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武部委員 おっしゃるように、燐酸は
昭和三十二年十二月二十八日に食品添加物として許可になっておりますね。問題は、燐酸というものが人間のからだにどういう
影響を与えるかということが問題なんですよ。
前回私が申し上げたように、燐酸の含有率が非常に多い、こういうことを言いましたね。アルカリ性と酸性との問題にからんで、比重が非常に大きい、このことが
影響を与えるのではないかと、たしかあなた方にただしたわけです。燐酸はおっしゃるように人体にある
程度の
影響を与えるだろう、こういう答弁で終わっておったわけでありますが、燐酸の
内容を調べてみても、これは燐鉱石の中からとるので、それで体内に砒素が残ってくるというようなことも出ておりますね。私
どもしろうとでありますけれ
ども、いろいろ日本薬局方を調べてみるとそうなっているのですよ。そういうふうに燐酸の含有率が他のものに比べて非常に高い、こういうようなことから見ても、カフェインと燐酸との含有が体内に
影響を与えるのではないだろうかというような、しろうと目に
考えてもそういう気持ちを持つのです。再度申し上げるようですが、それを、コーラというものはたいしたことないのだというようなことで簡単に片づけられては私
どもは困る、このように主張しておるのであります。こういうようなことはこの「ドリンクスの効用」という本の中に書いてあります。
さらに、これは慶応大学の生理学教室の塚田裕三教授が言っておることばでありますが、「成長期の子供と刺激物」という、これは二月八日に読売
新聞が掲載しておるのでありますけれ
ども、この中に、さっき言いましたが、十二、三歳前後の子供の脳細胞の発達進行中に興奮剤や麻酔剤が入ると、その発育が間違った方向へそのまま進んでしまう危険がある、こういうことを述べておるのであります。そのときに、コーヒーにはカフェインが入っておる、それだからこういうものを子供に飲ましてはいかぬということをはっきりと生理学者の中からいわれているのです。きょう申し上げるように、コーヒー一ぱいのカフェインの量とコーラの中に占めるカフェインの量はほとんど同じなんです。そういう点を私は指摘したわけであります。この点についてあなたのほうの明確な答弁がなかった、こういう点を私は非常に不満に思っているのであります。
質問の時間が経過いたしましたが、いずれにしてもきょうあなたのほうの答弁を聞いておりますと、ほとんど資料を持ち合わせておられない。またごく最近になってからこうした問題について
業者を呼んで調べたとかいうようなことをおっしゃっておる。また国立衛生試験所の成分の
内容分析もはっきりしていない。外国でははっきりとこれについて厳重な分析をして、さっき言うように、イタリアにしてもフランスにしてもイギリスにしても、からだに与える
影響というものを厳重に監視をして、そうして禁止すべきものは禁止をしておる。にもかかわらず厚生省としてはそういう点について大いに怠っておる、このことを私は指摘をいたしたいのであります。
きょうはこのくらいにしておきますが、いずれにしてもこのコーラの持っておるところの
内容は疑問の点が非常に多いのです。この私
どもの疑問にあなた方が、その疑問はかくかくだというふうに答えてくれるならばあえて問題にならぬと思うのです。ですから、これこれの理由によって成分はこれこれだ、だから人体にはこれこれで
影響はない、こういうふうにはっきりとお示しになるならばこれはけっこうなんですよ。ただ私
どもが言うように、この四冊の本を読んでみてもたいへんなことがこの中には書いてあるんですよ。それが外国で
現実に有害だということが認められて、外国ではそれをやっておるのに、同じものがなぜ日本でのうのうと通っておるのかということを私はふしぎに思ったから、そういう点でぜひひとつ早急に厚生省として本問題に対しての明快な
説明をしていただきたい。どうでしょうか。