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1969-07-01 第61回国会 参議院 農林水産委員会 第27号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十四年七月一日(火曜日)    午前十一時十分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         任田 新治君     理 事                 高橋雄之助君                 宮崎 正雄君                 達田 龍彦君                 矢山 有作君                 藤原 房雄君     委 員                 亀井 善彰君                久次米建太郎君                 小枝 一雄君                 櫻井 志郎君                 園田 清充君                 田口長治郎君                 温水 三郎君                 森 八三一君                 和田 鶴一君                 杉原 一雄君                 武内 五郎君                 鶴園 哲夫君                 中村 波男君                 沢田  実君                 河田 賢治君    国務大臣        農 林 大 臣  長谷川四郎君    政府委員        農林大臣官房長  大和田啓気君        農林省農政局長  池田 俊也君        農林省農地局長  中野 和仁君    事務局側        常任委員会専門        員        宮出 秀雄君    説明員        農林省農政局農        業協同組合課長  小野 重和君        食糧庁総務部長  松元 威雄君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○農業協同組合法の一部を改正する法律案(第五  十八回国会内閣提出、第六十一回国会衆議院送  付)     —————————————
  2. 任田新治

    委員長任田新治君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  農業協同組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。これより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。亀井君。
  3. 亀井善彰

    亀井善彰君 直接、農業協同組合の問題に関係があるかどうか、あるいは少しそれる問題かと思いますが、しかし関連のある問題でありますから、実はきょうは食糧庁長官出席をいただいていろいろお伺いしたいと思ったのでありますが、農政局長が見えておりますから、あとの問題は後にいたしまして、とりあえず農政局長にひとつ伺いたいと思います。  その一つは、実は本年の春行なわれました米の集荷登録の問題でございますが、その問題に対してのトラブルで、全国集荷協同組合連合会から農林大臣行政管理庁長官並びに公正取引委員会委員長、この三者にあてて「米穀の生産者集荷登録紛争事例に関する要望について」と、こういうふうな問題が六月の十八日付で進達がしてあるわけであります。問題の内容は、新潟県と秋田県でありますけれども、露骨に申しますというと、集荷登録のいわば争奪戦、こうういう関係からいたしまして、農協の側に登録をしない農家に対しては、いわば村八分のような行ないをする、こういうふうな形が実はあったわけであります。  で、一つ秋田県の例、これは時間の関係もございますから、詳細は申しませんが、琴丘町農業協同組合組合長斎藤勇一という人から、未登録者に対するお願い、こういうふうなやわらかい文書ではございますけれども内容相当強い内容で、そして農協登録をしない者は除名をするというような内容なのであります。もともとこの集荷登録はもちろん農協が大部分を占めておられることは御承知のとおりであります。九四%を農協が占めておられる、わずかに六%弱が全国集荷協同組合だ、これはもちろんそうあるべきだと思うんです。しかし、生産をする農家に、農協登録をしてもよろしいし、業者登録をしてもよろしい、こういう二元集荷の道が開かれている以上、そこまで農協生産農家に圧力的なことを加えて、そしてこの内容を読みますとたいへんでありますから読みませんけれども、非常に強い文書で村八分的なことをするような形がとられておるわけであります。そこで、その中央団体である、いま申しました集荷業者連合会、その連合会としては、末端の集荷業者からしてそういうふうな申し出がある関係からして、見過ごすわけにはいかぬ、こういうことで、いまのような関係方面にそれぞれ要請をいたしておるわけでありますけれども、それに対しましては、農政局当局としても関係地方農政局のほうに通知を出されて御指導は願っておるようでありますけれども、そういう理由で一部は除名をする、そういうことが農協の側から考え除名をする理由になるかどうか。そうでなくても相当扱い方に不平等がある、こういう点、そういう除名をするということに該当するかどうか、まず最初に承りたいと思うのであります。
  4. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) いまお話がありましたように、ことしの春の米の集荷登録がえの際にそういったような数件の事例が発生したわけでございます。いまお話がございました秋田県の例は、総会で除名処分をしたわけでございますが、私ども理解では、単に農協登録をしないで他の業者登録をしたということを理由にして除名をするということは、これは法律上適法ではございません。農協法のたてまえからいきますと、長期にわたって組合事業を利用しないという場合には除名理由になり得るわけでございますが、これは単に米の登録だけの問題でございますし、またいまの農協法の規定に合致するような事例ではございませんので、私どもはこれは適当な除名処分ではないというふうに考えているわけでございます。  その他、新潟県等でも、除名処分には至りませんが、今後営農指導をしないとか、組合員組合事業を利用させないといったような通告をした事例がございますので、これらはいずれも非常に不適当な処分である。  元来、組合員組合事業を利用するのは組合員の基本的な権利でございますから、それをそこなうということは、法律のたてまえから許されないわけでございます。そういうことでございますので、私どもは、その事件がありました直後、県に対しまして、そういうような措置は取り消しなりあるいは実施をしないように指導をするように指導したわけでございますが、県のほうも当然そういう指導をその後にいたしているわけでございます。  なお、さらに他にもそういう事例があるということも考えられますので、私どもは、ただいまお話がございましたように、六月の十八日でございますが、通達地方農政局長にいたしまして、そういう事態が生じないように、また生じているような場合にはそれを是正するようなしかるべき指導をせよという通達出したわけでございます。  その後の経過を私ども把握している限り申し上げますと、新潟県の事例等では、そういう今後組合事業を利用させないという通告をしたようでありますが、これは県が指導いたしまして、そういうことは組合としては実施に至らない、こういうふうになっているように私どもは県から報告を受けております。  それからまた秋田県の事例でございますが、これはごく最近の話でございますが、県が指導いたしまして、そういうような、一応除名処分にいたしました組合員も当然組合に復帰するような線で関係者指導をしているというふうに承知をいたしております。
  5. 亀井善彰

    亀井善彰君 そういう御指導が功を奏して効果があがればたいへんけっこうでありますけれども、私この際承っておきたいことは、集荷農協登録しても、それから業者登録しても、農協自体勧告状内容にありますように、営農指導はいたしません、あるいは組合員としてのすべて指導、恩典には浴させない、こういうふうなことを考えますというと、農民は、生産農家農協登録しても業者登録しても農協組合員であることには間違いない、したがって、農協が他の事業に対しての利用をその生産農家にさせるということが当然であって、させないということは違法である、こういうふうに理解をして間違いございませんか。
  6. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) おっしゃるとおり御理解いただいてけっこうだと思います。  なお、私ちょっとつけ加えておきたいと思いますが、こういう事例が発生いたしました一つのよって来るゆえんと申しますか、そういうもので若干組合当事者考え方に何かちょっと誤解があるのではなかろうか。要するに、組合事業組合員が利用するというのはこれは当然であるという考えが一方であるわけでございますが、それは組合員がその農協事業を利用することによって組合員としての利益を受けるという前提があるわけでございます。利益を受けるからこそ組合員農協事業を、組合員組合事業を利用する、こういうことでございますから、もちろん組合員組合事業を利用するということは望ましいことでございますけれども、そのようにするためにはやはり組合として相当努力が要るというふうに私ども考えているわけでございます。で、単にそういう点に対する考慮を十分しないで、組合員組合事業を利用しないのはいけないのだというふうに、結果だけを判定するというのは非常に適当でないというふうに私ども考える次第でございます。
  7. 亀井善彰

    亀井善彰君 まあ当局からそのような指導通牒が出されて、そうしてそれによってある程度の効果があがっている、こういうことでありますれば、私はあえてここでどういうふうな内容勧告状をお出しになったかといったようなことについては申し上げません。申し上げる必要はないと思います。同時に、私はやはり農協が、農協組合員農協登録をしろと、これはやはりおっしゃることはわかる、当然だと思います。ただしかし、それによって縛りつけておくということであっては農協のある理由が何も存在しないという点でやはりそれとこれとは別であるという形でいま局長の御答弁のようにひとつ今後御指導を願いたいと思います。  それから過去のことを二、三言うのでありますが、たとえば生産者米価決定の際にあるいは五十億円の金が支出されたこともあります。またその次には百二十億円の倉庫建設資金が出されたこともあります。しかしその際に、原則市町村長、こういうことでありますけれども、その市町村長農協委託をすると、これも私はよくわかる。わかるのですけれども、その委託をされた場合に、その五十億円に対する恩恵というものが全集連傘下登録生産農家には非常に薄い扱いがされている、ないしは全然それが恩恵に浴しておらない、こういうふうな事例を私どもよく聞くのでありますが、そういう点等につきましても、ことしも二百二十五億円出ておりますけれども、そういう点、先般の委員会でも念を押しておいて伺ったのでありますけれども市町村長を通す、こういうことでありますので、そこらには抜かりないと思いますけれども、そういう点に、農協登録したものと農協登録をしないものと段差のないようなひとつ御指導をさらに私はこの機会にお願いをしておきたいと思います。  たとえばいま申しました百二十億円の倉庫建設資金、こういう問題については、原則としては農協がおやりになることは当然だと思います。だがしかし、相当一町村で大きな登録をしている業者があるわけであります。たとえば熊本等におきましても一登録業者が一万五千俵の集荷をしている、あるいは一万二千の集荷をしている、こういうふうな点、まあ問題がある。これらのたとえば登録集荷業者倉庫建設をするような場合には、せっかく政府がお出しになったそういうふうな資金というものは利用できるような道を農協と同様におつけになるべきではないか。それが、農協でなければいかぬ。——気持ちはよくわかるのです、私にも。みずからが農協関係に職を置いたこともありますので、よくわかるのでありますけれども、しかしこの生産農家に私は差別をされるべきではないと、業者であるからいかぬ、農協でなければいけない。こういうことであっては、私は生産意欲にも関係するし、そうしてまた集荷業者にも相当農協との扱いの中にハンディがある。やはり農家を育成する、農家のためを思うという政策をおとりになるとするならば、そこらの点については私は御考慮をされて、そして平等な恩恵に浴するような道をつけらるべきではないか。どうもそこらの点に非常に不満がある、またそれをしいてそういうふうな格差をつけておられるということが当局指導の方針かどうか。これはまあそうじゃないと思いますけれどもそこらの点について、将来の問題もありますので、同じような扱いができるように私はしていただきたいと、またすべきではなかろうか、こう思うのでありますが、その辺の局長のお考え、どんなものですか。
  8. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 考え方の筋といたしましては御趣旨のようなことが一番好ましいし、またそういうふうに極力私どもとしても努力をすべきであるというふうに考えているわけでございます。まあ、ただたとえば事業の種類によりまして、公庫資金を流すというような形になりますと、これは農協以外に流すということは非常にむずかしいというような場合もあるわけでございます。倉庫事例等をおあげになったわけでございますが、そういうようなこともそれぞれの事業の性格によって、どうもいろいろな資金の流れとしてほかには出すのが非常に困難であるというようなこともございますので、ある場合には全部同じような形でいかないと、農協を中心にそういう事業は行なわれるようなこともあり得るかと思うわけでございますが、しかしながら、たとえば米の集荷というようなことに関連をいたしましてまあ国が何がしかの支出をするというような場合には、特定農協登録したものが非常に有利である、その他のものは非常に不利であるというようなことは、これは非常に適切なことではございませんので、前回の御質問でも申し上げたわけでございますが、私どもは今回の、たとえば二百二十五億の稲作特別対策事業費につきましてはそういう点には特に留意言いたしまして、不均衡を来たさないようなやり方をしたいというふうに目下鋭意検討している次第でございます。
  9. 亀井善彰

    亀井善彰君 先ほど御回答いただいた、集荷と他の農協事業との問題は別に考えるべきだというような趣旨お話があったのですが、これはまあたいへん集荷業者登録した農家のほうから言えば農協に対して虫のいい話のように思いますが、集荷農協登録しなかったからといって金融問題等に差別のめる扱いをされるということは私はおかしいのじゃないかと、集荷をするということは、業者登録する、農協登録するということは法に定めがあるのですから、だからかりに業者登録した農家でも、たとえば農地取得資金であるとかあるいはそれに類する制度的なもの、こういう問題については農協を通して貸し付けをされるということ、これが私は当然じゃないか。もしそれができなければ、他の金融機関にその資金を流して利用させるとか、そういう点についてはやはり農地取得資金とか倉庫建設資金等農協登録しようが、どこに登録しようが、生産をする米作農家というのは同じなわけですから、これらについては当然そういうふうな、農協がそれを利用することができなければ他の金融機関を通して利用させる、こういう道を開かるべきではないか、こう考えるのですが、この点いかがでしょう。
  10. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) ただいまの融資は、特に制度融資との問題であろうと思いますが、につきましては、私ども全くただいまおっしゃいましたことと同じ考えでございます。農協はいろいろな事業をやっているわけでございますが、その中で特定事業についてたまたま組合員が他の、農協以外の業者事業を利用したということでたとえば金融面で非常に押えていくというようなことは、これは非常に組合の本来の事業趣旨にも合致しないことでございますし、そういう点につきましては、いまおっしゃいましたことのないように指導としてはもちろんいたしているつもりでございますし、まあほとんどの農協がそういうふうにやっていると思いますが、まれにどうもそういう趣旨に若干そぐわないような事例があるわけでございます。いまのは、農協と他の業者との関係をおあげになったわけでございますが、実はやや似たような問題が総合農協専門農協との間にもあるわけでございます。こういうことにつきましても、私どもはやはりそういうような他の面で、たとえば金融等の面で不利を与えるような運営をするということは、これは非常に好ましくないことであるということで、極力そういうことがないように指導している次第でございます。
  11. 亀井善彰

    亀井善彰君 食糧庁お見えになりませんが、あるいは経済局のほうの関係かもしれませんが、この前の委員会でも私質問をしたのでありますけれども、依然として解決のついておらない問題があるわけでございます。というのは、私どもはやはり今度新しくできた自主流通米制度、いろいろ問題はありますけれども、この制度はいまの立場から言えば、成功させなければならない。これは当然成功さして、そして耕作農民生産農民に対しましても、よかったという結果を見ることを望んでおる。ところがいま申したとおり、農協登録した農家、そして業者登録した農家、これに対しての自主流通米集荷資金の問題が、二度になりますけれども、この前田中次長が御答弁になったんですけれども田中次長答弁はおやめになる二、三日前でしたから、あえてこれを無理に追及することもどうかと思って差し控えたんです。おやめになる人にくどい御質問をすることはどうかと、こう考えておったんです。同時に田中さんのことだから、田中式答弁であんまりはっきり結論は出ない答弁のしかただったんです。  それはそれでいいとして、集荷資金を、農協のほうの自主流通米資金については政府配慮によって農林中金からそれに対する手当てがされておる。ところが、集荷業者のほうの資金については、きわめて冷淡な、いままで長い時間かかっておりますけれども結論が出ない扱いのままになっているんです。私は先般にも申したんですけれども、米をつくる農家というものは、農協登録しようと、集荷業者登録しようと、これは同じだ。したがって、自主流通米制度を成功させるかどうかということは、やはり当然そういう農協集荷関係、これに結びついた農家に対する米の集め方に資金の道をつけるならば、そうでない集荷業者にもその集荷資金というものの手当ても同じように私はされるのが至当じゃないか。  それがいままでの姿を見ておりますというと、業者は商人だから商業金融でこれをまかなえというようなことばがしばしばあるやに聞いておる。これはきわめて私は冷酷な言い分だと思う。中小企業庁のほうに言っていけば、中小企業庁のほうでは、いや私のほうでは食糧庁のほうから何も話がないからできない。とりつく島がないんです、どこへも。それで自主流通米を今度は成功させる。われわれ冒頭申したように、成功させるために努力をするんでありますけれども努力のしようがないんです、これでは。いまの商業金融でやれ、こういうことだというと、非常に金利が高い。だがしかし、いま苦心をして一生懸命それに対する画策をしているようでありますけれども、私はやはりこういう点も農協集荷資金を与えるならば、業者にも農林省配慮によって、かりにこれが商工中金から出すならば、商工中金のほうに農林省から中小企業庁のほうに話し合いをして、そうしてその道を農協と同じようにつけられるべきではないか、そういう点にも非常な扱い不平等がある。こういう点について、きょうは実は長官お出ましになってはっきりできるのかできないのかまで私は承りたかったんです。  集荷業者は非常にこれに苦慮されている。結局私はそういう資金手当てしないということになりますというと、せっかくの自主流通米が逆にやみからやみに流れて制度全体が、小さなところからではありますけれどもこわれていく。それを憂えるから私は平等な扱いをしてくれということを申すのであります。そういう点について、これは所管が違うかもしれませんが、ひとつ局長の御見解をはっきりと承って、そうしてこの次の対策を立てるような道をつけてもらいたい、こう考えるわけです。
  12. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) まあこの問題は率直なところ申し上げまして、私ども守備範囲内の問題ではございませんのでちょっとお答えがしにくいわけでありますが、いまお話にございましたように、農協集荷資金の場合につきましては、農中債の資金運用部による買い上げ措置によって大部分をまかなう、あとは農中の資金によってカバーする。こういう形になっているということは私は承知しているわけでありますが、まあ同じようなもし制度をとるということでございますならば、これはあるいは組織が違いますので、商工中金等が同じようなことをするということがバランスという面から申し上げれば、おそらく最もバランスのとれた道だろうというふうに考えるわけであります。  ただこの金融措置につきましては食糧庁なりあるいは若干経済局関係いたすかと考えますが、事業の実態に応じて検討されるべき問題でありますが、私どもは実は直接の当事者ではございませんので、具体的にここでどういうふうにしたいということを申し上げかねるわけでございますが、いずれ食糧庁長官なり参りましたら、私からもよく連絡いたしまして、的確なる答弁ができるようにいたしたいと思います。
  13. 亀井善彰

