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1969-03-14 第61回国会 参議院 産業公害及び交通対策特別委員会 第5号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十四年三月十四日(金曜日) 午前十時十五分開会
—————————————
出席者
は左のとおり。
委員長
加藤シヅエ
君 理 事 大谷 贇雄君 黒木 利克君 松澤 兼人君
委員
久次米健太郎
君
菅野
儀作
君 村上
春藏
君
渡辺一太郎
君 山崎 昇君 小平 芳平君 田渕 哲也君
小笠原貞子
君
国務大臣
厚 生 大 臣
斎藤
昇君 建 設 大 臣
坪川
信三
君 国 務 大 臣
菅野和太郎
君
政府委員
警察庁交通局長
鈴木 光一君
経済企画庁国民
生活局長
八塚 陽介君
建設省道路局長
蓑輪健二郎
君
事務局側
常任委員会専門
員 中原 武夫君
常任委員会専門
員
吉田善次郎
君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
産業公害
及び
交通対策樹立
に関する
調査
(
産業公害対策
に関する件) ○
交通安全施設等整備事業
に関する
緊急措置法
の 一部を改正する等の
法律案
(
内閣送付
、
予備審
査)
—————————————
加藤シヅエ
1
○
委員長
(
加藤シヅエ
君) ただいまから
産業公害
及び
交通対策特別委員会
を開会いたします。 最初に、
産業公害
及び
交通対策樹立
に関する
調査
を
議題
とし、
産業公害対策
に関する件の
調査
を行ないます。
厚生大臣
及び
経済企画庁長官
から
公害関係
の
所信
を聴取いたします。
斎藤厚生大臣
。
斎藤昇
2
○
国務大臣
(
斎藤昇
君) 第六十一回
通常国会
における当
特別委員会
の御
審議
をいただくに先立ちまして、
公害行政
に関し、一言申し述べ、
各位
の御指導御
協力
を賜わりたいと存じます。 私は、昨年十二月当
委員会
において
所信
の一端を申し述べましたが、自来その考え方により四十四
年度
政府予算
の編成に努力いたしてまいりました。その
内容
はいずれ
予算
御
審議
の
際等
に御説明申し上げ、御
審議
をわずらわしたいと存じますが、いまその概要に触れつつ、
公害
問題を解決するための
主要課題
について申し上げたいと存じます。
公害
問題を解決するための
対策
については、
公害対策基本法
に定められた
理念
と
方向
に従い、各般にわたる
施策
を総合的、効率的に
実施
することにより問題の
根本的解決
をはかることが必要でありますが、そのためには、企業の努力、国、
地方公共団体
の
施策
はもちろん、
国民
すべての理解と
協力
が不可欠であります。 私は、
国民
の健康と
生活環境
を守る立場に立って、
公害
を
防止
するための諸
施策
を従来にも増して積極的に推進し、
公害
のない快適な社会を実現するため邁進する
所存
であります。このため、厚生省としては、当面、次のような
施策
に重点を置いて
公害対策
の
拡充強化
をはかってまいる考えであります。 第一に、
公害
の
被害救済
及び
紛争処理制度
の確立であります。すなわち、
被害救済
については、「
公害
に係る
健康被害
の
救済
に関する
特別措置法案
」を今
国会
に提出いたしており、
紛争処理
についても、
公害紛争処理法案
が提出されております。両
制度
の
具体的内容
は、
被害救済
については、
大気汚染
及び
水質汚濁
にかかる著るしい疾病にかかっている者に対し、
都道府県知事等
から
医療費等
の給付を行なうこととし、それに要する
費用
は、
産業界
、国及び
地方公共団体
の三者によってまかなうこととしており、また、
紛争処理
については、中央に総理府の
付属機関
として、
公害紛争
について調停及び仲裁を行なう特別の
機構
を設けるとともに、
都道府県段階
における
紛争処理機構
の
整備等
をはかることとなっております。 第二は、
環境基準
の
設定
と
公害防止計画
の策定であります。
環境基準
については、
さき
に、
硫黄酸化物
にかかる
環境基準
について
生活環境審議会
から答申があり、その後、これに基づき
関係各省等
の間で作業を進めてきた結果、去る二月十二日に
正式決定
をみたところであります。引き続き、
一酸化炭素
、
騒音等
について、逐次
設定
していく
方針
であります。 また、
公害防止計画
については、
公害
の著しい
主要工業地帯等
についてすみやかにその
