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1969-07-14 第61回国会 衆議院 本会議 第62号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十四年七月十四日(月曜日)
—————————————
議事日程
第五十三号
昭和
四十四年七月十四日 午前零時十分
開議
第一
健康保険法
及び
船員保険法
の
臨時特例
に 関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣
提出
) (前会の続)
—————————————
○本日の
会議
に付した
案件
本日の
議事
における
発言
時間は
趣旨弁明
につい ては十五分
質疑答弁討論
その他については十 分とするの
動議
(
園田直
君外二十六名
提出
)
日程
第一
健康保険法
及び
船員保険法
の
臨時特
例に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
) (前会の続) 午前二時二十一分
開議
小平久雄
1
○副
議長
(
小平久雄
君) これより
会議
を開きます。 〔
発言
する者、離席する者多し〕
————◇—————
本日の
議事
における
発言
時間は
趣旨弁明
については十五分
質疑答弁討論
その他については十分とするの
動議
(
園田直
君外二十六名
提出
)
小平久雄
2
○副
議長
(
小平久雄
君)
園田直
君外二十六名から、本日の
議事
における
発言
時間は
趣旨弁明
については十五分
質疑答弁討論
その他については十分とするの
動議
が
提出
されました。 本
動議
は
記名投票
をもって
採決
いたします。 本
動議
に
賛成
の
諸君
は
白票
、
反対
の
諸君
は
青票
を持参せられんことを望みます。−
閉鎖
。 〔
議場閉鎖
〕
小平久雄
3
○副
議長
(
小平久雄
君)
氏名点呼
を命じます。 〔
参事氏名
を
点呼
〕 〔各員
投票
〕
小平久雄
4
○副
議長
(
小平久雄
君)
投票漏れ
はありませんか。 〔「ある」と呼ぶ者あり〕
小平久雄
5
○副
議長
(
小平久雄
君) なるべくすみやかに
投票
せられんことを望みます。 〔
発言
する者多し〕
小平久雄
6
○副
議長
(
小平久雄
君) ただいまから十分以内に
投票
されるように望みます。その時間内に
投票
されない方は棄権とみなします。 〔
発言
する者多し〕
小平久雄
7
○副
議長
(
小平久雄
君) いまだ
投票
されない方は、なるべくすみやかに時間内に
投票
されるよう望みます。 〔
発言
する者多し〕
小平久雄
8
○副
議長
(
小平久雄
君)
投票権
は尊重いたしたいから、なるべくすみやかに
投票
願います。 〔
発言
する者多し〕
小平久雄
9
○副
議長
(
小平久雄
君) 残りの時間はあと三分でありますから、すみやかに
投票
されんことを望みます。 〔
発言
する者多し〕
小平久雄
10
○副
議長
(
小平久雄
君)
投票権
は尊重いたしたいので、なるべくすみやかに
投票
願います。 〔
発言
する者多し〕
小平久雄
11
○副
議長
(
小平久雄
君)
制限
時間が参りました。
投票漏れ
はありませんか。 〔「あり」と呼び、その他
発言
する者多し〕
小平久雄
12
○副
議長
(
小平久雄
君)
制限
の時間が参りましたので、
投票箱
の
閉鎖
を命じます。
開匣
。
——閉鎖
。 〔
議場開鎖
〕
小平久雄
13
○副
議長
(
小平久雄
君)
投票
を計算いたさせます。 〔
参事投票
を計算〕
小平久雄
14
○副
議長
(
小平久雄
君)
投票