    亀井善彰君 これは私の極端な言い分ですが、ヘビのなま殺しのような形が集荷業者にとられる。そういうことはすべて平等に扱えないということになるならば、むしろ戦時中のような集荷というのは農協一本で行なわせるということにむしろ踏み切ったほうがかえっていいじゃないか。もちろんそれには問題がありますけれども、しかしそうじゃなくて、生産農家利益のために二元集荷の道を開いたという趣旨からいけば、これは局長所管外かもしれませんが、どちらも平等に扱うということがこれが原則でなければならないと思う。  それからいま一つ飛躍的にものを言えば、米の集荷をするということであるならばいまの農中債、これは当然同じような系統の仕事でありますから、筋は違いましても同じ資金のワクで利用させるということが私は妥当じゃないか、これは私は間違っていないと思う。農林中金関連産業資金をお出しになる。これも普通言う関連産業と違いまして、農業を対象とした米つくりのための仕事、これを集荷する業務でありますから、同じような形での資金で、それは両者に大小ありますけれども、利用できるという道を講ぜられるべきではないか。これが何のために、別扱いをされるか、その点に私は非常に疑問を持っている。私はずいぶん古い時代から農業協同組合仕事もいたしましたし、食糧営団仕事もいたしましたが、ずっと通しての一貫しての気持ちは、米である以上は、それは集荷であれ、配給であれ、全部農林中金の窓口で資金というものを利用すべきじゃないか、同時に余裕金があればそれを預け入れるにも農林中金、県でいえば県信連、そういうものを通して、一貫した米の流通というものは筋を通して行なうべきではないかという持論を持っているのです。同様に今度の問題も、業者であるから商工中金——私もいま言われていることはそのとおり聞いております。  だがしかし、それは間違いだと思う。米を集めるのだから、やはり農林中金であり、政府手当てをされる。その筋の金融の道によって同じように運営をするべきだと、こういうふうに私は考えます。しかし、これは所管が違いますから、長官局長からよくお話しを願いたいと思うのです。これは急を要する問題で、もう七月の末になれば自主流通米が出てくるのです。それが出てこないとすれば——これは結局そういうことを期待されるかもしれませんけれども——農家としても非常に不便を感ずる。こういうことは本意ではない。やはり農家には自主流通米制度理解していただいて、そしてそれを生かしていただかなければならない。こういう点から考えましても、この点については急を要する問題で、長い間関係者からそういうことで各方面に陳情しているわけでございますから、商工中金でやるにしても、いまの場合私が言っている理想論を通そうとしてもこれは無理だと思います。だから、商工中金を利用させる、あるいは地銀を利用させる、こういうようなことにいたしましても、やはり関係の——これは局長に申すことはおかしいのでありますけれども——食糧庁当局もそれらの配慮をして、そして扱えるような道をひとつおつけをいただきたい。これは希望でございますが、特に強くお願いを申し上げます。  同時に、それをもし何らの措置が講ぜられないということになりますと、先ほど申したとおり、私は結局は正規のルートに乗るべき米が正規のルートに乗らずに、食管制度の根幹をくずさぬというその趣旨にも私は相反するような事態が起きてくるのじゃないか。それでいいのか。政府はそれを待っているということであればこれは別でありますけれども、そうでなくて、それをひとつそうでないとするならば、やはりそういうふうなお考えのもとでこれはひとつ善処していただきたい。これに関連した問題は相当苦情が出ております。これはきょうは関係食糧庁長官がおられませんから、私はその他の問題についてはきょうは申し上げませんけれども、ひとつ十分にその点については、農林省自体として、全体の問題としてひとつお考えおきを願いたい、かように考えます。
  14. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) ただいまのお話趣旨は、十分に食糧庁当局にも伝えまして善処いたしたいと思っております。
  15. 亀井善彰

    亀井善彰君 さっき申し上げました金融の問題は、局長長官あるいは大臣にまでお話し願って、そして、繰り返すようですけれども、七月末にはもう早期米は出てまいりますから、特に早期米については自主流通米先に出てくる。いま全販連ともいろいろ協議しておりますけれども、これは軌道に乗せるということはなかなかたいへんだ。いまの時点で想像してみますと百五十万トン。配給用に回る米が百万トン、こう政府は予定しておられるようでありますけれども、なかなかそういうふうな予定にはならないのじゃないか。私どもそれを政府考えておられる線に沿って、結果的に成果をあげよう、こういう気持ち努力しておりますが、その点十分御留意の上で、その道をつけていただくように……。  それから、最初に申しました通牒は、それで御指導して出しておられますけれども、重ねてそういうふうな問題が起きないように、やはり中小企業がむやみ農協と競合し、あるいは摩擦をすると、こういうことはよくないことなんだから、私どもの耳に入っております農協の問題についてはいろいろずいぶん入っております。  しかし、私自身が過去を言えば農協人でありますから、そういうこともよくわかっておりますけれども一つの例を申し上げれば、プロパーの問題にしても員外利用の問題にしても、ずいぶん中小企業の関係団体が集まりますというと、苦情も出てくる。これらの苦情は、私はいまの前段の問題とは違いますけれども、やがては何らかの形において政府の手をわずらわせるような事態になるのではないか。員外利用——先ほどもお話が出ましたけれども、これは押えようのない問題です。また、いなかへ参りますればやむを得ない点がありますけれども、そうでなくて、相当に摩擦が続けられ通しだというような事態がたくさんあるわけであります。ですから、ときには私は農林省として農政局長御自身そういう中小企業の関係の団体の集まり等には御臨席をいただいて、それらの声を聞いていただくことも私は必要ではないか。  私はあえて農業協同組合事業そのものと相剋摩擦を起こそうとも何とも考えておりません。が、しかしお互いの分野を守っていくということだけは私は絶対必要ではないだろうか。一方はどんどん伸ばしてよろしい、一方は倒産してもよろしい、こういうことは私は政治ではないと思う。したがってある時期にはひとつたとえば中小企業団体関係者が会合を持った場合には、農政局長にもひとつ出ていただいて、そうしてどういう問題が苦情の中心であるか、どういう問題がどこに出ているかというような問題も、ひとつ御臨席をいただいてお聞き取りを願いたい。そのような場合に、局長、御出席いただくことができるかどうか、もちろん日取り等いろいろの関係等もありますけれども、御都合は伺いますが、私はできるならば御臨席をいただいて、そうしてその問題をお聞き取りを願うことも、農林省自体としての行政の運営の面から言っても必要ではなかろうか、こう考えますが、御出席いただくことができますか。
  16. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 農協と中小企業者との間にいろいろな摩擦があるということは、私どももよく承知しているわけでございます。中には若干農協事業というものを十分理解していない、こういうようなことから起こる誤解もあるようでございますけれども、やはり実際に農協事業がどうも本来の農協のたてまえに沿わないで行なわれたというようなことで、問題を起こしているという事例も、また一方ではあるようでございます。  私どもは、やはり農協というのは、これは本質的には、農業者の職能別といいますかそういう、農業者の要するに利益を増進するという観点の協同組合である。ただそれが農村地帯等におきましては、やはり他の農業者以外の人にも利用させることがむしろ必要である。地域社会において必要であるというようなことで、許された限度の中で農協事業を利用するということも、これはまた一面地域共同体というような性格もございますから許されているわけでございますけれども、それにはおのずから本来の趣旨からいいまして軽重あるいは限度というものがあるべきでございますから、私はやはりその許された限度の中で事業をやるべきであるという基本的な考えを持っているわけでございます。  特に最近都市化された地域でいろいろ問題が起きているわけでございますが、確かにそういう点につきまして、私ども努力いたしているつもりではございますけれども、なお十分でない点があるかと思いますので、そういう点で努力をいたしたい考えでございます。  なお、そういう中小企業者の会合に出席して話を聞く気持ちがあるかというお尋ねでございますが、もちろん私どもはそういう機会がございますならば、喜んで出席させていただきまして、そういう話を伺うと同時に、また農協事業にも理解を持っていただきたいということもこれはまた申し上げまして、相互の意思疏通が十分に行なわれるようにしたい、こういう気持ちを持っている次第であります。
  17. 亀井善彰

    亀井善彰君 確かに局長おっしゃるように、中小企業者のほうにも農協そのものの理解が足りない点、私は確かにあると思います。よくそれは認めます。ですから今後そういう問題に、より摩擦の少なくなるような方向でひとつ御指導願いたい。これは中小企業と農協、地域的にはいま局長おっしゃるように、私はやはり農協があって生活必需品の販売、これらについても相当な貢献をしておられる、これがまたあるいは中小企業の足らないところを補完しておられる、これは私は当然だと思う。  で、最近耕地が急速に変化して、そして団地ができる、そういう場合に大体どこでも中小企業が出ておりますけれども間に合わない場合がある。そういうふうな地域で農協がそれらの便を果たすために員外利用などという狭い気持ちをもってものを申しているわけじゃございませんけれども、しかし相当それが度を過ぎているきらいなしとしない、こういう点を私は指摘したい。やはり中小企業のほうは一定の税金を納めておる、そうして営業をしておる、農協のほうにはそれらの点についても相当な恩典がある、私はそういう点から言って不平等な政治というものはとられるべきではない、こういう気持ちから申し上げておるわけで、ひとつぜひそういう会合に御案内を申し上げた際には御出席をいただいて、そうしていまおっしゃるとおり農協理解を中小企業者に持たしめると同時に、また中小企業の立場も農協の方々にも理解をしていただく、これが私は必要なことではなかろうか、こう考えます。  特に最後に申し上げたいのは、先ほど申しました当面差し迫っておる集荷関係の問題、これは直接担当の、該当の局長さんではございませんけれども、しかしきょうはだれも食糧庁から見えておりませんから食糧庁のほうに早急にお話し合いを願って、その道をつけられるような方向でひとつお話し合いを願いたいと、これは最後に希望を申し上げて質疑を終わります。ありがとうございました。
  18. 任田新治

    委員長任田新治君) これにて午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十三分休憩      —————・—————    午後一時十八分開会
  19. 任田新治

    委員長任田新治君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。宮崎君。
  20. 宮崎正雄

    ○宮崎正雄君 この際、政府当局に対し資料の提出を求めます。目下、九州地方における集中豪雨による被害が発生している状況にありますので、当委員会農業関係の被害状況等についての資料の御提出を願いたいと存じます。
  21. 任田新治

    委員長任田新治君) 政府において、ただいまの宮崎君の要求資料について早急に提出するようお願いいたします。
  22. 大和田啓気

    政府委員大和田啓気君) そのとおり、さっそく手配いたします。     —————————————
  23. 任田新治

    委員長任田新治君) 休憩前に引き続き、農業協同組合法の一部を改正する法律案に対し質疑を行ないます。  質疑のある方は順次御発言を願います。鶴園君。
  24. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 まず大臣にお尋ねをしたいんですけれども農協の中央会の会長が辞表を出された、辞意をはっきりさして辞表を出されたということなんですけれども、いま会長が辞表を出したということは、容易でないと思うのですけれども、どういうようなことに理由を聞いておられるか、まずお尋ねをします。
  25. 長谷川四郎

    ○国務大臣(長谷川四郎君) 私が承るところによりますと、米価運動といいましょうか、これらの運動と関連をした種々の問題からそのようなことになったというように承っております。
  26. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 米価の問題で中央会の会長が辞表を出すというのは、どうも私理解しにくいわけなんです。農協の米対の中央本部長が米価の問題との関連において辞表を出すというのはわかりますけれども、中央会の会長もやめるというのはどういうことなのか、そこのところをどういうふうに開いておられるかお尋ねしたいわけなんです。
  27. 長谷川四郎

