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1969-08-27 第61回国会 衆議院 地方行政委員会 第58号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十四年八月二十七日(水曜日)     午前十時五十三分開議  出席委員    委員長 鹿野 彦吉君    理事 大石 八治君 理事 保岡 武久君    理事 山口 鶴男君 理事 山本弥之助君    理事 折小野良一君       青木 正久君    桂木 鉄夫君       亀山 孝一君    吉川 久衛君       渡海元三郎君    井岡 大治君       太田 一夫君    野口 忠夫君       細谷 治嘉君    依田 圭五君       門司  亮君    小濱 新次君       林  百郎君  出席国務大臣         自 治 大 臣 野田 武夫君         国 務 大 臣         (内閣官房長         官)      保利  茂君         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)      床次 徳二君  委員外出席者         人事院総裁   佐藤 達夫君         人事院事務総局         給与局長    尾崎 朝夷君         総理府人事局長 栗山 廉平君         警察庁長官官房         長       浅沼清太郎君         警察庁刑事局長 内海  倫君         警察庁刑事局保         安部保安課長  小野島嗣男君         警察庁交通局長 久保 卓也君         建設省河川局長 坂野 重信君         自治省行政局長 長野 士郎君         自治省行政局公         務員部長    鎌田 要人君         自治省財政局長 細郷 道一君         自治省税務局市         町村税課長   高橋 睦男君         日本専売公社副         総裁      佐々木庸一君         日本専売公社総         務理事     黒田  実君         専  門  員 川合  武君     ————————————— 八月八日  委員山中貞則君辞任につき、その補欠として岡  崎英城君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 八月五日  一、地方自治に関する件  二、地方財政に関する件  三、警察に関する件  四、消防に関する件 の閉会中審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  地方自治及び地方財政に関する件(地方公務員  の給与改定に関する問題等)  警察に関する件      ————◇—————
  2. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 これより会議を開きます。  地方自治地方財政警察及び消防に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大石八治君。
  3. 大石八治

    大石(八)委員 人事院勧告がなされたわけでありますが、新聞等によれば、まだ政府自体、この勧告に対して、私ども知っている段階では、今日それをどういうふうに具体的に措置するかということは、まだ最終的決定になっていないようでありますが、総務長官等にもお伺いしたいのですが、まだ見えておりませんので、閣議においてこの問題をいまどういうふうな方針で処理しようとしているのか、その状態について、閣僚の一人である野田自治大臣にお伺いしたいと思います。
  4. 野田武夫

    野田国務大臣 いまお話がありましたとおり、八月十五日に人事院勧告がなされたのでございます。政府としては直ちに給与関係閣僚会議を開きまして、その内容検討に入ったのでございますが、昨年と違って、だいぶ昨年よりも相当の率が上がっておるわけでございますし、これらの財源問題もございますので、直ちに慎重にこれを考慮して政府態度をきめたいというので、第一回の給与閣僚会議を開いたのと、まず一応事務的な検討をし、さらに回を重ねて政府態度をきめるというので、まだ今日の場合、政府態度決定いたしておりません。
  5. 大石八治

    大石(八)委員 いままでのやり方から類推をすれば、人事院から勧告された引き上げ率といいますか、ここの場合でいえば、一〇・二%という問題については、あまり今度の場合も、政府もそれほどこうするということはないんではないか。したがって、その実施時期をどうするかということが実は話題だろうと想像をするわけであります。その点は、そういうふうな考え方が大体政府のいまの方向というふうに考えていいかとも思うんですが、その点はどうなんですか。
  6. 野田武夫

    野田国務大臣 大石委員も御承知だと思いますが、一応昨年の人事院勧告に対して政府のとりました処置、いわゆる七月実施、しかもそのアップ率八%、そこで本年出されました人事院勧告に対して、あらかじめの予想はいたしておりませんでした。昨年程度のものであるか、またそれを上回るかということが第一。したがって現在財政的な措置としては、昨年と同様な意味で対処したい。一応そういう意味財源処理を考えておったのでございますから、今後、いまお話のありましたように、アップ率も昨年より高くなったのと、それから実施の時期もこれは新たな考慮をするというようなことでございまして、これらを勘案しますと、相当財源というものに対しての措置をしなくてはならぬというのでございますから、きわめて慎重な態度をとって、そして最後決定をしたいというような現在の段階でございます。
  7. 大石八治

    大石(八)委員 野田国務大臣の話を聞くと、その引き上げ率にしても、まだ方向的にあまりはっきりしていない、慎重だという表現であり、ましてやいつから実施するということについては、さらに慎重なような態度で、はなはだおもしろくない感じがいたすわけでありますが、お配りをしていただきましたいまの資料で、五、六、七の時点でやるという場合は、この資料数字は、一〇・二%のアップの場合の数字というふうに考えてよろしいでしょうか。
  8. 野田武夫

    野田国務大臣 人事院勧告が一〇・二%、私は少なくとも閣僚の一人でありますから、政府全体のお答えができないのを非常に——現在決定いたしておりませんから、そこはひとつ御理解を願いたい。しかしいまお配りしました基本的な数字は、一〇・二%といういわゆる基準をもっての財源でございます。
  9. 大石八治

    大石(八)委員 そこで伺いたいわけですが、現在の地方財政計画プラス現状、つまり全体的に地方税その他の増収その他等、いろいろ見込まれた場合の問題から考えた場合に、七月なら実施できる。いまの状態ですね。たしか八・何%含みで七月ということで、いまの財政計画はできているのではないかと思うのです。しかし事実は、それより自然増収その他等もあるのではないかというふうに想像されるわけでありますが、この一〇・二の上昇率で、いまの地方財政事情という場合には、一体特別の措置をしなくてもでき得る限度というものは、どこらまでができるのか。それはわれわれがたとえば国家公務員の問題をやる場合にも、同時にそれは国家公務員に準じて地方公務員を行なうわけでありますが、現に地方財政事情の中での場合は、どこまでなら一体実施されるかという見通しについて、少し財政当局を交えて見解、見通しをお伺いいたしたい。
  10. 細郷道一

    細郷説明員 御承知のように本年度地方財政計画では、年度内追加需要見込み額として、給与改定分を含めまして千百億の財政計画をつくっております。そのうち九百五十億、ちょうど昨年のアップ率と昨年の実施月に要した額九百五十億について交付税措置を現在いたしておるわけでございます。したがいまして、九百五十億でまいりますと、今回の給与改定は九月あるいは十月以降分しか用意がない、こういう見方もできるかと思っております。したがいまして、今後これを何月実施にするかということにつきましては、それぞれいまお配りをいたしました資料所要額と九百五十億との差額が財政的に必要である、こういうことになるわけであります。これらの財源をまかないますには、一つには歳出の面でのやりくりができないかどうか、それから一つには歳入の面で自然増収というようなものが見込めるかどうか、そういったようなことをあわせて考えてまいらなければならないと思っておりますが、何ぶんにもそのうち大きな要素として期待されます自然増収の面につきましては、まだ十分な見通しを持ちかねておるわけでございまして、そういった点について、なおもう少し時期の推移を見ながら検討すべきものであろう、かように考えております。
  11. 大石八治

    大石(八)委員 前年度の場合にも多少そういうことがあったと思うのですが、今度の場合にアップ率がある程度強いという問題もありまして、財政措置が国の中で全体として行なわれるのでなければ、地方団体の場合はかなりたいへんではないかと私は実は思うのです。もちろん国家公務員地方公務員が区別されるということは私どもも全く想像し得ないわけでありますけれども、この長い間の完全実施という要求と、特にことしの事態というものは、それを実現するのに必ずしも楽な条件がことしは特にあるというふうには思えないわけでありますが、この点について、地方公務員のいわゆる人事院勧告実施ということについて、特にこの際自治大臣決意というものを実は伺いたい。完全実施ということが前々から叫ばれており、いままででいえば一月ずつは少なくも前進した。ですからことしの場合はそれが期待——ということではありませんけれども、少なくとも六月というようなことはいままでの推移からいえば当然考えられるべきというようにも思いますが、そういう場合に、この数字でいえば相当の新しい財源というものが所要されるように見込まれているわけです。  これらのことに関して、重大な問題でありますから、自治大臣決意をひとつここで披瀝をしていただくということをお願い申し上げまして、私の質問は終わりたいと思います。
  12. 野田武夫

    野田国務大臣 従来から政府のとっております態度というものは、いわゆる給与改正にあたりましては人事院勧告を尊重するというたてまえをとっております。これは御承知のとおりでございます。私も大体同様な考え方を持っております。そこでいま御指摘になりました完全実施ができるかどうかという問題が一つ残っております。そこで、先ほどお尋ねになりましたときは政府態度ということでございましたから、私がかってに、まだきまらないことを政府全体を代表してお答えできないので、私自身の考え方を申し述べるのを避けておりましたが、いま私の意向はどうかということでございました。いま申しました、できるだけ人事院勧告を尊重したいという考え方は、私は終始一貫いたしております。しかし、これは御承知のとおり地方公務員給与というものは国家公務員給与に準ずるということで、大体これも御理解願えると思う。そこで国家公務員給与がどうなっていくかということが、一つやはり地方公務員給与をきめる場合の前提である。それから第二は、同時にいま御指摘になりましたように、今度の勧告相当アップ率が高いのでございますから、まあこれを実施する場合にどういう決定を見るか知りませんが、財源につきましては相当苦しい立場を持っていることも御指摘のとおりでございます。しかし私はいま前段に申しましたできるだけ人事院勧告を尊重したいという考え方と、同時に国家公務員給与がどうきまるかということに見合わせまして、その結果におきまして地方公務員給与も、財源難で苦しいのでございますが、何とかそこはひとつ財政処置を考えまして、国家公務員給与体制決定いたしますれば当然これに準じてやりたい、こう考えております。
  13. 大石八治

    大石(八)委員 その場合に、実は地方団体において現状は非常にむらがあると思うのです。あるいは国家公務員水準より上にあるような実績を持っている団体もあるだろうし、ベースアップが必ずしも国家公務員上昇に応じて行なわれなかったという地方自治体も事実としてはあると思うのです。今度こういう一〇・二%という問題をいずれにせよされるのではないかと思うのですが、そういう場合に、そういうむらのある状態に応じて自治省というのは自主的にいわゆる財源計算という問題で具体的に措置することもしなければならない。同時にそういう上下、低いほうについては特にそうだろうと思うのですけれども、そういうことについてある程度積極的な指導が行なわれなければならないという感じが実はいたす。だんだんそうなってくると、ますます開いてくるところは開いてしまうというふうなことが起きるのではないかと思うのですが、そこらについて適切な措置を私はもうしていかなければならぬのじゃないかというふうに思いますが、この時点自治省責任者としてどういうお考えであるか、お伺いいたしたい。
  14. 野田武夫

    野田国務大臣 ただいま大石委員の御指摘になりました地方公共団体によって給与体制が違っているのは事実でございます。最近、四十三年の給与実態調査をいたしましても明らかでございますが、都道府県とか六大都市というものは相当国家公務員給与よりもベースが高い。これに引きかえて町村給与体制というものは低い。非常なアンバランスになっております。そこでこの間はやはり、自治省といたしましては、高いほうにつきましても相当調整の必要があるのじゃないか、同時に、もっと注意すべきことは、低いほうに対しましても当然これは調整して水準を上げていくということにつとめなくちゃならぬ、こういう考え方を持っております。
  15. 鹿野彦吉

  16. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 人事院勧告と、この人事院勧告に対します政府態度につきまして、若干お尋ねをいたしたいと思います。  まず最初に人事院総裁お尋ねいたしたいと思うのですが、ことしの勧告内容についてでありますが、ただいま大石委員の御質問に答えまして野田自治大臣が、大型勧告であったというようなことを言われておりますが、しかし私はこの官民格差を解消する、そういう立場から人事院勧告がなされるということを考えました場合に、今回の勧告がはたして完全に官民格差というものを解消しているかどうかということにつきましては、若干の疑念を持たざるを得ないのであります。  まず第一にお尋ねしたいと思いますが、昭和四十三年における経済成長率、名目でありますが、これは一八・三%に達しておるわけであります。しかもこのような情勢を受けましてことしの春闘が行なわれまして、その中で民間賃金は、政府の発表によりましても、一五・八%上昇したということになっておるわけであります。この中には当然定期昇給分が入っているわけでありますから、公務員と比較いたします場合に、公務員定期昇給分四%を除くということになれば、機械的にこれを計算すれば一一・八%というものが残るわけであります。もちろん暫定の繰り入れ分その他がありますから、それを若干下回ることも考えられるわけでありますが、しかしそれを考えましても、今回の一〇・二%という勧告は、民間のいわば春闘相場民間賃金上昇率に比べて明らかに低いのではないか、官民格差はこの勧告をもってしても解消されないのではないか、かように考えざるを得ないのであります。この点について人事院総裁の御答弁をいただきたいと思います。
  17. 佐藤達夫

