしも特定の人に指名ということはやっておりません。すなわち、一般に公開しておるような形でやっております。  その場合にどういうふうにきめるかということでございますけれども空港構内営業につきましては、先ほど先生のおっしゃいましたように一応の基準を持っております。大体の基準は、空港利用者の利便のために必要なものであるということ、それから健全な計画による経営が行なわれるということ、途中でもってだめになってしまうようなことのないように。それから資産信用経営能力があるということ、それから空港全体を適切に運営していきます際に支障にならないということを大体の基準にいたしまして承認をしてまいるということであります。いま申し上げましたのは、政府としての承認基準でございますけれども空港ビルも、こういうふうな基準をながめながら大体されておるというのが実情のように聞いております。
  24. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 なかなか順序正しい話ですけれども、私がこの問題を尋ねる上においては、やはり何かまだまだそう順序正しくはいっていない点があるのですよ。だから、今後こういう点については、局長は十分に監督をし、考えていただきたいと思うのです。  そこで、空港の中の営業をやっている人たち、これは少なくとも外国から来た人たちはここで食事をしたり、あるいは帰るときに最後のなごりの食事をするでしょうけれども、ここが一番日本印象を植えつけるところだと私は思う。そういうようなところについては、ただ単なる売店としての考え方ではなくて、日本という国のイメージの最後をつくり上げていくところであると私は考えるのですけれども、そういうような問題については、私は店というものは相当重要な役割りになってくると思うのですよ。  そこで、指導あるいは監督という面については、このような売店に対してどのようにおやりになっておるでしょうか。
  25. 内村信行

    内村説明員 確かに、先生おっしゃいましたように、空港における売店とかいうものは、単なる品物を売るというだけではございませんで、やはり一国の代表と申しますか、一国のまず第一の印象を与えるものでございますから、これは非常に重要なところだと思っております。したがいまして、それを認めます際には、空港品位を傷つけることがないようにということはまず考えていかなければならない。したがいまして、その空港秩序品位を害さないように、たとえば————などをああいうところに置くということは間違っておりますので——間違いと申しますか、まあ単なる例でございますけれども、そういった意味で、品位秩序を傷つけないということが必要である。それからまた、お互い過当競争になって、品もなくして競争し合うというようなことがあってはいけないというようなことがございます。また、一方において非常に独占的になりまして、独占価格を形成するというようなことになってはいけないというようなことから、そのような点をかね合わせて指導いたすつもりでございます。
  26. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 いま局長━━━━のようなものは、とおっしゃいましたけれども、あなたは━━━━というものはそういう認識をしていらっしゃるのですか。特に名ざして━━━━とおっしゃったけれども、これはおかしいと思うのです。そういうことばは適当でないと私は思う。どうでしょう。
  27. 内村信行

    内村説明員 ただいまたいへん失言申し上げまして、失礼いたしました。
  28. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 その点、少し速記録から消さしてもらわなければならない。━━━━のようなというのは、━━━━というのは品位を傷つけるものになるということなんです。これは適当でない。だから、局長もいま少し——このことは直されたようですから一応了承しておきたいと思います。  時間がありませんので━━━━論議はおきますが、あなたのおっしゃる品位を傷つけるような商売というもの、あるいは娯楽というものは中に置きたくないというお考えはよくわかるのですけれども、それに対する行政指導観というものはありますか。あれだけの中、いろいろぐるぐる回って、そうしてやはり本格的にやってもらわにゃいかぬと思うのですよ、非常に印象的な問題になりますから。これはもう時間の関係でぼくは答弁をほしいと思いませんが、特にこれは局長考えいただきたいと思うのです。そういうことが最も日本の第一印象をよくすることであろうと思いますから。  それから、東京国際空港ビルの中に東京エアターミナルというのがありますね。これは局長、まだ新しいから御存じないか知りませんが、東京エアターミナル会社というのがあるのですね。ここで、一つ会社で相当たくさんの営業をやっておるようでありますが、これはどういうわけでこのようなふうにやらしているか、この事情をちょっとお聞かせいただけませんか。
  29. 内村信行

    内村説明員 先生おっしゃいますように、そのターミナルビルの中には東京エアターミナルホテルというふうな会社がございます。このことを御指摘になっていると思います。これにつきましては、先生指摘のように、いろいろな飲食営業というふうなものを兼ねて行なっております。これにつきまして、おそらくあまり独占的になってはいけないんじゃないかというふうな御意見ではないかと思います。このほかにも、必ずしも独占ではございませんで、東京空港サービスというふうな会社がございますけれども、ただ、ここで注意しなければいけませんことは、この国際空港における業務というものは、非常に特異な性格を持っております。と申しますのは、飛行機が非常に延着するとか、あるいは、出たけれどもまた帰ってくるとか、あるいは取り消しになるというようなことがございまして、スケージュールと申しますか、動き方が非常に浮動的でございまして、したがいまして、二十四時間というもの必ず営業しなくちゃいけない、いざというときに大量の旅客というものを吸収し得る体制を整えなければいけないということがございますし、そういった二十四時間営業、あるいは常時大量客というものの受け入れを準備するというようなことが必要でございます。  そういったことを考えてまいりますと、これがばらばらに運営されておりますと統一がとれない。したがいまして、空港ターミナルビル運営と一体的に、一つの一元的な責任体制のもとに、いかなる事態にも対処するということが必要でございまして、そういった意味から、ある意味において、系列下において独占的に行なうということをやっているというのが実情のようでございます。
  30. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 独占事業経営円滑化を期するんだなんというような考え方は古いですよ。ちゃんと国が指導していったら、だれが入ったって、その指導方針に基づいてみなが良心的にやるのです。だから、そういうふうな二十四時間やらなければならぬといったって、よそで幾らでも二十四時間経営をしておるし、大きなビルの中の出店舗というのは、全部それぞれお互い一つ規則を守っているんですから、これはひとつ考え方を新たにしてください。いま直ちにこれをとりやめよとかどうとかという問題ではありませんけれども独占的というのは、横暴になる前提になるのですから、その点は十分お考えいただきたいと思うのです。  時間がありませんので、簡単にひとつ御答弁をいただいて、また次の機会にお尋ねしたいと思いますが、東京有料駐車場は、これは国有地になっております。しかも国費で舗装工事をやっておるのですが、これを民間駐車料金を徴収しておるのですよ。それは一体どういうことでしょうか。ちょっと私どもには判断に苦しむのです。これをあなたのほうは御存じであろうと思うし、大へんな面積であります。相当大きな金額でありますが、どうしてこういうことを民間が、国有地舗装もさせ、そしてその運用をしておるか、これはごく簡単にひとつ答弁だけ願っておきまして、またこの次にゆっくり私は資料を集めてお尋ねすることにしたいと思いますから、局長の知っていらっしゃる範囲で御答弁願いたいと思います。
  31. 内村信行

    内村説明員 飛行場部長から答弁申し上げます。
  32. 丸居幹一

    丸居説明員 駐車料金考え方でございますけれども、もちろん地代が安うございますし、それから、おっしゃるとおり上を国で舗装いたしております。そこで地代舗装料金舗装原価を割り振ったもの、それから保険をかけておりまして、この保険と、空港ビルがあそこをサービスいたします維持管理費でございますね、これを合わせたものとして料金を徴収いたしております。したがいまして、一般駐車場料金よりははるかに安いもので運営しておるような状況でございます。
  33. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 それじゃ、民間にやらしておるのかやらしてないのか、どうなんです。安いとか高いとかというようなことは別として、そういうような国有地舗装をして、しかも民間にやらしておるのかやらしてないのかと聞いておるのだ。
  34. 丸居幹一

    丸居説明員 その運営だけをやらしておるわけです。
  35. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 そうすると、金はどうするのだ。
  36. 丸居幹一

    丸居説明員 金はビルに入っております。
  37. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 そのビルというのは、国が取っておるのか。
  38. 丸居幹一

    丸居説明員 空港ビルであります。
  39. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 空港ビルとは、民間でしょう。
  40. 丸居幹一

    丸居説明員 民間です。
  41. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 そうしたら、どうして民間にやらせるのか。それも独占企業として与えたというのか。
  42. 丸居幹一

    丸居説明員 それも民間でやらせるということの考え方は……。
  43. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 どこできめたのか。
  44. 丸居幹一

    丸居説明員 航空局で免許いたしました。
  45. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 そういうものを全部、そういう国有地、しかも舗装をやる。——料金は安い。あたりまえのことだ。一つのものをもらって料金をよそ並みに取っておるといったら、とんでもないことだ。だれが考えてみたってそうでしょう。安いのはあたりまえのことだ。どうしてそういうところに渡したということなんだ、ぼくの聞いておるのは。けれども、きょうは時間がないので、あとでゆっくり聞きましょう。民間に渡したということは間違いないでしょう。
  46. 丸居幹一

    丸居説明員 そのとおりでございます。
  47. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 どういう方針でそういうふうにしたのだということは、今後お尋ねすることにしましょう。きょうはありがとうございました。  それでは、新東京国際空港についてちょっとお尋ねしたいと思います。きょうは参考人おいでいただきまして、ありがとうございました。  これは四十六年四月に完成の予定と聞き及んでおりますが、その進捗状態をちょっと聞かしていただけませんか。
  48. 山村新治郎

    山村説明員 先生おっしゃいましたように、四十六年四月というのが当初の予定でございました。しかし、まあ御存じのように用地がなかなか取得できないというようなことで、いまのところの見通しは、四十六年の六月ぐらいにあらゆる施設を完備したい。ただ、その施設ができたあとで、いろいろこれを検査したり、また調整したりする関係もございます。夏の終わりから秋ぐらいに開始ということになるかと思いますが、こまかい問題は総裁より申し上げます。
  49. 今井榮文

    今井参考人 いま山村政務次官からお話がございましたように、私どもは昨年の秋から鋭意建設を進めておりますが、御承知のように、土地収用関係につきましては、一坪運動、団結小屋等、意識的に空港建設に反対するというような土地共有等の問題がございまして、若干のおくれを見ておることはまことに遺憾だと思っております。しかし、いま政務次官が申し上げましたように、空港の供用を開始するのに必要な四千メートル滑走路あるいは誘導路、エプロン、それから必要なターミナルビルの設備というものは、現在の私どもの目標では、何としても来年の六月末までには完成させる、それからあと航空局によります各無線機器、保安施設その他のチェックがございまして、それから世界各国に対する供用開始のノータムというものがございまして、それに若干の時日を要するということでございます。ただいま政務次官が申し上げましたように、来年の八月ないし九月ごろには何としても供用開始にこぎつけたいというのが現在の実情でございます。
  50. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 技術的な問題になりますから総裁に聞いておきたいと思いますが、いまあなたが言われたように来年の六月なり八月というと、予定よりは一年有余延びるわけですね、来年というのは。そうすると、四十六年の四月から八月というと三カ月か四カ月おくれるだけだ、こういうことなんですか。  そこで、三カ月か四カ月というのは工事上やむを得ないことだと思いますが、一番大きい支障というのは、用地買収のうちで一坪問題というのが一番大きい支障になるのですか、そうでもないですか。
  51. 今井榮文

    今井参考人 私どもの大体の従来の経験でございますけれども、若干の夏の長雨、六月から七月にかけて相当長期にわたって雨が降ります。御承知のように、関東ローム層というか、工事が降雨によって非常にやりにくいという面がございます。それから九月あるいは十月に入りまして、若干の秋の長雨というようなことが工程上若干の影響はいたしておりますけれども、これは突貫工事によって克服するということも可能だと思いますが、現地における反対同盟のいろいろな妨害であるとか、あるいはまた土地収用を現在私どもが申請いたしております一坪運動が二十三カ所、これは面積にいたしますれば、全体の工事区域五百ヘクタールに対してわずか三・六ヘクタールでございますけれども、二十三カ所に散在いたしておる、しかもそれがエプロンのまん中である、あるいはまた今後誘導路を造成しなければならない柱の部分である、あるいはまたターミナルの前面であるというふうな比較的大事なポイントに散在をいたしておるわけであります。工事は全面的に発注はいたしておりますけれども、これを解決しなければ空港というものは完全にはでき上がらないということで、私ども土地収用委員会に対しまして、極力早く裁決をいただくことをお願いをいたしておるわけでございますが、これが遅延の一つの大きな要素になっておるということは、私どもとしては平素感じておるところでございます。
  52. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 新東京国際空港というのは、羽田が行き詰まってきて、そこで着想した新しい空港として一日も早く完成してもらって、そして事故を防ぎ、そして航空行政の大きな発展を目ざしておるのです。少々の反対は、いろいろ理論的にイデオロギーも違うし、農民の上においても反対もありましょう。しかし、事ここにきまってきたのですから、すでに工事は着々と進められてきた。御苦労のほどはよくわかりますけれども、勇気を持ってしっかりやってください。心からお願いいたしたいと思います。  それで、先ほどから航空局長さんにお尋ねをいたしておりまするが、こういう新しい空港にはいろいろの利権的なと言っては語弊がありますけれども商売上の問題やら、何かいろいろ入り込んでくるだろうと思うのです。  そういう意味におきまして、私は少し自分の私見を述べたいと思いますけれども、与えられた時間がもう超過しておりますので簡単に申し上げますけれども、少なくとも公平を期して、そして協力した人々が行き場がないというような面もひとつ取り入れてやっていただいて、何かそこの空港によって生活のかてが求められるとするならば、それもお考えいただくように、つとめてそういう面に十分な配慮をされることを私はいまからお願いしておきたいと思います。それに対する総裁考え方はどういうようなお考えを持っていらっしゃるのか。いままでは新しい空港ビルができた。先ほども航空局長が言っておられるように、独占的であるけれども一つはやむを得ない現象だということでありますが、今後はそういうことのないような行き方が私はいいと思うのですけれども、どういうふうに今後これを運用しようとお考えになっておるのか。もうあとわずかなところで開業もしなければなりませんので、もうすでにその構想はまとまっておると思いますが、その構想の一端だけをお聞かせいただけばけっこうだと思います。どうでしょう。
  53. 山村新治郎

    山村説明員 先生おっしゃいましたように、今度の新国際空港のいわゆる構内営業権、これにつきましては、実は昭和四十一年の七月四日付の閣議決定というのがございます。これは「新東京国際空港の位置決定に伴う地元対策について」ということでございます。この内容は、地元民に最優先させる、いわゆる特殊な構内、機内の食事の提供とか、それから保険、銀行また貨物取り扱い、こういうようなものはちょっと地元民には無理だと思いますが、一般の人間でできるような清掃とか除草、また運輸業、ハイヤー、タクシー、またみやげもの、食堂、花屋、これらについては地元民でできるものは最優先でこれを許可するということでございますので、先生おっしゃいましたように、一部の独占に、全部いまの羽田空港のようなぐあいには今後はやらないようにということ、公団をしていわゆる閣議決定を十分尊重するようにということで、公団には運輸省のほうは伝えてあります。
  54. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 どうもありがとうございました。
  55. 濱野清吾

    濱野委員長 航空局長、それから飛行場部長か、それから運輸省の方々も、委員の皆さん方が一体何を質問しているかということをはっきり握って御答弁してくださいよ。そうでないと時間がかかる。たとえば、失礼だけれども、同僚のいまの質問について、君たちは企業計画の内容だけ説明して、使用料の算定基礎はどうかといって同僚が質問をしているのに、それには答えていないのだな。何も会社をつくって、その企業運営計画というものを聞いているのじゃないのだ。これじゃ答弁にならぬのだ、実際において。あとで聞かれたときには、委員の皆さん方が何を聞いているかということをよくつかんで答弁してもらわなければ、ただしゃべればいいというものじゃない。でたらめばかりやっちゃだめだよ。たとえば算定基礎の土地が幾らと君たちが税率まで勘定して、まことに親切のようだけれども答弁にはなっておらぬじゃないか。速記を見たまえ。あとでよく注意してやってくれ。
  56. 山村新治郎

    山村説明員 きょうは、資料をいただきに行ったときに、その答弁はしないということだったので、ほかの資料ばかり集めてしまったのです。気をつけます。
  57. 濱野清吾

    濱野委員長 一体東京国際空港は利権の巣くつだと世間では言っているのだから、だからあの質問が出るのだ。怠けちゃだめだよ。  それでは森下君。
  58. 森下元晴

    ○森下(元)委員 私に与えられた時間は三十分でございます。その間に、港湾の整備計画の問題それから補助港湾の整備問題それから自動車損害賠償責任保険の問題、それから最後に国鉄の赤字路線の問題、こういう順序で急いで質問をしたいと思います。  初めに港湾の整備問題。経済成長に伴いまして港湾の貨物量は飛躍的に増大しております。そうして入港船の増加によります慢性的な滞船、これを緩和するとともに、船舶が非常に大型化しておりますので、そのための港湾施設を整備するために、港湾整備緊急措置法に基づいて第三次港湾整備計画が策定されまして、四十三年度から四十七年度の五カ年間で総事業費一兆三百億円、これがきめられまして、着々と整備しておりますけれども、いま申し上げましたように、この滞船問題、それから港湾の整備並びに管理運営につきまして、港湾の機能が十分発揮し得ない点がたくさん見られます。  私は最初に、この港湾整備の問題の中の滞船問題についてお伺いをしたいわけでございます。第三次港湾整備計画の中におきまして、四十三年度におきましては大体十五億三千万トンという計画であったのが、実績は当初の予想をはるかに上回っております。そのため神戸等の五大港では昭和四十三年度の平均滞船率が一二・七%で、一隻当たり平均滞船時間が三十四時間、こういう数字になっておるわけなんです。四十年度に比べますと非常にふえておるわけなんです。この滞船問題につきまして御所見を伺いたいと思います。
  59. 栗栖義明

    ○栗栖説明員 滞船問題につきましてはただいま先生指摘のとおりでございまして、五カ年計画で鋭意埠頭の整備をやっておりますけれども、私どもの見通しがはなはだ甘かったと申し上げますか、経済成長が非常に早かったものでございますので、貨物の伸びも予想外にふえまして、滞船を緩和したいということで進めておりますが、現在のところ横ばい、場合によったら悪化の部分も出てくるということもございます。実は、先ほども指摘ございましたように、貨物量が当初の予想を上回っておりますので、新しい経済社会発展計画に順応いたしまして、もう一度再検討いたしまして、できれば五カ年計画も改定してこれに対処したいというふうに考えております。
  60. 森下元晴

    ○森下(元)委員 次に、漁業補償の問題、それから外材の問題、この二つも港湾の整備につきまして非常に大きな隘路になっておるのじゃなかろうかと思っております。御承知のように、わが国は四面海に囲まれておりまして、漁業者とのいわゆる競合問題が起こる、それが漁業補償の問題になって非常に難航しておる、極端な言い方をすれば、漁業によって海上封鎖をされておる、こういうような極端な言い方をする方もございます。そこに、この漁業補償の早期解決をはかるために、土地収用法等の法的措置によって事業の円滑を計画的に推進すべき問題もあるのじゃないだろうか、こういうことがまず一点。それから最近、国内の木材需要の約五五%、これだけの外材が外材港、貿易港に入っておるわけでございまして、これが非常に水面の場所をとり、港内の水面利用によってそれが非常に港湾の機能の障害になっておる、この点につきましての整備、それから漁業補償の方策につきまして御所見をお伺いしたいと思います。
  61. 栗栖義明

    ○栗栖説明員 二点御指摘があったと思います。  第一点の漁業補償の問題でございますが、御承知のとおり、漁業権が設定されておる場所につきましては土地収用法が現在適用されておるわけでございますが、それ以外の区域が実は非常に多うございまして、これはいわゆる許可漁業と申しておりますけれども、海区漁業調整委員会の決定によりまして、県知事あるいは国が許可するという区域がございます。これは現在の法体系では強制収用の対象になっておりません。しかも、その権利を消滅させる必要のある場合もございますし、場合によりましては、一時工事をやる間だけ漁業者に御迷惑をかけるというケースもございます。いろいろなケースがございますが、円満に話し合いをつけてから補償金等の金額も漁業者と詰めまして実施したいということで鋭意進めてございますが、御指摘のとおり漁業補償が難航して仕事が進まないというケースもいろいろございます。これにつきましては、われわれのほうの体制の整備という点のおくれもあろうかと思いますので、十分努力したいと思っております。  なお、木材につきましては、御指摘がございましたように非常にふえてまいっておりまして、全国各地の約六十カ所程度の港を対象にして木材港の整備を進めておりますが、整備よりも入ってくる量が上回るという点が一点と、それからもう一点は、御指摘もございましたように、風が吹くあるいは台風など来ますと非常な被害を起こします。したがいまして、人家等の被害、人畜の被害を考えまして、既存の港湾からだいぶ離してつくりたいというふうに考えておりますが、運んでくる船もだんだん大型化いたしますので、そういう点も配慮して現在木材港の整備を促進すると同時に、新しい事態あるいはふえた貨物量に対しましても処理するように配慮したいというふうに考えております。
  62. 森下元晴

    ○森下(元)委員 次に、補助金の交付の内容についてお尋ねしたいと思います。  昭和四十三年度におきまして地方公共団体等が港湾整備特別会計から補助金の交付を受けておりますけれども、港湾改修工事の実施状況は、工事数が千九百三十七件、事業費が四百五十九億五百万円、補助金が二百三十四億九千百二十万円となっております。これら工事のうち、泊地しゅんせつ工事で港湾管理者負担の維持工事として実施すべき工事費を国庫負担の対象としているものがございます。たとえば大分県の国東港、それから臨港地区外に港湾工事を施工するにあたって、臨港地区の認定もしくは変更等の措置を講ずることなく、あるいは運輸大臣の施設認定を受けることなくして、港湾改修事業として国庫補助金を交付しておるものがある。これは小名浜港です。このように、補助金の交付決定にあたって補助事業の内容の審査が不十分であったために港湾法に定める要件に欠けた港湾工事に対しての措置、対策、これをお答え願います。
  63. 栗栖義明

    ○栗栖説明員 補助金の運用につきましては、私ども港湾工事検査官制度というものを港湾局内におきまして監督しているわけでございますが、たまたま国東港で四十三年度そういう御指摘の事例もございまして、これを調べましたところ、管理者が行なうべき維持工事であるということで、補助金の還付を命じて処理してございます。今後もこういうことが起こらないように十分監督を厳重にいたしたいと存じております。  なお、次に御指摘ございました臨港地区の設定あるいは隣接地域の指定、こういう問題につきまして小名浜港の事例を御指摘になったわけでございますけれども、ちょうどこれは都市計画法と関係ございまして、都市計画法が改正になった直後でございますので建設省との事務連絡も十分いかないという点もございまして、私ども手続が間に合わないもので仕事を進めたという事例がございまして、現在会計検査院からも御指摘いただきまして、各地でそういう事例がないように、臨港地区の設定がおくれた場合は隣接地域あるいは施設認定ということでほとんど処理さしてございます。
  64. 森下元晴

    ○森下(元)委員 港湾関係最後に政務次官にお尋ねし、また御所見の御発言を願いたいと思います。  わが国は臨海工業地帯、これによって非常に経済成長をしたんだ、これは非常に有利な点でございます。そのために港湾設備はますますその整備が要求されますし、また船舶も大型化されておりますし、先ほど申し上げましたように、港湾の整備また港湾の管理また補助金の交付、こういうことが将来の港湾を非常に効率的に使用せしめ、また国の経済発展の要求に応じていく、このように思うわけでございますけれども、総合して、いま私が何点かの質問をいたしましたことにつきまして、政務次官からひとつ前向きの御発言をお願いしたいと思います。
  65. 山村新治郎

    山村説明員 先生おっしゃいましたように、いわゆる現在の港湾整備計画、これは昭和四十三年から四十七年度の五カ年計画、これが現在で三年度目を迎えているわけでございますが、この四十五年度で全体で約五八%を達成しております。しかし、まあわが国の経済成長、これがいわゆる経済計画というようなその想定をかなり大きく上回って著しかったということになりますもので、港湾の取り扱い貨物量も五カ年計画の想定をやはりこれもかなり上回っております。そして現在のいわゆる新経済社会発展計画、これがまとまっておりますが、これを契機にいたしまして現在の港湾整備五カ年計画をまた四十五年度をもって打ち切りまして、新たに昭和四十六年度を初年度とする新港湾整備五カ年計画を策定して港湾整備の一そうの促進をはかっていく、このように考えております。
  66. 森下元晴

    ○森下(元)委員 次に、自動車損害賠償責任保険制度の問題についてお尋ねしたいと思います。  自動車の普及は非常に発達しておりまして、終戦後はわずかに十四万台しかなかったのが、最近は千五百万台から、もうそろそろ二千万台のラインに到達しておるようであります。しかし、これに引きかえ死傷者の数は四十三年度で全国実に八十四万人の死傷者が出ておる。まことに、人間がつくった文明がかえって人間に大きな害を与えておる。社会の皮肉と申しますか、そういう表裏が出ておるわけでございます。そのためにこの交通事故に対する対策はいろいろな面でとられておりますけれども、この交通事故によって不幸な事態になった方々を救うための救護策と申しますか、それが自動車損害賠償責任保険制度でございますけれども、この内容を見ますと大きな赤字になっております。いろいろ原因はあると思いますけれども、大きな赤字になっておる。四十三年度の保険勘定の内容を見た場合、利益が千六百八十億九百二十万円、損失が二千百三十八億九千六百十七万円で、約四百五十八億八千六百万円の損失を生じておるのであります。四十二年度末の積み立て金が二百四十三億八千七百万円ございます。これを相殺いたしましても残額二百十四億九千万円の損失が翌年度に繰り越したわけでございますけれども、なぜこういう赤字が出るのだろうか。赤字を消すためには保険料率を上げるのも一つの方法でございますけれども、やはり社会性もございますし、また公共性もあるということを考えました場合に、これは勘定が合わないからといって幾らでも上げるわけにいかないわけなんです。この点につきまして、この赤字の原因、それから今後の対策、これをいかにすべきか。  もう一点お尋ねしたいのは、昭和四十三年度のいわゆる未収再保険料が二百四十三億五千万円まだございます。この徴収とその対策ですね。この二点についてお答えを願いたいと思います。
  67. 野村一彦

    ○野村説明員 お答えいたします。  ただいま先生の御指摘のように、自賠保険の赤字が非常に多いということにつきましては、私どもも常に頭を悩ませておるところでございますが、実は昨年自賠責審議会におきまして、そういう赤字解消の対策を含めまして、十項目にわたる今後の保険制度改善について答申がありましたことは先生も御案内のとおりでございますが、その中で、まず赤字の原因を申し上げますと、結果的に申し上げますと、四十三年度につきましては、当初立てました四十二年度の見込みとそれから四十三年度の実績との間に、たとえば保険事故の件数が当初の予想を非常に上回って実績が大きくなったという、これはまあ結果論でございますが、したがいまして、一つは、当時の事件の件数の見通しが甘かったと申しますか、そういう事実がございます。それから第二は、支払い単価が非常にふえてきた。当時、これも四十二年度におきまして推定いたしました単価の額と、四十三年度に支払われました実際の単価の支払いの金額を比較いたしてみますと非常に大きくなっている、こういうことが重なりまして赤字が非常に大きくなったということが原因であろうかと思います。  今後この問題につきまして、一方におきましては、私ども警察庁と連絡をとりまして事故の防止につとめておりますが、自動車の台数もふえまして、今後の事故というのも相当ふえるものでございますので、この点につきましては、さらに赤字の増大を来たさないように努力をしたい、かように考えております。  それから保険の会計の収支でございますが、先生指摘のように、四十三年度決算におきまして非常に大きい赤字が出ております。これは四十三年度だけではございませんけれども、欠損の内訳といたしましては、四十三年度分の再保険の収支、これは再保険金と再保険料との差でございますが、これが三百九十四億ほどございますし、それからそれ以前の年度におきまして支払い準備金としてさらに備蓄しておかなければならない金額が百三億ほどございます。そういうこともございまして四百五十八億という欠損が出ておりますが、これにつきまして、一つはいわゆる保険料を徴収する、あるいは支払いをいたしますその時間的なズレというやむを得ない技術的な理由も若干はございます。これは原因が発生いたしましてその金が収納され、そしてそれが支出されるというまでの間の時間的なズレ、それが現在約三カ月ないし四カ月ほどございまして、それが会計の決算をいたします時点におきまして一つの大きな赤字の要因となっておりますので、この問題につきましては、私ども保険会社とも連絡をとり、また私ども事務の合理化ということによって、そういう時間的なズレによる未収金の非常な累積というようなものを少しでも防ぎたいと考えておりますが、今後さらに自賠責審議会等におきまして基本的な対策を検討しながら、ただいま先生指摘のような点につきまして、さらに努力していきたいと思っております。
  68. 森下元晴

