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政府委員(谷村裕君) お答え申し上げます。
先月の十五日に公取
委員長を拝命いたしまして、ごあいさつにそれぞれの向きに参りますべき
ところ、いろいろ行き違いましてまだごあいさつも十分できかねておるような
状況でございましたが、かような機会に
商工委員会の各位に対しましてごあいさつと申し上げますか、そういうことを申し上げられる機会が与えられましたことをたいへんありがたく存じます。
ところで、まずただいまの御
質問でありますが、私はこの
委員長の職務を受けましたときの
決意といたしまして、やはり独占禁止政策と申しますか、前
委員長の
ことばを借りれば、競争維持政策と申しますか、かような経済の中での
一つの統制的な政策ではなくて、公正な
立場の上に立ってみんなが一生懸命競争をやって、その結果、経済としての進歩
発展があり、繁栄があるというそういう経済運営の基本的な
考え方というものは、非常に
わが国の経済にとって大事なものであると、さように
考えたわけであります。そういう
意味でいろいろな面で私はこれが
日本の経済政策の
一つの基幹をなすものであるという
考え方を持ち、そういう
立場において今後の私
どもがおあずかりしております政策なり、あるいはまたその政策の執行なりについての責任を果たしてまいるということに私は全力をあげるというつもりでおります。もとより御指摘のとおり、
日本の経済政策のいろいろな面というものは、独占禁止とか価格競争維持とかという面だけではございません、いろいろな面がございます。そういう面との調和と申しますか、あるいは協調をはかってまいりますということはございます。これは行政として当然のことであると思いますし、また政策として当然のことであると思いますが、基本的な
考え方の上においてこれが重要な問題であるということを私は認識をし、また各方面の御支援を得まして、ひとつしっかりとやってまいりたい、こういう気持ちでございます。これが第一点でございます。
それから第二点でございますが、これは
公正取引委員会は御
承知のように経済政策の一環をになう行政官庁ではございますけれ
ども、通常の行政官庁と違いまして行政
委員会組織をとっております。また、その処分と申しますか、政策執行の手続におきましても、御
承知のように通常の行政官庁がやるのとは違った形、俗に準司法的手続と申しておりますが、をやっております。さような結果、通例の非常に簡単な事案でありますと、それだけ内部的には準司法的な手続を場合によってとったような際でありましても、あまりその点についていわばやりとりというようなものが表面に出ないわけでございますが、先般のような非常に大きな問題になりますと、各方面から注目もされます。また御意見もいろいろ出てまいります。そうしてそういうものをやってまいります際に、いわゆる準司法的手続によって、一方ではこういうふうに言う、他方ではそれに対してこういうふうに答える、しかもそれを非常にオープンにしてやってまいります結果、しかも
新聞紙上等にはそれを、何と申しますか、対立点を非常に大きく強調して書きますというふうなこともあって、いろいろと意見の対立のある姿が、まざまざとどうも浮かび出されるようなことになると存じます。もとより大事な問題でありますから、
一つの答えが出るまでにはいろいろな
考え方があることは御指摘のとおり当然だと思いますけれ
ども、これがそういう特別の行政組織また行政手続を持っておりますだけに、非常に大きくクローズアップされたとふうに思います。したがって、ただいま御指摘のように内部的に非常な対立とかあるいは意見の食い違いというふうなものがあったということ、そうしてまたそれがいろいろとがたがたしておるというふうに表に伝えられておる面があるかと存じますが、通例の行政官庁でも、
一つの答えを出すときにはいろいろな角度から検討しているのが当然でありまして、それが公取の場合には大きくクローズアップされておったということが非常にいま御指摘のような印象を与えておるかと思います。また、外部からの
圧力云々というふうなお
ことばでございましたが、積極、消極いずれの面からもいろいろな御意見、お
考え方、そういったものが公取に対して出ておったということはあるかと思います。これは
圧力と申しますよりは、むしろいい
意味での御意見であるというふうにおそらく受け取ったのであろうかと思いますが、
公正取引委員会としては、当然のことではございますけれ
ども、独立の
立場に立って、十分
考えていろいろ結論をお出しいただいたのだと私は思っております。
さようなことで、今後とも第一の独禁政策の運営のいわば基本的な
考え方も、またそれを運営してまいります上でのいろいろな手続等の問題につきましても、私は各方面からの御理解と御支援を得まして、また御叱正、御教示もいただきまして、しっかりやってまいる、そういうつもりでおります。
どうも失礼いたしました。