    佐藤説明員 何もかにも立ち入ったところまで御承知の上での御質疑でございますから、私のお答えもだいぶん簡略にできることになります。  申すまでもございませんが、この春闘相場というのがどういう調査によって行なわれたかは私どもつまびらかにいたしませんけれども、御承知のように、私ども調査は、四月中に支払われた賃金というものを、七千の事業所について、五十万人の従業員一人一人に当たりまして、そうして四月中に幾らもらったというカードを集めてこれを集計し、片や公務員側の四月現在における給与を集計いたしまして、これを突き合わせてその格差を求めるということになるわけでございまして、私どものほうの計算は、その意味では非常に精密な計算であると、これは自信を持っております。したがいまして、一〇・二という格差が出ましたが、これは大型、小型というのは相対的の問題でございますから、いろいろ見方はありましょうが、私どもとしては適正なる格差であり、そうして今回の勧告はこの官民格差を埋める、完全に埋め得るものという確信を持っております。ただし埋めると申しまして、五月にさかのぼっていただきませんと埋めたことになりませんから、そのほうはよろしくお願い申し上げます。
  18. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 最後のくだりにつきましては、佐藤人事院総裁政府あるいは与党であります自民党その他の幹部にお会いをいたしまして、きわめて御熱心に五月実施を説いて回られたというお話でございまして、その点は多といたしたいのでありますが、ただ、この一〇・二%が完全に格差解消になるかという点につきましては、私ども納得できません。理由はいろいろあるわけでありますが、五千六百六十円という金額を算定された、そうしてこれは五万五千七百六十一円の一〇・一五%に当たる、俸給表改定分につきまして八・七%、諸手当につきまして〇・九一%、それからその他はね返り分として〇・四七%、合計いたしまして一〇・一五%、こういうわけでありますが、これが勧告になりますと五万五千百六十五円の一〇・二%に当たるということで、一〇・二%という形の勧告になっておるようでありますが、この五万五千七百六十一円からなぜ五万五千百六十五円と対象が移りましたのか、その点も私ども疑問でございます。  さらに、従来からしばしば問題になります、この四月に妥結をいたしました民間賃金改定額につきましては調査で明確に出るわけでありますが、五月、六月になって妥結をいたしまして、四月にさかのぼって実施をされたいわゆる春闘積み残し分の計算につきましては、従来から内閣委員会におきましても、また当地方行政委員会におきましてもしばしば議論されたところであります。今回の内容を拝見いたしますと、依然としてこの五月以降に妥結し、四月にさかのぼって実施した事業所、これを簡単な算術計算をいたしまして計算をし、千八百六十二円という金額をはじいておるようでありますが、これにつきましても、私ども前々から、算術平均ではなしに加重平均をすべきではないかということを指摘をいたしてまいりました。今回も依然として同じ方式のようでありますが、そこにも疑問がございます。そういう意味では、先ほど申し上げたように、今回の勧告をもってしてはこの民間賃金春闘による上昇分というものを十分見込んでいない、こういわざるを得ないと思うのでありますが、ひとつ簡単にこの二点につきましてお答えをいただきたい。
  19. 佐藤達夫

    佐藤説明員 前段お尋ねは、一〇・二と大まかに発表しておりますけれども、ただいまおことばにありましたように、一〇・一五というのが正確でございます。ただしそれを繰り上げて一〇・二と申し上げているということだけを御了承を願っておきたい。  それから春闘の積み残しの問題は、これは毎回おしかりを受けて、われわれとしてはおしかりを受けるのが筋違いと実は思うのでありまして、春闘スケジェールについてお打ち合わせがあってのことであれば別でございますけれども、これはどうも全然われわれの手の届かぬところでスケジェールがきまって、そしてこれが近年おくれぎみになっておるということでございまして、われわれがそれに対応する対応のしかたということは、結局われわれの判断の問題になってくるわけで、したがって、数年来、できるだけこの積み残しを翌年に持ち越さないようにということで努力をいたしました結果が、ことしの場合でとられました三・四%ということになるわけであります。しかしこれは、申すまでもありません、われわれの正式の、四月現在において支払われたものをつかまえてのこまかい内容ではございませんからして、これは大まかなとらえ方といわれてもやむを得ません。ただし、これが大まか過ぎるかどうかという問題は、翌年度勧告の際に御発表申し上げます官民格差によってこれが精算されて、見込み違いがあったかどうかはわかりますが、従来の実績からいうと、なかなか適正にこれは当たっておったという自信を持っておるわけでございます。ただしこれは三・四が、今日のところではよろしゅうございますけれども、またまたこれがおくれまして、この数字のほうがどんどんふえるようになりましたら、これはまたこのわれわれの調査そのもの正確性に影響してまいりますから、それは考えなければならないと思いますけれども、いまお話しのように、いまやっているような大ざっぱでなしに、もうちょっと精密な立ち入った計算をすべきではないかというお話は、これはとうてい不可能でございます。それをやるということになれば、やっぱり調査時期をずっとずらして六月か七月に調査をする、あるいは春闘をもっと繰り上げていただいて早目にやっていただくか、どっちかであろうと考えております。
  20. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 人事院総裁はしばしば、春闘を繰り上げてやってもらえばありがたいというようなことを言っておられるのでありますが、そういうことはいわば所得政策の一環にもなって、当然労使双方賃金について決定すべきものに対して、政府が時期をいつにせよというようなことはやはり言うべきではないし、またいかがかと思いますので、その点はひとつ御注意を申し上げておきたいと思います。  結局、今度の勧告は正確にいえば一〇・一五、しかし新聞等では一〇・二と、この切り上げたほうが出ておりますものですから、何か一〇、二%かのごとき印象が国民にありますが、やはり正確にいえば一〇・一五の勧告であるということは明らかになりましたので、その点はこの際明確にいたしておきたいと思います。  春闘積み残し分の問題につきましては、たぶん昨日内閣委員会でも議論があったと思いますから、これ以上申し上げるのはやめます。ただ、計算のしかたにつきまして、従来から私ども考え方を申しておったわけでありますが、この点は依然として私どもはそういう主張を持っておるということをひとつ御了解をいただきたいと思います。  次に、それでは少し中身に入ってお尋ねをしたいと思うのですが、この勧告最後に、年齢階層別に見た官民給与格差の傾向、民間における昇給実情等事情を考慮し、一定年齢を越える高齢職員給与制度のあり方について検討することとしている、こう書いてあるわけであります。実は第六十一国会では、地方公務員定年制の問題につきまして衆参両院でいろいろ議論がございました。結果的には審議未了、廃案になったわけでありますが、今回あえてこういうことを勧告に入れました人事院真意というものは一体どういうものか、お尋ねをしたいと思うのです。定年制はやめになったが、そのかわり給与のほうで高齢者給与は押えるというような形で、いわば江戸のかたきを長崎でというようなことでは私は困ると思うのでありますが、その真意についてひとつお聞かせをいただきたいと思います。
  21. 佐藤達夫

    佐藤説明員 定年制に触れてのお尋ねでございましたけれども、この問題は定年制とは全然関係のない単純なる給与技術上の問題としてわれわれはつかまえておるわけであります。したがって、定年制には全然関連のないことで、これが定年制肩がわりであるとか、あるいは定年制の布石であるとか、そういうふうにごらんいただくことは、全然われわれの意図とは違うことでございます。  なぜこういう問題をここで提起したかということを簡単に申し上げますと、要するに私ども例年、先ほどのような民間調査をやっておりますけれども、これを格差の問題として、あるいは給与実態の問題として年齢階層別民間公務員側と比べてみますと、高年齢の者については公務員側のほうが非常に高くなって、民間のほうが非常に低くなっている。これは定年制の問題を抜きにしての話。と申しますのは、民間昇給制度そのものを見ますと、一定の高年齢の人については全然昇給なしというのが企業体で三一%あるわけです。それから昇給額はだんだん減少しておるというのが五〇・三%、この大多数のパーセンテージは、高齢者に対する昇給の取り扱いを明らかに区別している。これに対しまして、昇給額は変わらぬというのが一八・二%ということになっておりまして、そういう点に着目いたしますと、私どもすべてについて民間との比較をやっております立場から申しますと、昇給制度そのものについてもやはりこれは考えなければいけない。昇給制度というものは、御承知のようになぜ昇給の制度があるかと申しますと、結局はその当人の能力が年数を経るに従って向上していくというような面と、それからまた年数がたつにつれまして本人の生計規模というものもだんだん拡大していくであろうというようなことから昇給制度ができておると思いますけれども一定の高年齢者になりますと、そういう面の条件がよほど違ってきやせぬかというような面も筋論として当然出てくるわけでございまして、高年齢者についての昇給のあり方というものは、給与問題だけの視野から見てこれはやはり解決すべき当面の事項だろうということで問題点を指摘いたしまして、そしてできればわれわれも今後検討を急ぎまして、早く成案を得たいという気持ちでおるわけでございます。
  22. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 定年制の問題とは別個である、民間高齢者給与実態がそうであるから検討されたい、それが真意だ、こういうお話であります。それに関連してお尋ねしたいと思うのですが、いま民間の高年齢者の昇給がないというのが三一%というようなお話がございました。それから五〇・三%というような数字お答えになったわけでありますが、五〇・三%という数字が大多数であるという考え方をおとりになりました場合に、住宅手当の問題は一体どうなるかということをお尋ねしたいと思うのです。人事院が御調査になりました住宅手当の民間普及率は四六・二%、それから公務と類似する転勤があって、しかも住宅施設を持っておる事業所の普及率は五九・二%に達しているということですね。とすれば、この高年齢者の給与実態の状況五〇・三%というものを押えて、そしてこれを大多数として高年齢者の給与制度のあり方について検討するということならば、住宅手当につきましてもすでに五九・二%あるいは四六・二%という数字になっておるならば、当然今回の勧告でこの住宅手当について勧告があるのが至当ではないか、かように考えるわけであります。その点をお答えいただきたいのでありますが、総務長官の時間の関係があるそうでありますから、総務長官にお尋ねをいたしたいと思います。  給与担当の大臣として総務長官にお尋ねしたいと思うのですが、本年の一月二十八日でしたか、給与関係七人委員会で、昭和四十五年には人事院勧告完全実施するということを御決定になっているはずであります。そういった給与関係七人委員会決定があります以上、当然ことしは、昭和四十四年であります、ですから従来の経過からいきますならば、私は、昨年のような状況は絶対に許されるべきではない、五月実施完全実施に踏み切るか、ないしは大まけにまけたとしましても、少なくとも六月実施ということは、当然政府としてはすべきではないか、そうでなければ本年一月二十八日の決定に相反することになるのではないか、かように思います。したがって、この人事院勧告に対して政府は一体完全実施するおつもりであるのかどうか、実施の時期を一体どうするつもりなのか、お答えをいただきたいと思います。  それからさらに、昨年は八月閣議決定をいたしました。本年はこの人事院勧告の取り扱いに対する閣議決定は一体どのような時点で行なう御予定でありますか、あわせてひとつお答えをいただきたいと思います。
  23. 床次徳二

    ○床次国務大臣 政府といたしましては、人事院勧告に対しましてはこれを完全実施するということを基本方針といたしまして、従来から努力をいたしておるのでありまして、したがって、本年度の予算を計上いたします際におきましても、特に従来にない給与改善費というものを五%組みました。なお残余は予備費によって処理するというたてまえをとってまいったのでございます。なお、ただいま仰せになりましたごとく、昭和四十五年にはぜひ完全実施をいたしたいものだということも考えておったわけでございます。  今回、八月十五日に勧告を受けましたが、先ほど以来お話がありましたが、勧告数字相当高いのでありまして、現在計上しておりますところの予算の数字等々考慮いたしますると、なかなか問題が含まれておるわけでございます。なお今日のわが国の国民生活の状態とか、あるいは財政経済の情勢等から見まして、いろいろ問題もございますので、ひとつ十分慎重にこの点は結論を出そうではないかという考え方を持っておるのでありまして、十五日の日に関係閣僚集まりまして意見を交換いたしましたが、ひとつ十分慎重にやろうということになりました。昨年は八月の三十日に決定を出したわけでありますが、今日そういう検討すべき要素が非常にたくさんあるし、なお政府といたしましては完全実施の方針に向かって最善の努力をするということを申しておりますので、この点なかなか簡単には結論を出し得ないのであります。   〔委員長退席、大石(八)委員長代理着席〕  なお、わが国のいわゆる税のほうからだけ申しましても、税収の状況を見ますにいたしましても、今日は時間をなおかけなければ見通しも得られないという状態でありますので、この点は、結論を出します時期は、昨年から見ますと、私は相当おくれて決定いたすことになると思っております。  いずれにいたしましても、基本的な方針といたしましては、十分に勧告を尊重いたしまして、そうして完全実施のほうに近づけていきたいというのが基本方針でございますので、これに向かってなお最善の努力をいたしたいと思います。
  24. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 もう一点お伺いいたしますが、完全実施を目標として努力をする、こういうお答えでありますが、御答弁の中で、税の検討をしなければならぬ、こういうことをおっしゃられました。税の検討をするということは、当然補正予算というものを前提にしなければ、税の検討云々というおことばは出てこないと思うのです。したがって、現在の国家公務員地方公務員、いずれも七月から五%の給与改善費が計上されており、その上に予備費が若干ございますので、一応七月から八%の勧告実施するに必要な経費は、国家公務員地方公務員につきましても、国の予算、地方財政計画、両方に組み込まれておるわけですね。ところが今度の場合は一〇・二%正確にいえば一〇・一五%でありますが、それを実施するのには、七月実施するにおいても、当然経費が足らないということだと思うのでありますが、そういう意味で、当然補正予算を組まなければならぬ、税の検討もしなければならぬことだと思うのでありますが、補正予算を組むという前提に立って、この給与の扱いについては検討しているというふうに了解してよろしゅうございますか。  それから次に、閣議決定の時期につきましては明確な御答弁がなかったと思いますが、おおむね九月あるいは十月、いつごろ政府としての閣議決定をなさる御予定でありますか、あわせてお答えいただきたい。
  25. 床次徳二