    ○森下(元)委員 これは質問ではございませんで、要望並びに私の意見を申し上げたいと思います。  いま赤字の原因のお話がございましたように、非常に医療費が上がってきておる。それと、この内容を検討してみますと、健康保険を案外医者が使いたがらない。これはすべての保険関係でもそうでございますけれども、医者と保険との関係、それも自賠の問題に出てきておるのじゃなかろうか。やはり患者の気持ちとしては、いわゆる点数のかからないいい治療を望むわけでございまして、これが健康保険では安く扱われるのだ。だから、五十万円の医療費をくれるのだからそれで一ぱいやってください、こういう結果が積もり積もって大きな赤字になる一つの原因になるのじゃなかろうか、このように私は思っております。それと、保険がいわゆる車にかかっておるわけですね。だから、免許者個人個人にかける方法がないだろうかということですね。これは私も勉強いたしまして、また質問機会を得たいと思うわけでございます。  最後に、国鉄の赤字路線の問題について質問したいと思います。もうあまり時間がございませんので超特急で質問させていただきたいと思います。  日本国有鉄道、すなわち国鉄の財政再建問題、この赤字線の問題については、食管制度、健康保険の赤字対策問題と同様に国家財政の中で非常に大きな問題となりまして、いわゆる頭痛の種でございます。もうすでに国鉄の諮問委員会、また国鉄の監査委員会でも再建対策や赤字対策については精力的に取り組まれて、たびたび意見が出されております。また報道機関等においても大きく取り扱われております。特にローカル線を持つ地域また新線建設中の地域におきましては大きな関心をもって見守っておるのが実情でございます。  四十三年度決算におきましては、三十九年度より引き続いて、しかも年ごとに増大する赤字がついに千三百四十四億円となって、累積赤字は二千八百二十一億円の巨額に達した。すなわち収入総額は七%増の九千百六十五億円になりましたけれども営業費のほうは人件費が一二%も上昇したことの理由によりまして一一%増加しておる。営業費の増加が営業収入の増加を百二十一億円も上回っておる。さらに投資に伴う利子、それから減価償却、資本関係費用が増加いたしまして、この二百九十三億円を加えますと、損失は前年度の九百四十一億円よりも四百三億円増加しておる。鉄道事業の線別の経営成績を見ますと、二百四十六線のうち、わずか九線で利益九百五十億円を生じて、残余の二百三十七線につきましては直接費用をもまかなえないような状況になっておる。今後経営の合理化、能率化をはかり赤字の解消につとめるべきであると思いますけれども、尋常なことではなかなか困難である。経済的な採算性、それと国鉄が持つ公共性との間にあって、ローカル線の新線建設また開業の問題を控えて、慢性的な、しかもますます増大する赤字対策をいかにお考えであるか。特に四十四年度以降十年間の国鉄財政再建の骨子について、時間がございませんので簡単にお答え願いたい。以上でございます。
  69. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 国鉄の財政問題につきましては、いろいろ諸先生方に御心配いただいて、まことに恐縮に存じております。  一昨年再建整備法をつくりましてからあとも、残念ながら収入の伸びが思わしくなく、また、経費のほうはいまお話しのとおり人件費の非常なアップによりまして収支のバランスを失っている、さらに独占時代に課せられました公共負担、その他ばく大な負担はそのまま国鉄に課せられたままであるというふうな状況のもとで、このままではちょうど再来年百年を迎えます国鉄は、企業としては破滅に近いということを過般も監査委員会から指摘されたわけでございますが、私どもといたしましても、この転換期にある国鉄の財政をどう建て直すか、一昨年考えたばかりでございますが、もう一ぺんここでもって本質的な交通機関としての使命というところに立ち返りまして考えなければならないというふうに考えます。  もちろん、国鉄には企業的な性格と公共的な性格を両方持っておりまして、公共の面から申しますれば、いまのお話のとおり、あくまでも一たんつくったものはたとえ一人でも利用者があったら残しておくべきだという議論がわからないこともないわけではございますが、やはり企業として成り立つ面、企業としてはもう成り立たなくなった面、これが非常にはっきりしてきた、こういうふうに思うわけでございます。企業として成り立つ面は、これはできるだけの努力をいたしまして黒字をふやして、赤字を埋めていくということをいたしますけれども、もはや企業としては成り立たなくなった面につきましては、やはり国なり地方財政からある程度の御援助をいただくということを考えなければやっていけなくなるというふうに思っております。現在部内の諮問委員会等でもいろいろ検討いたしておる最中でございますが、私どもといたしましては来年度の予算に少なくともその端緒があらわれるような予算を編成していただきたいということをいまお願いしている次第でございます。  また、御指摘の新線の問題につきましても、もちろん鉄道建設公団ができまして以来、いわゆるローカルの新線建設につきましては、利子、償却費は免除されております。しかしながら、もうこれから開業いたしますローカルの新線は利子、償却費を免除されましても、運営費自体でもって赤字になるということがおおむね大部分でございます。したがって、これがほんとうに必要かどうかということをもう一ぺん再検討を政府でもってしていただきまして、そして必要なものをつくる、つくる場合には、それについて出てくる運営上の赤字は、これは当然国の交通政策として考えるのだ、企業が負担すべきじゃないんだというふうにしていただきませんと、結局黒字線の利用者に全部かぶせていく、こういたしますれば、企業全般の地盤沈下がもっと激しくなるというふうに思いますので、今後のローカルの新線建設につきましては、まず現在着手されております数十線をもう一ぺん再検討する、それから再検討された上で、さらにどうせ運営上の赤字が出るわけでございますので、運営上の赤字をどうするかということにつきまして方針をおきめになった上で、私はぜひ国鉄に企業の運営をおまかせ願いたい、こういうふうに思っております。
  70. 森下元晴

    ○森下(元)委員 いまの御説明で国鉄のお考えはよくわかりましたけれども、私はその前に、国鉄の経営はいわゆる企業主義でいくべきであるか、公共事業であるかどうか、そういう基本的な問題に立ち返って考えなければいけない重大な転機に来ておるのじゃなかろうか、このように思っております。先ほど質問いたしました港湾、これは公共事業でございまして、五カ年計画でも約一兆三千億円ですか、これでも足りなくて新しい五カ年計画が出されようとしておりますね。それから道路の五カ年計画にいたしましても、いわゆる十兆三千五百億ですか、こういう声が聞かれております。それと同じく、先ほど申し上げましたような自動車賠償保険においても大きな赤字が出て、いつの間にかどこかからそれを埋めておる。お米の問題もそうでございますけれども、やはり赤字になったからすべていけないんだというお考えではなしに、国鉄経営というものはどれだけ公共性があるんだ、また将来この国鉄の使命というものは、変わりつつある交通体系、輸送体系を考えた場合に、現在は斜陽化しつつあっても、十年後にはまた盛り返すかもわからない。経済成長論でいろいろいわれておりますのは、昭和六十年には国民総生産が二百兆円になるのじゃなかろうか、それに従ってこれに見合う貨物量は、現在では十二億トンとか十五億トンとかいわれておりますけれども、百億トンくらいの量になる、だから、長距離輸送につきましては、港湾等を整備して、船による輸送をする、中距離は鉄道による輸送でなければいけない、近距離は自動車でやる、おのずから鉄道の使命がまた再認識される時代が来つつあるのじゃなかろうか。それと、国鉄の赤字はローカル線をやめたらいいんだ、また新線建設をやめたらいいんだという簡単なものではいけないと私は思うのですね。ただ赤字黒字の問題を論ずるのでございましたら、一兆円以上の累積赤字が出ておるし、また非常に苦悩しております食管問題、米の問題一つにしても、内閣が二回や三回かわってもいいくらいの大問題であろうと私は思う。だから、少し国鉄さんの考え方が大蔵省の主計的な考え方になってしまって、ただ小さくすればいいんだ、これでは困ると私は思うのです。  だから、そういう意味で十分検討なさって、大いに公共性も加味していただいて、やはり地域住民は、鉄道に対する期待と申しますか、国がやってくれるんだ、ただ簡単に線路をはぐって自動車の道路にしたらいいじゃないかという考えは少し軽率なんじゃなかろうかと私は思います。現実に、われわれは自動車の中では本も読めないし、急ブレーキ等のかかるような場合にはひやひやする場合が非常に高速道路でもございます。それに引きかえ、軌道、いわゆるレールを走る鉄道関係の交通機関は非常に安心して乗り得るということも実は単純な理論でございますけれども、やはり地域住民は新線建設、また早く開業してもらいたいということに非常に関心を持っておるし、要望しておるわけでございます。  それと赤字線ですね。いわゆる赤字のほとんどが何かローカル線の赤字によって占められておるのだという印象を与えでおりますけれども、内容を検討してみますと、ほんのわずかにすぎないと思うのです。ほんとうの赤字は、都市周辺の通勤路線において出ておるような数字も見えます。それと、営業係数によってすべて計算しておりますけれども営業係数の内容を検討しても、たとえば横須賀線久里浜から汽車に乗りまして切符を買った場合、横須賀線に落ちる収入というものは、いわゆる純益というものは久里浜から大船までの金しか落ちない、あとは東海道線に、東京までの運賃のほとんどが落ちる。こういうところの数字的な魔術があるのじゃなかろうか。やはり大きな川というものは枝葉があって大きな川になるのであって、ローカル線によって幹線も潤っておるのだということの認識も実はしなければいけないんじゃないだろうか、このように思っております。まだまだ経済成長はしなくてはいけない時代でもございますし、ただ赤字だからこれを縮小するのだという消極的な態度ではなしに、まだまだ輸送も増大するであろうし、また国鉄に対する国民の信頼度も非常に強うございますので、ひとつ前向きに御検討願いたい。  最後に政務次官に、国鉄、いわゆる軌道による輸送についての運輸省の考え方をひとつお聞かせ願いたいと思います。
  71. 山村新治郎

    山村説明員 現在の国鉄、独立採算というようなことでやっておりますが、しかし国鉄の場合は、ほかの企業と比べてやはり公共性というものが大きいと思います。特に赤字だからということで地方線をどんどん切っていく、ローカル線を切っていくということになれば、これは過疎という問題にますます拍車をかけていくというようなことになると思いますので、それらの面につきましては、公共性というものを十分認識した上で、鋭意いろいろ対策を立てていきたい。国鉄に対しましても、先般党のほうからもいろいろ注文をつけていただきました。しかし、また運輸省自体といたしましても、国鉄には採算制よりもまず公共性というもの、その上に立ってもっと考えるべきじゃないかという考えに立って指導してまいりたいと思います。
  72. 森下元晴

    ○森下(元)委員 以上で終わります。
  73. 濱野清吾

    濱野委員長 田中武夫君。
  74. 田中武夫

    ○田中(武)委員 警察庁の交通局長が参議院との関係で時間を急ぐそうですから、まずそのほうからいきたいと思います。警察庁の交通局長さん見えていますね、それから運輸省自動車局長見えていますね。  お二人にお伺いいたしますが、白タクについて、警察庁のほうは取り締まりといいますか、どういう方針を持っておられますか。それから運輸省のほうは、白タクの取り締まりと同時に、それに対する今後の自動車行政上における考え方、これを聞かしていただきたいと思います。
  75. 久保卓也

    ○久保説明員 現在タクシーの運営について、自動車局と共同いたしまして適正な運営につとめているわけでございますが、間々白タクがまだはびこっておる。これはタクシー行政との関連もあると思いますけれども、白タクについては取り締まりがなかなかむずかしいのでありますが、現場に重点的な配置をやりまして、常時ではございませんけれども、時期を定めて重点的な取り締まりをやっております。
  76. 野村一彦

    ○野村説明員 ただいま先生の御指摘の白タクと申しますのは、私ども考えを申し上げますと、いわゆる免許を得ないで営業行為をやっているタクシーである、こういうふうに考えます。したがいまして、免許を得ないで、他人の需要に応じて営業行為をやっておる者につきましては、私どもとしては、当然これは道路運送法違反として厳重に処分をしなければならない問題でございますが、私ども取り締まり機関ではございませんので、警察等にお願いして取り締まりをしていただいておりますけれども、まだ白タクというものを根絶できないということをはなはだ残念に思っておりますが、私ども考え方としては、そういう免許を得ないで営業行為をやっておる者につきましては、私どもの知り得た範囲におきましては、これは警察等との御協力を得まして今後取り締まっていきたいと考えております。   〔委員長退席、高橋(清)委員長代理着席〕
  77. 田中武夫

    ○田中(武)委員 この白タクというのは、いつも問題になりながら依然としてあとを断たないということは、それだけ必要がある、こういうことじゃないかと思うのです。したがって白タクの取り締まりは、同時にタクシーの免許、特にそのうちの個人免許とあわせて考える必要があるんじゃないか、こう思うわけなんですが、それはあとにいたしまして、それじゃ白タクで事故を起こした場合、乗客の被害についてはどういうことになりますか、いままでにそういう事例はありませんか。
  78. 野村一彦

    ○野村説明員 お答えいたします。  自動車でございますと、先生御承知のように、いわゆる強制保険である自賠保険に入っておかなければなりませんので、それが自賠保険に入っておりますれば、その限度におきまして一般の場合と同じように賠償が行なわれるわけでございますが、それ以外の違法行為に対する責任ということにつきましては、私いま具体的な例は存じておりませんけれども、おそらく白タクで事故を起こして賠償問題が起こっている事例は多かろうと思います。
  79. 田中武夫

    ○田中(武)委員 あるという最後のところがちょっと聞こえなかったのですが……。
  80. 野村一彦

    ○野村説明員 相当の数があるんではないかと考えておりますが、ただいま手元にはっきりした資料を持っておりません。
  81. 田中武夫

    ○田中(武)委員 警察のほうはどうですか。
  82. 久保卓也

    ○久保説明員 私どものほうでは、白タクによる事故というものの統計を項目上とっておりませんので実態はわかりません。ただ現実には、白タクであろうと一般タクシーであろうと、あるいは普通の乗用車であろうと、事故に伴う違反については全然変わっておりません。ただし、事故によって、タクシーでなくて有償による輸送をやっておったということによって白タクが判明をするということで、新たにそれが付加されるという場合はあると思います。
  83. 田中武夫

    ○田中(武)委員 たとえば、きのう私東京へ出てきたわけなんですが、ちょうど午後雨も降っておった関係もあると思うのですが、やはり八重洲口あたりにたくさんおるのですね。うまいこと言って、社長とかなんか言って呼びかけてきて、待たずに乗れますがどうですかとかなんとかいう。君は白タクかと言うと、そうですと堂々と言っていますよ。これが大体三倍ぐらいですかな、赤坂の宿舎まで。ぼくは乗らなかったが、赤坂まで幾らで行くんだと言うと、千円だと言っておった。普通で行くとあれは三百円程度です。警察のほうは定時的にと言っていますが、それはどうなんでしょう。われわれには、だめだと言えば別に食ってかかるようなことはないですが、そのことが暴力とかなんかの温床というか、きっかけになるということはないですか、断わったということで。
  84. 久保卓也

    ○久保説明員 白タクと乗車拒否というのは、われわれの分野で取り締まりのむずかしい一つであります。乗車拒否の場合には、乗車を拒否された人があります。したがって不愉快に思って警察に届け、かつ、人によっては証人になってくれる。ところが乗車拒否の場合でも、警察に届けるとめんどうだからということで証人にはならないという人が非常に多い。ところが白タクの場合は、不愉快に思うのでなくて、むしろ乗せてもらうということで両方とも利害が一致するということで、警察官が現認すればともかくとしまして、届けられるということが非常に少ないということで取り締まりがたいへんむずかしいということであります。
  85. 田中武夫

    ○田中(武)委員 それじゃもう警察はよろしい。参議院のほうへ行ってください、またあらためて御質問しますから。  それでは運輸省にお伺いしますけれども、先ほど言ったように、幾ら取り締まってもやはり依然としておるということですね。これはやっぱり必要だからです。お客もあるからだと思うのです。それから一面タクシーが足りないんじゃないか。ことに相当年数を経た人たちで、成績もいいとかなんとかいう条件の上に立って個人タクシーをいま免許していますね。これをもっと幅を広げたらどうなんですか。たとえば、個人タクシーの免許に人口三十万以上の都市とかなんとかいうのもあるようですね。それをもっと基準を下げるとか、もっと個人タクシーが免許が得られやすいような方法を考える必要はないですか。
  86. 野村一彦

    ○野村説明員 ただいま先生の御指摘のように、確かに白タク等が根絶できないということの理由には、実情といたしましてタクシーの数が足らないということもあるかと思います。したがいまして、一般のタクシーの免許、あるいは既存の新免あるいは既存のタクシーの増車ということも考えなければならないと思いますが、ただいまお話しのように、個人タクシーを増強することについて私どもも、これは率直に申しまして非常に評判がようございますので、個人タクシーの増強につきましてはつとめてきたつもりでございます。ただ、先生がいまおっしゃいましたように、個人タクシーといいますのは、つまり車庫へお客から電話がかかってくるのを待たないで、町を流してお客を見つけて乗せる、こういうものでございますので、都会の実態に応じまして、大体普通のタクシーが流し営業をしておる部分が相当あるような都市、そこでいま先生おっしゃいました人口三十万程度ということでございますが、現実にはもっと人口の少ない地方の中都市におきましても、一般の法人タクシーが流し営業を相当程度しておる、そしてそれが採算上もその企業にとって大きなプラスになっておるというような、そういうところを実情に応じまして個人タクシーの対象地域というふうにして広げていくように指導いたしておりますので、必ずしも現在では人口の多寡ということに限りませんで、地方の都市におきましても相当流し営業の効果のあるような地域については個人タクシーを認める、こういう方向で進んでおるわけでございます。
  87. 田中武夫

    ○田中(武)委員 人口三十万以上の都市でなくとも、もっといなかのほうでも、駅なんかに、あれは特別にまた何駅の駐車といいますか、何か許可とかがあるようですが、そういう駅あたりにおって客待ちをしておってといいますか、そういうような考え方はどうなんですか。現に普通のタクシーはやっていますね。だから、個人タクシーにも、その駅待ちといいますか、あるいは構内の駐車というのですか、構内営業というのですか、私鉄も含めてそういうあれはどうなんでしょうか。
  88. 野村一彦

    ○野村説明員 ただいま先生のおっしゃいました私ども免許をいたします場合の条件といたしましては、事業区域というものをきめて免許をいたしております。したがいまして、その事業区域内におきましては、原則としてどこでも営業できるわけでございますが、ただいまお話のございました鉄道の駅の構内営業につきましては、実はこれは私どものほうの、つまり陸運局の免許の条件ではございませんで、鉄道のほうとそのタクシー業者とが契約と申しますか、そういう話し合いをしまして構内営業を認めておるという状況でございますので、私どもとしては、管内の鉄道の主要な駅等に現地の陸運局から要求をして、なるべく広くそういう構内営業を認めるようにお願いをするということでやっておりますが、現実にはタクシー業者と鉄道管理局あるいはその駅との契約と申しますか、そういうことによって構内営業を認めておるわけでございます。
  89. 田中武夫

    ○田中(武)委員 国鉄は中座したかな。——そこにいませんか。国鉄がおれば国鉄のことを聞きますが、構内営業といいますか、あれは一つの特権のように取り扱って、一つのタクシー会社が駐車権を持っているといいますか、そうしますとほかのやつを入れないのですね。一台か二台しか置かないのです。そのために困ることがあるのですね。——いまちょっと話している途中ですが、駅の構内でのタクシーの駐車、構内営業のことについて聞いているのですが、これは陸運局のあれとは別に国鉄のほうで云々ということですが、これはどういうことなんですか。
  90. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 駅の構内タクシーにつきましては、私どものほうでその構内の乗り入れと申しますか構内駐車の契約をいたしまして、その契約の範囲内で駐車させるということでございますが、たとえば東京のようにタクシーの集まらないところ、それから、ただいま先生指摘になったと思うのでございますが、むしろ地方のように集まるところ、多少種類が違いますので、私はあまり詳しいことは存じませんが、たしか一種、二種、三種と分かれております。一種は、東京のように、むしろぜひ来てほしいというようなところ、それから二種は中間の大阪とか名古屋みたいなところ、三種のほうは地方の、むしろそれが利権化する可能性があるところというように、その三つに分かれております。  私のほうといたしましては、いろいろタクシー問題ございまして、いまの御質問はいわゆる三種のほうだと思いますので、それについてお答えいたしますと、昔からいろんな形で独占をしている人が相当あるわけでございます。極力その独占を打破するようにいたしております。ただ、実際物理的に面積が狭くて置けないというふうな点もございますが、利権化する可能性があるところにつきましては、極力複数制にするというふうな方針でやっておりますけれども、もしそういうふうなことがお耳に入りましたら、具体的に全部——抽象的に複数化すると申しましても、なかなかそれもできないことでございますから、一つ一つ事象を調べまして、極力私は複数化してまいりたいというふうに考えております。
  91. 田中武夫

    ○田中(武)委員 私が言っているのは、大体私は兵庫県の高砂市ですからね、具体的に言わなくたってわかると思うんです。ともかく一つの利権——何々タクシー会社だけが置くわけですよ。しかもそれが一台か二台かおって、それが祭とか盆とか結婚式とかというといなくなってしまうんです。あると思って来たら、その日はたまたま結婚式なんかで予約があって行ってしまっておるという場合があるのです。それじゃほかの車をさがすといったって、それはないのです。それはいまの第三種になるのですか、構内営業という一つの権利をたてにとっている、それは不合理だと思うのです。  私は、いずれにしろそういう独占化ということはいけないんじゃないか、こう思うのです。したがって、問題はいまの三種なんですが、これを独占化させないような方法を講じる必要があると思うのですが、どうですか。
  92. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 私も実は独占化は非常に反対でございまして……。
  93. 田中武夫

    ○田中(武)委員 事実そうなっておるんだよ。
  94. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 ですから、その点につきましては具体的に……。
  95. 田中武夫

    ○田中(武)委員 具体的といったって、おれの乗りおりする駅はわかっているだろうが……。
  96. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 いまこつ然としたお話で、ちょっと具体的にその地については私よく存じませんが、もう一ぺん調べまして、極力私は複数制にさせたいと思います。物理的な問題だけでございまして、方針としては、私は複数化しろというふうに言っております。いずれ調べまして、できるだけその方針で実現いたしたいと思います。
  97. 田中武夫

    ○田中(武)委員 ともかくそういう一つの権利化してそれが独占化する、そういうことは避けるべきじゃなかろうか、こう思います。  それじゃ運輸省にお伺いしますが、深夜バスというのをやっていますね。これは深夜に利用する客の多い方向、たとえば大きな団地とかそういうところでやっておると思うのです。  ところが、これは私の持っておるのは十一月十二日の朝日新聞の記事なんですが、これは町田の公団住宅ですか、公団団地で深夜バス反対ということで騒動が起こった。その記事をいまちょっと見ておるわけですが、記事を見ますと、深夜バス反対だ、そしていわゆる普通のバス、それの時間を延長せよ、こういうことだと思うのです。これは深夜バスの特別料金を取るということ、それから大体通勤のための定期を持っている、ところが深夜バスでは定期が使えない。最近ではそれにプラス何十円とかということにしたようですが、そういう点があると思うのです。一つ営業線を許可する、そしてそれが相当な利用があるならば、当然終電車までは運ぶべき義務があるんじゃないですか。それを適当なときに打ち切って、それから先は深夜バスでやりますということは、結局高い運賃で運ぼうということになるんですね。そこでトラブルが起こると思うのですが、そういう点、どうなんですか。むしろ営業時間の延長を主として考えていくべきではなかろうか。深夜バスということになると、適当に九時ごろに打ち切って、それから先は特別料金ということになりかねないんです。現になっておるわけです。そういう点どうなんです。
  98. 野村一彦

    ○野村説明員 ただいま先生の御指摘のように、町田の鶴川団地等におきまして、深夜バスで地元との間にトラブルがありましたことは御指摘のとおりであります。  この件について申し上げますと、まず、先生の御指摘のように、電車等が深夜まで運行されておって、その電車に乗って帰ろうと思ったら自分の団地まで行くバスがない、そういうことから、いわゆる普通の路線バスを深夜まで延長してほしいという要望が、各地におきましてあったわけであります。そこで鶴川の場合について申し上げますと、会社のほうにおきましては団地の方々といろいろ折衝をしておったわけでございますが、大体、鉄道は別でございますけれども、バスにおきましては十一時前後を境といたしまして、普通の路線バスは十一時前ごろまで運行しておる、そういうところから、それが十一時以降の深夜に及びますと、いわゆる運転手等の手当、あるいは、場合によってはうちに帰れないためにその日は営業所に宿泊をせざるを得ない、それから運行管理者が残る、そういうようなことから、普通の、たとえばあの区間で申しますと一区間二十円でございますが、二十円の運賃では採算がとれないということもありまして、両者の交渉は難航しておったわけでございます。  そこで、私ども東京陸運局におきましては、七月の二十何日でございましたか、深夜バスという方式を考えまして、十一時以後につきましては貸し切りバスの相乗りという制度を、これは法律上認められておる制度でございますので、貸し切りバスの相乗りという制度をいたしまして、新たな形態としてバスを運行する、そうしてその場合は、いわゆる従業員の深夜の手当あるいは食事料あるいは宿泊料というようなことも計算いたしますと、二十円ではとてもやっていけないということから六十円という運賃を設定したわけでございます。それが団地側を刺激いたしましてああいう闘争になったわけでございますが、最近の状態を申し上げますと、前の深夜バスは十月二十三日でございますかで一応三カ月の期限が切れますので、そのときに私ども会社のほうをよく指導をいたしまして、先生のいまのお話のように、全然定期券が使えないというのは不合理ではないかということから、定期券は使う、しかし六十円という運賃は、これは原価計算上やむを得ないものということから、定期券を二十円分と見まして、定期券を持っている人にはプラス四十円ということで認めたらどうかという指導をいたしました結果、会社側もそれをのみましたので、さらに来年の一月まで現在は延長をしております。ところが、その後会社側と団地の自治会連合会との間の話が進みまして、ただいままだ正式に解決はいたしておりませんけれども、私どもが得ました情報では、大体十一時をちょっと、十分ぐらいでございましょうか、十一時十分くらいまでの電車に連結をするバスを普通のバスとして一便運行をする、そうしてそれ以降については現行の深夜バスというようなことで大体話がつきかかっておるというふうに聞いておりますので、私どもこの事態の成り行きを見守りながら、鶴川ばかりではございません、この周囲のベッドタウンと申しますか、そういう団地輸送の問題の解決について努力したいと思っております。
  99. 田中武夫

    ○田中(武)委員 この場合はバス会社と自治会連合会が団体交渉といいますか、交渉をして、十一時十分ですか、終バスを延長したということで一応解決のめどというか、そういうことなんですが、そういうように地元の自治会ないし連合会と会社が直接団体交渉というようなかっこうで解決をするということを待たずに、もっと運輸省のほうでそういうトラブル等々については指導していってやったらどうか。その辺はあくまでも終バスを延長する、これがたてまえだと思うのです。なるほど深夜運行した場合に、それは普通の場合よりか従業員に対する割り増し賃金の問題も出てくるであろうし、あるいはその他の運行の経費等もあると思います。しかし、あくまでこの間を認可をとってやっている限りは、それを運ぶ義務があると私は思うのです。したがって、そういうような方向を中心としてこれは原則としてやるべきだと思うのですが、どうですか。原則として終バスの時間を延長する……。
  100. 野村一彦

    ○野村説明員 原則として、先生のおっしゃるように、もよりの鉄道の駅の終便まで、昼間と申しますか、通常の路線バスを延長するのが望ましいことは、そのとおりでございます。ただ、そこにはやはり時間的な限度があると思いますし、なかなかバス会社等におきましても、いま人手不足等で、必ずしも単に昼間の路線バスをその時間まで延長するということもむずかしいようでございますから、根本的には、最近団地が方々にできておりますことにかんがみまして、また、都内の交通事情等にかんがみまして、バスの路線網の再編成ということを私ども実は運輸省として近く検討をしたい、そして、いま先生のおっしゃいましたように、できればなるべく昼間の路線バスの終バスを延長するという方向で解決をして、そして一定の時間以後は、やむを得ざればいまの深夜バスという形に持っていこう、その場合のいわゆる普通の路線バスの延長というものは、なるべく時間をおそくまで持っていくようにということで対処していきたいと思っております。
  101. 田中武夫

    ○田中(武)委員 そこで、そういうことで困って、各団地等でいろいろと自衛策ということが考えられているようなんですね。  ここで一つ事例をあげますと、北多摩郡の清瀬町ですかの都営住宅団地で、そういうことだからということで、自治会がマイクロバスを借りて、そして運行しておった。これは朝、昼、夕べに十五往復で、回数券なんか出してやっておったということです。これは検挙せられているわけですね。しかし、道路運送法の四条違反ということで検挙せられたが、検察庁ではこれを不起訴処分にした。なかなか味のある処分だと私は思うのです。そこで、ほかにもそういうのがあるかと調べたら、検挙したのはこれだけだというのですね。  そこで、私はそれではこういうのが考えられるのと思うです。一つの町でも団地でもよろしい、何人か同方向に通勤しておる者が数名ないし十数名が一緒になりまして、そこでマイクロバスなり乗用車を買う、それに相乗りをしていって、そしてまた乗って帰る。そしてその自動車、マイクロバスならマイクロバスを買ったその償却の必要な金をお互いが分担する、こういうような場合はどうなんです。これまた違反になりますか。私の言っている事例はわかりましたか。
  102. 野村一彦

    ○野村説明員 ただいま先生説明でございますが、その実態が、自家用車の共同使用であるのか、あるいは他人の需要に応じて運送事業をしておるのか、その形態がなかなか見きわめるのがむずかしいと思います。  自家用車の共同使用と申しますのは、文字どおり、数人の者が一台の自動車を共同で、いわば公平に使用しておるという関係でございまして、たとえばAならAがもっぱら運転をして、B、C、Dというのがいつもそれに乗っておる、そういうものは、実は自家用車の共同使用ではない。ですから、そういう実態でA、B、C、Dという人がたとえば交互に運転をし合って、その手入れや保存につきましてもお互いに共同でやっておる、その維持、修理の費用についても共同でやっておるということであれば、文字どおり共同使用でございますから、それは運輸大臣の許可を受けて共同使用すればいいわけでございます。それから、他人の需要に応じて有償で自家用車を運送の用に供してはならない、したがいまして、いま先生のおっしゃいましたように、対価を取って有償で他人の需要に応じておるということであれば、これはやはり道路運送法違反であるというふうに私ども考えるわけでございます。
  103. 田中武夫