基本方針
を
決定
し、
関係都道府県知事
に指示するよう取り運んでまいる
所存
であります。 第三に、
公害防止
のための
助成措置
の
拡充
についてであります。
公害防止施設
は、その
助成
の
拡充強化
が強く望まれているところでありますが、
明年度
においては、
公害防止事業団
の行なう
事業
について、本
年度
に引き続いて
政府出資金
の
計上等
により金利の引き下げを行なうほか、
事業量
の
飛躍的増加
をはかることとしております。 第四に、
公害
の
監視測定
及び
調査
の
充実
についてでありますが、
昭和
四十四
年度
においては、
微量重金属
の
排出規制
の
実施
のため、
水銀
及びカドミウムによる
環境汚染
の
実態調査
を行なうほか、保健所における
公害関係業務体制
の
充実
、
地方公共団体
における
騒音
、
自動車排ガス等
の
監視設備
の
整備強化等
をはかることとし、さらに、引き続き、
国設
の
大気汚染測定網
の
拡充等
により
監視測定体制
の
整備促進
をはかることとしております。 以上申し上げました
施策
を通じまして、今後
公害対策
の一そうの
拡充
をはかる
所存
でありますが、私といたしましても、誠意をもって全力をあげて努力する
所存
でありますので、
委員各位
におかれましても、よろしく御
支援
を賜わりますようお願いする次第であります。
加藤シヅエ
3
○
委員長
(
加藤シヅエ
君) ありがとうございました。 次に、
菅野経済企画庁長官
。
菅野和太郎
4
○
国務大臣
(
菅野和太郎
君) 近年
わが国
の
経済
は、目ざましい
発展
を遂げ、
国民
の
生活水準
も著しい向上を見せております。 しかし、その反面、急激な
都市化
の進展及び
産業
の大
規模化
の過程において、
大気汚染
、
水質汚濁
、
騒音等
の各種の
公害
が
発生
し、
国民生活
を脅かす重大な問題となっております。 このような
公害
問題を解決するため、
政府
は、
関係各省
が
一体
となって、
公害対策基本法
に定める
方向
に従い、
国民
の健康を保護するとともに、
経済
の健全な
発展
との調和をはかりつつ
生活環境
を
保全
することを目的として、総合的な
公害対策
を推進しているところであります。
国民生活行政
を所掌する
経済企画庁
といたしましては、
経済成長
の
成果
が真に豊かな
国民生活
の実現に結びつくよう
人間尊重
及び
生活優先
の
基本理念
にのっとり、
公害対策
を推進してまいる
所存
であります。 次に、
公害対策
の一環としての
水質保全
の問題について申し上げます。
経済企画庁
は、従来から「
公共用水域
の
水質
の
保全
に関する
法律
」に基づき、
水質
の
汚濁防止
に鋭意努力してまいりました。すでに同法に基づき百三十六
水域
について
水質調査
を
実施
し、五十九
水域
については、
指定水域
の
指定
と
水質基準
の
設定
を行ない、
関係各省
庁及び
地方公共団体
の
協力
のもとに
水質基準
の確保につとめているところであります。
さき
に問題となりました水俣病及び
新潟水銀中毒
については、このような事件の
発生
を今後未然に
防止
するため、その
原因物質
とされた
メチル水銀
が排出されるおそれのある
水銀使用工場
にかかる
水域
について、二月三日、
メチル水銀
が検出されない旨の
水質基準
を
設定
いたしました。 また、
水質保全
の一そうの
強化
をはかるべく、
規制対象
の
拡大等
について鋭意検討を続けております。 以上、
経済企画庁
の
公害
問題に関する
施策
について申し上げました。 本
委員会
及び
委員各位
の御
支援
と御鞭撻をお願い申し上げて、私のあいさつといたします。
加藤シヅエ
5
○
委員長
(
加藤シヅエ
君)
速記
をとめて。 〔
速記中止
〕
加藤シヅエ
6
○
委員長
(
加藤シヅエ
君)
速記
を起こしてください。 ただいまの
所信
に対する
質疑
は、後日に譲ることといたします。
—————————————
加藤シヅエ
7
○
委員長
(
加藤シヅエ
君) 次は、
交通安全施設等整備事業
に関する
緊急措置法
の一部を改正する等の
法律案
(閣法第五四号)(
予備審査
)を
議題
といたします。
政府
から
提案理由
の説明を聴取いたします。
坪川建設大臣
。
坪川信三
8
○
国務大臣
(
坪川信三
君) ただいま
議題
となりました
交通安全施設等整備事業
に関する
緊急措置法
の一部を改正する等の
法律案
につきまして、
提案
の
理由
及びその
要旨
を御説明申し上げます。 近年