    ○床次国務大臣 補正予算をするために税の検討をするというわけでありませんので、税の税収等の問題もやはり検討すべき問題であるし、なお補正予算を必要とするかどうかということに対しましても、これは検討事項だと思います。今年の給与の取り扱いにつきましては、検討すべき問題点が非常にたくさんあるわけでして、そういうことをひとつ慎重に検討して、最も適切なる結論を出したいと考えておるわけでございます。  なお、時期といたしまして、これはむしろ官房長官から申し上げるべきだと思っておりますが、ただいまのような要素がありますので、結論が出てまいりますのも相当おそくなると思うのでありまして、昨日木村副長官は、九月の末か十月ということを一応見通しとして申されたのでありますが、政府といたしまして、まだはっきりといつになるかということにつきましては、今後の審議状態を進めてまいらなければ、見通しを今日から申し上げることは困難ではないかと思っております。
  26. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 総務長官、けっこうです。  ただ、七月から八%の勧告実施するのに必要な財源措置しか国家公務員についても地方公務員についてもない、勧告は一〇・一五%である、そして税収の検討もするということは、これは補正予算というものを組まなければ、政府として検討のしようもないということになるわけでありまして、その点は総務長官のお話は、いわば語るに落ちるといいますか、そういうことじゃないかと、こう私どもは理解しておきたいと思います。  次に、人事院総裁お尋ねしたいと思いますが、先ほど住宅手当の問題をお尋ねしましたから、お答えをいただきたいのが一つと、それから正確を期するということを先ほど来から非常に強調なさったわけでありますが、特別給につきまして、民間の特別手当が非常に伸びまして、〇・一八カ月分の格差が生じておるわけですね。人事院調査もそう出ておられる。そうするならば、当然期末手当の増額につきましては、〇・一カ月というようなことではなしに〇・一八カ月分ないしは切り上げまして〇・二カ月分という形で勧告すべきではなかったかというふうに思わざるを得ない。正確を強調されるならば、なぜ〇・〇八カ月分というものを切り捨てられたのか、この点あわせてお答えをいただきたいと思います。
  27. 佐藤達夫

    佐藤説明員 住宅手当についてお尋ねでございますが、五〇・三からそこへ持っていかれまして、たいへん敬服いたしたのでございますが、私が申し上げましたのは、五〇・三は、これは昇給額が減るというのが五〇・三でございまして、そのほかに昇給なしというのが三一%ございますが、これは別問題とさせていただきたいと思います。  いまの住宅手当の問題自身は、これはもう公務員諸君の要望も非常に熾烈であるということも十分承知しておりますし、さればこそ、私ども毎年この住宅手当に関しましては、しつこいくらいに調査を続けてまいっております。そしてその。パーセンテージの上がりをにらんできておりますけれども、ただいまおことばにありましたように、まだ遺憾ながら五〇%台には達しておらぬ。これが圧倒的多数に達したならば、ほっておくわけにいかないという気持ちを持っておりますけれども、かたがた私どもの痛感いたしますのには、公務員宿舎に入っている人と入っていない人とのアンバランスというのは、これはどうしても解消すべきだろうという面が一方においてございますから、これはこれとして、数年来公務員宿舎の増設、拡充を強く政府にお願いいたしまして、幸いにしてこのほうはだんだんと拡充を見ております。そして、いわゆる上の人ばかりではなしに、だんだんと一般の人たちまで入居が及ぶという方向に進んでおりますので、そのほうの努力と双方あわせて今後も臨んでまいりたいという気持ちを持っております。  それから、第二点の特別給は、これは一応ごもっともな御指摘であろうと思います。普通の給与の場合であれば、〇・一八というのは、これはまあいろいろ、繰り上げその他の四捨五入関係等も考えられるわけでございますが、この特別給の場合は、これは申すまでもございませんけれども、その年の業績によって民間のボーナスの額というのはきまるわけでございます。したがって、これは固定的のものではない。景気が非常に悪くなれば、民間の特別給は当然下がるという浮動的なものでございます。ところが、私どものお預かりしております給与法のたてまえでは、そう浮動的なものとしてこれを扱うわけにもいかない、やはりある程度固定的なものとして扱っていかざるを得ないということでございますから、いまの端数の切り捨ての措置も、そういう面から見ますというと、やはり穏当な措置であろう。逆に、今度民間のほうが下がりました場合に、それに応じて一体これを切り下げるかということもあわせて考えました場合には、こういうことでいったほうが安全であろうというような率直な気持ちで臨んでおるわけでございます。
  28. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 特に公務員宿舎に入っております方と入っていない方との間に著しい格差があるということを申されました。私は、ここは地方行政委員会でありますから、特に地方公務員のことを問題にしたいと思うのでありますが、国家公務員地方公務員との間にいろいろ問題がありますが、特に私は地方公務員の場合は、公務員宿舎に入っておるというような方は、これは非常に少ない。それが現実だと思うのです。公務員部長さんもおられるから、給与実態をいろいろ調べておられるから、あとでお答えをいただければいいと思うのですが、住宅に関しまして、公務員住宅に入っております国家公務員の比率と地方公務員のその比率とは非常に格差があると思うのですね。そうしました場合、特に地方公務員は住宅手当についてはさらに勧告の必要があるのじゃないか。それから、通勤手当についても同様だと思うのです。通勤手当につきまして、今度若干改善をいたしまして二千四百円を二千八百円、それから全額支給をこえる額につきましては千二百円を千四百円、若干是正はいたしましたが、しかし、地方公務員の場合は、バス等を使いまして相当多額の通勤費を現実に支払って通勤しておるという方がありますし、さらにバイクでありますとか自転車で通勤をされる方がありますが、国家公務員の方は、特にこの霞が関かいわいにつとめておられる国家公務員の方で、バイク、自転車でお通いになるという方は、私はほとんどないと思うのでありますが、地方公務員の場合は、バイク、自転車でもって通勤をするという方が非常に多い、これも現実だと思うのです。そういう点は当然、人事院総裁国家公務員給与について勧告をなされるのでありますが、地方公務員もそれへ右へならえするのが現実の姿です。そうしました場合に、私は地方公務員実態というものも当然にらんでやはり勧告をすべきじゃないか、かように思います。   〔大石(八)委員長代理退席、委員長着席〕 その点に対する人事院総裁お答えをいただきたいと思います。  いま一つは、自治大臣お答えをいただきたいと思うのですが、人事院勧告がありますと、今度は、各都道府県の人事委員会がそれぞれの地方公務員について勧告をいたします。そうした場合、私は、思い切って、地方の人事委員会は、その地域の通勤実態、住宅事情というものを見て、人事院が住宅手当については何も触れなかった、通勤手当については少ししか上げなかったということにとらわれることなく、そういう点はまさに地方自治立場に立って勧告をすることが正しいのだという御指導をやはり自治省としてもやってもよろしいのじゃないかと思いますが、それに対するお考え方お尋ねいたしたいと思います。官房長官が見えておりますから、ひとつ簡単に御答弁をいただきたいと思います。
  29. 佐藤達夫

    佐藤説明員 地方公務員のことを考えないかというお話でございますけれども、私どもは、まともに考えると申し上げるべき立場でもございませんし、そこのところは、なかなかデリケートな立場におりますが、現実は、私どもしょっちゅう組合員の方ともお会いをしておりますが、大体自治労の方々、あるいは日教組の方々、人数から言うとそちらのほうが多いくらいに思います。私は、そういう方の要望を常に承っておりますから、その意味では、地方の関係の知識もわれわれは持っております。  それから、バイクは、国家公務員にはおらぬようなお話でありましたが、これは農林関係の現場の人なんかたくさんおりますから、その点は御了承のほどをお願いいたします。
  30. 野田武夫

    野田国務大臣 ただいま山口さんから、通勤手当の問題、住宅問題、都道府県の人事委員会にどういう指導をするか、これは、私はよくいまの御意見はわかります。したがって、やはり実情に照らしてやるべきことでございまして、国家公務員がこうだから地方公務員は同じでなくちゃならぬということも、それは実情としてありますから、違う点は違うということでやはり取り扱ったらいい、こう思っております。
  31. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 まあそういうふうに、しばしば自治大臣は御答弁をされるのですが、どうも事務当局のほうが各県の人事委員会を締めるせいですか、コントロールするぜいですか、そういった手当等について人事院勧告のワクを越えて勧告する例というのはほとんどないですね。大臣の御答弁はたいへんりっぱなんでありますが、現実には、なかなか各県の人事委員会がそのような意を体してないというのが現実の姿です。そのようなことを念頭に置かれて、ことしは大臣の真意が各県の人事委員会によく伝わるようにお願いをいたしたいと思います。  官房長官が参りましたからお尋ねをいたしたいと思いますが、人事院勧告に対する態度であります。先ほど給与担当大臣であります総務長官が、完全実施をあくまでも目標として努力をするという趣旨のお答えをなされました。これは給与担当大臣の御答弁でありますから、そのとおり私は受け取りたいと思います。ぜひとも本年度完全実施をするという御決意でひとつ対処していただきたいと思います。特に、実力者の官房長官でありますから、この人事院勧告に対する態度につきましても、あわせてお答えをいただきたいと思います。  さらに、閣議決定の時期でありますが、昨年は八月三十日に閣議決定をいたしました。本年は、総務長官のお話ですと、税の自然増収等についても十分検討しなければならぬということもあって、昨年のような早い時期に閣議決定をするということはない、もっとおくれるという趣旨でございましたが、この点は官房長官のほうからひとつお答えを願いたいということでありましたから、お尋ねをしますが、九月ですか、十月ですか。おおむね補正予算等のこととも十分にらみ合わせながら閣議決定をなされるのじゃないかと思いますが、閣議決定の時期につきまして、官房長官からひとつお答えをいただきたいと思います。
  32. 保利茂

    ○保利国務大臣 十五日に人事院総裁から総理大臣に勧告が手交されました際に、人事院総裁からは、どうかひとつこれは完全実施をやっていただくように御配慮を願いたいと強い要請がございました。総理大臣からも——その日午後、これは総務長官からお話しになったと思いますが、給与担当閣僚会議を開きました。財政当局は非常に苦慮いたしておるようでございます。ただ予備費がどの程度この勧告のためにさかれるが、これは今後の九月、十月の災害の発生状況等がどうなるかということも関連がございましょうし、また総務長官がお答えいたしておりますように、今年の税収の動向がどういうふうになってまいるか、総理大臣からも急がずにひとつ慎重に検討をしてもらいたいという御趣旨もあっておるわけでございますから、何月、どの辺できめなければならないというようにまだ実は予定をいたしておらないわけで、できるだけ勧告の趣旨に沿いまして、もちろん財政並びに国民経済全体に及ぼす影響も大きうございますことでございますから、総理のそういう趣意を体しまして、最善を尽くしてまいりたいと考えておりますが、それじゃ九月に閣議決定するのか、十月に閣議決定するのかということを、実は私もふなれでございますから、大体その辺の見通しがそれぞれついたところで、政府の非常に大きな責任でございますから、十分責任を果たすようにしなければならぬと思います。しかし、いずれにいたしましても、九月中にきめるということは実際困難だろう、こういうふうには考えております。
  33. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 急がず慎重にやっていただくのはけっこうだと思いますが、また税収の見込みが、特に法人税の税収見込みということになれば、当然これは九月中にはなかなかめどがつかぬ、十月に入るだろうということは理解できますが、急がず慎重にやったが、どうも完全実施はだめだったということでは、その慎重にやっていただいた効果はないわけでありますから、あくまでも、慎重けっこうでありますが、税収見込み等を押えました段階におきまして完全実施、特に一月二十八日の給与関係七人委員会決定等もあるわけでありますから、それを生かして完全実施を実現いただくように強く要請をいたしたいと思います。官房長官はあまりなれませんというお話でしたが、保利官房長官は閣僚中でもベテラン中のベテランであり、実力者であることは、これはまぎれもない事実でありますから、完全実施に非常に熱意を燃やしておられる佐藤人事院総裁も見えていることでありますから、この場所でひとつ政府としての御決意のほどをお聞かせいただきまして、佐藤人事院総裁にも喜んでいただくようにしていただきたいと思います。公務員諸君が喜ぶことはもちろんであります。  それから、もう時間がありませんからこれでやめたいと思いますが、野田自治大臣お尋ねしたいと思います。  地方公務員のうちでも特に一番最後まで問題になりますのは、地方公営企業に働く職員の場合であります。ことしは大臣非常に御熱意をもって取り組みをいただいて感謝をいたしておりますが、国家公務員に対して右へならえで地方公務員実施する、そこまではいいのでありますが、どうも公営企業になりますと、大臣の歯切れが悪くなるというのが従来の例でありますが、特に人事院勧告完全実施につきましては、野田大臣は総務長官のときからこの問題についてはきわめて御熱意をもって取り組まれたと聞いております。幸いにして現在自治大臣でありますので、この地方公務員、わけても地方公営企業に働く公務員諸君の問題について、自治大臣としての御決意のほどをあわせてお聞かせいただきたいと思う次第であります。
  34. 保利茂

    ○保利国務大臣 前国会でも内閣委員会等で総理大臣をはじめ総務長官、私どももそれぞれお答え申し上げておりますように、これはもう飾りけのないところ、四十五年度までには必ず完全実施に持っていくということを大体申し上げてきておると思うのであります。その趣旨をもって今年の人事院勧告に対処してまいる。それじゃ今年いま言われるように完全実施ができるかどうかということは、先ほど来申し上げますとおり、財政の状況、国民経済全般に及ぼす影響等慎重に検討して最善を尽くしてまいる、これ以上どうもこの段階で私からお答えはいたしかねると思います。
  35. 野田武夫