の結果を
事務総長
より
報告
いたさせます。 〔
事務総長報告
〕
投票総数
二百三十一 可とする者(
白票
) 二百五 〔
拍手
〕 否とする者(
青票
) 二十六 〔
拍手
〕
小平久雄
15
○副
議長
(
小平久雄
君) 右の結果、本日の
議事
における
発言
時間は、
趣旨弁明
については十五分、
質疑
、
答弁
、
討論
その他については十分とするに決しました。(
拍手
)
—————————————
園田直
君外二十六名
提出発言
時間
制限
の
動議
を可とする
議員
の
氏名
安倍晋太郎
君 足立 篤郎君 阿部
喜元
君 愛知 揆一君 青木 正久君 赤城
宗徳
君 秋田 大助君 天野 公義君
荒舩清十郎
君 有田
喜一
君 井原
岸高
君
伊藤宗一郎
君
伊能繁次郎
君
池田
清志君 一
萬田尚登
君 稻村佐近
四郎
君 宇野
宗佑
君
植木庚
子郎君 臼井 莊一君 内田 常雄君
内海
英男君 浦野 幸男君 江崎 真澄君 小笠
公韶君
小沢 辰男君 小渕 恵三君
大石
八治君
大石
武一君
大久保武雄
君 大竹
太郎
君 大坪 保雄君
大野
明君
大野
市郎君 大橋
武夫
君 大平 正芳君 大村
襄治
君 岡本 茂君 奥野
誠亮
君
加藤常太郎
君
加藤
六月君 鹿野 彦吉君 鍛冶
良作
君 海部 俊樹君 金丸 信君
金子
一平君
金子
岩三君 上林山榮吉君
神田
博君 亀岡 高夫君 亀山 孝一君 鴨田 宗一君 仮谷 忠男君
川島正次郎
君 川野
芳滿
君 菅
太郎
君 木野 晴夫君 木部 佳昭君
木村
武雄
君
木村
俊夫君 北澤 直吉君 吉川 久衛君 久野 忠治君
久保田円次
君
久保田藤麿
君
草野一郎平
君 鯨岡 兵輔君 倉成 正君 藏内 修治君 黒金 泰美君 小峯 柳多君
小宮山重四郎
君
小山
長規
君
小山
省二君 河野 洋平君 河本 敏夫君
佐々木秀世
君
佐藤
榮作君
佐藤
文生君 坂田
道太
君 坂村
吉正
君 櫻内 義雄君
笹山茂太郎
君
志賀健次郎
君
始関
伊平君
椎名悦三郎
君
塩川正十郎
君 塩谷
一夫
君 重政 誠之君 澁谷 直藏君 正
示啓次郎
君 白浜 仁吉君 進藤 一馬君 周東 英雄君 菅波 茂君 鈴木 善幸君 砂田 重民君 砂原 格君
瀬戸山三男
君
園田
直君 田川 誠一君 田澤 吉郎君
田中伊
三次君
田中
榮一
君
田中
角榮
君
田中
龍夫君
田中
正巳君
田中
六助君 田村 良平君
高橋
英吉君
高橋清一郎
君 高見
三郎
君 竹内 黎一君 竹下 登君 谷垣 專一君 谷川
和穗
君
地崎宇三郎
君 塚田 徹君 塚原 俊郎君 坪川 信三君
渡海元三郎
君
登坂重次郎
君
徳安
實藏
君 床次 徳二君 内藤 隆君 中尾
栄一
君 中川
一郎
君
中村
梅吉君
中山
榮一
君
中山
マサ君 永田 亮一君 永山 忠則君
灘尾
弘吉君 二階堂 進君
丹羽
久章
君
丹羽喬四郎
君
丹羽
兵助君 西岡
武夫
君
西村
英一
君
西村
直己君
根本龍太郎
君
野田
卯一君
野田
武夫
君 野原 正勝君 野呂 恭一君 葉梨 信行君
橋本登美三郎
君
橋本龍太郎
君
長谷川四郎
君
長谷川
峻君 八田 貞義君 早川 崇君 原 健
三郎
君
広川シズエ
君 廣瀬 正雄君 福家 俊一君 福井 勇君
福田
赳夫君
福田
一君
福永
一臣君
福永
健司君 藤井 勝志君 藤枝
泉介
君 藤尾 正行君 藤波 孝生君 藤本 孝雄君 船田 中君 古内 広雄君 古川
丈吉
君 古屋 亨君 保利 茂君 細田 吉藏君 堀川 恭平君 増岡 博之君 松澤 雄藏君 松野 幸泰君 三池 信君 三木
武夫
君
三ツ林弥太郎
君 三原 朝雄君
箕輪
登君
水田三喜男
君 水野 清君 湊 徹郎君 宮澤
喜一
君 武藤 嘉文君
村上
勇君
村上信二郎
