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1969-03-18 第61回国会 衆議院 内閣委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十四年三月十八日(火曜日)     午前十一時五分開議  出席委員    委員長 藤田 義光君    理事 伊能繁次郎君 理事 佐藤 文生君    理事 塩谷 一夫君 理事 塚田  徹君    理事 三原 朝雄君 理事 大出  俊君    理事 浜田 光人君 理事 受田 新吉君       赤城 宗徳君    小渕 恵三君       菊池 義郎君    野呂 恭一君       葉梨 信行君    松澤 雄藏君       三池  信君   三ツ林弥太郎君       山口 敏夫君    淡谷 悠藏君       華山 親義君    安井 吉典君       鈴切 康雄君  出席国務大臣         建 設 大 臣         首都圏整備委員         会委員長    坪川 信三君  出席政府委員         首都圏整備委員         会事務局長   鶴海良一郎君         科学技術庁計画         局長      鈴木 春夫君         文部省管理局長 岩間英太郎君         建設大臣官房長 志村 清一君         建設省計画局長 川島  博君         建設省河川局長 坂野 重信君         建設省道路局長 蓑輪健二郎君  委員外出席者         内閣総理大臣官         房参事官    川上 幸郎君         大蔵省理財局国         有財産第一課長 上国料 巽君         専  門  員 茨木 純一君     ――――――――――――― 三月十四日  委員田中龍夫君、三ツ林弥太郎君及び山口敏夫  君辞任につき、その補欠として山中貞則君、石  田博英君及び中曽根康弘君が議長指名委員  に選任された。 同日  委員石田博英君、中曽根康弘君及び山中貞則君  辞任につき、その補欠として三ツ林弥太郎君、  山口敏夫君及び田中龍夫君が議長指名委員  に選任された。 同月十七日  委員渡部一郎辞任につき、その補欠として伊  藤惣助丸君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 三月十四日  靖国神社国家護持立法化反対に関する請願(  石橋政嗣君紹介)(第二〇〇五号)  同(板川正吾紹介)(第二〇〇六号)  同(江田三郎紹介)(第二〇〇七号)  同(久保三郎紹介)(第二〇〇八号)  同(斉藤正男紹介)(第二〇〇九号)  同(阪上安太郎紹介)(第二〇一〇号)  同(柴田健治紹介)(第二〇一一号)  同(田中武夫紹介)(第二〇一二号)  同(野口忠夫紹介)(第二〇一三号)  同(森本靖紹介)(第二〇一四号)  同(山内広紹介)(第二〇一五号)  同(山中吾郎紹介)(第二〇一六号)  同(石橋政嗣君紹介)(第二〇六八号)  同(板川正吾紹介)(第二〇六九号)  同(江田三郎紹介)(第二〇七〇号)  同(久保三郎紹介)(第二〇七一号)  同(斉藤正男紹介)(第二〇七二号)  同(阪上安太郎紹介)(第二〇七三号)  同(柴田健治紹介)(第二〇七四号)  同(田中武夫紹介)(第二〇七五号)  同(武部文紹介)(第二〇七六号)  同(野口忠夫紹介)(第二〇七七号)  同(森本靖紹介)(第二〇七八号)  同(山内広紹介)(第二〇七九号)  同(山中吾郎紹介)(第二〇八〇号)  同(石橋政嗣君紹介)(第二二一三号)  同(板川正吾紹介)(第二二一四号)  同(江田三郎紹介)(第二二一五号)  同(久保三郎紹介)(第二二一六号)  同(斉藤正男紹介)(第二二一七号)  同(柴田健治紹介)(第二二一八号)  同(田中武夫紹介)(第二二一九号)  同(武部文紹介)(第二二二〇号)  同(野口忠夫紹介)(第二二二一号)  同(森本靖紹介)(第二二二二号)  同(安井吉典紹介)(第二二二三号)  同(山内広紹介)(第二二二四号)  同(山中吾郎紹介)(第二二二五号)  靖国神社国家管理反対に関する請願稻村隆一  君紹介)(第二〇一七号)  同(井上泉紹介)(第二〇一八号)  同(大原亨紹介)(第二〇一九号)  同(加藤勘十君紹介)(第二〇二〇号)  同(角屋堅次郎紹介)(第二〇二一号)  同(木原実紹介)(第二〇二二号)  同(栗林三郎紹介)(第二〇二三号)  同(佐野憲治紹介)(第二〇二四号)  同(實川清之紹介)(第二〇二五号)  同(武部文紹介)(第二〇二六号)  同(内藤良平紹介)(第二〇二七号)  同(成田知巳紹介)(第二〇二八号)  同(広沢賢一紹介)(第二〇二九号)  同(平林剛紹介)(第二〇三〇号)  同(古川喜一紹介)(第二〇三一号)  同(堀昌雄紹介)(第二〇三二号)  同(八木昇紹介)(第二〇三三号)  同(安井吉典紹介)(第二〇三四号)  同(渡辺芳男紹介)(第二〇三五号)  同(田代文久紹介)(第二〇三六号)  同(伊賀定盛紹介)(第二〇八一号)  同(稻村隆一君紹介)(第二〇八二号)  同(井上泉紹介)(第二〇八三号)  同(大柴滋夫紹介)(第二〇八四号)  同(大原亨紹介)(第二〇八五号)  同(加藤勘十君紹介)(第二〇八六号)  同(木原実紹介)(第二〇八七号)  同(角屋堅次郎紹介)(第二〇八八号)  同(河上民雄紹介)(第二〇八九号)  同(栗林三郎紹介)(第二〇九〇号)  同(佐々栄三郎紹介)(第二〇九一号)  同(佐野憲治紹介)(第二〇九二号)  同(阪上安太郎紹介)(第二〇九三号)  同(實川清之紹介)(第二〇九四号)  同(多賀谷真稔紹介)(第二〇九五号)  同(田代文久紹介)(第二〇九六号)  同(楯兼次郎紹介)(第二〇九七号)  同(内藤良平紹介)(第二〇九八号)  同(楢崎弥之助紹介)(第二〇九九号)  同(野口忠夫紹介)(第二一〇〇号)  同(平林剛紹介)(第二一〇一号)  同外一件(広沢賢一紹介)(第二一〇二号)  同(古川喜一紹介)(第二一〇三号)  同(堀昌雄紹介)(第二一〇四号)  同(三木喜夫紹介)(第二一〇五号)  同(八木昇紹介)(第二一〇六号)  同(山本幸一紹介)(第二一〇七号)  同(米田東吾紹介)(第二一〇八号)  同(安井吉典紹介)(第二一〇九号)  同(渡辺芳男紹介)(第二一一〇号)  同(井上泉紹介)(第二一八七号)  同(大原亨紹介)(第二一八八号)  同(岡本隆一紹介)(第二一八九号)  同(加藤勘十君紹介)(第二一九〇号)  同(勝間田清一紹介)(第二一九一号)  同(角屋堅次郎紹介)(第二一九二号)  同(神近市子紹介)(第二一九三号)  同(河野正紹介)(第二一九四号)  同外一件(木原実紹介)(第二一九五号)  同(栗林三郎紹介)(第二一九六号)  同(佐野憲治紹介)(第二一九七号)  同外一件(阪上安太郎紹介)(第二一九八  号)  同(田代文久紹介)(第二一九九号)  同(田中武夫紹介)(第二二〇〇号)  同(高田富之紹介)(第二二〇一号)  同(楯兼次郎紹介)(第二二〇二号)  同(内藤良平紹介)(第二二〇三号)  同(野口忠夫紹介)(第二二〇四号)  同(平林剛紹介)(第二二〇五号)  同(広沢賢一紹介)(第二二〇六号)  同(古川喜一紹介)(第二二〇七号)  同(堀昌雄紹介)(第二二〇八号)  同(松本七郎紹介)(第二二〇九号)  同(八木昇紹介)(第二二一〇号)  同(安井吉典紹介)(第二二一一号)  同(渡辺芳男紹介)(第二二一二号)  婦人少年室廃止反対等に関する請願外一件(内  田常雄紹介)(第二〇三七号)  同外一件(山花秀雄紹介)(第二〇三八号)  同(浜田光人紹介)(第二一一二号)  同外二件(広沢賢一紹介)(第二一一三号)  同外一件(神近市子紹介)(第二二二八号)  同(仮谷忠男紹介)(第二二二九号)  同(佐野進紹介)(第二二三〇号)  同(浜田光人紹介)(第二二三一号)  同(松野頼三君紹介)(第二二三二号)  同(八木一男紹介)(第二二三三号)  支那事変における金鵄勲章受章者特別措置に  関する請願葉梨信行紹介)(第二〇三九  号)  同(北澤直吉紹介)(第二一一一号)  靖国神社法制定反対に関する請願稲村隆一君  紹介)(第二二二六号)  同(堀昌雄紹介)(第二二二七号)  公務員の賃金抑制及び定員削減反対等に関する  請願田代文久紹介)(第二二三四号)  行政機関の職員の定員に関する法律案反対等に  関する請願谷口善太郎紹介)(第二二三五  号)  同(林百郎君紹介)(第二二三六号)  同(松本善明紹介)(第二二三七号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  建設省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第八号)      ――――◇―――――
  2. 藤田義光

    藤田委員長 これより会議を開きます。  建設省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。葉梨信行君。
  3. 葉梨信行

    葉梨委員 昭和四十四年度の建設省所管公共事業費は約二兆円の巨額にのぼると聞いております。これは、国民経済発展国民生活安定向上をはかり、住みよい国土建設するために、立ちおくれました社会資本を充実強化する必要がございまするので、われわれとしましても、まあ多い、少ないの議論はあるかもしれませんが、了承するところでございます。  そこで、本日は、提案されました建設省設置法改正案につきまして、以下数点についてお伺いいたしたいと思います。  まず、お伺いいたしたいのは、建設省下部機構としまして地方建設局がございますが、この地方建設局の現在の機構並びに各地方建設局所管区域をお示し願いたい~思います。
  4. 志村清一

    志村政府委員 地方建設局は八地方建設局ございまして、組織につきましては、総務部用地部河川部道路部及び営繕部の五部と企画室でございます。  なお、この五部のうち、用地部営繕部につきましては、北陸四国には置かれておりませんで、用地事務総務部で行ない、営繕事務は他の地方建設局営繕部がかわってやっております。四国につきましては中国北陸については中部ということで担当いたしております。  それぞれの地建地域でございますが、東北、関東、北陸中部、近畿、中国四国、九州、かように分かれておる次第でございます。
  5. 葉梨信行

    葉梨委員 この各地方建設局におきまして、道路河川、砂防、ダム、営繕等直轄事業事業費内容を承りたいと思います。また、過去数年間の増加傾向はどんな様子でございましょうか。
  6. 志村清一

    志村政府委員 地方建設局直轄事業として行なっております事業費は累年増大してまいっておりますが、昭和四十年度におきましては二千六十六億円、四十一年度は二千百七十八億円、四十二年度が二千三百七十六億円、四十三年度が二千四百五十七億円でございます。大体対前年比は、それぞれ順序を追って申しますと、五%増、九%増、三%増とそれぞれ増大を続けている次第でございます。
  7. 葉梨信行

    葉梨委員 建設省設置法の一部改正案が提案されまして、八つの地建のうち、四地建について企画室を部へ改めることといたしておりまするが、事業量増大ということは、所掌事務複雑多岐にわたるからであると理解をいたしますが、この理由以外に、機構強化理由はありませんでしょうか。たとえば所掌事務に、国土計画地方計画に関する調査、広域にわたる都市建設に関する調査という項目がございますが、重要事項について具体的に内容を御説明願いたいと思います。
  8. 志村清一

    志村政府委員 企画室所掌事務につきましては、毎年事業費増大という数字にあらわれました事務量増大だけではありませんで、先生指摘のように、その事務の質的な変化がございます。こういった質量ともに変わってまいったのに対処いたすために、整備された機構が必要ではないかと考えている次第でございます。  御質問国土計画及び地方計画に関する調査でございますが、たとえば広域的な水の利用をはかるための調査ということとか、あるいは、国土幹線自動車道を主とする幹線自動車道路網策定のための調査など、国土全部を有機的に一体化して開発するためのかなめとなる調査がございます。また都市建設基本計画に関する調査といたしましては、たとえば新産都市建設法による計画策定のための調査など、地域全体といたしまして広域的な立場から都市建設を進めるための基礎資料を提供するものであろう、かように考えております。こういった国土全体の均衡のとれた開発を進めることは非常に大事なことでもございますし、今後もますますその必要性が大きくなる、かように考えております。このためにはますます広い地域にわたります観点から調査を進めなければならぬというふうに考えると同時に、いろいろの事業調整ということをはかりながら計画策定するということになるために、複雑な調査内容になってまいるという状況でございます。
  9. 葉梨信行

    葉梨委員 その国土計画地方計画に、ただいま幹線自動車道というお話がございましたが、幹線自動車道というのは高速自動車道のことも入りましょうか。それから架橋問題等に関する調査も入りましょうか。
  10. 志村清一

    志村政府委員 入っております。
  11. 葉梨信行

    葉梨委員 企画室は「土木工事に関する技術及び管理改善に関する事務」「土木工事施工方法研究に関する事務」等を所掌しておりまするが、土木工事につきまして、何か相当の技術改善等が行なわれていると思われるのでございます。この具体例を一、二伺いたいと思います。また今後の研究課題についてはどんな状況になっておりましょうか。
  12. 志村清一

    志村政府委員 建設事業につきましては、先生指摘のように技術開発と申しますか、新しい技術研究開発を行ないまして、建設事業量増大に対処せねばならぬということでいろいろつとめております。そのために、新しい施工技術開発による技術水準向上とか、あるいは工法材料等基準化合理化ということをはかりまして、技術管理の実をあげることが必要だと考えております。  こういった要請にこたえまして、いろいろ多方面にわたる改善をはかりたいと考えておるわけでございますが、たとえて申し上げますと、最近におきましては構造物基礎築造技術開発によりまして、かつては予想もできなかったような大型構造物を築造できるようになりました。さらには電子計算機を使いました設計技術、あるいは同じく電子計算機を使いました工程管理技術というものの開発によりまして、安全かつ正確に、しかも短期間に工事を終わるということが可能になってまいったわけでございます。  今後といたしましては、かような研究を進めると同時に、最近におきます労働力の不足の現況に対処いたしまして、人力を要しない新工法開発をはかり、そして生産性を高めるということがきわめて肝要ではなかろうか、それを今後の研究課題といたしたいと考えておる次第でございます。
  13. 葉梨信行

    葉梨委員 東北北陸中国四国各地建には、企画部を置かなくても事務遂行支障はございませんでしょうか。
  14. 志村清一

    志村政府委員 今回、企画室企画部に昇格いたしたいという改正につきましては、四地建に限ったわけでございますが、しかし今回の改正は全く新しい組織をつくりだすというのではございませんで、すでに設置法上認められております企画室を部に改めまして、その部に課を設ける等、下部機構を整備強化するということをねらいといたしておるわけでございます。したがいまして、今回企画部設置することといたしていない地方建設局におきましても、四十四年度において直ちに事務遂行上大きな支障があるということはないと考えておりますが、しかしこれらの残りの四地建につきましても今後一そう事務処理円滑化をはかるという必要があろうと考えられますので、四十五年度からはこの残りの四地建につきましても部制を敷き、下部組織の充実をはかる、かように進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
  15. 葉梨信行

    葉梨委員 本州-四国架橋問題がございます。これは六月ごろに決定し発表されるということを聞いており産するが、この本州-四国架橋というのは、兵庫県の明石と徳島県の鳴門明石鳴門大橋、それから岡山県の児島と香川県の坂出の瀬戸大橋、それから広島県の尾道と愛媛県の今治を結ぶ瀬戸内大橋、この三本が候補にのぼっておるわけでございます。そしていまのお話でございますと六月に決定、発表ということになれば、そのいずれかの橋をかける場合にはその地建が非常に事務量増大して、当然いろいろ人手も要るということになると思います。そういうことからしますると、いまのお話中国地建企画部を置かない、置かないというか昇格しないということは、この中国にかかる瀬戸大橋瀬戸内大橋でなくして、この本州-四国架橋はまず明石鳴門大橋にきまるのではないかと私は想像するのですが、大臣の御見解を伺いたいと思います。
  16. 坪川信三