わが国
の
交通事故
は、年を追って
増加
しており、大きな社会問題となっております。これらの
交通事故
のうちには、
信号機
、
横断歩道橋
、
歩道
その他の
交通安全施設
が
整備
されていたならばその
発生
を
防止
できたと思われるものも
相当数
にのぼると考えられますので、
政府
におきましては
昭和
四十一
年度
以降の三カ年間において
交通安全施設等整備事業
を飛躍的に
促進
することとし、また
昭和
四十二
年度
及び四十三
年度
については、特に、
通学路
における同種の
事業
を積極的に
実施
し、
道路
における
交通環境
の改善につとめてまいりました。この結果、
交通安全施設
も大幅に
整備
され、かなりの
成果
をおさめてまいりましたが、
道路整備
の
状況
を上回る
自動車交通量
の著しい
増加
のため、遺憾ながら
交通事故
の
発生状況
は依然として憂慮すべき
状況
にあります。
昭和
四十二年においては、
死者数
は幸いにして前年を下回ったものの昨年においては再び
死者数
及び
負傷者数
とも前年を上回っております。 このような現状にかんがみ、
政府
といたしましては、現に
交通事故
が多発している
道路
その他緊急に
交通
の安全を確保する必要がある
道路
について、国及び
地方公共団体
が
一体
となって従来の
通学路
に関する
事業
及び
地方単独事業
も含め、総合的な
計画
のもとに、
交通安全施設
を
整備
して
交通事故
の
防止
をはかることといたしました。このため、新たに
昭和
四十四
年度
を初
年度
とする
特定交通安全施設等整備事業
三カ年
計画
を作成することとする等、
交通安全施設等整備事業
に関する
緊急措置法
の所要の改正を加えるとともに、
通学路
に係る
交通安全施設等
の
整備
及び
踏切道
の
構造改良等
に関する
緊急措置法
を廃止することとし、この
法律案
を提出することとした次第であります。 次に、この
法律案
の
要旨
について申し上げます。 まず第一に、
地方単独事業
を含め総合的な
計画
のもとに
事業
を
実施
するため、
都道府県公安委員会
及び
道路管理者
は、
協議
により、緊急に
交通
の安全を確保する必要があると認められる
道路
について、
昭和
四十四
年度
以降の三カ年間において
実施
すべき
交通安全施設等整備事業
に関する
計画
を作成し、
国家公安委員会
及び
建設大臣
に提出しなければならないものといたしました。 第二に、
国家公安委員会
及び
建設大臣
は、
都道府県公安委員会
及び
道路管理者
が提出した
計画
にかかわる
交通安全施設等整備事業
のうち、
昭和
四十四
年度
以降の三カ年において
実施
される
交通安全施設等整備事業
でこれに要する
費用
の全部または一部を国が
負担
し、または
補助
するものに関する
計画
の案を作成し、閣議の
決定
を求めなければならないことといたしました。 第三に、
都道府県公安委員会
及び
道路管理者
は、国の
負担
または
補助
にかかわる
交通安全施設等整備事業
については、
協議
により、
実施計画
を作成し、この
計画
に従って
事業
を
実施
しなければならないものとし、
地方単独
で行なわれる
交通安全施設等整備事業
については、
国家公安委員会
及び
建設大臣
に提出した
計画
に従い
事業
を
実施
しなければならないことといたしました。 第四に、
交通安全施設等整備事業
に要する
費用
についての国の
負担
または
補助
については、
歩道
の
設置等
の
道路
の改築に該当するものについて特例を設けるものとし、特に
市町村道
である
通学路
に関する
事業
に要する
費用
については三分の二の
補助
を行なうものとするほか、
地方単独
の
交通安全施設等整備事業
については国は、必要な財政上の
措置
を講ずるようつとめなければならないものとして
事業
の
促進
をはかることといたしました。 第五に、
通学路
に係る
交通安全施設等
の
整備
及び
踏切道
の
構造改良等
に関する
緊急措置法
は廃止することといたしました。 以上が、この
法律案
を
提案
する
理由
及びその
要旨
でありますが、何とぞ慎重御
審議
の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。
加藤シヅエ
9
○
委員長
(
加藤シヅエ
君) ありがとうございました。本
法律案
に対する
質疑
は後日に譲ることにいたします。本日はこれにて
散会
をいたします。 午前十時三十二分
散会
—————
・
—————