君 村山 達雄君 毛利 松平君 粟山 秀君 森下 國雄君
森田重次郎
君 森山 欽司君 八木 徹雄君 保岡 武久君
山口シヅエ
君
山下
元利君 山田
久就君
山中
貞則
君 山村新治郎君
吉田
重延君 早
稻田柳右エ門
君
渡辺
栄一
君
渡辺
肇君
渡辺美智雄
君 否とする
議員
の
氏名
麻生 良方君
池田
禎治
君 稲富
稜人君
内海
清君 岡沢 完治君
折小野良一
君 春日 一幸君
神田
大作君 河村 勝君
佐々木良作
君 曾禰 益君
田畑
金光
君 竹本 孫一君 玉置 一徳君 塚本
三郎
君
中村
時雄君 永江
一夫
君 永末
英一
君
本島百合子
君
山下
榮二君
吉田
賢一君 和田 耕作君 田代 文久君
谷口善太郎
君 林 百郎君 松本 善明君
————◇—————
日程
第一
健康保険法
及び
船員保険法
の
臨時特例
に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)(前会の続)
小平久雄
16
○副
議長
(
小平久雄
君)
日程
第一、
健康保険法
及び
船員保険法
の
臨時特例
に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
とし、前会の
議事
を継続いたします。
本案
についての
箕輪登
君の
討論
を許します。
箕輪登
君。 〔
箕輪登
君
登壇
〕
箕輪登
17
○
箕輪登
君 私は、
自由民主党
を代表し、
政府提案
にかかる
健康保険法
及び
船員保険法
の
臨時特例
に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
につき、
自由民主党
の
修正案
及び
修正部分
を除く
原案
について
賛成
の
討論
をいたさんとするものであります。(
拍手
)
改正案
は、
保険料率
の
引き上げ
を行なわないで薬価の一部
負担
を全廃し、
分べん給付
の大幅な
改善
を行なわんとする、きわめて適切な
措置
であると思います。 以上、私は、
修正案
及び
修正部分
を除く
政府原案
について全面的に賛意を表し、私の
討論
を終わります。(
拍手
)
小平久雄
18
○副
議長
(
小平久雄
君)
田畑金光
君。 〔
田畑金光
君
登壇
〕
田畑金光
19
○
田畑金光
君 私は、
民社党
を代表し、ただいま
議題
となりました
健康保険法
及び
船員保険法
の
臨時特例
に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
に対し、
反対
の
討論
を行なわんとするものであります。(
拍手
) 今回の
与党大幅修正
により、さらに
期限
を二年間延長しようとする
健保特例法
は事実上
廃案
となったのであります。
廃案
それ
自体
にわが党は異を唱えるものではありません。問題は、
特例法
の
廃案
により、これからまた二年間で
医療保険制度
の
抜本改正
を行なおうとする
政府
の公約も、完全に破棄されたと同様の結果になったのであります。(
拍手
)また、
保険料率
の
引き上げ
、
患者
の一部
負担強化
が、
健康保険法
、
船員保険法
の一部
改正
として
本法
で長期固定化されたのであります。このことは、
健保特例法延長
以上の
改悪
といわねばなりません。(
拍手
) 二年前のいわゆる
健保国会
で、
健保特例法
を二年の
時限立法
とし、二年間の
期限
を付し、
政府
に
医療制度
の
抜本改正
を義務づけてきた経緯にかんがみ、わが党は、今回の
政府
・
与党
の
措置
に対し心の底から憤激を覚えるものであります。(
拍手
)政治的にも、道義的にも許すべからざる
背信行為
といわねばなりません。
特例法
の実施以降、
政管健保