    坪川国務大臣 本四架橋の問題はわが国土開発に非常に重大な影響を持つ問題でございまして、建設省といたしましては技術の点からもあるいは経済効果の点からも、あらゆる角度から総合的にいま調査をいたしておるような次第でございます。大体建設省といたしましては一応それらの調査結論が出つつありますので、鉄建公団あるいは運輸省、海上保安庁、経企等関係事業量も相当含まれておりますので、これらの諸官庁と十分打ち合わせをいたしまして、また道路審議会あるいは鉄道建設審議会等意見も聴取いたしまして、大体その作業が六月ごろ終わる予定でございます。そうしますと、最終的な段階に入りますので、私のただいまの時点における考え方といたしましては、さきも申し上げましたような中国、西日本の発展に重大な影響がある大きな仕事でもあり、わが国土建設開発の上におけるところの最も画期的な大事業でもございますので、内閣の中にいわゆる閣僚協議会のようなものを設置をお願いいたしまして、そして関係閣僚と最終的に打ち合わせをいたしまして、最終的な決定を見るのは大体七月ごろになるだろうと想定いたしておるのであります。したがいまして、それの決定を見ますと御承知のとおりに昭和四十五年度の予算の編成に取り組まなければならない八月、九月ごろの段階に入る、それの前に私は決定いたしたい、こう考えておることを御了承願いたいと思いますとともに、いま御指摘になりました点につきましてはごもっともな御意見でございます。現時点におけるところの中国建設局仕事の量から申し上げますと、大体六、七番目のような立場事業量としてはございますけれども、いま御指摘になりましたこうした大事業をかかえて取り組まなければならない拠点の局にも相なりますので、その時点に立って、御指摘になりましたこれらの昇格その他の問題について建設省としては考慮し、十分検討いたしまして、また新たにひとつ御審議を願わなければならぬ時点がまいるものと私は想定いたしておるような次第でありますが、いまの段階においてこうしたことで御審議を願っておるというようなわけでございます。
  17. 葉梨信行

    葉梨委員 事務当局の、この役所の機構の持っていき方からしますと、私が申し上げたような線できまるような気がいたしますが、いま大臣の御答弁では、また中国地建も充実しなければいけないというようなお話も伺えるわけでございます。一説には三本同時に着工する、そして国が直営で行なう橋と、ほかの事業団か何か別の事業主体をつくって建設をするというようなお話も伺っておりますが、この点についてはいかがでございましょう。
  18. 坪川信三

    坪川国務大臣 いま葉梨先生指摘になりましたような、いろいろ想像的な考え方と申しますか、持っていき方といいますか、いろいろの意見がそれぞれの立場で出ておることは私承知いたしておりますけれども、いま具体的に御指摘になりました点等については、まだわれわれといたしましてそれに対する考え方結論を申し上げる段階はきておりませんので、これらの点につきましては、先ほども申しましたような方法時点において作業を進めてまいり、最終的な結論は七月の下旬に出したい、こう思っておるような次第であります。
  19. 葉梨信行

    葉梨委員 この橋をかける問題は、本州四国との間の経済開発にとりましても非常に重要な意味がございますし、近代的な土木技術を駆使しなければいけない。また膨大な事業費をかけなければいけないというようなことから、最近における建設省事業としては非常に重要な意味を持っております。そこでひとつ合理的な御判断をいただいて、一日も早く決定を見るようにお願い申し上げます。  私の質問をこれで終わります。
  20. 藤田義光

    藤田委員長 次は大出俊君の質疑でございますが、大出委員質疑には政府委員説明員が多数出席いたしております。したがいまして、委員長から即座に指名しない場合におきましては、応答者は自分でひとつ職名と氏名を言って答弁していただきたい。お願いします。大出俊君。
  21. 大出俊

    大出委員 たいへんどうも各省の皆さんにお忙しいところをお出かけいただきまして恐縮に存じます。筑波学園都市問題に入ります前に、二つばかり承っておきたいことがあります。  その一つは、坪川大臣地建局長さんの会議その他で、大臣考え方を述べておられるのが「建設月報」等見ますと何カ所かに出ていますが、当面の大臣がお考えになっておる建設省重点施策というようなものを大体どこに置いておられるかという点をあらためてひとつあげておいていただきたいと思います。
  22. 坪川信三

    坪川国務大臣 私が建設大臣の重職に就任いたしまして以来考えましたことを申し上げまして、また御理解と御指導をいただきたいと思います。  第一の問題といたしましては、ここ四、五年非常な産業の発展経済の伸展を見ておりますが、これによっての景気の調整その他からくる犠牲といいますかしわ寄せが社会資本の立ちおくれを来たしておるということを、私は非常に憂えたような次第であります。したがいまして、私はこの立ちおくれをぜひとも取り戻しまして、総合的な、計画的な、均衡のある国土開発をいたしたいというのを基本に置きたいということを申し上げておきたいと思います。  二番目には、私といたしましては二兆円以上の大運な国費を投入いたしながらの大事業行衣うという責任担当の省であることを考えるときに、それがすなわちすべて国民の税金によってまかなわれておることは当然でありますけれども、そのとうとい血税を出していただいて仕事をやるということを考えるときに、百万円、五十万円、十万円の金を、予算を執行する場合においても、私は厳粛な気持ちといいますか、倫理感使命感をもってこれの執行に当たらなければならぬということを第二番目に持っておるようなわけでございます。  三番目といたしましては、御承知のとおりに社会資本の立ちおくれを取り戻しまして、大事な道路の問題あるいは河川の問題あるいは住宅の問題あるいは下水の問題等の五カ年計画、その他数多くの問題についての年次計画を打ち立てながら執行してまいりたいということとともに、もう一つ、私は痛感いたしましたのは、御承知のとおりに建設省事業仕事遂行によって国民生活国民の命につながるという問題が非常に数多くあるということ、これはもう具体的に申し上げるまでもなく大出先生承知のとおりの問題であります。それを考えますと、私といたしましては新たなる人間尊重という立場から、ヒューマニズムに立っての公害対策を打ち立てなければならぬ、あるいは交通対策を打ち立てなければならぬ、あるいは住宅対策を打ち立てなければならぬという、庶民に通ずる愛情のある行政、政治を行ない、またそれに関連する大きな仕事を控えておるということからくるところの人間尊重に立ってのきめこまやかな愛情といいますか、庶民の立場に立っての仕事を進めていかなければならぬ、これが建設行政に対する私の基本的な心のかまえとして、私は自分の気持ちとして根底に置きながら事業の推進に当たってまいりたいということであることを御理解いただきたいと思います。
  23. 大出俊

    大出委員 大臣のごあいさつなさっている中に幾つもそういう点が、特に社会資本の不足、あるいは極端な不足ということばが出てまいります。都市交通対策なんかについてもそういう表現をされておるようでありますけれども、私もそれは同感なんですが、そこで、この一九六九年二月の「建設月報」に新しい予算の中身に触れた解説等が出ております。最近よく目につくのですけれども、たとえばこの中に道路整備ということがうたわれており産すが、環状七号線などをとってみましても、私はこの間あそこを自分で歩いてみてびっくりしたんですけれども、あれはそこらじゅうがたがたなんですな。あれはたしかオリンピックのころにできたから、何年になりますかね、まだ何年もたってないと思うんですけれども、これが、東京都で大部分は担当はしておるのですけれども、基準は建設省にあるということであり壊して、環状七号等の基準というのは一体何に基づくのかということをとりあえずあげておいていただきたい。
  24. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 道路を設計いたします場合の基準、これは道路の中に含まれます橋梁も同じでございますが、実はこれにつきましては三十七年三月に道路局長名で道路技術基準というものをつくりまして、これによってやらしておる次第でございます。これが三十九年の十一月に一部改正しておりますが、逐次その後の状況を見ますと、交通の量及び質がきわめて大きくなってまいりました。橋梁一つとってみますと、この基準では大体軸重十六トンで設計をするようにしてわります。車両制限令では軸重十トンということで規制しておりますが、現在の車両には軸重十トン以上のものが相当出ておるというようなことと、また交通量が非常に激しくなりまして、環状七号線をとつてみますと、一日の交通量がほぼ五万から七万台ということになり、その結果、おもに橋梁のけたの部分はいいんですが、けたの上にあります床板、コンクリートのスラブでございますが、この辺の破損が非常に出てまいりました。これは全国的な橋梁の問題といたしまして、私たち四十二年の九月に橋梁の床板の設計についてはさらに強化するように通達を出しました。四十三年の三月にさらに床板の厚さをふやすようにしております。この基準の改正につきましては、いま蚕で床板は鉄筋コンクリートでできておりますが、その鉄筋の量が少ないということでございますので量をふやすというような改正をしております。その結果、この新しい基準で新設された橋梁については異常ないのでございますが、その前の――環状七号線の橋梁はそうでございます。その前の基準でできたものに非常に床板の破損が目立っておるというようなことで、これをよく調査させまして、至急補強する考えでございます。
  25. 大出俊

    大出委員 この建設省道路構造令ですか、というのがありますね。これに基づく鋼道路橋設計仕様書というのがありますが、これはいつごろできたんですか。
  26. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 これはちょっといつごろと――橋梁につきましては、私たち、二十年前からございまして、逐次それが新しい技術によって改正されておりますが、現在の最新の鋼道路橋の設計の基準については、ちょっといまはっきりした資料を持ち合わせておりません。
  27. 大出俊

    大出委員 いまあなたがおっしゃったのに、十六トンという話をされましたが、この仕様書によると荷重量二十トンになっておりますね。そうするとあなたの言う十六トンというのは、いつごろきめたのかということになるのですが、これは二十トンでなければならぬものを十六トンでこしらえてあるんだとすれば、これはぶっこわれるのはあたりまえのことで、そういういいかげんなことでは困る。大臣のおっしゃった人命にかかわりますよ、ひとつ間違うと。橋との接着点なんか網を張って、ぼろぼろおっこっておるでしょう。あなたは見たことはないでしょう。通る人がみなそう言うんですよ、あぶなくてしようがないとね。そういう食い違いは困ります。その後何か改正したようなことをおっしゃっておるけれども、やはりそういう点は明確にしておいていただきませんと困る。これは相当な金をかけてやる必要があるのですが、そこはどうなんですか。
  28. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 ただいまの二十トンということでございますか、実は私どもの現在やっております橋梁につきましては、車両の総重量二十トンということで設計しておる次第でございまして、その中でやはり後軸に約八割荷重がかかるだろうということで、橋梁の設計の際は後軸の最大軸重量といたしまして十六トンということでやっておる次第でございます。現状はいま先生のおっしゃいましたように、非常に床板のかかりが激しいということでございます。私たちも非常にこれを気にいたしまして、その後いろいろ改正をしております。床板の強化をはかるために四十二年にこういう強化の通達を出した次第でございます。
  29. 大出俊

    大出委員 そうすると、いずれにしても四十二年以前は、この道路構造令に基づく鋼道路橋設計仕様書なるものは二十トンで、八割をかけて十六トン、橋脚にかかる重量がですね。ということだったですな。そうすると現在はどうなっておりますか。
  30. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 現在もこの荷重については、そのままとっております。ただ先ほど言いましたように、荷重を主げたに分布いたしますコンクリートの床板の部分、これに非常に弱いところがあるんじゃないかということで、これの強化をはかるために鉄筋量をふやすということと、床板の支間の非常に長い床板につきましては厚さを増すということに、四十二年から指導しておる次第でございます。
  31. 大出俊

    大出委員 その場合、この道路のコンクリートが十六センチ以上という基準がありますね。そうですな。違いますか。
  32. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 これは鋼道路橋仕様書では最底は十四センチでございますが、一等橋につきましては十六センチ、かなり単純な鉄筋コンクリートの場合は十八センチというような数字をとっております。
  33. 大出俊

    大出委員 環七の場合は、これはどういうことになっておるのですか。
  34. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 ちょっと環七の場合の実際資料を持ち合わせておりませんが、至急調べまして御報告いたします。
  35. 大出俊

    大出委員 十六センチ以上になっておるのが、環七の場合には予算の関係で十六センチぎりぎりなんですね。これはたとえば舗装なんかの場合でも、コア抜いて調へますね、あの厚さが――まあ、いつか私がここで河野さんが建設大臣のときに詳細に質問をして、どうもいささかこれはおかしいんじゃないか、一ぺんしか検査をしていない、でき上がっちゃってから。そうしますと、どうもそこらあたりが抜いて調べてみたら、つまり厚みがあるところだけ抜いて調べるということをやるのですから、それは中にはないのがある。しろうとにはこれはわかりませんからね。「建設月報」を見ると、検査など民間人でやっていますが、わかりはしません。私も当時専門屋を使って調べてみて大騒ぎになった。その当時私調べた経験もあるのだけれども、十六センチぎりぎりでつくっているとすれば、全体的にいえば間違いなく十六センチないのもある。そうなるとどうしてもそういうところにしわが寄る。あたりまえですよ、これは。せっかくこしらえてオリンピックに間に合わせてつくったのはいいけれども、あの当時もあちこち幾つも問題が起こったのだけれども、いまこんなことはここでは言いませんけれども、またつくりかえなければいかぬということになったのでは、やっぱり建設省なるもの、相当人の命にかかわりますから、長期計画と将来のピジョンをお持ちいただいて、かけるところには予算をかけていただかないと困る。早い話が横浜――羽田線なんかながめてみるとそうなんですけれども、あれは二車線でしょう。高速道路というので金を三百円ずつ二回取られる、六百円で横浜から東京まで来る。神奈川県知事が、いいものができて一時間足らずで来てしまいましたと言っていたが、高速だ、高速だといって乗ってみたところが、高速ではない、おそ速ですよ。ちっとも進まない。事故でも起こしたのかと思えばそうでもない。六郷を越えて左から乗ってくる車、進入路だけを認めているが、二車線だからそこから大型車がどんどん入ってくるんです。ミキサー車や何だかんだ入ってきて走れやしない。だから、あそこは金を六百円取るのだけれども、めったに高速で走ったことはない。何べんか通ってみるけれども、至るところそういうことばかりです。今度の環七の理屈からいえば、当時予測したものよりも三十トン以上の大型車がどんどん通る。全く予測はずれであったということで、こういう結果が出たということをおたくのほうの担当者は言っているわけです。常に予測はずればかりやっていたのではそのたびにたいへんな金がかかる。しかも一つ間違ったら人命に危険を生ずる、こういうことになると思う。これは大臣、早い話が池田さんが総理におなりになった三十六年ですね、このときに自動車年産百万台計画というものをお立てになった。これは自民党の皆さんもお立てになった、これは悪いわけじゃない、皆さんの流儀でいえば。アメリカの自動車の五大メーカーが一番景気のよかった時代がアメリカ資本主義の最盛期なんですから、そのあと考えていこうというのだから間違いじゃない。しかし、そのときに道路というものはどうあるべきかということがなければいかぬ。たいへんおくれている。河野さんが建設大臣をお始めになったときに、道路計画二十年というものをやって五カ年計画ずつ刻んでいった。ところが予算を見ると、前に建設省設置法のときにも三十八年か九年ごろ詳しく申し上げたことがありますけれども、最初の五カ年計画、半分も予算を使わないですね、立ちおくれているわけですから。だからそういう意味で非常に今日の交通麻痺が起こっているわけで、いま幾らあわててみたっていささか手おくれになっているのはそこに原因があある。  そうすると、いまの話に戻りますけれども、こういう全くぶっつけ仕事、無責任な仕事といいますか、計画といいますか、これは一体どこに責任があるか、大臣どうですか。
  36. 坪川信三