    ○国務大臣(長谷川四郎君) 私もあまり深入りをしての答弁もできませんのでわかりませんが、宮脇さんの、会長の心境を吐露したのだというようなお話でございますので、まだはっきりとした、どういうことが原因でどうなっておるかというような突き詰めたお話をまだ承っておりません。
  28. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私は従来から農協の農政活動について農林省農林省なりの考え方があったと思うのです。かつて私も農林水産委員会でお尋ねをしたことがあります。でありますから、米価闘争について政府がどのような考え方をしておられるかという点については判断はついておるわけなんです。ですが、今回会長をやめるということは、米価闘争について何か大きな転換が来たのではないか、それだけではなくて、農協の農政活動について大きな転換が来たのじゃないか、あるいはそのためにこの問題が起きて一カ月近くにわたりましてもたもたしているのじゃないかという私は感じを持っているわけなんです。ですから、言うなれば従来政府考えておった農協の農政活動の方向へ大きく転回をするのじゃないかという気がしておるわけなんです。しかし、大臣は、発言をお伺いをいたしますというと、詳しくお聞きになっていないというようなお話ですけれども、しかし、これは農政にとりましては一つの大きな問題でありますから、中央会の会長が辞表を出して二十日もたつということは、これは重要な問題ですからお尋ねをいたしたわけです。しかし、いずれこれらのことは段階を追ってはっきりする問題だと思いますから以上でおいておきます。  次は、午前中に亀井委員のほうから質問がございました今度の自主流通米をめぐっての登録がえの問題ですね。三年に一ぺんする登録がえの問題で、秋田なり新潟その他、秋田新潟を含めて数県に除名等の事件が起きた。数県というのはどこですか。
  29. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 私ども承知しておりますのは新潟県及び秋田県でございます。
  30. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 局長の御答弁の中に、私があるいは聞き間違えであるのかもしれませんが、数県という話があったものですから、ほかにもあったのかなと思ったのですが、局長答弁にもありましたように、農協の施設を利用するということは、これはもう組合員の基本的な権利なんですね。それを制限するあるいは除名をするということですね。それで私は基本的にいってこういう問題がなぜ起こるのか。どこにそういう——言うならば妙な話です。除名というのは法律上明らかにしてあるわけですから、あるいはその利用の権利——基本的権利を制限するというようなやり方ですね。こういう農協の持つ基本的な組合員結束の原理ですね。それを完全にじゅうりんするようなこういう処置があるいは問題が起こるということは、基本的にはどういうところから出るのかという点を伺いたいのです。
  31. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 私どもにおいては、今回の問題が起こりまして、いま先生のおっしゃいましたような問題を、一体どういうことからこういう問題が起きてくるのか、その根というものがそう必ずしも浅くないという感じを実は持ったわけでございます。  一面からいいますと、日本の協同組合運動というのは非常に、ほぼ百年——とり方にもよりますけれども百年以上の歴史があるわけでございまして、おそらく他に例を見ないほど組織としては普及されているというふうに考えているわけでございますが、それだけに一面からいうと、組合を特に組合員の意思によってつくり、それに加入をするというような考え方が比較的薄い。戦後、戦前の農業会が解散をいたしまして、全く新しい観点から農協法ができたわけでございますけれども、それにしてもやはり前からのつながりというような感じがありまして、いわば一つの部落といったような地域共同体といいますか、それと似たような何か感じが一部にあるのではなかろうか。当然そこの組合員というのは、組合事業を利用すべきである。私どもはそれは組合員の基本的な権利であると考えているわけでありますが、逆にいえばそれが義務なんだというような感じが一部にあるのではなかろうか。  それが私どもはやはり非常な間違いと思うのでございまして、組合というのは組合員利益のためにあるわけでございますから、当然組合員利益になるような組合事業運営をしていかなければならないわけでございまして、たまたまその組合員農協事業じゃなくてほかのほうを利用しようというのは、そこにやはり問題が一部にあるのではなかろうか、こういう気がいたすわけでございます。でございますから、やはりそういう本来の協同組合のあり方というものが、一部の理事者等に必ずしも十分理解されない面があるのではないか。それはやはりいままでの組合運動の歴史的な一つの経過の中で、多少間違って受け取られている面があるのではなかろうかという気がいたすのでございます。
  32. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 秋田等で除名をする——単協がそういう除名をするという措置をとる場合に、県の中央会と連絡がないというふうに思えないし、あるいは全国中央会との関係がないとはいえない。あるだろうと思うのです。ちょうどこの新潟秋田の問題でNHKでしたですか、テレビでやりましたですが、その際の中央会でしたか全国中央会の方の意見ですか、あるいはその他の意見を聞いていますと、そういう考え方というのがどうも私は単協だけではなくて、県の段階においても、中央段階においても相当根強いものがあるんじゃないかという印象を非常に強く受けたわけなんです。まあ日本の戦後のいろいろな団体、戦前でもいいですが、今日ある諸団体というものが何か団体そのものは民主的なような形になっているけれども、中を見ますというと非常に、言うなら部落的な、村的な性格というものが非常に強い、民主的なものはないと非常に少ないというような傾向があることは事実でありますけれども、特に私はこの農協の今回のこの問題を見て非常に痛切にその点を感じたわけなんです。いま局長答弁のように、確かに誤解をしたり、誤解をして理解しているという点もある、今日の農協法ができますときに、昭和二十二年ですかね、農協法ができるときに農協というのはこういうものだというので、政府は六百万冊のパンフレットをつくりまして、非常にわかりいいパンフレットをつくってすべての農家に配布したんですがね、その程度の努力は要るんじゃないかという、再びここで要るんじゃないかというような気がするぐらい私はこの問題は根が深いというふうに思いますですね。  そこで先ほど局長は何か知事に通達のごときものを出したというお話でしたが、その通達に基づいて秋田なり新潟の問題は解決したのかどうか、それをお尋ねします。
  33. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 新潟の場合は、要するにそういう組合員には組合の他の事業を利用させないとかいったような勧告をしたというようなのが一つのケースとしてあるわけでございますが、これに対しましては県庁が相当強力な指導をいたしましてそういうことは一応勧告文としては出ておりますけれども、実行すべきでないという指導組合に対していたしておるわけでございます。私どもが県から報告を受けております限りではまさにそういう勧告のとおり現状はなっているという報告を受け取っているわけでございます。  それから秋田事例におきましては除名処分をいたしたわけでございますが、これにつきましてはやはり同様な是正措置を県庁が組合のほうに指導いたしておりましてこれはごく最近の情報でございますが、そういう措置を実質的に取り消すというような意味で組合員をもとの農協に復帰させるというというためにいろいろ県があっせんをしておる、大体そういう方向にきておりますという報告をいただいているわけでございます。
  34. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 これは農林省として、新潟なりあるいは秋田のほうの現状を調査されたわけですか。
  35. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 私どものほうから直接現地に出向きまして調査をしたということはございません、県庁からの報告で確認をしているわけでございます。
  36. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私はこういう問題は非常に重要な問題ですから当然農林省も非常な関心を持って当たるべきだと私は思うのです。政府農協に対しまする態度というものはあとでいろいろと問題に致したいと思いますけれども、非常に弱いですね。当然発言すべき事柄について発言しないというふうに私は思えてしようがないわけです。ただ、単協については若干発言するように思う。中央会とかあるいは全国段階の問題になりますと弱い。当然行政庁として発言しなければならないようなものについてはなはだ弱いという印象を受けているのであります。あとでそういう問題についてもお尋ねしたいと思いますが、こういう問題について、局長もおっしゃるように根が深いですね、ですからもっとこれはやはり直ちに農林省も出向いていろいろ実情を調査して、その上に立ってこれは見守っていくしやらなければならぬことはやるという措置を私はとるべきだと思いますね。この除名という問題は、これは法律に違反してないのですか。
  37. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) まあ私ども理解ではやはり法律違反であろうというふうに考えております。
  38. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 違反について罰則は適用されていないのですか。
  39. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) これは罰則というものはございませんけれども、これに対する是正措置といたしまして行政庁は必要な措置をとるべき旨を命令することができるという規定がございます。
  40. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 その、いまの二十二条の組合除名ですね、それについての第六章の罰則ですね、この関係はないというわけですね、ありませんか。
  41. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 直接的には第六章の罰則の中にはございません。ただ、その場合に弁明の機会を与えることが必要になっているわけでございますけれども、その機会を与えなかったということになると罰則の適用があると、こういうことでございます。
  42. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 今回の秋田の場合においては、いま私が言う罰則の適用はないのですか。  それからもう一つ秋田の問題について局長通達をされたその通達というのは九十四条に基づいて出されたものなのか。その通達に従わない場合はどうなのですか。
  43. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 私どもが今回出しました通達は、地方農政局長に実は出したわけでございます。地方農政局長からさらに県をそういう線で指導してほしいと、こういう指示でございまして、いまの法律の根拠云々によるものでは必ずしもないわけでございます。
  44. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 この秋田除名の問題について先ほど局長から御答弁があったように、罰則の適用のおそれは十分あるわけですね、これはお調べになったわけですか。調べていらっしゃらないわけですか。調べてこれは罰条の適用があるならばやらないといけないと思うのですよ。
  45. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 私ども直接、先ほど申し上げましたように現地調査をいたしておりませんが、県庁の報告で確認いたしておるわけでございますが、一応手続としてはその総会におきまして除名をする理由に該当するかどうかということになりますと、私どもとしては先ほど申し上げましたように、どうも該当しないというふうに考えているわけでございますが、一応手続的にはとるべき手続をとって除名を行なっておるという報告を県庁からは受けているわけでございます。
  46. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 除名の場合に、その釈明の機会を与えたというわけですね。これは農林省で調査されたわけではない。これは農協としては私は重要な問題だと思うのです。でありますから、すみやかに農林省としても調査をされて、そしてしかるべき処置をとられるように希望いたしておきます。農林大臣、いかがですか。
  47. 長谷川四郎

    ○国務大臣(長谷川四郎君) しかるべき時期に十分調査をいたしたいと思います。
  48. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 次に、これはちょうど二年前になるのですけれども、古い話で恐縮なんですけれども、二年前に私が農協の諸問題につきまして伺ったことがあるのです。その立場は、どうも農協の組織というのはさか立ちをしているのではないかという懸念がある。県連にしても全国連にしましても、これは単協に奉仕すべき機関ではないか。にかかわらず、どうも単協が県連に対してあるいは全国連に対して奉仕しているのじゃないかという懸念が非常にする。あるいは一体、農協という組織は組織のためにあるのか、農民のためにあるのかというような点についてもいろいろ疑義があるのじゃないか。問題があるのではないか。あるいは全国連と県連と単協とに従事する農協の職員の賃金の格差があまりにも大き過ぎる。どういうわけでこういうことになっておるのか、あるいは労働基準法違反が非常に多過ぎやしないかというような点についてお伺いをいたしまして、その際に、この問題は非常に大きな問題であるし、また根本的な問題であるので相当年月をかけて論議をしたいということをその際に申し上げたわけですが、同時に資料の提出を求めたわけなんです。そうしましたら資料の提出が参ったわけなんです。一つは手数料の問題です。よく手数料はトンネル手数料だとか、あるいは眠り口銭だとか——眠っておって口銭が入るというようなことが一般化しておる。だから、その一つとして資料をいただきたい。それからサイトの問題が非常に重要じゃないか、その問題についても一つ資料をもらいたい。労働基準法違反についてもどういう違反の事実があるのか資料をいただきたい——というような資料が参りまして、爾来、その問題についてはお伺いする機会がなかったわけなんです。そこで、今日もその意味は全然薄れてない。さらにこの機会にもっと論議すべき問題だというように思いますので、そこで、農林省からいただいた資料について若干お伺いをいたしていきたいと思うのです。  まず、全販連、全購連の眠り口銭あるいはトンネル共販といわれる問題の一つとしまして、米穀の集荷事務手数料、四十年農協に出ましたものが九十六億円。一体この九十六億円の集荷事務手数料というのが、全販連、経済連、単協にどのようにいっているのか、さらに各段階における一人当たりの手数料額というのはどういうふうになるのかという資料の提示を願ったところが出ているわけなんですね。  そこでまず食糧庁にお伺いをいたしたいのですが、四十四年は自主流通米がありますから一応別にして、四十三年のこの米穀集荷事務手数料というのはどの程度のものなんですか。
  49. 松元威雄

    説明員(松元威雄君) 集荷手数料は一俵あたり単価が百八円でございまして、それに四十三年は集荷量が約一千万トン、こういうわけでございますが、それを乗じますと支払い手数料総額で約百八十九億円となるわけでございます。
  50. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 さらにこの名前を見ますと、米穀の集荷事務手数料となっていますね。一体この集荷事務というのはどういう内容なのか、これをひとつ具体的に伺いたいのですがね。
  51. 松元威雄

    説明員(松元威雄君) ただいま先生、集荷事務手数料とおっしゃったわけでございますが、われわれ俗称集荷手数料と言いますが、それはどういうものかと申しますと、政府生産者から米を買い上げるわけでございますが、その売買に付随する業務に対しまして指定集荷業者がいろいろな仕事をするわけでございます。たとえて申し上げますと、生産者政府に引き渡しました米につきまして入庫買い付けをいたすとか、あるいは運送業者に引き渡すとかあるいは検査の立ち会いをいたしますとか、あるいはまた農家に米代金を払います場合には御承知のとおり支払い証票を切って渡すわけでございますが、その事務の補助をしますとか、そういった米の集荷に付随いたしまして指定集荷業者がいろいろな仕事をするわけでございます。それに対するいわば対価といたしまして、その業務に用する経費としまして、いま申しました手数料を支払う、こういうことになっているわけでございます。
  52. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 食料庁は集荷手数料というお話なんですが、農林省からいただいた資料には米穀の集荷事務手数料となっています。私はこの事務というのは意味があるというふうに思いまして伺っているわけなんです。特にこの米の非常に不足する時代は別にして、非常に米が今日のような状況にだんだんなるにしたがってこの集荷事務手数料、この事務に意味があると思いますね。農協の資料はどうなっているか、農政局から出ている資料は集荷事務手数料となっています。食糧庁のほうは集荷手数料となっているが、どうも……。
  53. 松元威雄

    説明員(松元威雄君) ただいまのお話食糧庁サイドの用語と申しますか、何でございますが、いま申しましたとおり、米の売買に付随する業務に関しまして売買業務契約というのを国と指定集荷業者、これは単協とか商人としてでございますが、その間に売買業務契約を締結いたします。その場合売買業務の締結につきまして指定業者が、大部分はそうでございますが、いわば自分の上部団体に委託いたしまして、最終的には農協系統が全販連、それから商人系統は全国連になりますが、その全国団体が委託を受けまして代理をいたしまして政府と契約を結ぶ、それが売買業務契約になっているわけでございます。その業務契約の内容といたしまして、先ほど申しました指定業者が業務として先ほどのような仕事をする、それに対して経費としまして手数料を払う、こういうふうな契約になっているわけでございます。なお、もちろん全国団体を通じますことはこれは業務ではございませんで、指定業者が直接やっているのももちろんございます。
  54. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 集荷手数料でも、集荷事務手数料でも、どちらでもいいようですが、具体的に単協と経済連と全販連の米の集荷についての仕事内容を説明をしてもらえませんか。それで私は百八十億の中の大部分集荷手数料として農協に行くのだろうと思うのです。行く場合に、どういう仕事とどういう仕事にどれだけの対価が必要なんだということをはっきりしておくべきだ。先ほど総務部長の説明ですと、一俵当たり百何円ということですが、そういうつかみ金ではいけない。計算のやり方としてはそれはあり得ても、やはり単協についてはこういう仕事だ、こういう内容になっている。経済連はこういう仕事内容になっている、全国連はこういう仕事内容になっている、したがってそれに対する対価としてかくかくのものを支払うという私はやり方であるべきだと思う。そういう私はたてまえからいま申し上げたように、農協集荷の場合に、単協の仕事内容、経済連の仕事内容全国連の、全販連の仕事内容について具体的に伺いたい。
  55. 松元威雄

    説明員(松元威雄君) 先ほど申し上げましたが、この集荷手数料は指定集荷業者の業務に対して支払うわけでございます。それでその業務内容は、先ほどのような入庫とはいつけということでございますが、そういった業務を行なうのに対しましていろいろ上部団体にいわば委任と申しますか、おまかせするわけでございます。指定業者がいま申しました業務契約を結ぶにつきましては県連に委任する、県連は全国連に委任する、いわばそういった事務代行ということがあるわけでございます。  それからこの集荷業務と関連いたしまして、生産者政府に売り渡しの申し込みをいたしますとか、あるいは概算払いの申請をいたしますとか、いろいろあるわけでございますが、それを指定業者生産者にかわってやってやる、その指定業者仕事を県連に委託する、県連は委託を受けて代行してやる、さらに全国連がサイトを受けて代行する、そういった問題がございまして、いわば全体としてわれわれが集荷業務としてとらえますそれに対する対価でございますが、その内部関係といたしまして、指定集荷業者がいま申しました事務の一部を上部団体に委任する、こういう形になって内部的に業務がそれぞれ分かれているということになっているわけでございます。
  56. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 食糧庁というのは日本の特別会計の中では超最大の特別会計ですから、百八十億というこの集荷手数料をつかみ金として出すような印象を与えるのにさして問題ではないかもしれない。ですが、私はそれでは仕事は済まないと思うのですね。農家政府に対して売り渡しの申し込みをしますね、その契約は具体的にはどことどこがやるのですか。それから今度は政府と契約をしますね、具体的にはどことどことやるのですか。それともう一つ、概算金の申請もありますね。そういうものは単協が全部やるわけでしょう。それは単にまとまった票として行くんじゃないですか、経済連に、全国連に行くんじゃないですか。そこのところを、ちょっと各段階における仕事内容ですね。金を払われるわけですから、約百四、五十億、百七十億か幾らの金を払われるわけですから、こういうものに対してこれだけの仕事があるからということをもう少し具体的に示してもらいたい
  57. 松元威雄

    説明員(松元威雄君) ただいま売買契約の締結であるとかあるいは概算の申請につきまして、各団体がどういう事務かという御質問があったわけでございますが、先ほど私申し上げましたが、これは基本的には生産者と国の間の契約なのでございまして、それをまず第一段階では指定業者が代理をして契約を締結するそういうのもあるし、それからさらに指定業者が県連に事務委託をする場合、県連がさらに全国連に委託をする場合がある、こういった四つのケースがあり得るわけでございます。それぞれにつきまして、各年産ごとに事前売り渡し申し込み制集荷要領というのがございまして、それに基づきまして各段階の事務手続をきめておるわけでございます。それに従って処理をしておるわけでございます。
  58. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 これは私は非常に実務的な問題ですから、実際実務にタッチしている人でないとおわかりにならぬ点が多いだろうと思いますけれども、ですから、総務部長答弁をされるのには不適当な問題だというふうに思いますけれども、実際にいま私が伺っているのは、農協の場合にどうだと、農協をとって聞いておるわけですね。それで、ほとんどは単協で終わっちまって形式的に経済連、さらに全国連へ契約がまとまった形で行くというふうに私は理解をしておるわけです。ほとんどすべてはここで終わっちまうのではないか、事務的なものはですね。そういうふうに考えておるわけですが、しかしこれは事務的な問題ですから、別の機会に、あるいはあとで御答弁いただいてもいいと思いますが、まあ実際になんじゃないですか、単協のところで全部形式的に終わっちまう。結局それが経済連に米が行くのではなくて紙として回っていく、全国連へ回っていくというだけのことだろうと思います。そうして政府と全販連が契約を結ぶという形だろうと思うのですね。  そこでもう一つ伺いますけれども食糧庁としてはこの集荷手数料というのは、百七十億なら百七十億の農協に対する集荷手数料というのは、全国連にどの程度行って、経済連にどの程度行って、単協にどれくらい行っているのだと、それはおわかりなのでしょうか。
  59. 松元威雄

    説明員(松元威雄君) いささか理屈めいて恐縮でございますが、私たち百八円、四十三年度の場合でございますが、百八円は指定集荷業者に対して払う。それを先ほど申しましたように、全国団体が代理をいたしまして政府と一括契約をする、こういうわけでございます。したがいまして、百八円をどうするかということは系統内部の問題でございますので、直接われわれがどうこういうことではございませんが、大体のめどとして聞いているところによりますと、全国段階で約三円程度、県連は、県連によって非常に種類があるというように聞いておりまして、県によりましていろいろ相違がございますが、九円から二十円程度というふうに聞いておるわけでございます。
  60. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私が先ほどから申しておりますように、この問題を提起したのは、よくいわれますように、眠り口銭だとか、あるいはトンネル共販だとかいうようなことが言われるから、その一つとして政府がやっている集荷手数料がどのような形に一体なっているのだろうかという点をひとつ取り上げて問題にしてみたらどうかと思って話をしておるわけです。家の光協会が農協関係の図書を幾つも出しております。それらを見ますと、具体的にトンネルの状況が非常にはっきり書いてあるんですね。眠り口銭の問題がはっきり出ておるわけなんですね。一般にいわれているんですけれども、こうはっきり出ますと、これはやっぱりそういうわけにはいかない。で、こういう制度がなぜできたのかというと整促時代の再建整備のときの遺物として残っているんだろうと思うんですが、こういうものが、三段階制の問題にいたしましても、あるいは信用事業の問題にいたしましても、販売だけじゃなくて購買の場合においても遺物として非常に残っておると思うんですね。遺物じゃなくて堂々と残っておるわけなんです、これはぼくは遺物だと思うんですけれども。これはいずれにしても私は根本的に再検討すべき時期にきておると思うんです。それでなければ農協というのは非常に問題になってくるというような私は気がするわけです。そういう立場からいま米の問題について伺ったんですが、どうも明らかにならない点がありましてまずいんですが、そこでじゃもう一つ。単協が直接政府に米を売ると申し出た場合には、政府としてはこれを断われるんですか。
  61. 松元威雄

