○井野委員 割り当て時間が半分になってしまいましたので、私もかけ足でやりますから、要点だけ答えてください。
まず第一に、実は国鉄の再建案あるいは先ほどの総裁のいろいろなお話を聞いて、私非常に不満があるのです。世論にたたかれて、赤字だ、赤字だとすっかり縮み込んでしまって、本来国鉄が負うべき責任でないものまで背負い込んだ要因が、赤字の中で十分ある。しかも、私
どももあの運賃値上げには反対をしましたけれ
ども、それは国鉄運賃が高いから値上げに反対だというのではないのです。これは、公共料金その他のインフレ抑止政策として
政府は責任をもってやれという裏には、国家の責任でもって見なければならない国鉄の経費、そういうものに対して、もっと前向きの姿勢でいかなければならぬじゃないか、こういう気持ちが私
どもの中にあるわけです。ところが、今度の再建案の中で、国鉄というものは要員を減らすために労働組合にけんかを売っているような表現がある。本来であれば……(「担当が違う」と呼ぶ者あり)いや、総裁がいないから、かぜを引いて休むというから、かわりにわかるものが来たということになっておる。
そこで、非常に問題なのは、やはりああいう合理化をやるというときに、合理化即首切りだというような印象を与えることは、国民に対して不誠実なやり方だ、こういうことを言いたいと思うのです。
私、これは前の話で、きょうは
資料提出を願いたいと思うのです。どういうことかといいますと、最近あまりにも私の友人の国鉄の人が死ぬのです、五十四か五十五、六ぐらいで。そしてまた恩給を一年か二年もらったら死ぬ。国鉄OB会というものがあって、招待されたので行ってみた。六十四、五だというのに、全くお年寄りだ。これは一体何を
意味するかというと
——私はどういうことを調べてほしいかというと、退職者の実態調査ができておるだろうと思います。これは膨大ないろいろな参考になる
資料になると思いますので、ぜひ、一つには定年退職後の経緯ですね、転帰、これが一つ。何歳で何人死んで、何歳で何人死んで、いま一番年寄りで支給を受けたのは何歳であるか、これは年齢別に出ますね、共済年金がありますから。これが一つ。もう一つは、就職中における死亡、病気ですね、この統計をひとつお出しをいただきたいと思う。
私はこういうことを言いますのは、昨年私は五千戸ほどのこういう労働者のうちを歩いてみましたけれ
ども、(「事前運動だ」と呼ぶ者あり)国鉄の職員の住宅ほどみじめなものはない。
ほんとうですよ。これは事前運動だろうとかなんとかいうが、民情調査をするのはわれわれの仕事ですから、熱心に果敢にやった。ところが、全逓にしても、電通にしても、あるいは農林省にしても、最近住宅の改革で、すばらしいものができていますよ。ところが、国鉄のはすぐわかる。ああ、このきたないところにいるのは国鉄だな、こうなんです。このことについて、一体国鉄は合理化を急ぐあまりに、明治以来国鉄に奉仕してきた職員にどのようなあたたかい感じを持って迎えようとしておるか、この点を私はお聞きしたいのです。これは私、総理の施政方針を読み上げるのをやめます、時間がなくなりましたから。いま言った点、これは
資料ですから、お返事は要りません。
その次、これは先ほど同僚の斉藤委員もお触れになりましたが、今度私は国
会議員になってみて非常にびっくりしたことがあるのです。それは
建設公団ですね、それから国鉄、
運輸省、大蔵省。いま現に
建設公団で
建設中の鉄道で、一線が全部できなければ使わせないというような性格のものではないであろうと思う。これはどんな形になろうと、たとえば公団のものを国鉄のほうへ移せば、その金利はかからぬようになるとかなんとか、いろいろなことがあるようです。公団が渡さないうちは公団が金利を払っておらなければならぬという問題があるようです。それは公団、国鉄、
運輸省、大蔵省の問題であって、最終的に完成のできるものを完成させないで国民の用に供さなければ、これは死に金であり、利息だけはかかっていっているわけですから、投資が有効に働かないわけなんです。ところが、公団では、もうすでにでき上がって、ある一定期間交通の事情等から見て供用を開始すべきものが、あとわずかの
工事を残して、言いかえれば、路線もできたが、あとちょっとの小さな鉄橋とか、そういうものを残して完成をしない。ことしは
予算の都合で金を向こうに回したからできません、こういうやり方をしている。これは国の金を使って国民に奉仕する
政府の姿勢から、全体として重大な責任だと思うのですが、その一例として、私
どものほうで、地元の陳情をするわけではございませんが、追分と千歳間、これが残っております。これはもうできそうになってから、私の落選しておる三年間、できそうでできない。これはまことにうまくないと思います。こういう点等について、例をあげればまだたくさんございます。これはあくまでも投下した資本の効果をはかるのが私は正しいと思います。こういう点は大臣にお聞きしたいところですが、次官、ひとつ、選挙関係だとかそういうものに関係なしに、
予算の効率を高めるという
意味でお返事をいただきたいと思います。