    坪川国務大臣 大出委員指摘になりました問題非常に重要な問題だと思います。御指摘のごとく、大体予想いたしますと、昭和六十年度の時点におきましては国内の自動車の数が約二千五百万台と想像されるほど伸びる状況であることを考えますと、これらの点も十分考えまして、ことに重要な国道、幹線道路、高速道路、その他の問題につきましては、その路線の決定あるいは工法あるいは線形その他あらゆる点につきまして、これらの上に立って緻密な、しかも高度な立場でこれらの点に取り組まなければならぬ、私はこう考えておりますので、もちろん建設省の責任であり、建設省がこうした立場に立って道路公団その他に対する指導をいたしてまいりたい、こういうように考えておるような次第でございます。御指摘になりました点は非常に重要な問題でありますので、われわれといたしましても、十分それらの点をそんたくいたしながら推し進めてまいりたい、こう考えております。
  37. 大出俊

    大出委員 これは思い切って基準は変えて、英国あたりの例にしてもそうですが、やはりほんとうに金をかけたものをつくっておけば、こういうふうにやたら継ぎはぎをやらないで済むわけだから、そういう長期計画を立てる。建設省の皆さんは、たしか四十一年だと思いましたけれども、二十年後のビジョンをお立てになったことがある。私はこれも二、三回引き合いに出して質問したことがありますが、家族五人おれば一人一部屋ずつになるとか、一軒の家に一台は必ず自動車があって、田園都市線を走る、環状線を走る、緑が一ぱいできてえらいことになる。二十年後というのは大臣はいない時代かもしれないが、私のほうは若いですから二十年後といえばまだ見られる。片やそういうものをおつくりになっておって、片や、やたらそこら突つかれて新聞や週刊誌の紙面をにぎわすということになっておる。できたばかりの高速道路がぽっかり穴があいた、車の足がひっかかって落ちないでよかったと書いてある、最近ですね。話にならない。問題はやはり制度ですね。さっきの構造を例にしても、ぴしっとしたものをしていただかないと、やはり十六センチ以上なんというと十六センチぎりぎりで、十五センチ八ミリくらいでもしようがないということになってしまう。前にさんざんこういう論議をしたことがありますが、繰り返しませんけれども、そこらはひとつ制度的に手直しをしていただく。いかがですか、その点は。
  38. 坪川信三

    坪川国務大臣 御指摘になりました二十一世紀に残す、また長期展望に立っての国土開発道路建設というビジョンは非常に大きな立場からも大事でありますとともに、そのビジョンを打ち立てる場合における細部の配慮もしなければならぬ。これはやはり制度上の問題に関連してまいりますので、これらの点については、十分制度上の問題についても改正すべき点は改正するという方向で道路行政を進めてまいりたい、こういう決意でおります。
  39. 佐藤文生

    ○佐藤(文)委員 関連。霞ヶ関の入口から羽田に行く高速道路がありますけれども、いつもそれを使って私三回飛行機におくれた経験があるのです。タクシーに乗りまして、順調に行けば大体二十分か三十分で行けますね。ところがえらいたくさん自動車が並んでおるので、一体どういうわけだ、事故か何か起こったかと思ったらそうではなくて、途中からおり口がありますが、そこが急に狭くなっておるので、そこでつかえてしまって全部並んでおるという。この事実を見たときに、一体この設計をしたのはだれの責任なのか。これは工事が悪いとかあるいはいろいろな理由というのではなくて、都市計画の中の一環としての設計の完全なミスですね。これは大臣、何局のどこがこれをやって、だれの責任なんですか。
  40. 坪川信三

    坪川国務大臣 佐藤委員の御指摘になりましたいわゆる羽田に通ずるところの自動車高速道路のそうした溢路、私自身も経験しておりますが、これらの点を考えますと、単なる道路問題だけでなくて、これに関連する土地の問題もございますし、あるいは住宅の問題もございますし、あらゆる点を総合的に考えていかなければならぬということを考えますときに、新都市計画法の適切な運用あるいは御審議を願わなければならぬ都市再開発などの問題、これらを踏まえまして道路行政をやっていかなければならぬ、こういうようなことを考えます。しかし、われわれとしては、そうした芳しい条件の中にあって、やはり高度な立場のビジョンの中において道路の路線幅、あるいは歩道、あるいは側道あるいはインターチェンジあるいは電話、あるいは信号、すべての点もこまかに配慮していかなければならぬと思っております。御承知のように、日本にいま五道を含めまして、自動車高速道路、幹線道路を入れますと三十二本ございます。その延長を見ますと、約七千八百キロあるというようなことを考えますと、これらの仕事の推進においては、そうした立場から私は進めてまいりたい。責任は当然建設省でございますから、われわれ担当者はそうしたことを踏まえまして、ひとつりっぱな二十一世紀に残す道路建設にあたってまいりたい、こう考えておる次第でございます。
  41. 佐藤文生

    ○佐藤(文)委員 次官にお聞きしますが、いまのような具体的な例ですね。タクシーの運転手が率直に私に聞いた。「こういうことになったのはこれは建設省のミスでしょう」「それはそうだろう」「今後どうするんですか」こう聞かれたときに、この道路と同じようなケースでつくる場合に、こういうぐあいにしますと私返答したいのですよ。ですから、建設省としては、設計者はここでやって、都市計画の場合のどういう人と相談して、どういうところとどういうところであって、将来そういうことのないようにしたいという庶民のすなおな質問に対して答えたいわけです。どう答えたらいいかお教え願いたいと思います。
  42. 坪川信三

    坪川国務大臣 庶民のそうした不平あるいは願い、これらの問題に対しましては、われわれどう答えたらいいか。いわゆる庶民の悲願と願いというような問題のいわゆる個々的な具体的な問題もございましょうから、われわれといたしましては、たとえばこの間の雪が降った場合に、すべてがとまる、そして塩をまかなければ凍って通れないというような状況を考えたときに、先進国等のこの融雪に対する問題がどうあるかというようなことなども含めまして、私は時代の流れに即応した点から考えて、総合的に打ち立てていく、これが建設省の大きな道路行政仕事であります。それで個々の問題で不平不満が出される。それに対する総合的な立場で返事する、その返事の内容と申しますならば、やはりわれわれ政治が責任持ってこれを解決するというだけの使命感を私たちは持って庶民の不平にこたえる立場で、使命感と責任感を持ってやります、やるべきしである、こういうふうな態度で庶民の願いにこたえなければならぬ、こう私は考えておる次第でございます。
  43. 佐藤文生

    ○佐藤(文)委員 私は具体的に、羽田までいくその路線のそういったような設計のミスというか見通しが悪かったわけですね。悪かったのを早急に手直しする必要があると思います。手直しをする場合に、これは道路局長にお伺いしますけれども、一応あの出口の狭いのを手直しをせざるを得ぬと私は思うのですね。そうすると、その手直しする場合は本線と同じぐらいの広さにすればいいということになるのか、あるいは、それ以上に大きくなければあそこの詰まりが直らないのか、いろいろあると思いますね。その場合に自動車の将来の台数の見通しとか通行する台数の増加率とかいろいろあると思うのですが、具体的にこういうところとこういうところと、こういうところを考えて、あそこの幅をきめるんだという具体的主点を私は参考のためにお伺いしたいと思います。  それから、建設大臣昭和六十年には自動車の数が二千五百万台ぐらいに在る、こう言われたんですが私の記憶では、昭和六十年には四千万台ぐらいになるんだということを経済企画庁あたりで聞いておるのです。そこで千五百万台も違うんですが、これは私は間違っているかもしれません。しかし昭和六十年には四千万台となって、トラックだけでも千七百万台になるんだ(大出委員「両方とも間違っておる」と呼ぶ)そこで、間違っておるならひとつ社会党さんから修正してもらってもいいんですが、どうも、そこら辺が私も聞いておってはっきりしないので、将来の道路計画も非常に心配表面があります。第一は道路局長に具体的に一そういう場合に将来の自動車の増加率なり都市計画在りいろいろなものを考えて、重要幹線をつくるわけですから、どういうポイントで考えて、こういうミスが将来ないようにしたいということがあればお聞かせ願っておけば、タクシーの運転手に、そういう場合において自動車の中で私は説明できるわけです。それをしないところにいまの政治の悪いところがあるのですね。非常に不満が出る。ですから、将来はないようにしてあげましょうというようなぼやっとした答えだけでは、タクシーの運転手は納得しないと思うのですが、その点について伺いたいことと、自動車の台数について……。
  44. 坪川信三

    坪川国務大臣 先ほど申し上げましたのは、私間違いまして、大体予想されますのは、三千五百万台ぐらいでございます。間違いました。
  45. 佐藤文生

    ○佐藤(文)委員 四千万台でしょう、(大出委員「三千五百万台をこえると書いてある。」と呼ぶ)私は四千万台だと聞いておるのですが……。
  46. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 先ほどの首都高速道路につきましてのランプの問題かと思いますが、実はいま設計しておりますのが本線につきましては、上下線両方二車線ずつとっております。ランプにつきましてはそのまま二車線とることをしておりませんで、大体五メートルぐらいのランプで一車がおりられるようにしてあります。これもおりる車が多いところは二車線にする必要があると思います。問題は、いま言われておりますのは、ランプからおりて一般道路に出るところで非常に渋帯しやすくなっております。といいますのは、やはり一般道路がずっと四車線できておりますところに、そこに新たにランプから相当多くの車が入りますと、その間は下の道路のキャパシティーをふやさなければ、何ともさばき切れないということもございまして、そういうものとあわせてランプの幅をもきめていきたいと思います。ただ、いまのお話を考えてみますと、本線からランプに出るところ、ランプから一般道路に出るところ、この辺が非常に出やすいような設計をするということが大事じゃないかと思います。いまの五メートルぐらいのランプですから、その中で車が事故を起こして、たとえば横になったりしますと、あとからもう車が出られなくなってしまうということもございまして、そういう滑るための滑りどめをするとか、本線からランプに出るところにスムーズに出られるようなことをするとか、ランプから一般道路に出るところのカーブをよくするとか、そういうような局部的な改造については必要なところはあるかと思います。そういうことで改造すべきものはよく調査してやってまいることにいたします。  それから、都市高速も相当車が乗ると思いますが、やはりいまのランプの数が全体からいって少ないのでございますが、ああいう形で一般道路に出す場合、一般道路の受け入れが非常に困難ではないかということで、現在のところは首都高速も乗るときにオンランプで金を取っておりますが、今度はなるべく金を取らない、オフランプのほうを数をつくって、中に渋帯があった場合に、すぐ外に出られるというようなことも必要じゃないかということで、いま検討さしておる次第であります。
  47. 大出俊

    大出委員 私、口を切ったもんですから、念のために大臣に。おつくりになったプランを時過ぎるとじきに皆さんはお忘れになるくせがありますから……。ここにありますが、まず正式名称が書いてありまして、国土建設長期構想というのですが、二十年後はどう変わるかという建設省国土建設長期構想というのは、中身はなかなかいいですよ。これを読んでみて、これまで生きていなくちゃいかぬと思うのですね。この中では、二十年後には人口のほうが一億一千六百万になるという予想なんです。そうしてこれはちょっとおかしいと思うのですが、二割ぐらいしか人口がふえない、これから皆さんがそうなるように政策的にするのかもしらぬが。それから工業生産、これが現在の六倍になるということになっておる。国民所得のほうが四倍にふえる。そうして自動車が一世帯に一台は必ず置いてあって、それに予備ができる。全国で三千五百万台をこえる、こう書いてあるのですね。車が持てるような家をどこにもつくってくれることになっているのですよ。とてもじゃないが車の置くところがないですが、これを見ますとそういうことになるというのです。そうして商業地区には高層建築がどんどん並ぶ。大団地が至るところにできて、住宅なんというものは一人一室のほかに、家族にもう一つ部屋ができる。この時代になるとそういう住宅でなければ住み手がなく在るだろうということが書いてある。これは二十年後の話なんですが、たいへんなことになる。雄大な構想なんですよ。これはぜひ、そのくらいの気宇広大な計画をこの種のものについては持たなければ、いまここに問題になるようなことができ上がることになる、逆に言うと。  そこで私は、時間をかけたくないので、いまの問題はやめますけれども、どうもいまは佐藤さんおっしゃるようなことになっておって、しかも六百円も平気で取るという神経が私はわからぬです。一時間も立ち往生して、いま急行列車だって――荒舩さん、いらっしゃらないけれども、急行列車だって、おくれればこれは払い戻すわけですよ。高速と銘打って三百円から六百円も取っている。横浜から東京へ来れば、往復千二百円ですからね。それをじりじりしながら、いまおっしゃるようにオフランプにしなければならぬ、確かにそうですよ、乗っかっちゃったら出られないのだから。高速に関する限りは、高速がおそ速になったからといっても飛びおりるわけにいかない。これだけはじりじりしたって何したって、絶対に抜け出しようがないのだから。この間ぼくは四十分ぐらいかかった。それで高速と銘打って金は取る、その神経がわからぬ。しかも大臣、あなたじゃないですけれども、保利さんの時代かもしれませんが、諮問しているんですよ。高速道路の料金の問題について答申が出ているんですよ。この答申の中にもそういう点についてはまるきり触れていない。どういう取り方が正しいなんでいって書いていますけれども、そうじゃなくて、いろいろずらっと並んでいる諸君は、こんなことじゃ金を返せなんでみんな言っている世の中なんです。そこらのところはどうなんですか。やらずぶったくりなんですか。どうですか、大臣
  48. 坪川信三

    坪川国務大臣 大出先生指摘になりました点、なかなか、いろいろと細部にわたって検討いたしますと、非常に困難な問題もあると私は考えております。しかし、政治というものはやはり大きな構想と大きな夢を持たなければなりません。御承知のとおりに二十一世紀に残すところの国土開発という問題については、大きなビジョンと構想のもとに立って打ち立ててまいりたい。御承知のとおりに、府県道と市町村道を入れますと、わが国のこの国土の中に約四十万キロメートルあるというようなことを考えますと、この道をそれじゃどう整備、拡幅ていかなければならぬかというような問題もあり、あるいは三十二本を中心とした高速自動車道路の建設をどうしていかねばならぬというようなことを考えますと、建設省といたしましては、時間と競争しながらこれらの問題を大きなビジョンと構想のもとにおいて打ち立てていくということは、幹線道路から、市町村道路、奥地産業開発道路までを含めまして配慮せなければならぬ、こういうような考えを持っておるようなわけでありますとともに、いまの料金の問題につきましては、それぞれの審議会に適正に御審議願って、そしてそれの答申を尊重いたしながら料金制度の適正化をはかってまいりますけれども、それの事業量の進捗等にもかんがみまして、また使用者あるいはそれらの利用の伸び率などを考えまして、適時それに即応した料金の改正もやはりいたさなければならぬ。いまの一律にこれなどを当てはめていくというような考えではなくして、絶えず一つの伸縮性といいますか、余裕を持ちながらそれに即応した適切な料金制度を確立してまいりたい、こういうふうな所存で、それぞれ私は行政指導も配慮もいたしてまいりたい、こう考えておる次第であります。
  49. 大出俊

