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1969-07-15 第61回国会 参議院 運輸委員会 第31号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十四年七月十五日(火曜日)    午後一時四十一分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         岡本  悟君     理 事                 江藤  智君                 金丸 冨夫君                 谷口 慶吉君                 森中 守義君     委 員                 河野 謙三君                 佐田 一郎君                 重政 庸徳君                 菅野 儀作君                 平島 敏夫君                 前田佳都男君                 渡辺一太郎君                 加瀬  完君                 木村美智男君                 瀬谷 英行君                 田代富士男君                 三木 忠雄君                 中村 正雄君                 市川 房枝君    国務大臣        運 輸 大 臣  原田  憲君    政府委員        運輸省鉄道監督        局長       町田  直君        運輸省航空局長  手塚 良成君        建設省道路局長  蓑輪健二郎君    事務局側        常任委員会専門        員        吉田善次郎君    説明員        防衛施設庁施設        部長       鶴崎  敏君        日本国有鉄道常        務理事      長浜 正雄君    参考人        新東京国際空港        公団総裁     今井 栄文君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○運輸事情等に関する調査  (日米航空協定に関する件) ○新東京国際空港公団法の一部を改正する法律案  (第五十八回国会内閣提出、第六十一回国会衆  議院送付)     —————————————
  2. 岡本悟

    委員長岡本悟君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  運輸事情等に関する調査議題といたします。  日米航空協定経過について手塚航空局長より説明を聴取いたします。
  3. 手塚良成

    政府委員手塚良成君) 御承知太平洋ケースといわれますもので、米国新規航空会社、あるいは新たに路線の免許の内容をふやすという問題でございますが、この太平洋ケースが昨年の十二月、ジョンソン前大統領によってある結論が出されまして、それがまたニクソン現大統領の就任によりまして一部が改変をされるという事態が出ました。その改変の結果の結論を得ましたので、これに対応しまして、わが国航空としてこれと交渉する必要があるということで、今回命によりまして米国に参って関係当局交渉をいたしました。  私ども交渉団は、私のほかに、外務省からアメリカ局大河原参事官、そのほか私ども審議官、課長というメンバーで向こうへ参りました。私どもの対応いたしました相手方は、国務省のメドーズという航空部長並びに向こうCAB——航空委員会でございますが、これは日本航空局とは違いまして、航空委員会ボードシステムになっておりまして非常に権限が独立した強いものでございますが、この民間航空局の五人おります委員の一人のアダムスという極東担当委員、この二人がいわば首席でございまして、それ以外、関係各省人間並びに向こう業界代表ほかオブザーバー——申し落としましたが、わが国のほうでも日航の副社長がオブザーバーとして参加をいたしました。  会議は六月の二十三日から七月九日までの間、ワシントンで行なわれました。本会議を十回開きました。非公式会談を七回開きました。双方ともに言いたいこと、論議すべきことはすべて出したと考えます。当初からの目的アメリカ決定をいたしました太平洋ケースに対応するわが国路線拡張ということが議題でございましたが、この際ひとつオーバーオール日米間の懸案の問題を検討しようということでございましたので、この路線拡張の問題以外に、それぞれ議題を出し合いまして全般的な論議をいたしたわけでございます。  路線の問題といたしましてはもちろん大圏コース日本から出まして北回りでもって、これはアンカレッジに行きバンクーバー、シアトル、シカゴを通ってニューヨーク並びにその以遠、こういう大圏コースわが国はどうしてもほしい。そのほかに数点の要求を掲げまして、路線問題として、向こうへ問題の提起をいたしました。オーバーオールの問題でございますので、そのほかに私どものほうとしては輸送力条項という、いわゆる事後審査主義といわれる内容につきまして、これに関する若干の修正案というようなものの議論をいたしました。これに対して米国側で新たに議題としてつけ加えたいということで提案をいたしました内容が、いわゆるチャーター問題というのを向こうのほうから議題として提案をいたしましたわけでございます。  ただいま申し上げたような回数をやりましたが、非常に先方も直撃な態度で熱心に会議参加をして、私ども言い分を十分に聞いてくれたと考えます。議論の過程なり内容交渉経過等の具体的なものにつきましては、実は第二回の会談も差し迫って控えておることでございますので、遠慮をさしていただきたいと思うのでございますが、今回参りまして一応中断辞せずということを申してまいったわけですが、その最大問題点焦点になりましたのは、私どもの要求いたしております大圏コースの中にポイントとしてシカゴを加えたいという点でございます。シカゴというのはいま日航アメリカへ乗り入れております残された最大一つポイントになるわけでございます。貨物及び乗客——人間の面におきましても非常に価値の高いポイントであると考えます。で、このポイント大圏コースの一環の中にぜひ加えてもらいたいということを強く主張したわけでございますが、このポイントについては米政府といたしましても非常に高い評価をいたしておりまして、単純にわがほうの今回のバランス論からだけではとうていこれは認めがたいというのは終始向こうのとっております態度でございました。われわれはどうしてもこのシカゴがほしいということで、いろいろ向こうから内容的に打診がございました。何とか妥結にこぎつけたという空気も非常に向こうからは強く寄せられました。このシカゴの点を除いては、ある意味においては何かでき上がるかなという対期もございましたほどですが、私どものほうではどうしてもこのシカゴをもらいたい、かように考えて強く主張いたしました結果、本件についてまず向こうは難色を示して妥結に至らない、かような次第になったわけでございます。  向こうが強く主張いたしておりますチャーター問題でございますが、これはいわゆる正規のスケジュールラインのパンとかノースとかいうのは、やはりチャーターは、これは相互主義日航もやっておりますので問題はないわけでございますが、これ以外に軍の輸送を主にやっておりますいわゆるサプリメンタル・キャリア——補助航空事業という名の航空会社があるわけでございます。具体的にはワールド・エアラインとTIAという二つの航空会社太平洋を希望しておるわけですが、数にしてこういうのは二十何社あるわけですが、その中でいま二つ申し上げましたのは非常に大きなものであり、かつこの二社だけをアメリカ指定企業にしまして本件チャーター会社に仕立て上げたい、こういうような内容でございます。  本来、このサプリメンタル・キャリア米国の軍需を主にしておる会社でございまして、ベースはほとんど軍のカーゴ及び兵員輸送、もっぱらただいまのところではベトナムのそういった関係のことに従事しておるわけでございます。この会社がやはり民需に漸次転換をしなければならないということがございまして、その転換太平洋で大きなウエートを占めるように持っていきたい、こういうのが米政府内の考え方であるようでございます。  しかしながら、この会社が大幅に無制限太平洋に入ってまいりますことは、定期航空会社に対する打撃が相当に考慮されます。先方言い分としましては、こういった会社が運ぶ乗客は質的に定期会社とは全然違う。たとえばゼネラル・エレクトリック会社が顧客のサービスのために低運賃でもって日本団体旅行をさせるということで輸送をしたい、そういうようなのが客体である、これらはほっておけば決してスケジュールライン日航等のお客になるものではない、こういうような論点。したがって、こういうサプリメンタル・キャリアを伸ばしても決してスケジュールラインに対する影響はないんだ、むしろそういうことで新たな需要が開拓される、こういうのが向こうサプリメンタル・キャリアの育成の基本的な考え方であるようでございます。  私どもはこれに対応いたしまして、この客体の全く異なるという点は完全に意見が違う。なぜならば、たとえば具体的な例で言いますと、この四十四年中にワールドあるいはTIA、その他二、三小さなところもありますが、そういったところから現在すでに申請が出されておる内容を検討しますと、たとえばライオンズクラブの方々輸送、あるいは弁護士会方々輸送、あるいは教職員関係方々輸送、こういう輸送客体サプリメンタル・キャリアの特別な輸送許可申請として現在出されておる。これらのものは運賃負担能力からいけば、決してスケジュールライン運賃負担をできないというものではない。したがって、こういう客体はまさに定期運送会社客体と競合する内容である。そこでこういったものをどんどんサプリメンタル・キャリア輸送させた場合に、明らかに日航その他スケジュールラインに対する影響を与えることになる。かような意見の食い違いがございまして、私どもはこのチャーター業者に対する無制限なる——向こうことばで言いますと自由化ということを言いますが、自由化のことは考えるわけにはいかない。自由化ということになるならば、スケジュールラインについても、この協定などで言うごとく、どこのポイントはいけないとか、どこの路線はだめだというようなことは言わないで、これらのものについても自由にするということがあってしかるべきではないか。まあ本来のスケジュールライン協定内容チャーターの分野とは別なものであるということではあるにしても、やはり自由、自由と言うならばわがほうに対するポイントについてもいま少し自由であってしかるべきではないか、かような論義をかわしました。その他たいへんに言いたいほうだい、あるいは向こうも言いたいほうだいのことを言いましたが、そういうことで基本的な観念としてこれは合致をしない、こういうような状態でございます。  で、このチャーカー問題が将来どうなるかということにつきましては、私どもとしては、やはりこれは相当に大きな会社である。現にこういったサプリメンタル・キャリアが、いわゆるジャンボジェットの747等も発注しておる状態でございます。そこで相当な輸送力を持つであろうというふうに考えますので、米側の言うがごとき無制限的なものはわれわれは認めないという基本線は貫き通してきたわけですが、この点については、無制限ということは向こうも一挙には考えないような態度に漸次変わってまいりました。しかしながら、なおこれを詰めてまいりますのには時間的な余裕がない、かような次第になりました。  路線問題等につきましては、先ほどシカゴお話を申し上げましたが、これについても、実は向こうが非常に強く渋りますのは、米側内部におきます企業のいろいろな利害が錯綜しておる、あるいは、先ほど申し上げた民間航空委員会におきます委員内部にもいろんな相異なった意見があるというようなことで、この問題に対しては非常に強い反対があるわけでございます。この意見等がまだ非常に向こうの強い意見になっておりますために、結局それらの調整がとれないというのが向こうの内情のように見受けられたわけでございます。  いずれにいたしましても、うちのほうといたしましては、シカゴの問題それからチャーターの問題というものががっぷり四つに組み合わされたようなかっこうになりまして、このまま交渉を継続しましても、直ちに妥結に至るという見通しがつかない状態にあります。そこで一息入れましてしばらくまたいろいろ検討しよう、その後の内部的な交渉をしよう、こういう期間を置くことにきめまして、第一回の今回の交渉を一応打ち切る、こういうことにいたしたような次第でございます。  第二回の交渉期日は、向こうが渋ります中を相当こちらが無理を申しまして、実は九月の中旬から、共同声明にはおおむね九月十六日、おおむねという字が入っていたと思いますが、向こうから来ます委員の一人が二、三日おくれるかもしれないというような事態がございましたので、おおむねということばが入っておりますが、大体九月の中旬ころからは始められるだろうと思います。なお、この間に貿易経済合同委員会という、御承知会合日本において開かれます。これなども今回の交渉打開一つの場だと考えられます。大臣も御出席になりますので、その場あたりを一応大いに活用していただいて、この行き詰まった状態打開をはかるようにしていただきたい、かようなことも考え、いろいろ検討の時間的余裕——しかしながらその時間的余裕も、実は沖繩返還問題に関係してまいりますその時期に差しかかりますと、やはり航空問題等はこの大きな問題の中に巻き込まれるおそれがございますので、私どもはその前に本件については解決をしたい、こういう意図を持ちまして、実は二回目の協議会でも向こうに無理にお願いして九月十六日以降、こういう時期を選んだわけです。向こうもその辺の意図には理解を示してくれまして、私どもの要請に無理をしてこたえてくれたというのが、この第二回目の時期決定でございます。こういうふうに向こうもわれわれの二回目の会合の希望に応じてくれたわけでございますので、何とか次回には妥結をはからねばならぬのではないかというふうに考えておりますが、ただ、こういった大問題でございますし、チャンスといたしましてはそうざらにあるチャンスではなかろうかと思うわけでございます。パシフィックケースなるものが米側サイドにおきましても二十年に一ぺんといわれるようなチャンスであったわけでございますので、こういったチャンスがそう近くにあるわけではないので、日本サイドといたしましても、したがって、こういう機会の利用できますのも、そうたくさんあるわけではございません。協定本文におきましては、いつでも協議を申し込めるようになっておりますけれども、やはりこういったきっかけ、足がかりがないとなかなか話にはなり得ないわけでございます。そういう意味から、今回は非常に重要な機会と考えるわけでございます。ただやはり、あまりやすきについた妥協は私どもはいたしたくないので、前回にも金丸先生ほか皆さまから御激励をいただきましたが、粘り強くかかる必要があるという御激励もいただいたような次第で、私どももそういう気持ちで今回第一回は当たったつもりでございますし、また第二回目につきましてもそういう精神基本に置きまして向こうとの折衝に当たりたい、かように考えておる次第でございます。  話がきわめて抽象的でおわかりにくいと思いますけれども、冒頭申し上げましたような事態もございますので、何とぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
  4. 木村美智男

    木村美智男君 事案そのもの外交交渉の問題ですから、それを心得た上でお伺いをするわけですが、問題は、やっぱり日米航空問題というのは、いまの協定がきわめて不平等な状態にある、これを是正をするというところに主眼があるわけです。で、そういう立場でいろいろ手塚局長を中心に御苦労されたわけですけれどもチャーター問題の中で従来運輸委員会でいろいろと議論になっておる問題は、要するにいま法案をいろいろ審議をされておる問題があるんですが、この点ですね、成田国際空港についてチャーター問題というものは、話し合いの中では、こちらから一体どういうような意向表明をしてあるのか、あるいは、その点について触れられたか触れられてないのかということをひとつ。
  5. 手塚良成

    政府委員手塚良成君) 結論から申し上げますと、これは今回の議題からははずしておりまして、全く今回の交渉では触れておりません。と申しますのは、パシフィックケースとはこれはまた全然次元の違った話になります。相手も、今回は国務省向こう民間航空委員会でございまして、これらの方々との間では、こういった問題は全然別な問題というふうに考えられております。チャーターというもので、いわゆるMACチャーターチャーターということばで入るわけでございますが、これは完全な軍のチャーターという意味合いでいま話しておりました。チャーター民事におけるチャーターということが主眼になっておりまして、この問題は今回の交渉の圏外ということで議論の対象にいたしておりません。
  6. 木村美智男

