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参考人(
前田義徳君) 御
指摘のように、この去る二十日から二十二日まで、アフガニスタンのカブールで、アジア
放送連合の第七回の理事会が開かれました。その理事会の
議題は、約五十項目ございますが、そのうちの一つの
最初の
議題として、これまで五回の総会、六回の理事会等できまった問題のこの経過報告という中で、
宇宙通信の問題が
最初に取り上げられたということは事実でございます。これについては、
放送連合としては、かなり第一回総会以来、非常な関心を持っておりまして、この特別調査
委員会というものも活動したわけでありますが、この問題でアフガニスタンで
審議された、あるいは討議された問題は、二点でございます。
一点は、ただいま御
指摘のインテルサット利用についての料金の問題、これはことに後進地域においては特別の減額があってしかるべきであるという問題でございます。これらについては、さらに世界
放送機構、これはこの五月に
東京でも開かれたわけですが、この機構も、この問題について特別の意思表示をするという予定になっておりますが、いずれにしましても、インテルサット利用については、
放送事業というものを
放送と大衆の結びつきという点、特に後進地域におけるインテルサットの利用と関連して、その料金はミニマムの線まで引き下げるべきであるという要望が第一点でございます。
第二点は、このインテルサットのみならず、いわゆる宇宙衛星の利用によって後進地域の
教育を向上させる、そういう点からやはりこの地域衛星を打ち上げるべきであるという要望が、これは第一回総会以来、かなり強いのでございます。これについても、カブールの会議ではかなりの議論が出たわけでありますが、概して申し上げますと、イギリス系のコモンウェールス
——アメリカは入っておりませんが、アメリカはアソシエーテッド・メンバーになっておりますので、理事会には出席しておりませんが、旧英国系と申しますか、これらの国々は、必ずしも積極的ではございません。たとえばオーストラリア、ニュージーランド等は、独自の地域衛星ということについては関心は、必ずしもそのほかの国の
程度のものではないということは申し上げられると思います。しかし、そのほかのアジア諸国の要望は、やはり、第一回総会以来、不変でございまして、地域衛星の利用によってアジア地域の
教育の急速なレベル・アップと申しますか、向上をはかるべきであるという点が強調されたことも事実でございます。これらについては、私は議長であると同時に、
日本放送協会の代表でもありますので、これらの問題については、最近日本では宇宙
開発財団というようなものができたわけで、この財団が
政府の方針との関連でいかなる方向で
宇宙通信というものを
基本方針としてどういう衛星の製作と打ち上げを決定されるかは、いまのところ私としてはその情報は持っておらない。しかし、日本の
放送事業者として言えば、私ももしそのようなことができるならば、これは当然アジア諸国
放送機関との協力という点でも、日本は一応考えるべきものだというように思っているという意見を述べたわけであります。まあ概して申しますと、コモンウェールス系統は必ずしも積極的でない。しかし、その以外の参加各機関はここ六年来その強い要望はちっとも変わっておらないということが申し上げられると思います。