    大出委員 大臣がちょっと用事があるようですから、その間お抜けいただいてけっこうです。ただ、いまの点は明らかに不合理ですからね。これは公的機関がやることで、間違いなく高速道路と書いてある。そこで、高速のつもりで人っていったら、いつになっても着かないということになっておるのに、高速料金を取って、取りっぱなしという手はないですよ、どこから考えても。だから、そういうときにはやはり払い戻しの切符ぐらいは配ってやるぐらいのことをしなければ不合理ですよ。入り口に入っちゃったら出ようがないのだから、そこで金を払っちゃうのだから。そうでしょう。やはりその辺のところは配慮していただかなければならぬ。みんなよく黙っていると私は思うんですよ。それはたいへんな不合理だと思います。どうも審議会の中でも検討した様子がない。建設省の月報に載ってますよ、この審議会の方々の答申の中身が。大臣はああいうことを言うけれども、全然触れてないですよ。だからほんとうにそういうことまで検討したのだとすれば、親切気があるということなら、大臣の言ったのはほんとうですか。
  50. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 実は道路審議会に料金部会を設けていただきまして、いろいろ有料道路の料金のあり方について諮問しておりまして、ただいま正式に出ておりますのは、高速道路についての有料料金の中間報告という形になっております。現存は首都高速とか阪神高速とかの都市高速についていろいろ審議を願っておる次第でございます。ただいま先生のおっしゃいました、入ってみたら高速じゃなくて低速だというようなことは私も各方面から聞いておりまして、こういうことではいけないというふうに考えております。じゃその対応策をどうするかということになりますと、払い戻しということはこれも検討しますけれども……(大出委員「したんですか」と呼ぶ)事務当局ではしてはおりますけれども、これがどのくらいおくれたか各車両についてつかめないということ等もございます。私たちはやはりそういう払い戻しということは――まずいまの状態では高速に乗ってもすぐに行けないというような標示を早く出すべきだということで、オンランプの大きなところではみんなそういうように、いま銀座のほうは渋滞中とかいうふうに早く知らせて、それでいま乗ってもなかなか行けないということを事前に知らせることがまず第一だというように考えまして、現在首都高速ではオンランプのところにそういう標示板を設けまして、首都高速全体の交通の状況を知らせるというような方策をいまとらしておる次第でございまして、先生のおっしゃった御趣旨、不合理な点もよくわかりますので、それに対する対応策は、やはりそういうような情報を早く知らせるということから始めてまいりたいというふうに考えております。
  51. 大出俊

    大出委員 蓑輪さん、大臣に言うておいてください、うそを言っちゃいけませんよ、それぞれの審議会で審議をしてもらっているというようなことをいま言ったけれども。蓑輪さんもいまだいぶ苦しいところで、私がここでやじを入れたら、当局としてはというふうにあなたは言い直されて、建設省としてお考えだということであって、審議会は検討しているのじゃないのです。私はこれに長い時間をかけるつもりはなかったんだけれども、これはやはり関心のあることだからいろいろ関連質問も出るわけです。こういうことは大きな政治の面から見れば非常に小さく見えるけれども、実はやらなければならぬことですよ。そこまで気を使ってやって、さきに坪川大臣も、地建局長さんの会議で非常に国民に親切な建設行政をやるんだということを強調されておりますが、つまり親切な行政というのはそれなんです、言うならば。だからこういうところに載せるなら、わがほうでいろいろ考えたが、こういう矛盾があるけれども、なかなか時間その他適切につかめない、だからこういうふうな標示のしかたをしているのだというようなことをせめて載せておいてくれれば、それなりに私は納得のしようもある、そうでしょう。だから二車線あるんだけれども一車線に事故が起こったら完全にこれは動かない。そうすると、わからぬとおっしゃるけれども、事故が起こったらすぐわかるのです。上で起こったら連絡のとりようがない、こっちから車を派遣して知らせることもできない。だから起こった時点がわからぬから入ってきたらみなつかえる。そうでしょう。やりようがないかもしれぬけれども、不合理なんです。不合理なんですから、その点はひとつ大臣ていさいのいいこと言わないで、はからないなら一ぺんはかってもらうようなことを審議会にしなければいかぬと私は思うのです。それだけ私は申し上げておきます。
  52. 佐藤文生

    ○佐藤(文)委員 関連。私は自動車の台数というのが将来の道路計画に非常に影響があると思うので、これはこだわるようでございますけれども、昨年の五月十七日、大出委員が発言した内容の中で、二十年後の昭和六十年には三千五百万台をこえる、大臣も三千五百万台をこえるということに同調されましたが、昨年の暮れからことしの初めにかけて経済企画庁が新全国総合開発計画を立てた、その中に昭和六十年には私の記憶では四千万台をこえる、こういうぐあいに経済企画庁からの話では聞いているように私は記憶し、それを大衆に訴えております。実は五百万台違うわけですね。そこで道路局長は社会党の大出さんの言った三千五百万台をこえるその程度が妥当であるということが間違いないのかどうか、ひとつ再確認したいのですが、どうですか。
  53. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 実は昭和六十年の時点の自動車保有台数につきましては、いろいろ国民所得の増、これが自動車の保有台数にどう影響するか、こういうような過去のデータ及び西欧その他のデータをとりまして四十一年度計算したのが三千五百万台という数字でございます。その後いろいろ経済企画庁、また自動車工業会その他が独自で計算いたしております。そういうものを見ますと、どうも建設省の三千五百万台というのは、昭和六十年の自動車保有台数にしては、いろいろな計算の中で最小の値ではないかと思います。ほかのところで出しておるのはどうもそれより百万台、二百万台、いま企画庁の数字ははっきり覚えておりませんが、多少ふえておるような傾向のあることは事実だと思います。まあこれは将来の国民所得の伸びでどのくらいの乗用車がふえるかということは、一応過去のデータから計算できますけれども、やはりそのときの道路状況がはたして車を持つにふさわしい状況かどうか、これの判定が非常に将来の自動車の台数に響くんじゃないかということがございまして、建設省の三千五百万台というのは昭和六十年に最小そのくらいになるという数字に私どもも考えておる次第でございます。
  54. 大出俊

    大出委員 これは私の議事録にありますのは、建設省国土建設長期構想の中に書いてあるのを読み上げて質問したのですよ。ですから、建設省国土建設長期構想には三千五百万台をこえるであろうと書いてあるんですね。だからその基礎については、これは先のことですから、まあ政府の機関の中で、いま佐藤さんおっしゃるようにこっちの省はこうだ、こっちの省はこうだと、ばらばらに出てくることは感心しないから、ここのところはお調べいただいて、あまり同じ政府機関の中で、こっちは三千五百万台ぐらいだろう、こっちは四千万だというようなことは困るから、そこらは調整しておいてください。
  55. 坪川信三

    坪川国務大臣 いまの問題、非常に大事な問題でございます。したがいましてわれわれといたしましては、いわゆる近き将来、もう間もなく私は、いわゆる経企庁を中心とした総合開発計画が出てまいると思います。その時点に立って、いま御指摘になりました問題点などは十分ひとつ各省と協議して最終的な方向を裏づけしてまいりたい、こう考えております。政府の方針だけ申し上げておきます。
  56. 佐藤文生

    ○佐藤(文)委員 大臣、執拗でございますけれども、私が非常にその点心配なのは、経済企画庁の一番新しい新全国国土総合開発計画内容は、国民生産の伸びが昭和四十年から四十五年までは八・五、四十五年から五十年は八、五十年から六十年には七%伸びていくんだ。そういう、道路計画は別にして、このエネルギーというものは私は伸びていくと思うのですよ。これは正しいと思うのです。それから計算しますと、私は自動車の数というものは四千万台に近づく、あるいはこすかもしれないということは正しいと思うのです。それが昨年のままの三千五百万台くらいのことでいいという考え方を持っておられるとするなら、私はよほどここに道路計画は再検討すべきじゃないかと思うのです。したがって、四千万台に近づくようなそういう数を処理できるような道路計画を私はもう積極的に早急に経済企画庁がすべての省に当たって一致したもの、自動車の台数の伸び率の見通しを立てていただいてやっていただくことをお願いしたいと思います。
  57. 坪川信三

    坪川国務大臣 御承知のとおりに、第四次試案の内容等を読みますにつけましても、非常に重要な問題がそれぞれ指摘され、また中間的な報告が出ておることも、私いささか勉強もいたして、そういうような感を深くするようなわけでございますので、いま御指摘になった両委員問題等につきましては、先ほど大出委員にお答えいたしました方針でひとつ私は政府の立場から、最終的結論を総合的に、納得のある正しい適正な結論を出すほうに協力いたしてまいりたい、こう考えております。
  58. 大出俊

    大出委員 大臣、いまいないときに申し上げておいたのですけれども、先ほど高速道路でおくれた場合に料金をどうするのだといったら、あなたはおのおの審議会で審議してもらっているという意味のことをおっしゃったのですが、私も建設省の月報なんかよく見るほうです。ところがここに審議会の中間答申があるのだけれども全然触れていない。そこでいま蓑輪さんに、大臣ああ言ったけれどもほんとうか、うそじゃないかと言ったところが、蓑輪さんだいぶ苦しい答弁で、当省としては検討している、審議会にははかってないと言うのです。これは大臣、やはりあまりうそはおっしゃらぬようにひとつ願いたい。  ところで、やはり矛盾は矛盾ですから、標示を早くやる、それも必要でしょうが、やはり大臣は訓示で国民に親切な建設行政をやれとしきりに言っておられる。   〔委員長退席、塚田委員長代理着席〕 私はしばらくぶりで大臣とこのやりとりをするのだけれども、性格を承知しておりますからほんとうにそう言っておられると思うのですけれども、その親切というのは、つまりそういうところまできめこまかく行政というものは国民一般に伸びていくというぐあいにしなければいかぬわけですから、そこらのところは、月報なら月報に、蓑輪さんが言っておるようなことであるとするならば、率直にそういうようにつかみにくいのだ、だから今度つくるときにはおりられるようなところもつくらなければいかぬとか、早く標示して高速が高速でなくなっているんだということを知ってもらってむだがないようにしなければならぬ。とりあえずそういう方向にいくならいくというところまでやはり知らせておいていただかないと、せっかく読んでみてそうなっていないので、そこらを気をつけていただきたいと思うのです。えらい長い時間をとりまして恐縮でした。  ところでもう一つ、あわせて承っておきたいのですけれども、この河川のうち特に都市河川の問題につきまして、私は足かけ四年目くらいなんですが毎年都市河川問題を取り上げてまいりました。したがって、年々予算を見ておりましたり施工状況などもおりに触れて調べておりますが、だいぶ建設省は一生懸命おやりになって変わってはきております。その点は認めるわけです。しかし先ほどの長期構想の中にも河川問題はあまり触れて雇いのです。どうも大臣の話している訓示なんか見ましても、治水関係というのは一番最後にちょこっとものを言っているか言ってないくらいしかない、三カ所くらい訓示が載っておりますが。何か知らぬが、どうも都市問題といわれる道路とか交通とかという方面に重点がいっておる、何となくそういう感じがする。中小河川の改修費は、ことしあたりはだいぶふやしてきているように思いますけれども、ここいらあたりのところが方々で話しておる中にあまり出てきませんので、こういう席ですから、大臣考え方を少し伺っておかぬと困るので承っておきたい。
  59. 坪川信三

    坪川国務大臣 非常に建設行政理解と、また識見を持っていただいておる大出委員河川の問題の御指摘でございます。  御承知のとおりに、この狭い国土の中において、この間政令で追加いたしました一級河川が約九十八本ほどございます。とともに中小河川、小規模河川等を含めますと、大出委員承知のとおりに一万一千本前後の川を持っておる。その中にあって、私はやはり御指摘になった中小河川の中におけるところのこの都市河川という問題については、非常に重要な問題があると思います。もう私が申し上げるまでもなく、いわゆる公害の問題から、あるいは生活環境、住宅環境あるいは洪水災害すべてを含めまして、都市の生活の面においては都市河川の持つ問題点が多くあることを私も知っておるようなわけでございますとともに、その緊急性ということも私は非常に重要視いたしておりまして、四十四年度の御審議を願いつつある予算等につきましても、私はかなり中小河川に対する配慮はいたしたつもりでございます。したがいまして、これらの点に対しましての方向は、いま御指摘になりましたことを中心に置いて、ひとつ中小河川いわゆる都市河川の対策は大きな問題として進めてまいりたい。具体的主点につきましてはまた河川局長から御報告させていただきたいと思いますが、その方針であることを御理解願いたいと思います。
  60. 大出俊

    大出委員 これに治水事業五カ年計画の進捗率が載っておりますが、四十四年末で二七・九%になる予定となっている。これは治水関係の事業費が一千六百七億六千八百万円ほど計上されておりまして、この中で、一級河川の追加もありますけれども、都市河川環境整備費二十七億八千万円、これは昨年対比でどのくらいふえたんですか。
  61. 坂野重信

    ○坂野政府委員 都市河川の環境整備費は四十四年度で、直轄関係で十九億、それから補助関係で八億でございまして、全体で二十七億ばかり四十四年度で見ております。
  62. 大出俊

    大出委員 二十七億八千万ですね。――聞いておられなかったようですからそれでいいです。前年対比でどのくらいふえたのかということを聞いたのです。四十四年度は二十七億八千万円、そうでしょう、この都市河川環境整備費、ここにおたくのやつに書いてあるから間違いないです。これはいいです。  この中で一つだけ具体的な例をあげて聞いておきたいんですが、神奈川県の鶴見川水系ですね。あれは御存じのように、都市河川どこでもそういう傾向を持っておるようですけれども、たいへんな宅造、ニュータウン建設なんというような形がどんどんできる、そうするとやっぱり水量をどのくらいに見てどういう計算をするかという点が、その周辺に――環境整備とここに書いてありますが、土地買収その他を含めて、拡幅をするとかいうことを含めて、よほど移り変わりに合わせた計画を立てていっていただかぬと、秋口からの水害ということになるとえらいことが起こるということなんですが、鶴見川水系なんかもおそらく鶴見駅のところで曲がっているところを直して、鉄橋をかけかえて流れをよくしてというようなことをお考えのようですけれども、たとえば、鶴見川水系で例をとれば、いま日本一人口がふえてくる港北を控えているわけですから、したがって、その辺のところはどういうふうに今年度お考えかという点ですね、聞いておきたい。
  63. 坂野重信

    ○坂野政府委員 先生指摘のように、鶴見川の流域というのは非常に宅地化が進んでまいりまして、流量も当初見ておりましたよりどんどんふえてまいりました。現在私どもの推定でいきますと、どうも毎秒二千トン近い流量の処分をしなければならぬということでございます。したがいまして、さっき大臣もおっしゃいましたように、都市河川は全国で平均は二五%増ということを考えております。この一環として鶴見川水系、特に早渕川その他の水系につきましては重点的に事業を進めたいということで、まあ大体私どもの考え方では、それぞれ倍近く程度の予算の伸びを、特にこの鶴見川水系の中小河川については考えてまいりたいということを考えております。
  64. 大出俊

    大出委員 この鶴見川水系というふうに考えた場合に、大体昨年対比でどのくらい予算的にはふえているんですか。
  65. 坂野重信

    ○坂野政府委員 先ほど申し上げましたように、特に中小河川の都市河川分について重点を置いておりますので、私どもの考え方としては、まだ大臣の御決裁をいただいておりませんが、少なくとも倍ぐらいのところまでは持っていきたいというぐあいに考えております。
  66. 大出俊

    大出委員 もっとも四十四年度予算ということになりますとまだ参議院にありますから、内訳までということは無理だと思いますので遠慮いたしますが、やはり相当なことをお考えいただかなければならぬという意味で申し上げるのですが、横浜市というのは三十八年から今日までの間に百六十万が二百万をこえましたからね、四十何万ふえちゃったわけです。たいへんなこれは人口急増です。特にその中心がこの鶴見川水系にある。そこで、いまお話に出たから申し上げますが、中心早渕川に重点を置くという話が出てまいりましたが、この早渕川というのは、港北ニュータウンというところから水を集めて鶴見川に入ってくるという水系なんですね。これは最近私はこまかく調べてみたんですけれども、この港北ニュータウン計画は二千五百ヘクタールという土地開発をやるというので進んでいるわけですね。これは、一ヘクタールは一町歩で、三千坪ですから、たいへんなことになる。公団がやるところだけで千三百八十ヘクタールある。それで政治的に買収の話がほぼついてきておるわけですから、どんどん始まる。そして昭和六十年までにやってしまおうというわけですから、そこに世帯数にして八万二千五百世帯というのが一ぺんにふえてくるというんですから、宅造が進めば急激にそうなってしまう。二十九万人がそこに一ぺんに入ってくる。そうなってくると、この早渕川というのは、よほど考えませんとえらいことになるという心配をするわけなんです。そこでこれは私、足かけ三、四年になりますが、この質問を申し上げておるのだが、ここのところはどのくらいに流量をごらんになって、昨年と比べまして、あるいは昨年の継続として、本年はどの辺まで持っていこうというお考えがあるのか。   〔塚田委員長代理退席、委員長着席〕 それから昨年の予算で、具体的に過ぎて恐縮ですけれども、峰の大橋から先というのは県単河川ですから補助ですね。そこまでは直轄で参りますからわかりますけれども、そこらの予算が昨年どうなっておって、どう使って、あるいは補助等のほうは使えないで今日どうなっておるのかという点と、それを今後どうしようとお考えになっておるのかという点、そこらのところを御説明いただきたい。
  67. 坂野重信