    野田国務大臣 公営企業の給与、これは実は山口さんから前々からいろいろの御意見を拝聴いたしております。私も公営企業の現状を見まして、ひとり給与の考えだけでなくて、全般的に非常に苦慮いたしております。しかし、できるだけやはり給与は公正にやるべきことであります。たてまえといたしましては、もう御存じのとおり、公営企業の給与問題というものは、国家公務員地方公務員給与水準と一応比較検討すること、また、民間企業の従業者の給与その他経営状況、またこれに対する財源というようなことも考慮する必要がある。たてまえとしては、公営企業が独立採算制ということになっておりますから、給与その他につきましてもやはり企業努力によってその財源を埋めていくというのがたてまえだ。しかし、現状におきましてはいろいろな事情がございますから、私といたしましてはこれら諸般の事情を考慮いたしまして、できるだけ適正な給与体制ができるようにつとめたいという考え方を持っております。
  36. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 関連して林君より発言を求められております。これを許します。林百郎君。
  37. 林百郎

    ○林委員 保利官房長官がお見えになっておりますから、こまかいことは別として、基本的な考え方をお聞きしたいと思うのですけれども人事院勧告で、国家公務員だけでも五月実施ということになると約千三百三十三億の財源を必要とする。当初予算に組まれておる給与費四百四十三億、予備費の中で二百億、これを入れましても約六百九十億不足ということに計数上はなるわけなんです。そうすると、五月から完全実施、あるいはそれがどういう方針になるか知りませんけれども、いずれにしても補正予算を組むという考え方を持たざるを得ないと思うのですね。このほかの要因としては災害もありますし、米の収穫もどの程度になるかわかりませんけれども、必要によっては補正予算を組むという考え方政府は持っておるのかどうか。総合予算主義だから、一切補正予算は組まぬ、一切は予備費の中でまかなって、組まないのだ、こういう考えなのかどうか。その基本的な考え方を官房長官にまず聞いておきたいと思うのです。
  38. 保利茂

    ○保利国務大臣 私がお答えいたしますのにはどうもたいへんやっかいな問題だと思うのでございますけれども、私は、昨年度からとられております総合予算主義は、財政のあるべきほんとうの姿だと思うのでございます。だからと申しまして、それじゃ予算は何のためにあるんだ。これはやはり国民のために予算は使われなければならぬわけでございますから、そこで、総合予算主義のための予算じゃない、国民のための予算であるということから考えてみますと、総合予算主義のたてまえであるから、もう一寸動きもできないというように考えるべきものではないであろう。それは、自後予想、予見しあたわざるいろいろな事態が起きてきて、ために国民生活を痛めるというようなことのないように処置するという、それが基本的な考え方でなければならぬのじゃないか。しかし、財政の立て方としては、やはり当初予算で大体入るべきもの、出べすきものというものは、年間の——長いことじゃありませんから、一年間のことでございますから、それはできるだけ貫いていくことが国民のための予算である、私はそういうふうに考えております。
  39. 林百郎

    ○林委員 総合予算主義のための予算でなくて、国民のための予算である。しかし、財政のたてまえとしては総合予算主義で、当初予算を年間貫くべきだとは思う。こういうお話があった。その中で、国民のための予算であるから、予測せざる事態が発生した場合には弾力的な態度もとらざるを得ないだろうという御意見もあった。この予測せざる事態ということの中に、当然この公務員給与の問題——あるいは災害の問題等もありますけれども、こういうことも考えられておるといっていいのですか、こう反問していいのですか。あるいは、あなたのいう予測せざる事態というのは、どういうことをいうのですか。
  40. 保利茂

    ○保利国務大臣 これは、通常人間の考える常識の問題だと思うのでございます。非常に大きな災害が来て、どうにもこうにも年間予算をもってしては弁じあたわない、そのために国民は非常な不幸におちいるという場合は、やはりそこに組む力があれば組まなければならないであろう。ただ、この人事院勧告の問題、公務員の処遇の問題については、佐藤総理もしばしば国会で申し上げておりますように、できるだけひとつ早い時期に完全実施へ持っていきたい、その基本方針をとっております。それで、この四十四年度予算編成にあたりましても、財政当局もそういう相当の配慮をして予算の編成をやっておりますけれども、その中に一体どの程度のこなし方ができるのか、あるいは予算の性格をそこなわざる範囲内において一体どの程度の既定経費の節約等ができるかというようなところも、いま財政当局は非常に苦慮しておられるところじゃないかと私は考えております。
  41. 林百郎

    ○林委員 関連質問ですから、あまり時間をとるわけにいきませんが、政府が当初考えておった予算の範囲内でこの勧告がまかなえるかどうかということについて苦慮している、これは先ほどもそういう話があったわけなんです。しかし、そういう財政当局が苦慮しておる、当初考えた、予想していた人事院勧告よりは上回った勧告がなされ、それを忠実に実行しようという場合に、事務当局のいろいろな配慮にもかかわらず補正予算を組まざるを得ないという事態が想定される場合は、この問題でも補正予算は組むことはあり得る。要するに、公務員給与の問題では補正予算というものは組まないという方針なのか、あるいはいろいろ苦慮はしてみるけれども、それで補正予算を組まざるを得ないような事態の場合は、この勧告によっても補正予算を組む、そういう弾力的な余地は政府としては持っているのだ、こう聞いていいのか。苦慮しているというところまでは出るけれども、苦慮した結果補正予算を組まざるを得ないような事態が出た場合には補正予算を組む、これもまた国民のための予算なんだから、そういう弾力的な態度政府は持っている、こう考えていいのですか。あなたがそう言ったからといって、必ず補正予算を組むようになるかならぬか、これは別ですが、しかし、基本的な態度としては、この公務員給与の問題でも補正予算を組むことはあり得るのだ、絶対ないのだとは言わないのだ、こういうことが言えるのかどうかということなんですね。
  42. 保利茂

    ○保利国務大臣 林さんはここで詰めてしまおうというお考えでもなかろうと思うのでございますが、はなはだ不謹慎なことでお許しをいただきたいと思いますが、大蔵大臣が人事院勧告をちょうだいしましてどうも失神状態だというようなことを申し上げましたのは、いささか大蔵大臣としては目算が違っておったのではないかと思うのでございます。予想しておったところを越えておるのではないかと私は想像しております。しかし、大蔵当局の、財政当局の苦慮のありさまがよくわかるわけであります。しかし、どうするかといいますことは、私がここでどうこう申し上げましても、総理大臣がすでに指示しておりますように、慎重に検討して結論を出してもらいたいということを言われております。その趣旨にのっとりまして、財政当局の腹案等もいろいろ出てまいりましょうし、給与担当閣僚会議をどうせ数次開かなければならない。その上でなければ、いまあなたの御満足を得るようなお答えは、ちょっと私この場では困難ではないか。しかし、そういう事情にあるということだけは御推察を願っておきたい。
  43. 林百郎

    ○林委員 もう一つだけ。これで終わります。この問題は、詰めようと思っても、あなたも必死になって逃げているようですから、痛々しくてこれ以上質問ができませんが、臨時国会の問題も一つの要因として考えておかなければならないと思います。何か臨時国会は、あなたの言ったことばか、あるいは木村副長官が言ったことばか、十二月の佐藤訪米の非常に接着した前後で、もう通常国会はほとんど接着した時期を考えているようなことも新聞で報道されているのですが、しかし、公務員給与の問題が早急に人事院勧告を誠実に実施するということになりますと、かりに補正予算を組むとすれば、臨時国会も早く開かなければならないという事態も起きてくるわけですが、この面でひとつ詰めをしてみたいと思うのです。えらい時間もございませんが、臨時国会についてはいま政府はどんな考えをお持ちになっておりますか。
  44. 保利茂

    ○保利国務大臣 臨時国会は、憲法上の問題にもなりましょうが、成規の要求があれば当然開かなければならないわけでございますが、しかし、いずれの方面からも、臨時国会を召集すべしといういわゆる憲法上の要求は、まだ受けておりません。しかし、おそらくは臨時国会は開かれるであろうということは、一般的にそう受け取られておる。私どもも、そう考えなければならぬと思っております。たまたま沖繩問題について、沖繩の返還交渉に佐藤総理の十一月訪米をでき得れば予定をさしていただいて、その前後を考えて開くようになれば、そうなるであろうと考えます。大体これは何も前例にとらわれることもないかと思いますが、給与関係法案が人事院勧告に基づいて国会に提案をせられて議決を受けておりますのは、例年十二月の二十日前後になっておる。これはいままでの事例が、二十日よりもおくれておるときもあるし、二、三日前のときもありますが、そういう扱いにこれまではなっておりますから、その辺も考えて、臨時国会の問題は、そのほかにいまの佐藤訪米の問題もございますから、総理訪米の時期と考え合わせて考慮をしなければならないであろう。それじゃいつごろ臨時国会を開くかということは、まだ全然議題にいたしておらない状態でございます。
  45. 林百郎

    ○林委員 関連質問ですから、これで終わります。
  46. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 保利国務大臣は退席してけっこうでございます。  この際、関連して細谷治嘉君から発言を求められております。これを許します。細谷治嘉君。
  47. 細谷治嘉

    ○細谷委員 二点ばかり簡単に質問したいのですが、第一点は人事院総裁に対して、財源に関連する問題であります。  おととしのこの委員会であったかと思いますけれども、いつも勧告に対する財源問題がやかましくいわれる。人事院総裁の考えとしては、とにかく勧告は毎年あることは必至なんだから、こういう方法でやれば財源問題なんというのは起こらないのだ、こういうことで具体的な方針を示されたのであります。その後、昨年は予備費に五百億円程度のものが留保された。ことしは四百五十億円程度のものが予算に昨年の横すべりという形で計上されたわけですが、逆に予備費のほうは三百億円減っております。でありますから、またぞろ財源問題というのが出てまいりまして、人事院勧告が出たのにかかわらず、例年のように財源でできない、こういうようなことになってまいっておりまして、やや形としては進んでまいりましたけれども、実質的には人事院勧告完全実施するための人事院総裁考え方というのは、あまり進んでおらない、こういうことが言えると思うのであります。この段階において、人事院総裁としてはどうお考えなのか、これをお聞きしたいと思うのです。
  48. 佐藤達夫

    佐藤説明員 私の記憶いたしますところでは、たしかこの委員会であったと思います。財源確保の関係について私が当時申し上げたことはきわめて素朴なことでございましたけれども、とにかくわれわれの最もうらやましいのは公社、現業である。公社、現業は仲裁裁定——これは年度内に入ってからです、五月に入ってから仲裁裁定が行なわれて、しかもそれがここ十年以上完全に、四月にさかのぼって実施されておるのはどういうわけだということから思いをいたしてまいりますと、公社、現業の場合は、やはり当初予算——これは補正なしにずっと完全に実施されておったわけですから、当初予算によほど含みのあるものが用意されておったから、ああいうふうに補正を組むというようなことなしに四月にさかのぼって完全に実施されておるのであろう。しからば、われわれのお預かりしております国家公務員の側についても同じような予算上の措置ができないものでしょうかというようなことを、当時から申し上げておったわけです。私どもは、その考え方に基づいて歴代の大蔵大臣にその辺の配慮を要望してまいったわけです。これが、いまおことばにもありましたけれども、若干の進歩は確かに見える。昨年は予備費にそれを組むことで、とにかく当初予算である程度の備えをしていただいた。ことしはさらに形の上で前進されまして、給与費の中に第一段階の備えをされて、予備費の中にさらに備えがあった。私は九百億ぐらいは備えがあると思っておりますけれども、そういう備えをされた。とにかく予算そのものにおいては、二段備えができたわけです。そこで、従来のことを考えますと、従来は御承知のようにもう補正一本やりなんです。自然増収がどのくらいあるだろうかというようなことで、われわれの勧告が実現するかどうかは補正の財源にたよって、その補正予算にのみたよってまいっておりましたわけですから、その当時から今日の予算措置を考えますと、ことに今年の予算は、形の上では相当進歩しておる。三段備えになった。第一段に給与費あり、第二段に予備費あり、第三段に昔ながらの補正の措置ありということでありますので、形としてこれはどんどんと進めて、今後も補正を考えずに、いまの公社、現業並みの方式に持っていっていただきたい、そういう強い要望を持っておる次第でございます。
  49. 細谷治嘉

    ○細谷委員 形としては進んでおる、それは私も認めます。しかし、総裁は三段がまえになっているのだ、こうおっしゃいますけれども、ことしもまた財源問題でしょう。財源でできる、できないという話がもっぱらいわれておるでしょう。言ってみますと、昨年は予備費が千二百億、ことは九百億なんですよ。そうして昨年の予備費千二百億の中には、おおよそ五百億円程度の人事院勧告財源というのが含まれておる、こういうことになっておりました。ことしは給与改定費に、昨年と同率で同じ時期、七月実施という形で四百五十億円弱が組まれたわけです。予備費は三百億円減って九百億になったのですから、実際問題として金額の面では百五十億円程度しか昨年よりもふえておらぬということでしょう。ですから、人事院勧告を予想しての給与改定財源が織り込まれたということは、形としては確かに進歩でありますけれども、実質的にはほとんど進歩していないじゃないか、こういうことがいえると思うのです。金額の差でわずかに百五十億円足らずということなんですね。ですから、予算編成のときには人事院勧告がどの程度になるかということはまあわかりませんでしたけれども、大体二けたになるだろうということはもっぱらいわれておりました。内容には私は触れて申し上げませんけれども、二けたになるだろうということはもっぱらいわれておった。そういうことからいきますと、財源というものは、一般の趨勢からいって、もっと措置しておくべきではなかったか。そういう点では、人事院総裁、いわゆる人事院は、五月実施——理論的には四月実施が当然なんだと言っておりますが、繰り返して五月実施という形で勧告して文章には書きますけれども、ほんとうに自分たちの勧告政府完全実施させるのだという具体的な熱意と努力に欠けておるのじゃないか、こういうふうに申さなければならぬと思うのです。この点いかがですか。
  50. 佐藤達夫