    木村美智男君 航空局長ね、それはちょっと納得がいたしかねる。なぜかというとね、これは中曾根運輸大臣のときにちゃんと本委員会でも明確に答えているように、要するに純粋な民間航空に対しては、軍事的な関係チMACャーター機にしろいずれにしろ、そういったものは一切、とにかく今日の羽田、立川を起点として、そこだけは一応やむを得ないものとしても、新国際空港については、要するにMACチャーター機を含めてそういうものはとにかく使用させないという基本方針に立っているということを明確に答えている。いま別にこのことをやろうと思って来ていないから速記録持ってないけれども、これは大臣がそういうふうにここで答えている。その精神は今日航空局としても、運輸省としてやはり貫かれていると思うんです。だから民事関係であって、軍事関係今回は触れなかったと、次回には触れるというなら別ですけれども、これは、この問題は民事だから軍事とは別だと、こういうけれども民事軍事もこれは区別なくなってきますよ、その問題は。したがって、私は少なくともそのチャーター機の問題だけは、これは向こうから提起をされたなら当然成田国際空港問題についてはやはりそれはこちら側としてき然たる立場をとって、そういう態度をちゃんと持って交渉に臨んでもらわぬとこれは困ると思う。だから、航空局長も言われているように、二十年に一回といったようなそういうチャンスだと思う。そういう視点も、この問題をはずしていくとやはりこれは一つの大きな今後の問題になっていくので、今回の交渉、第一回は一応そういうことでもうすでに終わっているのだから、それはそれとしていいとして、第二回目は大臣出席されるのだし、できれば基本方向をここでもう次の段階は明確にして、交渉テクニックや戦術問題はそれはもう運輸大臣以下おまかせしますよ、しかし、方針ぐらいはね、きちっと出してもらってこの際やつていただく必要があるのじゃないか。これは一行政官庁だけで、まあ局長もおっしゃっているように、国務省も出ていないとかね、そういうような状況だけで、まあこの問題を単に一つスケジュールラインの拡大の問題だけに重点を考えられて、そうしてあと向こうが言っているように、まあ特殊なものであって、日航とは影響ないというようなことを言っておるが、航空局だってそれはそうとは限らない、必ず影響持ってくると思う、だからこの問題は論争になったんでしょう。そうしてくれば、自然やはりこのジャンボジェットその他を考えていけば、新国際空港との関係は必ず出てくる、こう見なきゃならぬ。私はやっぱり中曾根大臣が答えたその基本線をやはり貫いて、このMACチャーター機ないしは軍事目的に関するそれは新国際空港関係については、これはやっぱりはっきりと断わるという基本方針をちゃんと持ってこれからの交渉に臨んでもらわなきゃいけないじゃないか。で、もしそうでないというならやっぱり方針を明らかにせぬと、単なる報告を聞いておまかせをするというわけにいかなくなる。いまの報告の限りでは、そのチャーターの問題が一番これは問題だと思うので、あとは不平等をどれだけ是正できるか、こういう問題だというふうに本質的には思うのでね。そこのところはひとつこれは大臣にもお考えを伺いたいし、第二回目は当然大臣出られるのだろうと思うからね。まあ微妙なところはいいですよ。しかし、基本考え方だけはひとつ明確にしてください。
  7. 手塚良成

    政府委員手塚良成君) このMACチャーターそのものにつきましては、御承知のいまの成田空港あるいは羽田空港での出入等関係は、安保条約並びに地位協定から来ておる問題でございまして、本件そのもの議論いたします場合には、こういった条約あるいは協定をいかに扱うかというような問題との関連になるかと思うわけです。したがいまして、これはわれわれ航空当局者自体におきます問題といたしましてはいささかこの場が高過ぎるような問題だと考えるわけでございまして、いずれこういう問題としての取り上げ方等は別途にあると思います。先方から参ります相手もまた当局のこういう問題を議論する相手ではないように思われますので、意向として伝える程度のことはできるかと思いますし、私も日本国内事情向こう説明する際には、こういうMACチャーターなどというのが非常に国内では議論を生んでおるというような意味で、触れることは触れましたけれども、これをいかに扱うかというような議論の中までは入り得ないというの実情でございます。第二回目におきましても、向こうから参ります人間は、先ほど来申し上げましたような相手でございますので、こういったものを基本から話し合うということにはなり得ないのではなかろうかと推察をいたします。ただ次元の高い政治的な場におきまして話し合いというのが行なわれますチャンス合同委員会を含めましてあるかと思われますので、そういう際にはまたお話をすることは可能かとも考えますが、以上申し上げるような意味合いにおきまして、第二回でこれを正式な議題にのせるということはし得ないのではないか、かように考えております。
  8. 岡本悟

    委員長岡本悟君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  9. 岡本悟

    委員長岡本悟君) 速記をつけて。
  10. 木村美智男

    木村美智男君 大臣、そうしたら次の交渉大臣は出られないのですか、やっぱり。これはどうも話を聞いておると、事務当局レベルで話をしておるようだから、だから第二回目の交渉事務当局間でこれはまた継続をされる——もし大臣が出られるとなれば、しかるべくアメリカだってそれなりの代表を当然出すべきだ、そう思うので、少なくとも大臣が出て日米航空交渉を、やはり一つのこの問題にケリをつける際に、チャーター問題というものが出てくれば、それは民事だけで一切軍事関係はないんだという関係にはならないので、現実の問題は。したがって、どうしても新国際空港問題は出てくるから、前に運輸省が持っておった基本方針というものはそのまま堅持をされるのですか、それとも、まあその点はあの当時は答弁はしたけれども、今日はもう全然触れたいという形でいかれるんですかと、そこのところを、基本方針を明らかにしてくださいと、こういうふうに大臣にも聞いておるわけですよ。だから、そこのところさえはっきりすれば、私、あと交渉の中身やテクニックの問題までどうだこうだということは別に申し上げようとは思っていないんです。
  11. 加瀬完

    加瀬完君 ちょっといまの問題で関連中曾根発言ということをいま問題にしておりますが、中曾根発言というものは、いま局長の御説明のように、安保条約行政協定がある限り、ちょっとあの発言は穏当を欠くというか、全く非常識だということになろうと思うのです。成田空港であれ、いかなる空港であれ、アメリカの軍用機の離着陸の要求があれば、現実においてはこれを受けて立つのが日本の政府の立場ということなので、新空港であれ何であれ、それを理由に、断わりたいという願望はわかるけれども、断われるものじゃないわけですから、その点ははっきり、新成田空港でも軍用機の要清があればこれは断わることはできませんということをはっきり答えていただけばそれで済むことだと思う。その点はっきり答えてもらいましょう。中曾根発言、おかしいですよ。
  12. 原田憲

    ○国務大臣(原田憲君) いまの木村さんのお話関連してくるわけでございますけれども中曾根大臣発言をいたしました中に、民間航空の問題まで含んで新しい空港に発着するということを発言をしておるとは私は了解をいたしておらないであります。中曾根君に対する御質問は、いま加瀬さんの言われたことに尽きておると、私はそのように考えておるのでございます。それに対しまして私も同じ趣旨の答弁をいたしておるのでございますが、確かに突き詰めていくと、加瀬さんの言われるように、決意であり願望ということになってきて、法的な根拠はないじゃないかと言われることになると思うのでございますが、しかしながら、私どもはいまMACチャーターの問題も、現に羽田空港で交渉によりましてこれを回数を減らしていっておるという事実に基づいて、やがてでき上がってくる新成田国際空港においては、特にこれはいまの日本の飛行場というものは、全部戦争中からあった飛行場でありますけれども、今度は初めて日本でできる空港でありますから、いままでの空港以上に純粋な民間空港としてやっていく日本の飛行場という趣旨を強調することによって、いまおっしゃっておることの願望を必ず達成をいたす所存であると、こういうことを申し上げておるわけでございます。したがいまして、もう一度繰り返して申し上げますと、軍事基地としてもし申し入れがあっても、これはもう法律的には合同委員会で拒絶すると、軍事目的には使用いたさない、こういうことでございます。  それからいまお話のありました地位協定によって向こうに法的には権利があるじゃないか、こういうことでございますが、これに関しましては、外交手段を通じての交渉によって純民間空港として使用のできるようにでき得る限りの最善の努力を傾けていくと、こういうことでございます。したがいまして、木村さんにもお答えをいたすわけでございますけれども、私が知っておる範囲では、新しくできてくる国際空港について、民間の航空問題についての議論はそうなされておらない、このMACチャーターという現実にある問題をつかまえて、今度は法的な問題とからみ合わせた議論がなされたと私は承知をいたしておるのでございます。チャーター機はいまも日本に飛んできておるわけでございます。このチャーター機をいま航空局長が言いますように、許せと、もっともっと許せと、こういうことを向こうは言っておるようでございます。わがほうといたしましては、今度の会議に臨みます際に、実は交渉でありますから、これはいわゆるギブ・アンド・テークであります。日本は不平等といいますものの、事実は戦争に負けて占領されて、そして何もないところから出発をいたしたのが日本の国でございます。したがって、航空事業にいたしましても、最初日本航空事業が日本の手によって復活した際には、乗り組み員がいないで外国人を雇ってやらなければならないというようなところから出発をいたしたのでございます。だんだん力がついてきまして、交渉交渉を重ねて現在に及んでおるのでございますが、一番最近の大きな交渉はニョーヨークの航路を獲得する、これによっていま日本は現実には世界一周航路を持っておるわけでございますが、そのためにはいわゆるギブ・アンド・テークということで、これは衆議院の運輸委員会方々が、委員長あるいは委員方々まで与野党でわきから応援するために行かれたと聞いておりますが、これにはまあ国をあげての決意で臨んだ。しかしこれを獲得するためには、過去に持っておりましたところの日本の権限、権利というものを放棄することによって世界一周航路を獲得した、こういうようないきさつになっておりますので、今次の交渉においては、日本においてはまあ無手勝流といいますか、向こうに対して何にも、事実は大きなものは、向こうがじゃよろしいと、日本がそういうなら、これを聞いてくれるならやりましょうというものは御承知のとおりないわけでございます。それだけに今度の交渉というものは非常にむずかしい交渉であるということで、局長にもその旨を申しつけて派遣をいたしたわけでございまして、こちらの申し入れに対しまして向こうから出てきたのがいわゆるチャータを面、いままでやっておる民間のチャターをふやせという向こうからの話でございました。したがって、この話はもう純然たる民間の航空の問題でございますので、いま局長が言っておりますように、MACチャーターの問題と関連して話をする筋合いのものではないということを局長が申しましておるわけでございます。私も交渉いたしますのにこれと関連して申すことはかえって問題を混乱さすのではないかというように判断をいたします。もちろん、これから交渉いたしますのには、正式にこちらのメンバーをまだきめたわけでございません。しかし、一番最近に日米間で行なわれる会議には日米合同の経済会議がございますので、この席にはロジャーズ長官が出席するはずでございます。この機会をとらえまして私からもこの中断をいたしております問題、九月の十六日前後に再開することだけは合意をいたしておる問題につきまして話を持ち出してみようという決意で、このことについては外務省側に話をいたしまして、その機会ができればそういう機会を与えてもらうようにということを言っておる最中でございます。九月に行ないます会議におきましては、まだわがほうのメンバーは正式にきめておりませんけれども、私が出なければならぬということになりますならば、もちろん私が出席をして交渉に当たりますけれども、根本の問題といたしましては、今次はわがほうは、向こうに対して要求をし、向こう側からそれに対する要求を出された場合には何ものもないということであったところが、向こうから出してきたのはチャーター便の問題であったと、こういうことでございますので、この問題について議論を重ねていくということで臨むことのほうがよいのではないかと、私はそのように考えております。
  13. 木村美智男

    木村美智男君 もう一つ。最初に大臣答えたように、成田の新国際空港軍事基地としては絶対に使わせない、こういう方針はちゃんとしているんだから、それはそれとして別途その交渉をするというその筋は一つ私も了解します。ただ、そのチャーター機が、何か器用なことを言っているけれども、それは国際情勢の変化もあるし、ベトナムだって二万五千の軍隊を引き揚げたとはいうものの、それはベトナム派遣軍の何分の一かであって、依然としてやっぱり軍事物資の輸送というやつはあるんですから、じゃアメリカのほうでMACチャーター機以外には一切軍事物資の輸送は、チャーター輸送はさせないというようなことに何かきちっとなっているんなら別として、そうでない限り私は情勢の変化いかんによっては新たな何というか新しいワールド・エアラインなりTIAというものが、それは軍事輸送を担当しないと、そういうことがはっきり確信を持って言い得るなら別ですよ、そうでなければやっぱりその心配というのは一つある。で地位協定の五条の問題もそのときは出して議論をしたんですよ。地位協定があるからもうだめなんだという考え方は、これは法律的に、今日の時点での判断の基礎はそうであっても、そういう地位協定があることがやはりこれは改善をしていかなきゃならぬのだという意味で、あらゆる機会をつかまえて交渉していきましょう、そして最終的にはとにかく羽田を除くことはむずかしいけれども成田の新国際空港についてだけは、ひとつこのMACチャーター機は絶対に乗り入れしないようにという、こういう立場を明らかにしたんだから、明らかにした以上は私はその筋というものは、新国際空港のできることを認める、認めないにかかわらず貫いてもらわなければならない。あらゆる機会をつかまえてということなんだから、せっかく大臣が出、ロジャーズ長官が出るという、そういう機会にやっぱりそれこそ地位協定までさかのぼって、今日問題になっている問題をやはりそういうことで——あそこをとにかく反対であろうが何であろうがつくるというんでしょう、羽田じゃ狭いからつくるというんだから、そうだとすればその筋を追えば、やっぱりチャーター機の問題というのは民事軍事だからといってきちっと区別ができるような状態にはないじゃないかと、こういうふうに考えられるので、それはせっかく大臣そういうことで双方の責任者が出るんだから、その問題について触れられるのは当然それはあってしかるべきじゃないか。このことは新国際空港を認めようが認めまいがそれとはまさに別な問題だと言っているんですよ。そういう意味で機械的解釈をすれば——中曾根運輸大臣はまさに加瀬委員が言うように、答弁は軽率であったということになるかもしれませんよ。しかしそれは時代が発展をしていっているんだ。だから今日地位協定はそうなっておっても、もう十数年前につくられた地位協定だから、それを直していくという積極的な意向表明として私は善意に受け取る。だからその筋を追ってやっぱりできるだけ被害のないようにしていくということは、これは法律解釈の問題とは別な現実の政治問題として当然あり得ることです。だからそういう立場から考えるならば、やるべきでないのかと、こう言っておるのであって、成田の空港を認めるからあそこへはチャーター機は一初おりちゃいかぬぞと、こう言っているわけじゃないんですよ。
  14. 原田憲