    ○坂野政府委員 早渕川の問題でございますが、早渕川は先生承知のように直轄事業の分と補助事業の分と分かれております。直轄事業といたしましては、四十三年度は高田橋下流の用地買収を実施して、左岸が約百八十メートル、それから右岸が二百メートルということを促進することにいたしております。補助のほうにつきましては、高田橋と中里橋の下流の間の百八十メートルの用地買収を実施する予定でございます。四十四年度につきましては、直轄事業としては峰の大橋の上流二百メートルまでの用地買収を完了いたしたい。補助事業としましては前年度に引き続いて、中里橋下流から四百メートルばかりの用地買収を実施して、中里橋上流の九十メートルばかりの間を完了の見込みでいま考えております。予算内容につきましては、先ほど申し上げたとおりでございます。
  68. 大出俊

    大出委員 一昨年の一千八百万円、昨年の四千八百万円、これは大体土地単価等の関係で金が残ってしまっておるわけですね。したがってこれは促進をしていただかなければなりませんが、そこで流量どのくらいに見ておられるのですか、将来計画として。
  69. 坂野重信

    ○坂野政府委員 全体計画としては三百五十立方メートル、毎秒。暫定計画としましてそういったニュータウンの関係がございますので、とりあえず二百トンということを目標にして事業を実施中でございます。
  70. 大出俊

    大出委員 時間がありませんので、あまり具体的に過ぎますのでその辺にいたしておきますが、そこで先ほどの件に大臣戻りますけれども、環状七号の例を申し上げましたが、どうも走っている側の、車に乗っている一般の庶民からすれば、こんな工事をやって、これは大きな建設屋にどれくらい金をもうけさせておるのかということに在るんですよ、ながめておると。どうもそういう感じが一般的にいうと非常に強い。そういうことがあっちゃ困りますけれどもね。そこであまり大きなほうにばかり顔を向けないでもらいたいと思うけれども、そういう意味で中央建設審議会、ここで答申が四十三年一月の二十六日に出ておりますね。ところでこれは建設省、この国会に業法改正案をお出しになるつもりですか、出さないつもりですか、どっちですか。
  71. 坪川信三

    坪川国務大臣 先ほども申しましたように、われわれ建設省の関係責任者といたしましては、絶えずやはりあらゆる施策を遂行する場合においては、利用者、受益者、国民の側に立って考えていかなきゃならぬというような考えでいるようなわけでございますので、これは私は、建設省行政方針として、ほんとうに真剣に留意してまいりたい、こう考えておることを前提に申し上げておきたいと思います。  いまの七環その他の問題からくるいろいろの立場からきて、そしていま最終的に御質問になられました建設業法の改正に関する問題につきましては、御承知のとおり審議会において全会一致で答申も受けております。そうした立場を考えますと、私はいまの秩序といいますか、少し乱れが激しいところのこの建設業界の乱れといいますか、単なる登録によってふえてまいる、それが一年間に二千件以上も倒産するというような実情を考えますと、私は秩序ある一つ建設業界に直していく姿勢を求めたい、こういうような気持ちを持って、決して中小企業の建設業者を圧迫するということでなくして、これらの方を守る立場に立って考えた建設業法の改正を中心に置きたい、こういうような考えで、いまいろいろと法制局等も審議をいたして立法化を急いでおるような次第でありますので、私といたしましては、ぜひ今国会に提案いたしまして、そして御審議、御可決をいただきたい、こういうような気持ちでおることを表明申し上げておきたいと思います。
  72. 大出俊

    大出委員 大臣の気持ちはよくわかりますが、そうで危ければならぬと思いますけれども、私どものほうも、現時点においてこういう結論だということを持ち合わせておるわけじゃない。それぞれの検討を続けているということです。したがって私は、つまり党という立場での結論があって申し上げるのじゃないのです。ただ、旧来何かのおりに触れて建設省に各種の質問をしてきている関係で、わかるところはわかっているつもりですから、そういう意味で申し上げるのですけれども、この審議会答申なんかを見ましても、また大臣の各種の話の中でも出てまいりますが、最近の建設投資というのはたいへんなことになっている。昨年は八兆三千五百億円だというわけですね。だから本年は九兆をこえちゃうんじゃないか、たいへんな建設投資が行なわれるだろうという。これは国家予算等を見ましても、公共事業のほうに相当の力が入っていますから、当然そうなるだろうと思うのでありますが、そのことのよしあしをいま申し上げるのじゃないのです。  ところで、議事録に残しておく必要がありますので承りたいのですが、業者そのものが、大臣登録というのは現時点でどのくらいあるのですか。
  73. 川島博

    ○川島(博)政府委員 現在登録業者は、大臣、知事を合わせまして十四万ちょっと出ておるところであります。大臣登録業者は、正確な数字は覚えておりませんが、四千四、五百程度でございます。
  74. 大出俊

    大出委員 時間がありませんから私のほうで申し上げますが、大臣登録が、二県以上にまたがる者が四千七百八十三業者、知事登録つまり一県で営業する者が十三万四千三百六十業者、計十三万九千百四十三業者、これが登録面の数字です。これだけ現にある。ところが、これをながめてみると、それこそ中央の鹿島から間組、大林、竹中、鴻ノ池、たくさん大きなところがある。片一方のほうは一人親方、一人棟梁までの届け出、いわゆるたたき大工さんまである。そういう分かれ方をしている。その中間以下のところに、それこそ雨後のタケノコのごとくたくさん業者ができたりつぶれたりしている。何か一つ仕事をうまくとった者は何とか生きている。特に政治的背景なんかがありますと、生きている。ところが、これが一つ間違うと、ぽかっとつぶれる。年じゅうですよ。ところが、一番末端の木造建築を主としてやっておられる大工さんの立場というものは、手に職があるのですから、それは中には人間の性格でやたら飲み過ぎたり、ばくちを打ったり、穴をあけたりして、倒産するのもありますよ。ありますけれども、少なくとも協定料金を二千二百円なら二千二百円一日取ってやるのが、そこまでいかない。したがって、苦労してやっておられる方々は、非常にまじめな、しかもそのことが家族を含めた生活につながっている。この方々には材木屋さんがくっついている。町の材木屋さんのところへ買いに行くのは大工さんが買いに行くのですから。建設会社が行くのじゃないのです。畳屋さんがついている、左官屋さんがついている、当然そうなる。あるいは電気工事の請負人がついている、そうでしょう。これは非常にすそ野の広い形になっているのです。しかも一生懸命サラリーマンが働いて、さて退職金をもらった、家を建てたいというところにつながっているわけですね。これは土地の安いところを買って、こういうわけですね。ここのところへしわが寄る、締め出されるということは。皆さんのほうは、今日二十年の長期展望に立てば木造建築がなくなると書いているのです。しかし、ここのところが業種別に云々というようなことではみ出していく、はね出されるということについては、何と言われても納得できない。かつて西村さんが建設大臣のときに、私はだいぶこまかくこの点を質問をしているのですけれども、そういうことは一切しないということを明らかにしている。この業法審議会の答申の中身からすると、非常に危険な要素があるのです。私、この答申を読んできておりますけれども、非常に危険な要素があります。ちょっとそこのところをどう考えているかということをお答えいただきたい。
  75. 坪川信三

    坪川国務大臣 前段で大出委員指摘になりましたごとく、この立法の目的は、不幸な共倒れを抑制したいということ、また中小企業の請負業者もあらゆる面から守ってあげたいということが最終の目標であることは、非常に御理解いただいており、また見識を持っておられる大出委員よく御理解いただけると思います。  いま御指摘になりましたいわゆる一番末端の関係業者、言いかえますならば、大工さんとか畳屋さんとか建具屋さんとか、いろいろあると思います。これらにつきましては、いわゆるその方の信用の問題、あるいはその方の技術の問題、あるいは資産の問題、あるいは実績の問題等を総合的に見まして、そしてこれらの方々を殺すというと失礼でございますが、これらの方々の不幸を在るべく来たさないような配慮をいたしてまいりたい、こういうようなことであることを御理解願いたいと思うわけであります。
  76. 大出俊

    大出委員 いまの答弁の中にもちょっとひっかかるところがあるのですが、この中央建設審議会は三十何回開いているのですよ。この中で、私数字をあげて申し上げますと、最初に出てきた案は、資本金二百万円、従業員五人、営業年数四年、年間工事一千万円以上などの経営規模がなければ、いまお話しになっている個人の木造住宅が建てられぬわけです。だから、どこかの下請に行かなければだめなんだというワクが出てきたのですよ。こういうことになると、しかもこれは登録でなくて許可制なんですね。そうでなければ許可しないという行政権限を持ち出すわけですから、これは明確に国の権力で押えられる。しかも、一人棟梁という方々、この層の方々、これ以下の層の方々が大多数なんですよ。そうでしょう。この人たちは非常にまじめな方々です。しかも長年親方のところに行って――いまなかなか行き手がないのですよ。大工さんになり手がない。だから、いわゆる建築業といわれる、大工さんでない方々の何、会社といわれるほうは人手不足です。逆に下のほうは技能者ですから、この方々についてはいま親になかなかなり手がない。それを一生懸命親方がさがしてきて、世の中はこんなに近代的になっていますから、先行きは木造建築は減っていくのだということでなりたがらぬ人を一生懸命優遇をしながら育ててきて、それが独立をして、奥さんをもらって一生懸命働いている。そこのところを切っちゃう、そういう考え方をする、いまの大臣の答弁にも、そういうにおいがいささかある。ここのところを切らないように、ここのところを生かすようにものを考えるということが基本でなければならぬ。当面木造建物がやたらに建つのですからね、そんなこと言ったって。われわれが坪川さんぐらい頭が薄くなってからぼつぼつこの辺でうちを建てるというときには大工さんを頼むわけですよ。それだけの需要がある。ここだけを締め出す形になることについては、私は法案が出てないからこまかいことは言いませんが、この数字をあげたのは、そういう考えできたんだからそこのところをやる。百万円だということで切るわけですね。同じ是認はしておろしてきてはいるけれども、それでも切られる。経験年数が何年というと、また政令できめろというように逃げられると、何が出てくるかわからぬ。だから業法改正には反対だという全建労の組合の諸君なんかは、そこがどうしても納得できない、あぶないというふうに考える。あの方々にすれば、大企業のほうがいいかげんなことをしないようにするという意味ならばわかるが、中小の末端のほうを圧迫するのじゃ困る、法的にここを押えられたら困る、そこに大きな理由があるから反対だというわけなんです。こんなにたくさん幅のある業界なんですから、一番最後のここのところはどうしても原案より優遇するという形に変える必要がある。それにはどうするかといいますと、いま一級建築士なんというのは試験を受けるわけでしょう。さて建築士になってみても、資格を取ってみてもそれが賃金につながらないのですよ。ほんとうをいえば、ここまでくると若い方々にできるだけ建築士試験を受けさせなければいかぬですよ。だから労働組合自体が、大工さんの組合自体がいろんな金を集めて教習所をつくって苦心惨たんして、そこで先生が出てきて教えるわけですよ。そうして試験を受ける、年寄りはなかなか取れませんけれども、若い人はちゃんと取っていく、それを進めているわけですよ。みずからの責任の所在を明らかにするという意味で、議論を高めているということを含めてそういうふうに進んでいるわけですから、事実そこのところを、協定賃金なら協定賃金というものと建築士試験というものは賃金に結びついていけば、若い方々みんな技能試験を受けて建築士になろうとするはずなんです。ところが、そこのところを行政の面で逆にものを考えたのではこれは優遇したことにならぬ。さっきの答弁、ことばのあげ足はとりませんけれども、どうも少し高いところに大臣の頭がありそうで、おつき合いの幅が、おそらく何々建設というたいへんなところとおつき合いがあるかもしれぬけれども、そこのところを大臣の真意のほどを聞いておきたい、こういうことなんです。
  77. 川島博

    ○川島(博)政府委員 お答え申し上げます。  建設業法の改正に関しましてはただいま先生から二百万円の資本金云々というようなお話もございましたが、これは審議の過程におきましてある団体から出た意見でございまして、建設審議会といたしましてはそれを採用したわけではございません。要するに今回の建設業法の改正建設産業の健全な発達といいますか、全体としてのレベルアップをはかるということと同時に、やはり従来とかく軽視されておりました零細な発注者を保護しよう、先生御存じのように最近いろいろ倒産等によって発注者が損害を受けておるという例も頻発しておりますので、この際発注者と受注者たる建設業、両者が契約上対等の関係に立って契約関係の適正化をはかる、あわせて建設業自体の健全な発達を促進しよう、こういうところに目標があるわけでございまして、そういう観点から現在の画一的な条件による泡沫業者の続出を何とか排除しようというところに今回の法律の改正のねらいがあるのでございます。したがいまして、従来の登録要件を、許可要件としては厳重にいたしたことは当然でございますが、その際何を見るかと申しますと、やはりこれは建設業という一つの経営体でございますから、経営経験それから技術者の有無、財産的基礎、この三つを重視をするわけでございます。しかし、一般の建設業の許可制度にあたりましては、単に資本金が幾らとか、それ以上はよろしい、それ以下はいかぬというような見方でなくて、従来の実績から見まして信用が置けるかどうかというところを重視するわけでございます。当然個人業者だってなにでございますから、資本金が幾らというのではないのでありまして、要するに経営者として当該申請者が信頼性があるかどうかということを自主的に判断するわけでありまして、単純に線を引いて、これから上の一千万円以上の金額の者はよろしい、以下の者はいかぬとか、そういう機械的な扱いをするつもりはもちろんないわけであります。  それからもう一つ問題は、いわゆる職人といわれる腕一本で仕事は一緒によくできるという人の処遇をどうするかということでありますが、建設業法は建設業という一つの産業形態における企業経営のあり方を規定する法律でありますから、技能者に近い職人さんの身分安定の問題とはおのずから観点が違うわけでございます。ただ同じ仕事をする場合でも、その職人さんがちょっと家庭から頼まれて仕事をする場合も一々許可をとってやらなければいかぬということは不便でございますから、そういう場合にはある一定の金額まではしちめんどうくさい許可を受けなくても自由に仕事ができるようにしていきたい。これが現行法では五十万円ということになっておりますが、その後の物価の上昇等とにらみ合わせまして引き上げるのが適当ではなかろうか、しかしそれをどの程度引き上げるかは、消費者保護という観点から申しますとあまり高い金額まで引き上げることは適当でないということでありますし、これは建設審議会において責任をもってあらためて答申をするということになっております。
  78. 大出俊

    大出委員 いま信用ということばが出てまいりましたが、資本金にこだわらないで信用と言うが、そうはいかない。世間一般で信用ということになったらどうだということになると、あの人は人がいいからということは社会通念として通用しない。そうなると、おっしゃるとおり経営がどうなっておるか、資本金は幾らか、技能者は幾らいるか、経験は幾らあってどのくらい仕事をしてきたかということにならないと信用の判断はできない。そうなると、さっき私が言ったのは確かにある団体から出てきたことですが、このある団体がまた問題です、べらぼうに大きな団体ですから。こういうたたき大工ではない。だからそちらのほうに押されてそうなったのではえらいことになるという心配が出てくるのはまたあたりまえです。だから、先ほど例をあげましたように、その種の団体が出してきたのは資本金二百万円、従業員五人、営業年数四年、年間工事一千万以上というものがかって出てきたわけでしょう。そこでいまおたくのほうで考えておられる計画からいきますと、いま一番最後におっしゃったちょっと家庭に頼まれた、不便だという例でありますが、それでいくと、一件百万円以下の工事を対象外とし、一件一千万円以上の工事を下請に施工させる業者を総合建設業者とするというぐあいの分け方こそ問題があるわけです、このとおり出てくるのだとすれば。したがって、そこで承りたいのだが、東京新聞の十二月十三日に「建設業法改正案きまる」こう二面に載っておりますね。「改正案のおもな内容」こうなっておりますね。「許可制度の採用」というところから始まっております。これは掛け値表しにおたくの案ですか。
  79. 川島博