    佐藤説明員 先ほどお尋ねに応じまして若干非公式なところに触れて申し上げましたけれども、開き直って正面向いて申し上げれば、私どもは、とにかく勧告をした立場におる者としては、これはぜひ何としてでも完全実施していただきたいということ一本やりで進んでいけばそれでいいことです。お金の予算の組み方をどうしていただいたらよかろうのどうのということは、実はこれは財政当局の責任事項でございまして、本来ならば、私どもがとやかく申し上げるべき、また注文申し上げるべき筋ではないとは思いますけれども、しかし、御承知のようにもう数年間完全実施ということを思い詰めておるということから、公社、現業の場合を考えればもっと何か予算のほうの編成の面でお考えいただくことはないであろうかということで当たっておりましたから、それをここで虚心たんかいにざっくばらんに申し上げただけで、私どもとしては、やはり何としてでも完全実施していただきたいということ一点で尽きることだろうと思います。そういうことで従来も正面から政府当局にも——また、第一私ども勧告は国会に対して直接申し上げている。これはもう一政府機関が国会に直接勧告申し上げるなんという制度は、現在全然ほかに類を見ない点でございます。したがって、国会にもおはかりして、こういう機会をつかまえては強くお願いしてまいっているわけであります。そのほうの努力をやはり集中していく、予算問題などはむしろ国会側でひとつ大蔵当局に御注文いただいていいことかもしれぬと思います。ただし、執念のあまりそういう努力をしてまいったということで御了解願いたいと思います。
  51. 細谷治嘉

    ○細谷委員 あまり深く申し上げませんけれども勧告どおり実施というのが執念だ、こうおっしゃっておりますけれども、その裏のほうでは、できる、できないが、そういう予算措置政府の問題である、あるいは国会で努力してもらえばいいんだ、こういう形式主義をやっているところに、問題がいつも財政という大きな壁にぶつかっている大きな原因だと私は思うのですよ。人事院は、少なくとも公務員の生活権を守ってやろう、こういう任務を持っておるわけでありますから、単なる作文ではなくて、勧告は完全に実施させるためにあらゆる努力を払うべきである、こう私は思うのですよ。それは予算編成権とかなんとかはありませんけれども、少なくとも勧告をやった以上は、それがもう長い間実施されておらないわけでありますから、そういう努力はやはりもっともっと積極的にやるべきであって、総裁の言うのは、執念でありますけれども、それは単なる形式上の執念だ、こういうふうにしか申し上げ得ないのじゃないかと私は思うのです。それだけ申し上げておきたいと思います。  もつ一つ人事院総裁お尋ねしたいのでありますが、今度の勧告においても、福利厚生について何ら触れておらないわけですね。人事院指摘するまでもなく、あるいは社会保障制度審議会の指摘あるいは臨時行政調査会等の指摘を待つまでもなく、民間公務員との間には、福利厚生については、言ってみますと、厚生制度については非常に大きな格差があります。これは御承知のことだと思うのです。若干予算の面で改定されておりますが、言ってみますと、民間と比べますとけた違いですね。この辺についてどうして触れられないのですか。それをお尋ねします。
  52. 佐藤達夫

    佐藤説明員 福利厚生の問題は、たびたび御指摘をいただいておることも十分承知しておりますし、私どももその辺については十分熱意を持ってこれに臨んでおるということも申し上げてまいりましたけれども、ただ、勧告内容の問題といたしましては、勧告給与法上の二十八条その他に基づくものでありますから、福利厚生問題は今回の勧告の対象にはなり得ませんので、これは入れておりませんが、しかし、別途、いま民間との関係というようなこともおことばにありましたが、これもわれわれ十分考えております。ただし、国の場合はいろいろ分散して予算の中に入っておりますから、これはやはり総合した上で民間と比べねばならぬという面はございますが、しかし、民間にいささかでも劣ることのないところまで持ってまいりたいということで努力をしておる。なお、今後とも努力を続けるつもりでございます。このことを申し上げておきます。
  53. 細谷治嘉

    ○細谷委員 国家公務員については、能率をあげるために適当な福利厚生面、健康保持、そういうことをやらなければならぬということが法律の規定ですね。地方公務員については、重要な一つの柱として厚生制度の確立ということが、国家公務員の場合よりももっと明確に法律でうたわれておるわけですね。これは総裁、何といいましても実質賃金ですよ。先ほど住宅問題の話がありましたけれども、実質賃金ですよ。ですから、こういう問題こそ人事院は、国家公務員の能率の前進、向上、それから健康の保持、そういうものについての責任があるわけでありますから、おれは知らぬということは許されないと思うのです。この問題については、調査のしかたとか方法についていろいろなむずかしい点があるでありましょうけれども、私は積極的に取り組むべきである、こう思うのであります。  もう一つ質問したいことでありますけれども、先ほど来のことばを聞きまして、どうも人事院というのは文選さえ書いておればいいんじゃないか。最近、勧告ではありませんけれども、あなたのほうの方針に基づいて、地方では看護婦不足に関連いたしまして、看護婦の勤務体制、絶対数の問題等から大きな紛争が起こっておりますし、それがさらには看護婦の人権問題というところまで発展いたしております。その人権問題というのは、勤務に対する人権問題ばかりではありませんで、職業の選択の自由を奪う、そういう問題にまで発展しております。これについても、一応人事院一つのものさしを与えておりますが、なかなか実現しない。こういう点を含めまして、どうも私は、厚生制度にしてもあるいは勧告実施時期にいたしましても、あるいはいま言ったような看護婦問題にいたしましても、人事院は火をつけて、その処理はする意思がない。ただ文章だけ書いておるのじゃないか、こういう感がしてならないのであります。もっと自分の言ったことについては、責任を持って実現するための具体的な努力の積み重ねというものが必要じゃないかと私は思うのであります。これだけ申し上げて、総裁から何か御意見があるならお聞きいたしますが、終わります。——ありますか。
  54. 鹿野彦吉

  55. 折小野良一

    ○折小野委員 まず、人事院総裁にお伺いいたします。給与に関しまして勧告が行なわれる、これは当然国家公務員の生活権の擁護という立場があることはもちろんでございますけれども国家公務員について人材を確保する、こういうような考え方も当然あると考えております。ところで、最近国家公務員給与が悪いというようなことから、すなわち国家公務員民間との給与格差が大きいというようなことから、政府に対して人材が集まらない、こういうような面が多少憂慮されるというような傾向が、いろいろな面からいわれておるわけでございますが、今回のこの勧告を通じまして、政府国家公務員の人材確保というような面について、総裁としてはどういうふうにお考えになっておられますか、お伺いをいたします。
  56. 佐藤達夫

    佐藤説明員 ただいまの人材確保の問題は、実は今日私どもが一番頭を痛めておるところでございます。申すまでもないことでありますが、民間のほうの景気が非常によくなってまいりますと、必然的に公務員に対する志願者が減ってまいります。ことに昨今、数年来、前年に比べて一〇%、一〇%以上という応募者の激減を見ておるわけでございます。それから応募をして、試験を受けてめでたく合格をした人が、みんな役所に来てくれるかというと、役所から呼び出しをいたしましても、どこどこにもうすでに就職がきまりましたというようなことで、そこのまた減り方が非常に大きい。もちろん、精神的に社会公共のために奉仕するというような気持ちで、給与などにかかわらず来てくれるような人ばかりであればいいのでありますが、遺憾ながら現在はそういうことになっておらない。したがって、そこにやはり給与の問題というのは大きな焦点となるものであろうと私どもはつくづく感じておるわけでございます。といって、国家公務員だけが民間一流企業を凌駕するような初任給をつくってということになりますと、またこれは一面納税大衆その他の一般国民に対する感覚的な問題もございまして、そうもできない。そこで、御承知のとおりに、従来どおり百人以上の企業規模ということでつかまえまして、水準をとらえて、その水準をとらえつつもできるだけそこに配慮を加えるということで、まあ何とかことしの勧告におきましても私どもは初任給にだいぶん力を入れたつもりでありますから、まあまあと思っておりますけれども、とにかくこれが重大問題であるということは、御指摘のとおりであります。したがいまして、公務員給与というものは、そういう面からも、昨今の情勢から申しますと、大きく関心を持って重視していただきたい。私どもの、要望を簡単に申し上げれば、そういうことでございます。
  57. 折小野良一

    ○折小野委員 ただいま御答弁で、志願者が激減をした、それから合格しても役所につとめない、こういう人がふえたということでございますが、最近の情勢からしまして、現在つとめておる国家公務員の方々で、民間に動いていく、役所をやめていく、こういうような人の状態というのは、どうでしょうか。これは総理府のほうがよろしいでしょうか、人事局長おいでのようですが……。
  58. 佐藤達夫

    佐藤説明員 一応私の大ざっぱな感覚を申し上げますと、御指摘のとおりに、長年つとめたあげく民間に出られる方は別でございますけれども、働き盛りの段階で、たとえば税務署の人々の例をとりますと、途中から税理士などのほうにずっと転業していかれるという方々が、やはり絶えないということを私どもは認識しておるわけでございます。
  59. 折小野良一

    ○折小野委員 そのような一般の情勢から考えまして、公務員給与がより高いということを望む、これは当然そういう方向になってこようと思うのでございます。  ところで、今度勧告を出されました人事院といたしましては、今度の勧告でそういう面の対処ができておるのか、あるいはもっともっとこれ以上高い勧告を出さなければ、そういう人材確保というものはとうていおぼつかない、こういうふうにお考えになっておるのか、その辺の感じ方をひとつお聞かせいただきたいと思います。
  60. 佐藤達夫

    佐藤説明員 先ほども触れましたように、給与が多ければ多いほど喜んで来る人が多いに違いないことは間違いないことでございまして、私どもとしてもそうあればという気持ちを持ちますけれども、しかし、一方において、旧時代の天皇の官吏といわれたような特権的な地位では今日ではございませんので、やはり勤労階級の一種であり、労働者であるというような今日の立場から申しますると、特権的に公務員だけが一般の人を差しおいて高い水準給与に浴するというようなことも、納税大衆その他の一般の国民の方々を前にいたしますとやりにくい。そこで一番公正なところとしては、まず先ほど触れましたように、企業規模が百人以上、そして事業所の規模が五十人以上、こう二段の条件でものさしを当てまして、その上の水準にある企業、これをとらえてみますと、そこの従業員の数が、大体そういう企業組織の中につとめております日本全体の勤労者の過半数になる。その過半数のところをとらえて、そこの水準を求めて、これには絶対に合わしていただきたいという方法が、一番手がたいところであろうということでまいっておるわけであります。そしてその水準において民間と比べました格差の中のあんばいといたしまして、いま申しましたような、たとえば初任給に手厚くというような配慮を加えておるということが、実際のところでございます。
  61. 折小野良一

    ○折小野委員 全般的に公務員給与が高くなれば、公務員に対する志望者も多くなる、こういうことはいわれると思います。しかし、また反面、税金であります国の予算の問題等もあるわけでございますから、こういう面につきましては、さらに国家公務員の場合につきましても、より能率を高める、そしてその中でできるだけ公務員給与も高めていくというような考慮も必要になってこようと思っております。そしてまた、公務員の職務の態様を見ましても、いろいろな職務の態様があるわけでございます。たとえばある面の職域におきましては、できるだけ女子の就労の範囲というものを広めていくとか、ある態様の職域におきましては、できるだけ高齢者の人々の雇用というものも考えていくとか、こういうような手厚い配慮といいますか、こういう面がさらに一そう必要になってくるのじゃなかろうかというふうに考えるわけでございますが、そういう面について、人事院として特別な御検討、あるいは将来に対するお考えがございましたら、お聞かせをいただきたいと思います。
  62. 佐藤達夫

    佐藤説明員 ただいまのお尋ねの点は、人事院もそうでございますけれども、総理府の人事局もできましたことでありますし、それらともタイアップして、連携して考えておるわけでございます。いま、たまたま女子のお話がございましたけれども公務員の部内には女子の方が相当入って働いてくださっておるということは、むしろ民間よりもこっちのほうが——学校の先生のお話が近ごろございますが、先生方は別として、一般の事務職員の場合において、公務員について見ても女子の方は相当働いておられるということだけを、せっかくおことばがございましたから、ちょっと申し上げておきます。
  63. 折小野良一

    ○折小野委員 一般的な人材確保とかあるいは人事面のいろいろな配慮、こういう面は国家公務員だけに関することではございませんで、当然地方公務員についてもいわれることであると考えます。そこで、地方におきましても、やはり地方の行政を推進していくために、できるだけりっぱな人材を確保してまいりたい。また予算ももちろん限られておるわけでございますが、その範囲内において職員の処遇もよくしていきたい、こういうふうに考えるのは当然だと考えております。したがって、地方団体地方団体としてのそういう特殊な考え方から、特殊な人事制度あるいは給与制度というものを場合によってとろうとすることも、これもまたやむを得ないことではなかろうかというように考えるのでございますが、通常地方の公務員給与国家公務員よりか高い。先ほどもお話がございました県の職員やあるいは六大都市の職員の給与が、国家公務員よりか高い。ただそのことだけで、その金額だけで律していろいろな指導をなされるということにつきましては、地方の実情に即しない、こういう問題があるのじゃなかろうかというふうに考えます。したがって、地方の人事行政あるいは給与制度等につきましては、やはりそれぞれの地域の特性というものを生かしたものがあっていい、もう少し幅の広い指導がなされていいのじゃなかろうか、こういうふうに考えるわけでございますが、この点について、自治大臣の所見をお伺いしたいと思います。
  64. 野田武夫