    説明員(松元威雄君) それは断われないわけでございます。
  62. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 いま単協が直接政府に売っているところがありますか。
  63. 松元威雄

    説明員(松元威雄君) これは私の知識でちょっと不正確かもしれませんが、一、二件あったというふうに記憶いたしております。
  64. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 農政局長、どうですか、単協が直接政府に米を売っているところ……。
  65. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) しかとそういうケースがあったということは実は私は承知しておらないわけでございますけれども、希望といたしましていわゆる大規模農家相当規模の大 い農協がそういう形をとりたいという希望を相当強く持っておるということは承知いたしております。
  66. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 単協が直接政府に対して米を売りたいというふうに申し出た場合にはこれは拒否できない。さらにまた直接政府に米を売っているところの単協もあるわけなんですね。いずれこれはあとでまた問題にしていきたいと思うんです。  次に資料でお尋ねをしますと、全販連はこの資料によりますと職員数が千三百一名、それで一人当たり約二十三万円の集荷手数料がいっている。経済連は六千九百七十八名、それで一人当たりにするというと手数料として約十八万円手数料がいっている。単協は二万六千二百五十八名、一人当たりにすると三十万円の手数料がいっているという数字をいただいたわけなんです。そこで、この全販連の千三百一名というのは、これは全販連のすべての職員ですか。それとも米を取り扱っている人たちですか。これは全部でしょう、全販連の。全部であろうと思うんですが、何で全部で割るのか。これはおかしいんじゃないかと思うんですがね。どうしてこういう数字を出されたのかですね。局長、ね、確かに販売関係職員一人当たり手数料という出し方としてはこれはある意味で妥当性を持っておりますんですが、しかし、これでは意味ないですよ、こういう出し方じゃ。しかし一応これを前提にしてものを言ってもいいんですがね。千三百一名というのはこれは全部入っているんじゃないですか。全販連のアルバイトまで入っていませんか。ぼくは調べたんです、すぐ。そうしたら千三百一名じゃない、そのときは。アルバイトもみんな入っているんです。こういうようなこと、おかしなことをしちゃいかぬですよ。すぐ調べたんです。千三百一名じゃないです、全販連の全職員というのは。
  67. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 古い数字でございまして私その経過をよく知らないわけでございますが、あるいはそういうことであったかもしれません。ただ私どもは特別の意図があってそうしたわけではないわけでございまして、特に全職員で割るのはおかしいんではないかという御意見でございまして、確かにそういう点もあると思います。ただ現実的にどの職員の何人がいまの米麦に直接関係していて、関係してないのはどの職員であるというような区別が非常にしにくいということがありまして、一応全職員と販売関係の職員と並べて、併記してお出し申し上げておるわけでございますけれども、便宜そういう計算をしたと、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
  68. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 便宜じゃかなわないですよ、実際の話が。とにかく全販連についていえば千三百一名という数字になっているけれども、これはアルバイトもみんな入れてしまえ、できるだけ数字を大きくしないと一人当たりの単価がでかくなってしまうから、だから全販連についてはアルバイトも何も全部ぶち込んで、そうして一人当たりの単価を小さくするというようにとれてしようがなかったんですよ。それですぐ電話して調べてみたんです。こんな数字じゃなかったですね。経済連の六千九百七十八名という数字はこれはどういう数字ですか。これはやはり販売関係を取り扱っているもの全部ですか。それから単協の二万六千二百五十八名という数字ですね。これは一体どういう数字ですか。  局長、念のために申し上げておきますが、私がこういう御質問をするのは、単協と全国連の賃金を比較した場合にあまりにもひど過ぎやしないかという前提が一つあって、手数料というのはもっと合理的な配分を農協はやってもらわないと、単協の賃金というのはあまりにもひどいですね。あるいは単協の職員ばかりの問題ではなくて単協そのものもたいへんでしょう。こういうことをやられたのではこれは農民もたいへんだと思うのです。そういう意味で聞いているのですから……。
  69. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) これは経済連の場合は当然のことでございますが、購買事業等もやっておりますので、そういう明らかに関係のないものを除きまして、いわゆる販売部の販売関係の職員ということでございます。それから単協も大体同じくでございまして、信用事業とか、そういう事業もやっておるわけでございますから、そういうものを除きましてやっぱり販売関係の職員の一応の総数を出した、こういうことでございます。
  70. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 いや、局長はそのときの局長じゃないですから何ですが、この数字は私は直接調べたのは全販連を調べたのですけれども、単協の数字だって相当なものじゃないかしら、これは単協のほうの数字というものはできるだけ少なくしようというふうに見れるんですがね。それによってできるだけ単協の単価を上げたいというんですね。というのは、私は全販連を調べたときにぴんときたわけですね。何だかこれはいいかげんな話じゃないか、同じようなことを全部やっているんじゃないか。経済連も全販連も単協もやっているんじゃないかという非常に疑いを持ったわけです。疑っちゃ恐縮ですが、事実なんですから、全販連調べてみたら。だからこういうことじゃ、とても困るんですね。あらためてひとつ四十二年のやつをお願いしましょうかね。  それで全販連の米を取り扱っている職員というのは何名ですか。いま米麦局とか、米麦課とかなっているらしいですね、麦と一緒になっているようですね。三十名おりますか。
  71. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 最近の数字につきましては後刻取りそろえまして御提出いたしたいと思います。  それから米麦局というような組織があるわけでございますが、その職員数は幾らかというお尋ねでございますが、ちょっといま手元にその資料の持ち合わせがございませんのでこれもその際にあわせて御提出申し上げたいと思います。
  72. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 大体、基本的にいって、米を集めるその手数料をのべつまくなしの数で割るという考え方ですね、これがぼくはわからないです。それはやはり米を取り扱っているというものにしなければ、手数料というものを出しておるのですから、それがどのように、全国連、それから県連、単協に配分になっているかということをやっているわけです。それを、米を取り扱っていないのも何もみな込みにして割ってしまうという、これは私は正しくないと。けれども、いまここに書いてあるような意味、販売関係の一人当たりという数字が出ております。しかしそれは私の考えとは違う、趣旨とは違う。手数料はどういうふうに配分されているかということを聞く場合に、全体で割ってしまうというのはこれは私はおかしいと思う。ですから、そうでないやり方の数字をひとつ御提示をいただきたい。そういうことがはっきりしていかないというと、私は、眠り口銭であるとかあるいはトンネル共販であるとかいうような問題の是正の指導もできないと思いますよ。食糧庁は、こういうふうに一俵百八円と、何かつかみ金みたいな金で米を集荷しておるというその仕事に対して払うわけですから、私は正しくないと思う。これは食糧庁全体に及ぶ問題ですけれども、百八円というつかみ金的な考え方というものはそれは私はよくないというふうに思うのですけれどもね。大臣どう思いますか。百八十億の集荷経費が入っていますからね。
  73. 松元威雄

    説明員(松元威雄君) ただいま百八円のつかみ金的なというお話があったのでございますが、もちろんわれわれ事務的には積算いたしておりまして、末端で何人くらいかかるだろう、単価はどのくらいかかるだろうという積算をしたわけでございますが、まあいわば積算の連続性と申しますか、そういうことにつきまして当初きめましたものをその後の変化で修正するというようなことをいたしております関係上、現状をぴしゃりあらわすかどうかについては疑問でございますが、そういう意味で、つかみというわけではございませんので、一応はやはり積算いたしております。
  74. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 資料につきましては御趣旨は十分にわかりますので、なるべくそういう線でくふうして数字を出したいと思いますけれども、ただこれは、御承知いただきたいと思いますが、特に単協等におきまして、ある職員が米麦をやりかつまた卵の販売をやると、こういうことがあるわけでございますから、その場合にそれをどういうふうに分けるかというのは実は非常にむずかしい問題があるわけでございます。おそらく四十年当時も、そういう問題があるので、あまり中に突っ込んで根拠のはっきりしないものを出してまたおしかりを受けてはいけない、こういうような配慮が働きまして、まあ不十分ではありますが、おそらくそういうような前提でお出し申し上げたのだと思います。そういう点私どもはできる限り把握をいたす努力はいたしますけれども、制約があるということはひとつ御了承いただきたいと思います。その上でなるべく努力してその点を明らかにするような数字を出すように努力をいたします。
  75. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 大臣ね、これはいますぐ御答弁いただかなくてもいいのですが、私が問題にしている点、ポイントというのは、先ほど来申し上げているとおりです。政府の行なうこの集荷手数料約百八十億について、単協にどう、それから経済連にどう、全国連にどうと、仕事内容に対して支払うわけでしょう。一俵幾らで支払われたらかなわない、これは。集荷は、仕事内容によって払うのじゃないかと思うのですね。ですから、そういうやはり検討をされる必要があるのじゃないか。まずそれを始めないと、眠り口銭は、解決しないのですね、これ。たびたび申し上げて恐縮なんですけれども、そういう検討の用意があるかどうか、お尋ねをしたいわけなんです。
  76. 長谷川四郎