の
財政状況
は明らかに好転してまいりました。すなわち、
昭和
四十
年度
の単
年度赤字
は四百九十七億でありましたが、四十二
年度
五十八億、四十三
年度
四十五億、四十四
年度
の
赤字見込み額
は二十七億と、大幅に減っております。そうして四十四
年度
は、
賃金ベース
の
大幅引き上げ
に伴い、
保険料収入
も増加し、それに最近の
受診率横ばい傾向
から見て、
政管健保
は本
年度黒字
に転ずるであろうことは
大かた
の見通しであります。
船員保険
は、すでに四十二
年度
以降、単
年度収支
は
黒字
に転じております。したがって、今回の
与党修正
で、
薬代
の一部
負担
を
廃止
し、
分べん給付改善
のための
保険料率引き上げ
を取りやめたことは当然の
措置
であり、われわれが先般来強く主張してきたことであります。 しかし、その他の点にわたる
与党修正案
は、
法律
上、手続上不当であり、大きな疑義がございます。(
拍手
)すなわち、
健保特例法
を
廃止
し、
健康保険法
、
船員保険法
の一部
改正
で
医療行政
の大転換をやろうというのであれば、当然
制度審議会
や
社会保険審議会
の議を経なければならないことは、法の要求するところであります。(
拍手
)もしそれ、今回の
修正
は
政府修正
でなく、
与党
の
修正
であるから諮問の必要はないというのであれば、
政党内閣
のたてまえ上明らかに詭弁であり、
政府
みずから
法律
を犯すものといわなければなりません。(
拍手
)
政府
は、この十年来、
関係審議会
の
答申
、勧告を無視し、
医療制度
の
改革
を怠り、
わが国医療保障制度
の荒廃を招いたのであります。二年前の五十六
臨時国会
において、
健保特例法
の
審議
にあたり、
政府
は
幾たび
か、四十三
年度
から
抜本改正
に着手することを
国民
に公約したのであります。ところで、この二年間、
政府
は一体何をやってきたというのでありましょう。なるほど、
昭和
四十二年十一月、
厚生省
は
医療保険制度
改革
試案
なるものを発表しましたが、それは
財政対策
に終始し、
国民
の期待する
抜本改革案
と呼ぶにはほど遠いものでありました。その後、
与党
においては、いわゆる
医療基本問題調査会
を発足させ、足かけ二カ年の時間をかけ、本年六月五日、ようやく
国民医療対策大綱
なるものを
政府
に手渡したのであります。これは
国会対策
上急いでまとめ上げた
試案
であるだけに、その冒頭には、本文と全く相反する
反対意見
が付されております。したがって、これを受けた
政府
は取り扱いに苦慮し、その結果が今回の
特例法
の
廃止
、
医療抜本改正
たな上げの一因ともなったのであります。(
拍手
)
与党案
が発表されるや、世論は、的はずれの
抜本改正
であり、何のための
抜本改正
かと鋭い批判を浴びせたことは、
与党諸君
もよく御記憶のとおりであります。(
拍手
) 御存じのように、
昭和
三十八年以降、
わが国
における
医療費
は年々二千億ずつ増加し、
国民所得
の
平均伸び率
に対し、
医療費
の
伸び率
は約二倍の二〇%に達するという実情であります。
昭和
三十九年、約一兆円であった
医療費
は、四十二年には約一兆五千億に達し、本
年度
は二兆円をこえるでありましょうが、まさに
国民所得
の五%を占めておるのであります。これは
ヨーロッパ先進国
に比べても決して劣っていないのであります。しかも、総
医療費
の中に占める
薬剤費
の割合は、
ヨーロッパ諸国
が二〇%以下であるのに、
わが国
のそれは四〇%をこえているのであります。このことは、
診療報酬体系
のひずみを端的に示すものといわなければなりません。(
拍手
) また、
医療機関