    ○国務大臣(原田憲君) 私が申しました要点を言いますと、成田空港MACチャーターの問題にいく前に、チャーター便を向こうはふやせと言っておりますが、私のほうはふやせられませんと、こういうことを言っておるわけなんです。純然たる、そこへいく前の。向こうに、今度はこちら側からこれあげますから、これ許せということを言っているんじゃないので、これだけはあなたのところにやったのだから、それに相応するためにこれだけよこせということを言いに行きましたら、向こうからチャーターをこれだけふやせということを言いましたから、それはふやせられませんということがいまの議題の中心でございますので、木村さんのおっしゃっていること、わからぬではありませんが、そこまで言ってしまいましたら私はもっと譲るというような話みたいになってしまいますので、いまは向こうチャーターチャーターと言っておりますけれども、それもこっちは許せぬということを言っておりますので、まあそこに集中していくほうがいいと、こういうようなことを申し上げておりますので、あまり具体的になってまいりますと、交渉事でございますので、ちょっとごかんべん願いたいと思います。
  15. 前田佳都男

    前田佳都男君 このチャーターの問題ですが、オリンピックのときにもチャーター問題が非常に議論になった。それで、現在日米航空協定のうちでチャーター制度というものがどの程度に認められているか、それをちょっと教えていただきたい。簡単でいいです。
  16. 手塚良成

    政府委員手塚良成君) スケジュールエアラインがとります自分の認められた路線上のチャーターはこれは自由にやれるようになっております。それでいま問題の制限的に扱っておりますのは、そういった指定定期航空会社以外の航空会社、その大半をなしますのはいま申し上げましたようなサプリメンタル・キャリアですが、これについてはここ数年前からの一つの慣行としてやっておるわけですけれども日本航空の週間便数だけ年間に認める、こういう限度で頭を切っております。具体的な数字としましては、現在日航が週四十六便をやっておりますので、四十六便までは一定の条件に合うものは先着順に認める、それから先は切る、こういう体制が現状でございます。
  17. 前田佳都男

    前田佳都男君 もう一つだけ。それからこのチャーター制度はIATAでは全然規定も何もしてないんですかということが一つと、チャーターについて料金をこれはどれくらい安くしてもいいわけなんですね、こういうことになると航空会社企業経営ということは非常に不安定になって困ってしまう。したがって、私はこれは日米双方とも航空協定交渉において、こういうサプリメンタル・チャーターとかなんとか、とにかく不定期便制度、こういうものはできるだけチュックするように、IATAというものでチェックするように、政府間の協定でもそういう方向でむしろ進んでいくのが正しい道じゃないか。いろんなほかの問題は別といたしまして、そういう考え方でおいきになるつもりはないかどうか。それだけを聞いて私はそれ以上質疑しません。
  18. 手塚良成

    政府委員手塚良成君) 第一のIATAとの関連では、こういった連中はIATAのメンバーではございません。IATAはいわゆるスケジュールラインの連中で構成しておる協会でございますので、こういった不定期業者の関連内容のことはIATAでは取り扱わないというたてまえになっております。  それからサプリメンタル・キャリアの料金は、おっしゃいますように、幾らででもきめられるわけです。つまり軍事をベースといたしまして、それである一定の収入を得ておりますから、その帰り便を使うことになるわけなんで、からで帰るよりは載せるほうがプラスだ、こういうことになりますので、幾らででもきめられるわけでございます。ただ、これは航空法のたてまえ上、外国航空機の輸送ということで一件一件日本政府に申請を出させて、これを許可にかけております。許可の際にやはり料金等もチェックいたしまして、はなはだしいダンピングをやっておるものは許可しないと、こういうことで一定の内規のもとに一定の幅における料金のものだけを認める。こういうふうにいたしまして、その料金はできるだけスケジュールの割引料金等に近いものでなければいかぬ、こういうふうにチェックをし、現実四十六便で押えておる。かようなのが現在の料金のチュックの制度でございます。将来におきましては、このIATAとの関係で牽制という問題をやらせるということはあります。米国内部におきましても、やはりこのIATAの連中とこのサプリの連中は完全な対立関係になっております。サプリが伸びることはやはり定期業者への侵害になる、こういう観念はもう世界全国どこでもみな持っております。したがって、みな快く思っていないことは事実でございます。利害が全く相反しておりますので、これを調整する米国務省は非常に実は頭を痛めておるというのが現状です。軍事に対しては非常な貢献をしておる、これがだんだん先細りになる、そこでこれを何とか従来の功績に免じて生かさなければならぬ、しかしこれはあまり大きくすると一般のスケジュールに影響を与える、こういうようなことで双方が非常に牽制をし合っております。まあ一般のスケジュールの連中、パンやノースにいたしましても、いずれは何がしか出てくるだろうと思っております。したがって、それの対抗策として、バルク・フェアも、これは団体割引運賃なんですが、このサプリの連中に対抗できるような新しい運賃制度をきめようというようなことを考えて、この十五日のIATAの料金会議提案をいたしております。こういうような関係で両方が非常に牽制し合っておりますことは事実でございまして、今回の問題等もまさにそういう谷間にこれが入って非常に難航しておるというのも事実です。したがって、全体で協力をいたしまして、サプリに対抗するという、そういう気持ちは表面、はっきり申し上げると変でございますけれども、そういう運動等はやはり内々は行なわれておるわけです。わが国にはサプリなどという会社がないものですから、こういった問題も、議論の際も、私どもが双方がバイラテラルに、公平な、双方平等な立場でいくという場合に、われわれには、こういう企業環境から、平等平等といっても平等になりませんというような実情を訴えておるわけでございまして、この辺きわめて微妙な問題でございますし、それなりのいろいろ考え方なり、持って行き方があろうと考えております。
  19. 岡本悟

    委員長岡本悟君) 本件に対する質疑は、本日はこの程度とし、次に、新東京国際空港公団法の一部を収正する法律案議題といたします。  質疑のある方は、順次御発言を願います。
  20. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 羽田空港の外国機の出入状況というものは、現在どういう状況にあるのか、昭和四十年に新東京国際空港公団法案を提案した際の提案理由の説明の中には、昭和四十五年ころには能力の限界に達するものと予想されるというようなことで提案をしているわけでありますけれども、現状は一体どうなのか。それといまの質疑にありましたチャーター機による問題、若干関係もございますので、この点を御報告願いたいと思います。
  21. 手塚良成

    政府委員手塚良成君) 昭和四十二年と、四十三年の二年につきまして羽田の離着陸の回数を出しております。この中で総合計といたしまして、四十二年は離発着回数が十一万一千四百回でございますが、その中の十万六千五百回というのが、民間機でございます。それ以外が、米軍機あるいはいまのMACチャーター機あるいは自衛隊機、そういう数字の内訳になっております。四十三年は、この総体の十一万一千四百回に該当しますものは十二万六千回という数字になっておりまして、この中で民間機が十二万一千四百回でございます。それ以外が米軍機あるいは自衛隊機、かような数字でございます。
  22. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 能力の限界となるとどのくらいになるわけなんですか。限界はすでに越しているのかどうか。
  23. 手塚良成

    政府委員手塚良成君) 羽田の離発着能力は十七万六千回ということでございますので、まだ十二万六千回からは余裕がございます。ただ、十七万六千回は滑走路自体に対する離発着能力でございまして、空港全体といたしましてはこの離発着する飛行機が円滑に就役できますようなスポットの数がひとつ問題になるわけで、羽田におきましては、実はこのスポットの数が不足しております。そこでこの十七、力六千回の能力に見合うようなスポットの数の増強を考えて、いま鋭意工事中であるわけです。
  24. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 アメリカチャーター機による飛行場の占用でありますけれども、最近のこの増減状況、現況というものを、ことしはわからないかもしれないけれども、昨年、一昨年、一昨々年と、その辺の増減の状況というものはわかりますか。
  25. 手塚良成

    政府委員手塚良成君) MACチャーター機でございますが、四十三年におきましては、千九百二十一回、それから四十二年は二千二百二十六回、四十一年が千三百六十九回、手元にございます資料におきましては、そういった状況です。なお、ちなみに、これは相当月別に出入りがございますが、月別が必要でございますれば申しますが、年で申し上げますとそういった状況でございます。
  26. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 増減がいろいろあるようですけれども、やはりそれは月別にして、あるいは年別のその増減の理由等はどういう理由によるものか、わかりますか。
  27. 手塚良成

    政府委員手塚良成君) 月別で四十三年を見ますと、四十三年一年でございますが、これを見ますと、一月百七十四機、二月が二百二十八機、三月二百七機、四月が二百十二機、五月百八十二機、六月百七十二機、七月百七十一機、八月百五十七機、九月百十二機、十月九十五機、十一月百六機、十二月百五機、かような状態になっておりまして、例年で見ますとやはり二、三、四月がわりに多いのでございますが、私どもは、二百機をオーバーいたしますとこれは困るということで、米軍にしかるべきルートを通じて申し入れをいたします。四十三年におきましても、そういう申し入れをいたしましたが、これがこういった月の状態でどうして変わるのかという実情につきましては、実は私どもには具体的にはよくわかりません。ただ、最近の事情といたしまして、日曜日にその機数がふえておるという実情はございますが、これは米軍の横田飛行場の滑走路の改修工事をやっておりまして、その改修工事の結果、向こうに着けないので羽田に着くという実情がございまして、日曜日に数がふえるという実情がありますが、これは向こうのNOTAMによりますと、大体今月いっぱいぐらいで工事を終わるというようなことをいわれておりますので、そういったことで変わってくると思います。
  28. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 現在の米軍の横田基地をはじめとする米軍の基地ですけれども、現状はどうなっておるのか。いろいろ日本国際空港というのが、日本国内問題として非常に問題になっている際に、米軍の基地というものが、はたして将来返還をされるような方向にあるのかどうか、現在は有効に利用されているのかどうか。また、その返還をされる可能性がさしあたってない場合には、部分的にでも返還をされるといったような傾向があるのかどうか、それに対する米軍と日本政府との交渉というものはどのように行なわれておるのか、その点をお伺いをしたいと思うんです。
  29. 鶴崎敏

    説明員(鶴崎敏君) 日本にございます米軍の基地につきましては、これは使用の実態等を勘案しながら、地元のいろいろ都市計画その他との競合問題あるいは騒音等の周辺に対する障害の問題、こういったこともございますので、日米間でかねがね折衝をしておりますが、昨年の暮れに行ないました第九回の日米安保協議委員会におきまして、約五十の施設、区域につきまして、返還とか、あるいは共同利用、あるいは移転といったようなことにつきまして協議いたしたわけでございます。その後、この問題を事務的に詰めていくという方針のもとに、合同委員会のもとに専門の部会をこさえまして鋭意日米間で検討を進めております。これまでに日米間において、施設、区域の返還等について合意の成立したものが二十一カ所ございます。なおこの残余の部分につきましても、なるべく早急に日米間で合意を得られるように現在事務的な手続を進めておるという状況でございます。
  30. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 きわめて外交交渉にわたる問題になるかとは思いまするけれども、それは日本の狭い国土の中で、国際空港羽田が狭くなったから成田空港をどうするかということがいろいろと論ぜられておる際に、米軍の基地というものが何かもうわれわれのさわることのできない問題のようになっておるということは、国民感情としてはなかなかこれは納得しがたい題問があるような気がするわけです。  そこで大臣にお伺いしたいのですけれども、これは国際情勢といったようなことと結びつきがあると言われればそれまででありますけれども、米軍の基地というものがはたしてどのように使われているのか、これが日本の空というものがもうすでに米軍の管理にあるということもあるんですけれども、空の管理も逐次日本に返してもらう、基地のほうも逐次日本に返してもらう、こういうことはもう沖繩を返還をしてもらうと同様に進めなければならないことじゃないかという気がするのです。だから運輸大臣といえどもこの米軍の基地の実態というものはある程度把握をされているのではないかと思うし、またその状況いかんによっては、運輸大臣としてこの返還というものを政府が行なうようにしむけていくということもやられておるのではないかという気がするのであります。その点は、はたしてどのような状況にあるのか、お伺いをしたいと思います。
  31. 原田憲

