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井野委員 たいへん前進した御
答弁で安心をいたしましたが、この際、もう一言厚生省に要望しておきます。
一つのことをよくするために論議したことが、また法網をくぐる知恵を医者に与えたきらいもないではございません。実は過般、札幌では、内科医が一年間に一
経営体で見つかったものだけでも二百数十万円、これは全く架空の診療書です。これは
北海道庁が摘発したんです。二百数十万円にわたって、診療の実態もないのに、患者を偽造して請求をした、こういうのがありまして、世上をにぎわしております。厚生省がこの医療
行政に対して、医者を信用しっぱなしという形は非常に問題がある。このあたりは深く警鐘を鳴らすべき問題だと思いますので、この
機会につけ加えて、必ずしも外科医だけではないということを言っておきたいのであります。
その次に、これは一地方に限局された問題でたいへん恐縮でありますが、
国鉄にお尋ねしたいと思いますのは、実はこういう進め方をされると、ひとりその地方のみならず、各地方に起こる問題ではないかと思いますが、最近の都市形態の変貌というものは、港湾の築造あるいは都市改造等に基づいて、
国鉄が非常に社会的に有用なものでありながら、ときには現行
施設が障害になって、都市
計画の遂行に伴って
国鉄もまた協力をしてもらわぬならぬ場合が多いと思います。そこで、前
国会でお尋ねをしました陣屋駅廃止の問題でございますが、これはあの後に室蘭市議会は満場一致で反対を議決いたしております。また現地の様子を見ますと、陣屋駅廃止の問題の端を発したのは、室蘭市港湾管理者の側から出た問題であり、引き込み線の要請に基づいて、構造上駅舎をあの位置に置くことが不可能であるという問題は、しろうと目にもよくわかります。ただ、ここで
一つ配慮の欠けておったと思われる点は、港湾荷役その他の問題は、居住民にとっては、その港湾の発達、その市の発達が、非常に迷惑をこうむる結果ができてしまっておる。いわゆる犠牲だけをしいられて、利益はちっともないという結果が生じたところに、地元住民の強い反対が起こってきたし、市も十一月に
国鉄当局の回答を得ていながら、四月まで議会に何らこれを知らさなかったというところに、
一つには議会軽視という責任上の問題も生じておるようであります。しかし、それは経過の問題であって、いまこれからの問題このあやまちを直すことができないという性格のものではございませんが、私はこの際
国鉄に強く要望したいと思いますのは、あの駅舎に入る手前のところのトンネルのところまでは
複線化をし、スピードアップの態勢に
鉄道はすでに線路改良を行なっておるわけであります。これから東室蘭駅との間は、在来の線ではスピードアップすることもできませんし、おそらく路線位置を変更して墜道その他によって新たな
工事を施工されるべき
計画中のものであろうと、こう
考えるのであります。ところが、この
工事計画その他は、市や地域住民には示されておらないところに
一つのまた不安を持っております。また地勢の
関係からいって、従来のように沢地を埋め立てをして背面と国道と港湾と切断をするような形は、高架橋をつくることになりますと、距離の
関係上勾配がとれませんから、どうしても高架線にして下をくぐらせるという構造になるということは、しろうと目に見ても明らかであります。そうなってまいりますと、単に引き込み線の問題だけではなしに、線路変更の問題そして都市
計画との結合の問題、地域住民の利益の問題、こういう点等を
考えてみますと、当然これは室蘭市の都市
計画委員会あるいは市議会の
審議を経て、地元住民との懇談等を重ねて、三者一体の利益、さらに文化的な都市
計画ができるという希望に立ってあの
工事は進められるべきだと思うのであります。それを、きわめて安易に引き込み線だけを引いて駅廃止と、こうやったところに非常に官僚的上そういう配慮がなかったということをそうきめつけていいかどうかわかりませんが、少なくとも目先だけの、きわめてびほう的な解決策に堕したのではないか、こう
考えられるわけであります。したがって、私は、もう一発ずばりでお答えを願いたいと思いますことは、札鉄は地元住民に対しては、七月二十日にこれを廃止するということを強硬に述べております。しかし、懇談会等の各担当者の発言を聞いてみますと、ある者はバス等の差額を
国鉄が負担することによってできるとか、ある者は橋上駅をつくることによって市の協力を得られれば可能であるとか、ある者は線路変更予定になっておるからそれもいまは試算ができないというような、まちまちの
答弁をしたために、また住民に非常な不信感、不安感を与えておるようであります。この点について、この際、地方局にまかした問題だとおっしゃらないで、私の
考えるように、いずれ早晩あの路線は変えなければならない問題でありますし、埋め立て路線ではなしに高架路線に変えて都市
計画との結合をはかる、引き込み線にしても、また
工事をやり直さなければならないというようなやり方にすべきではないと思いますので、この点、若干引き込み線等の問題がおくれたとしても、
長期に展望するならば、私は、
国鉄の利益は、拙速を求めるよりは、十分に協議をして完結すべきだ、こういうふうに
考えますが、この点、
見解を承りたいと思います。