は都市に偏在し、保険あって
医療
なしという深刻な問題を投げかけておるのであります。しかるに、
与党
の
医療対策大綱
は、これについて何らの
具体的対策
を示しておりません。去る三月二十日、
社会保険審議会
はその
答申
の中で、
政府
が
厚生省事務局試案
を発表しただけで、一切を
与党
にまかせ切りにしてきたことに対し、きびしく非難しているのであります。 また、
制度審議会
は、四月三日の
答申
において、「
抜本対策
について、従来のような手段によっては、到底筋のとおった成案を早急に期待することは不可能と考える。
政府
は、英国の
王立委員会
のような機構を設け、少なくとも
原案作成
はこれに一任することを勧告したい。」と指摘しております。いままでは
特例法
という歯どめがあり、二年の
時限
で
政府
に
医療制度改革
を義務づけてまいりましたが、今回の
修正
により、歯どめは取り払われたのであります。 私が特にこの場合強調したいことは、今回の
与党修正
は、他の
一般
の
法律修正
とは全く異質のものであるということであります。(
拍手
)つい先ごろまで
審議
されてきた
法案
は一夜のうちに姿を消し、新たな
法律改正案
が突如として登場してきたのであります。しかも、この
法律改正案
については、
提案理由
の
説明
もなければ、一回の
委員会審議
もなされていないのであります。新しい
改正案
を突然提案し、異常な混乱と
怒号
、
国会法
、規則を無視した中で
強行採決
をはかり、これが有効だということになれば、
議会政治
も
民主主義
もあったものではありません。(
拍手
) 五月八日、本院における
健保特例法改正案
の
審議
の
劈頭
、
佐藤総理
は釈明の
ことば
を述べておられますが、その際
総理
は、「当面、
保険制度
を維持し、
国民
に必要な
医療
を確保することがぜひとも必要と考えられますので、この際、本
法案
の
審議
に御
協力
をお願いいたします。」と述べられております。
法律案審議
の
劈頭
、
総理
みずから釈明し、陳謝しなければならないということは異例のことであり、また同時に、醜態のきわみと申さなければなりません。(
拍手
)ところが、
総理
から
協力
を求められ、
審議
してまいりました
法律案
は、どんな事情によるのかわかりませんが、ある夏の夜、こつ然と消えうせ、別個の
法律改正案
が亡霊のごとく、唐突として前面に立ちはだかったのが今回のできごとであります。
野党
が
修正案
を出すとか、
与党
、
野党話し合い
で
国会
で
修正
することは当然でありますが、
政府案
をその
与党
が完全に換骨奪胎して提案するということは、およそ
政党内閣
の本義に反することであります。(
拍手
)特定の
圧力団体
に屈服し、
党利党略的打算
で
国民
に最も大切な
医療
問題が処理されたことに対し、
与党
の
諸君
は何らの反省もないのでありましょうか。 ことに、
佐藤総理
・総裁に申し上げたい。あなたは、一億
国民
の先頭に立つ
指導者
であり、
総理
であります。あなたは、今日まで
幾たび
か
国民
に公約してきた
医療制度
の
改革
を怠ってまいりました。
政治責任
をお感じになりませんか。「健康は
人間活動
の源泉である。それは、
経済発展
の原動力であり、
民族繁栄
の基盤である。疾病は、人生の破綻であり、
生活転落
の因であるとともに
民族衰亡
につながるものである。」この
ことば
は、ほかならぬ
与党
の
国民医療対策大綱
の書き出しであります。
ことば
は美しいが、実のないヤマブキの花であります。
佐藤内閣
の有言不実行をまさに象徴しております。 この
国会
では、今日まで
幾たび
か
強行採決
が繰り返されてきましたが、今回の
社会労働委員会
