○
井野委員 この前手違いで、私がこまかく詰めたときに、
大臣も総裁もいらっしゃらなかったので非常に残念に思いますけれ
ども、企業の原則を貫かれるのだったら、何で国が負わなければならぬ社会政策まで国鉄が負っておるのですか。法律で定めて通勤通学で五割の運賃割引を採用させ、その上に物価その他にかんがみて、社会情勢から、公共負担を入れて二千億をこえる費用を負担しておるじゃないか。しかも首都周辺の国鉄あたりに至っては、その過剰人員は定員の二倍、三倍という数を運びながら七十数%の割引をしておるために、運べば運ぶだけ赤字になる線がテレビに出ておるじゃありませんか。
大臣、私は何でもかんでもやれということを言っておるわけじゃない。こういうように、一番もうかっておる新日鉄の貨物や通勤者まで七二%も運賃をまけてやって、そうして国鉄は赤字だ、人が多いと責めておる。片方では過疎になった
地域においては
国民の足を奪って、企業の性格からこれを別なところで考えるべきだという議論は、一貫してないのです。私は、橋本
大臣のときならこれがやれるということに期待して、任期が延長されたことを歓迎しておると言ったのはここなんです。実際そうなんです。私は、こういう
意味から言えば、いま何も国鉄は辞を低くして言わなければならぬものじゃなくて、言うべきものは言い、負うべきものは負い、改めるべきものは改めなければいかぬ、こういうことでございますが、あまり時間がございませんから、この点、きょう私が言ったことをもう一回
速記録でよく調べていただいて、
大臣、確たる姿勢で事に臨んでもらいたいということを言いたい。
そこで、その次に私がお尋ねしたいのは、総裁もいろいろ心配しておられて、営利事業ではないにしても、国鉄の採算に
関連して、利益を得るような仕事をやりたいとおっしゃっておられたと思うが、大体私は五つほどあると思う。
一つは
旅客複合ターミナルの建設、運営に関する事業、それから貨物複合ターミナルの建設、運営事業、それから委託業務としては、この間
問題にしました高架下管
理事業の
問題と駅関係の業務の委託の
問題も、これは当然国鉄が出資をしてやるべきだ、こう思っております。それからパイプラインの話はさっきも出ておりましたが、これも重要な仕事だろうし、あるいはまた
港湾施設の運営、管理及び海上
運送事業、こういうようなものでありますが、少しでももうかりそうになるとすぐ横やりが入って、たいへん苦労されている例も私は
承知しております。こういうときに、大もの
大臣でなければだめなんだ。そして、かりに総裁と
大臣が意思がつながっていないようなことではだめで、なかなか強力な圧力があることを
承知しております。
いままで、私も旅行中に自民党の同僚の皆さんともお話をしましたら、国鉄法を
改正しないとやれないというようなお話がありましたので、私も日が新しいので国鉄法をよく読んでみました。そんなことございません。施行令さえ改めて、
大臣がその気になればできるようになっておる。法律
改正なんて、国会ですったもんだしてなかなか通りゃせぬです。私は、ほんとうに国会に対しても
大臣が責任を負われるのだったら、施行令を
改正してこれらの事業に着手することができると思います。本気になってやるかやらぬかの
問題だと思います。
そこで私ひとつ、まことにサル芝居のようなことで、まことしやかにここで皆さん方が
答弁された事例をお話をして御反省を願いたいと思いますが、国鉄の財産の運用について、いろいろ決算
委員会や本
委員会あるいは本
会議等で
問題になりまして、三十九年の四月ですか、
行政管理庁長官から当時の運輸
大臣に対して勧告書を出された。その中の第三項に、実は「高架下管理方式の改善について」という勧告書が出ている。これによりますと、いろいろ
問題があるから、すっきりした間接管理の方式をとってやりなさい、こうなっている。そして運輸
大臣のほうから、御趣旨に沿ってやりますと答えられている。
そこで、この高架下敷地の利用について私は過般の
委員会でお尋ねをしました。間接管理といって実は間接管理じゃない。賃貸しして貸し切りなんです。出資をしていない。出資をしてやるとなりますと、これは当然国会の
調査権が及んでいきます。賃貸しにしておくと、資料はもらえても大事な資料はもらえないわけです。私ここで非常にあきれ返ったのは、こういう文書を最近見ましたら、役員構成の中に、行管にいてこういう事務を扱った人がそこの重役になっていっている。行管の立場をもって
運輸省をおどかしつけて会社をつくらして、間接管理なんてうまいことをいって賃貸しにしてしまって、古手役人がそこに入りこんで、国鉄に入ったのは一年間に二千九百万で、四年の間に八億の資産蓄積をやっている。こういう国会を愚弄し
国民を愚弄するようなことでは、私は国鉄の赤字
問題の本質的な解決はできないと思います。これは時間がありませんから読み上げませんけれ
ども、こういうこと等を考えてみますときに、私はこの前の
委員会でも言いましたが、あの再建計画を読むと、赤字路線を廃止して不採算のところにおける職員の首を切って、それによって人件費を節約することによって国鉄再建はできるんだという印象を与える計画になっております。これはまさに国鉄の使命を忘れた計画案なんであって、
大臣が言われるように、本質的に出発点を誤っている。
そこで、いま私がお尋ねした点は、実はこういうような
問題について根本的な立場から、運輸
大臣としてというよりもむしろ閣僚の一員として、
佐藤内閣が解決をしなければならない重要課題として
新聞社も取り上げておるようであります。そうだと思います。そういう立場から、行きがかりにとらわれないで、国鉄の今日まで果たしてきた歴史的使命とこれからの任務について問い直すという姿勢でやらなければいかぬ、こう思うのですが、
大臣、予算折衝までにはきちっとした縦横の関係ができないかもしれませんけれ
ども、基本構想においては、
大臣がいままで言われてきたのはそういうことではないのかと思いますが、ひとつお答えを願いたいと思います。