    ○田中(武)委員 実は、これはたしか愛知県かどこかだったと記憶しておるのですが、その記事をさがしたのですが見当たらないので、あるいは私の記憶間違いかもしれませんが、十数名が、もちろん月賦でマイクロバスを購入して、運転手を雇って、そしてそれに十数名が朝何時かに乗っていく、それから、帰りには、五時なら五時、五時半なら五時半にそれに乗って帰る、そしてその維持費、自動車の減価償却費あるいは運転手さんの給与、これを平等に分担をする、これは違反だ、こういうことが出ておったと思うのですが、違反ですか、違反でないですか。  そこで、別にあなたと論争をやるわけじゃないのですが、四条と百一条との問題になるのですが、まず、百一条の有償ということですが、有償とはどういう意味なんですか。
  104. 野村一彦

    ○野村説明員 有償とは、名目のいかんを問わず、いわゆる運送行為に対する対価というものを物なり金なりそういうもので受けておることだというように解釈しております。
  105. 田中武夫

    ○田中(武)委員 たとえばそれは何々会というものをつくって、その会がやるわけです。これはもちろん法人であっても、あるいはなくてもいいと思う。代表者をきめたらいいと思うのです。その会費あるいは会の維持費、どうなんですか、これは有償ですか無償ですか。会費は有償になりますか。
  106. 野村一彦

    ○野村説明員 その会費の実体でございますけれども、マイクロバスを運行して、それに相乗りをするためにだけ会費をおさめておるとかりにいたしますれば、それはやはり運送の対価ではないかと思いますが、何かのその団地の会なら会あるいはそのほかの会がありまして、いろいろな事業をしておられて、その事業の中の一環としてその会費を取って、その一部がそういう場合に払われているということになりますと事情が少し違うかと思いますが、もっぱらその実体は、その運送の対価に充てられるための会費であるということであれば、これはやはり有償運送であろうと思います。
  107. 田中武夫

    ○田中(武)委員 何とか通勤者同盟、何でもよろしい、同じ方向に行く者が十数名一緒になってそういう会を、代表者はだれでもよろしい、つくって、その会でマイクロバスを月賦か何かで購入する、そうして運転手さんを雇う、その費用あるいはその他の維持費等を平等に会費として分担する、これは有償と言えますか。  それからもう一つ、白タクなりそういうのが問題になるのは百一条と四条ですね。四条の「自動車運送事業を経営しようとする」——この場合事業じゃないですね。事業ですか。その場合、四条ではどうか、百一条の有償という点についてはどうか。かりに四条の事業の経営でなかったのは四条にこないですね。百一条、もしここでいう有償ということにならなければ問題ないですな。それをあえて陸運局は違法だと言っておるのですが、その会費というものについてはどうなんです。
  108. 野村一彦

    ○野村説明員 先生の御指摘の四条の自動車運送事業という事業の意味でございますが、これは常識的なことでございますが……(田中(武)委員「事業の経営ということでなくちゃいかぬですよ」と呼ぶ)要するに、他人の需要に応じてある行為を反復的、継続的に行なうということでございます。そういう意味で、もし反復的、継続的にそういう他人といいますか、一定の組織の者が平等に費用を負担をしておりましても——おそらくその場合は、先ほど私が申し上げましたように、その運行の主体、その運行の責任者というものはだれであるかということがきまっておりませんと思いますので、法律上はっきりしていないと思いますので、そういうものはやはり自家用車の共同使用ではなかろうか。ここでいう事業は、もちろん他人の需要に応じて反復的、継続的にある行為を行なうということだと思いますので、もし実態として反復的、継続的にそういうものが行なわれておれば、これは私は事業と解してもいいのではなかろうか。つまり、脱法的にこの四条を解釈してそういう行為をしているのではなかろうかということ、もう一つ、有償か無償かという先生お話がございましたが、これは結局自家用車の共同使用という場合と関連してでございますけれども、非常にむずかしいのは、運輸大臣の許可を受けて自家用車を共同使用をすればいいわけでございます。したがいまして、先生のおっしゃいましたような実態があれば、これは百条にございますように、運輸大臣の許可を受けて共同で自家用者を使用すればよろしいし、そうしてそれには営業類似の行為をしてはならない、営業類似の行為をしていると認められる場合のほかは許可はしなければならないということでございますから、まさにこの規定を正面からいいますならば、ほんとうの数人の者がお互いに利用し合って自動車を運行しておるということであれば、これは営業類似行為をしていなければ、運輸大臣に申請すれば許可をしなければならないということでございますから、私はその許可を受けるべきものであると思います。  そういう意味で、四条にいう営業かどうか、または有償かどうかという御質問、実態の認定はなかなかむずかしゅうございますが、その目的から考えまして、特定のものを運んでいくということであれば、これは特定の免許として免許を得られるわけでございますから、そういう特定のグループなり工場なりあるいは会社なりというものが、常時同じ形態で人を運んでいくということであれば、それは特定事業として免許の対象になるわけでございますから、そういう手続を得てやられることが最も好ましく、それは別にむずかしいことではないと思います。ただ、そういうことの裏をかくと申しますか、ただいま先生の御指摘のような事例については、多分にやはり営業類似行為というふうにわれわれは考えざるを得ないと思います。
  109. 田中武夫

    ○田中(武)委員 私は反復的にかつ継続的にやったら事業だということには疑問があります。しかも、四条には事業を経営し云々とあるのですね。しかし、ここであなたと法律論を戦わすつもりはありません。しかし、あなたの解釈については私は疑問があります。あるいは百一条についても有償ということについてはあります。  そこで、そういうことは別として、いまおっしゃったように、それではそういうことに必要に迫られてやる場合に、百条によるところの共同使用、あるいは先ほどおっしゃったように特免、こういうことは簡単に認可をしますか。許可しますか。そういう必要があるならば簡単にやりますか、どうです。ところがなかなかやらないのですよね。だから、脱法的なというか、あるいは脱法行為類似の——しかしながらこれは百一条あるいは四条といったって小首をかたげる問題だと思うのですよね。だから、必要があってやっておるんだから、そういうのは、いま言ったように百条による共同使用なりあるいは特定の免許、こういうことであれば、それを受けてもらったらということであるなら、それは簡単に認可するのかどうか——しますか。
  110. 野村一彦

    ○野村説明員 簡単に免許するかどうかというお話でございますが、簡単というわけにはまいらないと思います。と申しますのは、やはり特定の免許でございますので、四条に書いてございます免許条件に該当するというようなことは当然でございます。  それを具体的に申し上げますと、やはりその運行の責任の主体が明確であることと、だれが責任を持って運行しているかどうかということがはっきりしない状態ではいけない。たとえば社団法人であるとか、あるいは社団法人でなくても、任意団体といたしましてもその責任者がだれであるかということがはっきりしておる、それから、その車の台数等によりましては、運行管理者、整備管理者というものが必要であるということと、それから不幸にして事故が起こりました場合の賠償能力が十分であるかどうか、そういうようなことを勘案いたしましてやりますけれども、私どもとしては、現にそういう工場等につきまして特定の免許の例があることでございますので、いま申し上げましたような点を十分審査して、それがそういう条件にかなっておりますれば免許するということにやぶさかではございません。
  111. 田中武夫

    ○田中(武)委員 要は形式的に、何々の会代表者、これはわかりますね。形式的に要件さえ備えておくならば免許する、そうですね。
  112. 野村一彦

    ○野村説明員 形式的に要件を整えておくということとはちょっと違いますが、そういう責任の主体をはっきりしておかなければならないことは当然でございます。そのほかに、いま申し上げましたような、これは車の台数とか種類によって違いますが……(田中(武)委員「それは一台」と呼ぶ)一台でございますか。それですとその点はございません。  それから、免許でございますので、たとえば特定の路線バスとしての免許を受けました場合には、やはりそのスケジュールを守って、自分の便宜あるいは都合によって、やったりやめたりするということがない、定時性を確保して運行されるというようなことについては、やはり責任を持ってもらうというような点でございまして、単に責任者の氏名が明らかであればよいということではございません。
  113. 田中武夫

    ○田中(武)委員 責任者の氏名は明らかです。これはできますね。台数は一台、だから運行責任者云々、整備責任者云々はないのです。それから、定期的に、たとえば日曜日は休むとか、あるいは、たとえば五時半に集まっておったのを九時に延ばすとか、そんなことはかまわぬでしょう。要は、あまりに道路運送法をかたく堅持するというか——ところが一面では、いま言ったように、それが一つの利権化しておるということですよ。言うならば、従来の営業者といいますか、既往の営業者を陸運局等は過保護し過ぎておる、そういうところから起こってくると思うのです。だから、必要に応じて法は解釈すべきである。したがって、そういうときには、形式的に——それは事故を起こしたときはどうかという、そういうことについてはもちろん考える必要があると思います。お互いに掛け金をかけて、一つの互助制度のようなものをつくることもあるだろうと思いますね。そういう点は私は考えてやるべきだと思うのです。ただ単に道路運送法四条、百一条違反だと簡単にきめつけるべき問題ではない、こう思いますが、どうですか。それをまたおっしゃると、一ぺんぼくが主体になってやってみて、四条と百一条を法律的にひとつ争おうかということになるのです。あなたの言っているのが正しいか、おれの言うことが正しいか、一ぺんやってみますか。どうです。
  114. 野村一彦

    ○野村説明員 ただいま先生の御指摘のように、免許をする場合の、新免といいますか、そういうものを抑制するとか、あるいは増車を押えるという面につきましては、多少いままで陸運行政の面におきまして固執し過ぎるという点があったことは、ただいま私どもは率直に反省いたしております。したがいまして、現在運輸省の行政方針といたしましては、従来のいわゆる許認可型から新しい誘導行政へというここ数年来の運輸省の新しい方針に基づいて、極力そういう一般の需要に合うような方向で指導をするということになっておりますので、私どももその線に従って努力しているつもりでございます。  したがいまして、いま先生のおっしゃいましたような特定輸送的な御要求があれば、これは何も私ども形式にこだわって法律を否定するという考えではございませんで、それがそういう輸送形態に適合するものであって、いま申し上げましたような安全の確保、あるいはそのスケジュールの確保、そういうことについて十分責任を持っていけるということでございますならば、そういうものを認めるにやぶさかではございません。
  115. 田中武夫

    ○田中(武)委員 要は、必要に応じて起きてくる事態に対して法律をやはり弾力的に解釈をし運営する、いいですね。  それでは、時間の関係もあるので、これはまたあらためて深く聞くことにして、簡単に一つだけ聞いておきます。  レンタカーの自賠保険、保障はどうなっていますか。と申しますのは、私の聞いたところでは、レンタカーには保険会社保険を受け付けてくれないのだ、こういうようなことを聞いておるのですが、自賠等々について保障ないし保険についてレンタカーには特別な扱いがあるのかないのか。また、これもはっきりしないのですが、レンタカーをフェリーボートに乗せなかった、こういうことも聞いておるのですが、レンタカーをフェリーボート等に乗せる場合に特別の制約があるのかないのか。ひとつそれだけ伺っておきます。
  116. 野村一彦

    ○野村説明員 先生のいまおっしゃったいわゆる強制保険である自賠保険につきましては、レンタカーであろうがなかろうが加入しなければなりませんので、それでなくて、先生のおっしゃるのは上積みの保険をレンタカーの会社が積もうとしたら保険会社がこれに応じない、こういうお話だろうと思いますが、私どももそういうことが間々あるように聞いております。したがいまして、私どもの行政指導としてできるだけ上積み保険を積むようにすべきだということは言っておりますが、これは行政指導の面でございますので、強制的にはなかなかできかねる問題でございます。  それからレンタカーをフェリーボートに積まないというのは、私ちょっとフェリーボートの監督を直接やっておりませんのでわかりませんが、そういうことは原則としてはないと思います。
  117. 田中武夫

    ○田中(武)委員 保険のほうは、おそらくいまおっしゃったように上積み保険だと思うのです。それをたとえば料率といいますか、保険料金が少し高くともそれはやむを得ぬとはいっておりますが、しかし受け付けてくれないのだ、そういうことを一つ聞いたのと、それからあとのほうのフェリーボート云々については、私もいつ、どこのフェリーボートがどういう態度をとったかということをあらためて調べまして、またあなたにあるいは運輸省へ別個に話をする、そういうことにいたしたいと思います。  それじゃ、きょうはこの程度で終わります。
  118. 高橋清一郎

    ○高橋(清)委員長代理 小山省二君。
  119. 小山省二

    ○小山(省)委員 先般大蔵省から運輸省に対して財産管理の改善要求というものがなされておるわけであります。私はそのすべてについてどうこう言うわけじゃありませんが、そのうち二、三、財産管理がきわめてずさんであるという点に関して運輸省に御注意を願いたいと思います。  たくさん問題がありますが、そのうち二、三の空港で、その空港内の用地が長い期間不法占拠をされておる。政務次官はもう御承知と思いますが、そのうちの大阪空港では第三国人、しかも二十数年にわたって不法占拠をされておるという事実が一向に改善されないということで大蔵省から重ねて改善の指摘がなされております。こういう事実をなぜ長期にわたって放任しておくのか。また、その後改善、解決をされたかどうか、その辺を伺っておきたいと思います。
  120. 山村新治郎

    山村説明員 いま先生おっしゃいましたように、伊丹空港で第三国人が不法占拠をしておる、これは事実あるケースでございますが、実は運輸省としてはもちろん強制的にでもこれは返してもらうほかないということですが、実は万博の関係もございまして、あの外国の国賓といわれるような方々がおいでになるというような時期にそれを出して、もましてもいけないじゃないかというような配慮もございまして、少し長くなっておるようでございます。しかし、今後はこの問題については前進的に取り組んでいきたい。この用地を取り戻すことによりまして、ちょうど空港の安全という面もますます増すわけでございますから、そのようにやっていきたいと思います。
  121. 小山省二

    ○小山(省)委員 私がなぜこんな問題を取り上げるかというと、最近空港内の用地がかなり利権化されており、いろいろと世上批判を受けておる。私はむしろ万博の開催などを契機にそういう問題が解決されてこそ至当であろうと思うのです。むしろそれに藉口して、その解決がたいへんおくれておるということは、逆にいうと遺憾なようなふうに感ぜられるわけであります。  その他、運輸省ではかなりの庁舎を公務員宿舎として無断転用しておる、しかも公務員の住宅の安定率からいうと運輸省は非常にいい地位にあるにかかわらず、そういう点がたいへん多いということを指摘されておる。言うならば、これは運輸省のそういう財産管理に対する一つの姿勢が指摘されておるのではないかというふうに私は思うのであります。個々のケースについては、適当な時期に十分ひとつ御調査の上、できるだけそういう問題を解決されるように御善処を特に御要望申し上げておきます。  それから、それに多少関連しておるのですが、鉄道建設公団の大阪支社で架空な公文書を使って移転費用を着服して問題になった。金額は三、四千万の金額でありますが、問題は、公文書やその契約書の内容等からいって、この責任の所在が建設公団にあることは事実でありますが、その損害が国の損害になる、こういうことが指摘をされておるわけであります。私も内容を調査に行ったわけではありませんから、その公文書の内容がどういうものであるかということは事実上まだ調査をしておるわけではありませんが、そういう問題が国の損害になる。国の損害というと、国鉄の損害になるのではないかというような感じがするわけでありますが、総裁としてそういうことをお聞きになったことがあるかどうか。これはこう書いてあるのです。「横領された土地代金三千五百万円については、偽造された公文書であることや契約書に不備な点があることから、国損となるかどうかは、公団と公社の話し合いにかかっている。」こう指摘をされておる。
  122. 山口真弘

    ○山口説明員 大阪で起きました鉄道建設公団の事故につきましては、ただいま調査をいたしておる段階でございまして、ちょっとつまびらかにいたしておりません。さらに十分調査いたしまして申し上げたいと思います。
  123. 小山省二

    ○小山(省)委員 内容は御調査の上でけっこうでありますが、私は、むしろたいへん赤字で再建に苦しんでおるという国鉄の出資にかかる建設公団、この存在についてたいへん疑問を感ずる。確かに、わが国において過密過疎対策というものがいろいろと論議をされておることは事実でありますが、少なくとも国鉄は独立採算制をたてまえとしてその運営に当たらなければならないというのが私は基本的な原則だろうと思います。しかし、その性格上公共性を多分に加味しなければならぬことも事実でありますが、いま国鉄の運営の中で一番問題になっておるのは、採算ふつり合いなローカル線、そういうものを一般国民の利害の上に立ってどう調整していくかということが国鉄の再建にとって大きな問題点であろう、そういうときに、一方において地方住民の要望だということや、あるいは建設公団がどのような方針に基づくものか知りませんが、一方においてはどんどん鉄道の建設を進める。   〔高橋(清)委員長代理退席、委員長着席〕 現に北海道などではそういう事例が指摘されておりますね。一方においてはもう廃止するというのに、また片側に新しい鉄道をつくっているなんということがある。そういうことを考えて、総裁として、もう少し国鉄再建にあたって、建設公団というものをどういう形において処理していく——そういうものは全部国の責任で、国鉄には一銭も損をかけません、こういう契約の上に立って運営に当たるということになれば、これは国鉄としては別でありますが、少なくともその運営の中において、相当部分国鉄の責任になってくるということになると、私は、国鉄の考えを無視して建設公団が建設するということはかなり問題点があるというふうに考えておるわけです。  国鉄は最近再建計画のためにいろいろ合理化計画を進めておるようであります。しかし、過疎地帯については、私は国鉄の親心というものはかなり理解できると思いますが、過密地帯のほうになると、朝晩の通勤などにおいては、まだまだ人間扱いされていないような運営がなされておる。もう駅員が一生懸命でうしろから押し込まなければ入り切れないような、そういう状態が今日まだ放置されているのです、実際問題として。そういう中で、一方においてはそういう合理化計画が強く進められる。私どもの選挙区の中でも無人駅になる駅がかなりたくさん出てくる。また、一つの町の中から、二つあった駅が全部廃止をされてしまう。しばしば私どもに強い要請なり陳情がある。しかし、私どもも国鉄の立場を考えると、そういう地域住民の要望に私自身なかなか沿い得ない悩みを持っておる。地域の住民のそうした陳情に対しては理解しますが、一面また国鉄の財政状況考えると、必ずしもそういう要望を強く反映させるわけにもいかないというので苦しんでいるのですが、国鉄の再建は、確かに合理化計画も必要でありますが、国鉄にはもっと大きな問題点が私はたくさんあると思う。たとえば国鉄が交通公社のようなものにかなりの委託をしておりますね。それじゃ交通公社は赤字かというと、そうじゃない。もうかる部分は他人の経営に移ってしまって、そうして経営上苦しい部面を国鉄がみんな引き受ける。また、合理化計画だって、確かに駅を廃止することも必要だろうし、人員整理も必要ですが、もっと大きな部分で国鉄が整理をしなければならぬものがたくさんあります。私どももそういうことを聞いているのです。ところが実際は、労働組合その他の協力なり理解が得られないで、そういう大きな部分はみんな取り残されてしまっているのです。そういう末端のことが表面化して、そうして地域住民にはかなり不便をかけながらも、国鉄の合理化計画というものは進められる。国鉄総裁として本格的に国鉄の財政再建に取り組むなら、思い切った手術が私は必要だろうと思うのです。そうして、やはり一つの企業者として企業意識に徹しなければ、現在の国鉄の中の再建計画というものに対しては、私は、必ずしも国民が十分これを理解し支持するというわけにはいかない面がかなりあるのではないかというふうに考えるのですが、総裁の御所見はいかがですか。
  124. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 国鉄の経営問題につきましては、先ほども森下先生に御答弁申しましたように、ある意味では非常に大きな危機に差しかかっていることは事実でございます。その意味で、ただいまの御指摘のとおり相当蛮勇をふるってやらなければならぬ問題が多々ございます。  まず第一の、たとえば先ほどの新線建設にいたしましても、建設公団でやっております新線建設の中で、どうしても将来の輸送体系上必要なものと、鉄道でなくてもいいと考えられるものと二つございます。その前者のほうはともかくといたしまして、鉄道でなくてもいいというものがやはり建設されているということも事実でございます。それに対しまして、私どものほうもいままで相当な、毎年六、七十億の出資をいたしております。これは借金をして出資をいたしているわけでございますが、今度、来年からはその出資も取りやめるというふうにいたしたいと思っておりますし、またそういうローカル線の建設につきましては、ほんとうに国として必要なものとそうでないものと分けてほしい。そして、必要なものはまだあると思います。それはつくる、しかしもう自動車輸送でいいものは自動車にするという決心をしていただきたいということで政府にお願いいたしておるわけでございます。最小限私どもとしては建設公団に対する出資を取りやめるということが、さしあたりでき得る一つの方法でございます。  それから通勤の問題のお話がございました。私も実は中央線から大体電車を利用して毎朝通っておりますが、最近三鷹までの複々線ができましたので多少よくなりましたことは事実でございますが、まだ奥地のほう、青梅線、立川のほうからは相当な混雑でございます。私どもは、あの三鷹までの複々線を将来立川まで延ばしたいという気持ちも持っております。計画も持っておりますが、まだそれを具体的に発表し、予算をつけるまでの段階にはなっておりませんが、現在、東京都を中心といたしまして約五千億の金をかけて五つの方面の操車場の工事をやっておる最中でございまして、この利子負担だけで、さっきもお話しのとおり、経営上相当大きな問題になっているわけでございますが、東京都の通勤問題は、これはもう理屈は抜きにして、国鉄に降りかかっている火の粉だというふうな気持ちでもって通勤輸送の改善に全力をあげておりますが、非常にばく大な金がかかります。キロ当たり五十億とか六十億とかいう金がかかりますので、こういった問題と先ほどの地方の問題と、どうこれを調整するかということなどは、いろいろ交通政策の問題として重大な問題だと存じますが、とりあえず、いまやっております中央線の問題あるいは東北線、常磐線、総武線、これらができますれば、一応通勤輸送としては一段落するというふうに思うわけでございますが、それよりもさらにもっと東京都に人口が集中するような場合には、私は、もう現在線の複線化あるいは複々線化ではだめだと思います。新しいアイデアのもとに、ちょうどアメリカがサンフランシスコでやっておりますような通勤専用の鉄道をつくる、広軌の、しかも速い鉄道をつくるというふうな、抜本的な住宅問題とからんだ通勤対策を立てない限り、いまの古い、百年前につくった鉄道をいじるということは、もうこれで限界だというふうに思っておりますので、そういう新しい通勤政策、交通政策の一環としての通勤政策をぜひ政府としても取り上げていただきたいというふうに、いまいろいろ関係方面にお願いしている最中でございます。
  125. 小山省二

    ○小山(省)委員 私は、国民の交通機関に対する考え方というものが、ここ数年相当大きく変わっていると思います。言うなればスピードを非常に要求しているということなんですね。ですから、料金が高くても航空機が非常に国民から利用されておる。また新幹線を一つ見ましてもばく大な投資をしても新幹線に対する採算というものがかなりつり合いがとれてきておるというような点から見て、国民が従来国鉄に依存しておったような考え方が大きく後退しているということを、私は国鉄に考えてもらわなければならぬと思う。現に、都道府県なり六大都市で使っておったあの市内の電車というものがほとんどもう廃止をされている。これは赤字の中で廃止をしているんです、このままおけばもっと赤字が累積されるという見通しで。私は、この都電なり市電を全廃するということは、当事者にとっては相当勇断だろうと思う。しかしあえてこれをするということは、交通機関の将来性を考えて、私はやむを得ざる結果であると思う。国鉄は、そういう輸送機関に対する将来性というか見通しというものに対しては、まだどうしても私は非常に甘いものがあるような感じがするわけであります。それは、国策上その国鉄の赤字は全部国が責任を持つんだというような、かつての鉄道省のような時代であったら私はそのような考え方が許されると思うが、少なくとも公社として新しい経営者の立場に立ってこれを考えた場合には、やはり従来のような考え方は許されぬと思うのですね。確かにそれは国鉄が再建するためには一部の人には御迷惑をかけたり、やはりそこには相当のいろんな問題点が起こってくると思う。しかし国鉄百年の計を考えたら、私は英断をもって処置しなければならぬ時期がいま国鉄の責任者に迫られておるのではないか、そういう感じがいたすわけであります。ぜひひとつ勇断をふるって国鉄再建のためにあなたに御努力をお願いしたいと私は思う。  それで、自動車局長にちょっと。近く公務員のベースアップが政府において決定されるものと思うのでありますが、従来ハイヤー会社というものは二、三の大きな会社はありますが、私どもの選挙区などはほとんど中小、零細の会社がハイヤー会社経営しておるわけであります。したがって、いま公務員の給与は民間給与にならって引き上げておるということを人事院ではいっているんですが、中小企業に至っては、公務員の給与決定がなされてからそれに見合って引き上げが行なわれるというのが事実です。ところが、政府のほうは、公共料金におかまいなしに人事院が給与ベースを決定するということになると、これにどうしても歩調を合わせなければならぬ中小のハイヤー会社は一体どこからその財源を求めるか、当然料金を改正してもらわなければ待遇改善というものはできない。そのまま放置しておけば、当然その人たちが何らかの方面に向かって転職をしていくということになって、現に優秀な、成績のいい運転手はどんどんその姿を消していくという実情から、地方におきますハイヤーを経営している中小の会社というものは非常な苦境に立っておる。現に料金改定のあとを調べてみると、終戦後何回の改定がなされたか、どのくらいの率で値上げがされておるかということを聞くと、物価問題の一番犠牲を受けておるのがこの交通料金ではなかろうか。したがって、料金改正がなされた直後すぐ次の料金改正の要求がなされておるという事実を見ても、私は政府の苦衷もよくわかるのですが、やはりこれを業としてそれだけの待遇改善を払わない限りその業が続けられないというタクシー会社の現状を考えると、この料金値上げについては、むしろ公務員の給与改定にスライドしてそういう面にある程度の改定が自動的になされるように、公共料金を押えている以上はやはりそこにそういう配慮がなされなければならぬと思うのですが、その点についてのお考えをひとつお示しいただきたいと思います。
  126. 山村新治郎

    山村説明員 このタクシーの運賃改定につきましては、いままで一定の地域ごとに基準年度を定めて、過去の実績をもとに収支の伸び率を計算して、そして企業の収支がバランスがとれるようアップ率を定めてきております。先生おっしゃるように、運賃のスライド式、この改定をどうだということでございますが、実はこれは法律的にも政策的にも検討すべき問題点が数多くあるようでございますが、しかし今後慎重に対処していきたい、前向きの姿勢で検討していきたいと思っております。
  127. 小山省二

    ○小山(省)委員 前向きに御検討いただけるという政務次官の御答弁であります。私はぜひそのとおり御検討を願いたいと思うのでありますが、今日大小のハイヤー会社実情は、長い期間現状のまま放置することが許されない、非常に苦境に立っておるというその実態は局長がよく御存じだろうと思うのであります。したがって、できるだけ早く実態を御調査の上、これらの業界がある程度成り立つ程度料金改定というものは政府においてもお考えいただきたい。物価問題ということになると、一番先出るのが公共料金、その公共料金の一番犠牲になるのはこうした中小の交通機関であるということをひとつ念頭に置いて御検討を願いたいと思うのであります。  それで、それらのハイヤー会社が一番心配をしておるのは自賠償の料率の問題であります。特に関係者からいろいろ私どもに要請のありますことは、これの決定の責任の立場に立つ保険の審議会の委員、これが費用負担をしておる業界側から代表者が一名しか出ていないということです。大体こういう審議会の構成というものは、その構成が比較的公平に保たれなければならぬと私は思う。費用は三千億近い負担をさせている、発言者は一人しか許さないということでは、私は、やはりその決定される内容について業界がいろいろと不満を申し述べるということは当然だろうと思う。  したがって、この審議会の委員の構成について、十三名のうち、もう少し業界側から委員を選出するそういう構成に変更してもらうことが可能であるかどうか、この点をひとつお聞きしたいと思います。
  128. 野村一彦

    ○野村説明員 先生お尋ねの自賠責の審議会でございますが、これは実は大蔵省が主管してやっておられますので、私どももちろん相談を受けておりますけれども、私として確定的なお答えはできかねると思いますが、先般来、いわゆる自動車のユーザー側の代表をふやしてほしいという声がございましたので、なかなかユーザー側の各分野を網羅することはできませんけれども、臨時委員という形で二名ほどの方が追加されるということになって、ほぼその人選も終わっておるというふうに聞いております。
  129. 小山省二

    ○小山(省)委員 確かに決定権があなたのほうにないかもわかりませんが、少なくとも、業界の利益をむしろ代表して主張してもらうそういう立場に立つ運輸省の側でありますから、私はできるだけ運輸省としてそういう考え方を大蔵省のほうに強く反映させるように、今後も引き続き御努力をお願いしたいと思う。  たくさん自賠責保険に関する要望というものが出ておりますので、専門家の局長はすでに十分内容については御承知だろうと思っておりますが、かなりこれは業界の費用負担の上に大きな影響を持つ問題でありますから、この内容については大蔵省のほうに私どももしばしば説明をしておりますが、運輸省のほうで、特に業界を擁護するといいますか、その利害を最も強く反映できる運輸省のお立場でありますから、私は局長にこの自賠責の問題については、早急にできるだけ業界側の考え方を取り入れるように今後引き続いて御努力をひとつお願いしたい。これをお願いしまして、私の質問を終わります。
  130. 濱野清吾