における
暴挙
は、何と弁明しようとも、
政府
と
与党
が一切その責めを負うべきであると私は考えるのであります。(
拍手
)
民主政治
の前途に深い深い憂慮を禁ずることができません。
民社党
は、激しい怒りをもって、今回の
法律改正案
には断固
反対
することを強く表明し、私の
反対討論
を終わることにいたします。(
拍手
)
小平久雄
20
○副
議長
(
小平久雄
君)
谷口善太郎
君。 〔
谷口善太郎
君
登壇
〕
谷口善太郎
21
○
谷口善太郎
君 私は、
日本共産党
を代表して、
健康保険特例法改正案
並びにその
修正案
に対し、
反対
の
討論
を行ないます。 わが党が
本案
に
反対
する
理由
の第一は、
社会労働委員会
のいわゆる
採決
が不当きわまるものであり、
議会制民主主義
の根本的な破壊だからであります。
森田委員長
の
報告
によれば、
本案
は去る十日の
社会労働委員会
で
修正
可決されたということになっております。しかし、
委員長
は、そのとき何党から
修正案
が
提出
せられたか、
提案理由
の
説明
があったか、なかったか、
質疑
、
討論
を省略したのか、しなかったのかなど、
委員会報告
には不可欠のこれらの事項については、何一つ
報告
をしなかったのであります。ただ
委員長自身
、その
修正案
なるものの内容を
報告
しただけであります。
議長
に
報告
したのは、こうであったと言っただけであります。すなわち、十日の
委員会
などなかったのであります。
委員長
の
報告自体
それを証明したのであります。しかも、この本
会議
で、
同僚議員
が
委員会
の経過について
質疑
を行なっても
答弁
をしない。
議長
はこれを促しもしないということであります。事実は写真が証明するとおり、第三
委員会室
の入り口前の廊下で、
自民党
の
諸君
が
怒号
と喚声をあげただけなのであります。それをもって
審議
、
採決
を行なったといっているのであります。これは
強行採決
というにも値しない
暴挙
にほかなりません。 しかも、
自民党
が強行したと称する
修正
なるものは、
薬代患者負担
の
廃止
、
分べん手当
の増額に伴う
保険料率
の千分の一
引き上げ
の中止などで、いささか譲歩したように見せかけながら、
特例法
の
期限切れ
によって切り下げられるべき
保険料
や、半減すべき入院時、初診時の
患者負担
を
健康保険法本法
に盛り込むことによって、
特例法
どおり固定化するものであります。
政府原案
から見て、明らかに別件の
法案
であります。
健康保険法
が
社会保障制度
の根幹となっていることからして、かりにその
改正
が必要だというのであれば、
特例法
の
修正
ではなく、
健康保険法そのもの
の
改正
として、あらためて
国会
に
提出
し、
提案理由
の
説明
を行ない、
審議
に付せられるべきものであります。(
拍手
)今回の
修正案
は、
特例法
の
修正
という
立法
上の術策を弄し、
健康保健法そのもの
に
恒久的改悪
を加えたものでありまして、絶対に許せぬのであります。 このように、
健康保険法
の
恒久的改悪
という新しい
案件
を
提出
したのであるにもかかわらず、
委員会
においては
提案理由
の
説明
も、
質疑
も、
討論
も行なわれない。しかも、これについての本
会議
の
質疑
に対して
答弁
も行なわないというのであっては、
審議
はないということであります。このようにして新しい
法案
が可決されていくということは、
議会
における
審議
を全く欠いたままで
法案
を可決するということであり、
議会制民主主義
の名をかりた
独裁政治
にほかなりません。このような
議会運営
を、わが党は絶対に許すことはできません。(