    ○国務大臣(原田憲君) この米軍の基地問題に関しましては、先般、国会におきまして、公明党のほうで、基地点検ということから取り上げて政府に対して御質問なり、またこれに対する対策についての問題提起がございました。これは以前から各党で、この基地問題についてはそれぞれの立場でそれに対するところの対策を持ち出しておられるわけでございますけれども、たいへんこれはクローズアップされた問題でございまして、政府としましてはいま施設庁からお話をいたしておりますように、いま瀬谷さんもお話しのように、これだけの日本は非常に狭いところでございますから、飛行場一つつくるのにもなかなか困難である、そのときに遊んでおるといっては語弊がありますけれども、遊んでおるというふうに見られるようなところが少しでもあることはこれはおかしいじゃないか、これはは当然のことでございまして、政府といたしましても、この基地の関係について米軍との間の交渉を重ねておるわけでございます。いま施設庁のほうから御報告をいたしておりますが、順次返還すべきものの合意に達したものは返還をされております。最近にも具体的に四カ所の個所があったわけでございます。私は運輸大臣でございますから、最もそれと関係の深いような問題については常に気を配っておるつもりでございます。たとえば一番大きな問題といたしましては、先般九州、この福岡の飛行場では九大の問題が起きまして、それ以後政府いたしましては、あれは民間航空の専用にして、軍事基地的な飛行場はほかに求めることを考えろということを言いましてから今日まで、いま確定はいたしておりませんけれども、その方針を変えておらないわけでございますので、私といたしましては、事ある機会にこの問題についてどう進んでおるかということを総理府に尋ねたり、また推進をするように今後も努力を重ねていくつもりをいたしております。  また、先般から射爆場の問題に関連をいたしまして、新島を射爆場に使うかどうかというような問題が問題になっていることも御承知のとおりでございます。これは私のベースまでまだまいっておりません。この問題につきましては、厚生、農林、運輸、それから防衛庁との間の問題でございまして、施設庁とわがほう、あるいは農林、厚生の事務当局ベースで話をいたしておりますが、私といたましては、この話を聞いたときに、もちろん完全に話し合いができるならけっこうなことでございますけれども運輸省としての立場から絶対守るべきことは守らなければならないというたてまえをもちまして臨んでおりますが、このことについては、私のところへはまだどうなったということは聞いておりませんが、新聞紙上では、施設庁のほうから非常に困難になっておるということを国会でも答弁をいたしておるということを聞いております。私といたしましては、基地問題に関しましては、そのほか私の行政の上で責任を持てる限りの面は、どちらかというと積極的に進んでこれらの問題を解決するように意を用いていきたいと考えております。  また、これに引き続き御質問があるかと思いますが、その節には御答弁を申し上げますが、基地周辺におけるところの対策と同じように、空港関係の対策につきましてもできるだけの努力をいたしていきたい、このように考えております。
  32. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 たとえばチャーター機の問題だいぶ先ほど質問が続出いたしましたけれども、これらの問題も、現在の羽田空港が行き詰まってきている、そこへまたチャーター機といったような問題が現にあるということは、どうしてもこれは問題にせざるを得ない。そこでそういう問題にせざるを得ないという背景を考えてみると、これは米軍基地をいろいろとわれわれが注目をしないわけにはいかなくなってくるわけです。私も選挙の際など、米軍の基地周辺を回ることがあるんですけれども、中で何が行なわれているかということはわれわれには全然わからない。しかし、こつ然として、過密地帯である日本の住宅地帯からぱっと無人の原野みたいなところが目に入るわけです。それが米軍基地なわけです。百万坪ぐらいの、とえば私どもの埼玉県でもそういうところがあるんですけれども、その対照が極端なわけです。われわれの自動車で走り回っているところはほんとうに家がごみごみしている、どこへ行っても鼻先に家が迫っておるようなところばかりなんですけれども、それが横文字のゲートのところへ参りますと、広々としたところに人っ子一人いなくて、青々と草が茂っている、こういうところがあるのか、こういう奇異の感に打たれるわけです。それが米軍基地ということになると、これは考えざるを得ないわけですよ。  そこで九州の板付の空港であるとか、あるいはまた水戸の射爆場であるとか、こういうようなことを考えると、われわれとしてもほんとうに割り切れないものを感ずるわけです。それは戦争に負けたからしょうがないと言ってしまえばそれまでかもしらぬけれども、もうすでに戦後二十四年ですからね、いつまでたっても射爆場を使って住民に迷惑をかけておるというようなことは国民感情としてもこれは許せないという気がいたします。そこで私は運輸大臣であるからといってこういう問題については無関係ではないんですから、やはり日本の政府としてこの種の基地問題に対して腰を据えてかかっていただく必要があるのではないか、こういう気がいたします。で、新島の問題もどうもぐあいが悪いということで、また水戸の射爆場がそのまま続けられるということも聞いております。私実は水戸へ行きまして、一、二度地元の人たちから射爆場の返還について陳情を受けたことがあります。かなり昔の話なんです。 いまもってこの問題は鮮決しませんね。今度はじゃ青森県のほうへ持っていくとかいうことなんでありますけれども、持ってこられたところはたいへんに迷惑をするわけです。だから、こういう問題は米軍の演習のための、訓練のための射爆場なんですから、既得権のようにいつまでも日本国内を使うということをさせてはならないという気がする。あれだけ広い国土を持っているんだから、自分の国内でやればいいことだし、どうでも日本の周辺で射爆場がほしいというならば、日本の国民に迷惑にならないような場所を物色したらどうなのか。たとえば、日韓条約の際にいろいろと問題になった竹島なんというのがありますね。新島のかわりにあそこら辺を射爆場にするといった程度のことならば、これは話し合いでもってでさないことはないのじゃないかと思うけれども、そういったようなことが日本政府として米軍と話ができないものか、そういうことにむしろ積極的に乗り出すということのほうが、いま問題になっておるチャーター機の問題等を根本的に解決するためにはいいのじゃないかと思うのでありますけれども、その点、運輸省としての考え方と、政府としての話を進めるについての方針といったようなものをあわせてお聞かせ願いたいと思うのであります。
  33. 原田憲

    ○国務大臣(原田憲君) 私は運輸大臣としての取り組み方の問題につきましては、先ほども少し申し述べたところでございます。いまたいへん具体的な問題として水戸の射爆場の問題を持ち出されたわけでございますが、これは科学技術庁と防衛庁との関係で話をされておる問題でございまして、担当でないのが横から土びんの口のように口を出すことはどうもどうかと思いますので、意見は差し控えさしていただきたいと思います。しかし、アメリカのほうが演習やって、訓練しておるというのは、日本の国に万一のときがあった場合にどうするとかいうことでありますから、アメリカ国内でやっておったのではそのためにならないというので、日本国内で場所を求めてやっている、こういうことでございましょうから、いたし方ないという立場にわれわれは立っておるわけでございますが、御指摘のように、昔は広い原野であった、だからそこへ基地があった、ところがこのごろは人口移動が起こりまして、そこらに家を建てなければならなくなってきて、家のほうがどちらかというとあとからできたような問題もございます。王子のように、町の中にあって、何とかして早く移したほうがよいというたてまえを政府としてとっておると私は承知をいたしておるのでございますが、それぞれのいろいろな経緯、沿革があるわけでございます。したがって、やはりものごとによっては都会のまん中的なところでないところのほうがいいというのが大体のこれも常識的に語られておる問題でありますが、そういうところが非常に日本の国では少ないので、もとに話が戻りますけれども、できるだけ数をしぼっていくというところに重点を置いて整理をしていくという方向に政府は進めておるわけでございまして、私も国務大臣といたしましてはその方向で協力をいたさなければならない、こういうように考えております。いま瀬谷さんからもお話がありましたように、そういう問題については運輸大臣だけでなしに、政府の国務大臣としてもしっかりやれというお話でございますので、今後ともしっかりやっていくつもりでございます。
  34. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 チャーター機の問題から少し脱線したか飛躍したか、だいぶ話がいろいろなほうに移りましたけれども、しかし水戸の射爆場というのを言い出したのは、これは大臣の口から出たことばなんで、私もそれにつられていろいろ言ったわけなんですが、いまの大臣の話だと、水戸の射爆場の問題や米軍のそういう演習は日本の国を守るためにいろいろ演習するのであって、したがって、米本国ではぐあいが悪いんだという意味お話がありましたけれども、そうとばかりは言えないんじゃないかという気がするんです。というのは、水戸の射爆場と伊豆の新島では全然違うわけですね、地形が。たとえば、日本の海軍が真珠湾を攻撃するための訓練地として鹿児島湾を利用したというのは、地形が似ているからあそこを演習地として利用するのがたいへん訓練上適切であるということがあったかもしれない。しかし、水戸の射爆場というのは、何も水戸を守るために米軍が存在しているわけではないんでしょう。水戸の射爆場にかえるに伊豆の新島に持ってこようと、あるいはそれがだめなら青森県に持っていこうということは、地形上の必要性に迫られてのことではないと思うんです。これは実弾射撃を行なったり、爆弾を落としたり、そういう場所としてはどうでもいいということなんです。日本国内ならばどこでもいいというのは極端かもしれませんけれども、地形が問題じゃないということになれば、それならば要するに爆弾を落としても、射撃をやってもなるべく被害の及ばないところの場所を見つけるということのほうが私は親切な方法ではないかと思う。それならば水戸をやめて新島に持ってきたって新島にも人がいるわけだから、要するに日本人の住んでいない場所でどこか適当な場所を物色すべきではないか。たとえば竹島ということをさっき言ったわけですけれども、これなんかは名案じゃないかと思ったからちょっと口から出たわけです。そういうことを考えてみると、日本国内の基地の問題は自分の所管であるとかないとかいうことよりも、結局は運輸大臣の所管の問題と必ずぶつかってくると思うんです。だから、これは科学技術庁の所管であるとか、防衛庁の問題であるとかいうことでなく、運輸省の問題として対処していかなければならない、こう思うんです。  そういう観点からもう一つ私はお伺いしたいのでありますけれども、米軍の空路というのがありますね、ブルー14とか、こういったような空路がありますけれども、このために日本の飛行機はかなり制約を受けておる。こういう事実は今日といえども否定できないと思う。そうすると、直接の折衝は外務省であり、防衛庁であるかもしれないけれども影響を受ける、利害関係の度合いからいうと、運輸看は決して局外者じゃないわけです。だから、こういう米軍の専用空路といったような問題は、もちろんこれは安保条約にまでさかのぼらなければならない問題かもしらぬけれども、個々の問題を具体的に解決するためには、これらの米軍の専用空路というものは逐次解消をしていく、あるいはまた日本航空の便宜のために規制をしていくというのは政府としての正しい方針ではないかと思うのでありますが、これらの問題についての折衝というものははたして今日行なわれているのか、あるいは行なおうとする腹があるのか、そういう点をお伺いしたいと思う。
  35. 手塚良成

    政府委員手塚良成君) ブルー14の御質問が出たわけでございますが、これは運輸大臣航空路指定権によりまして、運輸大臣によって指定されておる航空路でございます。この航空路の必要性は、航空路の西側にございます御承知の四つの軍用の飛行場、横田、立川、厚木、入間川というものの主として出入の必要から出ておる空路でございます。したがって、この空路と四つの飛行場というものは一体をなしておるというふうに考えられるわけでございます。そういった飛行場との関連におきまして、この航空路を使用いたしますのは主として米軍機ということになるわけでございますが、これは民間の飛行機も適宜必要の場合には使用をいたしておる。問題はこの航空路が西の側に壁のようになりまして、西へ出ていくのに非常に不便を感ずるということが民間航空上は非常に問題になるわけでございます。この点につきまして、私どもは米軍と直接交渉いたしまして、これに言うならば穴をあけまして西のほうに出られるようにするという交渉を過去ずっと引き続いてやってきております。現在穴が二つあいております。横須賀から入ってまいりまして箱根を越えて先へ出るものと、現在主として使われておりますものがそこから浜松に出てまいります空路でございます。これによりまして民間飛行におきましては、場合によりますが、十分ないし十五分ぐらいの時間的短縮、それに伴う運航経費の減というようなものが出てまいりまして、非常に便宜をしておるわけです。ただ、これも東から西へ行くだけでございまして、西から東、羽田へ入っていくという場合には現在それが認められておらない、こういう実情になっておるわけです。こういうような穴をあけるような操作がなぜできるかといいますと、航空路の管制、飛行場の管制におきます計器類といいますか、レーダー類が整備されてくることから、そういう実態が出てまいるわけでございます。私どもはそういうようなことから、今後におきましても、米軍との間でできるだけの折衝を重ね、そういう民間航空の障害を除去し、あるいは民間空港の利便を向上するというような問題については積極的に取り組んでまいりましたし、今後もそういうふうにやってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  36. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 この日本国内の、しかも首都東京の上空にあるブルー14とか、こういった程度の空路に穴を二つあけるくらいのことで相当長い折衝をしなきゃならないというようなことでは、日米航空交渉なんていうのはなおたいへんだろうと思うのですがね。せめてこんなところに穴を二つや三つあけるくらい簡単にできるようでないと、日本の空なんだからいささか情けないという気がするわけであります。  で、先ほどのお話でありますが、厚木や横田あるいは立川とこの空路というものは一体のものだというお話がありましたけれども、一体のものであれば、結局、そこからたとえば横田の基地に離着陸をしようとしたチャーター機が羽田のほうへ回ってくるというような問題もあわせて考えてみた場合には、これはやはりよその省の問題じゃなくて、運輸省自体として当然扱うべき問題になるわけですね。  そこで、この成田の空港のほうへまた話が戻りますけれども成田の空港というのはやはりブルー14とは決して無関係ではなかったということになりますか、結局は。
  37. 手塚良成

    政府委員手塚良成君) 成田に新空港の予定地を求めるという際の経緯の一環といたしましては、端的に申し上げますと、やはりそのブルー14といいますか、ブルー14と一体をなしておる軍用飛行場が四つ西のほうにあるということは頭の中に入れて決定をされたわけでございます。このブルー14と四飛行場というものが、われわれの新空港を必要といたします四十六年の四月までには、いろいろ折衝をやり、民間航空の問題としてこれをどうするかということをいろいろ考えましても、なかなかその解決はむずかしかろうということで、一応その地域については新空港の予定地を求めることはできない、こういう考えのもとに、現在の予定地の方向にさがさざるを得なかったという事実はあるわけでございます。この四つの飛行場は相関関係を持っておりまして、かりにその一つが廃止されるということがございましても、他の三つがある限りはやはりこのブルー14は存置せざるを得ないという状態でございますので、そちらのほうが全部一ぺんにクリアになるということになれば、これはまたそちらのほうも一つの候補地になり得たかと思いますけれども、なかなかそういった実態は、当時としても、おそらく現在におきましてもなおかつある程度はそうではないかと思いますが、なかなかこれを全部一挙に取り払うということは困難だろう。またそれをかりに取り払いましても、そのあとを直ちに国際空港に使えるかということになりますと、これまたいろいろ周辺の事情その他からいたしまして必ずしも簡単ではなかろうというふうに現状も考えるわけでございます。いずれにいたしても、そういった大きな空港の立地の問題でございます。当時はそういったことを種々頭に入れまして、現地が最適であると考えて決定いたした次第でございます。
  38. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 そうすると、結局は、早い話が、米軍の基地あるいはブルー14といったことのために東京の国際空港成田に求めなければならなかったということになるわけなんですね。だから逆に言うならば、東京周辺に米軍の基地というものが存在しないと仮定をするならば、国際空港は必ずしも成田に求めなくてもよかったということになるわけですね。
  39. 手塚良成