    ○川島(博)政府委員 十二月に一応私どものほうから事務当局の試案として発表したものでございます。ただその後、各省設置法の問題で折衝を続けておりますが、その段階で若干当時の原案から変わってきておるところがございますが、大筋におきましては中建審の答申に基づきまして立てました原案でございますので、やはり大筋においては大体変わっておりません。
  80. 大出俊

    大出委員 大臣、先ほど私が言った心配が抜けないということになるとすれば、ほんとうに末端の大工さんたちの立場もある、こうなっている。こちらのほうにものをいわねばならぬ。いろいろあります。認めないわけじゃない、わかるところもある。あるが、こちらのほうの側が一言でいってどうしてもつぶされるということになるとすれば、これはそれこそかね太鼓で責められても出てきた法案をつぶさねばいかぬということになる。そこのところはその決意をせざるを得ぬというふうに思う。だからいま答弁をされた中で確たる答弁がない面があるから、ここでそれから先のこまかいところは入れませんが、要するにさっき申し上げたポイントになる一般の技能者、あるいは一般的にいって大工さん、それに建具屋さんだのあるいは畳屋さんだの材木屋さんだの佐官屋さんだの、みんなついている勘定になっているのです、ここのところが押えられるということになるとすれば。これは何といわれてもそういう法案は通せない、こう私は思うのです。そこのところでもう一ぺん大臣の所見をひとつ承っておきたい。まだ法案が出ていませんから……。
  81. 坪川信三

    坪川国務大臣 いま御指摘になりました点でございますが、結論を申し上げますと、細部にわたるところの特殊技術の腕で生きておられる方、これらの方々の問題につきましては私はやはり大事な問題であろうと思います。したがって、いま立案過程でもございます、また立案が終わりましたならば審議過程もございます、それらの点を通じましていろいろの御指摘も受けたいし、またいろいろの御意見も承りたい、こう考えておりますので、私といたしまして基本線は御理解いただけたと思いますが、具体的な点に対する私の意見としましてはいま述べる時期ではないと思いますので、この点は大出委員の御意見は御意見として十分傾聴もいたしましたので、そんたくもいたしてまいりたい、こう考えて、審議過程においてまたいろいろと論議をちょうだいいたしたい、こう思っております。
  82. 大出俊

    大出委員 いつごろ国会へ出してくる御予定ですか。
  83. 坪川信三

    坪川国務大臣 いま法制局と建設省事務当局がいろいろ立案作業をやっております。ですが、会期も御承知のとおりの時期に迫ってきておりますので、これらの点につきましては少なくとも今月の末には出させていただきたい、こういうような予定でございます。
  84. 大出俊

    大出委員 どうもたいへん理事会の時間がよけいかかりましたり、前段の質問で少し共感を呼ぶところの多い質問でございましたから時間がかかったりいたしまして、筑波学園都市問題、せっかく各省にお集まりいただいたのですが、時間もたいへんおそくなって、お待たせしまして恐縮でございます。  昨年、私、どうもあんまりはっきりしないことだらけでございますので、筑波学園都市の問題につきまして各省にお忙しいところをおでかけをいただいて少し承ってみたのですが、この質問をいろいろ深めてみればみるほど、ますますどうも何がどうなっているのやら、質問している私のほうが実は何とも困ってしまった状況でございまして、したがってそのままでは決着がつきませんし、その後の事情も方々から耳に入りますので、それで実はきょう、その後どうなったかを主として承らしていただいて、あらためて一ぺん総ざらいして、少し時間をどこかで見つけてひとつ質問を重ねたい、こう思うわけなんであります。  冒頭に伺いたいのですが、先般の質問では一体どこが責任者であるのやらさっぱり見当がつかないので、鶴海さん、当時おいでになって、首都圏のほうの事務局長ではあるがお手伝いをしているのだ――お手伝いをさせられているのでありお手伝いをしているのだということが議事録に載っていますが、そうなっている。これは総理府に聞いてみると、推進本部はあるけれどもさっぱりどうもわからぬ、建設省に聞いてみてくれ。建設省に聞いてみれば、わからぬから首都圏整備委員会に聞いてみてくれ。回り回って首都圏整備委員会の鶴海さんにおいでいただいたといういきさつなんです。だから、これは実は事の出発にあたってどこが事のいきさつを一番よく知っておるのか、そういう意味で冒頭に承りたいのですが、昭和三十八年七月十一日に首都圏整備委員会及び科学技術庁は民間研究機関の移転について意向調査を行なうということで当時意向調査を一番最初に行衣った。その次に三十八年九月六日に首都圏基本問題懇談会が研究学園都市の建設についてという報告書をまとめておりますね。このときの中心はだれで、一体だれがこれをつくったのですか、そこを何か御存じないですか。
  85. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 基本問題懇談会は、これは首都圏で非公式にやったものでございます。したがいまして、その間の資料の作成等につきましては、当時は私、首都圏にはおらなかったものですから詳しくは知りませんが、首都圏で作成したもの、そういうふうに考えております。
  86. 大出俊

    大出委員 そうすると、研究学園都市建設の構想というのは、ここでつくられておりますね。つまりこれは三十八年九月です。昭和三十九年三月二十四日に茨城県が首都圏整備委員会に対して――もうこれは整備委員会です、に対して研究学園都市の用地取得案、これを出しておりますね。だからこれは筋からいいますと、首都圏整備委員会がこれを受け取ったわけですね。ここのところは一体だれがどういう形でおやりになったのですか。
  87. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 当時研究学園都市を首都圏の区域内で適当な場所を選んで建設していこうという動きがあったことは御承知のとおりであります。筑波に決定いたします前に数カ所首都圏整備委員会の事務局で現地調査をやっております。そういう調査を経まして筑波が最も適当であるという結論を得たわけであります。その際、用地取得その他につきまして県当局と首都圏整備委員会との間でいろいろ折衝はあったというふうに聞いておりますが、その際に用地取得につきまして県側が一つの案を提示したものというふうに考えます。
  88. 大出俊

    大出委員 当時鶴海さんおられなかったからやむを得ないのですけれども、当時建設省の官房長でございましたから、これは無理な質問かもしれませんが、たいへんどうもたよりない答弁でございまして、私も実は苦心して調べておりますので、私のを申し上げてもいいのですけれども、そうするとこれは質問になりませんので、大臣にひとつここで承りたいのですけれども、大臣、鶴海さんが苦心惨たんをして各省にいろいろものを言って、いわゆる世上にいうハッパをかけたんですな、計画はさっぱり出てこぬじゃないか、科学技術庁で二つ出てきただけじゃないか。だけれども、これは鶴海さんが無理なんだ、科学技術庁というのは四十二年というタイムリミットがあるから、数だけは出さざるを得ぬですよ。それが出ただけです。あと何にもないので一生懸命飛んで歩いておられたのでしょうけれども、それを受けて坪川さんが建設大臣におなりになってこれまたどうもこれは困るじゃないかということで、二月二十一日の閣議にものを言うというような記事があった。これは大臣はものを言ったのですか。
  89. 坪川信三

    坪川国務大臣 いま御質問中の筑波学園都市、いろいろの経過、経緯をたどって国の大事業として決定いたしておることは御承知のとおりでございます。私が建設大臣に就任いたしまして以来、この問題の実際の作業がどうなっておるかということをいろいろと検討いたし、また現地の知事はじめ県会その他の意向もいろいろと聞き取ったわけでございますが、その計画としては非常にいい計画であり、また今後の国土開発、首都圏整備の上においても、こういうあらゆる土地利用の上からも非常に重大なまた非常にいい問題であると考えて、そうした角度から調べましたのですが、その現況は御承知のとおりのまことに憂うべき現況である。またせっかく土地を出されました土地提供者に対しましても、非常な不平と不満と政治に対する信頼を失っておるというようなことも把握いたしましたので、これは私は、政治の姿勢の上からも、また前段で申し上げました、高度の、大事な国土建設の上に立っても非常に残念、遺憾な点である、こういうような気持ちを持ちましたものですから、私は閣議において発言をいたしまして、各省庁の協力とその推進を強く要望いたしたわけでございます。総理もまたその席において強く指示もされましたというようなことで、いま問題に取り組んでいるようなわけでございます。いま御指摘のように、いわゆるそれ以来一カ月たちましたのでございますが、幸いにいたしまして、これらの各省庁の協調を得つつありまして、二機関にすぎなかったこの移転計画も十前後に各省の報告を受けておるというようなことでありますので、私は国会審議さなかでありますけれども、気になって、予算等の議決をいただきました時点においてすみやかに一ぺん現地へ参りまして、現地の要望も聞き、また現地に対する感謝の気持ちも表明し、また協力も要請して、これを強く推し進めてまいりたい、こういうような決意であることを御了承願いたいと思います。
  90. 大出俊

    大出委員 あげ足をとるわけではないけれども、計画としてはいい計画だというお話ですが、計画としてはいい計画でも、世の中はなかなかできないこともあるのですから、できないならできないで早くやめてしまわないと、えらいことになってしまう。なぜかというと、昨年の八月十二日に、この研究所の配置計画が都市計画として決定告示されたのです。御存じですか。坪川さん、当時は大臣じゃなかったのだと思いますけれども……。ところが、決定告示されているにもかかわらず、私は、八月だから八月の「建設月報」に無理をしてでも載せているのかと思って見たけれども、載っていない。それじゃ翌月の九月に載っているかと思って見たら、何も載っていない。ところがおそまきながら、十月になってから、どうなっているかとまた見てみたら、「海外諸国の研究・学園都市」ということで、八月十二日に都市計画として決定告示せられた機会に外国の紹介をするということで楠瀬正太郎さんという方がお書きになっておる。私は、建設省がほんとうにやる気があってお進めになろうというならばせっかく懸案の都市計画告示が行なわれているのだし、おたくのこれだけたいへんな紙を使って――ほかの省と違ってりっぱな紙ですよ。ちっとはここに生んだかつぶれたかくらいは書いてみたっていいと思うのです。ところがどうもそういうことでないとすると、鶴海さん、幾らやってみたって、これはお手伝いのほうですから、主体じゃないのですから、から回りばかりで、さっぱり筑波山踊らずになってしまうのではないか、まさに大山鳴動の口で、一匹も出てこないことになって、これでは困る。そこで職員の皆さんの側からは、これは相当強い反対があるわけですよ。反対も無理もないと私は思う。私が昨年質問をしたときにも、さっぱりどこの省も知りません、存じません、金はついていますけれどもなんて言う。地質調査は金がついているからしようがなくやったのでしょうけれども、地質調査やりました、各省ばらばらに地質調査をやっておる、予算がついているのですから。やったはいいのだけれども、それじゃその建物は、研究機関は、おたくの省はどこへ行くのですかと聞くと、わかりません、まだ全体がきまっていない、どこへ行くかわからない、土地買収のほうも進まないからわからない、狭くする、四千ヘクタールなんてだめだ、もっと狭くする、だから全部再配置に在るらしいと言う。最初の青写真はみんな再配置で変わってしまうのに、一生懸命地質調査をやっておる、しかも各省まちまちです。その交通はどうなんだといったって、運輸省は、知りません、バスでいいのでしょうというようなことになってしまうと、これはとてもじゃ互いが、心配になるのがあたりまえ。そこらのところをどこまで大臣は御存じなのか。だいぶ御研究でございますかな、そこは。
  91. 坪川信三

    坪川国務大臣 さっき申しましたように、私はこの問題については非常に重大な関心を当然持たなければならぬという気持ちで、これについては非常に意欲的に最近いろいろと協議もし、またそうした決意で行動をとっておることは、さっき申し上げましたことでも御理解いただけるんじゃないか。私は日程もきめまして、四月早々、七日には行こうというような気持ちも持っておることは、こういうような事情からであります。都市計画法によって決定いたしておることも、私は承知いたしております。したがって、これらの点につきまして、土地もおかげさまで九〇%をこえて取得ができたというようなことを考えますと、当然いよいよ移転実施計画を具体的に推し進めるべきであるというような気持ちで、先般の参議院の予算の一般質問においても私は答えてもおり、また大蔵大臣もこれに対するところの財政措置は首都圏整備法の財政援助に基づいての当然の補助もございますとともに、国としては、これはもう最大の財政措置もいたしたいということをはっきり大蔵大臣も答えておられ、また関係各大臣も、これに対して非常な前向きな姿勢で積極的に移転計画をいま具体化されまして、大体もう十二、三が内定しつつあり、決定いたしましたのが五つある。建設省ももうすでに二つを計画いたし、これを早急に実施するよういま手配もいたしておるというようなことでありまして、私は、茨城県の地元の関係の各位が非常な決意で協力と犠牲を払って高度な国政の事業に協力をいただいている以上、これに対する報いのある、当然しなければならぬ仕事として私は国の立場からいたしたい、こういうような決意でおりますので、御心配の点もよく私はいまのお話理解もできますが、私どもとしましては、いま申し上げました決意でこれの事業計画を推し進めてまいりたい、こういうことであることだけはひとつ御理解いただきたい、こう思っております。
  92. 大出俊

    大出委員 そこで、もう一ぺん念のために承りたいのですが、これはどこが主体でやるのですか。総理府の方おいでになりますか。――推進本部というのは一体どういう形でどうなって、だれが中心で、どうおやりになるのですか。
  93. 川上幸郎

    ○川上説明員 お答えいたします。  ただいまの件でございますが、この推進体制につきましては、昭和三十九年十二月十八日の閣議におきまして、総理府に研究学園都市建設推進本部を設けることを口頭了解いたしまして、さらに引き続き同年十二月二十五日に推進本部の構成を閣議決定いただきました。本部長は首都圏整備委員会委員長、部員は各省庁の次官クラスから、推進本部の事務内閣総理大臣官審議室において、首都圏整備委員会の事務局の協力を得て処理をする、こういうことになっておりますので、現在は首都圏整備委員会の協力を得まして推進いたしております。
  94. 大出俊

    大出委員 そうすると、その権限というのはどういうことになりますか。
  95. 川上幸郎

    ○川上説明員 この調整といたしましては、先ほど若干説明が不十分でございましたが、推進本部には総括、用地、移転機関及び公共施設の四部会が設置されておりますので、これらの各部会を通じまして行なわれております。このうちの総括部会につきましては総理府が主となって行なっておりますが、あと用地、移転、公共施設の三部会につきましては、首都圏に主としてやっていただいておるという関係になっております。なお、先ほど申し上げましたように、推進本部の総括につきましても、同時に首都圏に協力をいただいております。
  96. 大出俊

    大出委員 その部会云々がわからないのですけれども、例をあげますと、住宅委員会というのをつくられましたね。昭和四十一年八月二十二日ですね、そうでしょう。この住宅委員会というのはだれがどういう権限と目的をもってどう進めるようになっておるのですか。
  97. 川上幸郎

    ○川上説明員 ただいま御質問住宅委員会につきましては、四十八年八月に移転機関部会のもとに住宅委員会が設けられましたので、これはむしろ首都圏整備委員会の事務局長の鶴海さんから御説明願ったほうが適切かと思います。
  98. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 住宅委員会につきましては、移転関係の移転にあわせまして公務員宿舎等の建設が必要であるということで、各省の調整をはかる意味で部会の下に設けたのでございます。住宅委員会におきましては、従来住宅の規模等につきましていろいろ議論をやってきております。現在の段階におきまして、昭和何年に何戸くらい公務員宿舎が要るのだというところが固まってきておりませんので、最近は開いておりませんが、ただいま大臣からお話がございましたように、前期に工事に着工する機関も目途が次第に明らかになってまいりましたので、この目途に基づきまして住宅需要等を具体的に詰めてまいりたい、こういうふうに考えております。
  99. 大出俊