拍手
)わが党は、
自民党
によって、
国会
がこのような事態に追い込まれているということの
重大性
を、声を大にして、すべての
国民
にこの壇上から訴えるものであります。(
拍手
)
反対
の
理由
の第二は、
自民党
が、この
修正案
によって
医療保障制度
の
抜本的改悪
の重要な一歩を踏み出したということであります。 すでに二年前、わが党は、
臨時特例法
の
審議
にあたって、それが
政府
のいうような
抜本改正
までの
特別措置
ではなく、
抜本改悪
の土台をつくるものであることを指摘しました。その
臨時特例
をさらに二年間延長することさえ
抜本改悪
につながるものでありますが、まして、今回の
自民党修正案
のように、
健康保険法本法
に手をつけるに至っては、まさに
臨時特例法
の
抜本改悪
の正体をあらわしたものというべきであります。(
拍手
) この
抜本改悪
の
理由
として、
政府
は、口を開けば
健康保険財政
の
赤字
をあげ、その原因として、
病人
の医者へのかかり過ぎとか、人口の
老齢化
とかを主張しております。だが、
政府統計
によりましても明らかなとおり、一番
患者数
の多いのは二十五歳から三十四歳までであり、これを中心に
青年層
、
壮年層
と続き、老人及び
少年層
の
患者
は、むしろ絶対数では非常に少ないのであります。しかも、年々発生する
病人
の数は、
昭和
三十一年から十年間に約二倍にふえております。このことは、
歴代自民党政府
が強行した大
資本本位
の
高度経済成長政策
、その中での
労働者
に対する低
賃金
、
労働強化
、
合理化
、
物価値上げ
などの
政策
の結果であることは明らかであります。(
拍手
)過労と栄養失調、それによる発病は、今日
勤労人民
の
一般的現象
となっております。さらに、労働災害、職業病、交通災害、公害の激増もまた
高度経済成長政策
のもたらしたものであることは衆知のとおりであります。すなわち、
勤労人民
は
自民党
政府
と大資本によって健康を破壊された被害者であります。したがって、
政府
は、少なくとも
医療保障制度
を完備する重大な責任があります。 しかるに、
政府
・
自民党
は、これとは全く
反対
に、
医療
給付を受ける者があたかも利益を受けるかのようにこじつけ、いわゆる受益者
負担
の原則なるものを持ち出し、
保険料
や
患者負担
の
引き上げ
を強行したのであります。特に許しがたいのは、
政府
が膨大な財政資金を持ちながら、被害者、すなわち
勤労人民
の
医療
のためには全く金を出し惜しみ、他方、加害者である大資本の利益追求のための設備投資、産業基盤の強化に巨額の財政資金を投じていることであります。さらに、自主防衛強化と称して、アメリカのアジア侵略に
協力
するための自衛隊の増強、東南アジア経済援助、人民弾圧のための警察力強化などの財政支出を飛躍的に増加してはばからないことであります。われわれはこれを断じて許し得ないのであります。
小平久雄
22
○副
議長
(
小平久雄
君) 谷口君、谷口君、時間ですから、結論を急いでください。
谷口善太郎
23
○
谷口善太郎
君(続)
反対
の第三の
理由
は、現在の
医療保険制度
が、国の支出を削減して被保険者に重い
負担
を押しつけるばかりか、
医療機関
に対しては低い診療報酬しか認めないにもかかわらず、製薬資本には高薬価を野放しにして、そのばく大な利潤を保証するものとなっていることであります。
小平久雄
24
○副
議長
(
小平久雄
君) 谷口君、
制限
の時間になりましたから、結論を急いでください。
谷口善太郎
25
○
谷口善太郎
君(続) ヨーロッパの発達した資本主義国において、
医療保障制度
の国と資本家の
負担