    ○国務大臣(長谷川四郎君) なかなか鶴園さんの御質問むずかしい問題で、組織の中の問題でございますから簡単にはまいらぬと思いますけれども、その点十分私たちといたしましても心得て、今後留意して検討を加えてみたいと思います。
  77. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 次に、サイト問題についてやはり資料をいただいておるのですが、この問題について申し上げますが、これはやはり、先ほどの家の光協会が出しております農協組合関係図書のシリーズみたいのの中に、サイトの実情を書いてあるわけですね。つまり、購買事業の場合に、全購連とメーカーとの間の決済の期間というのは一カ月から二カ月という若干長期のものになっている。それから、経済連とこの全購連との間のやつが、もっとそれよりもう少し短くなっている。単協と経済連との間は非常に短い。で農家とその単協との間は相当長期だというこの購買のしかたになっておるわけです。ですから、単協はすぐこれは金を払わなければならない、経済連に払わなければならない。その経済連は、その集まった金を、期間がありますので、回す。金を運転する。期間が来たら今度は全購連に回す。全購連は、メーカーとの間に二カ月なり期間がありますから、その間金を回す。そうしておるわけですね。ですから、単協がこれは赤字になるのはあたりまえの話なんだ、直ちに払わなければいかぬから。この問題について非常に詳しく書いてあります。  そこで私がその問題について質問したのに対して、資料が来たのですね。で、四十年のサイトのもうけというのは二十億と。これは間違いありませんか。二十億。これは相当間違っているという話があるのです。資料としていただいているのは二十億。できれば、この四十年の、これは四十年の資料ですから、四十年の業務報告を提示していただくといいのですけれどもね。二十億という数字ではないというのがまあ一般の常識なんですね。ですけれども、二十億という数字が出ています。間違いありませんか。
  78. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) これは四十年当時の特別の調査によります事業金利に関する明細でございますが、いまお話がございました二十億というのは、事業受け取り利息の総額が二十億である、こういうことで、その点では間違いないのであります。
  79. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 この決算関係の入りました業務報告を、四十年のやつをひとつ提示を願いたいんです。いかがですか。事業報告というんですか、業務報告というんですか、全購連のやつですね。
  80. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) いま手元に資料の持ち合わせがございませんので、これも後刻取りそろえまして御提出申し上げます。
  81. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 これは全購連のものなんですけれどもね、全販連のものはほぼどういうものと推定をされますか、全購連が二十億のこういう金があるとすれば、全販連は、経済連の場合においてどの程度の金があるというふうに見ますか。こんなものはすぐに出てくるんじゃないですか。県の段階でですよ。
  82. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) これも手元に資料がないわけでございますが、全購連の場合には、先ほど御指摘になりましたように、相当長期のサイトを外部の取引業者との間に用いているというようなことがございまして、受け取り利息としては二十億という非常に多額の金額が出てくるわけでございますが、販売事業につきましてはそういったような事情はないわけでございますから、想定いたしますと金額としてはかなり低い数字であろうと、これもまたよく資料を後刻取りそろえて、必要でございますならば御提出申し上げます。
  83. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 全購連の場合はここにありますような数字が出ておるわけですけれども、経済連の場合の購買関係ですね、これはどうかと伺っておるわけです。
  84. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) いまの御質問は、全販連というふうに聞きましたので、そういうふうに申し上げたわけでございますが、県の経済連の購買関係、こういう御質問でございますと、まあこれはどこまでをそういう対象として考えるかという問題がございます。というのは、御承知のとおり、こういうようなかっこうで全購連が受け取り利息を得まして、その大部分はまた奨励金というようなかっこうで下部に還元をしていくわけでございます。そういうような奨励金を含めまして考えた場合、あるいは含めないで考えた場合というのは、非常に違う数字が出てくると思うわけでございます。しかし全体的には全購連の金額に比べますと少ないのではなかろうかという気がいたしますが、これも調査をしてみませんと、的確なことは申せませんが、いずれ調査して結果が出てまいりますれば御報告を申し上げたいと思います。
  85. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 全購連の二十億という事業の受け取り利息ですね、この二十億の中が非常にこれはっきりしない点があるんですが、この二十億の中の約十一億というやつですね、半数ちょっとぐらいなものが奨励金という形で出ているわけですね。この具体的な内容はどういうことなんですか。奨励金という、これは役所的な考え方ですね、奨励金というのは。これは本来末転倒だと思うんですけれども、奨励金を出す——これは利用高配当ということじゃないですか。協同組合の大原則ですよ。利用高に対する配当というのがそれになるんじゃないかと思うんですけれども、奨励金という形は、これはどういうことなのか、具体的な内容を伺いたい。
  86. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) これはいまの全購連と会員との間の決済方式等に由来する一つ制度でございますが、たとえばこういうようなことになっているわけでございます。各品目によりまして若干の違いはあったようでありますが、まず基準サイトというものをきめているわけであります。これは外部の取引業者との決済機関等を考えまして、一応基準サイトというものをきめているわけでございます。大体三十日程度、それが基準でございますが、そのほかに協定サイトというものを一つ設けておりまして、これはそれよりもっと短い期間でございます。たとえば十五日間というような二つのサイトを併用いたしておりまして、そしてメンバーが決済をいたします場合に、協定サイトより以前に支払いをした、あるいは協定サイトと基準サイトとの間、少なくとも基準サイトよりか早目に、早く決済をしたというような場合には、それに応じまして奨励金の交付をする、こういうような制度をとっているわけでございます。その是非ということはまた別の問題があろうかと思うのでございますが、現状ではそういう制度をとっているわけでございます。それに対する奨励金でございますから、いわゆる利用分量配当とは違う性質のものであります。
  87. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 これは奨励金でいいという頭ですか。私はこれはやはり奨励金という形ではなくて、協同組合の大原則に沿って処理すべき問題だと思うのですね。そういう恩恵的な恣意的なものであってはならぬと思うのですけれどもね。そういう気持ちはありませんですか。そういうところをすきっとしてもらわないと、農協自身もすっきりしていかないですよ。だから奨励金の内容、もっと具体的に説明してもらえますか、どういう内容か。十一億ですから、金としてはそれが四十六の都道府県にいくのですから、どういう名目のものがいくのか一項目ですか。そういうことで処理したほうがいいのか、あるいは私が申し上げているように、利用高の配当ということで処理したほうがいいのかという点ですね。
  88. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) これはさっきもちょっと申し上げたわけでございますが、基準サイトというのがございまして、基準サイト以前に決済をした場合、それに対しては一定率の奨励金を払います。それから基準サイト以後に決済をした場合にはこれはまた別の意味で延滞金というようなものを徴収するということになっているわけでございますが、さらに協定サイトと基準サイトの間、それから協定サイト以前というようなものにその割り戻しといいますか、その奨励金の率はその時期によって若干違っているわけでございますけれども、そういうような差異を設けまして、それを奨励金として一種の割り戻し的なものでございますけれども、まあおそらく当初の趣旨は、決済をなるべく早期にやる——まあ農協の決済はそもそもから言えば、現金決済が原則であるという考え方が基礎にあるわけでありますが、決済をなるべくすみやかにやるという趣旨から、そういう奨励金の交付をしているということであります。  それからこれがはたしていいかどうかという問題になりますと、これは私いろいろこれに対して、むしろそういうようなことではなしに、もっとたとえばいまお話がありましたような事業の利用分量配当で還元するというやり方。それからあるいはもっとメーカーとの間の決済のサイトというものを縮めて、そうして買い入れ原価を下げまして安い価格の品物を組合に供給するというやり方、あるいはメーカーとの決済はそのままにしておきまして、今度は組合員にそういう奨励金という形ではなしに、下部に流している品物の価格の割り戻しをするというようなやり方、いろいろなやり方があり得るわけでございます。私ども考え方といたしましては、現状は大体これでサイト以前において決済をされているというのがどうも現状のようでございます。したがいましてこういう協定サイトというものを設け、基準サイトというものを設けて奨励金の割り戻しをするというのは、まあいわば不必要な操作ではないかという感じが一面にはあるわけでございます。でございますからそういう点を考えまして、まあいろんな方法はあり得ると思うわけでございますが、いま申し上げましたような幾つかの方法でそれを処理するというほうがより簡明でわかりやすくていいのではないかという感じを一面では持っているわけでございます。それでこういう点につきましては、これは組合の、農協の内部の問題でもございますので、私ども農協の内部でそういうことについての考え方を十分練っていただきたいという気持ちを持ってまいったわけでございますが、まあ全中等で行なっております研究会の大体結論を見ましても、現在のやり方が最良であるということでは必ずしもない。やはり合理的な是正を加えるべきであるという考え方もあるようでございまして、私どももやはりそういう方向がいいのではないかと思っておるわけでございます。
  89. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 いま局長お話のような結論になっていけば私も賛成です。そのようにぜひひとつ検討してもらいたいし、また農協としても検討してもらいたい。簡明直截にガラス張りの中にというような感じを与えていかないと、これは農協というのは非常に問題が出てくると私は思います。ですからお話のようにメーカーと全購連なら全購連との間のサイトを短くするとか、あるいは単協と経済連との間のサイトをもう少し伸ばすというようなやり方もあるでしょうし、あるいは価格を下げるための財源として考えるとか、あるいはその利用高配当という形で処理するとかというような協同組合原則に立った処理のしかたをやっぱりやっていくという姿勢をとっていかないと、これは全購連に対していろいろな不信感を抱かせるということに私はなると思うわけです。ですからぜひそういう方向で善処していっていただきたいというふうに思います。  次に鹿島灘の臨海工業地帯に全購連が飼料工場をつくるというのが問題になりましてもう三年ぐらいたつわけでございますが、鹿島灘の全購連の飼料工場の実情はどういうふうに進んでいるか伺いたいと思います。
  90. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 全購連を中心といたしまして、確かにそういうような構想があるわけでございます。場所はいまお話しがございましたように茨城県の鹿島郡でございますが、着工の予定といたしましては明年度四十五年度に着工したいということのようでございます。どういう組織でやるかということでございますが、会社をつくりまして——株式会社でございますが、一つは飼料の生産を行なう会社をつくる、もう一つはその貯蔵のための施設の会社をつくるという二本立ての会社をつくるという計画があるわけでございます。  飼料の生産能力は年間で四十万トンというふうに私ども承知をいたしております。それからこれに対する出資の予定でございますが、飼料の生産をいたします会社に対しましては、全購連が半分、それから関係のある経済連、数県ございますが、経済連が半分の出資をする。それからそのサイロのほうの施設をいたします会社につきましては、全購連は九〇%、それから現地の倉庫関係の会社が一割程度の出資をする、そういうような計画が現在構想がなされておるというような段階のように聞いております。
  91. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 よくいわれるところの農協の第二会社ですね。それから農協の第二会社の問題として若干論議をしてはっきりさせたい点がありますけれども、実はこの問題に関連して伺いたいのですが、これは投資額は幾らですか、全購連の投資額……。
  92. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) これは建設資金の総額を申し上げますと、飼料の生産をやります会社、それからサイロの会社いずれも三十億円——ちょっといま計算いたしておりませんが、さっきの比率で出しますと全購連はちょっといま建設資金はそういうようなことでございますが、その建設資金に対しましてどれだけ出資して、それからどれだけ借り入れ金でカバーするかということがはっきり実は手元に資料がございませんので、ちょっとそこらは明確なお答えがいたしかねます。
  93. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 農林省としてはこの問題に対してはそう関心を持っておられないのか、あるいは調査なりそういうものをやっておられないのか。あるいは農協が半分の出資をする、これは全購連が半分出資をするとか、九割の出資をするということに対して、いまのような態度でいいのかどうか、少し不審に思う点があるのですがね。私はもう少しこの問題についてはいろいろ問題があることですし  問題があるということはつまり、農協としてやれることを、なぜ第二会社でやらなければならぬのかという問題はだれしも不審に思っているわけですからね。ですからいまこういう非常に大きなものができてくるという場合に私は、農林省はもう少し注意をして、調査なりあるいは検討をされるべきじゃないか。しかも、きのうきよう起こった問題ではないのです。三年前からあるのです。その点についてはどういう考えを持っておられるのか伺いたい。
  94. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 第二会社問題の一つの具体的のあらわれでございますが、私ども第二会社をどう扱うかという問題は、実は今回の法改正を行ないます以前、立案の過程でもずいぶんいろいろ内部的に検討いたした問題でございます。まあ当初それに対しまして監督規定を準備といいますか、そういう必要があるのではないかということで、いろいろな案をつくり、関係各省との調整を行なったわけでございますが、結論といたしましては、いろいろな問題がありまして、実現を見なかったわけでございます。しかしながら、私もこの問題に対して無関心であるわけでは毛頭ございませんで、合法的な根拠はなくても行政指導、それに対しては組合員も十分な納得をし、その第二会社の実態というものを組合員が常時把握するようなやり方をとるように指導を従来もいたしているわけでございますし、そういうことは今後さらにいたしたいという気持ちを持っているわけでございます。いまの鹿島灘の件につきまして、どうも把握が十分でないというおしかりがございましたが、その点については私どももさらに確実に把握をいたしまして、必要な指導をいたしたいと思っておりますが、基本的にはそういう考えでございます。
  95. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 これは農林省農業協同組合課で昭和四十二年の三月に「農協の現状」というのを出されたわけですけれども、これはなかなかいい資料で、毎年出されるわけですか、新しいものができておるんですか。せっかくこういう資料ですから、これはぜひ、二年置きでもいいけれども、このあと出ていないと思うんですが、これはちょうどこの法案が出る前の年ですね。農協法が出ましたのは去年ですから、この前の年出たわけですね。四十二年三月ですよ。ですからぜひこれは、この資料だともう古くなりますから、三十九年、四十年の統計数字になっています。せっかくいい資料ですから、続いで出していただきたい。  この中に、いま局長がおっしゃった第二会社の問題について、農協農協としてやれるというふうに考えられる仕事農協でやらないで、出資なりそういうふうな形で、完全な株式会社にして事業を展開することについて、監督という立場からどう監督するか。監督できるか、監督したほうがいいのか。まあ農林省としては監督したほうがいいという考え方でまとめられて、そして農協問題研究会ですか、に出されて、学識経験者で構成したこの研究会で結論出ているわけですね。こういう結論が出たんだが、やはり監督すべきだという結論ですね。だから、いろいろ問題があって、法案を出すまで至らなかったという話なんですが、それはいまの私は政府の態度、農林省の態度ではこれはどうしてもものにならない。いかにいい考え方が出ても、ものにならぬというふうに思うんですよ。あとで共通役員制の問題についてもお尋ねしたいと思いますけれども、ああいう簡単な問題ですら農林省ができないんですから、ましてこういう問題について、これはやはり相当政府がりっぱな態度で臨んでいかなきゃこれはできないと思いますね。ですが、どうなさるおつもりですか。いまの、ここにこういう大きな第二会社ができるわけですね。  きのうの日本農業新聞を見ますというと、全購連の臨時総会で八億何千万円のまた出資会社をつくることになっていますね。それから全販連が同じく二千何百万円の出資会社を二つ、出資をするという決定を行なわれたというふうに出ていますね。一体農協のこういう第二会社、よくいわれる第二会社、こういうものは全国で幾つあるんですか。全購連、全販連、いずれにしても農協の出資によって動いている、そういうもの。
  96. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 組合の第二会社の数でございますが、私ども承知しております数字は、現在百五十四でございます。ただ、この中でいろいろ組織別な設立主体の違いがございまして、単協の出資会社は二十九、それから全国区域未満、これは県連が主体だと思いますが、の出資会社が百十一、それから全国連の出資会社が十四ということに承知しております。
  97. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 これに対する出資の総額というのは、どういうふうに計算されているのですか。
  98. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) いま出資額をまとめました数字が手元にございませんので、調査いたしまして、またあとで申し上げたいと思います。
  99. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 営利を追求しない農協が営利を追求する第二会社を続々つくる。百五十四に及んでいる。これからふえるのか、ふえないのか。これからも、またいま鹿鳥灘の臨海工業地帯に巨大な第二会社ができる。これからもどんどんできていくのじゃないか。そういう事態に対して、これはどういうような考えを持っておられるのか。私は、農協というのは営利を追求しない団体です。それが、農協でできますよ、やろうと思えば。にもかかわらず利潤を追求する第二会社をこういうふうに盛んにつくっていく、これからもできていくということについては、これは私は行政庁として考えなければならない問題だと思いますけれどもね。私はいま伺ったように、百五十四ある、その出資額は幾らあると聞いても、それはおわかりにならない、手元にないというような話は——衆議院ではこの百五十四という数字が出ていますね、質問があって。一体その中の幾ら農協が出資しているのだ。だれでも疑問を持ちます。そういうことを明らかにして、もう少しこういう問題をやはり世論の問題にしていかなければ、私は第二会社の問題というのは妥当な解決に向かわないのじゃないかというふうに思うのです。これからふえるとお考えになりますか、それとも減っていくというふうにお考えになりますか。
  100. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 率直なところを申し上げれば、やはりふえるのではなかろうかと思います。この第二会社というものに対する考え方というのは、非常に私、むずかしい問題を含んでおると思うわけでございます。たてまえとしましては、他のたとえば農業用資材というようなものを考えまして、それの生産をいたします。なるべく安く組合員に供給しよう、いい物を供給しようといったような考え方が基礎だと思いますけれども、それを生産いたします場合に、たとえば従来他の会社の持っている技術を使うというようなことになりますと、なかなかそれは単独ではできないので、やはりその関連当該事業と何らかのかっこうの提携をした上で生活をするというようなことが、現実に必要になる。そのためには第二会社をつくるというようなことがあり得るわけでございまして、その他、まあむしろ農協の外に切り離して独立採算的な考え方でやったほうが、より安いコストの生産ができるのではないかというような判断もあろうかと思いますが、そういったようないろいろな考え方が基礎にございまして、農協としてはそういう組織をつくってやったほうがよろしい、こういう結論になるわけでございますが、一方からいえば、いろいろ御指摘がございますように、これに対する監督がどうも十分に行き届かないというような面がございますし、あるいはもしかりにその第二会社がうまくいかなかったときに組合員利益はどうなるんだというような問題もいろいろあるわけでございます。そういう点で一つの出てくる背景というものはある部分理解される面もあるわけでございますが、実際にはそれがやや放漫に流れるおそれもあるということで、そこの監督上の扱いは非常にむずかしいわけでございまして、私どもも実は苦慮いたしておる問題の一つでございますけれども、私どもは基本的にはとにかくこれは組合の総会できめることであるということがまず基礎にございますので、総会で議決をいたします際に当然それは組合員として関心を持ち、それに対する是非の判断を下すわけでございますから、そういうことに対する趣旨の徹底というものはやるように、私どもはやはりそれが第一次的には指導の対象になるわけでございます。それとともにその後の経過については逐一総会に報告をするということによりまして放漫な経営に流れるということを防ぐということが必要でございますので、私どもはそういうような面をやはり中心にいたしまして指導をいたしていきたい、こういう考え方でございます。
  101. 中村波男

    ○中村波男君 鶴園委員からいわゆる農協の別会社の問題について質問が出ておるのでありますが、かつて私は新聞を読みましてその実態をおおむね知り、いろいろ問題を考え、意見を持っているわけです。したがって、私の質問をいたします機会にいろいろお聞きしたいと思っておるところでございまして、幸い鶴園委員からこの問題の指摘があり、さらに質問が続けられるだろうと思いますが、そこで資料要求をこの機会にぜひいたしたいと思うわけでございます。  新聞によりますと、農協による株式取得状況調査の概要を農林省はまとめられた、したがって、この概要の全部といいますか、詳しいものをぜひひとつ資料として当委員会に提出をしていただきたい。その資料を提出願った上でさらに内容について資料要求を申し上げることになろうかと思いますが、一応まとめられた概要というものを全部ひとつ本委員会出してもらいたい、いかがでしょうか。
  102. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 私どもで現在そろえております資料は御趣旨に沿いまして御提出申し上げます。
  103. 亀井善彰

    亀井善彰君 関連して。いま鶴園委員から農協関連会社についての御質疑がございましたが、私はその農協の出資をされる会社というのは、一つ農協本来では員外利用が増高してきてでき得ない、そういう点で農協が一般へ、員外に売るという、そういうたてまえからしでいわばことばは悪いかもしれないけれども、かくれみの的な農協出資の会社が最近できているような気がしてならない。そういうふうな意味で農協自体では員外利用が高度になるのででき得ない、これを会社組織に変えればできる。こういうふうなケースが私はあるのじゃないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
  104. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 第二会社の意図と申しますか、どういう目的でそういうものを設立するかということでございますが、私どもはいろいろな理由があると思うわけでございます。先ほど鶴園委員の質問にお答え申し上げましたように、一番基礎的なものは、たとえば農業生産資材等でいろいろ他の企業との提携の上にそういう生産をやることがどうしても必要だというような場合にやるもの、あるいは独立採算的な見地で会社をつくる場合等が非常に多いのではなかろうかと思います。もし、かりにいまお話のように員外利用をむしろ主体に考えるということでございますと、これは農協法のたてまえからいたしまして、直接そのものは会社であるわけでございますけれども農協法のたてまえはやはり組合員利益になるために事業を行なうということでございまして、第二会社はその範囲において許される、こういうことだと思いますので、もっぱら員外利用を目的にしてそういう会社をつくるということは、これはたてまえとしては許されないのではないか。ただ実際問題として、一部かなり員外利用が多いというような第二会社もこれは確かに一部はあろうかと思いますけれども、大多数はそうではなかろうというふうに考えております。
  105. 亀井善彰

    亀井善彰君 大臣、お帰りになりますといけませんので、午前中の質問でひとつ大臣に特に御意見を伺いたいと思いますが、午前中大臣お見えにならないときに、私自主流通米集荷資金の問題を伺ったんでありますが、食糧庁からどなたもお見えになりませんので、池田局長から所管のほうによく話をしておくと、こういうことで実は質疑を打ち切ったわけでありますけれども自主流通米に要する集荷資金の問題、農業協同組合のほうの関係に対しましてはそれぞれ手当てがしてあることは御承知のとおりであります。だがしかし業界の集荷をする資金についてはいまのところ中小企業庁で受け持つのか食糧庁のほうでこれをお手配願うのか、依然として、要求だけはしてあるけれども何らの結論が見ることができない。  御承知のとおり七月末はもう早期米は自主流通米が出てくる。私どもは根本的にこの制度自体を生かしていきたい、どうしてもこれを成功させたい、こういう意味から申し上げておるのでありますけれども、第一に希望することは、米の集荷資金でありますから、その主体が農協であろうと業者であろうと、私は農林中金から出るその資金を両者でこれが活用できるような道をお開き願いたい。それができなければ商工中金に対しまして農林省のほうからそれぞれ御要望していただいて、御連絡をとっていただいて、大蔵省との関係もありましょうけれどもお世話をお願いしたい。これができないために間違いますというと、当然自主流通米の軌道に乗るべきものが好ましからざる方向にその米が乗る。わずかな量ではありますけれども、そういう方向でこれが動くということは好ましくない。そこで農協と同じような、大は大、小は小、同じような立場でこれが動き出せるような方途を大臣のほうで御配慮を願いたい。この機会にひとつ大臣から御意見を承りたいと思います。
  106. 長谷川四郎

    ○国務大臣(長谷川四郎君) その件につきましては、皆さん方からいろいろな希望を受けておりますので、御期待に沿うように私も処理いたしたいと考えております。
  107. 沢田実

    ○沢田実君 ただいまの鶴園委員の第二会社に関連いたしまして私も若干質問したいと思います。  先ほどそういう会社は農林省で掌握しているのは百五十四、こういうお話がございましたが、そういう会社が六百をこえているというようなうわさもございます。また局長農民にプラスになるように優秀な技術を農民のために活用しているのだというようなお話、あるいはまたいろいろお話もございましたが、こうして一つ一つの会社の内容を見てみますと、観光事業あるいはまた自動車の販売会社、あるいは土建会社等々があるようでございますが、こういう第二会社に対して、もっぱら農民のためとは考えられないような会社に対して農林省はどういうふうにお考えですか。
  108. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) いま数が非常に違うというお話がございましたが、おそらくその違いは、私どもが申し上げております第二会社というのは、まあ農協が主体になって設立をしている会社という意味でございまして、五割以上の出資比率のもの、こういう実は約束みたいなもので調査をしているわけでございます。したがいまして、いま沢田委員から御提示のありました数は、その数字を私承知いたしておりませんが、それ以下の、いわゆる農協が何がしかの形で会社の株式を取得している場合、それを全部含めるとおそらくそういうふうになるのではなかろうかと思うわけでございます。  それから会社の事業でございますが、いろいろ内容はバラエティーがあるわけでございますけれども、やはり基礎といたしましては、たとえば旅館経営というような形がありましても、それは本来からいうと組合員の利用を、やはり福祉の向上というようなことを少なくともたてまえといたしましては主体に一応考えられるべきものである。それがたまたま、どうも旅館を維持するということになりますと、他の員外者を利用させませんと経営が成り立たないというようなことで、員外者の比率が実際問題としてかなり多くなっているというような事例は確かにあろうと思うわけでございます。一々ちょっと当たっておりませんので、的確なお答えがいたしかねるわけでございますが、私どもは、やはりたてまえとしてはあくまでも組合員の利用、組合員がそれによって利益を受けるという観点から当然なさるべきことであって、また法のたてまえからいえば、その限りにおいて許されるべきものであるというような考えを持っているわけでございます。
  109. 沢田実