    大出委員 そうしますと、この住宅委員会というのは総括、移転両部会に関係があるわけですね。そうなっておりますね。だから、かつて四十一年八月二十二日に総括、移転部会の意見書が出ていますね。御存じですか。意見書の中身を御存じですか。
  100. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 昭和四十一年八月二十二日に移転と総括の合同部会において意見書を出しております。
  101. 大出俊

    大出委員 そこに先ほどの科学技術庁の無機材研の建設、これが昭和四十二年度から着手するよう努力する、こういうふうになっている。これはいま四十二年から着手するように努力したのですか、やっていますか。
  102. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 科学技術庁の無機材質研究所でございますけれども、機械の発注は昭和四十二年に発注されまして、建物の工事は四十三年から着手するということで本年度予算をとっています。三月中には工事に着手する予定でございます。
  103. 大出俊

    大出委員 そうすると、「四十二年度を初年度とする三-五年間の年次計画を第一期計画として作成する」と、ここに書いてありますね。それはできましたか。
  104. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 現在四十三年度を初年度といたしまして五カ年の昭和四十七年までの計画に着手しております。各省で前期に建設を始めるものということでいま作業しておるのが、これは前期の五カ年の計画を固めていくための調査でございます。
  105. 大出俊

    大出委員 そうすると、ここで出発にあたっておきめになっている「四十二年度を初年度とする三-五年間の年次計画」第一期というのは、すでにそこにおいて大きくずれているということですな。
  106. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 昭和四十三年度から現実に建物の工事が始まっておりますので、それを初年度といたしまして五カ年の計画を固めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  107. 大出俊

    大出委員 そうすると科学技術庁の二機関は第一期分だろうと思うのですけれども、それはいつごろまでにどうなるのですか、具体的には。
  108. 鈴木春夫

    ○鈴木(春)政府委員 科学技術庁で建設を進めております防災センター、これの工事につきましては、内容の装置につきましては四十二年度から発注していたものでございます。建物につきましては四十三年十月十六日に開始しております。それでこれは四十四年度も継続して建設をし、四十五年の七月くらいから稼働する予定になっております。  無機材質研究所につきましては、本年度の三月二十七日に着工予定でございまして、これの完成は本年の十月の予定でございます。なおこの無機材質研究所につきましては、四十五年度には全館を建てたいというような希望を持っている次第でございます。
  109. 大出俊

    大出委員 そうすると、これに関連するのでここで聞いておきたいのですが、職員の皆さんがたいへんな心配をしている一つなんですが、たくさんありますけれども、その一つを申し上げますと、四十二年九月四日の研究・学園都市建設推進本部決定というのがありますね。この中身を見ますと、この「研究・学園都市の建設と調和のとれた開発整備の促進を図る」なんという文言があって、これは「周辺地域開発整備」というところですが、そうしてここでは、「公共施設は、移転機関の移転に支障のないように整備されるよう配慮する」と、こうありますね。そうすると、四十四年までに公共施設が支障のないように整備されていなければならぬ計画になっている。これはできますか。
  110. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 この研究学園都市二千八百ヘクタールにつきまして全部都市施設をつくるというためには、相当ばく大な費用がかかるわけでございますが、現在考えておりますのは、前期の研究機関等の建設のスケジュールに合わせまして公共事業前期分を考えてまいりたいと思っております。現在工事いたしておりますのは、土浦と学園都市を結びます土浦学園線という街路と、それから科学技術庁のほうで立地を予定しております位置に接して走っております東大通り線、この二つに着工いたしておりまして、東大通り線をできるだけすみやかにつくり上げたいというふうに考えております。なお、そのほかの機関につきましても、前期に立地を目途としておる機関がきまってまいっておりますので、その立地に合わせましてできるだけ早く街路等の整備をしていきたいと思っておりますが、一応現在街路計画できまっております街路につきましては、前期の期間中には供用開始ができるよう概成まで持っていきたいというふうに考えております。
  111. 大出俊

    大出委員 前期の期間といいますと、正確に何年ですか。先ほどのお話では四十七年ですか。
  112. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 四十七年でございます。
  113. 大出俊

    大出委員 こういう際ですから、これは正確に言っておいていただいたほうがいいと思って承るのですが、いま二千八百ヘクタールとおっしゃったのは市街地規模だと思いますが、そうでしょう。――この四十二年九月四日の決定によりますと、市街地規模面積二千七百八十ヘクタールと出ておりますが、間違いありませんか。二千八百ヘクタールですか、どっちですか。
  114. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 二千八百と申し上げましたのは概数でございます。
  115. 大出俊

    大出委員 そうすると、この決定はこれでいいというわけですな。  ところで、その土地買収の進捗状況、大体四千ヘクタールという、これも概数かもしれませんが、四千ヘクタールと決定には書いてありますけれども、これに見合ってやってこられてどのくらいまでいきそうですが。反対を決定している町もありますか。
  116. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 四千ヘクタールという数字につきましては、これは将来の町の構想として定めたものでございまして、学園都市として現段階においてとりあえずやっていくというのは、先ほど申し上げました約二千八百ヘクタールでございます。ただしこれは区画整理事業等を含んだ区域の面積でございまして、全部が買収の対象になるわけではございません。買収を予定しておりますのはそのうち千九百ヘクタールでございます。千九百ヘクタールにつきまして一月末で八一%、その後かなり進んでおると思いますが、現在そのような用地の進捗率になっております。
  117. 大出俊

    大出委員 最初にこまかい疑問だけ聞いておきたいのですけれども、先ほどの四十二年九月四日の決定によりますと、いまのは二千七百八十ヘクタールとなっているのですけれども、完成時の市街地規模はおおむね四千ヘクタール、こうなっているのですね。いまのお話だと千九百というお話が出てまいりましたが、それはそれしか買収ができないという意味ですか。
  118. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 これは町づくりをいたします場合に、政府機関の立地するような場所につきましては、これは最終的には国が買収しなければならぬわけでございますけれども、ここに定着いたします人口は必ずしも政府職員のみに限りませんし、民間の人もおるわけであります。そういうことも考えまして、この約二千八百ヘクタールのうち相当部分は区画整理で町づくりを行なっていこうということを計画いたしておりまして、その中にはかなりの民地が残っているわけであります。
  119. 大出俊

    大出委員 鶴海さん、これは前に私質問したときに、いま検討中であるとかあるいはあとからお届けしますとか差し上げますとか、幾つもあるのだけれども、何も届きませんし、差し上げていただかぬものですから、わからぬところがたくさんあるわけですよ。だから聞いているわけですが、必要なものはやはりいただきたいと思うのです、お出しいただくようにお答えをいただいたのですから。その点はひとつお忘れなくお願いしたい。  そこで、いま言われる件に関してものを言えば、非常にラフなんですよ、この決定の中身というものは。私がこれはかってに調べたんだけれどもね。だから逆に言えば、職員の諸君だって心配になるところなんだ。あたりまえのことです。何がどうなんだと。入るわけですから。しかし、国が機関を移すにあたって用地買収を千九百ヘクタールやる。ところが片方のほうはこの文章をそのまま読めば、この「市街地の整備について適切な措置を講ずる」と、こういっておるだけなんですね。そうすると機関は、自分が移されて行くのだから、適切な措置を講ずるというのだけれども、何が一体適切な措置なんだと、その職員がそう思って、とたんに疑問を持つ。家族もいるわけですからね。そうでしょう。そこへもってきて、「研究、学園住居、商業等の各地区の配置にあたっては、それぞれの機能に対応する適地を選定し、」こうなっている。ところがこれは適地を選定し、計画を立てることにはなっているのだけれども、具体的にどういう青写真になって、どうなっているのかということについてさっぱりわからぬ。おれは向こうに移るのだけれども、とても買えない、茨城県の筑波山なんだから。そうすると、じゃ一体女房、子供を連れて――学校へ行っているのだけども、どこへおれの家は行ってしまうんだ。さっぱりわからぬですよ。だからそこらの計画全体の青写真はないのですか。
  120. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 一昨年の九月の段階では確かに青写真はなかったわけでございます。その後昨年の五月に土地利用の計画を推進本部で決定いたしまして、これに基づきまして都市計画決定あるいは各事業決定建設省でやっていただいております。それによりますと、たとえば新住宅市街地開発事業を行なう区域として三カ所決定いたしております。近く工事が始まるわけでございます。それから区画整理事業を行なう区域もきめております。したがいまして、どういうところにどういう住宅街ができるんだということにつきましては一応の青写真はできているわけでございます。事業のこまかい設計につきましては目下住宅公団におきまして線を引いている段階でございますので、詳細につきましてはまだきまってない面もございますけれども、どのあたりに実施するということにつきましてはもう都市計画として決定いたしております。
  121. 大出俊

    大出委員 この中には「本計画地域の基幹となる公共施設は、移転機関の移転に支障のないように整備されるよう配慮する」こうなっているんですね。そこで「基幹となる公共施設」というのは一体何ですか。それと公団のほうで計画があるというならば、公団のほうの方に、ひとつどうなっているのか、そこのところを、あるようなないような話は困るので、どうなっているのかをあわせて答えていただきたい。
  122. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 基幹となるものといいますと、いろいろあろうと思うのでありますけれども、おもなものを申し上げますと、いわゆる町づくりにつきましては街路、これをつくり上げるということが必要でございます。それから排水系統の区域も必要でございます。あるいは給水系統の区域も必要でございましょう。そのほかいろいろあろうと思いますけれども、現在は街路をまず急いでやっておるという段階でございます。
  123. 大出俊

    大出委員 ちょっとはっきりしないので、それじゃ聞き方を変えましょう。  科学技術庁の無機材質研究所、国立防災科学技術センターですね。この二つだそうですね。これが一期計画によって四十五年にでき上がるとさっきおっしゃいましたね。そうすると、当分通ってやろうというのじゃないでしょう、遠いですから。そのときにそこにつとめる人はどうなっちゃうのですか。
  124. 鈴木春夫

    ○鈴木(春)政府委員 現在進出しております二つの機関の施設につきましては、試験とその施設でございます。したがいまして、そこに常時研究者が配置されるというような関係はございません。ある程度、留守番程度でございますが、行く行くは研究本館のようなものが出てまいりますと、常時そこへ研究者が定着いたしますので、住宅その他の問題が出てくるというふうに考えております。
  125. 大出俊

    大出委員 それは行く行くはというのですけれども、さっきの大臣お話によると、ほかの機関も十幾つ出てきたわけですね、一期計画、四十五年までに。そうすると、何と何と何が移るのですか。
  126. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 ただいままでに明らかになっておる機関について申しますと、科学技術庁が二機関でございます。それから文部省一機関、これは教育大学を予定いたしております。それから建設省、これが三機関でございます。国土地理院と土木研究所及び建築研究所でございます。それから農林省につきましては、おおむね五機関を前期に建設を開始するということを目途に検討を進めておりますが、どの機関ということまでは確定いたしておりません。
  127. 大出俊

    大出委員 これはまたずいぶんいいかげんな話で、農林省というのは十四あるのですよ。(「十三です」と呼ぶ者あり)一つ違ったかもしれぬけれども、ここに十四と書いてある。また途中で一つ落っこった。そうすると、その中で五つあるのでしょう。そんないいかげんなことありますか。文部省にしたって、教育大学文学部が筑波学園都市に行く問題でもめた。それであの学校が騒いだのですよ。出発点は筑波山に移る問題です。教育大学というのは、私は灘尾文部大臣にとくと御質問申し上げたところが、そういうふうなことになるようなことは一切ない、私は責任を持ってやりますというふうにこの席でお答えになった。ちっとも責任を負わない。あんな騒ぎをしている。そんなものが簡単に行きますか。ゲバ棒騒ぎになってしまう。またそんなことをすればたいへんですよ。  国土地理院、これはまた話は別でしょう。これは建設省の所管だから、この三つだいじょうぶですか。末端からたくさん意見がある。ところで国土地理院なり土木研究所なり何人くらいですか。人は何名移りますか。――あとで調べてください。  そこで、そこまでいくと、農林省が一つ落ちたような感じがするので、あとでまた調べますけれども、行かないでいい――行かないでいいという表現でいいのかどうかわかりませんけれども、九月五日の閣議了解事項の中で、正確に言えば閣議了解の「附記」の中に「諸条件について検討の結果やむを得危い事情があるとき、」これは行かないでいいことになっている。諸条件とは一体何かということです。それから過密対策という点から見れば――過密対策という面も、一面では研究を伸ばそうという面もある、もともとそういう御説明なんですが、科学技術の振興というのは閣議決定の出発点ですからね、まともに受け取ると。そうすると、その思想で過密対策ということならば、郊外の研究所を移転する必要はない。ちっとも過密じゃないから関係ない。そうでしょう。これは気象庁の気象研究所が行かなくなった。いつか私ここで御質問申し上げたところが、中央のいろいろな研究機関と関係あって、そんなところに行ってしまうと気象研究できないからだそうだ。そんなふざけた話はないでしょう。そうでしょう。しかし載っておっておりた。だからおりましたという。これはあっさりおろしてしまっているわけですね。何が根拠かと思って聞いてみたら、九月五日の閣議了解の「附記」なんだしそうでしょう。そうなると、教育大学文学部の先生は何と言っているか。学生というのは筑波山麓の空気のいいところで学業に専念するのがいいのだというけれども、学生も社会人だったわけですけれども、都会のいろいろな社会の諸関係の中にいたほうが学生としてりっぱに人格形成ができるのだから、いまのところがいいのだというのがいまの文学部の言い分ですよ。それを無理に持っていけと行いってもなかなかそうはいかない、現実の問題として。そうすると「附記」におりる条件が加えてあるのだから、どういう条件ならおろすのですか。みん表そういう条件でおりてしまったら、どれも行かなくなってしまう。
  128. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 先ほど運輸省の気象庁の研究所が一たん乗ってから「附記」でおりたというようなお話がございましたけれども、一昨年の九月に閣議了解いたしました場合に、予定いたしております三十六機関につきましては、あの「附記」で、この際おりたいという話は全然聞いておりません。そういう事例も前例もないわけでございます。
  129. 大出俊

    大出委員 そんなことを鶴海さんおっしゃったって、気象研究所はおりたのですよ。
  130. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 気象研究所の問題は、一時話題にのったことはございますけれども、四十二年九月五日の閣議了解をいたす段階におきまして、三十六機関に決したのでございますけれども、これには入れておりません。
  131. 大出俊

    大出委員 そうすると、なぜここに「附記」というのをつけたのですか。三十六機関がおりないとすれば、国なんですから、国が移すのですから、国が意思決定をしたのなら、なんでこんな九月五日の閣議の了解事項「附記」にわざわざこれだけの条件がつくのですか。
  132. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 これは研究所の立地でございますから、あるいは地耐力の問題であるとか、あるいは土壌の関係であるとか、いろいろこれから調査しなければならぬ問題が残っておったわけでございます。そういうことにつきましての弾力条項という意味で書いてあるわけでございます。
  133. 大出俊

    大出委員 たいして意味はないというのですか。
  134. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 しかるべき理由があればこれは考えなければならぬと思うのですけれども、特にこれによって変更をしていくということにつきましては、現在のところどこの省からも申し出はございません。
  135. 大出俊

    大出委員 文部省の方はお見えになっておりますか。岩間さんお見えになっておるが、当時の事情を御存じなんですけれども、ほんとうに教育大学は行きそうなんですか、向こうに。
  136. 岩間英太郎

    ○岩間政府委員 まだ最終的な決定がなされておりませんので、それをもって発表をしたいというふうに考えております。むずかしい事情があることは、先生承知のとおりでございます。
  137. 大出俊

    大出委員 私が知っているとおっしゃるのですから、それ以上申しませんけれども、そうは簡単に行かれませんよ。私のところに資料が一ぱいきておりますけれども、これを見ると、どうもほかに行きそうなところはないですね。科学技術庁は二機関でしょう。科学技術庁の場合には一番最初からの計画ですからね。二機関は人は何名ですか、留守番という方は。
  138. 鈴木春夫