    政府委員手塚良成君) まあそこの現在ありますブルー14より以西のところがもし軍用飛行場がなかったら直ちに国際空港過地となり得るかということにつきましては、これは先ほどもちょっと触れましたけれども、現状におきまして必ずしも適地とは言えないのではないかと思います。と申しますのは、一つには立地条件といたしまして、その軍用飛行場からさらに西のほうには御承知の丹沢山系があるわけでございます。軍用機と民間機の大型機の間ではその行動能力などに非常な違いがございますので、そういった障害は非常な障害となると思います。なおまた周辺の人口密度の問題等も考えますときには、やはりそういった密度は相当なもので、なかなか所定の面積等を確保するというのには困難性が伴うかと考えられます。それからさらに、航空路その他の設置の現状との関係、あるいはこの保安施設を使います場合にレーダーの操作の関係等々のことを考えますと、現状軍用機として使ってはおりますけれども、民航機としてそこを使うということがはたして適当かどうかということは相当関係があろうと思います。したがいまして、そこに軍用飛行場がなかったらそこは直ちに民間飛行場、特に現在成田で考えておりますような国際空港が適当かどうかということについては問題があろうと考える次第でございます。
  40. 加瀬完

    加瀬完君 関連。結果からいえばそういう御説明も成り立ちますけれども、経緯からいうとそうではでございませんね。ブルー14というのがありますから、ブルー14の東側でさがさなければならないというので、西側には候補地というのは一カ所もありませんでしたね。いま局長は、人口密度とかいろいろおっしゃるけれども、たとえば人口密度ならば、たとえば浦安は人口密度が西側よりもむしろ濃度が高いですね。あるいは木更津とか霞ケ浦とか、現在の自衛隊の白井基地周辺、印旛沼、富里とか、ほとんど候補地がブルー14が前提にあったから全部その東側に求めるという経緯ですね。ですから、確かに丹沢山系その他富士山ろくにいたしましても、気象条件その他は空港として適地ということはあり得ないでしょうが、適地であるなしにかかわらず、見つけなくて、ブルー14のために東側からだけ見つけた、ですから当時の松浦大臣ことばをもってすれば、空はここしかあいておりませんというのが現状で、現状の成田周辺というものが物色されたということの経緯でしょう。だから、ブルー14というのがやっぱりいずれにしても新空港をつくる一番の、われわれのほうからいえばじゃまになっておったことはいなめませんね。これはお認めになるでしょう。
  41. 手塚良成

    政府委員手塚良成君) いまの人口密度その他のお話を申し上げますと、やはり総合的な条件の整ったという意味で、その条件の一つとしてはそういう人口密度等も当然考えなければならぬということで、その観点からだけはおっしゃるような場所等がもちろんよりベターであるということになったと思います。  もとに戻りまして、ブルー14そのものがあったということで、端的にそれから西のほうには問題を展開しなかったということは、これは先ほど来申し上げておりますように、四軍用飛行場との関係のブルー14ということでございまして、この四軍用飛行場一斉廃止というようなことはまず不可能と考えられましたので、やはりこの地域から西に云々することはこれは困難であるという判断で東のほうに予定地をさがしたというのが実情でございます。
  42. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 結局、ブルー14というものは動かしがたいという前提に立って成田に候補地が物色をされたということになるわけでしょう。しからば、成田空港がすでに空港として行き詰まってしまったという事態になったならば、今度はどこに候補地を求めるかということも考えてみなければならぬと思う。そこまでは考える必要がないのかどうか、これから航空界の伸展といったようなこととにらみ合わせて、現在考えられておる空港の規模でもって十分に間に合うというふうにお考えになっているのかどうか、将来の展望を含めてお伺いしたいと思います。
  43. 手塚良成

    政府委員手塚良成君) 成田の新空港ができましてその供用の開始後、私どもは供用可能な期間というのは相当長期にわたって使用が可能であると考えております。これから十年あるいは二十年という期間におきましては、機械的にもあるいは都心との施設の問題等にいたしましてもいろいろな変化が予想されるわけでございまして、なかなか何年たったらということを確定して申し上げることはむずかしいと思いますが、現在の機材の大型高速化ということを一応頭に入れまして、それで新空港の供用可能な期間を考えますときに、相当長期にわたって使えるというふうに考えております。したがいまして、ただいまこれが一ぱいになったらどうするという問題については、当面まだ考えておらないわけでございます。
  44. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 先般の委員会の御答弁では、さしあたり国際空港のほうを——いわゆる国際空港を外国との往来にもっぱら使用する。そして羽田は国内空港の基地として使用する。こういう使用区分というものは変えないでずっと今後進めていくという構想なのかどうかですね、その点。
  45. 手塚良成

    政府委員手塚良成君) 羽田と成田の運航区分につきましては、ただいまのところ、いま仰せられましたように、羽田は主として国内線用の空港に使う、それで、新空港については、これは国際線を主として考えていく、かように考えております。しかしながら、これは基本的な考えでございまして、若干その間に、たとえば羽田で近距離の国際線、朝鮮あるいは台北へ行く、こういった、飛行時間にしましてもごく短距離なものは、地上の交通との関係もございまして、あるいは将来において運航配分上、一部の国際線を扱うということもあり得るかと思います。  なお、新空港の成田におきましては、御承知の二千五百メートルの滑走路が一本つくられるわけでございまして、こういった滑走路の長さの関係を考えますときに、羽田で国内線が一ぱいになってくるというある時期におきましては、成田のほうにその国内の一部を移すということもあり得ると思います。これはやはり移しましても、近距離のものを移すことは、非常にやはり地上交通の時間との関係でロスがございますので、たとえば鹿児島とか、あるいは千歳とか、そういった遠距離の国内のものは、羽田が一ぱいになれば成田にも移すことを考えざるを得ないのではないかというふうに考えております、しかし基本といたしましては、羽田を国内線専用、成田を国際線を主とする、かように考えております。
  46. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 使用区分も、大ざっぱな使用区分はわかりましたが、その場合、先ほど来お話のあったようなアメリカチャーター機といったような問題が出た場合にはどういたしますか。
  47. 手塚良成

    政府委員手塚良成君) これは幾度となく委員会議論をされましたことで、チャーター機、先ほど大臣がここでお答えになりましたとおりでございます。チャーター機自体につきまして、法的な面におきます出入の権利といいますのは、御承知地位協定の第五条できまっております。したがいまして、法律的に見ますならば、成田についても出入ということはあり得るということになるかと思います。しかし、実際に羽田においてもとっておりますがごとく、出入については極力民間航空の機能を阻害しない範囲で使用をしてもらう。そしてそれが、そういう事態に立ち至るならば、これはしかるべき筋を通して抑制方をお願いし、また羽田におきますごとく、その成果もあらわれておりますので、そういうような措置をとってまいりたい。しかし成田におきましては、本来の使命が、先ほども話に出ましたとおり、民間の国際空港として初めて国内につくる空港でございますので、その使命に徹するような強力なる措置を考えていく、またそういう努力をしていく、かように考えておるわけでございます。したがいまして、まず成田については、チャーター機というようなものは極力可能な限りにおいてこれを抑制し、最小限にとどめる。私どもはまずここに入れたくないという気持ちが真意でございまして、これは法的に云々はできませんけれども、それくらいな強い決意で当たりたいかように考えておる次第でございます。
  48. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 強力な措置といま言われましたけれども、強力な措置をとる場合の交渉のルートというのは、運輸大臣から米軍のほうに直接話をするというようなことになるのか、その間防衛庁関係、外務省関係が中に入るようなことになるのか、それはそこまではまだ考えていないか、考えたくないのか、それはわかりませんですけれども、一応は心配しておく必要があるのじゃないかと思うのですが、その点はどうですか。
  49. 手塚良成

    政府委員手塚良成君) 従来の羽田の例で申し上げるのが適当と思いますが、羽田の例におきましては外交ルートを通じてお願いをしておるのと、直接私どものほうで米軍に申し入れをしているのと両様ございます。また双方一緒にやっておるというようなものもあるわけでございます。したがいまして、できるルートで、すべてを通じてやるというのが正直なところではなかろうかと思います。もちろん、基地として使用する場合には合同委員会にかかってまいりまして、これは外務省、防衛施設庁が主でございますが、こういう場合には私どもは直接参加をいたしませんけれども、先ほど来申しておりますように、基地としての使用は断わる、こういうようなルートと決意でおるわけでございます。
  50. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 先般の委員会で、都心と成田国際空港を結ぶ道路と鉄道についていろいろ質問したのですけれども大臣の御答弁では、鉄道のほうはあまり期待をしないで、もっぱら道路でもって結ぶということに主眼を置かれているようにお聞きをしたわけであります。建設省のほうに、都心と新国際空港を連絡する高速道路の進捗状況についての資料を先般要求しておきましたが、その資料が配付されてまいりましたので、この資料に基づいて若干の質問をしたいと思うのでありますけれども、この空港と東関東自動車道を結ぶ路線ですね、高速国道千葉−成田空港線ですか、ここの買収交渉等は円滑に進んでいるのかどうか、その点ちょっとお伺いしたいと思います。
  51. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) お手元に提出いたしました資料のうち高速道路等の進捗状況でございますが、そこにも書いてございますように、実は現在用地買収について全力をあげてやっておるわけでございますが、まだ格差協議をいたしまして、どこの地区にはどれくらいの値段の格差が適当か、この辺の協議をしておりまして、これもいま早急にきめまして、用金の価格の発表をしたいというふうに考えておりますが、そこにも書いてありますように、この十月くらいまでに全部の用地の買収を終わりたいという予定で、鋭意用地の交渉を進めておる段階でございます。
  52. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 十月までに用地取得を完了したとして、工事が完成するのは四十六年三月という話だったのですが、大体四十六年三月までには工事は完成をするということは、自信を持って言えるわけですか。
  53. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) これは道路公団と私のほうで工程についてはよく検討いたしました。特別の大きな事故のない限りは三月までに完成できる。しかし三月末というのは、相当な、いわゆる急いだ工程をやらないと終わらないそういうこともございまして、用地を終わりましたら、できるだけこの工程の達成に全力を尽くして、三月一ぱいに終わるというように工程を組んでおる次第でございます。
  54. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 空港公団側にお伺いするのですけれども、公団としては道路と空港の完成とはあわせて同時に竣工させるというもくろみでいま工事を進めておれるのですか。その点はどうですか、道路との関係は。
  55. 今井栄文