    濱野委員長 吉田賢一君。
  131. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 国鉄の総裁から伺いたいのでありますが、国鉄の現状は、財政的見地から考察するだけでも、その膨大な構造、運営等の実態にかんがみまして、実はわれわれしろうとが取り組むことは容易ではございません。したがいまして、私はきょうのところ十分な資料を持っておりませんので、ほんの基礎的な点を思いつくままに二、三伺うことにきょうはとどめたいと思います。また別の機会を見まして、できるだけ詳細な御説明を聞き、疑問もただしていきたいと思います。  そこで第一は、例の四十四年度の決算につきまして、これは前回もちょっと明らかにしたのでございますが、これが、あれこれと計算いたしますと、大体千三百十六億円の欠損になる。累積赤字は四千百三十七億円、したがいまして、十カ年計画の初年度といたしましては、計画の赤字は六百十三億円でなかったかと思うのですが、ざっと倍額になっておるようでございます。そこで、国鉄の財政現状で一体十カ年再建計画ということは可能であるかどうか、見通しはどうなるだろうというところから、また四十六年度には、国鉄のKと米のKと健保のK、三K赤字とか称されて、かなり重要なウエートを占めるらしいというようなこともあれこれと思い合わせまして、そこへ自民党の内部におきましては、一両日前でありましたか、国鉄の財政再建をめぐりましての一つの提案がすでに公表されております。こういうようなあらゆる面から考えてみまして、私はこの際、やはり十カ年計画初年度の一つの蹉跌と目すべき現状にかんがみまして、何がそうならしめたかということをひとつ端的に伺ってみたいと思うのであります。  そこで、こういう点はどうなんでしょうね。これは計画自体にそこでもあったのかどうか、もしくは、前提になるところの諸般の経済の推移の観測ないしは計画資料になるような要素の調査が不確実、不十分であったことによるのであろうか、予期せざる負担とか支出が発生したのだろうかというようなことを、内部的にひとつお考え願ったものを伺っておきたいと思うのですが、どうでしょう。
  132. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 いま国鉄財政の重大な問題につきましていろいろ御指摘がございましたが、再建計画と現実との乖離の一番大きな原因は、先生のいま御指摘の三つのいずれも関係いたしておると思いますが、一つは、四十四年度に運賃を上げましたけれども、線区によりましては、上げた分の半分以下の増収しかない、いわゆる運賃値上げがもうすでに限界に来てしまったところが相当ある、したがって収入が非常に伸び悩んでいるということが第一点であります。この点につきましては、私どものほうの見方が甘かった、輸送量の伸びに対する見方が甘かったといえばそういう点も一つあると思いますが、むしろ競争機関の非常な躍進が大きな原因だというふうに思います。この収入の伸び悩みあるいは輸送量の伸び悩みが第一点であります。  それから第二点は、やはり何と申しましても、人件費の非常に予想以上のアップ率でございます。再建計画を立てましたときには、国会で御説明申し上げましたように、大体九%で年間の平均上昇率を見ておりましたけれども、実際には御承知のとおり一割五分、一五%前後になっておるというふうな点から申しまして、単年度で七百億から八百億の所要資金がベースアップに必要になる、一方、収入のほうは三、四百億しかふえない、こういう現状でございますので、収入の面と経費の面、特に人件費のアップ率が大きかったということ、そのほかにいろいろございますが、大きな理由といたしましてはその二つに尽きるというふうに思うわけでございます。
  133. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 一つは、やはりその場合は内部的な原因が大部分を占めると思うのでありますが、内部的な原因もしくは構造的原因というふうに考えてみますと、構造といたしまして、国鉄自体は、小山君もちょっと指摘されておりましたが、過去の国鉄にあらずして、現在の国鉄は、体質、構造、機能、運営自体に一種の老化現象でも来たしておるのかどうか。したがって、技術発展、経済成長の現段階、七〇年代に即すべき国鉄といたしましては、これは少し過大なものの見方ですけれども、少しずれてきたのではないか。この構造的欠陥に対して総裁はどう考えておるのかというのが一点。  もう一つは、国鉄は長い間の日本国有鉄道法に基づいて成立したような団体でございますので、したがいまして、言うなれば国のもの、国の財政におんぶするもの、国民に奉仕するけれども、ともかくいかぬときは国によって救いの手を差し伸べるという一つの本質を持っておるということが先入観としてあるのではないだろうかというところから、国鉄みずからして外部的な要因がここに至らしめたものがあるのではないか。外部的要因、たとえば鉄建公団にいたしましても、鉄建公団の存否もしくは功罪は別といたしまして、いずれにいたしましても法律上建設決定の新線は国鉱が受けざるを得ないような立場になっておるというようなこともあります。それはまた別の要素はあります。つくってもらわなければならぬ、地域開発のためという要素もあるということ、一例をあげましたならば。そういうことで体質以外のものも加わってくるのではないであろうかということ、もしくは総裁以下幹部職は、国鉄の再建計画は命がけでやってもらわなければいけません。国鉄の運賃値上げの法律を議会でばっと簡単にきめましても、波及影響というものは甚大でございますので、そういうことも考えていきますと、計画というものは、最も合理性に富んだ、技術的にも最も正確を期しまして、誤りなきを期するという計画でなければいかぬ。そういう点につきまして、トップの判断といたしまして、これの取捨選択をどうするか、どういうふうにこれは変更もしくは是正をすべきか、どういう目的を達するのかということをその段階で徹底的に論議することがいささかおろそかになっておるのではないだろうか。なれる、惰性というものはよくあることですから、何も国鉄だけ言うのではありません。全体がそうですから、国会も省みてそんなことをいろいろと思い当たる節もある、そういうこともございますので、その辺の要因もあるのではないだろうかということが考えられますので、しょせんは財政再建は、方法よろしきを得ましたならば可能なりという前提に立っておるというのなら、論議はだんだんと愉快に展開できるのです。不可能であるとするならば、しょせんいざりが富士山に登山するようなことで不可能ですから、その辺は適当にまたしなければいかぬと考えます。  これは理由を明らかにしないで突っ込んだ結論的なことを言って失礼ですけれども、その辺についても、私はこの際疑問を釈然とさしておいてもらいたい。その辺どうなんですか。
  134. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 たいへんずばりの御質問でございますので、私も歯にきぬ着せず御答弁させていただきます。  いま先生の御指摘のとおり、現在の国鉄、ちょうど百年近くたったのでございますが、やはり問題がおっしゃるとおり体質的なものとそれから体質外的なものと、二つあると思います。  体質的なものと申しますれば、いままで約百年の間、国鉄は陸上輸送はどんなものでもやる、何でもやるのだというようなたてまえでやっておりましたものが、先ほどのお話のとおり、日本の経済成長によりまして、その経済成長に即応すると申しますか、むしろ経済成長をリードできる面、それから全く経済成長から見放されたと申しますか見捨てられたと申しますか、そういう面、この二つが現在の国鉄の中に非常にはっきり出てきているというふうに、これは私なりに考えております。すなわち、国鉄全部が経済成長にマッチして伸びる、国鉄全部が経済成長から見放されたというふうな見方でなしに、経済成長にマッチしている面、それから経済成長からもう見放されて、とても追いつかない面、この二つが部内的に見まして、線路別に見ますと非常にはっきりしてきてまいっております。そういう意味で、体質的な問題と申しますのは、まず国鉄の持っている現在の二万キロのうちに、ほんとうに将来とも日本の経済成長をリードできるもの、それからもうすでにその用が、使命が終わったもの、この二つがあるということをはっきり認識した上で今後の対策を立てませんと、なかなか、ただその場その場の二万キロどんぶり勘定にしたような対策では十分でないというふうに私は思います。そういう意味で、まず内部的な問題が一つでございます。  それから外からの体質的な問題がございます。これも先生指摘のございました国鉄の中からと申しますと、何か困ったら国が何とかしてくれるだろうというふうな見方があることも、これは確かでございます。私はあえて否定申しませんが、逆に外の方は、国鉄は世帯が大きいから何でもいいんじゃないか、何でもやれるんだろうというふうなお考がまだあるように思います。その証拠に、たとえば私のほうで運賃上の非常な公共負担をしょっておりますが、これは過去数年間ほとんど軽減されておりません。この過去十年間における運賃上の公共負担の累計額は実に七千億に達しております。これを三十九年度の国鉄が赤字に転落したあとのものだけをとりましても、実に約五千億に近い運賃上の公共負担をしょっておるわけでございます。これを一体だれが負担するのか、国鉄の利用者に負担させるのか、あるいはこれは一般税金なり何なりで負担させるのか、あるいは受益者が負担されるのか、こういう問題をきめなければならない内部的な問題が出てきておるというふうに思います。  また、鉄建公団のお話でございましたけれども、これもやはり外部的な問題として申し上げますれば、現在、鉄建公団ができてからあと国鉄が引き継ぎましたいわゆる赤字線、あるいは昭和二十八年以降鉄建公団ができるまでに国鉄が建設いたしました赤字線から出てきております赤字額の累計額が実に三百八十億くらいございます。これはちょうど現在の累積赤字四千三百億の八%くらいに相当するものが、いわゆるローカル赤字線の、しかも新しくできたローカル赤字線から出ている、これは利子と償却費はお話になりませんが、運営費だけでもってそれだけの赤字が出ている、こういう現状でございまして、なお現在数十線の新線がつくられている、これを運営する場合には赤字が出るにきまっている、しかしこの赤字を一体だれが負担するのか。いまの現状から申しますれば、やはり国鉄の利用者が負担する以外にないわけでありますが、利用者に負担させれば運賃を上げざるを得ない、運賃を上げれば、さっきお話しのとおり、飛行機とか自動車のほうがよほど安くてよほど速いということになると、そちらへお客が行ってしまうというふうな意味で、私どもといたしましては、この国鉄に対する外部の認識と申しますか、これを相当変えていただくように私ども自身が努力しなければならないというふうに思っております。  それから第三の国鉄再建についての私どもの覚悟と申しますか、これはもう申し上げるまでもございませんが、ちょうど百年目という非常にむずかしい時期に際会いたしました私どもといたしましては、現に初代総裁が命をかけて人員整理を敢行したというふうなこともございますが、私どもは常にその覚悟でもってこの再建に臨んでまいりたいというふうに考えている次第でございまして、今後ぜひいろいろ御教示、御支援を賜わりたいと思う次第でございます。
  135. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 東海道新幹線が開通されました。これは国鉄の技術面の高度さを世界的に証明したものであると私は思うのです。したがいまして、国鉄はあらゆる観点から見まして、他の企及しがたい長所を持っております。私鉄といいましても、航空機といいましても、海といいましても、これだけのものを短時間に事故なしにすばらしく運営していく、輸送していくというものを開発して今日に至っておるというようなことは、大きな足跡だと思うのです。その面は長所なんです。しかし、体質的に、本質的に構造的な欠陥があるという面については、やはりもっと謙虚に考えなければいかぬと思うのです。これは非常な決意が要ると思うのです。私は、さっき命がけというようなことをだてや酔狂で言うているのじゃないのです。そのぐらいに国民は国鉄に大きな期待を持っておるという半面も考えてもらわなければならぬ。どうせ昔の炭鉱屋と同じであってだめだから、まあ何かの補助でももらって逐次油にかわっていくというような、そういうエネルギー革命における炭鉱と違うのですからというようなことも考えるが、その体質的な構造的な面につきましても、ほんとうに謙虚に反省をしてもらいたいと思うのです。  でありますので、たとえば、いかに近代化するか、いかに合理化するかということも、これは抽象的なことじゃなしに、かなり具体的に、積極的に経営の面、それから人間労務の管理の面、運営全体の面、こういう面につきまして、なお新幹線で技術的に発揮したようなそういうすばらしい夢を実現することは私はできると思うのです。ある可能な能力を持っている。他に少し目を向けましたらそれまた可能です。ですから、可能が無限に拡大するかのような国鉄なりというような、こういう期待と夢を持ってこの際いくということまで一ぺん姿勢をしゃんと持ち直す、それなら初年度からこんな蹉跌はないのです。そこにどこか欠けたところが必ずなければならぬと私は思いますので、一たんきめましたならば、目標も正確にきめなさい、これに対する計画も緻密な計算のもとに、精密な資料のもとに計画を立てなさい、これはしょっちゅう言うことでありますけれども、コンピューターの使用等におきましても、国鉄のすばらしい技術は過去において私は体験しておるのです。ですから何ぼでもその方法はあると思うのです。  予算措置についても同様でありますので、その辺について、いかにこれを実際に行なっていくかということを具体的に立てなさい。そうしなければ、あれもこれもと言うている間に、また金でも少し国から出せ、運賃値上げをしろ、あるいは赤字をやめてしまえ、あるいは、さもなければ借金していこうかというように——それとも外国のどこかの国のように全部借金をたな上げしてくれぬかというような議論までこのごろ飛び出しておりますよ。そんなことを言うようになってさましたら、もうそれは何をかいわんや、道楽むすこをうちに置いているようなことになるおそれがあります。これは真剣に国鉄を思えばこそ言っていることばですよ。あなたに悪口雑言して毒口きいているのだみたいにおとりにならぬようにしてもらいたい。そう思いますので、その辺についてはよほどしっかり持ってもらいたい。  そこで思い当たりますことは、いつも議論になっておりましたように、企業性と公共性は一体どうなるのか、組み合わせばどうなるのかということまでまた議論になる。半分企業のような、半分国鉄のような顔をしているということはだめです。たとえば、私鉄はターミナルのあのいろいろなすばらしい経営、繁華街の経営ビル経営、ホテルの経営等々、宅地開発から建て売りまでやっていますよ、というように関連事業に手を出していっておる。これも大事なことです。しかし、いまの国鉄さんとしましては経営能力があるんだろうか、へたしましたら借金の海になりはしないか、みんな質屋に持っていかなければならぬということになりはしないかと、実はほんとうに私思うのです。ですから、そのこともあるし、一体どうしたもんだろうかということで、やはり国鉄の企業性と公共性についてもっとしゃんとした姿勢で割り切ってもらいたい、そこで適用すべきものは何なのかということをきちんとしてもらいたい、こういうようなことを基本的にこういう機会にしっかりと持ってもらいたいと思うのです。  えらい理屈のようなことばかり並べて失礼でございましたけれども、ちょっとそれを伺っておきます。
  136. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 非常にいまの含蓄の深い御意見賜わりまして、結局問題は、交通体系の中で国鉄が将来何をやるかということが一番の問題だと思います。先ほど申しましたとおり、何でもかんでも陸上交通は全部国鉄がやるのだというこの守備範囲は広過ぎると思います。これを将来のあるべき姿に直す、それによって人間の頭数もそれに合わせるようにするというふうな企業経営のスケールと、それからそれを運営する組織なり人なりというものから根本的に立て直さなきゃならないというのが私の考えでございます。  関連事業等につきましても、もちろんやれるものとやれないものとございますが、これらにつきましても、人間のはけ口というような面からいろいろ考えなければならぬ点もあります。今後とも国鉄経営の根本問題について具体的にいろいろ考えてまいりたいと思います。
  137. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 委員長、国鉄さん済みました。  山村次官にちょっと伺いますが、運輸省といたしまして、最近やはり重要なことは、交通政策をいかにして総合的な施策を樹立すべきかということが非常に大きな課題だ、こう考えるわけでございます。もっとも、これはすでに例のあなたのほうの審議会にも一応諮問しているらしいのでありますけれども、この範囲と対象と規模と、どのような角度でこれをつかんでいこうとされるのか、これは非常に大事な点で、聞きたいのです。  たとえば、いま問題になっておりますのは、自動車とあるいは海、船舶とそれから国鉄——これは私鉄も含んで、かつ航空も含んで、これら一切の輸送機関を総合いたしまして、これが共同するか、あるいは総合していくかというような、いろんな取り方、見方、組み合わせ方もあると思いますけれども、いずれにしましても、それぞれと任務を持った輸送機関でありまするので、その視野とつかみ方で、これは運輸省が基本的な施策を出す一つの重要段階に来ておる。これなくしては国鉄問題一本立ちでは解決しません。国鉄も私鉄も同様であります。あるいはまた海の問題にしましても、海運政策も重要でありますが、海の問題だけでは解決しません。あるいはまた総合のコンテナ輸送の計画にしましても、単にそれだけを見るだけではいけません。空の問題もほっておけません。このごろのような過密状態、事故ばかり起こすようなこともいわれる。あんな事態はどこかに何かと欠陥が生じますから、これは需要が猛烈に旺盛になっておりますので、これに対応する客体がこんなひびになってくるのかもしれません。だから、早急にこれはやはりこの内閣に重要国策として交通の総合施策を打ち出すべき時期だと私は思うのであります。ひとつ、きょうは大臣にかわっておっしゃってもらいまして、なおこの点につきまして、別の機会でも一そう具体的なものをできるだけ早く国民に出してもらいたい。いかがでございますか。
  138. 山村新治郎

    山村説明員 わが国の経済の高度成長、この過程におきまして、この交通部門に対する投資の不足、これがもとで、はっきり申しましていろいろ問題が出ておると思います。しかし、今後わが国の経済というのはますます拡大してまいりますし、いま運輸省の試算によりますれば、昭和六十年には現在の四倍から五倍くらいという交通需要が発生するというぐあいに見ております。  したがいまして、このように激増する交通需要に対処するための今後の交通政策は、先生先ほどおっしゃいました、いわゆる陸、海、空の各交通手段を有機的に組み合わせた総合的なものでなければならないというぐあいに考えております。この場合に、今後国際化の進展、そして安全、また公害と環境問題、また労働力不足等を十分配慮しなければならないと考えております。一方また、国土開発における交通の役割り、ナショナルミニマムとしての地域住民の足の確保、こういうような交通機関の役割りを十分果たせるよう配慮することが重要であろうと思っております。運輸省といたしましては、このような観点に立って総合的な交通政策を樹立し遂行していきたいと考えております。  しかし、こうした総合交通体系の基本問題につきましては、現在の運輸政策審議会に対しまして諮問を行なっておりますが、いま審議しておる最中でございますが、近日中に中間報告が出るものと思っております。この中間報告を尊重しながら今後の総合交通体系に取り組んでまいりたいというぐあいに考えております。
  139. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私が思いますのに、一つは、終局運輸省でこれをくみ上げて審議会で完成するということになりますと、これはやはり中途はんぱになりはしないかと実は思うのであります。と申しますのが、たとえば自動車にしましても、あの機動力の旺盛な、断然国鉄に比較して有利でありますね、こういうようなものにしましても、これは道路を無視しては成り立ちません。そうすると道路国策が重要であります。もちろんこれは建設関係になりますね。空にいたしましても、これは空の関係になりますと国際関係もかなり緊密な面まで生じてまいりますし、音速の二倍、三倍のものがどんどん入ってくる時代になりますので、こういうようなことになってまいりますと、範囲は外務省の所管も生じてまいりましょう。あるいはまた、安全だし、あるいは大量にあるいは廉価に輸送ができる、いまの国鉄の中で、こういうことになりましたら、やはりいかにしてこれを運営するか、労働力をどう管理するか、そしていかに適正にこれを運用してもらうかということになりましたら、これは高度な労働政策が要ります。高度な労働政策は、同時に人間としてのほんとうのしあわせを味わい得るということでなければこれは不可能であります。そんならやはり厚生省の所管事項がかなり入ってこなければならないということになりますと、教育もあり、あれもあり、これもありやしますので、運輸省だけ最後までだんびら引き抜いて舞台で踊るようなそういう式でば、最後に問題は解決できません。  ですからひとつ、あなた、大臣とも御相談になって、やはり閣僚協議会でもつくって、内閣としまして各省が一つの総合的な統一的な視野のもとに相協力し、相通じまして、施策をお互いが持ち寄りまして、そうして日本の総合交通運輸の国策を樹立するということになってしかるべきでないであろうか。ことに反面から見ましたならば、たとえば大洋の、公海におけるいろいろな最近の難破事故等がございまして、海難救援の問題がございまして、かなり深刻な問題になってきますると、一つのレーダーとかあるいはまたその他の電波の活用とか、航空機の活用とか救援とかというようなことになりましたら、これはまたかなり高度な、そういう機動性を持った救援体制も必要になってきまするので、こうなってきますると、予算面から見ても、各省の分担の事務から見てもかなり広範です。ですから、この総合交通国策というものはひとつ、あなたお帰りになりまして相談をして、いま私が提言しましたように、閣僚協議会まで設置するということになりまして——いまの公害問題と同じことです。そこまでいって内閣の主要な重要国策にすることが、私はせめてこの際のほんとうにこたえるべき第一義だと思うのですが、その点どうでしょう。
  140. 山村新治郎

    山村説明員 ただいま先生おっしゃいましたように、総合交通政策の樹立と申しますが、ただ単に運輸省だけががんばってやっておってもしかたがない。事実そうでございます。自動車にすればすぐ道路という問題も関係してまいりますし、そのほか、先生おっしゃいましたように、労働、厚生また外務といろいろな各省関係してまいりますが、この近日中にいわゆる運輸政策審議会の中間答申というのが出てまいりますが、ただいま先生おっしゃいましたような閣僚協議会のようなものをつくって強力に推進するべきであるという先生の御意見は、そのまま大臣によく申し伝えまして、私もできる範囲ではお手伝いさしていただきながらこれを強力に推進していきたいと思っております。
  141. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 総合交通体系の問題につきましては、追ってまた別な機会にいろいろとお尋ねすることにいたします。  それから最後の問題でありますが、船員ですね。船員並びに家族の福利厚生施設の問題でございますが、この問題につきまして二、三伺ってみたいところがあります。これもだんだん時間がなくなってまいりましたので、かけ足でやります。  船員は去年の三月現在では船員法に基づいて拘束される船員が二十八万余あるらしいのでございますね。ところで、船員の生活もしくは船員の勤労の実態ないしは職務のあり方というものにつきましては、案外国民は無知であります。昔、船でどんどん往復して、五十日のんびりと旅ができた時代とはいまは違いますので、飛行機で飛んでいって世界を回り歩く時代でありますので、どうも船員さんの海上生活、船の生活の実態というのは国民はあまりよく知りません。そこで、それならば一体どういうようなことをやるのだろうかというふうに——私自身も専門ではございませんでしろうとでございますけれども、たとえば勤務の拘束時間について見ても、一般の陸上の労働者でございましたならば、八時間勤務であるとか、八時に出勤して四時に引き上げますとか、パートタイムでございますとか、その意味できちんといたしておりますけれども、一体この拘束時間はあるのだろうかどうだろうか、そういう辺もかなりこれは問題になるのではないだろうかという面、それからまた、労働再生産の面から考えてみましても、陸上労働でございましたならば、夕方に帰って、子供の頭をなでながら妻や家族と一緒に団らんを楽しむ、そこで精力を回復して、あしたまた勇躍工場に進んでいくのが今日の実態でございます。しかし、子供の顔を見ようと思っても、奥さんの顔を見ようと思ってもこれは夢だけでございます。船員生活過程におきまして労働力の回復をし、再生産に備えようという心身の回復をはかることは、これは不可能でございます。これが船員でございますので、昼があるだろうか、夜があるだろうかと想像するのでございます、太平洋のまん中を通っているようなときは。そのようなことも思われますし、こういう異常な環境が継続しておるというようなところにも、私どもほんとうに想像に絶するような場がちらちら推測されます。われわれ気象情報等によって、何か気象異変があったんかいな、台風があった、そうかいな、いつごろ上陸するんだろうくらいで済ませますけれども、しかし海上生活はそうはいきません。しからば精神的緊張というものも、かなりある時間あるのではないだろうかというようなことも考えられます。そこへ持ってきて、何もかも自分でせなければならぬというのじゃないだろうか。つまり、みんな自己関係といいますか、言うならば洗たくまでせなければならぬだろう。うちならかかあがやってくれるのだけれども、というようなことを思いますよ。これもやらなければならぬ。生活の変遷ということが、どうも適当にああしたい、こうしたいと思ってもできません。どうもきょうは気分が悪いからひとつ有給休暇でもとって、どこか山へ子供でも連れて行こうかということもできません。というようなことを思いますと、どうも海上の船員の生活というものは、やはり根本的に再検討して認識を深めるということが一つの重要課題になって船員福祉問題が論議されるべきでないか。運動にしてもそうです。ずいぶん激しいことをやっていますけれども、運動をししているようですけれども、船員さんに聞いてみると、やはり仕事の場によりましては足が十分な運動ができておりません、足が弱いということを聞きます、実は私、知りませんけれども。  そういうようなことを思いますと、やはりこの辺につきましてどうだろうかと、もう一ぺん私どもは船員の実態、就労の実情、海上の生活の実態というものも国民全部に知らすという必要がないか。それほど重要な問題が含まれておるのじゃないかと思うのですが、どうでしょう。
  142. 佐原亨

    ○佐原説明員 御指摘のように、船員の労働体制は非常に陸上と異なっております。それがゆえに、労働基準法とは別個に船員法という法律でもって労働保護をはかっておるというようなことでございます。  先生の御質問の中の一つでございますが、拘束時間でございますけれども、拘束時間も、一応船員法によりますと、航海当直に立たない人は、原則として一日八時間ということになっております。ただ、船は日曜といえども海上を走る場合がございます。航海当直に立つ人は週五十六時間、日曜といえども仕事をしてもらう、こういうたてまえになっております。それから、一たん異常気象その他、非常緊急事態が発生した場合には、いまの労働時間にかかわらず時間外労働をする、こういうたてまえになっております。  問題はレクリエーションの問題でございますけれども、陸上は一年勤務に対して六日間、勤続年数の延長に応じて最高二十日まで有給休暇が与えられるわけでございますけれども、船員法の場合は、特に外航船でございますが、一年の連続勤務に対しまして二十五日の有給休暇を与える、一年をこえて三カ月を増すごとに五日を加算する、こういうことで、有給休暇に関しては陸上勤務よりもやや厚く法規定がなされているような次第でございます。  それから船内の生活でございますが、確かに妻その他おるわけでございませんので、洗たくその他は各自が行なわざるを得ない、これまた船員の宿命的な問題であろうと思っております。  非常にそういった特殊な事情がある上に、さらに最近は昔と違いまして、昔は港に入ったときに幾らかでも休養をとらせるたてまえをとっておったのでございますが、最近非常に船舶の運航形態がピストン運航になりまして、港においてもなかなか休養がとれません。かろうじて荷役関係を陸上部門に移譲することによって乗り組み員の労働軽減をするというような手だてが講ぜられておりますけれども、それでもなお陸上労働者に比べますと、いろいろな意味で特殊性がございます。こうした点を国民大衆にPRをする必要性は、先生指摘のとおりあろうかと存じております。
  143. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 日本も非常にすばらしい技術革新の時代に進みつつある際でございますが、同時に、やはり一切の輸送機関、企業そのものも大型化してまります。数十万トンの船をつくる、また速度もうんと高速になります。あるいはまた自動化する、なるべく人間をなくしていこう、からっぽでも動く、電気で動かしたらどうか、コンテナ化していく、あるいは原子力の船を動かしてはどうか、こういうような時代に進みつつあるわけです。  こういうことになってきますと、その面からいたしましても、これはやはりある意味でいろいろな負担がふえてくるということも、一つ一つにつきまして考えておかなければいくまいと思う。たとえば、いまの大型化にしても、高速化にしても、自動化にしても、コンテナ化にしても、原子力化にしましても、そういうようなすべての場合において、いかに船の従業者である船長以下の一切の船員がこれに取り組んでいくか、もしくははずされる場合に、残った者はどうなるのかということについてもこれは慎重に検討されまして、いささかもその人間性をくずさないようにというような基本線で取り組んでいくべきではないか。そうしなかったならば、人間が機械に使われてしまう時代になってしまいまして、それならロボットだけでいいんじゃないか、人間はいなくなってもいいんじゃないかという論議さえ論ぜられることになるおそれがあります。そういうこともございますので、この辺等につきましても、これはひとつ船員の労政担当局のあなたとしましては、かなりいつも積極的な姿勢でもって、これは敏感にそのあるべき姿、変わるべき姿等々はやはり看取してもらいたいと思います。
  144. 佐原亨

    ○佐原説明員 御指摘のように、船舶の大型化、高速化、自動化、目まぐるしく進んでおります。  そこで、船員の待遇をどうするかということにつきましては、一つには、現在の船員法が現在のままでよいかどうかという問題がございます。これにつきましては、過日、船員中央労働委員会に諮問いたしまして、今日的な姿はいかにあるべきかということで、目下慎重に検討を進めております。  それから、船内の孤独感というものに対しまして、大型化の場合に特にそうでございますけれども、国際労働機関であるILOでも、船内船員設備というものの向上という問題を取り上げまして、つい最近でございますけれども、新たな条約が採択されました。これにのっとりまして、船内の船員の生活環境、労働環境を少しでもよくするべく運輸省といたしましても慎重に検討を進めてまいりたい、このように考えております。
  145. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで、しからばいかにして船員並びにその家族の福祉厚生の対策を立てるべきか、こういうことになってまいると思います。これにつきましては、船を運営する、経営をする企業自体に相当な責任がある、これは申すまでもないことでございます。しかし、企業自体は、やはり企業ですから一銭の利益もない赤字経営ということになりましたら、おれはこんな会社はやめた、合併してしまえ、どこかに船を売ってしまえということになるかもしれません。しからば、地方公共団体はどうか。これまた住民福祉のためにやはり率先していろいろと政策にぶち当たっていかなければならぬということは当然であります。しかしながら、この種の問題は、これは日本の海運国策の一環として、もしくは全船員の福祉厚生施策、高度福祉国家を目ざす日本国である限りは、どうしても重大な課題としてこれは取り上げていかなければならない。こんな大きな欠陥は、約三十万の船員、したがいまして百数十万の家族、またこれに入らぬところの群小の海上の労働者もしくはその家族等々も類似の関係になります。やはりこれらの点につきまして、大きく施策といたしまして、船員並びにその家族の福祉厚生の大きな国策を立てるというような基本線をひとつ打ち出さなければいかぬ、こう思います。これにつきましては、二十万トンの船をつくるわ、原子力化するわ、無人の船を走らすわ、あるいは技術を高度化したならばこれはほんとうに原子力で船は動かせるわというような、人間を無視するような考え方がいささかもあってはとんでもないことだと私は思います。やはりこれを動かす者は人なり、船員なり、船員の全責任、使命、その任務、それにたよってこそ船は動く、やはりこういう前提を動かしてはいけないと思います。  そう思いますので、そこで、やはり国が施策といたしまして福祉厚生の大きな施策を打ち立てなさい、私はこう思うのです。そういうことがいまこそ必要なときはございませんよ。こんな世界経済の変動、荒波の時代ですから、日本のGNPの立場から考えてみても、将来の日本の国際性から考えてみても、これは日本の海運政策の一つの柱として、大きな根幹として労働問題を取り上げる。しからば、船員、その家族のしあわせに通ずる福祉厚生、人間としてのほんとうのしあわせをどうしてもらうべきかという国策を立てなければいかぬ。会社はもうかっているからやっておけというような、そんな頭ではだめです。あるいは労働組合があるなら労働組合でやったらどうか、地方があるなら、地方の群小の公共団体でやったらどうかということになってはたいへんだろうと思います。たとえば、いまでも海員会館とかあるいは厚生会館とか宿泊所等々ありますけれども、こんなようなちょっぴりしたようなことではもうだめです。基本的にこの点は大きく立て直していくべきである、私はこう考えるのです。それなくして日本の海運政策というものは成り立たぬと思うのです。しかし、きょうはまだ次官おられますから、あなたはひとつ大臣のつもりで、いまこの点、共通した問題で運輸省の大国策の一環として取り上げてほしい、こう思うのです。局長お話をひとつ聞いて、あなたからもちょっとこの点についてあなたの所管において……。局長、どうです。あなた専門家ですから。
  146. 佐原亨

