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成瀬幡治君 実は正直な話、私も
業種がどんな
業種であるかということがなかなかつかみにくい。これだけ科学技術が進歩してまいりますと、シアンをきょうは使わなかったけれ
ども、あすは使う、そういう
産業もあるかもしれません。そういうものに
先手を打っていくというのはなかなか容易なことじゃないと思う。
もう
一つは、届け出なさい、せよという――届け出しをせなかった者に対しての罰則も、どうもあるのかないのか私は知らぬが、ありますか。そこら辺のところはよくわかりません。
それからもう
一つは、あなたのほうが
立ち入り検査をして設備改善命令を出した。ところが、その設備改善をどうやったらいいかということでなかなかわからぬでしょう、実際。薬務課でわかっておりますか。実は私は、なぜそういうことを申しますかというと、
木曾川のある
流域の中小企業のメッキ
工場に行きましたときに、保健所なりあるいは県からどういう指導をしておりますかと、どうやったらこのシアンの高いものを下げるのにいいかということをどういう指導を受けているかと聞いてみたんですが、的確な返事がないんですね。それじゃあ検査して、お前のところは高いぞ高いぞということは言うんだけれ
ども、どうやったらこれがいいかということに対する的確な指導がなされない。あるいはどういう設備をしたらいいかということがなかなかなされていない。そうすると、どうなっているかというと、そういうシアンを取り除く機械製造メーカーのほうから、あそこの
工場でこういう機械を使っておみえになりますから、あなたのほうもお使いになりますと二〇PPMが一〇PPMとか七PPMに下がっておりますからどうでしょう、業者のほうでいえば、あそこも電気メッキを使ってたいへん長いことやっているがどんなものだろうと問い合わせてみたら、おれのところは百万かけてこういう機械を入れた、ところが、なかなか下がらぬ、そうしたら今度は、こっちのほうは三、四十万で安いのを売りにきているから、そっちのやつを買おうかしらんと迷ってみえるのが経営者の実態でございました。ですから、それを聞いて私が判断をしたときに、なかなかシアンというものを、
基準はきまっておるけれ
ども、その
基準以下に下げるにはどうやったらいいんだという的確な指導というものがなされていないんじゃないかというふうに感じました。これは率直な感じです。たいへんあなたのほうには失礼な言い方かもしれませんけれ
ども、そういうことに対してあなたのほうでは、このくらいのものを使っているときにはこのくらいの設備でこういうものがあるというような
基準というようなものは当然私はあると思うんです、登録
基準というものがあるんですから。それからたとえば働きにくる人はいつもは十人だったけれ
ども、農繁期になって仕事が忙しくなっちゃって二十人、三十人と出ちゃった。だからもう、キャパシテーからいって不安定なんですね、中小企業のところは。ですから
基準というものはあるんだけれ
ども、その
基準というものが狂ってくるんじゃないか。キャパシテーの問題、生産がどのくらい、それから年々生産高がふえてくるという問題、いろいろな問題があるからたいへんだと思うんですが、そういうような点を一度私は洗い直して、きょうどうかということでなくて、洗い直してしっかりした
対策というものを立ててもらうために言っているわけです。もう
一つは、いまお聞きしておりますと、取り扱い
責任者を置くんだとおっしゃる。その取り扱い
責任者というものがシアンというものをやれば、これがどのくらいの毒物でどうやったらそれの
被害を消すことができるという技術的な知識のある人を置いているのか。ただ看板で
責任者を置いておるのか、そこはどうなっておりますか。私の判断では看板だけだと思う。ちょうどこういうところでも、たばこの
責任者とか、各官庁へ回っていきますと火元
責任者ということは書いてある。これは消防でなくて、そういうような
責任者じゃないかと思っている。だけれ
ども、私は今日の段階ではある程度技術を身につけた、もっと言えば、いいか悪いか知りませんけれ
ども、資格を持っておる人が
責任者になっておるというならこれは話はわかると思うんです。ですから、そういうようなことも
考えてシアンの取り扱い、特にこの毒物、劇物の取り扱いについては、もうあなた今日床屋さんやパーマでも資格をとってやるのだよ。調理師でもそうです。私はこのくらいあぶないものを取り扱う、
一つ間違えたらたいへんなことになる、ですから当然そういう立場に立ってもそういうことをやるのが当然だと、こう思うのですが、一度検討してもらいたいと思うが、どうですか。