割合はどうなっておるか。イギリスでは八八・二%、フランスでは七四・八%、イタリアでは九八・九%が国と資本家の
負担
であります。
小平久雄
26
○副
議長
(
小平久雄
君) 谷口君、谷口君、
制限
の時間が参りましたから、
発言
の中止を命じます。 〔
谷口善太郎
君
発言
を継続〕
小平久雄
27
○副
議長
(
小平久雄
君) 谷口君、
発言
の中止を命じます。——谷口君、降壇を命じます。——執行を命じます。 〔
谷口善太郎
君なお
発言
を継続〕
小平久雄
28
○副
議長
(
小平久雄
君) 執行を命じます。 〔
谷口善太郎
君降壇〕
小平久雄
29
○副
議長
(
小平久雄
君) これにて
討論
は終局いたしました。
日程
第一につき
採決
いたします。 この
採決
は
記名投票
をもって行ないます。
本案
の
委員長
の
報告
は
修正
であります。
本案
を
委員長
報告
のとおり決するに
賛成
の
諸君
は
白票
、
反対
の
諸君
は
青票
を持参せられんことを望みます。−
閉鎖
。 〔
議場閉鎖
〕
小平久雄
30
○副
議長
(
小平久雄
君)
氏名点呼
を命じます。 〔
参事氏名
を
点呼
〕 〔各員
投票
〕 〔
発言
する者多く、議場騒然〕
小平久雄
31
○副
議長
(
小平久雄
君)
投票
者の通路をふさがないように、すみやかに
投票
を願います。 〔議場騒然〕
小平久雄
32
○副
議長
(
小平久雄
君)
投票
の妨害はしないでください。
投票
の妨害はしないでください。 〔議場騒然〕
小平久雄
33
○副
議長
(
小平久雄
君)
投票
者の通路をふさがないでください。 〔議場騒然〕
小平久雄
34
○副
議長
(
小平久雄
君)
記名投票
の要求をされた
諸君
がこれを妨害することは許されません。(
拍手
) 〔議場騒然〕
小平久雄
35
○副
議長
(
小平久雄
君) すみやかに
投票
を願います。 〔議場騒然〕
小平久雄
36
○副
議長
(
小平久雄
君) 通路をあけてください。 〔議場騒然〕
小平久雄
37
○副
議長
(
小平久雄
君) 実力で他人の
投票
を妨害することは許されません。 〔議場騒然〕
小平久雄
38
○副
議長
(
小平久雄
君)
投票
をしない人は演壇をおりてください。 〔議場騒然〕
小平久雄
39
○副
議長
(
小平久雄
君) 実力の行使はやめてください。 〔議場騒然〕
小平久雄
40
○副
議長
(
小平久雄
君) 多数の人が
投票
を希望しておられます。これを妨害しないでください。 〔議場騒然〕
小平久雄
41
○副
議長
(
小平久雄
君)
投票
の妨害はやめてください。みずから
記名投票
を要求しながら、みずから実力をもってこれを妨害することは許されません。(
拍手
)実力による妨害をしながら、他に法規の順守を求めることはできません。一部少数の実力によって、多数の者の表決を妨げることは許しがたいことであります。 この状況では、
議長
は、
記名投票
をもって表決することは不可能と認めます。少数の実力によって多数の意思を無視することは、憲法の精神がこれを許しません。(
拍手
)
議長
は、やむを得ず起立をもって
採決
いたします。
本案
の
委員長
の
報告
は
修正
であります。
本案
を
委員長
報告
のとおり決するに
賛成
の
諸君
の起立を求めます。 〔
賛成
者起立〕
小平久雄
42
○副
議長
(
小平久雄
君) 起立多数。よって、
本案
は
委員長
報告
のとおり決しました。(
拍手
) 〔
発言
する者多く、議場騒然〕
————◇—————
小平久雄
43
○副
議長
(
小平久雄
君) 本日は、これにて散会いたします。 午前三時三十四分散会
————◇—————
出席国務大臣 厚 生 大 臣 斎藤 昇君