    ○佐原説明員 船員そのもののいわゆる福祉関係、レクリエーション関係は、先ほど申しましたように船内船員設備の改善によってやっていく、それからレクリエーション関係につきましては、まず、たとえば有給休暇の増加等、船員法の手直し等によって逐次考えてまいりたい、このように考えております。  それから、問題は家族のほうでございますが、家族別居生活は船員である以上宿命的でございますけれども、せめて船員が入港してきた場合に、先ほど申されました海員会館なり船員寮あたりで家族との面会をはかっていく、その意味で、確かに施設としては決して十分ではございませんが、年々わずかではございますけれども、船員保険の会計のほうからも金を出しますし、それから運輸省の外郭団体でございます船舶振興会等からも補助金を与えまして逐次整備ははかりつつございます。決して十分とは申せませんが、この際、先生おっしゃるように、この問題は抜本的に立て直す意味で運輸省も極力力を入れてまいりたいと考えております。  なお、最近のように労働力が不足してまいりますと、いやでもそういった厚生面に力を入れざるを得ない、こういうような客観情勢でもございますので、先生指摘のとおり努力してまいりたいと考えます。
  147. 山村新治郎

    山村説明員 ただいま先生おっしゃいましたように、確かに海運王国日本といわれております。この海運王国の日本は、やはり優秀な船員あっての海運王国であろうと思います。先生おっしゃいました人間疎外と申しますか、そういうことのないように、人間尊重というのを最重点として今後取り組んでまいります。
  148. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 たとえば陸上におきまして、いまの厚生会館、海員会館等の施設におきましても——こういうものもけっこうですよ。しかし、もっと機動的に、有機的に、たとえば捕鯨船が入ってくる、入ってくるのだが、しけで一週間おくれるらしい。横浜へ着いてみたらおくれることになった、宿がないということはあり得ないだろうか、あっても一体だれがそんな世話をするのだろうか、泊まろうと思ったけれども満員だということになりましたら、それはどうなるのだろう。早い話が、こまかいことを言いますけれども、一週間も延着、入港がおくれるということになって予定が狂った、経費はどうなるのだろう、運賃はどうなるのだろうというようなことまで考えますと、もっとやはりかゆいところへ手の届くような施策がなければいけません。建物は置いておくわ、何か食うものはあるわ、安い生協で売ってやるわ、それじゃそれは一つの形骸ですから、生きた機能のほんとうの発揮というためには、たとえばサービスセンター等に至りましても中途はんぱなサービスセンターではいけません。時間の問い合わせとか、あるいはちょっと電波で知らせてやるとか、何か全国の三十万の船員、船上生活者及び全家族のために遺憾なき施設を物心全面に——物において、人間においてこれをしていくという体制を用意しなければ人間尊重になりませんよ。私は現状を知っております。入港するらしい、何日に入港する、たよりがあった、そこで家族を連れまして数日かかって行きます。ところが、おくれました、予定が狂った、それじゃもうちょっとあっちに仕事が残っておったのにということさえ聞くのであります。そういうこともありますので、何か知らぬけれども、どこか抜けています。  ですから、これはいろんな角度からひとつその施策はとっていかなければいけません。船員局だけではいけませんよ。運輸省の国策です。さっきの交通総合国策と同じように、日本が海運国であるならば、また、さらに発展し得る国であるならば、海員問題、船員問題、陸上の一切のレクリエーションから、あるいは医療にしてもあるいはその他の緊急なあらゆる措置その他いろんなことがあります。子供の教育にしましてもあります。住宅もありましょう。そういういろいろな面につきまして私はできるだけ手厚いことを考えるという施策を、ひとつ案を出してもらいたいのです。出すといっても、現実に即して。たとえば子供にしましてもそうです。年に二度しか帰ってこないおやじ、おやじがいないために、妻がひとりで判断して、子供をどうしようか、どこの中学に入れようか、公立にしようか私立にしようか、将来案じなければいかぬというようなことを考えますと、ちょっと暗然とします。だから、そういうようなときも、やはりひとつ奨学の制度をつくるとか、あるいは何か誘導してやる線を持つとか、何かそこにしなければいかぬ。教育の問題でもそうですね。健康の問題につきましても、液済会でありますとか病院等もあります。あるいはその他船員につきましてのいろいろと親切に診療してくださる診療所もあるようでございますけれども、国策といたしまして大きなものを打ち出して医療機関を法人でつくっておけ、そんななまぬるいことではなしに、国策として打ち出すというぐらいまで私は姿勢をちゃんとしておかなければいけないと思います。  ですから次官、ひとつここらは将来の大きな政策として打ち出すことを強くお願いしておきますので、あなたはよく相談してください。いまお尋ねしましたことにつきまして、もし御回答いただけるようでございましたら、文書でも委員長あてに出しておいてください。よろしゅうございますか。——それでは終わります。
  149. 濱野清吾

    濱野委員長 華山君。
  150. 華山親義

    ○華山委員 きわめて短い時間の中でお尋ねしますからそのおつもりで、私も努力いたしますが、簡明にお答えを願いたいと思います。  伺いますが、YS11という飛行機、この飛行機は日本でつくられたわけでございますが、これにつきましては、相当長くたっておりますけれども、その間に航空機の安全、そういうことについてずいぶん改善がはかられているのか、初めの設計どおりのままで今日まできているのか、その点を伺います。
  151. 内村信行

    内村説明員 YS11号機は三十九年の八月に初めて型式承認をいただき、その後現在まで百三十六機つくっております。その中で絶えず操縦士あるいは整備士、そういった者の意見を聞きまして、すでに各系統いろいろございますけれども、約六百六十八件ぐらいを現在までに改良しております。
  152. 華山親義

    ○華山委員 それで、過日来問題になりました全日空の727の事故の調査につきまして、調査団の問題があるわけです。このことにつきましては、ここの委員会でも問題になったことがございます。その後、運輸委員会等におきましてもいろいろ問題になったようでございますが、そのことにつきましていまここで繰り返そうとは思いません。局長は再調査をする考えはないと言われたようでございますが、そのことにつきまして、まことに残念でございますけれども、ここで繰り返しません。  それと、伺いますけれども、あの際におっしゃいました山名教授の御意見、われわれしろうとが聞いておりましても、そういうこともあるのかというふうな気持ちもするわけでございます。この調査団の報告に山名教授の御意見がとられてなかったといって私は放置さるべき問題じゃないと思うのです。くどいことを言いますけれども、たとえば今日、毎日毎日出ているところのカドミウムの問題にしても、これは神通川に起きたイタイイタイ病に端を発しまして、あそこの開業医師の萩野博士が一番初めに言われた。そして学会に報告したのだけれども日本の学会は何ら取り上げようとしなかった。この問題を取り上げたのは、アメリカの学会なんです。そしてアメリカの学会が萩野博士に研究費を出して、そして萩野博士が研究を続けたといういきさつを持っております。  私は、そういう面もございますし、この山名教授の意見というものは、調査団の答申がなかったといって無視さるべき問題ではないんじゃないか、十分にこれを取り入れて、そして今後の飛行機の改善、そういうことに取り入れていかなければならないことだと私は考えます。どうでしょうか。そのことにつきまして、航空局あるいは航空局長、お考えになっておりますか。
  153. 内村信行

    内村説明員 確かに先生指摘のように、山名先生の御意見というものは、非常にたいへんな調査研究の結果に基づいたものでございます。したがいまして、結果といたしまして、調査団といたしましては、証拠がはっきりしないということで調査団の意見には取り入れられなかったわけでございますけれども、しかし少数意見として出そうじゃないかというふうな御意見もございまして、この点は山名先生にもお願いしたわけでございますが、残念ながら先生のいれるところとはなりませんで、調査団の意見として出てまいりませんでした。しかし、おっしゃいますように、事故調査の目的というものは、今後の事故を防止するということにございますので、この山名先生の御研究というものがこの事故に直接関係があろうとあるまいと、一般の事故の予防のために役立つものであれば、どんどん取り入れていくのにやぶさかではない、かように考えております。
  154. 華山親義

    ○華山委員 ことばじりをつかまえて、まことに恐縮ですが、あれば、とあなたはおっしゃいましたが、あればじゃないんじゃないですか。やはりあれば、という問題ではなくて、さっそく取り入れて、そして改善すべきものは改善する、そういうことでなければいかぬのじゃないか。あれば、ということになると、これからあるのかないのか、まだ研究しなければならぬ。そういう問題じゃないと思いますね。
  155. 内村信行

    内村説明員 先生指摘のように、私、事務屋でございまして、十分その内容を読んでおりません。したがいまして、その内容を、どこをどういうふうに生かすかということは、まだ申し上げるだけの自信がございません。したがいましてそういうふうに申し上げましたが、当然先生の御指摘のように、しかるべきものを取り上げていくのが筋だろうと思います。
  156. 華山親義

    ○華山委員 いかなる意見といえども、人命に関係する問題ですから、まじめに取り上げていただきたいと思いますし、特に私、しろうとでございますけれども、山名教授はその道の日本の少数の学者の中の研究家であられるわけです。私は、十分に先生意見というものを御研究になって、そして取り入れていく、こういう態度でさっそく進んでいただきたい、このことをお願いいたします。
  157. 内村信行

    内村説明員 その趣旨で動きます。  それから、先ほど私が丹羽先生の御質問に対しまして、━━━━という表現を使いましたけれども、そのことばは取り消したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  158. 華山親義

    ○華山委員 終わります。     —————————————
  159. 濱野清吾

    濱野委員長 次に、厚生省所管について審査を行ないます。  質疑申し出がありますので、これを順次許します。水野清君。
  160. 水野清

    ○水野委員 私は、実は昨年の秋以来問題になっている人工甘味料チクロの添加食品の禁止の問題についていろいろと伺いたいのであります。  その最初に、これは厚生省の浦田さんに確認をしていただきたいのですが、これは私が調べてきた禁止当時のいろいろな事件の日付であります。それを一応確認をしていただいて、それから質問を進めていきたいと思います。  私の調べたところでは、四十四年の十月二十七日に、厚生省は、アメリカ政府がそれにさかのぼること九日くらい前にチクロを禁止したという情報を入手して、さらに一日置いて十月の二十九日に、食品衛生調査会及び薬事審議会にチクロ禁止の方向で諮問をした。二十九日のその当日の午後に答申を得て、直ちに大臣の発表があったということであります。その内容は、御承知のとおりに十一月十日からチクロの添加製品の製造を禁止した。また清涼飲料は翌年、四十五年一月の末までは売ってよろしい、かん詰めその他の食品は二月末までは流通を認める、それ以後は厳重に回収しろ、こういうふうに私の調べたところではなっております。さらに十一月五日に薬事法の告示の改正をしている。その日付について、簡単でけっこうですが、ちょっと確認をしておきたい。実は時間があまりないものだから答弁を簡単にしてもらいたい。
  161. 浦田純一

    ○浦田説明員 いま水野先生指摘のチクロの禁止に関する経過日時でございますが、先生のおっしゃるところで間違いございません。
  162. 水野清

    ○水野委員 そうですね。  そこで伺いたいのですが、私はこれを見て、日本政府としては珍しくきわめて迅速な行政措置をとられたと思うのです。だんだんにいろいろな問題が出てきますが、この中で私が一つ疑問なのは、このチクロをこういうふうに急に禁止をされたということは、国民の保健上きわめて重大だということをお考えになってやったんだと思うのですが、そのとおりですか。
  163. 浦田純一

    ○浦田説明員 チクロがかつて、当時の科学レベルにおける知見といたしまして人体に有害でないということで、昭和三十一年に食品衛生法上の添加物として承認したわけでございますが、先ほど先生指摘の昨年十月二十七日にアメリカから入りましたデータによりまして発ガンの可能性があるということで、食品衛生上、国民の健康を保持する立場からこれの使用の禁止措置をきめたものでございます
  164. 水野清

    ○水野委員 そこで伺いたいのは、それほど重大ならば、たとえば製造禁止を、なぜ半月ほど先の十月一日まではつくってよろしい、それ以後いけないという措置をとられたのか私は一つ疑問だと思うのです。そんなにいけないものなら翌日から製造を禁止すればいいわけです。そうでしょう。それから流通にしても、それほど重大ならば即時流通を禁止したらよろしい。これは後ほど出てきますが、実情はアメリカが七カ月延ばしたからまた延ばす、こういう措置をとっておられるわけです。  このチクロ行政をずっと見ますと、非常にあいまいな行政措置をとっておられる。これは厚生省だけでございません。農林省も中小企業庁もそうですが、国民の健康上ほんとうに危険だというなら、直ちに禁止をしたらよろしい。いけないといっておきながら、しばらくつくってもよろしいということをいっておられる。さらに流通を二月まで延ばしておいて、さらにまた七カ月延ばしているということです。私は行政上おかしいと思うのです。いかがですか、行政上のそういうあいまいな措置について。
  165. 浦田純一

    ○浦田説明員 十月二十七日にアメリカより、チクロが発ガン性の疑いがあるというその通知を受けました際、従来の例でございますと、わが国の立場からこれに再検討をしていろいろと検査し、確認してやるということが従来の例でございましたけれども、このチクロにつきましては従来のそういったような考え方を改めまして——このチロクのときからでございますが、改めまして、疑いがあるということで、とりあえず緊急の措置といたしまして、たとえはちょっと適当でないかもしれませんが、たとえばコレラなどが上陸してくるという疑いがあるというようなときに、その流行のおそれのある地域に対しまして、多少広くても網をかぶせるといったようなことも、従来急性伝染病の防疫につきましてはとっていたことでございますが、チクロにつきましてもこれと似たような考えで、とりあえず緊急に使用のほうを停止するということをきめたわけでございます。  また、直ちに製造の禁止あるいは販売の禁止ということにつきまして指示するべきでございますが、その辺、若干の日時が経過したということもまた事実でございまして、私どもといたしましては、当時とり得るできるだけ時間的に早い措置をとったつもりでございますけれども、いろいろと手続上ここに若干の日にちがたったということは、まことに遺憾に思います。
  166. 水野清

    ○水野委員 ただいまのお話でおかしいのは、私の調べたところではアメリカが十月十八日に禁止をしたのですね。そうして情報が入ったのは二十七日なんです。九日間たっているわけです。それでどういう情報なのかわかならいけれども、調べてみると、十月二十七日というのは土曜日なんですよ。そうして禁止したのが二十九日、月曜日なんです。一日置いてというけれども、間は日曜日で、日曜日だから置いてあった。だから翌日ということです。それほど重大であったなら、即刻全部禁止したらいい。私は、後段出てくるけれども、そういうことなら即刻禁止する、筋を通したらどうなんだということを聞いておる。ところが実際は筋を通さない。特に七カ月延期をされたというときには、アメリカが延ばしたから延ばしているのです。そういうまことに自主性のない行政をとっておられる。当時の新聞の切り抜きを申し上げますと、新聞でも「定見ない」と書いてありますよ。いいですか。「主婦連などは「国民無視もはなはだしい」」、この主婦連のほうは、かん詰めの流通をかってに延ばしたからけしからぬ。延ばすというのは、翌年の四十五年一月九日の閣議で延ばしたけれども、こういっておる。それから「厚生省事務当局は大臣の「米国並み」という発言をうけて、どの食品をどのくらい延期すべきかで頭を悩ましている。」一方、延期から除外された——これはいろいろあったわけですね。そのチクロを使ったいろいろなものの中で、清涼飲料だけは延ばしてやらなかった。清涼飲料は、おれたちだけではかなわぬ、絶対承服できない、こう言っておるわけです。そうでしょう。これは行政上、もし清涼飲料がいけないなら、かん詰めも一緒にいけないというべきです。かん詰めその他の食品もいかぬというべきです。いわば厚生省は何か思いつきでおやりになったんじゃないか。チクロの禁止ということはけっこうなんです。これは後段出てくることであれなんですけれども、非常におかしいと思う。私が申し上げたいのは、これほど重大なことならば、なぜ即座に禁止をして当時のチクロを使った食品を全部国で買い上げてやらないのかということなんです。そっちのほうはさいふのほうが許さぬからだめだ、こう言う。  環境衛生局長、違う例だけれども一ぺん伺います。よく大臣も云々され、週刊誌でも書かれているけれども、なかなか手がつかない。つかない理由は、私も自民党ですから中の事情も知っていますが、たばこの害の問題です。そうでしょう。紙たばこは紙が肺ガンの原因になるといわれたけれども、非常に疑わしい——疑わしいじゃなくて、これは世界のいろいろな学界で通説になっておる。たばこがいかぬのなら、環境衛生局長、どうですか、即時禁止してみたらどうかと私は思うのですが、御意見いかがでしょうか。
  167. 浦田純一

    ○浦田説明員 たばこの害につきましては、大かた先生のおっしゃるとおりだろうと思うのです。ただし、私、環境衛生局長でございまして、たばこの喫煙のほうにつきましては、公衆衛生局長がいまここにおりませんので、見解は私、控えたいと思います。
  168. 水野清

    ○水野委員 所管違いの局長さんに伺ってはおかしいけれども、たばこの場合は、これはガンの疑いがあるということをいわれながら、国の財政上、たばこの税金がたくさん入っていますから、これはなかなか大蔵省がうんと言いっこない。専売公社がつぶれますよ。これは黙っているわけです。実は厚生省全体として何も言っておられない、一言も言っておられないですね、こんなことを言っては大蔵省におこられるから。アメリカのたばこは日本のたばこと違って、たばこに書いてありますよ。これを吸うとガンになる可能性があると書いてある。それを承知で買ってのむんだからこれはいいと私は思う。チクロ入りの食品が人工甘味料入りだとあなたの厚生省の指導で、禁止する約半年前でしたか、やっているわけでしょう。掲示しろ、掲示したものなら使ってよろしいという指導をわざわざされて、農林省のJASマークももらっているわけですよ。そして流通をさせておったわけです。それを突然切ったわけですね。アメリカのたばこと同じなんですよ。それで、そのチクロ添加食品をどのくらいの期間、どのくらい食べたらガンになるかという具体的な説明を私はずいぶんひっくり返して見たけれども、当時、新聞その他で具体的なデータというものは発表されていない。可能性があるということです。可能性があるから禁止されることをいかぬとは私は言っているのじゃない。けっこうです。そういうことについてはどんどんやってもらいたい。それなりの措置というものをお考えになったのか。  もう一ぺん今度はひっくり返って伺いますが、さっき、去年の十月の二十七日に厚生省が情報を入れて二十九日に、要するに間、日曜日ですが、入れて二十九日に禁止措置をされましたけれども、この間に、たとえばチクロ添加食品の流通を扱っている農林省あるいは中小企業庁、これは、そういうものをつくっている中小企業その他もあるでしょう。大蔵省もあるでしょう。そういう関係機関と食品の禁止に伴うその関係業者、関係業界、関係者の措置ということについては相談をなすってこういうことをやったのかどうか、これをちょっと聞きたいのです。
  169. 浦田純一

    ○浦田説明員 その間十分に農林省のほうにも御相談申し上げまして、禁止の措置に踏み切ったわけでございます。
  170. 水野清

    ○水野委員 十分と言いますけれども、土曜日ですよ。それで翌日にはもう諮問をしているのです。これで十分やっていますか。日曜日に出勤してやったのですか。
  171. 浦田純一

    ○浦田説明員 十月の二十七日にアメリカから正式にデーターの送致があったわけでございます。問題は、先生御案内のとおり、すでにその前からチクロの件についてはアメリカの中で問題視されておったというふうな報道は伝わっております。その間、農林省あるいは関係のほうとも、そのことに関して日本側としてはどういう措置をとるかということについて打ち合わせを行なってきたところでございます。
  172. 水野清

    ○水野委員 それはしかしおかしいですよ。事前にそういうことがあって、相談をなすったということならば、禁止をしたと同時にそういう対策も並行して出てくるべきです。そうでしょう。何にも発表しておられない。たとえば、チクロなんかを使っていろいろな食品をつくっているのは大体中小企業です。大きな水産会社でもかん詰めをつくっていますが、これは実情から申し上げると、表面は、たとえば大きな大洋漁業だとかなんとかなっていますが、実際はそこでつくっていない。下請企業、つくっているところは大体中小企業です。  中小企業庁の方、いますか。計画部長さんか金融課長さん、どなたでもけっこうですから伺いたいのですが、こういう措置をとったら中小企業にすぐ響いてくるということがぴっときませんか。当時の新聞によると、千五百億の品物がチクロの添加食品であった、こういわれておるのですが、これが新聞であれだけ書かれて当然売れなくなる、あるいは流通禁止をする、これに対する中小企業金融とかいうようなことについてどうお考えであったか。農林省の森さんにも、お二人にちょっと伺いたいと思います。
  173. 斎藤太一

    ○斎藤説明員 先般のチクロ入り食品等の製造並びに販売の禁止につきましては、これらを製造し、あるいは販売をしております中小企業者に対しまして、やはり相当の悪影響が出るというふうに予想されましたので、中小企業庁といたしましては、金融面でこれの救済等につきまして、つまり転業等の資金、あるいはチクロを使わない全糖への製造の転換のための運転資金等につきまして遺憾なきを期したいと存じまして、禁止以後、厚生省あるいは農林省の御要請もございまして、直ちに政府系三金融機関に対しまして、その円滑な金融方につきまして遺憾ないよう指示をした次第でございます。
  174. 水野清

    ○水野委員 いつそれをやりましたか。中小企業庁の長官通達か何かをお出しになったのですか。
  175. 斎藤太一

    ○斎藤説明員 さようでございます。  食品関係につきましては、四十四年の十一月十四日付で長官名をもちまして、政府系三金融機関、それから信用保証協会の連合会にそういう要請をいたしております。それから混合甘味剤と医薬品メーカー関係につきましては、四十四年十二月十五日付で同様の要請をいたしております。
  176. 水野清

    ○水野委員 私がさっきから申し上げたように、厚生省のやったことについて各省間の連絡が私は十分でなかったと見るのです。実際に禁止したのは十月二十九日です。それが、中小企業庁長官の通達を出したのはその半月後です。禁止のほうは情報が入って翌日にやっている。間一日入っている。これは日曜日ですから、二日であっても実質的には一日にひとしい。金融のほうは、ほんとうは同時に発表すべきですよ。半月ほっぽってあるわけです。まだ先になる。私の出身県の千葉県で——実はその辺を言うと話が割れてくるけれども、チクロを使ったかん詰め業者とか清涼飲料業者がたくさんいるわけです。この辺になってくると、中小企業庁でいろいろな長官通達をおやりになったらしいけれども、実際には全く響いてこない。銀行に行ったって金を貸してくれない。実際には、私の県でいえば何も貸してくれなかった。ようやく私たちが騒いで、千葉県知事を動かして、一億二千万円の県の金を県の銀行及び中小企業金融公庫に預託さして、その見返りとしてやった。これは中央の措置じゃないんですよ。千葉県の措置です。しかも県は、中央が追い打ちをかけてくれるだろう、まああとから手を差し伸べてくれるだろうと思って待っておった。とうとうこの夏を過ぎても何にもやってくれない。だから県のほうも預託の金を引き揚げてしまったのです。だから、せっかく県の一億二千万円の預託によって借り出した見返りの融資は引き揚げられてしまった。あなたのほうでいろいろおやりになったけれども、そんなことは地方には二階から目薬をさすように何にもさいていない。   〔委員長退席、小山(省)委員長代理着席〕 どうですか。さっき申し上げたように、環境衛生局長さん、厚生省は国民の保健上ああいう措置をとりました、しかしその他の、たとえば流通業者であるとか製造業者だとか、そういったものに対する政策は手落ちがございましたということを率直に認められませんか。
  177. 浦田純一

    ○浦田説明員 十月二十九日に直ちにとった措置は、これを消費者の方の口に入るのをまず何をもっても禁止しなくてはならないということで、これはとりあえずということでやったわけでございます。また、この問題に関して、食品衛生法上から、いわゆる業者の方に対する何らかの補償あるいは損害に対する補償といったような点についてはどうかということもあわせて検討したところでございますけれども、食品衛生法の第六条に基づきます食品添加物に関しまする一般的な禁止規定というのは、これは一般的な禁止規定でございまして、厚生大臣が特に認める場合に限りまして、厚生省令によりまして使用が初めて解除されるということになっておるわけでございます。したがいまして、もしもこのチクロの使用承認という場合に、あるいは今度その承認を、解除を再び禁止するという場合に手落ちがなかったかという点についてでございますけれども、私どもといたしましては、これはそれぞれその当時の最高の化学的水準に基づく判断であったのでございますから、これは妥当なものであったというふうに信じておるわけでございます。食品衛生法の六条からくる解釈に基づく限りは、私どもは業者の方に対して、いわゆる厳密な意味で損害を補償する、賠償するという責めにはないものと思っております。しかしながら当然そういった方々の経済的な損失あるいは打撃というものに対しては考慮しなくちゃならないということでございますので、これらについては、関係の各省のほうにもそれぞれ御連絡申し上げ、お願い申し上げていたところでございます。
  178. 水野清

    ○水野委員 それは、あなたのおっしゃることはさっきから矛盾があります。たとえば、国民の保健上即日でも禁止することは非常にけっこうなことでございます。そのときには、さっきのお話だったら、関係各省と相談もいたしました、こう言っておられる。いまのお話のニュアンスはそうじゃないですよ。国民の保健が先だからまずやりました、そのあと各省と相談していろいろ措置をしました——実際やっていませんがね、やりましたというお話なんです。さっきからのお話だけでも若干食い違いがあるのです。いいですか。私はここで、国会の席ですから、厚生省の局長さんがあのやり方はどうもまずかったということは非常に言いにくいだろうと思うけれども、私はまあこっちの質問で断定的に言うのはおかしいと思われるかもしれないけれども、私は、厚生省のやり方に非常に片手落ちな面があった、消費者行政はけっこうですが、生産のほうについて、アフターケアについて非常に問題があったというふうに思うのです。これから同じようなものが出てきますから。現に、内田厚生大臣は、ことしの初めの予算委員会で、若干手落ちがあるということを認めておられますよ。  いいですか。速記録を読んでみましょうか。社会党の横山利秋委員質問でいろいろと答弁をしておられますが、「チクロを添加物に使っておることは公に許されておったのでありますから、私は業界に責任がある問題ではないと思います。しかし政府といたしましては健康第一という考え方あるいはまた世論に照らしまして、アメリカをはじめ世界の各方面でそれの発ガン性と毒性が取り上げられました以上、これを放置するわけにもまいりません。」「業界の損失をでき得る限り少なからしめることを考えることは、」云々と書いてあって、結局は「一部は販売、陳列等の期間を延期をしてまいった。」ということなんです。  私が伺いたいのは、少し問題の角度を変えて農林省に伺いたいのですが、現在のこの品物の在庫というか売れ残りというか、禁止したわけですが、どのぐらいの金額のものが残っておりますか、大体において。
  179. 森整治

    ○森説明員 お答えいたします。  現在といいますと、十月末の業界が行ないました実態調査の結果、かん、びん詰め製造業者が持っておりましたかん詰め、びん詰め、それの廃棄等による損害額しかございませんが、四億五千万円というふうに承知をいたしております。すなわち、九月末で販売禁止になったわけですが、そこから先、ある在庫というものは処分しなければいけない。それが十月末現在の報告によりますと四億五千四百万円というふうに承知いたしております。
  180. 水野清

    ○水野委員 そこで環境衛生局長さんに伺いたいのですが、禁止した当時は、これは新聞の書いた記事で私は読んだのですから正確な数字かどうかわかりませんが、一千億ないし千五百億のチクロ添加食品が現在市場にある、これが売れなくなると重大問題だということが書いてあるわけです。いいですか。それが何とことしの九月末に、まあ申告漏れもあるでしょうけれども、四億か五億になってしまった。これは実際には売れなくなった品物ですから、百円のものでも三十円で計算したのか私はよく知りません。知りませんが、十億足らずの金になったということは、結局は、厚生省はいろいろ禁止されたけれども、事実上はその時点からあとの製造を禁止したにすぎないので、流通したものは、結局国民に食わしてしまったということじゃありませんか。それに対する責任をどう考えますか。
  181. 浦田純一

