○
小沢(貞)
委員 私は、
民社党を代表して
討論をいたしたいと思います。
党の
態度については、この
NHKの
収支予算、
事業計画、
資金計画、これについて、
前田会長以下、
放送協会の幹部の方、あるいは先般
大臣に
質問をいたしましたが、
問題点が二つ三つあろうと思います。
一つは、
国民の国内問題上の一番大きな
物価政策の中における
NHKの
受信料の位置づけ、こういった
観点からの問題であります。
御承知のように、いま
国鉄料金値上げ等をめぐって
国内世論はたいへん沸騰をしております。そういうのは、
政府の主導によって
物価が上がるんだ、こういう印象を
国民が受けていることは当然であります。
NHKの
料金もまた
公共料金の
一つであります。
NHKの存在もまた
国民とともにあるべきであります。したがって、
NHKとしては、今日置かれたところの
国民のこの
立場を理解をして、最善を尽くして
受信料を下げることに
努力をしていただかなければならないのではないか、こういうふうに
考えます。特に、
大臣の
新聞談話等にもありますように、
大臣の所管する
郵便貯金は、普通ならば三%、多くて五%、こういう利子であります。それを、
物価は
政府の
計画においてさえ五%、現実にはそれをこえるんではないか、こういうことが見通される今年の
経済状況にあるわけです。こういうときにあっては、不可能を可能にするような
努力をもって
公共料金の
引き下げに
政府は力をいたさなければならない、こういうように
考えるわけであります。
そういう
観点からことしの
収支予算、
事業計画、
資金計画等を見るならば、私は、次のような三つ、四つの
観点から、できるならばやはり
料金を
引き下げて
収支予算を出すべきだ、こういう
観点に立っておるわけです。
一つは何かというと、
カラーの
受信者の
伸びであります。昨年も
予定をこえました。おそらくことし百十万がさらにこえるであろう、
料金の高い
カラーの
受信者は
計画を上回って
伸びるであろう、そういう点が第一点であります。
第二点は、四十二年からの
繰り越しもありました。四十三年度決算においては
予算よりもさらに
繰り越し金が多いであろう、こういうことは三月現在において想定されるわけであります。したがって、ことしの
予算というものは、四十三年からの
繰り越し金を含めて
余裕ができるのではなかろうか、これが第二点であります。
第三点は、私はかねがね申し上げておりますが、いかなる公共的な
企業においても、将来の
受益者から
建設費というものはまかなうべきだ、こういう基本的な
観点に立っております。しかるに、現在の
受信者から将来受益するための
建設費が出されるということについては、私はこれはたいへん不満であるわけであります。
次に第四点としては、
一般の税金と違って、
受信料というものは、何千万という
所得者もあるいは
生活保護に近いような人も一律に
料金を取られる、こういうところに私は大きな意義があろうと思いますので、できるならば、わずかな額でもよいから
国民に
引き下げの
効果を与える、こういうことが必要ではないか、こういうように
考えまして、いろいろ
検討したところが、ことしの
予算の中から、
カラーテレビは四百六十五円を四百四十円くらいに、
白黒三百十五円が三百円くらいに、こういうように
引き下げ得るであろう、数字的にも
事業計画を変更することなくそれが可能である、その
収入減は約四十億円で、五%弱であろうと思います。これは十分まかなえるだろう、私はこういう見通しをつけたわけであります。
さて、しからば、それについて
国会は
放送法に基づいてこの
予算の
修正権がありやいなや、こういう問題になると、たいへん問題を含んでおるように私は感じます。
衆議院法制局はできそうでもあり、できるということになっても、
国会そのものがそういう
事務的機能というものがあるかいなか、こういう問題になると不可能に近い、こういう問題になってくるわけであります。したがって、そういう
立場からこの
予算案を
検討すると、否決をしてしまって、
国会の意思に基づいて
NHKが再
提出をする、こういう
過程を経なければならないようにも感ぜられるわけであります。そういう場合になってくると、すでに三月半ばも過ぎまして、四月一日からの
NHKの
事業の運営に大きな支障を来たすというような点を考慮いたしまして、私が日ごろ
考えておりますところの、
カラーの
受信者が
伸びたならば
料金を
引き下げる、こういうことが
附帯決議に織り込まれたという点と、
NHKばかりでなく、
一般民放も農村や僻地に行けば難
視聴地帯がたくさんあるわけでありますが、そういうことに対して
政府が特段の力をいたす、こういうような問題について特に
附帯決議に盛り込むことができましたので、この際は次の二点を
要望いたします。
一つは、ことしの
カラーの
受信者が
伸びたならば、来年度は、ぜひとも五%
程度受信料を
引き下げるように強く
要望する、それが第一点。第二点といたしましては、先ほど来いろいろの角度から
討論がありますが、一九七〇年の前年であります。
国民の
放送としての
NHKは、国家的な目標、
国民的な合意、こういうものを求めて
会長以下が
努力をされる、この二点を強く
要望をいたしまして、
民社党を代表して私は
賛成をいたしたい、こういうように
考えます。
以上をもちまして、
討論を終わります。