    ○沢田実君 それでは、土建会社等もあるようでございますが、こういう事業はなかなかむずかしい事業ではなかろうかと思います。損害の発生がありますと、農民がそのまま負担することになるわけですが、たとえば三重県に三重農林建設会社というのがございます。三千万の資本金のうち千六百八十万円は農協出していて、一般土建、建設、舗装等をやっているらしゅうございますが、その辺の実態等おわかりになればお教えをいただきたいと思います。
  110. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) いまお話のございましたものについて、私ども的確にいまお答えできる資料を持っておりませんので、またそのお手持ちの資料を拝見いたしまして調査をいたしました上でお答え申し上げたいと思います。
  111. 沢田実

    ○沢田実君 そういうのがたくさんありますので、あとでまたそれでは内容をお聞きしたいと思います。  それから、島根県ですが、日産サニー島根販売株式会社というのがありまして、自動車の販売をやっているようですが、こういうような会社は農協として好ましいかどうか、また、どういうふうにお考えであるかどうか。
  112. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) これも的確な資料があるわけではございませんが、想定で申し上げて恐縮でございますが、おそらく自動車の販売会社というものは地域ごとに代理店を設けましてそれがその地方の販売を一手に扱うというような形をとっているようでございますので、たまたま農協組合員がその有利な条件で自動車の取引をするというような観点から、やはりそういう会社にも出資をしておいたほうが得策であろうというようなおそらく判断でなされたものではなかろうかというふうに考えるわけでございます。
  113. 沢田実

    ○沢田実君 その会社は、百万円の資本金で九十万円組合が出資しているのでありまして、いまおっしゃったような内容とも若干違うと思います。そういうような、たくさんございますけれども、それは一九六七年版の農協年鑑から出ていることですので、これは百五十ばかりございますが、まだまだたくさんそういうものはあるということで、われわれも実態を調査したいと思っておりますが、また農林省のほうでおわかりになったら教えていただきたいと思います。  私特に申し上げたいのは、こういうものがはたして農民のためになっているかどうか。農民のための農協から離れて農協のための農協になりつつある、そういうことで、第二会社ができてその危険負担はみんな農民である、利益を受けるのは農民でないという傾向になるのを心配して質問した次第であります。よろしくお願いします。
  114. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 いま局長のいろいろな答弁を伺っていますと、第二会社についての農林省考え方というのは、農協問題の検討についてというので、農林省農協課が、第二会社について農協に対する監督との見合いにおいてある程度行政庁の監督、権限を及ぼすべきであるかという問題提起をして、それに対して、先ほども局長から答弁がありましたように、結論は出ておるわけなんですね。だがいろいろな事情があってということなんですけれども、しかしここまで——農協問題検討会というのは農協の方も入って、学識経験者も入って結論出しておられるわけなんですからね。宮脇さんはじめ柳田さんとか学識経験者のりっぱな人々が出てそういう結論が出ているわけですから、もう少しこれはやはり進めていくべきだと思いますね。確かに局長答弁のような点はあるわけであります。全面的にこれを否定をするわけではありません。そういう点はありますが、ただあまりにもこの問題についての農林省の体制が弱いように思います。体制といいますか、実情の把握といいますか、実に弱いという感じがしますね。鹿島の問題についても、どうもあまりはっきりしていないようだし、百五十四あるというお話なんだけれども、幾ら出資なのかということもおわかりにならないようだし、さらに、いまお話のように六百幾らあるというんですね、これは五〇%以下の出資のものでしょうけれども。それにしても把握のしかたがはなはだしく弱いという気がするし、さらにまたこれは一つの風潮みたいになっているんですね、こういうものをつくっていくことが。というようなときですから、これは私は、農林省は、政府、行政庁としてはもう少しやはり積極的にこの問題については取り組んでいくべきだ、農協との問題についてもいろいろ協議をしていくべきじゃないか、あるいは出資という点をとらまえて監督していくべきじゃないかというように私は思います。大臣これもう少しきちっとしていかないといけませんですね。
  115. 長谷川四郎

    ○国務大臣(長谷川四郎君) どうも私もそのような感じがいたします。したがって、今後の農協事業運営というものについては、いま少し考えなければなりませんし、また必要なら刷新を加えなければならないだろう、このように私ははっきりとお答えを申し上げられると思うのでございます。
  116. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 次に、先年非常に大きな問題になりました千葉の農協事件ですね、これのあと始末がどうなったのかということを伺いたいわけなんです。これはもう有名な事件であって、先刻御承知のとおりでありますが、共通役員制の問題と関連がありますし、第二会社との問題にも関連があります。千葉県の農協の四連が、中央会、経済連、信連、それに共済連ですね、この四連が出資してつくった千葉県農協不動産株式会社、この会長は当時四連の共通会長ですね。この人が千葉県の農協不動産株式会社、つまり農協の第二会社の社長をやっとって五千万円だまし取られた。それを穴埋めするために修善寺の山林を五百万円で買ったと。その金は共済連が連帯責任になって信連が出した。しかし、その修善寺の山は二束三文で、とても五百万円どころの山じゃない、とんでもない話だという事件なんですね。農協がつくった千葉県農協不動産株式会社、その社長は四連の会長だと。さらに取締役には四連の専務理事が全部なっている、こういう事件なんですね。これについて私は、第二会社の問題もありますけれども、一体結論はどういうふうになったのかという点をお尋ねをしたいわけです。
  117. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) この問題は刑事問題とそれからむしろ農協の管理運営の問題と二面から見られるのじゃないかと思うんでございますが、ただいま先生のお尋ねの趣旨はむしろ後者であるというふうに理解いたしておりますので、そういう観点からその後の経過を申し上げたいと思います。  その後いろいろな経緯があったわけでございまして、その途中の段階でかなりの紛争みたいなことがあったわけでございますが、結論的に申し上げますと、当時四連の会長でございました、いまお話のありました秋葉という人が退きまして、そして四連はそれぞれ単独の会長制をしくと、こういうことに一つなったわけでございます。  それからこの千葉県の場合は完全な共通役員制を採用しておったわけでございますが、平理事につきましては——当初会長が、四十二年当時てございますが、共通会長制の廃止は四十二年に実現をしておったわけでございますけれども、平理事の共通役員制はそのまま存続をしておったわけでございます。しかし、ごく最近に至りまして、これは本年に入りましてからでございますが、平理事の共通役員制も大幅に改変をする。こういうことになりまして、信、共、販この三連の理事はそれぞれの理事を兼務できない、ただ中央会の平理事との兼務は、これはよろしいということで、要するに信、共、販の経済関係の三連の理事が中央会の平理事を兼ねるというようなかなり限られた形の共通役員制でございますが、それは現在におきましても採用いたしておるわけでございます。まあ組合連合会の管理体制の上から申し上げますと、そういうような結論になったわけでございます。  それから若干それに関連をいたしまして、この問題の善後措置と申しますか、それにつきましては、四十三年の終わりごろに千葉県の知事が仲立ちをいたしまして、信共販の三連の会長と、問題の当事者でございます秋葉氏との間に話し合いをいたしました。その結果一応の結論が出ておるわけでございます。その結論というものが、おおよそ申し上げますと、従来農協連合会長というような地位に基づいてついていたような公職はこの際一切辞任をする、それから共済連が所有する、これはいろんな経緯がございまして、旅館の土地建物を所有するという形になっているわけでございますが、これについては早急に処分するような措置をとる、それから第二会社でございます農協不動産という会社の欠損金につきましては、その補てん措置について今後努力をするといったような内容の了解が知事の仲介によりまして一応昨年の暮れに成立をいたしました。その後その実行段階にある、こういうところでございます。
  118. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 これは二年前に私が当委員会におきまして伺った問題なんです。それでいまお話のような結論になったわけで、要するに四役共通役員——共通役員制度というものが、この問題が出た、奇妙な事件が起きたやはり根本的な原因ではないかという私の考え方だったのですが、やはり結論としては共通役員制の大きな改変が行なわれて、それぞれ単独の会長を置かれるということになるし、もう一つ会長であるというところから公職につくという、そういう公職を辞任するという点もこれは非常にいいことだと、農協法に専任の義務があるわけですから当然こういう公職については辞任をするという態度をとられたということは、こういう問題が起きて何かすっきりした農協になったような感じがします。  もう一つお伺いしたいのは、業界紙等で有名な愛媛の事件です。この愛媛の事件についての経緯とそれから結論を伺いたい。これは局長、有名なんですよ。
  119. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 私、詳細な内容を十分に把握しておりませんので、まことに恐縮でございますが、農協課長から答弁させますのでお許しを願いたいと思います。
  120. 小野重和

    説明員(小野重和君) 私の手元に資料がございませんので、詳細な御答弁ができかねるのでございますが、概要について申し上げますと、愛媛県は従来から完全な共通役員制でございまして、共通会長制であったわけです。それが、ある第二会社に関連するのでございますけれども、欠損金が生じたわけです。この第二会社というのは経済連の第二会社であります。そういう問題とか、あるいはそういう業者との紛争というものがあったわけですが、いろいろ事情がありまして、いろいろな経緯があったわけでございますけれども、この共通役員制が廃止されまして、廃止されたのは私の記憶ではおととしであったと思いますけれども、共通役員制が廃止されまして、現在では各平理事、それから常務の理事も全部別々になっていると、そういうことでございます。概要でございますが、そういうことでございます。
  121. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 これ局長御存じないとはいけません。これ業界紙で有名な事件なんです。きのうぼくは農協課長に電話で話したら、農協課長から言いましたよ、ああ愛媛県の事件もありました。これ有名な話ですよ。それで私も思い出したのです。ですから、そういったわりには説明が非常に簡単だったですね。しかし、いずれにしても問題は、その第二会社、四役共通、共通役員という点に問題があるのです。そして、この共通役員という制度が廃止になるということなんですね。そこで、この第二会社は別にいたしまして、四役共通役員制について一体農林省はどう考えているのだということなんですが、まあ私のほうから説明すると早くなっちゃうけれども、早いほうが簡単でいいですが、農林省はどう考えているのだという点ですね。これもやっぱり家の光協会が出している本によりますと、共通役員制について農林省が三十六年に通達出しておりますね。これは当該連合会あてに通達出している。続いて三十八年の五月に農林省は、各都道府県の知事に対して共通役員制の処理方針を通達していますね。その内容は、ポイントはどこにあるのですか。
  122. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) この共通役員制の問題も、組合の管理上の一つの問題としてはなかなかむずかしい問題だと思うわけでございますが、私どもが次官通達等で示しております考え方は、この基礎的な考え方でございますが、この共通役員制について、これは一がいによろしいとか、あるいは農協の管理体制として不適当であるとかいうような断定は非常にむずかしいわけでございます。確かに共通役員制をとることによりまして各連合会間の緊密な連絡が保たれる、事業運営についての思想統一が非常にしやすいというような利点が一面においてはございます。また、あるいは経費の節減というような点でも、そういうふうな利点がございます。しかしまた他の面から言いますと、非常に何と申しますか、役員が共通でございますから、それぞれの人の考え方によりまして特色を発揮するというような点がなくなるわけでございますし、たまたまある会長さんの考え方があったといたしますと、それが全部を支配する。千葉の場合はその非常に悪い例でございますけれども、そういうような例もあるわけでございます。それから、やはり組合連合会の事務処理あるいは管理体制というものを的確にやっていくという点からいいますと、なかなか一人の方が全部見るということでは目が届かないというようなこともあるわけでございます。そういうような利、不利がいろいろございますので一がいに断定はできませんけれども、少なくとも共通役員制をとる場合には最小限次のことは十分考えてそれの不利な点を補うような措置を講ずべきであるということで、特に信連及び共済連につきましては、共通役員制、共通会長というような場合におきましても、必ず専任の専務理事を置くべきである。あるいは、監事につきましては全部が共通というようなことはやはり非常に問題があるので、全部が共通ではなくて、一部の人は単独であるというような形をとるようにといったような、そのマイナス面を補うような措置を的確に講ずるというような線で実は指導をいたしておるわけでございます。
  123. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 そうしますと、この三十六年に共通役員制について当該連合会あてに出し通達趣旨をいまポイントを御説明になったのですが、三十八年の五月に都道府県知事に出しました共通役員制の処理方針も同じようなものですか。
  124. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) これは考え方といたしましては両方別段の差異はございませんで、実は私がいま申し上げたのは三十八年の次官通達のポイントだけを申し上げたわけでございますが、内容としては大体同じでございます。
  125. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 三十六年のときのこの当該連合会に対する通達と、それから三十八年の五月の都道府県の知事に対する共通役員制に対する処理方針と、内容は同じだということですか。共通役員制については適否は慎重に検討するということになっていますね。ただ最小限、農協法の三十三条に違反にならないように、さらに農協法の十条ですね、十条の、信連があるいは共通連が他の業を兼務してはいかぬということに違反にならないようにというような最小限度の条件をつけてまあ通達出したということなんですが、この通達、共通役員制については非常にあいまいだし、どちらかというと否定的なようにとれるのだが、どうもそうでもない、これから検討する、煮え切らないというのか何というか——だから、こういうことだからいけないのですね。私はそう思うのですけれどもね。  そこでこの「農協の現状」という四十二年の三月のやつですね。これの——局長のところありますかな。あるでしょう、これは残っているでしょう、最後の書類だから。これの百二十六ページから百二十七ページですね、「役員の共通状況の実態」というのがありますね。これは四十一年の九月現在のやつですね。四十二年にできた書類ですから、四十一年の九月現在。これを見ますというと、この通達に違反しているのがありますね。ありませんか。通達に違反しているのがだいぶあるんじゃないですか。
  126. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) まあこれは、お示しいただきましたのは若干古い資料でございまして、その後もう少し新しい資料がございます。
  127. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 いや、このときのことで言っているんだ。四十一年の九月で言っているんだ。
  128. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) まあ私ども指導をいたしております線にそのままぴったりはまってないというケースもございます。
  129. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私はこの資料を示して聞いているんですよ。わざわざページまで、めんどうくさいけれども言って、おたくの出した資料なんだ。その何ページと、こう言って、おたくが出している一番新しいあれでしょう。それのこれを見るというと、通達は三十六年にお出しになったけれども、この通達に違反しているところがたくさんあるじゃないですか。あるようだとぼくは言っている。書いてある、違反しているのがあると。備考を読んでください。通達に違反しているかいないかぐらいはしっかりせにゃだめですよ、行政庁として。
  130. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 先ほど申し上げましたように、信連それから共済連の専務理事というのは、これは少なくとも単独の者を一人置くように、こういうような指導もいたしておるわけでございますが、たとえばそういうようなのに合致してない連合会が当時の資料でかなりあるわけでございます。ただ、それにつきましては、その後いろいろ指導を加えました結果、現在でもなお一部残ってはおるわけでございますが、かなり改善は見ておるわけでございます。
  131. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 いや、私はこの資料で言っているんだから……。三十六年に当該の、該当しているところの共通役員制をとっているところに三十六年に通達出している。それから五年たっている。にもかかわらず、共通役員制の半分以上が違反している。そうでしょう、これはおたくの資料だから。十二違反しているとちゃんと出ている。こういう姿勢だから困るんですよね。ぼくは言っている、もう少しはっきりしたらいいんじゃないかとね。通達出したんですから、しかも法律に抵触しているんですよ。農協法の十条で、これは困ると言ってある。これは困ると言っているから、最小限のことは守ってくれという通達出している。それを五年たっても、四十一年の九月ですか、まだ共通役員制の中の半分以上のものが違反しているというんじゃどうですかということを私は言っている。そういう姿勢ではなかなかたいへんですよと、農協の問題について。その点についてお考えをひとつ聞いておきたい。
  132. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 確かにそういうような経過になっておりまして、私どもその点はなはだ遺憾だと思っているわけでございますが、私どもその後さらに努力いたしまして、いろいろな地元の事情があるようでございますけれども、そのつどいろいろの指導をいたしまして、現状におきましてはかなり改善を見ているということは、ひとつ御理解いただきたいと思います。
  133. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 現在違反しているところはどことどこですか、通達に違反しているところは。
  134. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 四県ほどございます。県を申し上げますと、宮城県、奈良県、島根県、高知県でございます。
  135. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 とにかく法律で、農協法十条ではっきりしておるわけですからね。だからその点については違反しないようにということを出しておられるわけですよね。農協法の十条の六項と八項ですねそれにはひとつ違反しないようにということで、通達を三十六年に出して、そこでちょうど五年後の四十一年に共通役員制をとっているところの半数以上が、半数ちょっとが違反をしている。それからさらに四年たって、三十八年にさらに通達を出されたわけなんですけれども、なお四県違反をしている。そういうことじゃ、これはもう農林省なんかあってもなくても同じことじゃないですか。通達出して八年かかっているのですよ、これ……。法律違反だけはやめてくれと、こう書いておって、それに堂々と違反されておるということはどうですか、これ……。
  136. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 私どもはそういう通達出しておるわけでございますから、極力通達の線に沿うようにする必要があるわけでございまして、そのための努力をいたしておるわけでございますが、ただ弁明いたすようで、これはちょっとそういうふうに御理解いただくと困るわけでございますが、実は法律違反ではないわけでございます。法律は、信連及び共済連は、他の事業の兼営ができない、こういうことでございまして、その趣旨からいえば、その仕事に携わる人がほかの仕事に携わることは、本来農協法で規定しております趣旨からいって好ましくないという観点から、そういうことはしないようにと、こういう指導はいたしておるわけでございまして、それだから残ってもいいのだということを申し上げるつもりはさらさらございませんけれども法律違反でないということはひとつ御理解をいただきたいと思います。
  137. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 いや、あなたね、農協法の十条のこの六項と八項ですね、そんなことおっしゃるけれども、これはその程度やっていかないと困りますよ。だから、通達出したのだから、きちっとおやりになったらどうですかと私は言っている。しかも三十六年に該当の連合会通達を出されて、三十八年に今度都道府県の知事に出されておるわけでしょう。そうしていま八年たったわけでしょう。それでなお四県ある。しかもことしは改選の時期じゃないですか、改選の時期だったわけでしょう。またそれぞれその理由があったのだろうと思うのです。まあ局長はついこの間なられたばかりだから御存じないかもしれないけれども、ですからどうも私はそういう点、農林省が行政庁として、こういう点についての態度がどうも不明確ですね。だからそのため世上いろいろ農協の問題についてもいわれている。そういう問題についてどうもすっきりしない。これなんかも典型的な例だと思う。実際、大臣、これはどうですか。ひとつ通達出してやっているのですから、しかも最低限の条件だと局長も言っているのですよ。そういうものを八年もほうっておいて、まだ四県残っている。しかもことしは改選の時期だったはずですよ。そういうときにやっぱり行政庁としては努力しなければね。事実千葉県事件みたいのが起きて、さらに愛媛県事件みたいなのが起きているんですから、とにかくこれは通達出しておられるんですから、まあ大臣通達じゃないですけれども、事務次官通達だけれども、やっぱりしっかりしていくべきだと思いますがね。
  138. 長谷川四郎