    ○浦田説明員 チクロに関しまする種々の停止措置、これらにつきましては、その裏づけといたしまして、回収し廃棄しろということを指導いたしましたので、大部分はこれは回収され廃棄されたものというふうに私どもとしては考えております。
  182. 水野清

    ○水野委員 それはあなた、自分で目隠ししているだけのことなんですよ。いいですか。当時あれだけあったものが、いろいろ関係業界の倒産なんかありましたけれども、新聞記事では一千億ないし千五百億と書いてあるのです。そんなことは御存じでしょう。それが十億以下になったのですよ。廃棄処分にしたものだ、それは十月以降ですよ、現実にはそれまでは流通さしたのだもの。だから、大なたをふるっておいて、あと見のがしたのだから、結局はほとんどが流通して食べてしまったじゃないですか。それまでにみな黙って捨てましたか、どぶや何かに。動物に食べさしたことがあるのですか、その流通を禁止するまでに。流通を禁止した時点で、すでに十億未満だということは、これは約一千億の品物を実際には国民が食べてしまったということなんです。そう思いませんか。いろいろな措置はおとりになったと、役所としてのいろいろなことはおっしゃるけれども、現実に一千億の品物があって、最後に残ったものは十億未満だ、農林省はこうおっしゃる。そうでしょう。その差のものはどこにいったのですか、それを伺いたい。禁止した云々とかということじゃなくて、どこにいったかということです。
  183. 浦田純一

    ○浦田説明員 一部のもの、つまりかん詰め類、びん詰め類を除きましては、一月の末までの間に回収し、廃棄しろということを厳重に各県を通じてこちらから通知してございますので、また、現に食品衛生監視員が当該の店あるいは工場に出かけまして、その辺のところを確認してやらせておることでございますので、大部分は回収、廃棄されたものというふうに考えられるわけでございます。
  184. 水野清

    ○水野委員 いまのおっしゃることに一つ問題があるのです。一月末で禁止した清涼飲料のチクロは毒なんだけれども、九月末まで流通を許したかん詰めその他の食品は毒じゃないのですか。まずそれを一点伺いたい。  それから、では清涼飲料と、それ以外の七カ月延期することができたものの当時の流通額といいますか、製造した品物の金額については、農林省はどのくらいに分けて考えておられますか。約一千億といわれたものの当時の総額について伺ってないけれども、当時の総額は幾らぐらいあったか。それで、一月末で禁止をした清涼飲料のほうの金額はどのくらいなのか。残りの、要するに、二月末までとあったものを九月末までと、七カ月延期しましたね。そのものの金額の振り分けはどのくらいと見ておりますか。
  185. 森整治

    ○森説明員 当時、四十四年の十月末の在庫につきまして、業界からの聞き取りによりますと、清涼飲料が百五億、つけもの百九十億、粉末飲料五十億、アイスクリーム七十億、しょうゆ等四百三十四億、かん、びん詰めが三百四十八億で、先生のおっしゃいましたとおり一千億をこえると推定をされておりました。ところが、その後九月末までかん、びん詰めにつきまして延期をされたわけでございますが、その延期をされました当時の時点では、かん、びん詰めで約四十億——五月の業界の推定でございます。それから値引きによる損失が百三十億というような業界のほうの調査でございます。それが先ほど申し上げましたように、かん、びん詰め……。
  186. 水野清

    ○水野委員 それが四億五千万になったわけですね。
  187. 森整治

    ○森説明員 そういうことでございます。
  188. 水野清

    ○水野委員 いまの農林省のお話だけでいっても、一千億の相当部分が一月末で回収されるか、廃棄処分になったわけであります、森流通部長のおっしゃるように。そうなったとしても、なおかつ四十億前後の品物が流通して、それは廃棄処分じゃなくて国民の腹の中に入った——そうでしょう。それは認めませんか、どうですか。
  189. 浦田純一

    ○浦田説明員 清涼飲料水につきましては、ほかの食品に比較した場合に、チクロ含有量あるいは摂取量、それから受ける側といいますか、食べる機会、そういったものを考えまして、これは一番危険である、黒であるということで、特に一月末までの猶予期間を置いておいたわけです。それ以外につきましても、大部分のものにつきましては、二月末でもって猶予期間が切れたわけでありますけれども、いま御指摘最後のかん詰め類、びん詰め類につきましては猶予期間を九月末までに延ばしたということでございまして、それらの間に区別があるかということでございますけれども、チクロそのものに区別があるわけではありませんが、ことに発ガン性ということに着目いたしました場合には、摂取する側、それからその量、その他いろいろとほかに考えるべき条件もございますので、またこれはアメリカ追随だというふうに言われるかもしれませんけれども、アメリカにおいてもその後の措置が若干猶予期間を延ばしたというような事実もございますし、私ども、これが与える社会的影響というものと、国民全体に及ぼす健康への影響というものとのバランスと申しますか、その辺を考えて、ぎりぎりのところびん詰め、かん詰め類につきましては九月末まで猶予したということで……。
  190. 水野清

    ○水野委員 現在残っておるものと、四十億か五十億か知らぬけれども、そういうものとの差額は腹に入ったということは認めるわけですね。認めざるを得ないでしょう。
  191. 浦田純一

    ○浦田説明員 かん、びん類につきましては、九月末まで猶予期間を認めたということは、腹の中に入ったということであります。
  192. 水野清

    ○水野委員 ですから、私が当初から言っているのは、非常に迅速に禁止をなさったけれども、その辺の措置についてはまことにおかしかったじゃないですかということを申し上げている。いいですか。これ以上言ったって水かけ論だからしようがないけれども最後に中小企業庁に伺いたいのです。  あなたのほうで中小企業庁長官通達をお出しになったりいろいろやっておりますが、まず、全国でこの関連についてどのくらいの倒産があったか。私のところに実はこういう陳情書が来ている。五十一社、百五十三億の倒産があった。これは全部チクロだとはいえないでしょう。いえないでしょうが、日本罐詰協会からはそういうものが出てきている。これはおそらくおいでいただいた政府委員の方々のところにも行っているはずです。それに対してどういう金融措置をとり——倒産金融という制度もあるわけですね。そういう措置をどういうふうにとったか、その総額はどのくらいかということをお答えいただきたい。もしお答えいただけなければ、資料を正確に出してください。
  193. 斎藤太一

    ○斎藤説明員 お答えいたします。  チクロによります倒産の件数でございますけれども先生御案内のように、ことしの三月ごろまで大体毎月、負債額一千万以上の倒産は五、六百件でございましたが、その後は三月から八月まで月平均八百件、九月に入りまして約九百五十件というように、金融引き締めの浸透に伴いましてふえてまいっておりますが、チクロによります倒産の件数はただいまちょっと持っておりません。
  194. 水野清

    ○水野委員 答弁の途中ですが、それだけ私は中小企業庁はこの問題を軽視していられると思うのです。いいですか、チクロの禁止というのは、政府の行政措置で起こった事態です。単に偶発的な事件ではない。ほかの倒産は、放漫経営もあるでしょう。いろいろな手形操作のやり繰りが違ってしまったというような中小企業の悲哀もあるかもしれない。しかし、これは行政措置によって起こった事件です。それだけを取り出して中小企業庁がきちっとつかんでいないということ自体が、私はあなたのほうがわりあいに軽視しているのじゃないかと思う。ちょっと間でことばじりをつかまえるようだが申し上げる。
  195. 斎藤太一

    ○斎藤説明員 チクロに伴います倒産の件数につきましては、後ほど調査いたしまして御報告申し上げます。  それから、チクロ関係の融資の状況でございますけれども、九月末の報告では、中小企業金融公庫、それから国民金融公庫、商工組合中央金庫の三つの政府系中小企業金融機関で三百二十四件、約十二億円の融資が行なわれております。それから、そのほかに信用保証協会が二百二十六件のチクロ関係の保証をいたしまして、それによりまして約八億六千万円の市中銀行からの融資が行なわれております。なお、このチクロ関係の融資につきましては、災害融資等に準じまして、通常の場合と違いまして、たとえば貸し出しの期間も国民金融公庫ですと、運転資金は大体二十カ月ぐらいで貸しておりますけれども、特に三十カ月から三十三カ月ぐらいの長い期間でやっておりますし、それからすでに貸しました分の償還期限の来たものも延期をいたしまして、また担保につきましてもやはりやかましいことをいわないということで、特別な配慮をしております。  なお、倒産関連指定の件でございますけれども、この混合甘味剤のメーカー百社くらいございますが、これはチクロ関係甘味剤専門でやっておりますので、今回の禁止に伴う影響が非常に大きいと考えられましたので、ことしの三月の十九日に倒産関係の対象として混合甘味剤メーカーを指定いたしました。  なお、かん詰めとかその他の食品関係につきましては、先ほどお話しのように九月末まで販売は延期されておりますので、一応九月末の期限が切れましたところでどの程度の在庫等が残っておるか、どの程度資金が要るのか、またどの程度、かん詰めメーカーでチクロに依存しておる企業数なり、その依存の割合があるのかといったようなところを、ただいま農林省にお願いしまして資料をつくりまして検討をいたしておる段階でございます。
  196. 水野清

    ○水野委員 いまの中小企業庁のお話はよくわかりましたけれども、末端におけるこのいわゆるチクロショック、これによって起こった金融状況は、あなたのおっしゃるような事態ではありません。いいですか。千葉県だけの例をとってもそんなものではないのです。さっき申し上げたように、千葉県はわれわれが騒いでようやく県の金を預託したということで県でお金を貸し出したのですが、要するに、やはり担保のないものは貸さないのですよ、銀行は。担保はいいかげんでもよろしいという通達をお出しになったのか、どういうことをおっしゃったのか知らぬけれども、そんなもので実際の金融機関が金を貸すと思ったら、ぜひ一つ中小企業庁長官が名刺にそういうふうに印刷をして、担保がいいかげんでも、この企業はチクロ関係企業だから融資をしてほしいということを文書にして出してもらったらいいと思う。現実に、実際はそうじゃないということをあなた銘記をされて、もう一ぺんよく調査をしていただきたい。  これで私の質問を終わります。
  197. 小山省二

    ○小山(省)委員長代理 田中武夫君。
  198. 田中武夫

    ○田中(武)委員 本日は医薬品について、残っておるといいますか、その後の問題についてお伺いいたしたいと思います。  四月の二十四日、五月の十九日、七月の十日の三回にわたり、当委員会では医薬品あるいは大衆保健薬等を取り上げまして、いろいろと説明を聞いたり、あるいは要望申し上げました。そのときに、特に薬の安全性あるいは効能等についてすみやかに善処せられたい、こういう委員長からの申し入れがありまして、それに基づいてといいますか、厚生省は薬効問題懇談会というのをおつくりになって何か諮問しておられるようですが、現在どの程度の作業が進んでおるのか、あるいはどういうような目標を持ってその作業をしておるのか、そういうようなことにつきましてお伺いいたしたいと思います。
  199. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 いま御指摘いただきました問題につきましては、八月に薬効問題懇談会というものを厚生省として発足をさせました。そして、主として内科関係を主体とした臨床学科の専門のお医者さま方及び基礎医学、薬学の専門家からなる十一名の懇談会を設けたわけでございます。  私どものいまお願いしております作業としては、医薬品の再検討をいたしますについて、その範囲及びその手法、いかなる方法にしたらよいかということをまず作業をお願いをいたしたい、年度末までに原則的な方針をまず定めていただいて、その方針に従ってその後の作業を進めていっていただきたい、現在いかなる範囲の薬について再評価を行なうか、同時に、どのような方法で再評価を行なうか、この二点についての作業を進めていただいております。  なお、これまでに九月の十一日、十月の二日、十一月の十三日、この三回開かれておりまして、次回は十二月の十八日に開く予定にしております。  なお、いま先生の御指摘部分とは多少異なりますが、当委員会で医薬品の問題について御検討をいただきましたことを一つのきっかけとして、医薬品の製造基準、正式にいえば医薬品製造承認基準の再検討をいたしまして、かぜ薬の新基準はすでに発表いたしました。安全性と効果との両面から見て、従来の一般の医薬品に使用されておるかぜ薬の主成分の洗い直し作業をした結果、すでに十月末に発表いたしました。続いて手をつけたいと考えておりますのは解熱鎮痛剤関係、この作業に間もなく入る予定にしております。
  200. 田中武夫

    ○田中(武)委員 いまの薬効問題懇談会ですかにおいて諮問をしておることに対する結論は、いつごろ出るのですか。
  201. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 本年度末までにちょうだいをいたしたいということでお願いをし、懇談会の委員の方々も本年度末までに出したいということで作業をしております。
  202. 田中武夫

    ○田中(武)委員 私は、そのメンバーを一々知りませんが、聞くところによると、そのメンバーには製薬会社のひもつきといいますか、あるいは製薬会社関係の人が多いように聞いておりますが、それはどうですか。
  203. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 率直に申し上げて、製薬会社に何ら関係のない方をさがすことは至難のわざでございます。臨床また基礎あるいは純粋薬理、いずれにしましても、実は必ずしも私どもとして望ましいことではございませんけれども、いままで大学の学術研究費等が十分でなかった事情等もありまして、いろいろな形で業界と、特定の業者と特に近い方もあるかと思います。しかし、そうした点で御批判を受けないようにというつもりで、今回の人選につきましては医学界、薬学界に対して人選を願いまして、その中から一応私どもとしては選びました。現状で得られる方々として最善の方を選んだつもりであります。
  204. 田中武夫

    ○田中(武)委員 往々にして、何か問題が提起せられる、それを解決するとか、あるいはそれに基づいていろいろな審議会とか、あるいは懇談会というのが持たれます。ところが、そのメンバーを見ると、もうメンバーを見ただけで結論がわかるような人が多いんです。今回もどうもそういった見方が一般化せられるような人が名を連ねておる。せっかくその人たちが純粋な立場からやったとしても、これはやっぱり製薬会社の側に立って云々言われるように一般から見られがちだと思うんです。  そういう点については、もっと配慮すべきじゃないかと思うのですが、どうですか。したがって、このほかにいまからでも純粋な、たとえば大学の先生とかなんかといった人もおると思うのですが、そういった人を追加するとか入れかえるとか、そういうことはできませんか。   〔小山(省)委員長代理退席、委員長着席〕 先ほど製薬会社関係のない人をさがすのは至難のわざだといっても、そんなことないでしょう。何ならこっちから推薦しましょうか。
  205. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 私はそれこそ薬学そのものについてしろうとでありますから、学界が推薦された方が、少なくとも学界として最善の人事をしていただいたと信じております。そうしてその意味で、多少私の言い方が若いため乱暴な点はお許しをいただきますけれども、少なくとも私ども今日最善の人選をいたしておるつもりでありますし、必要がありました場合に委員の追加等をすることも、それはないとは私は決して申しません。しかし、あまりまたたくさんの方々にお集まりをいただきましても、それこそ船頭多くして船が山に登るような状態でもこれは意味のないことでありますし、現状は、御議論の進捗状況を見ております限りにおいては、必ずしもいま私はこのメンバーを追加しなければならないというようなことは考えておりません。
  206. 田中武夫

    ○田中(武)委員 いま申しましたように、委員の名前が発表になったときに受けた感じがそういう感じを受けたということ、したがって、厚生省とすればそういう感じを持たせないような人を選ぶべきじゃなかったか。もう一つは、本年度末というと、結局来年の三月の末だということだと思うのですが、この種の問題は、私もしろうとですから、検討するのにどのような時間的なあるいは技術的な検査等が要るのか知りませんけれども、できるだけ早くいいメンバーでというのが望ましいと思うのですが、いかがですか。
  207. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 それはもう御趣旨のとおりであります。そしてなお、いま大学の先生等のお話も出ましたけれども、個々の人選、いまこの名簿をあらためて見直してみましても、大体教育機関に現在すでに従事していられる先生方からお選びをしておりますし、それぞれの学界で評価を受けておられる方々であります。今日私ども最善の結論が、それこそできるだけ早くちょうだいできることを期待しておる次第であります。
  208. 田中武夫

    ○田中(武)委員 十一名ですか、いまここでAはどう、Bはどうということはやめたいと思うし、やるべきでないと思います。しかし、公開の席でないところであるいは意見を申し上げてもいいと思います。そういうような場合に、率直に聞く用意はありますか。
  209. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 それは公開の席上でなくても、ありましても、田中先生の御意見を無視するつもりはございません。
  210. 田中武夫

    ○田中(武)委員 いや、公開というか、この委員会で何のだれ兵衛はここと関係があるじゃないか、そういうことはやめておこう、こういうことです。  そこで、少なくとも前三回にわたって当委員会が取り上げたときに、具体的に問題の筋として出されたもの、たとえばアリナミンとかその他のビタミン剤等々あったと思うのですが、これらについてはどのような措置を考えておられますか。
  211. 加藤威二

    ○加藤説明員 先ほど政務次官から申し上げましたように、三回にわたりましてこの薬効問題懇談会の会議を開いたわけでございますが、この懇談会は、要するに個々の医薬品についてその効能判定をやるという以前の段階として、非常にたくさんあります薬のうちで——薬全部をやるのはなかなかたいへんでございますので、どういう薬について再検討するか、それから再検討する場合にどういう方法を用いるか、そういう二つのルールみたいなものをここできめよう、そのきまったルールに従って今度は個々の検討を始めよう、こういうことでございます。  それで三回にわたってやりましたけれども、まだそういう原則論的な問題のフリートーキングということでございます。具体的に第一回、九月十一日にはこれは厚生省でいろいろな資料を出しました。それから本委員会速記録なんかも全部出しまして、先生方の御意見はこういう御意見であるということを全部懇談会の先生方に御紹介したわけでございます。最初の日はそういう資料説明、それから厚生省が薬の承認審査をどうやっておるかということを具体的に御説明申し上げまして第一日は終わったわけでございます。  それから二回目は十月二日でございますが、これは先生方のフリートーキングで、なかなか学問的にレベルが高いと申し上げますか、私、しろうとでございますので聞いておってもわからない点も相当ございましたけれども、要は、要するに実験動物による基礎実験というものと、それから人体におけるそういう作用、これが必ずしも並行的なものでもないというような、その実験動物による基礎的な実験と、それから臨床実験といいますか、そういうものの作用の関連性という問題を中心にしてフリートーキングがなされた、こういうことでございます。  それから三回目は十一月十三日でございますが、これは薬効というものをどうやって測定するか、薬効に関する測定と評価、こういうものをできるだけ数量化できないかどうか、なるべく数量化していろいろな比較をするということが必要ではないか、そういうものとその薬効に関する測定と評価の数量化の問題、それから臨床実験の計画策定上のいろいろな諸問題、そういうむしろこれから結論を出しますための周辺の問題についてフリートーキングをやられた、こういういきさつでございます。
  212. 田中武夫

    ○田中(武)委員 そうしますと、先ほど政務次官が言われたところの来年の三月末までにということは、具体的な薬の品目について検討以前の基準といいますか、そういうのが出てくるのが本年度末、こういうことですか。そうしてその後なおその基準に基づいて個々のものを取り上げていく、そうすると相当な日時を要することになるのですが、最終的に、前々回等々この委員会において具体的に名の出た薬、これは新聞等で報道せられて国民の間にも大きな関心を持っておると思うのです。こういうものの具体的に答えが出るのはいつごろになりますか。少なくともそういう新聞等に発表になって、国民が大きな関心を持っておる薬から先にやるべきだと思うのですが、そういう順序等についてはいかがでございますか。
  213. 加藤威二

    ○加藤説明員 個々の薬の効能判定に具体的に入るのは、先ほど申し上げましたように、先生指摘のとおり、いまの薬効問題懇談会は原則論をやるわけでございますけれども、そうすると、その原則に基づいて、そうして個々の医薬品の、これがきくかきかないかという判定をやっていく、それは来年の三月末以降の問題になってくるわけでございます。それについてどういう範囲のものをどういう順序でやるかということも、これはこの懇談会できめていただくということになるわけでございます。その懇談会が、先ほど申し上げましたように、私ども、当委員会における資料は全部差し上げております。したがって、一番国会で問題になり、国民が関心を持っておるのは、いわゆる大衆保健薬の幾つかのものがそこで相当議論されたということも、先生方も十分御承知でございます。そういう前提も含めまして、どういうものからやっていくか、どういう範囲のものをやるかということはその懇談会でおきめになる。それで、最初の懇談会のときに私も出ましたときに言われましたことは、その先生方はこの懇談会は自主的に良心的にやっていく、したがって厚生省はよけいな口を出さないでもらいたい、厚生省の注文は聞かないという御託宣があり、まして、良心的に国民の期待にこたえるように、良心的にこの懇談会は自主的に運営していくということでございますので、私どもといたしましては、資料として先生方の御判断になるいろいろな資料は提供いたしますけれども、これをこうしてもらいたいとかああしてもらいたいとかいうようなことはなるべく申し上げないつもりでございます。  したがって、最終的な結論がどう出てまいるか、あるいはこれも個々の薬に入りますと相当たくさんありますから、その薬が全部終わるまで発表しないというものでもないと思います。ですから、逐次作業の済んだものから発表になっていくということもあると思いますので、どういう薬がいつごろ効果判定がわかるかということは、いまの段階ではちょっと申し上げかねますけれども、できるだけ早い機会にやってもらいたいというように望んでいるわけでございます。
  214. 田中武夫

    ○田中(武)委員 聞いておると、何だか手探りのような感じですね。全部あなたまかせであってよくわからない、こういう感じですよ。  そこで、少なくとも薬効問題懇談会ができたいきさつは、当委員会でこのことが問題になった、これが契機なんです。したがって、当委員会で議論になったこと、あるいはいま現に申し上げているようなこと、問題になったものから逐次取り上げるべきであって、できるだけ早く結論を出して発表すべきである。こういうことについては、特に厚生省の言うことは聞かないと、こういうことを言っておられるかどうかわかりませんが、できたいきさつがそういういきさつであり、したがって、国会においてこういう注文がございました、そういうことは言えるでしょう。どうです。
  215. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 いま田中先生お話になりましたことは、事実そのとおりでございまして、その御注文はすでに申し上げたわけでございます。ただ、メンバーの方々、これはある意味で私どもも同感でございますが、むしろこの機会に、いろいろな点で問題の出ている医薬品行政というものの中で、薬効というものについては、少なくとも一つのレールを敷き、全部についてのチェックの機会を持ちたいという考え方で私どもも実はこの懇談会にお願いをいたしまして、そして懇談会の先生方も、いま特定の問題になったもののみでなくて、この機会に全部についてあらためて薬効というものについての判定をしたいというお考えを持っておるわけです。  したがって、そういう意味で私どもは相当、むしろ当委員会で御指摘を受けました以上の点にまで実は御議論を願いたいと考えております。いまその作業の中において、決算委員会において御議論になりました問題点、特に本日再度田中先生から御指摘もありましたことでありますから、御趣旨は懇談会の方々に正確に伝えて、再度念を押しておきたいと思います。
  216. 田中武夫

    ○田中(武)委員 それでは、しばらくその推移を見ることにして、次へ行きたいと思います。  そこで、その副作用があるとか、あるいはきかないというようなことがはっきりした場合、どういう措置をしますか。これは薬事法の改正ということをも含めてということになると思いますが、どうですか。
  217. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 きかないという判定が出た、あるいは有害であるという判定が出た、そうしたものを私どもとしては発売を許しておくわけには当然まいらないわけです。ただ、現行の薬事法、おそらく先生の御指摘になりたいのもその点だろうと思いますけれども、いわゆる取り消しというものについての規定がございません。私どもは、いまこの薬効問題懇談会の推移を見ながら、事務的には薬事法というものについても改正の必要があるのではないか、また出てくるのではないかということで、部内の検討を進めておる最中でございます。
  218. 田中武夫

    ○田中(武)委員 またそのときに——これはたしか私からも申し上げたと思うのですが、薬事法の改正ということと、それに伴って、この中には誇大広告の禁止ですか、虚偽の広告の禁止ですか、そういうものがあったと思うのですが、そういうものがいままであまり動いていないですね。いつか私が予算委員会かどこかで取り上げたときにはゼロだった。数年前だったと思います。それから後、この間聞いたときには二、三あったと思うのですが、これは空文化しておると思うのです。そういう広告の問題についてどういう措置をとっていくのか、どうあるべきか。と同時に、これは外国の例ですか、薬を一般に広告させない、そうして、専門の者の間、医者だとか薬剤師向けの専門の雑誌とかそういうものに広告する、こういうような方法をとっている国がたしかあったと思います。いま手元資料を持っておりませんが、日本のように何でもかんでもじゃかすか広告をしているというようなやり方でないように思います。こういう広告のあり方、ことに一般の大衆保健薬というものについて再検討するなら、一般に対してあまり大きな広告をしなくてもいいことになるわけですね。  この一般大衆向けの広告のあり方と、それから専門的な立場での広告、そういうことについてどう考えられますか。これは法改正をも含めてお伺いいたします。
  219. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 いま実は、薬事法を改正する場合の検討課題の一つとしてその広告の問題も議論の最中であります。確かにあまり誇大な広告が好ましくないことは事実でありますし、私ども同感であります。しかし、それを一切禁止するということも、これは現実の問題として私はできると申し上げるだけの自信を持ちません。また、現在空文化しているという御指摘でありましたが、現実にある程度業界自体もこうした面について考えを新たにしている部面もございます。具体例について一、二局長のほうから申し上げさせることをお許しいただきたいと思いますが、原則として私ども先生の御指摘の点はそのとおりであると思いますし、薬事法を改正する場合の一つの大きな課題であるということを今日考えておる次第であります。
  220. 田中武夫

    ○田中(武)委員 局長から御答弁をいただく前にちょっと。  それじゃ申し上げますが、たとえば症状を書くとか言うとかして、あなたはのどがかわきませんかとか、あなたはこういうことはありませんかというような症状をまずうたって、そのような症状がある人はこういう病気ですよ、じゃ、こういう薬が必要だといったような広告のやり方は、確かに禁止せられておるはずだと思うのですが、違いますか。あるいは、それはどこか外国の事例かもしれません。その症状を広告にして、こういう症状のある人はこういう病気の疑いがある、こういうようなやり方は私はよくないと思うのですが、そういう広告のあり方はどうですか。あわせて答弁願います。
  221. 加藤威二

    ○加藤説明員 広告の点につきましては、薬事法では、先生から前にも御指摘ございましたように、六十六条で誇大広告、要するに虚偽または誇大な記事を広告しちゃいかぬということが一つございます。それからそのあとに、医薬品の効能、効果または性能について、医師その他の者がこれを保証したと誤解されるおそれのある記事を広告してはいかぬということもございます。それから、政令で定めるガンとかその他の特殊な疾病に使用される医薬品については一般広告をしちゃいかぬという規定、そのほかいろいろございますが、おもな規定はそういう規定でございます。  私どもといたしましては、誇大広告はするなというような指導をまず第一にいたしておりますが、そのほかに、法律ではガンその他の特殊疾病、これは白血病とか肉腫が政令で指定されておりまして、そういうものは一般広告しちゃいかぬという規定でございますが、それをさらに拡大いたしまして、医療用の医薬品、主としてお医者さんが使う医薬品については一般の新聞、雑誌、テレビ等には広告しないようにという指導をいたしておりまして、これは確実に守られております。したがって、いま盛んに新聞とか雑誌、テレビに広告されておりますのは、医療用ではございませんで、大衆用の医薬品でございます。  大衆用の医薬品につきましても、相当目に余る広告のしかたがされておるという、これは当委員会でもたびたび御指摘をいただきました。私どもも実際そういう感じがいたしますので、これもこの六月に業界に厳重に警告を発しました。業界も最近のそういうきびしい批判を認識いたしまして、少なくとも六月に私どもがおかしいと思った——これは主としてテレビ、雑誌等の広告でございます。四十件ばかりでございますが、それを全部直させました。直した結果が、まだ一〇〇%いいとは申し上げかねますけれども、少なくとも相当有名な俳優が出てきたり、あるいはスポーツマンが出てきて、それを飲めばそういうふうに元気になるという広告とか、あるいは毎日飲まなければいかぬとか、行き過ぎの広告はある程度是正されたと考えておりますが、まだまだ不十分でございます。  それから先生の御指摘の、疾病の症状を述べて、それでそれにきくということについて、外国では、私どもが聞いておりますのは、たとえば糖尿病とか、病名をあげまして、その病気にきくというような広告のしかたをいたしてはいかぬ、要するに、そういう病気というのは、大体大衆薬なんかでなおすべきものではなくて、医者のところに行くべきものだ、したがって、病名をあげましてそういうものにきく薬だという広告のしかたをしてはいかぬということをやっている国があるということを聞いておるわけでございます。  薬事法の改正問題でございますが、薬事法を改正いたしますときには、この価格の規定をどういうぐあいにするかというのが大きな問題点の一つだろうと思います。これをいじるかどうかということを含めて、やはり薬事法の改正のときには問題点の一つだというふうに考えております。
  222. 田中武夫