    参考人(今井栄文君) 新空港は、昭和四十六年の四月、四十六年度の初期になるわけでございますが、それまでに第一期工事を完成させる、こういう目標で現在やっておるわけでございますが、その基本は、運輸大臣の御指示によりまして、公団としてはそのスケジュールに合わせて、いま全力をあげておるわけでございます。道路のほうの関係は、むしろ空港の建設というものに、建設省のほうでこれに計画を合わせていただいておる、こういう関係でございます。
  56. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 「新東京国際空港供用開始時の都心・新空港間の所要時間」というのが資料に出ておりますけれども、六十三・六キロで五十九分、こういうふうに出ております。しかしこれは箱崎と新空港との間の所要時間ということになるわけでありますから、都心から箱崎までの所要時間をこれにプラスされなければならぬわけですね。高速六号線と七号線のうち、六号線のほうと、それから箱崎まで至る間の道路網というものは渋滞をするというおそれはないのかどうか、現在の羽田空港線と比較をしてみてどういうものかという懸念があるのですが、その点はどうですか。
  57. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) このお手元に提出いたしました資料は、箱崎からの延長になっておりまして、箱崎から谷河内十二・九キロになっておりまして、箱崎から——この数字は、この前の委員会運輸省から出した数字とちょっと変わっておりますが、これは最近の首都高速の設計から精査した結果でございます。箱崎から東京の首都高速のリングに入ります江戸橋がございます。江戸橋では上りがおりられませんので、呉服橋まで参りますと、箱崎から約一・八キロございます。さらに呉服橋から環状線を通りまして霞ケ関に参りますと、距離として六・四キロばかりございます。この間、霞ケ関までの所要時間でございますが、私、昨日も乗ってみましたが、大体六・四キロでございますと六分ないし七分ぐらいかかる。これもそう特に込んでおるという状況ではないときでございます。いまのお尋ねの、この首都高速の中が非常に込むのじゃないかという問題でございます。実は私、この点が非常に、首都高速の交通処理もあわせまして心配しておるところでございまして、御承知のように、首都高速の環状線から各一号線、二号、三号、四号、五号、六号、七号というような放射線に出ますと、これが全部ここへ集まると非常に混乱も生じるということでございまして、そのときにはやはり混乱を事前に、混乱を事前に予告いたしまして、適当なところで現道におりてもらうというようなことも、あるいはそういう規制の方法もあるいはしなければならないのじゃないかというように考えております。いまの環状線の四号線を六車線に広げるということも、いま首都高速で検討させておりますが、こたは非常に技術的に困難でございまして、別の一般道路におけるようなオフランプ、こういうものをつくっていかないと、なかなか環状線の混雑は解決できないように思っております。その辺はこれからの問題として、いま首都高速にも検討を命じておる次第でございます。
  58. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 羽田の空港と都心といいますかね、この近辺との交通が最近非常に混雑するようになってきたということをわれわれも体験しているわけなんです。この羽田空港と都心との混雑というのは、これは解消するような何らかのうまい方法があるのかどうか、この点どうですか。
  59. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) とりあえずの方法といたしましては、私たちいまの車線をふやす問題これは非常に技術的に困難でございまして、オフランプをつくることと、それから故障車による渋滞が非常に件数として多くなっております、故障車を排除するためにできるところに待避所をつけるというようなことで、とりあえずは混雑の緩和をはかっていきたいと考えております。もう一つの方法は、やはり首都高速の九号線というもので海岸、東京湾内に出て、それから羽田に行くもの、これをいずれつくらなければならないということで、いま陸上部で計画を急いでおる次第でございます。
  60. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 この新空港と東京都心との間の所要時間は五十九分と、こういうふうに出ておりますけれども、箱崎というのは隅田川の清洲橋と永代橋との間くらいですね、ちょうど。そうすると、あそこが都心というわけにはいかぬですな、隅田川のほとりですから、昔は江戸のはずれだったでしょう、大体あの辺はね。吉良上野介の屋敷のあったあたりでありますから、昔でいえば郊外の別荘地。だから都心とは言いがたいですね。そうすると、都心ということになると、どこが都心だが、日本橋が都心ということになるのだか、あるいは宮城、霞ケ関あたりが都心になるのか、都心の定義をよく知りませんけれども、大体において東京駅、丸の内から霞ケ関、宮城のかいわいを都心とした場合には、この箱崎まで行くのには何分かかるということを考えると、結局空港と都心との間を結ぶ時間はスムーズにいって一時間十分ぐらい、こういうふうに見なければならぬでしょう。これは多少込んだり何かするとたちまちそれにプラスされるということになると思いますけれどもね。いま羽田と都心との間の高速自動車道路があんなに渋滞をして時間がかかるようになって、そのためにモノレールがひまだったのが繁盛するようになったという現象が出てきたですね。そうすると、羽田と都心の間よりはるかに距離の長い、しかも千葉を通っているわけです。そうすると、京葉道路というのは、空港往復の車だけじゃなくて、千葉往復の、要するに東京と千葉の間を往復する車もここを利用するということになるので、相当な混雑というものを覚悟しなければならないんじゃないかという気がするし、さらにこれが箱崎からこっちの都心に入ってきて渋滞をしたらどんなことになるんだろうかということをちょっと懸念しないわけにいかないんです。そこで、道路の中でも東京都の中の高速道路ですね、これは幅も狭いし、ここで一度突っかかると何ともならないわけですね。私も一度経験したことがあるんですけれども、横にそれるわけにいかないですよ、前もうしろも詰まっちまって。それで飛行機に乗りそこなうということも出てくるわけなんですけれども、こういう現象がないようにしないことには、はたして高速道路としての機能を十分に発揮できるかどうか、疑問があると思うんですがね。千葉県のほうの空港の近所の東関東自動車道路あたりだったらそんな心配はしなくてもいいかもしらぬ。しかし、問題は、都心の、昔の江戸市内、このあたりの交通状況というものをどのように将来見越してそして現在計画をされているのか。それに対する対策というものは、空港との往復ということに限らずに考えなきゃならぬじゃないかと思うんですよ。その点は建設省としてはどういう構想を考えておられるか、その点をお伺いしたい思うんです。
  61. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) これは確かにいま先生のおっしゃいましたように、この提出いたしました資料の中で私一番心配なのは首都高速の問題かと思います。実際、高速道路の千葉−成田線に行きますと、この資料では走行速度を八十九キロ、大体九十キロというようなスピード時間を計算しております。さらにそのほかにゲートについての所要時間を一分ずつ見ておりますが、この数字そのものは、いまの東名高速の東京−厚木間でいろいろ実測をした数字でございまして、これは東京−厚木間の実測を見ますと、もっと非常にスピードが出ておるわけなんです。ただ法定速度はやっぱり百キロでございますから、その中で走るにはやはりこのぐらいの数字が妥当だろうということでございまして、やはりこれを見ますと、首都高の六号、七号線について一番、先生のおっしゃるような不安は出てくるわけでございます。その構造といたしまして、私たち、やはり七号線につきましては、いま建設中の段階でございますが、大体一キロ百ぐらいに一カ所待避所をつくるようにしております。できるだけ故障車はそこに入れるというようなことで、いままでの一号線よりは、そういう点、配慮はされておると思います。ただ、なかなか道路の構造上、一回故障すると、あとすぐ道路外にそれを運び出すことは非常に困難な構造でございます。その辺はやはり待避所をつくると同時に、交通の情報というものを的確にもっとやり、同時に故障車の排除、こういうものについてやらなきゃいかぬというふうに考えております。  もう一つ。将来の道路の計画ということになりますと、これはやはり東京−千葉間、千葉の東京湾岸というものの将来を考えますと、相当交通がふえると考えられます。それを処理する方法としていま考えられておりますのは、この前の委員会で申し上げましたように、湾岸道路を急ぐべきじゃないかということでございます。さらに、湾岸道路で東京に入る場合に、東京の都内も相当込んでおりますから、これをいかに分散させるかの方法として東京の外郭環状線、これも早急に着工したい。これはいま船橋、市川を通りまして松戸から浦和のほうに抜けるわけでございますけれども、こういう環状道路を設置して、なるべく都心に用のない車は外に回すというようなことを考えませんと、都内の交通がますます混雑するということもございまして、この計画はいまいろいろ関係のところで検討しておりまして、私たちの考えといたしましては、できれば四十五年、来年ぐらいからその工事の一部を着工したいぐらいの考えでございます。ただ、こういう計画をいたしましても、相当大規模な計画でございまして、用地の買収、それから建設に相当時間がかかるかと思います。やはりその中で東京の湾岸道路が比較的早くできるんではないか。といいますのは、いま、この間も申し上げましたように、葛西沖の埋め立てさえできますと、大体湾岸は東京港に通じまして、あれから首都高速の九号線、これは湾岸に来る道路でございますが、それに接続できるということで、東京湾岸道路のうち、特に千葉−東京間、東京−羽田間、こういうものを鋭意進めてまいりたいというふうに考えております。そのほかにつきましてはやはり現在の国道十四号でございますが、小松川橋とか、そういう交通のネックになっておるところの拡幅と、交差点の立体交差、こういうものを道路、街路、両方の事業で進めて、とりあえずの一つの交通緩和の対策にしたいというふうに考えております。
  62. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 まあ将来構想としてはいいんですけれども、いまのお話のようなことは一、二年の間にできることではないですね、これは。ここ  一、二年の間にできることとしては、ここの資料にある程度のことしか期待できないわけです。そこでやはり心配されるのは高速道路をつくってみても、おり口が込んでいれば何にもならぬわけですね。先般私も体験したんですけれども、池袋のほうに抜ける護国寺までの道路ができました。霞ケ関からあすこまでは六、七分で行っちまう。ところがおり口が十字路になっておって、そしてそこのところに詰まっているわけですよ。おりられないわけですね、詰まっていて。結局そこまでは六、七分で行くけれども、おりるのに何分かかかる。つまり下のしゃばの道路に出るのに何分かかかっちゃう。さらにおりてから今度はえんえんとしてつながっておる。池袋まで行くのに、護国寺まで六、七分で行って、あすこから池袋まで二十分もかかるというように、実に地図を見るとばかげた現象が生じている。それから上野のほうに行く高速道路も、これまた十字路の手前でおりるようになっておって、かなりここで混雑をする。こういうことなんですけれども、こういう高速道路がせっかくできても、おり口が混雑をしておるために、まあごくわずかの間だけだ、早く行けるのは。こういう現象がいまもあるわけですね。これが一、二年の間にせっかく千葉のほうまで道路をこしらえたとしても、高速道路自体が詰まってしまって、東京から抜け出るのにいいかげん時間がかかるということだと、机上の計算の上では成田まで一時間で行けるようになっていても、実際問題としてはまあいいところ一時間半ぐらいみなければこれは行かれない。飛行機の時間に合わせるためには、飛行機の離陸の二時間ぐらい前には出ていかないとこれは間に合わないということになってしまうんじゃないか。世界じゅうの飛行場の中で、都心と——外国のことで都心というかどうかわかりませんが、いわば東京でいう都心と空港との間の所要時間が一時間以上を要するというところがはたしてどれくらいあるのかよくわかりませんが、その諸外国の空港と町の中心部との所要時間というのは大体においてどのくらいかかっておるのか、おもな国の飛行場でいいからひとつ教えていただきたいと思います。
  63. 手塚良成

    政府委員手塚良成君) 結論から先に申し上げますと、成田の空港のこの六十四キロないし六キロといいますのは、一番距離にいたしまして長いと思います。世界でその次に長いのは、ワシントンのダレス空港、これが距離にいたしまして四十三キロございます。まあ自動車の時間は距離から割り出せるかと思いますが、四十三キロでございます。その次はシカゴのオヘアという空港が三十六キロでございます。以下は大体二十キロないし十五、六キロというところにあるのが大半の空港パリにしろ、ニューヨーク・ケネディにいたしましても、ロスアンゼルス、コペンハーゲン、その他、大体そんなところでございます。したがいまして、成田の空港というのは国際空港としましては世界で一番都心から長い、かように言わざるを得ないかと思います。
  64. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 つまらないことが世界一になったものだと思いますけれども、これは国際空港としてはそうするとあまり地理的には結局は適当でないということになるんじゃないですか。六十四キロ、世界に類を見ないほど空港と都心との間が長いということになれば、これはどうもやはり考えなければならぬことじゃないかと思うのです。成田の近所に東京を移せば別なんですけれども、それもできないということになると、これはかなり不便だ、要するに一言で言えば不便な空港ということになるわけでしょう。そうなると、自動車の輸送にだけたよるというわけにもいかなくなってくるんじゃないかと思うのですが、そこで先ほどもちょっと触れてみましたけれども、鉄道による連絡といったようなことは考える必要はないのかどうか、また予算的にそこまでは手が回らないということになるのかどうか、その点はどうなんでしょうか。
  65. 手塚良成

    政府委員手塚良成君) 将来におきましては、私どもとしましては大量輸送時代のジャンボジェット等が出てまいりますので、これらにおきます地上の輸送機関、こういうものを考え、あるいはいまの道路のふくそう状態というようなものをいろいろ道路計画面で計画をいたされますので、漸次ある程度の緩和は見るかと思いますけれども、やはりふくそう度は加わるのではないかということを考えますときに、やはり別途の交通機関が望ましいということは言えるのではなかろうかと思います。そういう意味におきまして、現在、先ほどもおっしゃいましたように、羽田との間においてはモノレールというのが非常に役立っているわけです。これなどもいろんな道路事情もあるかとは思いますけれども、やはり将来においても併用されるのではなかろうかと思います。こういった実情を考え、また外国におきましての空港におけるこういった鉄道その他が利用されておる現状等から考えますときに、やはり成田においてもそういう鉄道等を何がしか考えていくということは、時期の問題は別といたしまして、そういう必要性があるのではなかろうかというふうに私どもは考えております。
  66. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 このモノレールというものは、できたときはあまり利用する人はいなかったような気がするのです。モノレールに乗ってみようというので一回乗るけれども、一回乗ると高いので二日回にはやめてしまう、こういう状態であったけれども、最近は値下げをしたところへもってきて高速道路が渋滞をして時間がかかるようになったので、たまたまモノレールというものが脚光を浴びてきたわけです。じゃ成田の場合も、世界一距離の遠い空港なんですから、当然別途の交通機関を考えなければいかぬということをいまお話がございましたけれども、モノレールのような特殊な交通機関を考えたほうがよろしいのか、あるいは新幹線方式で連絡をする方法を考えたほうがよろしいのか、その点具体的に考える段階に至っておるのかどうか、鉄道の輸送の面でその点をお伺いしたいと思いますが、どうですか。
  67. 町田直

    政府委員(町田直君) ただい航空局長から御答弁いたしましたように、まあ道路と鉄道というものは併用する必要があるだろう、将来の問題としては特にそういうことが考えられるというような御答弁でございました。私どもといたしましては、いずれにいたしましても何らかの鉄道の便というものは必要ではないか。ただ、一体鉄道に、今後道路との関係でございますけれども、どれだけ人が乗るようになるかという算定の問題もあるかと思います。一応いままで私のほうで空港側から、航空局のほうからいただいております数字を見てみますと、四十六年の開業時には全体の中で鉄道にかぶってくるのが一日に一万七千人ぐらいではないかというふうに一応聞いております。この数字はあるいは私のほうで直接でございませんし、若干違っておるかもしれません。ただいまから六年ばかりたちましたら、五十一年度になりますと三万人ぐらい、六十一年度になるとさらに倍ぐらいの六万人ぐらいというふうな数字をもらっておるわけでございます。しかし、これも将来の予測でございますから、必ずしも正確かどうかということはわかりません。そこでとりあえず四十六年度時点、開業の時点で鉄道にかぶってくる人間が一万七、八千人ということになりますと、それをまかなうのにとりあえずどうしたらいいのかということが一つございます。それからまあ道路との関係等を見まして、さらに進みまして新幹線方式とかいろいろなことを考えていく必要もあるのではないかというふうに考えておる次第でございます。  それからこの前委員会で御答弁申し上げましたように、現在の段階では、一つは京成電鉄が現在の路線を使いまして成田まで延ばして鉄道を敷きたい、こういう申請が現実に出ておるわけでございます。この内容を検討いたしますと、大体成田から新空港までの距離が七キロ強、施設費が六十八億円ぐらい、それから完成年度は十二月に着工して四十六年三月、要するに空港が開業するまでには間に合わせる、こういうことになっておりまして、それからその場合の輸送人員でございますが、こまかい計算は別といたしまして二万人ぐらいのものは輸送できる、こういう計画になっておるわけでございます。ただ、この前もこの委員会で問題になりましたが、成田と上野間でございますので、上野から先、また乗りかえたり、いろいろのことになると非常にまた不便であるということでございます。現在の計画では、専用列車というものを一日三十五往復出しまして、これが上野−成田間ということでございます。それからもう一つ、御承知のように、京成電鉄は押上から分かれまして都営一号線と相互乗り入れをいたしております。それで一日のうち上野−成田間が六十五往復、西馬込−成田間十往復やっておるわけでございます。この西馬込−成田間というものは、先ほど申しました専用列車ではなく、普通列車で七十五往復の中に入ってくる、こういう計画でございます。したがいまして、押上で分かれまして新橋まで来るという方法もあるわけでございます。これだと、大体七十万というふうに算定いたしております。ただ、これは専用列車でございませんので、一般の人がたくさん乗り入れますから非常に不便であろうということは言えるわけでございます。この点につきましては、まだもう少し計画を練りませんとはっきりいたしませんけれども、東京都営の一号線と相互乗り入れ協約といいますか、協定がございまして、これの問題と、それと線路容量の問題等がございますので、なお検討の余地はございますけれども、もう少し検討すればあるいは専用列車を何本か入れるということもできるかもしれないという余地は残っておるわけでございます。これは京成電鉄の申請に基づく内容でございます。そのほか、この前も当委員会でのお尋ねで申し上げましたように、国鉄の既設線を延ばしていく方法から、営団の東西線を延ばしていく方法、それと新幹線方式ということが一応案としては考えられておるということでございます。
  68. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 空港公団側としては、この都心との連絡方法は、もっぱらこれは道路であって、道路以外のたとえば鉄道、モノレールというような交通機関には期待しなくともよろしいというお考えなのかどうか、それとも空港側としても要請をしようというふうにお考えになっておるのかどうか、この点どうですか。
  69. 今井栄文

