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千葉三郎君 不肖、
在職二十五年にあたり、
院議をもって丁重な
表彰の御
決議をいただきましたことは、身に余る光栄で、心から感謝申し上げる次第でございます。(
拍手)
私は、いまから四十五年前、弱冠三十で当選したのが初めで、当時は
加藤高明氏を首班とする護憲三派
内閣でありました。
普通選挙法が
可決せられたのもそのときであります。納税上の制限が撤廃せられ、有権者は三百二十万から一挙に千二百四十万人に増加し、従来自由であった
戸別訪問も厳に禁止せられました。予算は、
一般会計と
特別会計を合わせて三十億円で、今日からは想像もできません。
議員は常に控え室におりましたから、
議員間の親密と
政党間の交流もきわめて濃厚でありました。こらした空気の中で、私は五カ年間を過ごしたのであります。
昭和五年、一
たん政界を退き、若かりし夢を胸に抱いてアマゾンに渡り、日本人のための
村づくりをなし、また、民間の重要な仕事にも関係いたしてまいりましたので、終戦後の
昭和二十四年再び
政界に復帰するまで、私には十八年間の
政治空白があるのであります。
顧みると、
昭和初頭の五カ年間には
内閣の更迭は四回、したがって、その
存続期間は平均一年三カ月であるのに反し、
昭和二十四年から今日までの二十カ年間には、
内閣が成立すること十五回でありますが、総理は六名の交代であるので、実質上の
内閣の
存続期間は三年四カ月になっております。このことは、
昭和初頭には
政党の発達が未熟で、藩閥や軍部に押されがちであったのでありますが、今日では
議会制民主主義がようやくレールに乗ってきた証拠ではないかと存じます。
しかし、現在の若者の悩みと
焦燥感、
民主主義政治の現状に対する大衆の批判、さらに行動のすべては、自己を中心とした物質上の利害で判断して、
社会的正、不正の観念を閑却し、あまつさえ、欲求のためには手段を選ばない風潮、これらの事態に対して現在の
民主主義は解答を与え得るでありましょうか。率直に言って、もの足りなさを感じます。(
拍手)すなわち、高度に発達した
科学技術に即応し、さらに、道義と国家に対する責任及び崇高なる
人類愛を基調とした、青年にも魅力のある新しい、正しい
民主主義を開発して、これを育成する段階に迫られているのではないでしょうか。(
拍手)
私は、今日、本院から無上の
栄誉を与えられました。この
栄誉は、先輩、
同僚議員各位の長年にわたる御指導と、及び私を支持してくださった
選挙民と
国民各位の御協力のたまものであります。まことに感激の至りであります。
私は、この御厚情に報ゆるため、今後とも、新しい
議会民主主義確立のために最善の努力をささげる決意であることを申し上げまして、お礼のことばといたします。(
拍手)
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日程第一
国有財産特殊整理資金特別会計法
及
び国の
庁舎等の
使用調整等に関する
特別
措置法の一部を
改正する
法律案(
内閣提出)