    ○田中(武)委員 広告ということについては、私はことに薬の場合は考えるべきではないか。先ほど私申しました、たしかこれは外国の例だったと思います。私は外国の例を調べたこともあるのですが、病名をあげて、あるいは症状をあげて、こういう病気です、そういう人にはこういう薬がきくというやり方は検討すべきだろうと思います。  その程度にいたしまして、次に、この前にお伺いしたのですが、はっきりしなかったのです。また、はっきりできないのかもしれませんが、薬の販売価格のあり方ですね。これは一体どうあるべきか。同時に、八月から十月ころにかけましてこれだけ薬が問題になっておるのに、大衆薬を値上げいたしましたね。ここに私は当時の新聞の切り抜きを持っておりますが、かぜ薬等も含めて一挙に二・五倍くらい上げているわけですね。よくもまあぬけぬけとという感じを受けたわけですね。そのときに記者の人が厚生省の意見を聞いたのかどうか知りませんが、厚生省は「とやかく言えぬ」と、こういうような発言をしておる、そういうようなことも記事に出ているわけなのですが、これは一体どうです。こういう薬の価格というものに対してある程度チェックする方法はとれませんか。
  223. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 再販届け出品目の場合は、これはできるわけでございます。公正取引委員会のほうで御指導いただいておりますけれども、いわゆる一般用の医薬品の中の非再販品目について、実は厚生省として価格決定に特定の権限をふるい得る権能を今日持っておりません。ただ、いま御指摘になりました新聞が、一体どこのどういう記事だったか私存じませんけれども、ことしの場合に価格の変動する要因が二つございます。  一つは、昨年末に人工甘味料としてそれまで使用を認めておりましたチクロが、有害であるということから禁止になりました。砂糖あるいはその他の甘味料に切りかえが行なわれたわけであります。しかし、たとえば糖尿病の患者さんの場合に、砂糖の入るものというものは好ましくない、その場合に、いわゆる漢方薬として用いられております甘草といいますか、ああいうものに切りかえていかれる、こうしたものの価格がチクロに比べて高い。また、先般も新聞をたいへんにぎわしてしまいましたけれども、スモン病の原因追究の中において、整腸剤としてきわめて大きな評価を受け、今日まで多用されてまいりましたキノホルムが何らかの原因をなしておるかもしらぬということでありまして、急遽この使用禁止に踏み切りました。こうした問題がコストに相当響いておるであろうことは私ども考えられるところです。ただ具体的に、引き上げられました品目について、はたしてそれが適切なものであるかどうか、私はその資料を持ちませんが、厚生省として価格決定に対して何ら立ち入る権限を持たないというのが今日の実情であることは御指摘のとおりであります。
  224. 田中武夫

    ○田中(武)委員 現状においてはそうかもしれません。ちょうど私の持っている記事ですが、木暮という厚生省薬務局企業課長の談というのがこれに出ているのです。しまいのほうだけ読みますと「製薬メーカーは私企業であり、役所が価格をどうこういう筋合いはないし、その権限もない」こう言っておるのです。あなたと同じ答弁です。  そこで相当これは国民生活あるいは国民の健康、保健に影響が大きいわけなんです。したがって、これは全体をということもどうかと思うが、薬の値段も認可あるいは許可といったような方向で検討することはどうです。値上げ等についても厚生省なり、しかるべきところの認可をとる、あるいは新薬の定価を決定するにあたっても、ちょうど私鉄運賃のごとく認可を必要とする、許可を必要とする、新薬の場合は、まず新たな薬を売り出す場合に、そのときの値段を幾らにするかというようなことも新薬の許可と同時に行なう、そういうことはどうですか。
  225. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 今日でも医療用の医薬品については、厚生省は薬価基準でそういうことを定めておりますが、現在のところ、私ども一般用の医薬品について、価格そのものにまで厚生省が許認可の権限を持とうとは考えておりません。  それには多少説明をさせていただきたい部分がございますが、実は本院の物価の特別委員会等におきまして、逆に医薬品の許認可業務そのものが行政介入の悪例であって、届け出制に切りかえてしまえというような御意見も、実は先生と同じ党の委員の方々から言われておるわけであります。そして行政介入が価格を硬直あるいは引き上げておる悪例として、実は医薬品行政は本院の物価の特別委員会においては指摘をされておるわけであります。  ただ私どもは、医薬品というものが国民の健康あるいは生命の保持に必要な商品である限り、これは私企業の水準といえども、国がその安全性を、また有効性を確認しないで販売を認めることはできないと考えております。ただ単なる届け出のみで医薬品の許認可を行なうつもりはございません。同時に、そうした御指摘を同じ本院において受けております今日、価格決定に行政介入をいたすことがはたして好ましいかどうかということについては、今日疑念を持っております。私どもとして今日、医薬品の価格決定に厚生省として介入をいたす考えは持っておりません。
  226. 田中武夫

    ○田中(武)委員 これはどういう立場から、だれがどう発言したのか知りませんが、薬を届け出だけでやれということは暴論だと思います。それから物価の問題で、ことに硬直性の問題、管理価格の問題等々について、行政介入がこれを助けておるという面もありましょう。そういう面からの議論じゃないかと思うのです。しかしながら薬の値段については、昔から薬九層倍といわれておるように、先日の当委員会においても驚くべき発言がなされておるわけです。アリナミン一万円の材料が五百円だというような発言もあったわけです。そういう点から見ると、私はすべて行政権が介入することを好む者じゃありません。しかし、どこかでチェックする必要があるのじゃないか、そう思うのです。  たとえば、たまたま埼玉県で薬品汚職が出ました。それに伴って明らかにせられたのですが、いわゆる病院への売り込みといいますか、乱売でわいろ合戦、これが汚職の原因だ。少なくとも、薬を買えば一〇%か、極端なものは一〇〇%、二〇〇%の薬をつける。二〇〇%つければ価格は三分の一ですね。そういったやり方をやるとか、あるいはリベートは大体三〇%、三割がリベートとして戻ってくる。あるいは薬の販売で、これは薬局をいうのか、病院も含むのか知りませんが、少なくとも五十万円購入すれば外国旅行へ連れていく、こういったものが明らかになったわけですね。リベートが三割なんということは大体常識のようですよ。こういう点から見ても、私は厚生省が行政権で云々ということについては、それは私たちの立場から行政権を強めることは必ずしも賛成ではありません。しかしながら、こういった薬のあり方、薬価のあり方、あるいは売り込みの状態、リベート等を考えた場合は何らかの措置を必要とする、このように考えますが、どうでしょう。
  227. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 最初の部分についてですが、公正取引委員会資料によりますと、昭和四十一年度の業種別累積集中度の順位をとってみますと、実は医薬品は上位十社集中度四九・九ということで、類型としては集中度低位型という分類になっております。そういう意味では、むしろその他いろいろな業種に見られるような管理価格というようなものとはおよそ異なった業態であるという判定を公正取引委員会からもいただいておるわけであります。  いま御指摘になりましたケースのように、埼玉、そのほかでも実は同じように、公立病院において、私どもとして非常に情けない事態が続きました。その中に、業界の商慣習その他非常に問題であり、国民から批判を受けるような部分がないとは私は決して申しません。そうした点については、私ども自体が警告も発しなければなりませんでしょうし、逆に病院側の態度そのものについてもなお注意をすべき点もあると思います。  ただ、これは一つどもとして非常に頭の痛い部分がございます。むしろ、先ほどの田中先生の御指摘のように、ある程度価格決定にまで私どもが立ち入れればこうした問題も減るかと思います。実は、わが国の薬業界というものは非常に自己開発能力に欠ける点があります。そして海外からのノーハウその他によって、あるいは海外の新しく発見されました医薬品の一部に手を入れまして自社開発のごとくして認可を受けておるようなケースもございます。その中で、たとえば非常にまじめな業者がみずからのところで多大の研究費を投じて新しい薬を開発し、それが国民の評価に十分たえ得る医薬品でありました場合は、むしろ国がこれをチェックする場合がありますと、ある程度その研究開発費もまかない得るような価格設定もできないわけではありません。ところが、現在そうした点の法令にいろいろの抜け穴がありますために、その一部をちょっといじりました他のメーカーが、開発研究費を投じてまじめな努力を続けてきたメーカーよりもはるかに安い価格で、研究開発費に投じた費用を抜かして生産して販売合戦を行なうというようなケースもございます。こうした点については相当根の深いものもございますし、なお本院において御指摘を受けました点等も踏まえながら私どもとして指導してまいりたいと考えております。  今日の時点で医薬品の価格形成そのものに厚生省が必ずしも介入をしていないと申しますか、ただいまの集中度でも、お話しのように、むしろ累積集中度低位型という今日の日本の薬業界の中で、行政介入によって価格設定をしていくことの是非、必ずしもよいことばかりではないような感じがありますので、今日私どもはそうした考え方をとっておる次第であります。
  228. 田中武夫

    ○田中(武)委員 価格を決定するのにどの程度の行政権が介入したらいいのかということは、問題があろうとは思います。しかし、少なくともこれだけ問題を提起しておきながらぬけぬけと値上げをした。これは国民感情、消費者感情からも許せないと思います。それを厚生省が手をこまねいて何もできないというのは、これはどうかと思うのですね。  そこで公取委員会事務局長、見えていますね。この薬が値上げしたときにも公取委員会もものを言っておるようですね。この調査なんかをせられたと思うのですが、どうですか。かぜ薬等が一挙に二・五倍値上げしたというようなこの記事は、たしか読売だったと思いますが……。
  229. 吉田文剛

    吉田説明員 いまおっしゃいましたそのこと自体について、まだ具体的な調査はいたしておりませんが、再販売価格——医薬品の大部分が再販指定でございますが、再販指定されておる商品の価格が上がる、あるいはその中間段階でマージン、リベートで多額なものを出すということでありますれば、これは一般消費者の利益を不当に害する、あるいは自由な競争がないのではないかという見地から現在検討を急いでおりまして、近く結論が出せるというように思っております。
  230. 田中武夫

    ○田中(武)委員 たしか、再販指定をするときには、何か薬の原価とか何かを当然調べるのでしょう。そういうことになっておるはずだと思いますが、そういう点を通じて——これは専門でないからどうかと思いますが、薬の価格というものが高いか安いか、もうけ過ぎておるかどうかという点についての公取委員会としての感覚はあると思いますね。
  231. 吉田文剛

    吉田説明員 お答え申し上げます。  再販売価格の指定のときは具体的にそういうことはしておりませんが、その指定された商品について、毎年一回価格体系の届け出をとっております。たとえばマージンが幾らである、リベートが幾らである、販売価格が幾らであるというようなことはとっております。医薬品の価格については現在再販の洗い直しをやっておる段階でございますけれども、医薬品につきましては、いままで調べたところでは、上がっておるものもあるし下がっておるものもございます。それはある程度調べはついております。
  232. 田中武夫

    ○田中(武)委員 先ほどの橋本次官の、日本の製薬会社はあまり研究せずによその研究を買ったり、あるいはそれにちょっとくふうを加えたりということは、確かにそうだと思うのです。大正製薬のごときも研究費なんて使っていないと思うのです。それは私も同感です。そういう点からももっと厚生省としては考えるべき点があるのではないか、こう思うのです。  引き続いて公正取引委員会、薬あるいは化粧品等の再販の洗い直しということは数年前からいわれておるわけです。ところが、作業がどの程度進んでいるのかあまり発表がないのですが、洗い直しを一体いつはっきりできるかということ、それからどういうところに目標を置いて、いまどのような作業をし、どういうようなところまで行っておるのか、さらに指定の時期、昭和二十九年とか三十年ごろからこっちの薬等の、あるいは化粧品も含めていろいろなものの開発といいますか、そういうことで、当時の指定で、たとえばビタミン剤だとかホルモン剤だとか、こうなっておるが、現在、それじゃこれこれドリンクは一体ビタミン剤かあるいはホルモン剤かといわれても、その範疇に入らないものも出てくると思うのです。したがって、そういう点も含めて洗い直す必要がある、こういう点を前から言っておると思うのですが、そういう点も含めて、再販の洗い直しについてはどういう点に目標というか力点を置いてどのようにし、少なくとも減らすという方向だろうと思うのですが、それは何品目ぐらいにするとかいったようなこと、そしてそれが一体いつごろになればちゃんとしたものとして公取から発表できるのか、その点に関していかがですか。
  233. 吉田文剛

    吉田説明員 再販売価格維持契約指定商品の洗い直しについてでございますが、医薬品と化粧品につきましては昭和四十三年の十二月に一応告示改正をいたしました。ところが、そのときにも発表いたしましたけれども、洗い直しは絶えず行なうということでございまして、それから現在まで約二年経過しておるわけでございます。現在作業しておりますのは、医薬品、化粧品に限らず石けん、洗剤、歯みがき等を含めまして、全商品について、法律に書いてございます指定要件、自由な競争があるかないか、あるいは一般消費者が日常使用しておるものであるかどうか、それからただし書きのたとえ再販指定商品でございましても、個々の契約について一般消費者の利益を不当に害すると認められる場合には適用除外になりませんので、そういう点、それからそういう点を含めまして、全体的にすべての問題点を洗いまして掘り下げて検討いたしておる段階でございます。  いま申し上げました点が再販の指定洗い直しの目標でございますけれども、これは先生おっしゃったとおりだいぶん期日がたっております。長くなっておりますので、私どもとしてはできるだけ早い機会に告示改正なりをやりたいというふうに考えております。時期はいつごろであるか、はっきり申し上げられませんけれども、年内にはできるように努力いたしたい、こういうふうに考えております。
  234. 田中武夫

    ○田中(武)委員 たとえば独禁法の補完法として不当表示、虚偽表示の問題がある。それ以後、堂堂とやっておったのに、いつの間にか知らぬがそれを言わなくなって、それで同じものを売り出しておるところがあるのですね。ずばり言いますが養命酒。私はよくテレビを見ておって、よくもまあという感じがするのですが、あれは昔は——昔というか、あの法律ができてなおしばらくの間はそれをやっておって、虚偽表示ということがやかましくなって、ポッカレモンですかが問題になったころあたりから変わったと思うのですが、赤マムシ入りマムシ酒と言っておった。ところが今日は、有効な何とか薬草を含めてということで、赤マムシということを言わなくなった。あれはその当時といまと中身が違うておるのでしょうか。何も公正取引委員会が調べる問題じゃないと思うのだが、同じ問題だと思うのです。マムシ酒で売り出しておいて、いつの間にかマムシと言わなくなった。これなんかも明らかな虚偽表示に値するものだと思うのですが、その間の事情はどうでしょう。  それから養命酒なんかは厚生省の関係か、それとも大蔵省の関係になるのですか。
  235. 加藤威二

    ○加藤説明員 養命酒は厚生省と大蔵省と両方関係があると思いますが、私、実態はあまり詳しくございませんので、調べてみたいと思います。
  236. 田中武夫

    ○田中(武)委員 知らぬというのはどうかと思う。これは常識なんだ。マムシ酒で売り出したのですよ。このごろマムシということは一言も言わない。だから中身が変わったのかどうか、一ぺんお調べになってここへ知らしてください。言わなくなった時期に内容が変わったのかどうか。  それから公正取引委員会、どうですか、これは明らかにいままで虚偽表示をやっておったわけですね。もしそうでなかったとするならば、マムシ酒ということは虚偽な広告だったと思うのですが、どうですか。
  237. 吉田文剛

    吉田説明員 お答え申し上げますが、昔のマムシ酒、養命酒でございますか、それについては具体的に調べたことはございません。
  238. 田中武夫

    ○田中(武)委員 信州赤マムシと言うておったんだ。
  239. 吉田文剛

    吉田説明員 具体的な事件として調べたことはございませんけれども、景表法第四条の、内容について実際のものよりも著しく優良であるというふうに一般消費者を誤認させる表示であれば不当表示であるということになると思いますが、まだ具体的に調べたことはございませんので、なるかならないかはっきり御答弁はいたしかねます。
  240. 田中武夫

    ○田中(武)委員 こんなことを言うつもりじゃなかったのにこういうことになってしまったのだが、言うたのだからはっきり言いましょう。  養命酒はかつては信州赤マムシ入りということで販売しておった。今日では十八種目の有効な薬草のどうとかこうとかということで変わっておるのですよ。そうして、その当時といまと内容が変わったとは言ってない。昔から伝統の云々と言うておる。これはもし現在のものが正しいとするならば、かつては明らかに虚偽な販売というか、広告をしておったと思うのです。一ぺんそれを厚生省と公取の双方でお調べになったらどうですか。  それから薬の小売り価格といいますか、これは薬の箱に書いてあるのと書いていないのとがあるのです。これはむしろ大衆保健薬なんかははっきりと販売価格を表示させたらどうですか。これはたしか七月十日に委員長からもおっしゃったのじゃなかったですか。その点についてはどうですか。専門薬、これは医者以外では使えぬというものは別として、少なくとも一般の人が買うものにはすべて価格を表示させる、そういう指導はどうですか。
  241. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 いま大体五〇%程度の医薬品は価格の表示を容器、外箱等にいたしておりますが、あと五〇%程度まだしておらないものがございます。私どもとしては、むろん価格表示をすることが望ましいと考えて行政指導をしてまいりました。  ただ一つの問題点は、確定再販をとっておりますものは別として、しばしば再販品目のほう、これについては上限価格と下限価格とあって書くことができないというふうな言い分がございまして、いまだにそうしておらないものがございます。私どもは、かつての乱売合戦のために、一時医薬品の品質の低下云々等もございましたために、いま再販制度というものを業界に奨励しておりますが、それと同時に確定再販をできるだけとってもらうようにも指導し、その中で容器、外箱等に価格表示を行なわせるように今後も指導を続けていくつもりであります。
  242. 田中武夫

    ○田中(武)委員 いまカラーテレビが問題を起こしています。いつか私そういうことを言ったと思うのですが、電機製品も大体において小売り価格どおりに売られたことがない。それと同じようなのが薬なんです。目玉商品云々という話があったけれども、これはたいていスーパーその他の売り出しの一つのおとり商品になるわけですね、電機製品と薬は。それほど価格のつけ方はでたらめといいますか、こういう点についても、はっきりとした価格表示をさせるように指導してもらいたい、また法改正をするときには、そういうことを法にも盛るように検討してもらいたい、そう思うわけであります。  それからもう一つ、薬をつくった場合、この薬を何年何月何日につくった、いわゆる製造年月日を記入させるようにしたらどうか、ことにドリンクあたりははっきりしたほうがいいのじゃないですか。中には、そういうものでなければ、また薬として値打ちがないのかもしれぬと思うのですが、長く置くことによって、あるいはそれが気象状況とか湿度とか等の変化によって化学反応を起こしてきかなくなる、また、きかなくなるだけならいいけれども、あるいはそれが危険なことになるような薬もあるのじゃないか。これは暗いところとか、あるいは冷たいところに置いてくださいなんて書いてあるのもありますが、化学反応を起こして危険なような、薬が毒薬になるというようなこともないとは限らないと思うのです。また、そのくらいな反応を持つものでなければきかないかもしれぬ。したがって、少なくとも製造年月日を記入する。さらに、これは有効期限はいつだ、何年何月、たとえば、このごろフィルムあたりでも何年何月有効期限と書いてあるわけですね。そういうふうに、薬あたりもほんとうにそうであるなら書くべきだと思うのです。書かすべきだと思うのです。そういうような点についていかがでしょうか。
  243. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 消費者保護基本法が本院を通過いたします際に、附帯決議として、有効期限等の表示義務の対象薬品を拡大するようにという附帯決議がございました。すでにいわゆる生物学的製剤に関しては有効期限を表示しておるわけでありますが、従来、その他のものついてはしておらなかったわけです。その件について、医薬品業界においても自主的に検討してもらいたいということも申すと同時に、今日まで行政指導を行なってまいりましたが、率直に申し上げまして、有効期限の表示を好むグループ、また製造年月日の表示を好むグループ、それぞれのその製剤の種類によって多少意見の違いがございます。いずれを採用するほうがよりベターであるか、必ずしも私どもいままだ確たる判断が出ておりません。ただ、国立衛生試験所において、いわゆる内服液剤の中のビタミンB1及びCの経時変化についての試験を行なってまいりました結果からまいりますと、一年後の平均値をとりまして、ビタミンB1は表示量の九八・七%、ビタミンCの場合は表示量の八四・三%程度に減少しております。また同時に、これはメーカーの今度は製剤技術の問題があるのじゃないかと思いますけれども、個々の製品によって相当なばらつきがございます。そうした点を考えまして、実は本年二月にメーカー側から一応ビタミンB1及びCを主成分とする内服液剤について、原則としてB1含有のものは三年以内、それからC含有のものは二年の範囲内でそれぞれの責任において適切な期限を表示するという方針をまとめてまいりました。ただ問題は、決してB1及びCばかりではございません。その他のものについても同じようなものがあるわけでございます。それで厚生省として、そのときにB1及びCを含有している内服液剤のみではなしに、その他の内服液剤等についても検討するように要望し、今日有効期限表示、製造年月日表示についての意見の調整を行なっております。できるだけ早い機会に私どもとしては調整を行ないたいと思います。
  244. 田中武夫

    ○田中(武)委員 この件につきまして、できれば、先ほど消費者保護基本法のときに附帯決議があったというような話ですが、もっとどんぴしゃりの、当委員会で決議でもして厚生省へ持っていきたい、このようにも考えておりますが、委員会の構成等の関係もあるしいたしますので、製造年月日あるいは有効期限を明示する、あるいは販売価格の表示等について、ひとつ委員長のほうで善処されるように望みたいと思います。
  245. 濱野清吾

    濱野委員長 これに関連した質問がまだ他の委員にあるようでありますから、一切お聞きして、大体このことを委員長発言で答弁を求めておくことにします。
  246. 田中武夫

    ○田中(武)委員 それじゃ、いまの件につきましては委員長に一任いたします。  最後に、これはきょうの記事なんですが、広島で武見医師会の会長が、不良薬品の追放で来年の春から調剤薬局制を実施する、そういうような発言をしたことが出ておりますが、ごらんになっておりますか。——それは、「各地区ごとの医師会で、来春から薬局センターを設け調剤薬局制を実施する。薬局センターには良質の薬品だけを置き、不良品を駆逐することで、国内製薬会社政府の薬事行政に反省を求める。」こういう発言を武見さんがしておるわけです。これに関連して、それじゃ薬剤師薬局等の関係からはどうなるのか、いろいろな問題があるのですが、いかがですか。「反省を求める。」と、こう言うておるのです。
  247. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 私も新聞で読みました範囲内でありますから、こまかいことは存じません。ただ、新聞の報道する範囲内から考えました場合に、これはいわゆる処方権と調剤権という従来からの医薬分業についての基本問題を、ある程度医薬分業というものに日本医師会会長として踏み切られた一つの意思表示とも私どもは読んでいます。そして、その意味におきましては、そうしたセンター的な役割りを果たす薬局と申しますか、センターと申しますか、そうしたものを、それぞれの地域において医師会それ自体で整備をしていかれるということについては、私どもは望ましいことであると考えておりますし、そうした会議で医薬品についての責任ある臨床医としてのセレクトがされ、これがまた医薬品行政全体として、また厚生行政全体としても決して好ましくない姿ではないと考えております。
  248. 田中武夫

    ○田中(武)委員 好ましいことであると思いますが、これは私もよくわからぬが、医師会が薬局センターを設けて直接やる、こうなると、例の医薬分業の問題の再燃ということにもなりかねないと思うのですが、薬剤師側の従来の薬局との間はどういうことになるのですか。法律的な問題はありませんか。具体的にはどうやるかわからないのでとやかくいま議論をしてもしようがないと思うのですが、その場合には、やはり薬剤師側がどういう態度をとるのか、そういうことも必要だろうと思うのですが、どうでしょうか。
  249. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 いま私からも処方権と調剤権の分離ということを申し上げましたとおりで、これは医薬分業というものが一つのその基礎に当然あるお考え方であろうと私どもはこれを読んだわけであります。その限りにおいて私どもは賛成であるということを申し上げた次第でありまして、なお法律上において必ずしもこれは問題はございません。ただ、実際運営の際においてさまざまな問題点は出てくると思いますし、それについてはなおその会議における医師会長の御発言そのものにどの程度のどういう触れ方をしておられるか、なおもう少し私どもも調べてみたい、にわかに判断は下せないつもりでおります。
  250. 田中武夫

    ○田中(武)委員 それはそれでいいんですが、これでかりに医師会の直属といいますか、医師会の直属の薬局センターを設ける、その場合に従来の薬剤師との関係はどうか、こういうことも考えておく必要があるんじゃないか。これはどういう構想かわかりませんから、いまここで憶測をしての議論は避けたいと思います。しかし、これが武見さん、どの程度考えておられるのか知らないが、実際やりだすとまたいろいろな問題が派生すると思います。そのときには後手にならないように、厚生省においても十分、いわゆる医薬分業というか、そういう問題を踏まえて——問題が再燃してくるんじゃないかと思いますので、その点だけ申し上げておきます。  それでは、きょうはこの程度にいたします。
  251. 濱野清吾

    濱野委員長 鳥居君。
  252. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 最初に、有効期限、それから製造年月日の表示の問題についてでありますけれども、先般の七月十日にこちらで開かれました決算委員会で、私はビタミン剤の中の特にドリンク剤について、現在市販の約六百種類あるといわれておりますそのドリンク剤の中のビタミンに関する経時変化が、衛生試験所でこれがはっきりあることがわかった。学者によりましては、ビタミンCが半年、それからビタミンB1が一年半という、そういう数字を割り出しておる学者もおる現状です。ただいまの田中委員お話にもありましたとおり、またビタミンCにおいては一年たつと九八・七%までがこわれてなくなってしまう、これは政務次官のただいまの答弁の中にありましたことばですが、逆ですか、ビタミンB1……。
  253. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 九八・七が残るわけです。
  254. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 少なくても経時変化がある、こういう結果をつかんだ以上は、製造年月日についてはもう直ちに行政指導で表示すべきである、私はこう思いますが、その点についてはいかがでしょうか。  それで、前回の委員会後、九月二十八日だったと思いますが、自民党の党内にあります社会部会の中の小委員会でありますけれども、そちらのほうの会合がありまして、自民党薬事等懇談会でありますけれども、メーカーの代表と会いましてさまざま協議されていることが新聞報道にありました。これによりますと、おそくも——おそくもじゃなく来年の参議院選挙以降までこの表示問題はどうしても待ってほしいという、そういう議論がこの中であったようであります。厚生省の薬務行政上、こうした圧力がかなりあるんじゃないか、そういう心配があるわけですが、あわせて答弁願いたいと思います。
  255. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 最初に訂正を申し上げますが、いま御指摘になりました経時変化の数字の点であります。一年後の平均値、町の場合に表示量の九八・七%が残っておるわけであります。また、ビタミンCの場合には表示量の八四・三%が残っておるわけでありまして、先ほど田中先生に対する御答弁の中で申し上げました数字と、もしさかさにとられるようなことばづかいをいたしたとすれば、これは私の言いそこないでありますから、あらためてここで明らかにさせていただきたいと思います。  いま私申し上げましたように、事実経時変化が出ておるわけでありますから、私どもとして有効期限表示というものを行なわなければならない、あるいは製造年月日表示というものを行なわなければならないというその基本線において、何ら先生の御意見に反論するものではございません。ただ、その場合一つの問題は、この検査をいたしてまいります中にも出てまいった事実でありますが、これはおそらく製造メーカーの技術格差の点であろうかと思いますけれども、これは平均値と申し上げましたとおり、必ずしもこれだけが必ず残るというものでもなければ、どれもがこれだけこわれていくというものでもございません。実は相当なばらつきが経時変化にあるわけであります。それだけに、有効期限表示のほうが好ましいものであるか、あるいは製造年月日表示のほうが好ましいものであるか、この点については私どもまだ議論をまとめ切れておらぬ部分がございます。同時に、B1及びCだけ有効期限表示あるいは製造年月日表示ということでよいとは実は考えておりません。その意味では、業界そのものから、むしろ本年の二月にB1及びCを主成分とする内服液剤については、原則としてB1含有のものは三年、C含有のものは二年の範囲内で有効期限表示をするということは言ってきたわけであります。しかし私どもとしては、それだけではない、その他の内服液剤についても検討してもらいたいということを申し、同時に、製品のばらつきがございます以上、有効期限表示が好ましい、あるいは製造年月日表示が好ましい、この点についてなお検討の余地がありますので現在調整をはかっておるところであります。  いま自由民主党の中の懇談会において云々というお話がございました。私はそのような話は一切関知をいたしておりませんし、また、そのような要望を党のほうから厚生省としてちょうだいをいたした覚えもございません。そうした点については御心配をいただかないでも済むつもりでございます。
  256. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 表示の問題でありますけれども、メーカー側の好みでこれをきめるというその姿勢に私は問題があるように思うわけです。製造年月日であれば、これはどんどん表示もできることでありますし、現在の製造番号ということでは、消費者の立場からいえば、これはいつできた薬品であるか、現在のように出回っております大衆医薬品でありますので、全く商品としての見方をしなければならない。その場合に、製造年月日がなぜできないのか、これは疑問に思うのですが、どうでしょうか。やはり好みですか。
  257. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 好みと言われましたが、別に好みで云々と私申したつもりはございません。限度内でということばを申し上げましたとおり、A社で自分のところの製品について自信がおありであれば、その有効期限表示の期間一ぱいを表示されることもけっこうでありましょうし、またB社において自分のところの製造技術からいって、三カ年という期間を通してその経時変化に耐え得ないということであれば、あるいは一年半で有効期限を付することになるかもしれません。ただ単に製造年月日を付するだけでこの問題が解決するとは私は考えておりません。あくまでも有効期限と製造年月日の問題というものはあわせ考えなければならぬ問題だと考えております。
  258. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 ですから私は、これを両方一ぺんに表示という、そこまではやはり議論の積み上げがあり、また検討も要することだと思うのです。薬効の問題でありますから、かなり議論があることでありますけれども、製造の年月日というのは、これは物理的に機械的に入る数字であって、これがなぜ入らないのか、そこが疑問なわけです。どうですか。
  259. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 同じことを繰り返して恐縮でありますけれども、たとえば、それでは製造年月日からB1を三カ年以内有効期間ということを原則的に打ち出しまして、ある社の場合一年半で経時変化が非常に大きく起こり得るような場合、製造年月日を表示すること、必ずしもそれだけで消費者の利益保護にはなりません。私どもはそうした点をいま申し上げておったわけであります。
  260. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 しかし、いまの業界のほうのそれぞれの経時変化一つを取り上げてみましてもばらつきがある。ですから、有効表示というのは非常にむずかしいことはわかるわけです。これはしろうとでもわかるわけですけれども、製造年月日というのは物理的に出てくる数字であるわけですから、製造年月日の表示をまずやるべきである、私はこういう考えで臨んでおるわけです。この点につきましては、先ほどの田中委員意見に私は全く同意でありまして、有効年月日、その前にまず製造年月日の表示を厚生省においてなすべきである、こう意見を申し添えたいと思います。  次に、今月の一日、かぜ薬につきまして都道府県にこの承認が委譲になりましたが、この経緯につきまして御説明いただきたいと思います。
  261. 加藤威二