    ○国務大臣(長谷川四郎君) 法律違反でないからそれでいいというわけでもないし、要は通達の意思が、これが通らなければなりませんし、その通達の意思が貫徹できるよう今後十分指導をいたしてまいりたいと考えます。
  139. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 結局千葉県事件の場合は共通役員制を廃止して、あるいはそういう問題について大きな変革をし、あるいは愛媛県事件の場合におきましても、共通役員制についての根本的な反省が行なわれて、是正が行なわれている。これから、何せ二十二、三ある中の二つも起こるといったら、これでかいですからね。ですから共通役員制の問題について一体行政庁はどう考えているのか。これは三十五年以来はっきりしないわけですよ。何か検討していくんだ、これからも慎重に検討していくんだと、ただこれだけは守りなさいということを言いながら、今日まで慎重に検討する、適否は検討する、検討すると言ってきている。そして八年か九年、もっとかかった。これ三十五年ごろからだからどうなさるおつもりですか。   〔委員長退席、理事高橋雄之助君着席〕
  140. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) さっきも若干お答え申し上げたわけでございますが、この問題は実際問題として非常にむずかしい問題で利点もございますし、また運営のしかたによってはマイナスもあるということでございますから、やはりそれぞれの県の実態に応じて共通役員制を採用するのがいろんな観点から判断をして好ましいという場合に共通役員制を採用するということを私は否定はできないというふうに考えるわけでございます。ただ、その場合に共通役員制をとる場合に、先ほど申し上げました信用事業あるいは共済事業につきまして、少なくとも専務理事を置けといったような、これは最小限度の事業の健全性を確保するための措置でございますから、そういうものがただいま四県について十分でないという御指摘、おしかりを受けたわけでございますが、私どもはそういう点についてはさらに努力をいたしまして、そういうような共通役員制の不利を補うようなことについては的確に御指導申し上げて実現をする、そういうことを併用していくことによって実際上最もいい管理体制を確保するということが基本的な考えであるというふうに考えておるわけでございます。
  141. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 千葉事件に対して、あるいは愛媛事件に対する反省というのはないんですね。一回こういう問題起こったらたいへんなことですよ、そこの県連にとっては、県の農協にとっては。もっとこれは慎重な態度がぼくは望ましいと思うんですね。農協の不正が非常にふえているんですね。その問題についてはまた別にやりますけれども、非常にふえているんですね。まあ事件的には減っておりますけれども、金額的にはたいへんな激増をしているわけですね。その一番大きな原因は何かと言えば、これはやっぱりなれ合いですよ、ほとんどなれ合いです。仲よしでやっていこうやというところに根本的なものがある。だから内部監査からはほとんど出ない。はっきりしておるわけですよね。しかも農協というのが、先ほどから秋田の例あるいは新潟の例にあるように、農協の組織というのがどういう組合員の意識の実態であるかということがはっきりしているでしょう。その場合に、これはあなた、独裁的な制度というのはいいわけはないですよ。だから農林省としては、これからも検討する、これからも検討すると言っている。あなたのいまの説明はそれに反しはしませんか。いまのお話は検討するというんでしょう。結論出していない。そうじゃないですか。共通役員制については検討する、検討すると言っている。どうもいまのあなたの説明ですとちょっと違うように思うんですがね。まあそれは別にしても、私はそういう点は根本的に考えて、めんどうだということは、これは人事の問題ですからめんどうでしょう。しかしはっきりしていかなければならぬことははっきりしていかなければ、私は処理つかないと思いますがね。さっきの局長答弁、少し従来の方針と違うように思いますけれども、違いませんか。
  142. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 気持ちといたしましては、私はそう違わないのではなかろうかと。非常にむずかしい問題でございまして、一がいにこれに対する決定的な結論を出すというのは非常にむずかしいわけでございますけれども、当面の考え方としては、私どもはやはり共通役員制は適当でないとか、あるいはけっこうなことであるとかいう問題ではないんで、やはりそれはそれぞれの利益、不利がございますので、少なくとも利点は生かし、不利な点は是正するような措置を講じていくというのが当面の態度であるということを申し上げたわけでございます。
  143. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 局長、さっき答弁にありましたように、共通役員制の適否については今後行政庁として検討すると、こうなっていたんでしょう。その立場は貫いてもらわなければ困りますよ。適否については検討する。どうも行政庁の農協に対する態度というのは——。  次に三段階制の問題について伺いますけれども、三段階制というのは法律上は中央会には三段階制というのがありますけれども、三段階制の具体的な問題についてちょっとはっきりさせておきたいんですが、これもこの本に出ているんですけれども、わかるように実によく書いてある。正会員三千名以上の大規模の農協で中国・四国大規模農協協議会というんですか、というのがあったんだそうですね。これが手数料の問題、つまりねむり口銭、トンネル共販の問題ですね、の手数料の合理化の問題で業を煮やして、そしてついに単協が全国連に直接加盟をしたいということをこの大規模農協の中国・四国の協議会が大会で決定をして、それで単独で加入することを申し込んだ、単協として全国連に単独で加盟することを申し込んだ。中央会はそれを今日に至るも握りつぶしているようだ。これは、今日というのは、このときは四十二年の十月ですね。  そこでお尋ねするんですが、単協が全国連に直接加盟するということを法律上は拒否できるんですか、できないんですか。単協が単独で全国連に加盟するというふうに申し込んだ場合に、それを拒否できるのかできないのか。
  144. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 農協のほうからは、必ず県連に限るというような限定はございません。単協が加入する道もあるわけでございます。
  145. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 これは農協の大原則なんですからこれを踏みはずしてはまずいですね。だから単協が全国連に加盟を申し込んだ場合にはこれを拒否する理由はない、法律上はない。にもかかわらず、全国中央会が長年にわたってこれを握っているというのはどういう理由ですか。   〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕
  146. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 私ども理解といたしましては、確かにそういう非常に強い要望が一方ではあるわけでございますが、やはり従来の農協の組織の形といたしましては、単協、県の連合会全国連合会といういわゆる三段階制を採用していると、それに対しまして単協が直接全国連に加入ということになりますと、これは例外的な形になるわけでございます。それで、そういう非常に例外的な形をとるということが今後農協全体としての組織をどういうふうにしていくか、あるいは事業のやり方をどういうふうに合理的にやっていくかというようなことの十分な検討なしにやるということは適当でない。そういうような意味で、いわば中央会預かりみたいなかっこうになりまして、この問題、要するに中央会あるいは経済関係連合会を含めまして系統農協の全体の問題として、いわば従来の農協事業のあり方、あるいは組織のあり方というものを根本的に洗い直して、その上でこれに対しての結論を出そうと、こういうような含みで、その後引き続いて検討が行なわれていたというふうに私ども理解をしているわけでございます。
  147. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 これは協同組合の大原則、加盟脱退の自由ですね。その原則からいって、単協が単独で全国連に加盟をするという申し込みをしたときにそれを拒否する根拠は何もない。さらに三段階にしなきゃならないという法律もないでしょう。三段階にしなきゃならないということがないという場合に、その自由の原則というのは守るんですか。協同組合原則である加盟の自由というそれを守るんですか。どこにも法律違反してないんです。守るか守らないか。
  148. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 日本の農協運動の——運動といいますか、事業の従来の経緯というようなものが一方であるわけでございますが、御承知のように、産業組合当時から三段階制というものを採用しております。それが戦争中の農業団体法のときにはっきりしたかっこうとして三段階を制度化したわけでございます。その後、そういう考え方は全く適当でないということで、いまお話のございましたような農協に対する加入あるいは連合会に対する加入というものは自由であるという原則が打ち立てられたわけでございます。  ただ、それならば農協の組織というものはいろいろな、全くばらばらでいいのかというと、それはやはり農協としてはこういうような組織の形というものが一番いいという考え方があるということは、私は当然であろうと思うわけでございます。ただ、それが従来の歴史的な経過なり何なりの上に、悪いことばでございますが、安住をしてそのままのかっこうを維持しようとすることは、これは非常に問題があるので、農業を取りまくいろいろな事情の変化、あるいは農業内部の事情の変化というものがいろいろございますから、そういうものの上に立って適当な組織あるいは事業のあり方ということがきめられる、農協全体の意思としてまあきめられて、なるべくそういう方向にいくような指導が行なわれるということは、これまた当然のことであろうというふうにまあ考えるわけでございます。  で、まあその後農協、系統農協の中でいろいろなこの問題についての検討が行なわれておるわけでございますが、私ども承知しております限りでは、組織としては三段階がやはり好ましいのではないかと、ただそれを固定的にするのではなくて、事業のあり方としては、ある事業については必ずしも、必ず三段階を通るということではなしに、単協から県連でよろしいと、あるいは単協からある場合には全国連ということでもよろしい。そこいらは事業の実態に応じて硬直的でなく、必要な経路をたどり、必要な範囲のその事業のつながりでいくというようなことが最もいいのではないかというような大体ニュアンスの考え方になっているようでございます。この問題は終局的には私はやはり農協の中の皆さん方の意思統一の問題であるというふうに考えるわけでございますので、そういう点についてひとつよく農協の中で議論をし、納得の上でしかるべき結論を得るというようにするのが一番よろしいのではないかと考えておるのでございます。
  149. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 農協合併促進によってまあ大型農協相当続々出てきたわけですが、そうでなくても、販売の問題についても購買の問題についても、種々段階制について問題があるのですね。ですから、単独で加盟したいと言っているのは、やはり手数料等の問題について非常に不満がある、これを是正しなさい、合理化しなさいという点に一番やっぱり問題があってですよ、しかも全然別の人が言っているのじゃないのですよ。農協の中の人が言っているのですよ。全然別の人がおれ入れろと言っているのじゃないのですよ。農協ですよ。しかもその農林省がですね、農協も一緒になって合併せい合併せいと言ってできた模範生が言っているのですよ。どこか矛盾を認めてこういう強い意見を出しているのか。みんなはっきりしているわけですよ。  それをですね、何か局長のいまのお話しですと、まあこれは局長の話になるか、農協考えなのかよくわからぬ点もありましたですがね。従来から、戦争前から三段階できたからこれでよかんべえというような話じゃですな、まあどっちを向いているかわからないじゃないか。合併やったんでしょう。その合併をやったような、最もその優等生の人たちが単独加盟やると言っているのです。四年もたっている、五年もたっているわけでしょう。しかもいまだにきまらぬ。宙ぶらりんになっている。しかも加盟の自由という大原則があるのです。どこかから突破口をつくらなければ、どこかから考えていかなければこういうやっぱり大きな組織というのは改善されていかぬのじゃないですかね。  これは大臣が片はだ脱いで、一はだ脱いでというのかですね、脱いでですね、こういう問題についてはやっぱり対処していかないとですね。どうも農林省も前は農協部というのがあったんですがね、課になりますとちっちゃくなったですね。第二会社なんかろくすっぽ知らぬということになったのです。中身もようわからぬと、新聞は盛んに書いておるけれどもよくわからぬというような実情になったのですね。もう少しこれは、それは農協というのは民間の自主的な団体ですからね。しかし、この法律にのっとってできておるのですから、農協法という法律によってですね、法律によって行政庁としてはするべきことはしていかなくてはならぬことなんですから、ですからね、どうも大臣ね、これはやっぱり一はだ脱いでですね、一はだじゃだめですね、もろはだ脱がなくちゃならぬ。脱いでですね、ひとつ腹割って、大臣、米と同じですよ、米の調子でやらなければいかぬのですね。どうですかね、これ。
  150. 長谷川四郎

    ○国務大臣(長谷川四郎君) なかなかむずかしい御質問でお答えしにくいのでございますけれども、何といっても農協はいま独立をしているその一つ法律の中にあっての範囲内においての何というか、農協の使命を全からしめているわけでございますけれども、その中においていろいろ、先ほどからの長い間の御質問になったような御指摘の点がたくさん出てきているわけでございます。私は、やはり農協はもう少し農協としての使命感に達しなければいけない、これだけはまさにそういうふうに痛感をいたします。また他の面につきましても、農協をめぐるいろいろな問題がいま各県から起きてきている、これも見のがすことのできない事実だと思います。といって、いますぐそれが行なえるかというと、なかなかこれも簡単に行なうわけにはまいりませんので、こういうような状況をめぐる中に立っての農協がほんとうの農協の使命感に達し、そうして事業が完徹できるような指導と言ってはなんですけれども指導方針をもって今後進んでまいる考え方でございます。御答弁になるかならぬかわかりませんけれども、そのような考え方に立っているということだけは御理解願いたいと思います。
  151. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 この四十一年に全国連に直接加盟をしたいといって申し込んだのは二十八組合なんですね。いまは幾つあるのですか。
  152. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) その後数が変わったということは私ども承知しておりません。おそらくそのままの数であろうと思います。
  153. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 それを局長、調べて答弁してくれませんか。ぼくの数字はこれに載っている四十一年の三月ですから。
  154. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 私申し上げましたのは、当初、中国・四国大規模農協協議会というものが結成されまして、それが全国連に対して加入申し込みを出した、こういう経緯がございまして、それがお話しの数であるわけでございます。で、その後私どもは追加申し込みを出したということは実は私、承知しておらなかったので、そのままの数であろうと申し上げたわけでございますが、ただ組織といたしましては拡大をいたしたわけでございます。全国大規模農協協議会というものが四十三年の十月に創立されておるわけでございます。そういう意味ではさらにより広い運動になったということは申し上げられるわけでございます。
  155. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 この本によりますと、四十一年にその三十幾つの中国・四国大規模農協、三十幾つですか、三十八ですか、そうしてそこで決議をして、単独でひとつ全国連に加盟しようじゃないかという決議が行なわれて、その中で実際加盟を申し込んだのが二十六ですか、というふうに載っていますね。その後のことがわからないので伺ったのですね。いまのお話ですというと、中国・四国大規模農協協議会というのは解散をして去年また一段と大きな大規模農協の協議会になったようですね。それでその後の数字はわからないということですが、調べてひとつ答弁をしてもらいたい。  いろいろいま御質問をいたしました中で、お調べいただいて答弁いただくものや、それから資料をいただくものやらいろいろあるわけですが、ここらでひとつ中断をしてと思いますね。
  156. 任田新治