    野田国務大臣 地方公務員でなるべく人材を起用したい、ひとつ、いい人にうんと働いていただきたい、これはもう折小野さんと同感でございます。  そこで、先ほどからの人事院総裁とのお話でも、給与の問題で人材が来ないというようなお話でございました。   〔委員長退席、大石(八)委員長代理着席〕 私も、給与は人材吸収の重要な要因だということはわかりますが、それだけに割り切るわけにはいかない点もあるんじゃないか。やはり男の好きな職業がございますし、給与が悪いから人材が来ないと嘆いているだけではなくて、もう少し公務員の仕事の内容というものに対して理解をしてもらって、人材がそこでもって自分の能力を発揮する、こういうのもまた別に意味がある。ただ給与だけで、先ほどの質疑応答を聞いておりますと、割り切っておられるようでございますが、これは私は重要な要因であることは認めますが、おのおのその職種によって、その人物、その能力、その指向する自分の、何といいますか、将来に対する自分の働く意思といいますか、そういうものを全部加味していく。そうしますと、公務員制度そのものにもいろいろ関係があると思っております。そこで、いま御指摘になりました地方のほうで私は事実を申し上げましたので、実態調査もやってみますと、高いところ、安いところもあります。私は高いところを無理やりに下げるということではなくて、これも国家公務員と同じに、地方公務員もやはり地方公共団体の財政を考えていく必要がある。私は、全体に見て給与が高いということが悪いとちっとも思っていない。国の財政がよかったらば、できるだけ給与を上げていく。そういう考え方は、給与が高過ぎるとか安過ぎるとか——安過ぎるのは一番困るけれども、高過ぎるということばはよく使います。私が先ほど言ったのは、高いところと安いところがある。しかし、それはやはり財政上の裏づけがなければいかぬし、地方財政に照らして、また国家公務員地方公務員給与というものが大体今度の勧告のベースによってきまるという場合に、一般よりも少し高いというところについては、まあ調整してもいいじゃないか。さらに私が心を用いるのは、高いほうよりも低いほう。これはやはり何とかひとつ調整して上げるほうに持っていかぬと、そういう面は、折小野さんのことばを返すわけではございませんが、地方の実情によってやむを得ないことと言えば切りのないことでありますが、やはり低いほうだけは何とか苦心して相当水準まで引き上げるということにしませんと、公平を欠かぬ、これが一番大事な人事だと思っておりますから。私が先ほど申しましたのは、いま折小野さん、誤解しておられるかもしれませんが、高いところがあるからすぐ引きおろすんだというふうな意味におとりになれば、私の真意とは違う。高いところがあっても、財源がよかったらいいのじゃないか、これはそういう議論も成り立ちます。しかし、これは財政上の措置でございまして、地方財政地方財政事情がございますから、その点の調整は、私もこれは必要だ。しかし、低いほうは、地方財政事情もございましょうけれども、何とかひとつくふうをこらして、ある水準まで引き上げたらいいのじゃないか、こういう考え方を持っております。
  65. 折小野良一

    ○折小野委員 私も、給与だけが人を引きつけるすべての要素だとは申しません。しかし、給与の多寡が人を引きつけるやはり一つの大きな要素になっておるということだけは、間違いないと思います。むしろ給与だけなしに、そのほかのメリットあるいはそのほかの魅力というものがその職場にあることが、より一そう大切なことだと思うのであります。現実の公務は、なかなかそういうような一般の人に多くの魅力を与えるようなものになっておりません。これが一般的でございます。そしてまた、いま大臣のおっしゃるように、給与の高いことはそう問題にしない、むしろ低いほうが困るのだというふうにおっしゃいますが、しかし、自治省あたりの地方団体の指導で具体的に出てまいりますことは、大臣の意図にかかわらず、高いほうには文句を言われる。しかし、低いほうに文句を言われたためしはほとんどないのであります。確かにいまおっしゃるように、高いのはいろいろな実情があろうからそれはよし、しかし低いのはできるだけ上げよ、こういう、甘い方ならば、まだまだわかる。しかし、実際の指導は、高いのを何とかして抑えよう、しかし、低いのについてはほとんど何も指導もされないというのが実態でございます。確かに、それは地方によりまして必ずしも一様じゃございませんから、それは高いのもあっていい。そしてまたある程度低いのがあるのもやむを得ないでしょう。しかし、そこにはいま大臣のおっしゃるような気持ちの上で指導なさる、こういうことが特に大切なことじゃなかろうかというふうに考えます。私は大臣のお考えに賛成なんでございますが、大臣のそのお考えで地方の指導をぜひやっていただきたい、こういうふうに考えます。
  66. 野田武夫

    野田国務大臣 私は、高いほうはほったらかすという意味ではなくて、これもやはり調整の必要がある。しかし、実情がございますから、ただいたずらに高いから高いからというばかり言っておっても、これはいま折小野さんの御指摘のありましたように、そういう実情もあります。しかし、これはあまりとっぴになりますと、地方財政というものは、この委員会委員の各位もしょっちゅう御心配のとおりでありまして、やはり地方財源というものは考えなくてはならぬから、とっぴに高いというようなことは、これはやはり調整する必要がある。しかし、特に安いほうは、これは私はほんとうにそう思います。それに甘えていいかというようなことは、これは何とかひとつくふうをこらす必要があるのではないか。いま申しましたとおり、高いほうについても、その実情を見て、調整すべきところはやはり調整する。低いほうも、これは明瞭に数字が出ておりますから、これらについてもどういう手を打ったらいいか。もちろんこれは地方の財政事情もございますから、これこそ特に国家公務員と違いまして、地方公務員というものは地方の実情というものがこれに非常に加わるものですから一がいに言えませんけれども、私はそういう気持ちでひとつ今後指導したい、こう考えております。
  67. 折小野良一

    ○折小野委員 地方公務員の場合には、地方のいろいろ実態がございますので、その実態をいろいろ考慮していただくということが大切なことだと思うのであります。ところが、現実にこの地方公務員給与の場合についてでございますが、国家公務員について人事院から勧告が出される。そうしますと、各都道府県におきましても、人事委員会がやはり勧告をいたします。ところが、その勧告実態というのは、人事院勧告をほとんどそのまま勧告しておるというのが実際の状況でございまして、人事院勧告は、これは国家公務員についてのことでございますが、しかし、これが一つの大きな基準であることは間違いありません。しかし、それがそっくりそのまま常に地方においても勧告をされるということにつきましては、私どもどうも納得いかないものを感ずるわけでございます。地方には地方の実態というものがございまして、そういう地方の実態というものを十分加味した勧告というものが地方においてはなされていいんじゃなかろうか、そういうふうに考えます。ところが、それが全くなされてない、こういうような実情のように私は考えておるわけでございますが、自治省といたしまして、各地方の実態をそういう面についてどのようにお考えになっておりますか。特に変わった面、変わった勧告が今日までなされた例がございますか。そしてまた、その変わった勧告に対して自治省はどういうふうに指導をなされておりますか。そういうような具体的なものがありましたら、あわせて御答弁をお願いします。
  68. 野田武夫

    野田国務大臣 いま折小野さんの御指摘のように、地方はおのおのその実情が違うし、実態を把握して給与をきめたらいい、これが理想的にまいりますと、私は非常にいいお考えと思いますけれども、これもやはり御承知のように三千数百の地方公共団体でございますから、なかなかこれが、その事情事情ということになりますと、人事院勧告が出ましたあとで、都道府県の人事委員会が自分かってにおのおのやる、こういう経過になってまいります。これは大ざっぱな話であります。しかし、従来の慣習からいたしまして、人事院勧告が出てまいりますと、やはり地方公務員国家公務員に準じてこれを行なうという慣習になっておりまするから、地方公務員の方々もやはりその期待を持っておられる、またそれを基準としていろいろの生活設計をお立てになっている、こう思っております。特殊な問題があったかどうかということは、これは事務当局から御説明いたしますが、いわゆる従来の人事院国家公務員のベースアップに対する勧告があると、やはりこれに準ずるという、まあ大原則といいますか、そういう今日までの慣習上、各都道府県の人事委員会がやっておりますから、一応これが筋じゃないか。しかし、特別な事情というものがあったかどうか、これは事務当局からお答えいたしますから、その点、御理解願います。
  69. 鎌田要人

    ○鎌田説明員 お答えいたします。  人事委員会におきまして、国の人事院勧告と変わった独自の勧告、まず給料表につきまして独自の勧告をいたしておりますのは、東京都の人事委員会ただ一つでございます。それから他はおおむね勧告内容国家公務員に準ずる、こういうことで勧告をいたしておるわけでございますが、先ほどお話しのございました通勤手当の支給限度額あるいは初任給の額、こういうものにつきまして、国の場合と違った独自の勧告をいたしておる例が、過去において若干ございます。全体的には、大多数は国家公務員について行なわれております人事院勧告そのままというのが実情でございます。
  70. 折小野良一

    ○折小野委員 大臣のお考え、わかるのでございますが、私どもも、準ずるという法律の規定を決して無視しようというふうに考えておるわけじゃございません。しかし、準ずるということは、同じじゃないということなのであります。国家公務員のいろいろな給与制度一つの基準になることは、これは当然なことだと思っておりますが、しかし、それに地方のいろいろな実態が加味せられるということは、これはあっていいはずだ。もちろんそれも限度がございます。決して私ども国家公務員給与制度と全然違ったものをやるべきであるというふうにも考えておりませんし、また、極端なものを期待しているわけでもございません。また、現実にもそれほど非常識なものが出てくるというふうにも考えておりません。しかし、自治省の指導としましては、あくまでも国のものをそのまま地方に流す、こういうような考え方があまりにも強過ぎるのじゃなかろうか。また、そういう面の指導があまりにもきつ過ぎるんじゃなかろうか。むしろ現実はもっともっと地方の自主性を尊重した、地方の実態に即した、地方の独自性を生かした、こういうような制度というものが、国の制度に準ずるという形の中で尊重されていいんじゃなかろうかと、こういうふうに考えるわけでございます。  先ほど公務員部長からもお話がございましたが、そういうものに対して自治省がどういうふうな態度をとり、どういうふうな指導をなされたか、そういう面について御答弁はなかったんですが、口ぶりからしますと、おそらくそれほど自治省で問題にするほどのことも現実にはなかったんであろうと思いますし、まあおそらくはできるだけ国の線に沿ってというような程度のことであったろうというふうに考えますが、私は、今後こういうような問題につきましては、もっと地方の実態というものを尊重する、地方の自主性を尊重するという立場であたたかくひとつ見てやっていただきたい。そうすることがより地方自治を伸ばすゆえんでもある、さように考えるわけでございます。この点は、ひとつ今後の指導面についてよろしくお願いを申し上げたい、かように考えております。  ところで、わが国の公務員のいわゆる給与体系というものは、年功序列型ということがいわれております。給与体系についての考え方はいろいろあるわけでございますし、また年功序列型の給与体系というものが、今日までのわが国におきまして、国家公務員だけでもございません、民間においてもやはりそういうことでございますが、発展に寄与してきたということも当然言えるわけでございますが、しかし、最近の情勢からいたしまして、民間におきましても年齢別あるいは勤務年数別の給与の差というようなものも非常に縮まってまいっておりますし、またいろいろな給与体系というものが考慮され、検討されてきつつある、こういうような情勢をいろいろな資料から私ども承知いたしておるわけでございますが、国家公務員のこの給与体系につきましても、従来の基本的な年功序列型の給与体系につきましては、いろいろ反省すべき問題、検討を要する問題、こういうものもあるんじゃなかろうかというふうに考えておるわけでございます。この点につきまして、人事院総裁から、現在いわれております職務給とか、あるいはある面の職能給とか、そういうような面との対比におきまして、今後どういうふうにお考えになっていかれようとするのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
  71. 佐藤達夫

    佐藤説明員 よく公務員の場合につきまして、年功序列型という、批判というよりもむしろ非難に近いことばを承りますので、われわれその点十分留意しながら民間の実情なども調べてまいっておりますけれども、実は御承知のように、国家公務員法あるいは給与法のたてまえといたしまして、その給与そのものをきめるについては、官職の職務と責任に応じてなすという大原則がうたわれておるわけです。したがいまして、その原則を受けて現在給与制度ができておりまして、実はきびし過ぎるぐらいの面を持っておるという見方もできると申し上げてよろしいと思います。すなわち一々の俸給表には、一等級から何等級まで等級がずっと分かれております。等級にさらに号俸がついておりますが、私のほうでは、人事院規則あるいは法律直接の部分もございますが、標準職務というものをきめまして、係長クラスの仕事をしている人は何等級というふうに厳粛なワクをきめてやっております。そういう意味相当徹底した形をとっております。したがって、また二面においては、ある種の仕事をやっておられる方は、一定年限おつとめになりますというと、その等級の一番最高の号俸までいってしまわれるわけです。これを何とかしてくれというわけで、もっと上の等級に上げられないかという要請が、むしろ非常に強い。われわれといたしましては、それは公務員法あるいは給与法の鉄則の示すところで、これはやむを得ないということを申し上げておる場面もございまして、案外民間に比べて一般にいわれているほど年功序列型ではないと申し上げていいと思うのです。ただし、いまおことばにございましたように、職務給、能率給というようなものについて申し上げますというと、まず職階制というものをつくれというお話があるわけです。職階制をつくって、精密に職務を分類した上で、そうしていまの給与とこれを結びつけろという話も出てまいりますけれども、私どもはやはり職階制は職階制として考えておりますけれども、ともあれ現在の公務員給与水準は、これは日本の全体の賃金水準がそうであるからでございますけれども、まだまだよその国に比べて高いとはとても言えません。むしろ生活給的な部分が、まだまだ非常に多くのパーセンテージを占めておると私どもは思います。したがいまして、公務員法あるいは給与法の鉄則はそのとおりになっておりますし、また、その鉄則はわれわれの制度上相当手がたく守っておりますけれども、とことんまで理想的に突き詰めたところまでこれを徹底するのには、いまの生活給という問題と正面衝突いたします。したがいまして、その辺の関係を勘案しながら、現実的にわれわれとしてはそこに調整を加えてやっておるわけでございまして、今後の見通しということもお触れになりましたけれども、今後の見通しは、要するに、一般の賃金水準が上がってくれれば、これは容赦なく職務給、能率給的に切りかえられると思いますけれども、まず先決問題は、わが国の経済がさらに興隆いたしまして、一般の賃金水準が先進国並みにずっと上がっていただくこと、これを希望することが先ではあるまいかという気持を持っております。
  72. 折小野良一

