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矢山有作君
委員会における
答弁としておっしゃられる場合は、まさかおっしゃるとおりに、民意の尊重はあまりできておりませんということにはならぬだろうと思うのです。したがって、いま両
大臣がおっしゃるような
答弁になるだろうと思いますが、現実の動きはそういうものではない、住民が全然知らぬ間に
都市計画がきめられている、だからほとんど毎日のように日本
農業新聞あたりを中心にして報ぜられておるような
混乱が各地で起こっておるわけです。したがって、この現実を無視して、私どもは両
大臣は民意を尊重することが民主主義の本来の姿だからそうするのだとおっしゃいましても、ああそうですが、それはけっこうでございますといって引き下がるわけにはいかぬので、この点はやはり現実の動きはどうであるかということを、もう少し責任者としての両
大臣は目を向けて
考えられる必要がある、その現実を踏まえて国会で論議をされるというと
答弁のための
答弁、論議のすれ違いになって私は意味がないと思うのです。国会の論議というものは、何もすれ違いの論議をし、
答弁のための
答弁をすることが仕事じゃないんですから、やはり現実を踏まえながら悪い点があるならばその悪い点を改めるという点に前向きに問題をとらえていただかぬと、私は何ら論議の意味がなくなるのじゃないかと思うのです。
そういう点から私が公聴会等を中心にした民意の反映が非常におろそかにされておる、それを裏付ける
考え方というものはやはり
建設省あたりにはあるのではないですか。私はこれまでの論議の中でもときどき持ち出した問題なんですが、「新
都市計画法の要点」という
建設省の役人の方の本がありますが、これを読んでみても公聴会というものをきわめて重視しておるというような点は見られないわけです。たとえば一例を引いてみますとこういうことをいっておるのですね。公聴会等の
規定について、これらは「いずれも住民等の意思の反映を図ることが
目的の
規定であるとともに、決定後または事業が着手される段階になって、住民から″知らなかった″などの文句の出ないよう、自後の
手続の円滑化を図るためのものでもあるわけです。」、こういうような
解釈がされておるわけです。これは自後住民から文句が出た場合に、何だ、公聴会やったじゃないか、意見書の提出も求めたじゃないか、いまさら何を言うかと、こういうことのための方便にしかこの公聴会が
考えられておらぬ、こういうふうに私どもは
理解をせざるを得ない。
さらにこういうことが単なる、ただいま申しましたような
建設省のお役人の著書だけでなしに、「新
都市計画法の施行について」というのが二月十九日に
都市計画課から出されておるのです。これの公聴会に関する記述を読んでみましても、十六ページにもありますし、あるいは十四ページ等にもありますが、これらを読んでみましても公聴会を大いに活用して住民の意見を
都市計画の中に積極的に反映させていこうという姿勢は何も出ていないわけです。これが私は問題だと思うのです。
特に公聴会の問題につきましては、
都市計画がほぼ固まってから、あるいは決定をしてから形の上で形式だけに公聴会をやれという
規定にはなっておらないはずなんです。その
規定はもうよく御存じでしょうが、十六条の
規定によりますと、はっきりと「
都市計画の案を作成しようとする場合において」、こういうのですから、作成をしようとする場合に、まず
事前に
関係住民の意見を十分に公聴会等で聞いてその
理解を得、納得を得、賛成を得るようにしなさい、こういうふうになっておるはずなんです。もっとも「必要があると認めたときは、」というような、これは制限するような
規定はありますけれども、しかし法の
趣旨というのはあくまでも作成の前の
事前の段階で十分に住民の賛同を得るような努力をせよ、こういうふうに
解釈するのが正しいと思いますが、この点の
建設省当局でやっておられる
解釈が、私からいわせるならば、この法の
趣旨に反して非常にでたらめである、また現実の執行がそれを裏書きするような住民の意思を十分に尊重、くみ取るという形で公聴会が持たれていない、したがって
混乱を起こしておるということを申し上げたわけなんですが、この点については建設
大臣にも御意見がありましょうし、特に事務遂行に当たっておられる
都市局長にも私は
考え方があろうと思いますので、この点お伺いしたいと思います。