    参考人(今井栄文君) 公団といたしましては、先ほど航空局長の答弁もありましたように、将来非常に大型の飛行機が出現する、現在考えられておるジャンボ以上のストレッチタイプというようなものもいま設計段階にあるようでございますので、非常に大量のお客が同時に空港に着くというふうなケースを非常に重要視して考えておりまして、したがって、今後道路のみではとうていお客をさばき切れないという事態が必ず起こるということになりますと、道路のみならず、やはり鉄道のほうにも同じように私どもとしてはウエートを置いて、将来都心と空港との交通ということを考えておるわけでございます。したがいまして、いま鉄監局長からもお話がございましたように、鉄道としても現在いろいろ都心と空港との間の連絡鉄道についての御計画を練っておられる段階でございますが、早急に御決定をいただいて具体的なものをおつくりいただきたいということでございます。それから、できる限り早く東京のダウンダウンと空港を結ぶ新幹線というものを具体化するように、ぜひひとつお願いしたい、かように考えておる次第でございます。  なお、先ほど局長から答弁がございましたように、成田は国際線、それから羽田は国内線という原則でいきますと、当然成田に着きました国際線のお客が大阪に行く、あるいはまた福岡に行く、札幌に行くとかいうトランシットのお客が相当あるのではないかという場合に、成田と羽田とのそういうトランシットの客の輸送をどうするかという問題があるわけです。これは先ほど道路局長からお話がございましたように、湾岸道路というものができると非常に便利になるわけでございますが、これについては現在鉄道並びに道路と同じように新空港と羽田を結ぶ短距離の輸送機、STOLあるいはVTOLというふうなもので結ぶということも、現在日本航空の中では相当大がかりな研究組織をつくってやっておるという状況でございまして、私どもとしては、先ほど先生が御指摘のように、都心と距離的に非常に長い空港でありますために、これをカバーするのには何としてもやっぱり交通の高速化以外にないというふうに考えております。
  70. 加瀬完

    加瀬完君 関連。鉄監局長の御説明になりました乗客予想の四十六年一万七千人という算定ですね、これが非常に不明確だと思うのです。と申しますのは、初め新東京国際空港という打ち出しで出発したときは、四千メートルの滑走路二本、二千五百メートル滑走路二本、それに三千六百メートルの横風用ということで国内線、国際線両面で使うという想定であったわけです。そのときの乗降客の員数というものは出ているわけですね。今度は縮小されまして四千メートル一本、二千五百メートル一本、横風用という構想ですけれども、横風用と二千五百メートルは当分つくらない、四千メートル一本。しかも先般来の御説明では、国際線に使うのであって国内線には使わない、ということになりますと、乗降客の員数というものは、富里案とはこれは非常に違ってくるわけですね、最初の成田案よりも縮小されるわけですね。それを基礎にして算定して一万七千人というものになるのかどうか。しかも四千メートル滑走路一本で横風用もないという場合、当然これは欠航する状態が出てきますよね。大体平均して一年のうち十六日は風力七以上の風が吹くんですから、常識としては横風用を必要とするという事態が生ずるわけです。そうしで、気象上は濃霧の視程が二以下の場合だって相当出てくるわけですから、そうなってまいりますと、ここを使えないと羽田を使わなければならないという状態も出てくる。そういうようなことを想定すると、はたして一万七千人というものになるのか、二万人になるのか、あるいは一万人を切るのか、ここらの算定がはなはだ不確実だと思う。ここでお答えいただかなくてもけっこうですけれども、もっと確実なものを私は出していただかなければ、運輸当局としても鉄道をかけていいものかどうか、あるいは建設省としても道路を何車線にしなければ運び切れないものかどうかという計画の基礎が出ませんよ。その基礎がはなはだまだあいまいなことしているように私には推察されるわけでございますが、そういう点の心配はないと言い切れますか。  もう一度申しますと、初めの計画よりもはるかに縮小されたわけですね、二分の一以下に縮小された、しかも使うのは国際線だけ。国際線がしかもおっしゃるようにジャンボジェットというものが飛んでくるときに、これが二分間に一回なんか飛んでくるようなお客さんはいないわけですから、そういう需要量はないわけですから、そうなってくると基礎の数字が狂ってくる。そこを最小に見込めばこれだけ、最大に見込めばこれだけという正確な基礎を出さなければ、鉄道にするか道路にするか、鉄道と道路両方にしなければはけないかどうかの見当がつきません。それはいまでなくてもけっこうですから、いずれかの機会にお出しいただきたい。ただここでお答えいただきたいのは、そういう基礎を計算した上で一万七千人というものを必要員数として出したのかどうか、それだけ一つお答えいただきたい。あまり時間がかかりそうならあとでもいいです。
  71. 手塚良成

    政府委員手塚良成君) いま鉄監局長お話しになりました数字が滑走路の数あるいはひいては空港の諸施設との関連にもなろうかと思いますが、そういうものが現在の計画されておるものを前提になされておるかどうかということにつきましては、それは現在中身の妥当性は別といたしまして、一応計算のたてまえといたしましては新しく計画されておる内容を前提に考えておる。特に四十六年につきましては、実はまだ新空港自体がフルな活動をしないわけでございます。私どものただいまの計画によりますと、国際線が三万六千回こちらのほうに移って利用をされるという計算でございまして、全体の能力から見ますと、うんとまだ少ない過程になっておりますので、四十六年の数字からいきますとただいま申し上げたようなことでよろしいかと思います。ただ、ずっと先の話になりますと、これがいま言ったジャンボであるとかあるいはSSTは、当初予想いたしておりますが、これらの飛行機の仕様等、 コンフィギュレーション等がどういうふうに変わってくるかということによりましてこういった乗降客数の差異が出てくるということはあり得るかと思います。しかし、繰と返すようでございますが、現在のたてまえは、新空港といいますか、昔の計画ではなくて新しい計画を前提に一応考えておる、かように考えております。
  72. 加瀬完

    加瀬完君 悪いですがもう一問。横風用もない四千メートルの滑走路一木というところと羽田と併用するという場合は、それはみんな羽田へ行きますよ、危険をおかして何も新空港だからといって三里塚におつき合いをするという理由はないわけですから。国際線に使うということであれば、二千五百メートルの滑走路というのはほとんど役をしませんね、大型機になった場合は。しかも二千五百メートルの滑走路が、三千五百メートルの横風用の地域というものが一番問題のあるところで、そうそう四十六年や四十七年にできるという見通しも立たなければ、いま公団はそういう計画も立てておらないですね。この第一期工事としては四千メートルやると、四千メートルで、羽田も国際線に使う、成田も国際線に使うという場合、一日一万七千人という一体乗客員数というものは予想されるか、これより下回るんじゃないか、そう想像されるわけですね。ですからそれは、いや一万七千人ですとか、一万七千人以上になるというなら、その根拠を次の委員会にでも資料として御提出をいただきます。
  73. 手塚良成

    政府委員手塚良成君) 数字そのものの可否は、先ほど申し上げましたように需要の予測でございますのでいろいろあろうかと思いますが、たてまえのお話といたしましては、私どもの需要予測によりますと、羽田の十七万五千回という数字に達します昭和四十五年度におきましては、これは国内線でもってそういう限界に達する、かような計画になりまして、したがってこのときには、国際線の乗り入れのものは全部新空港に移さざるを得ない、かようになるように考えております。  その際、国際線の飛行機に使えるかどうかという問題があるわけですけれども、この二千五百メートルの滑走路でも飛ぶ先の目的地によっては国際線でも使える。具体的にたとえば香港、台北、そういう近回りの国際線で、ペイロードが非常に落ちますものにつきましては二千五百メートルでも使えますし、また渡洋の場合におきましても、一部気温あるいは風向き、こういったものの影響はあるかと思いますけれども、何がしかのペイロードを落とせばこれは使える。たとえば現在羽田でもってBランウェーを延長いたしておりますが、これは二千五百メートルどまりの滑走路になります。しかし、この滑走路におきましても、ただいま私が申し上げましたような方法と種類、行き先別のものについては、この滑走路を使用いたしてCランウェーの三千メートルと交差でもって使用する、かように考え、計画をいたしておりますので、そういう限りにおける二千五百メートルの国際線の使い方はあり得ると、かように考えております。
  74. 加瀬完

    加瀬完君 もう一問。資料だけ要求して引き下がろうと思ったのですが、そういう説明ですと私もまた言わなければならない。  先ほどの御説明では、台湾とか韓国とか、国際線であっても、そういう近距離のものは羽田を使うという御説明であった、それで大型機は主として成田を使うというお話であった。大型機は主として成田を使う、あるいは大型の国際線は成田空港を主とすることであれば、二千五百メートルというものは、これは使って使えないことはないだろうけれども、危険きわまりない。したがって、四千メートルを主にしなければならないし、当面は二千五百メートルはできないのですから、公団の計画上は。だから、四千メートル一本でいくというよりほかないであろうと、いままでのあなた方の御説明からはそういう判断を下したわけです。  私の時間にあとは質問したいと思いますから、質問者がおりますからこれで打ち切ります。どうもすみませんでした。
  75. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 じゃ今度は国鉄にちょっと聞きたいと思うのですけれども、新幹線の建設を要望しておるという話なんだけれども、大体どのくらいの利用者があるか見当がつかないで鉄道建設をするということはできないと思うのです。しかし、いま聞くところによると、一日一万七千から五十年度には三万、こういう推定なんですけれども、この推定に基づいて新幹線を建設をするという計画はあるのかどうか、その実行するという意図が現実問題としてあるかどうか、もしあるとするならば、これは成田のためにのみ新幹線をつくるというわけにはいかないだろうと思う。東北新幹線あるいは上信越新幹線という計画もあることなんだから、そうなれば、東京から北のほうへ走る新幹線のルートと、それから駅といったようなこともあわせて計画しなければならないと思うのだけれども、現実の問題として、そのような構想は具体化をする可能性があるのかどうか、その点をお伺いしたいと思うのです。
  76. 長浜正雄

    説明員(長浜正雄君) ただいま御質問の鉄道新幹線の問題でございますが、さいぜんからお話が出ておりますように、輸送需要がどの程度になるかということが、なかなかまだ確たるところはつかめないわけでございますが、さいぜんの鉄監局長の話のように、一方七千ないし三万と、時期を別としましてそういうふうに想定されますのと、それからさいぜんお話しのように距離が六十数キロで所要時間が在来の輸送機関によると一時間以上かかるというようなことを想定いたしまして、またかりに鉄道を新しく建設するといたしますと、少なくとも五年以上はかかるであろうというわれわれの常識から考えまして、せんだって来運輸省とも、あるいは空港公団ともお話をいたしまして、いずれの時期かには新しい鉄道が必要になるのではないか、そのときに急にどうこうと言われても非常に処置に因りますというようなこともありまして、技術的な検討をせんだってからといいますか、だいぶ前から進めております。それによりますと、いま先生新幹線方式と言われましたが、新しい鉄道という意味の新幹線方式だと思いますが、速度につきましては、これは必ずしも現在の東海道新幹線の二百十キロに拘泥をするものではございません。この六十数キロに適当なる速度というものがあろうかと思います。まあかりにこれを百六十キロくらいの最高速度として押えますならば、距離も約六十キロでございますので、到達時分は三十分くらいの範囲で到達する、こういうふうにわれわれは計算しております。  それからターミナルにつきましては、せんだって来のお話のように、やはりシビックセンターといいますか、ダウンタウンの中心の丸の内付近あるいはそれに近いところにターミナルを持ってくるのが一番便利じゃないか。ただ、そうなりますと工費が高くなりますので、工費との見合いにおいてどういう位置にするのが一番効果的で、しかも工費が安いかといりようなことでいろいろ案をつくってございます。いま私の考えとしては、一応東京駅付近の非常に近いところに持ってくるのがいいんじゃなかろうか、こういうふうに考えております。ただ、工費につきましては、途中どういうルートを通るのが一番いいかということも比較検討しておりまして、それによりまして、ルートによりましても工費はいろいろ差が出てまいるわけでございます。  また、次の第二の御質問の、せっかくそういう新線をつくるのならば共用を、新幹線との共用ということを考えたらどうかということにつきましても、そういうことも考えられるわけでございます。特に工費のかかるターミナルを共用するということも考えられるのじゃなかろうかということで、それも検討の中に入れていま技術的に検討をしている次第でございます。
  77. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 ターミナルは、これは先般の磯崎総裁のお話によると、分散をしておいたほうがいろいろ事故対策その他について都合がいいようなお話だった。だから、上野駅と東京駅といったようなものはあくまでも離しておくのだ、こういうことなんですがね。利用者にしてみればたいへんな迷惑な話なんですね、これは実際問題として。その上野の駅の周辺で用が足りるならばそれでいいけれども、そうでないのですから、大体中心は東京駅のほうにきていたわけです。そうすると、丸の内周辺にターミナルを置かないと不便でしょうがない。エアターミナルみたいなものを隅田川の永代番の近所、こんなところにつくられたのではこれは意味がないわけです。だから、どうしても丸の内周辺ということにならざるか得ないだろうと思うのですがね。その場合には当然これは東北新幹線なり、上越新幹線といったようなことを考えて、そうして一緒に共通のターミナルというものを考えないとむだなことになると思うのです。だから、どうせするならば、成田に新幹線を走らせるかあるいは京成電鉄で間に合うのか、それはわかりませんが、京成電鉄で間に合うならば国鉄が何も成田へ新幹線を走らせる必要はない。しかし、われわれ常識で考えて、京成電鉄が上野の駅の地下へ、西郷さんの銅像の下へ入ってくるというのは、国鉄線のお客の終着駅としてはどう考えてみても適当でないと思うですね。また、地下鉄と相互乗り入れしているからといって、押上から新橋のあたりへ抜けてくる、あの地下鉄の乗降客と込みにして新橋に来るというのもあまり適当でないような気がする。そうすると、やはり首都の面目にかけてもしかるべきターミナルに直通させることでないと、みっともないことになりやせぬかという気がするのですよ。それならばむしろ国鉄のほうで将来計画というものを一緒に考えた上で早くから構想を明らかにして、そしてどっちみち将来は新幹線で結ぶということであるならば、いまから具体化をしたほうがいいのじゃないかという気がいたしますけれども、この点はどうでしょうか。
  78. 長浜正雄