    ○折小野委員 終わります。
  73. 大石八治

    大石(八)委員長代理 小濱新次君。
  74. 小濱新次

    ○小濱委員 質問に先立って委員長にお願いがあるのですが、閉会中の委員会でありますけれども、与党席を見ますと一人しかおいでにならないようであります。こちらはだいぶ勢ぞろいして真剣に検討をしているわけでありますが、その点お計らいをいただきたいと思います。  総裁お尋ねしたいと思います。十五日に国会と内閣に対して、五月一日にさかのぼって平均一〇・二%引き上げるよう勧告をなさったわけでございます。人事院は本年の勧告を含めて二十一回行なってきたというんですね。実施時期を含めて完全実施はされていない。特に人事院は三十五年以来五月一日実施勧告をしながらも、これは長い間政府によって実施されてこなかったわけですから、無視されてきた、こう判断できると思う。先ほど総裁は、勧告完全実施は私として——どなたか執念ということばを使っておられましたが、数年来頭を痛めてきた問題である、このように御答弁になっておられます。そこで、毎年同じようなこういう繰り返しごとが続けられておるわけでありますが、提出をすればいいんだという、そういう無責任なお考え方はないと思いますが、責任ある立場にある佐藤総裁として、この問題に対していついつまでもこういう状態であってはならない。先ほどは先の見通しも若干触れておったようでありますが、ひとつ佐藤総裁の御意見を伺っておきたいと思います。
  75. 佐藤達夫

    佐藤説明員 最初に声を大きくして申し上げましたとおりに、私ども勧告は、少なくとも昭和三十五年以来五日一日からということをうたっておりますが、これは結局、私ども調査が四月を基準として官民の比較をいたして、そこに格差が認められる、これをぜひ埋めていただきたいという立場に立ってのものでございますから、これを少なくとも五月にはさかのぼって実施していただきませんと、勧告の筋は通らないわけであります。しかるにもかかわらず、ただいまお話しのように、遺憾ながらいまだかつて五月実施を見たことがない。ただし、まあまあここ数年来一月一月というような調子で、昨年は国会のお力までかりまして前進をさせていただいた。これはわれわれとしては敬意を表せざるを得ませんけれども、しかし、五月に実施していただかなければ筋は通らぬということは、これは厳然たる事実でございます。ぜひとも、先ほどは執念ということばを使いましたけれども完全実施をしていただきたい。というのは、ことばをかえれば、われわれの悲願でもあるわけです。また、それは勧告のたてまえからいって当然のことであろうという気持ちで、従来完全実施を見るようにあらゆる努力をしてまいっておるわけであります。ただ、おことばにありましたように、これは冷たい制度論から申しますと、公務員法なり給与法なりのたてまえは、人事院としては勧告を国会と内閣にお出しするまでが人事院の責任でございまして、それから先は勧告を受けられました国会及び内閣の良識による御判断をまつというのが、制度のたてまえでございます。しかし、そんなことを言って、勧告を申し上げたわれわれがのんべんだらりとあぐらをかいておるわけにはまいりません。やはり責任当局者としては、ぜひこれを趣旨どおりに実現さしていただかなければわれわれの立場は貫かれないということから、制度的にはこれは出過ぎたことかもしれませんけれども、あらゆる努力を尽くしながら今日に及んでおるわけでございまして、今回の勧告については、これはもうぜひとも五月にさかのぼって実施をしていただきたいということをここで強くお願いを申し上げておきたいと思います。
  76. 小濱新次

    ○小濱委員 御決意のほどを伺いましたが、大きな責務をになっておられる総裁のことでありますから、ぜひ一段と努力をしていただきたいと思います。  いまお話しの中で、あらゆる努力を重ねていきたい、こういうことですが、あまりにも過去が過去でありますので、私どもは今後のことが憂えられるわけでございますが、そういう立場から、具体的にはどういうお考え方をお持ちになっておられるのか、あらゆる努力についてひとつお教えいただきたいと思います。
  77. 佐藤達夫

    佐藤説明員 今回の勧告後、私の努力と申し上げるのはちょっと口幅ったいことでありますけれども、活動ぶりは、幸いことしは新聞で囲み記事等において逐一報道してくれましたので、新聞をごらんになっていただければなるほどやりおるわいというふうにお感じいただけると思いますけれども、それは毎年やっていたことなので、ことしたまたま新聞だねになったということでございまして、別に前は怠っておったということではございませんけれども、先ほど申しましたような気迫をもって、もうあと二月でございますから、ぜひことしのうちにという決意でほうぼうかけ回っておる。そこで、第二段階に入りますと、国会に勧告申し上げております立場上、今度は国会に声を大にして訴えて、ひとつ適正なる御判断をお願いしたい。議員立法提出権もお持ちでございますから、きょういますぐにでも勧告どおりの御提案をいただければまことに幸いだというくらいの意気込みをもってこの場に臨んでおる次第でございます。
  78. 小濱新次

    ○小濱委員 人事院の実質一〇・二%の国家公務員給与の改定の勧告は、新聞等を見ますと、史上最高ということばが使われている。この数字の面では一応そういうこともいえると思いますけれども、実質ということになると、これは大きく問題があろうと思うのです。御存じのように、民間春闘相場一五・八%、公労委の仲裁裁定二二・八五%、今回の勧告はこのいずれをも大幅に下回るものであります。先ほど総裁は、今回の勧告において五月実施されれば官民格差を埋めることになると確信しているとおっしゃいました。民間給与との格差是正をはかるというこの人事院勧告の趣旨に、現状ではほど遠いように考えられるわけです。その点について、ひとつお答えをいただきたいと思います。
  79. 佐藤達夫

    佐藤説明員 春闘相場、公労委の裁定というようなものがございますけれども、先ほどもちょっと触れましたように、私ども人事院独自の責任において、きわめて大規模な、かつ、精密な調査をやっておるわけであります。その調査は、去年からどのくらい上がったかという調査ではございませんので、四月現在における、四月を基準として民間従業員に幾ら払われたか、また一方公務員側についても四月現在で幾ら払われたかということをとらえて、それをつき合わせた結果格差が出てくるということでございますからして、民間の上がりの面にはやはり定期昇給も入っておるでしょうし、一方においては公務員側のほうにも定期昇給がある、あるいは先ほどお触れになりましたように、その他の昇給の原因がやはり公務員公務員側としてございますから、それを平面的に突き合わせるのが一番正確であろうということから得ました数字でございまして、史上最高か史上第二か知りませんが、史上最高であろうと何でありましょうと、私どもはとにかく適正なそこに格差を発見して、その格差はぜひ埋めていただきたいという態度で臨んでおるわけでございます。
  80. 小濱新次

    ○小濱委員 自治大臣お尋ねしたいと思います。先ほどの床次長官それから官房長官等の御答弁を聞いておりましたが、政府人事院勧告どおり基本的にはその考え方に変わりはない、こういうふうにおっしゃっておられました。国家公務員が五月実施決定されれば、地方公務員国家公務員に準ずるという立場から自治省は必ず財政措置をするのかどうか、できるのかどうか、これについては、先ほど大臣は財源問題があるので慎重に考えている、現在政府においては決定を見ていないが、政府決定を見れば自治省としては何とかしてこの財源措置をしたい、何か弱々しい大臣の御答弁でございました。ちょっとここが気になってならない。こういう点でひとつ間違いはないかどうか、大臣の御答弁をいただきたいと思います。
  81. 野田武夫

    野田国務大臣 国家公務員給与ベースが決定いたしますと、当然地方公務員はこれに準じて行なうという原則に私どもは忠実でありたいと思っております。したがって、財源問題は政府決定がどうなりますかまだ予想いたしませんで、したがってその財源処置もどのぐらいどうするかということまではまだ具体的にはここでお答えできませんが、何とか処置をしようというのは、弱々しいという小濱さんの御心配ですが、国家公務員のほうの給与ベースが決定いたしますれば、当然私はあらゆる——いろいろな事情がございましょう、財政上のことがございますから苦心するところもあると思いますが、やはりこれに準じて行なうだけの決意を持っております。
  82. 小濱新次

    ○小濱委員 同じく自治大臣お尋ねいたしますが、先ほども若干質問がございました公営企業職員の給与は、どういうふうに考えているのか。この問題については、法律で独立採算制がうたわれているのですから、見るべき筋合いではないとおっしゃるかもしれませんけれども、先ほど大臣は、公営企業職員の給与に関しては全般的に苦慮いたしております——この問題がどうなっているのか、われわれも少し聞いておりますが、この際お伺いをしておきたいと思いますが、大臣の御答弁をお願いいたします。
  83. 野田武夫

    野田国務大臣 先ほどお答えいたしておきましたが、公営企業の給与改定をどういうような方法で行なうべきか、これは現在給与内容が多少違っているという面がございまして、企業職員につきましては、手当を含めた企業職員の現在の給与水準と、改定されましたあとの国家公務員及び地方公務員給与水準との比較検討、それから民間企業の従事者の給与、特に地方公営企業の経営状況、給与改定財源の長期的な見通し、こういうものをやはり総合的に検討する必要がある。そこで、たてまえは、先ほど申しましたとおり、地方公営企業は独立採算制をとるという原則がございます。そこで、財源が要る場合は企業の経常収入をもってまかなう、その経営収入というものは、これは企業努力によってその財源を生み出す、こういうことが原則であるということは、小濱さんも御存じだと思っております。しかし、今日の公営企業の実態というものを考えますと、この原則に沿うてやるべきではございますし、これは法律のたてまえでございますが、しかし、いろいろな諸般の事情もやはり考慮する必要もあるし、これらは改定の基準が決定いたしませんと、いまここでもってどういう処置をしますとかいうことを申し上げることは、非常に困難であります。やはり今度の給与ベースの決定いかんによって財源問題も変わってまいりますので、いまあらかじめこういう処置をとりますということは、ちょっと時日において申し上げる段階ではなくて、その点は御理解いただけると思いますが、その際に、ひとつこの改定が決定いたしますと、地方公営企業職員の給与ベースというもののいわゆる財源というものがどのぐらいかかるか、それでいま申しましたようなたてまえを総合検討しまして、その間でひとつ考慮しよう、こう考えております。
  84. 小濱新次

    ○小濱委員 細郷局長にお尋ねしたいのですが、五大市の公営企業を見ましても、百、二百億という赤字をかかえておられる。こういう人たちがこの給与問題に大きな関心を持っておるわけですが、いつの場合にも自治体としては大きな悩みになって、これは紛糾するわけです。それで今度のようなこういう勧告が出ますと、いつも泣きを見ている、こういう実態があるわけでありますけれども、この赤字団体処置について、実情はどういうふうになっているのか、概略、その方法だけでもけっこうですから、対策についてお答えいただきたいと思います。
  85. 細郷道一

    細郷説明員 御承知のように、赤字団体は再建計画をつくってその執行につとめておるわけでございますが、最近いわゆる特に都市におきます社会経済情勢の変化、そういったようなものがございますために、所期のような計画の遂行がむずかしいといったような面も出ております。   〔大石(八)委員長代理退席、委員長着席〕 したがいまして、そういった事情につきましては、そういう事業体の再建計画の執行ができますように、さらに突き進んで、そういった企業が独立採算制の前提条件を満たすにはどうしたらいいかといったような問題について、私どもは絶えず検討を加え、また、毎年その合理化をはかっておるわけでございます。
  86. 小濱新次

    ○小濱委員 時間もありませんので、次へまいります。次は公務員部長お答えいただきたいと思います。  今回の勧告によると、特に民間企業との格差の著しい研究職、それから医療公務員の待遇改善については、どうもはなはだ遺憾に思えるような内容であります。この問題は、昨今過疎地帯等における医者の不足は深刻なものになっておりますが、これらの医療機関に従事する公務員の待遇改善を行なわない限り、過疎対策もはなはだむずかしい問題であろう、こういうふうに考えているわけであります。この点について、公務員部長から考えをお答えいただきたいと思う。
  87. 鎌田要人