    委員長任田新治君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  157. 任田新治

    委員長任田新治君) 速記をつけて。
  158. 中村波男

    ○中村波男君 きょう私が御質問申し上げる予定ではなかったのでありますが、時間の関係でいましばらく質問を申し上げるというよりも、先般御配付いただきました農業協同組合法の一部を改正する法律案参考資料について、さらに具体的な内容について若干お聞きをし、次の質問の参考資料にいたしたいと思うわけであります。  一ページの「農業協同組合の組織」という表でありますが、専門農協のほとんどが三十六年三月末現在よりも四十三年三月末現在までの間減少傾向にあるわけでありますが、その原因と経過と申しますか、どういうわけで専門農協が減少をしたのか。この減少——数字の上で減少しておりますが、これは専門農協が合併したという理由に基づく減少もあるかとも思いますし、つくったことはつくったけれども、うまくなくて解散をした、こういうものが相当部分占めておるのではないかというような感じもいたすわけであります。したがって、これについての具体的な内容をひとつ資料として御提示いただけるかどうか、第一の問題点がそれであります。
  159. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 御承知のように、専門農協というのは、非常に規模の小さい農協が多いわけでございます。たとえば養蚕農協というようなものをとりますと、旧町村未満というのがほとんど全部でございまして、さらにその旧町村の中でも幾つかの農協に分かれているというような実態があるわけでございます。そういうような実態でございまして、私どもは三十六年以降やはり農協の規模を拡大しないと健全な事業運営ができないというような観点から、合併促進運動を行なってきたわけでございまして、そういう線に沿いまして、専門農協におきましても相当程度の合併が行なわれているわけでございまして、私ども理解では、やはり合併が一番多いというふうに理解をしいてるわけでございます。もちろん一部非常に弱体な組合がございまして、当初から設立はしたけれども、ほとんど休眠状態で、事業をあまりやってなかったのが解散をしたというような事例もあるわけでございますけれども、やはり大筋としては、いま申し上げたようなことであるというように理解をいたしているわけでございます。  解散、合併というような事由別の減少の形というものにつきましては、ただいま御要求の資料につきましては、私どものほうで取りそろえまして御提出をいたしたいと思います。
  160. 中村波男

    ○中村波男君 一般的な傾向として、農政局長から御説明をいただいたわけでありますが、それを数字の上で——また新しくできたものもあるであろうと思うわけであろうと思うわけです。新しくできた、合併をした、解散をした、したがって何年にはこういう数字になったというように、具体的にひとつ資料をお作成をいただきたい、こう思うわけであります。  それからそれに関連をいたしまして、専門農協の合併というものをいかにお考えになってきたか、また今後どうお考えになっておるのか、合併促進法でありますか、これはまあ専門農協を中心に置かれておったと思うのでありますが、専門農協については、どういうふうに今後対処されようとしておるのか、この点をひとつ明らかにしていただく必要があるんじゃないか、こう思うわけであります。
  161. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) まあ率直なところを申しますと、従来の日本におきます協同組合の組織なりあるいは事業活動についての基本的な姿というのは、総合農協主義といわれておりますようなかっこうが非常に多かったわけでございます。町村単位に、各種の事業をやる協同組合をつくりまして、それが組合活動の中心になるという姿が従来ずっときたわけでございます。ただ、最近のような事態で、かなり農業の形というものが専門化してくる、従来は米中心でありましたものが園芸関係が非常にウエートを増してくるとか、畜産関係が新たに非常に発展をしてくるとか、そういう変化があるわけでございまして、そういう変化に対応するために、一方では専門農協というものをつくって、そういう専門の知識なりあるいは専門の観点から事業運営をはかるということが、あるいはそれに技術指導を結びつけてやっていくというようなことが必要であるという考え方が逐次出てまいったわけでございますが、私どもはやはりそういう動きというのは、これはやはり十分に評価をすべきであるという考え方を持っておるわけでございます。単に全部総合農協というかっこうでやるのがすべていいんだというふうに一部では考えられる向きがあるようでございますが、私どもは必ずしもそう固定的に考えないで、それぞれの実態に応じて専門化したほうがいい場合にはやはり専門農協でやっていくということを十分評価すべきである、こういうふうに実は考えているわけでございます。  ただ専門農協の場合に、とかく組合員数とかあるいは地域の広がり等が、おのずから主産地がかなり限定的であるというようなことで、制約をされるという事態がございますので、これにつきましては十分組合事業運営がうまくいくような基盤というものはやはり十分考えておく必要がある、そういうような点から見ますと、戦後専門農協はかなりできまして、そういう経営基盤というものが十分でない組合が実はかなりあるわけでございます。したがいましてそういう組合につきましては、やはり経営基盤を強化するような、あるいは規模の拡大をはかるようなことが必要である。ただそれは一がいに総合農協と同じような観点から進めるべきではないので、やはり地域的な広さから見ましても、より総合農協に比べて狭いという場合もある実情でございますし、またそれは避けられないというふうに考えておりますので、私どもはやはり一般論としては合併ということは十分に考えるべきだけれども、それはその地域の実態なり専門農協の対象あるいは農業の部門の性格なりに応じて判定をする必要があるのではないかというような、一般的な考え方を持っているわけでございます。
  162. 中村波男

    ○中村波男君 まあ私がお尋ねをいたそうとしたのは、専門農協の位置づけ、目的ということについて、農林省のとってこられた指導なり、方針に対して意見があるのではないのでありますが、この二ページの表を見ましても、養蚕専門農協は町村未満の農協が二千六百七十六、畜産になれば、千三百五十六、トータルでパーセントを出しておりませんけれども、町村未満の専門農協が八割八〇%以上を占めているのではないかというような感じがするわけであります。したがって専門であるがために、地域的は小さいものがつくられるという、そういう立地条件というものもわかりまするけれども、しかし今後の農政を施行いたします場合に、少なくとも専門農協であっても、町村を一つにまとめるということは、いろいろまあ条件の違うものがありますから、画一的にはいかぬにしても、大ざっぱにいえばそういうことのほうが望ましいのではないかという感じがするわけであります。そういう点から見まして、これをこのままに放任しておくのか、そういう方向で総合農協の統合か合併が一応軌道に乗り、合併助成法も期限切れになったわけでありますので、この次には専門農協に手をつけるというような方針があるのかないのか、また、そういう必要がないというならば、これはまあその理由を明らかにしていただきたいと思うわけであります。
  163. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 専門農協の規模がいかにあるべきかというのは、これはなかなかむずかしい問題だと思うわけでありますが、私はこれは業種によってかなり違うのじゃないかという感じを持っているわけでございます。たとえば養蚕農協でございますが、これは非常に小規模のものが多いわけでございます。といいますのは、私の理解では養蚕農協はもちろん繭の取引というようなことも大きな事業としてやっているわけでございますが、一方では生産面の共同化といいますか、そういうような事業もかなり広範にやっております。たとえば稚蚕共同飼育所というものを養蚕農協が設けまして、そこで稚蚕の共同飼育をやるというようなことをやっているわけでございまして、そういうようなことから言いますと、やはり組合員としてのある意味の協業組織の一環みたいな感じになりますので、要するに、組合員の思想統一が十分はかられるような規模が必要であるというような感じがあるわけでございます。ところが、まあたとえば園芸関係で、たとえば果樹の専門農協というようなことになりますと、これは必ずしもそういう感じよりも、むしろくだものの選果関係とかあるいは出荷等について相当規模の大きい施設を組合が持って、一つの主産地的なものを商市場に売り込むというような観点もかなり多うございますので、かなり規模が大きくなる可能性があるわけでございます。また開拓でございますと、これはまた非常に規模が小さいというような、いろいろな事業の種類によりまして性格の相違もございますので、私どもは一律的にはこのままの規模がいいということはなかなか言いにくいのではないかという感じは持っているわけでございます。  ただ、やはり一般論としては組合の経営基盤なり、規模というものはこれは大きいほうがより強いという面が一面では確かにあるわけでございますから、私どもはやはりそういう両面の調整をはかっていく必要があるので、一がいには言えませんわけでございますが、一方ではやはりそういう合併ということについても必要なる限度においては十分配慮をしていく必要があろう、こういうような感じを持っているわけでございます。
  164. 中村波男

    ○中村波男君 私の質問に答えていただかないというのか。そうではなしに、いまのところ農林省は全く方針がないんだ、専門農協についての私が申し上げた、少なくとも町村と言いましても、町村合併によって人口三万くらいの町村もあるわけでございますから、一がいには言えませんけれども、いま局長が指摘をされた園芸につきましても、園芸専門農協、町村未満のものが二百三十七あるわけでしょう。全体のパーセントでいえば、四〇%近くあるのじゃないかという感じがするわけでありますが、そういうことを考えますと、専門農協といえどもこれはやはり郡を全域にするようなそういう園芸の専門農協が現在ありますし、また今後もあると思いますが、しかし少なくとも町村未満の農協というものはやはり私は合併ということのほうが望ましいのが実態として多いのじゃないか。そのための方針、指導というものを農林省が今後どうされるのかということをお聞きしておるのでありまして、局長ほど全国の実態は知らぬかもしれませんけれども、私も大体の実態は承知をした上で質問を申し上げておるのであって、いまのところ農林省は方針がないと、今後検討するなら検討するで、きょうはそれ以上の議論はいたすつもりはありませんが、その点をひとつお答えいただきたい、こう思うわけです。
  165. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) まあ方針がないということでは必ずしもございませんで、当然農協の経営基盤を強くするという趣旨からいえば、適正規模にすることは、これは必要であることはいまさら申し上げるまでもないことでございます。ただ私が申し上げたかったのは、その度合いが、総合農協に比べるとややニュアンスが違う点があるということを実は申し上げたかったわけでございまして、そういうニュアンスの違いと調整をはかりながらやはりそういう方向に持っていくということが必要であるわけでございますから、私どももそういう線で指導いたしたいという気持ちでございます。
  166. 中村波男

    ○中村波男君 必ずしも方針がないわけではないというお話でありますが、もう一歩突っ込んだ質問をいたすとすれば、総合農協については合併助成法という法律をつくられて推進をしてこられた、専門農協についてはそういう法案を次の国会に提出をしてそういう強力な指導をするというような考えは全くないと、こういうことですか。
  167. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) やはり従来のいろいろな組合事業の実態あるいは規模との関係等からいいまして、信用事業をやっておりますような総合農協に対する手当てが、非常にまあ再建整備法等をやりましてその後のつながりにおいてぜひとも必要であるという観点で昭和三十六年に合併助成法ができたわけでございますが、専門農協の場合は非常にいろいろなバラエティーがありますので、一がいにそのままそれを適用対象とすることには問題があるということで専門農協については対象外にされたわけでございますが、私ども専門農協は全くその必要はなしという結論をくだしているわけでは毛頭ございませんので、私どもはそういうさらに実態の指導をいたしまして、必要があるということであれば次の段階としてはそういうことも十分検討したいという気持ちも持っておるわけでございます。
  168. 中村波男

    ○中村波男君 次は、統計が昭和三十六年度を最初にして出ておりますので、三十六年度現在の町村未満の農協は幾つあったかということをいまそこでおわかりになれば明らかにしていただきたいと思うわけです。
  169. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) まことに恐縮でございますが、いま手元にちょっと持っておりませんので、先ほど御要求のありました資料とあわせて御提出申し上げます。
  170. 中村波男

    ○中村波男君 なぜ私が三十六年の町村未満の農協の数をお尋ねしたかといいますと、この表によりますと町村未満の総合農協がまだ二千六百三十が残っておるわけです。したがって合併助成法の目的を拝見いたしますと、適正、能率的な事業経営を行なえる農協を広範囲に育成することになったと思うわけです。この目的からいいましても、やはり私は町村未満の農協というのをまず合併させるということが適正、能率的な事業経営を行なえる農協の基盤がそこにあったのじゃないかという感じがするわけです。したがってまだまだ町村未満の農協が二千六百三十ある。この点は相当小さいのが取り残されておるのではないか、こうこの統計から感ずるわけであります。したがってこの次に私が御質問申し上げる中でこの実態をひとつこれまた資料としてお出しをいただいて、また何といいますか、小さな農協がなぜ合併できなかったかというような原因、背景というようなものがあると思いますので、御調査をいただいて、まとめてひとつ御報告がいただきたい、こう思うわけであります。  それから、この表によりますと、総合農協が四十三年三月末で七千七十四ということになっておりますが、昨年の後期の見通し等からいいますともっと合併が進む計画といいますか、予想が成り立っておったわけでありまして、これは間違いがあるとは思いませんが、結果的には七千七十四という結果になりまして、六千台にはならなかったのでありますが……。
  171. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) この資料をお出し申し上げましたとき以降さらに若干減少をいたしているわけでございまして、お出し申し上げました資料は四十三年の三月末でございますが、その後若干減少いたしまして、現在では五千四百七十程度になっているわけでございます。私どもは合併助成法のときに一つの目標をきめまして、その目標の線に沿っていろいろな指導を行なってきたわけでございまして、その中にはいろいろな事情がございます。たとえば、さっきお話がございました町村未満のものについて相当残っておるということがございます。これはたとえばいろいろな地理的な条件等が他の農協と合部するのに非常に不適な農協もございますので、一がいに全部町村以上にできないというような事情もあるわけでございますが、私どもが当初考えておりました線にほぼ近い線までは合併が進んだというふうに私ども理解をしているわけでございます。
  172. 中村波男

    ○中村波男君 その次は、二ページの年次別農協合併実績によりますと、合併助成法以外の合併というものが二百六十三あるわけでありますが、助成法が片方にあって、そうしていわゆる合併をする側にすれば、助成法の適用を受けて合併をしたほうがいろいろな面で有利であったわけでありますが、それ以外の二百六十三の合併があったというのはどういう理由、どういう内容でこういうものが合併されたかということについて御説明をいただきたいと思うわけであります。
  173. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) 合併助成法の対象になりましたものが大部分でございますけれども、それ以外のものももちろんいま御指摘のように若干あるわけでございます。その内容といたしましては、一つは助成の条件がうまく合わなかった。助成の条件といたしましては、たとえば信用事業を行なう農協が二つ合併する、こういうような条件が、一つの例を申し上げますと、ついているわけでございますけれども、その場合に、一方は信用事業を行なっていたが、一方はたまたま行なっていなかったということで対象にならなかったというような、要するにそういう条件にぴったりはまらなかったのもあるわけでございます。それからこれはあまり数は多くないようでございますが、一応条件には該当するけれども、必ずしもそういうものでやっかいな手続等は要らないので、もう自主的に合併するというようなのも中にはあったようでございます。
  174. 中村波男

    ○中村波男君 次は五ページの資料でありますが、大型農協のさらに明細をお出しいただきたいと思うわけであります。この資料の分類によりますと、二千から三千未満、三千から五千未満、五千以上ということになっておりますが、この五千以上も、これは大きいのになれば一万以上というのもあると思いますが、これは数は少ないと思いますので、もう少し規模をこまかく五千以上を刻んで資料を出していただきたいと思うわけですが、いかがですか。
  175. 池田俊也

    政府委員池田俊也君) これは実は調査をいたします個票がこういう区分で調査をいたしておる関係がございますので、元までさかのぼりませんと的確につかめないということがございますので、三十六年から全部そういうことで洗うということになりますとちょっと時間がかかるわけでございます。最近年次でよろしければそういう資料をお出し申し上げることができると思います。
  176. 中村波男

    ○中村波男君 最後に大臣の御所見をお伺いしておきたいと思うのでありますが、合併助成法は一応時限立法として期限が切れたわけでございますが、しかしながら今日の農協の戸数別のこの表によりますと、五百戸未満が四七・七%を占めておる。こういう点からいえば、約半数が五百以下の農協である、こういうふうに私はこの表から内容を知ったのでありますが、合併助成法の目的にあります「適正かつ能率的な事業経営を行なうことができる農業協同組合を広範に育成」するという目的からいえば、これで事業が終わったとすることはこの数字から見る限りにおいては問題があるように思うのであります。したがって、今後はこれはこれとして、もう手をつけないのだ、こういうお考えでありますか。さらに再検討をして、何らかの適正、効率的な事業経営の行なえる農協をさらにつくるための政策的な用意というものをされるのかどうかということをお伺いをして、私の質問はきょうは終わりたい、こう思うわけです。
  177. 長谷川四郎

    ○国務大臣(長谷川四郎君) 中村さんのほうがよく知っているので、知っているのを聞くのは質問じゃないという話を聞いたけれども、(笑声)教わりながらこっちのほうが答弁するわけで——せっかくの御質問ですから申し上げます。  まあ、いろいろこの問題については今後どうするのだというような一応話し合いもしたわけでありますけれども指導とすればいま少しやっておこうじゃないか。しかしながら、いままでの合併法によって新たにこれをやるというのはなかなか困難だから、何とか指導によってこれらができる範囲内でそういう方向に振り向けていきたい、こういうふうよりやむを得ないのじゃなかろうかというのが、ざっくばらんに言ってうちの中の話し合いでございます。まあいずれにしても、今後はそういうような方向で進めてまいりたいと、こういうふうに考えております。
  178. 任田新治

    委員長任田新治君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十五分散会      —————・—————