    説明員(長浜正雄君) 確かに先生御指摘のように、ターミナルにつきましてはやはり中心部に持ってきたほうが、客の便利その他からいっても当然のことでございますし、先生御承知のように、外国の空港と都心との間の便利さということから考えると、成田の場合でも何がしかの処置をしなければならぬであろうということもわれわれとしてもわかりますので、さいぜん申し上げましたようにいろいろ検討しております。上野の案あるいは丸の内といいますか、東京駅付近というような案、いろいろ構想を練っておりますが、まだこういうことでどうだという成案をお示しするような段階にまでは至ってないわけでございますが、いろいろな案としては、われわれとしては持っております。ただ、それを実行するとなりますと、これはさいぜんのお話のように、東北新幹線あるいは上越新幹線のようなものとのからみもどういうふうにつけるか、それから東京駅の付近でどう連絡するか、在来の東海道新幹線との結びつきをどうするかというような、非常にややこしい問題がまだ技術的にも山積しておりますので、それらの解決をできるだけ早くしたいと思います。と同時に、成田までの鉄道をかりに敷設するとした場合のこれに要する資金につきましては、せんだって来この委員会で御審議いただきました財政再建計画の中には一応盛られておりませんので、これにつきましては別途の手当てをしていただかなければならないようになると、こう考えておる次第でございます。それらを考え合わせながら、なるべくすみやかに運輸省のほうと御相談いたしまして案を組めるように進めていきたい、こういうふうに考えております。
  79. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 大臣にお伺いしたいのですけれどもね。いろいろこの空港の問題を審議してまいりますうちに明らかになったことは、場所的にこれはやむを得ないといえばそれまででありますけれども、まず成田は場所的に適当じゃないということですね、遠過ぎるということです。つまり世界一遠過ぎるわけですね。しかもさしあたり、でき上がってからの交通網というものは道路しかない。もっとも、ヘリコプターというようなこともやってやれないことはないけれども、まだ大量輸送というわけにはいかないでしょう。と、道路でもって連絡をするということになりますと、六十数キロ、一時間以上かかるわけですよ。これも都心の丸の内なりあるいは霞ケ関あたりまで一時間十分か二十分かかる。そこからたとえば——そこで終点というわけじゃないから、ホテルニューオータニだとかホテルオークラだとか、あの近辺のホテルまで行くとか、あるいは上野の駅まで行くとかいうことになりますと、自動車だけ乗っておる時間というものはまあ一時間半は見なければならぬだろうと思う。自動車の一時間半というのは飛行機の三時間よりか私は疲れるのじゃないかという気がいたします。そうすると、どうも国際空港としてはたしてどんなものかといったような気がいたしますから、これを補う道としては、鉄道網を考える以外になくなってくると思う。ところが国鉄の財政再建計画の中にはこんなものは計上されてないわけですね。しかし、もし計画をするということになりますと、当然これは成田の空港のためにのみ鉄道をつくるというわけにいかなくなってくる。どうしても東北あるいは上信越新幹線のターミナルと一緒にしないとこれはむだが多いということになってくるわけです。そういうふうに考えてまいりますと、鉄道網をここに打ち立てるにしてもばく大な予算を必要とするようになってくると思うです。それらの予算措置をどのようにするつもりなのか。第一、その輸送網一いうものをどういうふうに国際空港関連をさせてお考えになっておるのか。予算措置とあわせて大臣のほうから総合的な見解を承りまして、きょうの質疑を終わりたいと思います。
  80. 原田憲

    ○国務大臣(原田憲君) いまの瀬谷さんの御質問は、新幹線をつくるものとして、それで予算をどうするか、こういうお問い合わせですが、私は先般もお答えいたしておりますように、この問題は、具体的にいまの問題としましては、どうしても道路を早くつけなければならない、これが第一番であるということを考えておるわけであります。いま、お客さんの話が出ましたが、ジャンボジェット機が参るとしても、これに乗るのは四百と聞いております。満席で四百、かりに五百の飛行機としましても、まず四百のお客さんを運ぶにはどうするかということが問題なのでありまして、そのほかに、ここに観光客が来たり、あるいはここに通勤して、つとめる人の数を何ぼと見るかということが瀬谷さんのお尋ねのここに運ぶ数字がどうかということになってくるのです。したがって、ジャンボで着いたお客さんを、五百人を必ず新幹線で運ばなきゃ国の恥になるか、私はそうは思わない。いま新しくできました東名高速道路で新しいバスを国鉄もそれから私鉄側の連合体も走らしておりますが、相当な需要があるわけであります。したがって、それにふさわしいバスをかりに五十人乗りなら十台で片づくわけです。それにふさわしい自動車をもってするならば、そのお客さんに対するところのサービスはできる。あとは東京から何も通勤するばかりではありませんで、この近所からもつとめる人もあり得るのであり、観光客は全国から集まりますから、それに対するところの処置はどうするかということを勘案して投資というものは考えなければならぬのでありますから、道路もつくるわ、電車もつくるわ、新幹線もつくるわ、はたしてそれだけのものを運賃でまかない得るかということになったら、そんな高い航空運賃というものを払ってくれるわけはないのでありますから、これらについては、私はまず道路を中心にして進めなければならないということが具体的な根本問題であろうと考えております。  それから、その後の問題といたしまして、空港専用の道路というものはどこを見てもないのでありまして、道路というものはこことこことを結ぶ間を走るものを使うことによってこの効率というのはあがってくるのでありますから、千葉県の場合に、かりに新幹線というものをつくるといたしましたならば、成田空港の新幹線ということだけでなしに、この間に住む人たちが成田、東京をはさんでどう何を利用していく、町づくりができるか、こういうことを考えていかなければなりませんので、それらのことを勘案した鉄道ということを考えていかなければなりませんから、その場合、はたして成田、東京の新幹線が最優先すべきものであろうか。私はその場合に、かりに新幹線で通勤通学の問題を考えますと、前から問題になっておりますが、瀬谷さんのほうの高崎線なんかのほうが、いまかりに需要からいうと強い問題があるのではなかろうか。そういうことを勘案して決定をしていかなければなりませんから、鉄道の問題について私はやらぬとは申し上げておらないのでありまして、この成田空港と東京を結ぶところの具体的な一番早い方法を求めるならば、それは道路ということをまず一番に考えるべきである、こういうことを申し上げておるのでございます。  なお、その次は、具体的な問題として、いま京成電鉄が申請をいたしておりますので、これで見ますと、約一時間の間で結ばれると、こういうことになっております。ちょうどいま羽田と浜松町の間にモノレールがございますが、これは決して乗客ばかりが利用しているのじゃないので、一番利用しているのが向こうから通勤してくる人と観光客であろうと私は見ております。一番やはり飛行機のお客さんが利用されるのは、航空会社がそれぞれバスを提供しております、これに乗って羽田へ行かれる方と、それから国際線ではタクシーその他の自動車を利用される方が一番多かろうと考えております。したがって、成田空港が新しくできた場合に、ここへ通う人たち、あるいは観光の人たちには、具体的に成田京成という新しい電車というものを認可した場合に、相当数の者はここで果たし得られるということが具体的にあるということ、こういうことを先般申し上げたのでございます。  なおそれ以外に、それでもまだ足りないということになってきますと、繰り返すようでございますが、成田空港及び千葉県の町づくりといいますか、住民の政策といいますか、そういうものを勘案して十分な効果というものを考えて決定していく必要があろう。このように考えておりまして、新幹線の場合にはもとより、もしやる場合には、いま国鉄から申しておりますように、これは現在の予算の中には入っておらないのでありまして、鉄道新幹線を設ける場合には審議会において審議をしてもらうということは、審議会で決議をされておりますので、それの趣旨に沿って十分なる検討を遂げた対策をいたさなければならない、こう考えております。  いずれにいたしましても、成田空港をつくります際に先般から十分な御審議をいただいておりまして、道路一つの問題につきましても、瀬谷さんから御指摘のありますように、また他の委員からも御指摘がありましたが、道路局でも資料を提供いたしましてまず心配ないということを申しておりますので、今後とも十分——大体日本の公共投資というのはあと追いでございまして、狭くなったからあわてて広くするという傾向がございますので、御指摘の点等につきましては十分関係各省相寄りまして対策を練って万全を期していく所存でございます。
  81. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 私は新幹線をぜひつくれということで言ったわけじゃない。もし成田まで新幹線を東京都心からつくるということであるならば、これは成田−東京間のためにのみ新幹線をつくるわけにはいかないだろう、それは上信越新幹線を優先しろというふうに言うつもりはありませんけれども、東北新幹線と上信越新幹線とあわせてこれはターミナルも当然考えるべきだ、そうすべきではないかということをいま私は言ったのです。そうすれば予算的には一体どのくらいかかるということになるわけであります。そこまでの腹があるのかどうか、まず大臣に聞いたのであります。どうもいま聞いたところによると、そこまでは大臣のの御任期には具体化しそうでないので考えていないということじゃないかと思いますが、しかしそれじゃ今後の問題としてどうかというと、京成電鉄と道路しかないわけです。道路は先ほど建設省に聞きますと、ここにある計画だけなんです。ここにある計画だと、一時間で隅田川のとば口と新空港の間を結ぶというのが道路の計画です。都心ということになりますと、やはり一時間半、そのくらいは自動車の場合には覚悟しなければならぬ。しかもこれは、高速道路の込みようによってははたして一時間半で結べるかどうか、いまのところ疑問だということになる。  そうなりますと、ここで最後に私もちょっと委員長に問題を提起しなければならぬのは、自動車道路の現在の渋滞の状況とにらみ合わせて、はたして机上プランのとおりに実行できるかどうかということも当たってみる必要があるのじゃないか。そこで現地調査という問題になってくるのですが これは現地調査をやってみないとわからないのじゃないか、こう思います。現地に行くのはおっかないからいやだと言われるならば、まずこれだけでもやってみないと意味がないと思います、道路のほうだけでも。これは当然考えていただいていいんじゃないかと思う。もちろん、これは空港そのものも、地形なり、あるいは買収の問題なり、いろいろ考えてみれば、当然、何らかの方法で現地を視察をしてみるほうが私はいいと思う。これは何もアフリカ探検をするわけじゃないのだから、何も警戒をする必要はないと思うのですよ。だから、私は当然これもやるべきだと思うし、それに至る間の交通網というものも、われわれは十分に実際に視察をしてみる必要があるんじゃないかということを私は感じたわけです。これは審議結論として、当然、こういう結論が出てくるんじゃないかと思うのでありますが、その点は委員長としていかがされるおつもりか、理事会等で論議をされておられるならば、その点もあわせてお伺いしたい。
  82. 岡本悟

    委員長岡本悟君) 瀬谷委員にお答えいたしますが、先般来の御提案につきまして理事会で検討いたしておりますけれども、まだ遺憾ながら結論を得るに至っておりません。すみやかに打ち合わせをいたしまして処置いたしたいと存じております。
  83. 江藤智

    ○江藤智君 一言大臣に御要望なり、御意見をちょっと聞きたいと思いますが、都心と新空港とを結ぶ問題について、きょうは一日質疑が行なわれたわけでございますが、当面の問題として、私は大臣のただいまの御答弁はけっこうだと思います。まずやはり道路それから京成の電車。ところが、当面の問題でもう一つお考え願いたいと思いますことは、国鉄の総武線なり成田線との連絡でございます。先ほどからのお話のように、道路だけではやはり不安な面が私はあると思います。確かにあります。しかも都心に入れますのに、現在総武線を東京駅までばく大な金を入れてこしらえておるわけですね、この現在線を考慮に入れてやはり計画を立てる必要があるのじゃないか。どうも大臣の御答弁の中にこの点が一つ落ちているように私心配いたしましたので、速記録に残ることでございますから、あえて私ちょっと御質問するわけでございます。
  84. 原田憲

    ○国務大臣(原田憲君) たいへん失礼いたしました。前の委員会のときには、そのことをつけ加えて私御答弁をいたしておると思いますが、きょうは、いま瀬谷さんにお答えをする際に国鉄側の検討しておるということを新幹線だけの問題について申し上げましたのでまことに失礼をいたしましたが、先ほど鉄監局長からも答えておった中にあったかと思いますけれども、もちろん、この千葉県並びに成田空港への路線として現在走っております既成線との間にどういうふうに交通綱をつくっていくかということを十分検討をしていきたいと考えております。
  85. 岡本悟

    委員長岡本悟君) 本日はこれにて散会します。    午後四時四十四分散会