    ○加藤説明員 先ほど政務次官からもちょっと田中先生の御質問のときにお話し申し上げましたけれども、大衆薬につきまして製造承認基準をつくっていくということを厚生省として始めておるわけでありまして、その第一番といたしまして、かぜ薬の製造承認基準ができたわけでございます。それで、そういう製造承認基準ができましたものについては、その基準の範囲内でかぜ薬をつくろうという場合には、もう基準がきまっておりますから、それを厚生省まで持ってこなくても都道府県知事のところで審査ができる、要するに、基準に合っているかどうかを調べればいいわけであります。そうすることによって、その承認権限を地方に委譲することによりまして、現在厚生省にたくさんだまっております医薬品の製造承認の申請がある程度整理できて、こちらもその他の薬について早い審査ができる、そういうようなことで、そういう大衆薬につきまして製造承認基準をつくってその有効性と安全性をはかるということと同時に、事務を本省と地方とある程度分担いたしまして承認事務の迅速化をはかる、この二つのねらいでいま申し上げましたようなことを始めたわけであります。  それで、最初にかぜ薬の承認基準ができましたので、この十一月一日からこの承認権限を都道府県知事に委譲する、こういうことになったわけでございます。
  262. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 都道府県がいたします検査は、書類審査ですか、それとも現物の審査をいたしますか。
  263. 加藤威二

    ○加藤説明員 書類審査でございます。
  264. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 次に、現在厚生省のほうにこの製造承認を求める件数がだいぶ出ております。大体一年に何件くらい出ておりますか。昨年一年間を取り上げて数字を示していただきたいと思います。それと、承認になった件数——それじゃ申し上げましょう。昨年は六千三百十六件でありまして、このうちの大体半分くらいが承認になったそうであります。一日平均十七件、二千五百九十六件でありますから、数字の上では申請に対して承認がかなり下回る数字が出ております。一日平均十七件の承認というのは、またこれもたいへんな数字であるわけでありますが、これを地方に委譲するということになりますと、まず一つの問題は、かつて薬務局の中で、業者のほうからその承認をともかく早く受けたいがために、行政庁のほうとメーカーのほうとの癒着の問題が出てきたわけです。昭和四十二年だと思いましたが、汚職事件として新聞をにぎわすことになりました。これがまた地方に委譲された場合に、ともかくそういう安直な承認がなされるんじゃないか、こういう点が非常に心配なわけです。この点についてはどうでしょうか。
  265. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 いま、ある意味では非常に先を見越した御質問がございました。実は、むしろいま先生が御指摘になりました、かつて厚生省内に起きておりました汚職問題そのものが、この地方委譲というものに私どもを踏み切らせた一つの原因でもあります。また、当時国会において同様の御趣旨の御意見を厚生省はちょうだいしたわけであります。  と申しますのは、厚生省そのものが一切の薬の許認可全部の仕事を引き受けている、膨大な量の医薬品をさばいていかなければならないということ、そこに人為的な要素も入り得る、ごくわずかな組成の変更等についても一々全部本省がしなければならないということはないじゃないか、むしろかぜ薬ならかぜ薬のその基礎となるべき主成分になるべきものを厳密にチェックして、これならば安全であり、かつ有効であるという一つのランクがあれば、その範囲内のものは地方に委譲してよろしいじゃないか、当時国会においてそうした御議論があったわけであります。私ども、当時の社会労働委員会の中でそうした議論をしてまいったものでありますが、そうした国会の御意見、また世間からちょうだいした御意見というものが地方委譲というものに踏み切らせた一つの足場でありまして、私どもは、その結果において不祥事が起こるようなことはない。少なくとも私は自分の省の職員を信じておりますし、地方においてもそうした不祥事件は起こらないと信じておりますが、そうした点についてはなお十分に注意をしてまいりたいと考えております。
  266. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 次はこの基準が私が取り上げたい問題の一つであります。まず第一案が中央薬事審議会より出てきたのはいつですか。
  267. 加藤威二

    ○加藤説明員 ことしの一月の終わりでございます。
  268. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 そして告示に至るまでの時日が非常にかかっておると思うわけですが、どういう経緯をたどっておりますか。
  269. 加藤威二

    ○加藤説明員 この問題につきましては、前にもあるいは当委員会で申し上げたかもしれませんけれども、この基準をつくるという問題についていろいろ誤解が生じたわけでございます。ことに大衆薬のメーカーの中に、厚生省はそういう基準をつくって、だんだん大衆薬というものの基準をきびしくして、害はないかもしれぬが、あまりきき目もないということで大衆薬というものをだんだん圧縮していくのじゃないか、そういう不満といいますか、不安といいますか、そういう気持ちが相当強く出てまいったわけでございます。これは厚生省のこの問題に対する説明のしかたも悪かったかもしれませんけれども、そういう誤解を生じまして、相当反対運動が起こったわけでございます。私どもといたしましては、まずそういう誤解をできるだけ解いていくということのためにいろいろ時間がかかった。それからまた、内容については、そういう意味で一応の素案ができましたものについて、いろいろな関係者のあるいは業界のほうの御意見等もあったと思いますが、そういう問題についてさらに審議会のほうで検討していただいて、そして意見で取るべきものは取り、取り入れないものは取り入れない、そういう整理に若干時間がかかって、実際の最終決定までの間にある程度の時日が経過した、こういうことでございます。
  270. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 薬事審議会から出してまいりました基準というのは、どの程度の信用度があるものですか。これを評価しないという方針ですか。
  271. 加藤威二

    ○加藤説明員 薬事審議会の先生方はそれぞれの専門の分野で相当高名の方といいますか、相当造詣の深い方でございます。私どもといたしましては、そういう学問的な評価というものを尊重しておるわけでございます。ただ、それを薬の承認基準という実際の問題に当てはめてまいります場合に、長年その薬について製造をやっていた、そういう人たちの実際的な意見というものもこれは聞いてまいる必要もあろう、こういうことで、学問的な調査というものと実際的な知識というもののある程度の調整をやるということも必要だと思うわけです。そういう意味で、いろいろ調整がなされたということでございます。
  272. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 そうしますと、第一案でまとまった薬事審議会から出てまいりました基準をメーカー側に持っていってでき上がった案は何月何日ですか。
  273. 加藤威二

    ○加藤説明員 最終的に案ができましたのは、八月の初旬だったと思います。
  274. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 私は、そこがおかしいと思うのです。ともかく、実際に製造に当たっている人の意見を聞かなければならない。これはことばをかえて言えば、専門家の中央薬事審議会でつくり上げましたかぜ薬の基準を、これでよろしゅうございますかという意見を求めにいくような、そういう姿勢が薬務行政にあるのじゃないか、この点を非常に私は危険だと思うわけですが、この点はどうですか。  大体、まず第一案の中に出てまいりましたこのかぜ薬でありますから、小児用の場合には非常に注意を要しなければならない、子供に投薬する場合ですね。第一案の中央薬事審議会では、満一歳未満の子供には使えないとしているものです。使用禁止をしております。それがメーカー側のほうに持っていって、そうしていろいろ意見がその中に入りまして、第二案として出てまいりました。その中には、生まれて三カ月未満には使えないというふうに、非常にこれが幅を広げて使えるようなかっこうの修正がなされました。最終案が出てまいりました十月十九日、これは厚生省が大臣名で告示をした分ですが、この官報に記載されました内容からは、小児用には制限なく使える、こういう結果になったわけです。これはどういうわけですか。
  275. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 鳥居先生誤解をしておられるのじゃないかと思いますが、私からひとつ申し上げたいと思います。  その第一次案、第二次案というふうに言われますと、なるほど先生のようなお話も出てくるかと思います。しかし、それが何もコンクリートされた形のものではなくて、現実に作業が進められております中で、私はそのメーカーの意見を聞いたこと自体は悪いことだとは思いません。もし、それがメーカーの言うとおりのことをそのままに受けて厚生省が行政をしたというなら、また、薬事審議会が方向を変えたというなら、これは問題でありましょう。しかし、実際の作業に当たっておる方々の意見を、案をまとめていく過程の中で、草案の段階でそれについて意見を求めてきたということでございまして、私どもはそうした点では、十分な配慮をしつつ仕事をし終わったと考えております。
  276. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 しかし、結果を私は対象としているわけです。満一歳未満の子供には使えないと判断をしたのが、これが中央薬事審議会でありまして、先ほどの局長が言われたとおり、これは専門家の集まりであります。少なくとも満一歳未満はだめだとしているわけです。それが最終案として告示された分には全然触れられていなかった、骨抜きになっているという点が私は問題だと思うのです。これは一例です。  さらに、最終案の中を見ますと、構成している薬品の分量が非常に増量されておる点であります。これは先ほどから政務次官も、安全性の点で今度は配慮がなされてきたというお話でありますけれども、安全性を考慮したはずの第一案、これが骨抜きになりまして、そして最終案ではかなりの増量になっているというのはどういうわけですか。  具体的な数字を出しましょうか。これは一日最大の量として、グラムで出ております。グラムで出ておりますが、一応単位をずらしまして三十五であるものが四十、あるいは七十であるものが七十五、二の単位のものが三、あるいは三十五の単位が四十五に繰り上がるというぐあいの増量がここでなされておるわけです。第一案から第二案、第三案——これが最終案でありますけれども、最終告示になった分との違いは、薬品の増量と、小児用については、非常に消費量の多い満一歳未満の子供に服用を許すという大きな違いであります。これはどんなふうに説明しようが、メーカー側の大きな圧力があった、そう見て間違いないように私は思うわけです。  いずれにしましても、今度のこの承認基準の措置は、メーカー側に立った措置であったと言って間違いないと思うわけです。六千件からの申請に対しまして、わずかに二千五百件という承認の実績から見まして、今後は都道府県に移譲されたわけでありますから、乱売の傾向をたどることも、これも自然の成り行きでありましょうし、そこいら辺にたいへんな危険性をはらんでおるように私は思います。この点いかがでしょうか。
  277. 岡浩策

    ○岡説明員 かぜ薬の年齢のことでございますが、これは従前やっておりました基準では、一歳未満はだめとかそういうことはなかったわけでございます。それを今度の案で、一応一歳未満は避けたほうがいいだろうということを一応の案としてまとめたわけでございます。(鳥居委員「専門家がでしょう」と呼ぶ)はい。ところが、広く意見を聞きましたところ、僻地なんかの場合を考えると、一歳未満が使えないということでは非常に困るという意見が出てきたわけでございます。そこで、もう一度一般用医薬品特別部会の先生方がその辺を検討された結果、やはりこれは僻地のことも考えなければならぬということから、では一歳未満は全部だめということはちょっと問題があろう、しかし、三カ月未満の場合は、これは非常に重篤な結果を招くことがあるから、幾ら僻地といえども三カ月未満は困る、それからなお一方、先生方の御意見ですと、最初のうちは母親からある程度抗体を持って生まれてくるのだそうです。そういうことがありますので、三カ月未満というのは、そういうことが起こるのは少ないし、また起こったとすれば、それはほかの治療をすべきものなんだ、だから三カ月未満は絶対だめだ、しかし、一年未満ということでは確かに僻地で困るだろう、こういうことで、検討の結果変えたわけでございます。  それからもう一つ、量を変えたという問題でございますが、これは新しい成分を追加した分でございます。それにつきましても、一応常用量というものがございまして、承認になっておる、これは単味で使う場合の常用量でございます。それをここに配合いたしますので、その目安として、一応常用量の幅の平均値をとりまして、その半分を目安にして一応の案をつくって、これが不当であるならば資料を出してもらいたいということでやったわけでございます。資料が出てまいりましたので、その資料を検討して、その資料に基づいて出したのがあとのほうの数字でございます。最初はそうではなくて、承認されておる常用量の上限と下限の平均値をとりまして、それの二分の一、これは配合剤でございます。単味の場合の常用量の平均値の半分を配合剤の場合の量として一応の案とし、それに対して資料を出してもらい、その資料に基づいて出されたのがあとの数字でございます。
  278. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 いずれにしましても、今回はかぜ薬の承認基準を引き続いて認可する、あるいは睡眠薬等はどんどんこうした地方移譲になることでありますから、個々の大ワクのいわゆるスケールが地方に渡された、そういうかっこうになっておるわけです。ですから、このスケールが大きな問題になっておるわけです。いまの説明によりますと、小児用の場合には、多少危険でも僻地のことを考えればはずす以外ないということでありますが、これはたいへんな問題だと思います。現在の消費量を考えてみますと、圧倒的に都会地の消費量、いわゆる大衆保健薬ですから、山間僻地のお医者さんの手の届かない、そうした面のことを配慮して、危険性を押しても満一歳以下の服用を許すということであるならば、その薬務行政は問題だと思いますが、その点どうですか。
  279. 岡浩策

    ○岡説明員 ただいまの問題に関しましては、使用上の注意も検討されておりますが、その使用上の注意の中で一歳未満の——三カ月未満はだめだということをいっているわけですから、三カ月から一歳未満の乳児には、やむを得ない場合に限り服用させることというふうな使用上の注意をつけさせることにいたしております。
  280. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 最終案には、小児用の制限の基準がないのですよ。三カ月未満には使わないということになっていないわけですよ。
  281. 岡浩策

    ○岡説明員 それは入っております。告示のほうには入っておりませんけれども、用法量は別にきめてございます。基準というのは別にありまして、告示のほうは地方に移譲できる範囲を成分と分量できめてあるわけでございます。それは使用上の注意のほうで——三カ月未満の者には服用させないということもすべて使用上の注意として残っております。
  282. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 第一案で薬事審議会のほうから出てきた一日最大分量、これは私は飲んでいい許容の限界だと思うわけですが、それが最大分量になっているわけですけれども、それが上回るということは、これはもうメーカー側に回れば上回るにきまっているわけです。薬品の増量です。成分の増量、これもなぜメーカー側に持ち回らなければならないのか。蒸し返すようですけれども、ここにも大きな疑問があるわけです。メーカーサイドに立った薬務行政といわれても、これではやむを得ないと思うのです。どうですか。
  283. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 もし鳥居先生が各メーカーにお尋ねになりました場合、今度の基準にメーカーが満足しておるという答えが出てくるとは私は思いません。この基準をつくられて縛られたこと自体にメーカーはいまだに不満であります。不満でありますが、私ども、やらなければならないと信じてやってまいりました。メーカーサイドに立った行政だとは考えておりません。
  284. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 それはメーカーは危険性を押してでもたくさんの分量を消費できるように考えるのは、やはりメーカーのたどらなければならない宿命的なものだと思うのです。問題は、基準になっている薬事審議会の答申、それが二次、三次と進むにつれて増量されている点が問題なんです。増量しなければならないような、メーカーに伺わなければならないような薬務行政、その姿勢の問題だ。やはり薬務行政をつかさどる以上——分量その他については意見を求めなければならないのですか。
  285. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 しかし、先生のお怒りになっている最終案と申しますものそのものは薬事審議会、先生御自身が権威を認められました薬事審議会において決定された案であります。私どもは途中の草案の段階のことは存じません。しかし薬事審議会、鳥居先生御自身が権威を認められた薬事審議会が最終決定されて私どもに答申をいただいた数字、これに不備があるとは考えておりません。
  286. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 もちろん承認はしています。厚生省の告示にあたって承認はしておりますけれども、第一案が全く骨抜きな点を私は心配しておるわけです。ともかく一考を要することであり、また今後に大きな禍根を残すようなことがあってはならないがために、さらにまた胃腸薬や他の移譲の内容についてもどんどんそれが拡大されていくわけですから、ここで慎重な基準の設定のしかたを考えていただきたいと思うわけです。  それからキノホルムが非常に物議をかもしたわけでありますが、現在の薬事法では、製造の承認はいたしましても、そうしたキノホルムのたぐいの非常に害を流すものについての取り消しができないという、そういう薬事法になっているわけです。こうしたものを含めて、薬事法において法の措置をとるべきだと私は思うのですが、そのお考えはありませんか、どうですか。
  287. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 先ほど田中先生にもお答えをいたしましたとおり、私ども自身、今日再検討をいたしておる最中であります。
  288. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 それでは、検討の結果を待って、また議論さしていただきたいと思います。  以上で終わります。
  289. 濱野清吾

    濱野委員長 華山君。
  290. 華山親義

    ○華山委員 この委員会におきましても薬事の問題がやかましくなっているわけでありますけれども、これについて、富山県、奈良県等に多いようでありますが、いわゆる製薬というか売薬をつくっている業者が非常に心配をしておるようでございます。それで新聞を見ますと、こういうことが出ております。  一カ月ばかり前だと思いますけれども、大会を開いて、この問題は政治的に解決してもらわなければいけない、それには出身地の代議士やこれに関係のある代議士に政治的な献金をしてこの問題を解決してといいますか、あまり影響のないようにしてもらわなければいけないという議決をしたということが新聞に出ておりました。何かそういうふうなことはほんとうでございますか。だれか御承知の方があったら、ほんとうだか何だかお答え願いたい。
  291. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 特定の団体がどのような議決をしたか、私どもは存じておりません。
  292. 華山親義

    ○華山委員 新聞ではそういうふうに議決をしたということであります。私はまことに困った問題だと思う。金さえ出せばいろいろな政治問題が片づくというふうなものの考え方、そういうふうなことは私は困りますし、そんなことは、若い政治家でございますから橋本さんは断固としてはねつけられるだろうと思うし、そういうふうな金の回ることについて自民党も気をつけられると思いますが、橋本さんにひとつ、そういうことが今後あるかどうか、あった場合にはどうなるのか、あらかじめそういうことのないように注意されるか、覚悟のほどを聞いておきたい。
  293. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 いやしくも本院において、いずれの党であれいずれの党に所属される方であれ、そのような事態があるとは私どもは信じておりません。
  294. 華山親義

    ○華山委員 そういうふうなものが、もしもそういう大会なるものが、そういう業界なるものが厚生省の監督下に属しておるのならば、発言権のある業界であるならば直ちに取り消してもらいたい。
  295. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 いかなる団体であるか存じませんが、それぞれの団体がそれぞれの意思においてどのような御決議をなさろうと、それは自由であります。私どもはそうしたものに動かされるつもりはございません。
  296. 華山親義

    ○華山委員 まあしかし新聞には大きく出ておりますし、全国のそういう業者の大会であることは間違いありません。それが露骨に政治献金をしてこの問題を片づけようなんということは、私はとんでもないことだと思う。ほんとうに私はいやな気持ちがした。ひとつ、その問題については十分に気をつけていただきたい。そのことを申し上げておきたいと思いますし、発言権のある団体であるならば、あなたのほうでよく調べて、そういうふうな決議というものは取り消させるようにひとつお願いしたい。  次に、一昨日でしたか、スモン病に対して学会が開かれました。その中で私は、ちょっとこれはどういうようなものだろうかと思ったことがあります。ある学者が言っておることには、キノホルムは獣医学会では使ってはならないようになっていた、そういうことをある学者が言っているわけです。それに関連して、私、全体の議事録を読んでおりませんからわかりませんけれども、そういうふうな情報というものは厚生省は入手しておらなかった、こういうふうに、出席しておられる厚生省の係の役人の方が言っていらっしゃるわけです。私は、こういうふうなことでは、獣医がけだものにも飲まさないようなものをどうして知らないでいたのかどうか、早くこれを禁止すべきじゃなかったのかという気がいたしますけれども、その間の経緯について、どなたかからでもお答え願いたい。
  297. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 いま先生の御指摘になりました獣医が犬やネコにキノホルムを使うことは禁忌されているということは、本年のドイツの文献にあったそうであります。厚生省としては獣医さんの薬など存じませんので、農林省に問い合わせましたところ、そういう答えが出ました。そこで、その理由として書かれておりますのは、急性中毒によりけいれん、発作を起こす、スモンとは全然別個のものであるということであります。なお、今日わが国では、スモンの問題とからんでキノホルムが一つの原因になっているのではないかということから禁止の措置をとったわけでありますが、キノホルムの禁止に踏み切りましたのはわが国だけで、各国は人間に対して依然として使用いたしております。そして、いま先生、動物にも使わぬ薬を人間に使ったらいかぬと言われましたが、必ずしも人間の薬が動物の薬としてそのまま役に立つわけでもありませんし、動物の薬がそのまま飲んで人間の薬としてきくわけでもありません。現に、東南アジア等に先生おいでになればよくおわかりと思いますが、キノホルムは、今日でも各国のメーカーがアジアあるいは中近東、アフリカ方面において大量に販売もし、また現地の人々もそれを使用しております。スモンという特殊な病気の大量発生を見た日本として、一つの原因ではないかということから禁止に踏み切ったわけでありまして、この点は御議論をお分け願いたいと思います。  それと同時に、たとえば腸性末端皮膚炎というような病気につきましては、現在でもキノホルム以外にこれをなおす薬がございません。今日キノホルムは禁止いたしておりますが、この病気に関してだけは関係の学者の方もこの使用を認めていただいております。こうした医薬品でありまして、いま外国で動物にも使わせないものを人間に使わしておったのはけしからぬというおしかりでありますが、この点はお分け願いたいと思います。
  298. 華山親義

    ○華山委員 私はそういうことをどうして厚生省の人が知らなかったかということです。厚生省はそういう情報を得ておりませんでしたと、こう言われるのですけれども、どうして農林省は知っておって厚生省は知らなかったか。厚生省でそういうことを知っておったならば、何らかそこに考えが出てきたのじゃなかったか、私はこういうふうに思うわけなんで、その点をお聞きしているわけです。
  299. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 遺憾ながら厚生省は、母親の胎内にありますときから、亡くなって土に帰った後までの人間のみを所管いたしております。動物は実は農林省のほうで扱っております。実は厚生省からこの問題について、疫学班の会議の席上提起されたために問い合わせをいたしました時点では、農林省自身御存じありませんでした。こちらから連絡をとりました結果お調べをいただいた結果がドイツの本年の文献にあったということであります。それと同時に、人間の薬として今日もなお世界各国で評価を得ている薬であるということはつけ加えて申し上げさせていただきます。以上でございます。
  300. 華山親義

    ○華山委員 それにしても、人間と動物というものはそんなに離れたものじゃないでしょう。薬を使うときにまず動物実験をするじゃありませんか。人間は人間、動物は動物、そういうふうな割り切った考え方はおかしいと私は思うのですよ。  次に、私は具体的に伺います。何か業者のことをいろいろ妨害するようなことを言われてはと思いまして、われわれも遠慮して具体的なことを言わなかったのですけれども、具体的に聞きます。  テレビで、仮性近視にはアリナミン、そういうふうなことをいたしまして、小学校の教室で先生が黒板に字を書いて、子供が目を細めて黒板を見ている、そういうふうなテレビを出している。私はおそるべきことだと思ったのです。仮性近視かどうかはその親がわかるわけない。ほんとうの近視かもしれない。それを医者にも相談しないで、あの広告を見て、少し目が近いようだからと、アリナミンAを飲ましている間にほんとうの近視が進むかもしれない、私はそういうふうな懸念を持っていた。最近私、見ておりますと、厚生省のほうで注意されたのかどうか知りませんが、そういう広告はなくなりました。ところが、今度はアリナミンの大きな広告を出しまして、学問的なことを書いたものを新聞に出すわけです。その中にやはり出ているのですね。ああいうものは医者がわかればいいわけで、これは仮性近視だな、それだったならばビタミンBを投薬すればいいのだということがわかるわけであって、ああいうものを大きな新聞に出して、仮性近視にきくというふうなことを出すのはおかしいのじゃないか。ああいうふうなことでほんとうの病気が売薬によってなおされるというより、むしろそういうふうなことによってほんとうの病気が進行することをおそれるわけなんですが、これはどういうふうにお考えになりますか。
  301. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 いま御指摘になりましたようなケースは決して好ましいものではございません。先生指摘になりましたテレビのそのコマーシャルは、たしか薬務局長のほうから警告を発しましたその時点ですでにやめておるはずでありますが、新聞に掲載をいたしました広告そのものは実は私、気がつきませんでした。これも調べさせていただきたいと思います。
  302. 華山親義

    ○華山委員 私は一例をあげたにすぎませんけれども、そういうことは気をつけていただきたい。その薬でなおるものだと思って、ほんとうの医者にかからないこともあるかもしれないと私は思う。  それからひとつ、何とかドリンクというものがあるそうです。私は飲んだことはありませんが、あれは薬ですか。
  303. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 医薬品の認可を与えておりますものと清涼飲料水と、二通りございます。
  304. 華山親義

    ○華山委員 そういう抽象的におっしゃるから私はやむを得ず言うのですけれども、リポビタンDというものは、あれは薬ですか、どっちなんですか。
  305. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 医薬品の認可を与えております。
  306. 華山親義

    ○華山委員 いつかおっしゃいましたけれども、あれは疲労の回復にきく薬だそうですね。そうですか。
  307. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 私はあの薬を好みませんので自分で飲んだことがありませんが、その主成分である局方に掲載されておるタウリンというものは確かに疲労回復の作用があります。
  308. 華山親義

    ○華山委員 橋本さん、そんな人をばかにしたようなことをおっしゃっては困りますよ。それは何でしょう、疲労回復の薬だとこの前は言ったのですからね。
  309. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 ですから私もタウリンという主成分は疲労回復の効能を認められておりますということを申し上げました。
  310. 華山親義

    ○華山委員 それで、先ほどいろいろな運動とかいろいろな人を出して広告をするというふうなことはやめさせた、こういうふうにおっしゃいましたね。ところが、いまやっているじゃないですか。具体的に言わないとわからないから私は言いますけれども、このリポビタンDは、王選手がバットを振って振って振りまくって、そのあとに疲労回復にリポビタンD、こう言うでしょう。一体ああいうことはいいのですか。いまでもやっていますよ。
  311. 加藤威二

    ○加藤説明員 先ほどの説明でも申し上げましたが、私どもといたしましては、できるだけそういうのを控えてもらうということで、まだ全面的にきれいになったとは考えませんけれども、なるべくそういうものをやめてもらうようにいま努力中でございます。
  312. 華山親義

    ○華山委員 なるべくとか、できるだけとかいうのはどういうことですか。やめたらいいじゃないですか。なぜ遠慮するのですか。具体的に問題があるのだ。あれはどこの製薬かわからないけれども、そういうものはやめたらどうか。どうしてできるだけとか、そういうことを言われるのですか。問題は一般公衆の人にむだなものを使わせない、そういうふうなことでやっているのですから、ああいうものは遠慮してもらいたい、ああいうものはやめてもらいたいとどうして言えないのですか。
  313. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 遠慮してもらいたいということは申しております。いま局長が申し上げたとおりであります。ただ、これを強制する権限は私どもは持っておりません。
  314. 華山親義

    ○華山委員 強制する権限がない、しかし、具体的に注意したけれども、大正製薬は言うことを聞かなかった、こういうことですね。
  315. 濱野清吾

    濱野委員長 どうですか、華山さん、この論争はもう次に譲りましょうや。
  316. 華山親義

    ○華山委員 具体的に注意したのかしないのか、ひとつそれだけ聞きたい。
  317. 加藤威二

    ○加藤説明員 大正製薬の件は、私も直接個々のメーカーに会っておりませんので、所管の課長がどの程度話したかわかりませんけれども、私のところの局の方針としては、そういうものはなるべく控えてもらいたい。それからメーカーのほうの自粛申し合わせにもそういうことをうたっておりますので、大正製薬に直接それを注文して、それをけったかどうかという事実は承知いたしておりませんが、取り扱いはそういう取り扱いになっております。
  318. 華山親義

    ○華山委員 私は、大正製薬とかリポビタンDとか、具体的なことを言いましたけれども、こればかりじゃないと思う。ほんとうに困った広告がありますよ。具体的にいうならば、十七歳以上四十歳以下の女の人は命の母Aなんて、何のことかわからない、何のことだかさっぱりわからない広告を毎晩毎晩見せられたら、やはり婦人にはそれらしい病気がある、飲んでみようという気にはなるでしょう。そういうものはやめたらと私は思うんですね。どうぞひとつ、具体的に言いましたけれども、ひとつ気をつけていただきたい。
  319. 濱野清吾

    濱野委員長 時間が来ましたから、審議はこの程度にいたしまして、委員長から発言がございます。  委員長は、この際、当委員会を代表して、厚生省に次の事項について要望することになりました。すなわち、   厚生省は、厚生省が承認又は許可したる総ての薬品等については、利用する国民大衆の立場に立って、その製造年月日並びに有効期間をすみやかに表示せしむるよう、製造業者に対し強力に指導されたい。  以上。
  320. 橋本龍太郎

    ○橋本説明員 委員会の御意思をよく体して、努力いたします。
  321. 濱野清吾

    濱野委員長 本日はこの程度で散会いたします。    午後四時四十二分散会      ————◇—————