    ○鈴木(春)政府委員 留守番の数については、まだ十分承知いたしておりませんが、大体守衛とか、あるいは少数の整備員、その程度だと思います。
  139. 大出俊

    大出委員 国土地理院はわかりましたか。
  140. 志村清一

    志村政府委員 地理院は千二十一名でございます。
  141. 大出俊

    大出委員 多いね、これは。土木、建築、両機関はどうですか。
  142. 志村清一

    志村政府委員 土研が五百五十四人、建築研究所が百八十二人です。
  143. 大出俊

    大出委員 千七八百人になるというのですね。そうすると、これをお出しになったについては、行く場合に、とにかく筑波山ろく葦で通えないですからね。そうでしょう。そうすると、千七、八百の方の住居その他の計画は、これについているのですか。
  144. 志村清一

    志村政府委員 国土地理院、土研、建研という三機関の移転につきましては、最終的に職員がそちらに移るという段階になりましたときには、住宅その他の環境整備を十分やっていただきたいという考えでございます。
  145. 大出俊

    大出委員 四十七年までというさっきのお話なんですが、ことしは四十四年ですね。そうすると、いまからやはり全体のマスタープランの確たるものがあって、そしてそこに市街地の計画があって、土地買収をやって、国有機関が移っていくというのがきまって、商店構成その他がきまって、道路がきまって、公共施設その他が全部きまって、さてそこに住宅をと、こうなるのです。  そうすると、住宅計画がついていかなければ、ここに住宅をこういうふうにやってつくるということにならなければ道路だって策定できない。あるいはその他の公共施設をどうするといっても、とんでもないところへ先につくるわけにいかないでしょう。前の地質調査じゃないけれども、地質調査か何かかってにやって、この辺だと思ってやってみたら計画変更でそこじゃないと言う。そんなことではしようがないじゃないか。そうすると、あのときは水の問題がありましたが、それなら霞ケ浦が一番近いからということで、片方は水がどのくらい出るかということで調査しているでしょう。そういうむだなことをしてもしようがない。そうすると、住宅計画はなければならないが、これはどこでやっているのですか。
  146. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 住宅計画地域住宅を立地すべき場所につきましては、先ほども申し上げましたように、都市計画決定をいたしておりますが、そのうち公務員住宅建設そのものにつきましては、これはやはり大蔵省の理財局の所管になりますので、そのほうでやってもらいたいと思っております。
  147. 大出俊

    大出委員 昨年私が質問申し上げたときには何かさっぱりわからないというお話であったのですけれども、これはその後の担当を見ますと、四十二年八月に「研究学園都市の概要」というのが出ておりますね。御存じですか。この中で、「研究学園都市担当機関一覧」というのがある。これに基づきますと、各省の分担が全部きまっているのですね。大蔵省は国有財産局総務課が担当課でございまして、国家公務員宿舎、研究所土地などの国有財産はこれが所管になっている。そこで、大蔵省の総務課の方のほうでは、当時私が質問したときは、ここのところが担当になっていたことを知らなかったと言う。それではまことに困るので、どこで出したか知りませんが、ちゃんと推進本部のほうでは担当はここだと言っているのですからね。おまけに皆さんのほうでパンフレットを出しておりますよ。パンフレットに明確に載っておりますよ。所管はかくかくしかじかだから心配するなと書いてある。だが、担当が知らないでは話にならない。そこで、大蔵省、どうですか。その後私があれだけ申し上げましたから、その後は知らないとはおそらくおっしゃらないと思いますけれども、どうなっておりますか。
  148. 上国料巽

    上国料説明員 お答え申し上げます。  ただいまの御指摘の件は私の所管外の問題でございますので、ちょっと御答弁いたしかねるのでございます。
  149. 大出俊

    大出委員 私のほうは、筑波山の学園都市問題ということで委員部の皆さんにお願いして、所管のわかる方におでかけをいただきたいというふうに申し上げたのでありますが、上国料さんおいで願って恐縮でありますが、私のほうはそういう御連絡を申し上げたので、所管外の方にお見えいただくつもりはなかったのでありますが、国有財産一課の方も関係がないではありません。たとえば、買収したところは一般大蔵省財産になるのかどうか知りませんけれども、そうすると、そこで一体公務員住宅というものはどういうふうにつくるかということの相談にあずからなければおかしいのじゃないかと思うのです。つまり、推進本部なりあるいは首都圏の事務局なりのほうから、こうこうこういうことで買収していく、公団がやっているけれども、ここのところとここのところとここのところは公務員宿舎をつくる法律の関係が出てくるのでそう簡単にいかないというようなことがあると思うが、全くそのほうへ話をしないで進んでいくということになりますかね。ここのところは鶴海さん、どうですか。
  150. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 公務員宿舎の問題につきましては、別に筑波につきまして特例法があるわけでございまして、いわゆる一般原則に返って事業を進めたいと思っております。
  151. 大出俊

    大出委員 そうすると、宿舎法という法律があるから一般原則に返らなければならぬ。そうなると、大蔵省が所管をされるなり何なりしてお考えをいただかないと、人事院など公務員宿舎をつくれと言うだけであって、権限はそれ以上ない。そうなれば、どこかが所管していただかなければならぬのですけれども、どこが所管になりますか。
  152. 上国料巽

    上国料説明員 公務員宿舎の問題につきましては、理財局の総括課というところで所管いたしておるわけでございます。
  153. 大出俊

    大出委員 これは初めからわかっておることでございまして、きょうはお見えいただきませんからよろしゅうございますけれども、実は職員の皆さんの反対だという論点の幾つかの中を見ますと、これは移れといったって、一体ここから筑波山まで移って、野原の何にもないところに何ができてどうなるのか。子供を学校へやるのにどうするのだ。子供だって、町のまん中にいたのがとんでもないところへ疎開させられてしまうわけですから、どうしてもそんなばかげたことはできないということになるわけですよ。ですから、そうなると、これはやはり早くこういうふうにいたしますからという計画を立ててものを言わなければ、それは行く人になればきわめて不安です。計画上行くということがきまっているのでしょう。おりるということがあっても、それは形式だということになれば、行くのだから。そうでしょう。そうすると、行くという人に対して、これは家族の中だって、筑波へ移ってしまうのだなんという話が出るでしょう。そうすると、大学へ行くといったって、今度は筑波から通うのだということになるから、簡単に通えないのですよ。おまけに、先般私が質問するときに、そういうこともあるから道路網なり通信網なりというものを含めてどうなるのだ、担当がきまっているのかと聞いたら、いや町のまん中から人が移っていくのだからバスで通えばいいんだというような調子の話でしょう。そう簡単にはいきませんよ。やはりそこのところは詳細な計画を立てて、こうなるんだということを職員の諸君に言わなければ、その上で賛成、反対が出てくるのはいたしかたがないとしても、そこまでのことはやはり所管省の責任でやっていただかないと、これは納得できないじゃないか、こんなものは国会でぶっつぷしてきてくれという話が出るのはあたりまえだ。むしろ私は当然じゃないかと思う。おまけに農林省だって、この時点にきて、十幾つかあるうちで五つという。五つというのはどこですかと聞いても、どこになるかわからないと言う。それではとてもじゃないが少しひど過ぎはせぬか。移るということになった人の立場からすれば、子供さんが大きくなっていくというのに、将来の計画も立たないということでは困るわけです。そこらのところはどうにかなりませんか。大臣、どうですか。
  154. 坪川信三

    坪川国務大臣 先ほどから、大出委員の非常に建設的な立場からいろいろ指摘された憂慮の点、その他いろいろの論点につきましては、私は深く傾聴をいたしておるような次第でございます。したがいまして、これらの問題に関連いたしましては、私は、やはりさっき申し上げましたような決意でひとつ強く推し進めてまいりたいという高度な問題、また細部にわたる具体的な問題、言いかえますならば、地元側の立場に立っての問題点、また移っていかれる方々の立場に立っての問題点、こういうような点を十分配慮いたしまして、そしてこの国家的な大事業に対しまして、私は、深い決意をもって推し進めてまいりたい。近き将来にいたしましても、私は、閣議その他を通じて各省庁との連絡と協力をさらに強化、密接にいたしたい、こういう心がまえでおることを表明申し上げ、大出議員が御指摘になりましたこまかい配慮の点などは、私は、まことに重大な、また最も適切な、緊急な問題点であろう、こう考えておるような次第であります。また、地元側の立場に立っても、私は、これを早急に決定をいたしてまいり、また具体的な案を政治の上において示して、そして地元側の共感と協力をさらに進めたい。小さい話になりますけれども、私は、建設大臣という責任者の立場から、この問題についてはこまかい点などについても十分動向を配慮していかなければならぬ、こういうような気持ちを持ちまして、国会でまた政治の上においてこれらの点が論議をされた場合には、私は、秘書官に命じましていばらき新聞を取り寄せまして、そして県民の動向がどこにあるか、また要請点がどこにあるかという点までも玩味いたしまして、そして推進をいたしたいという決意でいまおるようなわけでございますので、この点はひとつ御理解願いたい、こう思っております。
  155. 大出俊

    大出委員 設置法にございますように、最近の建設省がやらなければならぬ社会資本の充足という意味等を含めて、大臣は強調されております。私は、歴代大臣大臣訓辞というのをときに触れて読むくせがあるのですけれども、保利さんのときは、ずいぶんそっけないことを言っておられたけれども、坪川さんはだいぶ微に入り細にわたったことを言っておられたと思う。そういう意味で御期待を申し上げる次第ですが、この設置法で、つまり関東地建から始まって幾つかの地建企画部設置しようという意味で、わからないことはないのですが、関東地建仕事についても、私、前にずいぶんこまかく質問したこともあります。だけれども、ものごとをやる計画、企画をやられる立場の方々が、先行きやはり青写真をながめてものを考えるのですから、そこで働く人の立場、働く人の家族の立場を考えて、それを前へ出していただかぬと、そこから問題がもつれてきて、さらに感情的なことになってきてどうにもならぬということになってしまう。ここのところはよほど御配慮いただきたい。たとえば、調整手当なんかの問題でも、尾崎さんお見えになっているからお答えいただきたいのですけれども、時間もありませんが、これだって先般の私の質問に対する答弁をいただいたこの議事録を読んだ方が、国家的大事業だから、調整手当は出せ互いのだけれども何とか先のことを一ぺん検討してみたい、こういうふうに善意で答えられているのだけれども、読んだ人にすれば、筑波の山の中へほうり込まれちゃって将来だめになってしまうのじゃないかということで質問が来る。尾崎さん、議事録にはこう書いてあったけれども、そこがさしあたりは反対だと言っておる。その人も反対の側の人だけれども、私が反対だと言ってもやられてしまうかもしれない、そういうことが心配で電話がかかってくるということです。だから、私とすれば、そこまで心配して質問しておるのだけれども、それが出てくる。将来十分検討すると言っておるものだから、どうなるだろうと言う。だから、まだ先のことだというふうに考えないで、そこらのところは早めに御検討いただきたいのです。  それで、時間がありませんから、人事院の皆さんに暫定手当問題でひとつどうなるかということを検討しておれば承りたいのです。それから、厚生省の方々が、このパンフレットによりますと、厚生省関係の計画、病院、診療所が担当になっておるのです。ところが、いまこれは担当者が一人しかいないのです。ちょっと心配になるのですけれども、ここで何か最近きまっておることがあればお話しいただきたいのです。それから農林省関係が、農地転用の問題と営農の関係の窓口になっておるのです。これも確かに問題のあるところ、かつまた農林関係の移転計画がもう一つある、こういうわけなんですが、通産が公益事業課で電力、ガスの問題の担当窓口になっております。それからあとは工技院計画課の移転計画の問題。それから運輸省の皆さん方は、都市内外の交通の窓口になっておる。郵政省の皆さんは、郵便、電話の窓口、官房文書課が担当。労働省は、ほかの委員会で必要だとおっしゃったので、私はきょうはけっこうですと申し上げましたが、こちらは雇用関係の問題の窓口。建設省は都市計画事業とそれから高速道路計画と公共事業住宅公団の担当、こうなっておりますね。それから建設省河川局が地域内外の河川改修計画というようなものを持っておられる。それから住宅公団の皆さんのほうが宅地事業事業計画課、用地第二課が担当して用地買収及び都市計画、こうなっておるのですね。そのほかに行政管理庁の皆さんに私は一言申し上げておきたいのですけれども、外国の例を見ますと、パリあたりの例からいきますと、非常に計画的に、ジョリオ・キュリーさん御夫妻が研究機関をつくった。そこへ大学を持っていった。パリ大学の理学部みたいなものを持っていってつけてあるわけですね。そうすると、一人の所長さんのところに学生は大体千人、だから一万くらいを見当にものを考えて学生さんを持っていっている。そして先生研究機関のほうと兼務なんですね。ですから、研究機関も共同研究、共同利用の形ができるように全部行政的に組み合わせているわけですね。非常に詳細に検討をして、そういう行政配置を考えている。これは一例ですけれども、たくさんありますが、そういう行政管理という面が一つ頭にあってやっている。むだがないようにずいぶんこれは研究されていると思うのですけれども、そういったところが一枚ないと、何かしらぬけれども、過疎、過密対策の一つが片方にあって、そこに鶴海さんの持論である住民を定着させるんだ、今度は片方では、科学技術振興というんで、研究機関をますます発展させるんだという、それがばらばらになっちゃっているような感じがする。そこをやはり全体的に、総合的に見たらどうなのかという、それこそ総括がなければ、これはやはり新しい研究学園都市はできませんよ。私は北京の研究学園都市を見たこともありますし、ソビエトへ行ってみたこともありますし、パリへ行ってみたこともありますけれども、だから、そこらのところはどうなっているか、まだないでは済まない。  そこで、時間が――いま、本会議の予鈴も鳴ってしまいましたから、皆さんにお答えをいただけないことになるかもしれませんが、そこらは委員長、御配慮をいただきまして、ひとつ大臣なら大臣からなり、鶴海さんからなりお答えをいただきたいと思います。
  156. 坪川信三

    坪川国務大臣 いままで非常にいろいろの面で御指摘になり、また御指導いただいた点、私は非常にいい、貴重な参考――当然の問題ではございますけれども、資料といたしまして、これからこれを踏まえまして進めてまいりたい、こう考えております。まあよけいな発言かもわかりませんけれども、最近横におります首都圏の局長が私のところへ来て報告とか協議というような問題は、首都圏以外にはないというほどまで、首都圏の局長も非常に真摯にこれに取り組んでくれております。したがいまして、私といたしましては、さき申し上げましたような考えを持って各省庁との関係、所管責任者と累次にわたりまして一つの連絡調整会議を推進し、開かしていきたい、こういうようなことでいま数多く御指摘になりました細部にわたる問題点に対する態度を政府としてきめてまいりたい。また責任者である私は先ほど申し上げましたような大所、高所に立っての高度な立場からくる問題点と、きめこまやかな配慮をいたしながらこれを国家の大事業として完成する決意で努力をいたしてまいりたい、この決意を表明申し上げ、いままでいただいた貴重な御意見に対しまして深く感謝と敬意を表し、私の考え方を申し上げた次第であります。
  157. 大出俊

    大出委員 たいへんじみな質問で時間をとって恐縮なんですけれども、前に一ぺん質問をした私の実感で、これは非常に大事なことであるという気がしまして、それで実は賛否云々ということでなくて、現状それ以後どうなっているかというところを実は承りたいと思って質問申し上げたわけなんですが、そこらがわかった上で、実は私自身の判断もしたいと思っております。だから、あらためてまた賛否の上に立ったような御質問を申し上げるようなことになるかもしれないと思うのですが、そういう意味で、いま時間がございませんので、幾つか御指摘申し上げました点で、お忙しいところをせっかくお呼びを申し上げて質問ができなかった各省の御関係の方もおいでになりますけれども、時間の関係でごかんべんをいただいて、できればあとからまた電話なりで聞かせていただきますので、その際お答えをいただきたい、こう思います。  委員長、終わります。
  158. 藤田義光

    藤田委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後一時五十四分休憩      ――――◇―――――   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