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細田議員 きわめて重大な問題でございます。実は
鉄道は、一時ヨーロッパにおきましてあるいはアメリカにおきまして斜陽を伝えられておりました。現在でもヨーロッパの
鉄道ははずしておるというようなことがございます。こういうときに、
鉄道に今後これだけの投資をすることはどうか、
新幹線をどんどん拡充していくことはどうか、これは非常に慎重にわれわれは
考えていかなければならぬ問題だろうと思います。そこで、日本の場合、先ほどお話も出ておりましたが、物資輸送については、沿岸航路がもっと徹底的に使われるべきではないか。最近は特にカーフェリーの問題が非常な大きな変革を来たしておることは、
和田先生も専門家で御
承知のとおりであります。非常な変わり方をしておる。陸上におきましてそれでは何があるか。航空の発達はもとよりこれは当然でございますが、これにつきましては、やはり大量という点についてある限界がある。いまよりはもちろんものすごい勢いでふえると思いますが、それにしても大量という点からは限界がございます。そこで問題は、自動車、これが走る道路、これとの関連においてどうであるかということに一応しぼって、
鉄道というものをどう
考えていくべきか、かように私どもは一応
考えたわけでございます。
そこで、自動車の問題でございますが、今後の輸送数量をあるいは六年後、あるいは十五年後、そういうものを想定してまいりますと、計算上、日本の
経済成長その他から
考えまして、あるいは鉱工業生産その他いろいろな点から
考えますと、たいへんな輸送量の伸びが必要になってくるかと思います。実際はそれがなければ、鉱工業生産の伸びがないということになりますと、これだけの成長ができない。必要な輸送量全体としての伸びがある。もちろん、先ほど申し上げたように船の問題がありますが、陸上について自動車で担当する部門がいまの状態で伸びていったらどうなるかというときに、私
たちが一番ここで問題にしなければならないのは、労働力、人間の問題だと思います。日本の場合、申し上げるまでもございませんけれども、自動車が長距離を車両列をなして走るということはむずかしい。したがって、自動車の大型化あるいは若干のトレーラーの問題もございましょうが、自動車運転者一人当たりの総輸送量は小さく、人間の面で自動車輸送というものにはかなりの限界があると
考えなければならない。こういう点から
考えまして、特に日本の場合、人口あるいは産業の配列ということを
考えて、
鉄道というものについてかなりウエートをかけていかないと、人間の面からも
考えられないのではないか、こういうことが
考えられます。そこで、そういう点をいろいろ勘案いたしますならば、つまり、世界的云々というよりも、日本の場合はかなりの
程度鉄道に対する投資に重点がかかる。ほかの
地域から見ると、あるいはヨーロッパ等から比べると、あるいは少しかかり過ぎるのではないかと思われる場合も必要ではないかというふうに私ども
考えております。しかし、これは先のことでございますし、いろいろな角度から十分慎重に検討を要する、かように思います。したがいまして、たとえばいまの九千キロの
新幹線鉄道につきましても、別表を除きましたのも、いまおっしゃったような
趣旨のことも大いに
考えて、最初はいろいろなことをしていましたが、さらにいろいろな点から十分検討すべきじゃないか、その際法定したからつくらなければならないんじゃないかということになることは、これはいかがかと
考えて、そういうことにしたという事情がございます。まあ御答弁にならぬかもしれませんが、そういう点で、私ども、ほかの国よりは
鉄道のウエートというものはかなり高くて、投資のシェアも多くていいのではないか、こういう見方をいたしております。いいかどうか、正しいかどうかという点については、必ずしも自信があるわけではありませんが、そういう見方から
考えておる。片や、全体の表をいま御
提出することについてどうかというような点も、大いに反省をしながらやっておるというふうに御了解をいただきたいと思います。