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鶴岡政府委員 それでは、交渉のいきさつ、そして、現
段階におきまして私
どもと
琉球政府並びに
預金者側が合意に達している諸点について簡単に申し上げておきたいと思います。
御案内のように、三十五年の五月に
日本政府が直接
預金者に支払ってよかろうという日米間の合意が成立いたしましたわけであります。ところが、
沖繩側はその際に一円を一ドルで換算をしてくれ、それでないと
支払いに応じないということを申してまいりました。それで私
どもとしては、そういうことではもうどうにも問題にならないといって、これを強く拒否しておりましたわけであります。その次に
昭和四十二年の七月に第二次の要求を持ってまいりまして、その際は一円を六十七セント、
日本円に直しますと二百四十一円でございますが、それに換算して支払えということを言ってまいりまして、われわれといたしましては、これでもどうにもならないという回答でございましたが、ようよう昨年の八月に至りまして、一円を三十六・七セント、
日本円に換算しますと百三十二円でございますが、それに換算して払ってくれ、それができなければ
見舞い金と称するものを五十四億円
——これは
向こうの元金あるいは
保険の責任準備金を一円対三十六セントで換算して、
日本円にすると五十四億円になるわけでありますが、この五十四億円を
預金者代表に一括交付してくれという要望が出されたわけでございます。
それで、これも非常にむずかしい
向こうの申し入れではございましたが、いつまでもこれを放置しておくわけにいかない。御案内のように、逓信
委員会あるいは
予算委員会でも毎年この
沖繩問題が出なかったことはない、早く何とかせよという強いおしかりを受けておったわけでございます。それで、
関係者寄り寄り協議しまして最終的な
解決案として出しましたのが、結局、
法定支払い金と、
見舞い金と、きょう御
審議願っております
貯金会館、この三つの問題につきまして煮詰めをいたしましたわけであります。
法定支払い金と申しますものは、これは
貯金であれば、元金にいわゆる法定の利子、
貯金法上当然つけなければいけない通常の
貯金の利子をこれにつける、そこで
貯金関係で九千四百万の金をそこでは考える、
保険関係は責任準備金を七百五十一万考えるということでございます。この
法定支払い金
——法律上われわれが当然の義務として支払わなければならない金、これは締めて一億一百万、まあ一億でございます。そして、その次に
見舞い金と称するものを考えたわけでございます。もちろんこの
見舞い金という考え方は、ことしあるいは去年初めて出た問題ではございませんで、これは従来とも、すでに第二次要求のころから出ておりまして
——今回の額より少のうございますが出ておりまして、
予算にも年々計上しておったわけでございます。それを、今度は従来よりも少し増額をいたしました
見舞い金を出そうというわけで、その
見舞い金が
貯金、
保険合わせまして四億一千四百万でございます。それが
予算でも認めていただいたわけでございます。そしてその
施設は、先ほど来話が出ておりますように、
貯金から四億、
保険から一億、計五億を出そう、締めて
法定支払い金の一億と
見舞い金の四億と、そうして
施設関係の五億、これでちょうど十億の金になるわけでございます。ただし、
施設関係はこれは
無償貸与でございます。
見舞い金と
法定支払い金は、これは現金で
向こうに払うわけでございます。それで、それにまた加えまして、先ほど
総理府から
説明のありました融資でございますが、融資を三年間にわたって三十億やろう、それで、この三十億を足しますと、結局ちょうど四十億に表向きなるわけでございます。
去年の八月に琉球側がわれわれに要望しました一円を三十六・七セントと申しますのは、金に換算いたしますと五十四億になります。
向こうはもちろんこの五十四億をまるまるくれろということでございましたが、私
どもは表向き
——表向きといいますが、総額は四十億、そのうち
施設の五億と
あとの三十億はこれは貸すのでございますが、そういうことで話がついたわけでございます。別の
ことばで言えば、五十四億の要求に対して四十億ばかりで話がついた、そういうことも言えるかと存じます。それが
解決のいきさつでございます。
資料は提出いたします。