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唐橋委員 ただいま
議題となっております
内閣提出の
公立義務教育諸
学校の
学級編成及び
教職員定数の
標準に関する
法律の一部を改正する
法律案に対しては、
社会党を代表して
反対の
意見を開陳し、
公立義務教育諸
学校の
学級編成及び
教職員定数の
標準に関する
法律の一部を改正する
法律案並びに
公立の
特殊教育諸
学校の
学級編制及び
教職員定数の
標準に関する
法律案、
斉藤正男君外八名
提出の以上二案に対して
賛成の
討論をしたいと思います。
御承知のように、現在の
高度経済成長は大きな
地域間の
格差、
産業間の
格差を来たしておるわけでございまして、その中において
人口の
移動というものは実に大きな趨勢を来たしておるわけでございます。このまま推移していくならば、統計に示しますように、
昭和六十年代にはいわゆる
太平洋ベルト地帯といわれる
工業地帯は、そのときの日本の総
人口の七〇%をこえ、七五%の
人口が集中するのではないかというようなことが予想されており、それに対して、いわゆる
過疎地帯というものはあらゆる
経済、文化の点において非常な問題をはらんでおるわけでございます。そういう中において今後の
公立義務教育諸
学校の
学級編成や、あるいはそれに伴う
教職員定数の
標準についてどのように対処していくかは、今後の
教育において最も重大かつ基本的な問題でなければならないわけでございます。
それに対しまして、現在出されました
内閣提出の
法案は、多少これに取り組み、この方向に対処していこうという基本的な姿勢、あるいはそれに対する多少の
施策というものは
前進的に私
たちも了解できるわけでございます。しかし、いま申しましたように、急激な変動に伴う
人口の
移動、
産業間の
格差、
地域格差、そういうものに対してこれが適応し得るかどうかということを考えましたときに、私
たちは不十分のそしりをこの
法案に対して呈さざるを得ないわけでございます。
特にこの案は五カ年
計画をもって実施していく案でございますので、五カ年
計画の中において
人口の動態あるいは
産業の
状態に伴う各種の急激なる
変化に応じていくという基本的なかまえを私
たちはやはり明確にしなければならないと思うのでございますが、それに対する
配慮というものを私
たちは不幸にして察知し得ないわけでございます。これによって五カ年
計画を実施する、こういうことでございますが、おそらくは
過疎地帯あるいは
過密地帯の状況は、この五カ年のうちに必ずこの
法案では不十分であるという
状態を生むことを私
たちははっきりと予想しなければならないわけでございます。この五カ年
計画を機械的に実施していくというようなことが
法案の
内容からうかがわれますときに、第一にこれに対する
不満を私
たちは持つわけでございます。
第二の
不満というものは、その中で特に
産炭地、
同和地区、
スラム街、このような
地帯は、一般的な
過疎地帯以上にいまの
産業間の問題において大きな問題を含んでおり、これに対する
変化というものが大きく出てくるだろうと思いますが、これに対する
配慮もまた十分ではないということを、私
たちは現在までの
質疑の中においてどうしても指摘しなければならないのでございまして、これらに対する
優遇措置等は今後十分考えていかなければならないが、これらは多少
政令事項に含むとしても、この点に対する不十分さというものを私
たちは指摘せざるを得ないわけでございます。
さらにもう一点は、この
法案を見てみますと、先ほど申しましたように多少の
前進はいたしました。
学校に必要な
職種、あげますれば
用務員、
給食従業員、
栄養士、
実習助手あるいは
図書館司書等の
充実につきましては、多少の
前進をいたしました。この努力に対しては認めることにやぶさかではございません。しかし、私
たちが常日ごろ主張しておりますように、各
学校に対して一校に対する一名の
基準を示しておるということに、基本的な私
たちの
反対の意思の
根拠があるわけでございます。したがって、
学校の
教育上必要な
職種、
用務員、
給食従業員、
栄養士、
実習助手、
図書館司書等に対しましては、あくまでも明確にこれを位置づけ、さらに
斉藤正男君外八名より
提出されております他の四
法案において示されておりますように、これは必ず
義務教育費の
負担職員としていくということが必要であり、このことは当然今後の問題としてはっきりと取り組まなければならない問題であります。この点が不明確であるということを、私
たちはこの案に対する
最大の
反対の
根拠とするわけでございます。
したがいまして、この
条項を見てみましても、さらに具体的な点をあげてみますならば、第三条の二項の中で、
斉藤正男君外八名
提案に明らかに示されておりますように、新入生の場合の
児童数を
社会党提案のものは明確にしております。それに対しまして
政府提案は、全く新しい一年生の
取り扱い方についてもう少し
配慮をすべきである。さらに第七条を見てみますと、五
学級以下にも校長の
配置というようなものも、
斉藤正男君外八名
提案には明確にこれを位置づけておるわけでございます。さらに第三条の中におきまして、いわゆる二個
学年複式の
問題等は、当然これに対してもやはり二十二人あるいは二十人というような議論がいろいろ出てまいりましたが、しかし、これらに対しては、私は、この
児童の
学級編成の
基準というものは、現在の
政府提案ではどうしても了承できず、
社会党提案に対して
賛成せざるを得ないわけでございます。
その他、各
条項におきまして相当ございますけれども、先ほど申しましたように、
養護教諭の
全校配置、
事務職員の
全校配置等は長年の間の懸案でありながら、今後五カ年においてこれが達成されないというような点は
最大の遺憾なことと感ぜざるを得ないし、これに対比しまして、わが
党提案の条文においては明確にこれを
全校配置を規定しておる。全く現在の
教育行政、特にその中において今後五カ年間を措置しようとする中において
提出されている問題を取り上げますときに、
政府提案に対しては私
たちは遺憾ながら
反対をせざるを得ない
根拠が明確になったと思うわけでございますし、
社会党提案、いわゆる
斉藤正男君外八名
提出の案は、現在
いろいろ国の予算上の問題はあろうとも、この問題につきましては
斉藤正男君の
提案理由の
説明にありましたように、
年度の会計を見てみますと、そのように多くはかけてはないわけであります。したがいまして、当然これはやる気であるならば実施できる、このような案でございますので、私は党を代表いたしまして
斉藤正男君外八名
提出の案に
賛成をするものであります。
以上であります。