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亀田得治君 私がなぜそういうことを申し上げるかといいますと、従来公権力を持った方々がいろいろな不当な
人権侵害になるようなことをやりましても、なかなかそのとおりのことが
報告書となって出てこないわけですね。したがって、私は、どんな
報告書が一体来ておるのか。
皆さんがここで答弁されるのは、そういうものをもとにしてやられるわけですからね。だから、事実がもし明確になれば、そういう
うその
報告書を上へ出したということで、これは行政上大きな
責任があると思うのです、ぼくは。事実がはっきりした場合に、なかなかそういう点が、
皆さんの内輪のものなものですから、従来はあまり厳密にそういうことが追及されませんが、私は、本件では、
先ほどお答えになったようなそういういいかげんな地元からの
報告に基づく
お答え、こういうことでは絶対了承できないのです。私いまから事実を申し上げますから。当日は、
先ほど長瀬理事からの
お答えの中にありましたように、
列車のステッカーをはがす、それを
公安の
諸君が写す、こういうふうなことがありまして、
弁護団としては、
稲村弁護士としては、そういうことは
組合活動に対する
介入だ、やめてくれという意味のことを申したわけですね。
稲村弁護士の
立場は、当日は
国労弁護団ということをちゃんと
たすきに書いて、一見わかるようにしておるわけです。間違うわけがない。
労働組合から依頼を受けて、そうして重要な翌日の闘争を迎えて不当な弾圧なり
介入があってはいかぬということで、
弁護活動として来ておる人だということは、これはもうはっきりわかる状態です。だから、そういう方ですから、
改札を入るときにも
切符なしでちゃんと入れてくれているわけなんです、目的がはっきりしておるのですから。
切符があるとかないとか、さっきも
説明がありましたが、これはスムースに入っておるわけなんです。何もまぎれ込んで入っているわけじゃない、堂々とちゃんと入っている。これは従来の慣例でもあるわけなんです。そういう
立場で、さっき申し上げたような注意をしたわけですね。そうしたら、
小川副
室長なる者が、
稲村弁護士に、一
切符を持っておるか」、こういうことを言ってきたようです。
稲村弁護士はそれに対して、「そんなことは一々答える必要はない、
自分は
組合の委任を受けてここへ来ておる
弁護士なんだ」と言いますと、とたんに
小川副
室長が、「
鉄道営業法十八条で
逮捕する」、こう言ったのですよ。さっき
長瀬さんは
鉄道営業法だけをおっしゃったのです。そうじゃない、「
鉄道営業法十八条で
逮捕する」、こう言いまして、近所にいた
公安職員七、八名に
命令をしまして、そうして
稲村弁護士をつかまえたわけなんです。
稲村弁護士の両わきをかかえる、
うしろから押える、こういう
かっこうで
ホームから
階段のほうに引きずり上げるようにして連れていったわけなんです。おおよそ、そんな
任意同行というような
かっこうじゃ絶対ないわけなんです。そうしておるうちに、さっきも
お答えの中にあったように、
労働組合員の一人が
逮捕されて
公安室のほうに連行されたということの情報が入ったもんですから、さらにそちらのほうに
稲村弁護士が行こうとしたわけですね。その前に
ホームで若干
トラブルがあったんですか、一
たん公安の
諸君から
稲村弁護士がのがれたようですね、何かざわざわしている間に。のがれたんですが、
組合員の一人が
公安室に連れていかれたということを聞いたので、今度はその人の
弁護活動をしなければならぬということで、
小林弁護士と
一緒に
公安室のほうへ行こうとして
改札口を出たんです。
公安室は
ホームの外になっているようですね。そうしたところが、
稲村弁護士の
うしろから、「逃げるぞ逃げるぞ、ぱくれ」という声がかかって、二名一組、三組の
公安職員というんですから、合計六名ですね、六名の人が
稲村弁護士をつかまえて、そうして口々に「
逮捕だ
逮捕だ」と言って連れていこうとしたわけですね。もちろん、
弁護士ですから、「何をするんだ、
自分は
弁護士だ、放せ」という抗議をしたが、さらに
公安職員がふえてきて、そうして「そんなことは
裁判になってから言ったらいい」というふうなことまで怒号して、両わきの
うしろをがっちり押えて、そうして
公安室まで
無理やりに連れていった、こういう
事件なんですよ。
稲村弁護士は連れていかれるときに、持ち上げられてさ
かさにつるし上げられたような
かっこうにまでなっているんです、ある場所では。そうして
国労弁護団の
たすきが引きちぎられているんです。それから、着ておりましたせびろの
右そでですね、これが引き裂かれているんです。一体こんなことがどうして
任意同行の場合にあり得るんですか。しかも、口では「
逮捕だ
逮捕だ」と何べんも言っておるんですよ。
任意同行でそういうふうなことになりますか。また、
報告書には
稲村弁護士のそういう
服装がどういうふうになったとかといったようなことは書かれておるんですか、どうなんですか。