○吉田(賢)委員 これはひとつ税調のほうでぜひ検討されるようにお願いしたい、と思うのです。しからざれば、
国会は
国会の立場からいたしまして、あらゆる具体的実情に即しまして議論を展開してみることにしたいと思います。
それから、勤労学生の控除の問題でございますが、勤労学生の控除というものは、特定した人的条件がきめてあるようでございますが、学生控除という観点からしますと、もっと広い範囲におきまして教育控除の項目をつくる必要がある。やはりいまの教育制度というものは、今後どう
改善していくかわからぬといたしましても、ずいぶん普及いたしていることと、幼稚園、保育所が教育かどうかは別としまして、幼稚園からずっと上がっていきまして大学に至りますまで、教育の家庭負担はたいへんなものです。ほんとうにたいへんなものでございまして、これを思いますと、その方面を、教育控除という一項を設けまして、そして具体的に検討する必要があるんじゃないだろうが。どうも控除という問題が、いろいろな他の方面とバランスをとるというような面がおもになっておるようでございますけれ
ども、やはり
所得税に関連する問題は、具体的、実際に生きていくために、食っていくために必要かどうかという観点から発足いたしまして、やはり根本の、これは、文化的な、日本人として生活のできるだけのものを保障するという憲法の保障があるのですから、その理念をあまり無視してはいかぬと私は思う。法人税とは違うと思うのですね。そういうことがありまするので、教育控除というものを一木立てる必要があるんじゃないか。
もう
一つは、最近の家賃というやつですな。これもいろいろな方面において問題になっておるようでございますが、家賃問題については、これは特に控除の費目に加えるべきじゃないか、この点が
一つございます。
もう
一つは、寄付の問題であります。寄付の問題につきまして、たとえば最近の寄付と申しましても、日本人の社会慣習といたしましては、PTAの寄付にしても、あるいは町内の寄付にしても、そういう方面の寄付ということが案外かさむのでございます。案外かさみまして、寄付というものは、ともかく奥さんのふところから出すとか何かのようなかっこうになってしまって、どうも、そこらは全然控除費目にも実際あらわれてこないという問題、たとえば、私も
一つ体験したのでありますけれ
ども、ある篤志家が、なけなしの
不動産を売って、そして社会福祉法人に寄付してしまった。寄付したんだけれ
ども、売った瞬間にまず
所得税を取られてます。それから残ったものを寄付する。寄付が
目的で処分して、そして社会福祉法人に寄付していくというような、そこまで二重に
税金を取らいでもいいじゃないかというようにわれわれは感じるのですね。そういう点につきましても、当初の
目的が明白でありましたならば、やはりこれは
所得税は免除するとかいうふうにするのが筋じゃないだろうか、こういうふうにも
考えます。
それから寡婦控除の問題ですが、寡婦控除の問題にしましても、寡婦というむのが、これはもう戦災未亡人もこのごろはずいぶんと子供も大きくなっております。離婚者も寡婦の一人になっておりますけれ
ども、寡婦が案外いま、いろいろな
意味におきましてまだあちらこちらと処遇がまちまちなんです、各府県の力等によりまして。寡婦の実態にもよるかと思いますけれ
ども、寡婦の処遇につきましては、これはもっと検討する必要があるんじゃないかということが
一つ。
それからもう
一つは老人の控除の件ですが、これはやはり寝たきり老人等々、いろいろ並べて、いろいろ条件を書いてございますけれ
ども、やはり日本の老人生活というものにつきましては、これは六十五歳になったらどうという、そういう
形式的なことできまっておりますけれ
ども、やはり老人についてどう健康を保持するかというようなことについて、たとえば一定の
所得を得るというような老人生活、これは私らすすめておるのです。国のやっかいになったりそこらのやっかいになっておるのは老人の生活じゃない、生きがいのある生活をしなさい、それにはやはり働きなさい、愉快に働いて
所得を得なさい、こういうことも言っておるのです。しかし、へたに
所得を得ますと、また
税金を取られることにつながっていくんじゃないかというようなことも
考えますので、そんなようなこともあわせまして、老人控除というものをできるだけ実態に即して
考えていただきたい。
それから心身障害者の場合には、実情を見ますと、リハリビリテーションの実態から見ましたら、これは残酷なばかりです。社会的な公害を受けたような人が多数にあるわけでございます。ございまするので、これはそれぞれ等級等によりましていろいろ優遇の道も講ぜられておりますけれ
ども、私は進んで、たとえばその人がある資格をとるためにどうするとか、あるいは、進んで何か新しい道を開くためにどうするとかいうような点についても、これはすぐ控除と結びつくかどうか疑問ですけれ
ども、控除の面からも
考えまして、できるだけ身障者あるいは精薄者などの立場をもっと積極的に優遇する必要があるんじゃないだろうか、そうして社会復帰への道をもっと広げていく必要があるんじゃないか。あまりに数が多いものですから、こういうことを感ずるのです。
あれこれと並べてみますとたくさんあるのです。妻の控除にいたしましてもそうです。妻の控除とは一体何か。夫が働いて収入を得る、妻はうちで扶養者か。とんでもないことです。夫は一日働いてうちに帰って、うちはいこいの場であるけれ
ども、同時に団らんの場である、同時に、あすの労働力をほんとうに養い得る場所である。それの一切のまかない者はだれであるか、それは妻です。言うならば、妻は
所得の源泉の重大役割りをしておるのです。この妻の控除はことしは十八万円でございましたか、忘れましたが、妻に対しましてはもっと積極的な控除の
考え方を適用していくべきじゃなだろうか、こういう面から私は
考えるのです。これは
所得の最低限を百万円にしよう、百二十万円にしようという議論はございますけれ
ども、その観点じゃなしに、私は、自主的に、文化的な日本人らしい生活をほんとうに保障することは憲法の明文に基づく
責任ですから、かかる観点からいまの控除問題を
一つ一つ実は洗ってみたいという気がするのです。時間もないからひとつ並べておきます。並べておきますから、適当にあさって答弁しておいてください。基本的方針としては、全面的に再検討するように税調のほうへぜひそういうふうに要望せられるように、要請されるようにお願いしておきたいと思うのです。主税局、だれか見えておるでしょう。どうぞやってください。