○村山(松)
政府委員 国立学校におきましては、従来から委託研究あるいは奨学寄付というような形で外部から資金を受け入れております。
これにつきまして、文部省としては、御指摘のように、それが無原則で教育、研究上支障があるものであってはならない、それからまた、会計経理上、私的経理がなされてはならないということについては、文部省でもかねて留意して大学側に指導、助言してまいったところであります。ところが、
昭和四十二年ころ、外部資金の受け入れの問題について種々批判がございまして、そこでさらに原則を
確認いたしまして、次官通達、あるいは会計
課長あるいは大学
局長通達をもちまして、各学校側に対しまして取り扱いの適正化をお願いしてございます。
考え方といたしましては、外部から資金を受け入れる場合には、それが当該学校の教育、研究に有意義なものでなければならない、それから逆に、教育、研究に支障があってはならないということでございます。支障があるということは、たとえば、その研究によって得られた利益を還元してしまうとか、あるいは、それによって購入した器物を寄付者側に返すとか、あるいは将来とも何か負担を伴うとか、こういう条件がついておるものは受け入れてはならない、それから、すべての資金を国の会計に入れて、同時に
支出を歳出予算に組みまして、これによって経理の適正化をはかるということでございます。それによりまして、実は
特別会計には
弾力条項というのがございます。外部からの資金の受け入れが当初の予算に見積もりましたものを上回りました場合には、
弾力条項によりまして歳出をふやしております。それが御指摘のあった点だと思います。これらの問題の適正化につきましては、今後ともさらに留意いたしたいと思います。
その点に関しまして、実はたいへん遺憾なことでありますけれ
ども、そのように注意をしておりますにもかかわらず、この経理の適正化の面につきましては、四十三年度の分につきまして、会計検査院から、なお国の会計を通さない、私的経理のあとを断っておらないという御指摘もございます。そこで、従来とも指導してまいっておったわけでございますけれ
ども、さらに実情をよく調べまして適正化をはかりたいと思います。
私的経理をなす
一つの原因としては、この外部からの資金が、年度末近くになってまいりますと当該年度で経理し切れない、それにふなれな
どもありまして、つい私的に経理するというような事情もございましたので、四十五年度予算におきましては、この受託研究につきましては明許繰り越しということにいたしまして、都合が悪いから私的経理にするというようなことを根絶させたいと思っております。
それからなお、本来の
趣旨でありますところの教育、研究に有意義なものでなければならぬという点につきましては、これは大学の研究者が外部資金を受け入れる場合には学長等の許可を受けることにしておりますけれ
ども、そういうことを通じまして適正化をいたしたいと思います。それからまた、外部資金が外国関係のものであります場合には、学長の許可の前に、文部
大臣の承認をも受けさせることにいたしております。
このような措置等と相まちまして、さらに外部資金の国立学校における受け入れ、
使用につきましては、御指摘の点も含めまして適正化をはかってまいりたいと思っております。