    ○鎌田説明員 実は昨年四月一日現在におきまして「地方公務員給与実態調査」、これは指定統計でございますが、これが先般まとまりましたのでここに持ってまいったわけでございますが、この中で平均給料月額は、地方公務員全職種でございますと、今年は小中学校の教員、義務教育の職員のほうは文部省でやりましたので、全体ではございませんで、一般行政全体の集計がとれなかったのでありますが、たとえば一般行政職が全地方公共団体で四万二千七百五十二円、それに対しまして医療職、医師、歯科医師でありますが、九万六千四百六十円、こういう額になっておるわけであります。特に町村の場合でございますと、一般行政職が三万三千八百六十三円というのに対しまして、医師、歯科医師職は実に十二万二千六百五十六円、こういう額になっておるわけでございます。まさしくただいま御指摘に相なりましたとおり、町村、特に僻陬の町村におきましては、医師の確保ができないために非常に苦慮しておるということが、この簡単な数字からも実は明らかになっておるわけでございます。特に辺地の町村におきます医師の確保をどうするかということにつきましては、私どもも地方の実情を耳にいたしております。たとえば青森県あたりでございますと、どろにもお医者さんが参りませんために、台湾からお医者さんに来てもらっておる、こういうところがございます。あるいは通常の退職手当に加えまして、その市町村で命を出し合いまして、一部事務組合的な形で基金をつくりまして、退職手当の割り増しを行なう、こういったようなことをやっておるわけでございます。ところが、そういうことをやりましても、なおかつ医師の確保ができない。ある税度給料の調整ということをもって医師の足を引きとめる、あるいは新規にお医者さんを入れる、こういうことには限度があるのではないか、私ども、率直に申しまして、そういう感じがしてまいっておるわけであります。辺地の、医者の確保ということを、そうでなくても財政力の薄弱な町村だけにまかし切っていいものだろうか。そういう辺地に対する医師の確保というものは、単に財政面あるいは給与面だけでなくて、どういうふうにしたならば都会地に集中したがる医師というものを確保することができるかということにつきましては、もっと文部省あるいは厚生省、そういったところの知恵も拝借しながら、全体的な国民の医療の均等という面から考えてまいらなければならないという感じがいたすわけでございます。そうなりますと、実は私どもの手にちょっと負えないわけでございますが、当面の問題といたしましては、やはり私の所管の面、特に給与の面でまいりますと、ある程度やはり給与の面で手厚い措置を講じながら、医者を確保するということにつきましては、辺地の町村に対しましてはまことにお気の毒でありますけれども、なおこのままの形でしばらくは推移せざるを得ないのではないか。それに対します財源の問題ということを、広い意味での過疎地域、辺地対策の一環として考えてまいらなければならないのではないだろうかというふうに感じておる次第でございます。何ぶん非常に大きな問題でございまして、私一人の手に負える問題ではございませんが、実情を簡単に申し上げますと、そういう状況でございます。
  88. 小濱新次

    ○小濱委員 尾崎給与局長、おいでになりましょうか。——お尋ねいたします。  通勤手当についてでありますが、全額支給の限度を二千八百円、こうなっております。これをこえる部分についての二分の一加算の限度額を千四百円、こういうふうになっております。こまかい内容については御答弁によって申し上げたいと思いますが、交通費は本来全額支給すべきである、こういうふうに思うのでございますが、この点はどういう考え方からこういう限度額を算出されたか、御答弁をいただきたいと思います。
  89. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 通勤手当につきましては、職員から全額を支給してもらいたいという要望がかなり強いわけでございます。そこで民間における支給状況をいろいろ調べているわけでございますけれども、今回の調査におきましても、全額支給している事業所というのは、三七%でございます。それ以外の事業所におきましては、ある限度を設けまして支給しているわけでございます。したがいまして、大体四割のところが全額支給、それ以外のところは制限的な支給という関係になっておりますので、私どものほうでは、従来からある限度までは全額、ある限度から先は半額ということで制度を組み立てておるわけでございます。そういう関係につきまして、今回の調査の結果も特に前回の調査と変わっておりませんので、現行のある限度までは全額、それから先は半額という制度を妥当だろうということで、今回特に改正はしてないわけでございます。したがいまして、その限度額というものにつきまして約一五%の引き上げを行ないまして、二千四百円までは全額というのを二千八百円までは全額ということで約一五%引き上げますとともに、半額の加算をするというところにつきましても約一五%の引き上げを行なったということでございます。
  90. 小濱新次

    ○小濱委員 限度額が、東海道線で鶴見の場合には、もう二千六百円であります。それから鶴見のちょっと先になるわけでありますが、この辺までが全額支給になるわけです。これを越えるところの二分の一支給の限度は、戸塚が四千四百円であります。これは横浜の市内です。戸塚から通勤している人は、通勤費の支給限度は越えているわけであります。私はその先から、藤沢から朝院内へ来るわけでありますが、いま、駅のほうの調査によりますと、二七〇%になります。その人が途中でほとんどおりません。横浜で若干おりますが、まともに東京へこれが入るわけであります。湯河原から都庁に通勤している人も、若い職員で、あります。こういう点で、国鉄運賃値上げ以来、遠隔地からの通勤者は、交通費の負担も相当多くなっている。このことが生活費に大きく食い込んでいることがわかるわけであります。こういう実情をやはりよくよく勘案してもらわなくてはならないわけでございます。何か、ある限度までこういたしました、それでまた五〇%こういたしました、さもその答弁は満足のような気もいたしますが、実態を調べてみますと、とんでもない、生活に食い込んでいるという、そういう交通費になっているわけです。この点については重々考えていただかなければならないわけでありますが、ただいま尾崎局長から御答弁がございましたが、これは総裁、ひとつこれからの問題もありますので、考え方を聞かしていただきたいと思います。
  91. 佐藤達夫

    佐藤説明員 白紙に考えますと、私どもとしても、全額支給までいければこれに越すことはない。また、公務員諸君の強い要請も、そこに集中しておるわけであります。ただし、今日までの私ども態度は、先ほど来いろいろな機会に申し上げましたように、やはり民間を十分見守った上で適正な処置をとっていこうということに決しておるわけでございますからして、今後もそういう要望を心に深く体しながら、民間の趨勢等をもながめて善処をしてまいりたいというふうに思っております。
  92. 小濱新次

    ○小濱委員 こういう実態では、高物価と重税に悩む公務員労働者の生活の実質的改善は期待できない、こういうふうに私どもは考えているわけです。こういう点での意見をひとつ大いに尊重していただいて、今後努力をよろしくお願いしたいと思います。  時間が過ぎましたので、最後に一言申し上げて終わりたいと思いますが、四十二年の十月二十四日でありますが、私が本院に参りましてこの同じ問題を審議をしたときに、「地方公務員給与改定財源に関する件」の決議が行なわれている。これは自治大臣も就任後ごらんになったかと思いますけれども内閣委員会においても同様な決議の措置がとられているわけであります。二十一回の勧告である。あるいはまた人事院としては三十五年以来である。きょうの答弁を伺いましても、財源問題であるとかあるいはその他のことから慎重に政府は取り扱っているということでありますけれども、この問題については、多くの公務員が結果を大きく期待をしているわけであります。人事院の数限りない努力の結晶が勧告となって出てきたわけでありますから、政府人事院勧告完全実施を一日も早く実現するべく私どもは要望いたす次第でございます。さらに全力を尽くすことを閣僚の一人であられまする自治大臣に特にお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  93. 野田武夫

    野田国務大臣 人事院勧告完全実施ということでございますが、私も小濱委員と同様に、その一日も早く実現することを心から希望しているものでございます。ただ、この問題の処理にあたりましては、財政当局財源問題についていろいろ苦慮しておられる、これも私よくわかります。したがって、今回の人事院勧告を直ちに完全実施に移し得るかどうか、これは政府全体で考えることであるし、同時に財政当局も、これは先ほど人事院総裁から言われましたように、国民の税金を使ってやることでございますから、財政当局としてはこれは検討するということはもっとものことでございますし、同時に地方公務員の問題は、自治省といたしましてもやはり財源問題を考慮いたします。しかし、私は重ねて申し上げますが、政府は常に人事院勧告を尊重するという立場をとっております。私は、尊重するという以上は、やはり一日も早く完全実施に踏み切るべきだということを考えております。しかも本年の一月の関係閣僚会議に私も出席いたしまして、四十五年度をめどに完全実施ということをこの閣僚会議ではっきりと申し合わせております。こういうことを一つ踏まえまして、私のいわゆる考え方、また、これは公務員の方々の御希望にも、政府の責任として処理すべきことじゃないかと思う。それにはいま申しましたようなことでございますから、今回完全実施をするかどうか、これはやはり財源問題を言われるのは私も当然だと思いますが、少なくともこの一月の四十五年をめどにして完全実施をするという方向は、これは曲げられないと感じております。したがって、今回の勧告の処理につきましては、これはまだ今後関係閣僚会議を数回開きますと同時に、政府全体として考えることでございまして、先ほど官房長官からも御答弁いたしましたとおり、九月かあるいは十月になりはせぬかということで、この間の処理については慎重に討議しようという、しかもその慎重というのは、まじめにひとつ検討しようという態度でございますから、この点はひとつ御了承願いたいと思っております。
  94. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 林百郎君。
  95. 林百郎

    ○林委員 まず、人事院総裁お尋ねしますが、本年度勧告について改善された側面もありますけれども、全般的にまだまだ私たち全面的に賛意を表するところまでいっておりません。いま私ここにこの人事院勧告について公務員の要望しておる機関紙もございますので、それも基礎にしてひとつ問題点を若干御質問したいと思うわけです。  最初に、この勧告の中にある物価及び生計費の点ですけれども、ここで本年四月現在、昨年四月に比べて、総理府統計局の消費者物価指数でも全国で四・六%、東京で五・四%の上昇だ。ところが、同局の家計調査における本年四月の全世帯の消費支出は、前年同月に比して、全国にあって九・二%、東京にあって一二・一%の上昇、こういう文書があるわけです。これはそのとおりでございますけれども、この持っている意味、消費者物価指数と家計調査の消費支出との関係ですね、この点について人事院の見解をまずお尋ねしたいと思うわけです。
  96. 佐藤達夫

    佐藤説明員 林委員以上の知識を持ち合わせておりませんけれども、私なりにお尋ねを了解すれば、物価のほうはそのものずばりでございますけれども、家計費その他生計関係のほうは、その時代その時代の一般国民の欲望というものがやはりそこに織り込まれておるというふうに見てしかるべきだろうと思う。だんだん生活の水準が上がれば、やはり家計関係、生計関係の額も上がっていくというようなことで、これはいわば物価に比べれば多少相対的な面が強いというような申し上げ方ができるのじゃないかと思います。
  97. 林百郎

    ○林委員 消費者物価指数のほかに、全世帯の消費支出というものは、具体的にはどういう要因を考えておられたわけですか。
  98. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 総理府統計局の家計調査におきます消費支出と申しますのは、いわゆる家計における全支出の中から税金その他非消費支出を差っ引きました、実質的な生計の費用というようなものでございます。
  99. 林百郎

    ○林委員 そうすると、消費者物価指数では全国で四・六であっても、そういう、家庭生活全体からいえば、この指数の約倍の消費増を来たしておる、パーセントからいえば。そういうように理解していいわけですね。
  100. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 昭和四十三年度につきまして申し上げたいと思いますが、消費支出が六万六千九百六十八円でございますのに、非消費支出は七千三百円というような形になっております。
  101. 林百郎

    ○林委員 ちょっと待ってください。そこのところをもう少し説明してみてください。どういうことだかよくわかりません。
  102. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 昭和四十三年度におきましての統計でございますけれども、収入のほうから申しますと八万八千円ほどの収入がございまして、その中からいろいろな支出が行なわれるわけでございますけれども、いわゆる生計費といわれております食料、住宅、光熱、それから被服及び雑費、そういった内容を持ちます消費支出が六万六千九百六十八円、ほぼ六万七千円ほどでございまして、それ以外の税金とかあるいは公租公課とか、そういったような性質のもの、あるいは借用金の返済とか、そういったものが非消費支出と概括されておりますけれども、それが七千三百円ほどあるということでございます。
  103. 林百郎

    ○林委員 そこで、あなたのほうの勧告の「次に、本院が、例年、前記家計調査および厚生省の国民栄養調査を基礎として、特に算定している独身男子(一八歳程度)の東京における標準生計費は、本年四月において月額二一、九一〇円となった。」こう書いてあります。この二万一千九百十円の——これは家族の標準生計費もございますけれども、単純にこれをとってみます。この食費、住宅費、光熱費、被服費、雑費はどうなってこの二万一千九百十円というものが出ていますか、ちょっと説明してください。
  104. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 お手元に参考資料というのがいっておるかと思いますけれども、その四一ページに十七表というのがございまして、(「みんなに配ってないよ」と呼ぶ者あり)失礼しました。参考資料でございますからなんでございますが、その二万一千九百十円の内訳といたしまして、食料費としまして九千三百円、それから住居・光熱費としまして四千六百八十円、被服費としまして千七百四十円、雑費といたしまして六千百九十円ということで、合計二万一千九百十円ということでございまして、食料費とそれから住居・光熱費、被服費、雑費という四つの大項目ごとに算定をしておるわけでございます。
  105. 林百郎

    ○林委員 そうすると、食費の例をとってみますと、九千三百円を三十日で割ると約三百円ですね。一食百円前後と見ておる、こう見ていいですね。これは、言うまでもなくあなたの数字から出てくるわけですね。ということは、公務員の諸君がいま一番関心を持っておるのは、食事の問題なんですね。栄養がとれるかどうか、自分の健康を再生産していくことができるかどうかということに非常に大きな関心を持っておる。実は、昨日も私たち公務員の諸君といろいろ話し合ってみたのですが、非常に素朴な点ですけれども、そこにいま非常な大きな関心を持っておるわけです。それで聞いておるわけです。一日三百円の食費、十八歳の成長盛りですね、一食百円、こう本院は見ておると考えていいですか。
  106. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 二万一千九百十円の内容といたしまして、食料費のマーケットバスケットを作成しておりますけれども、その日額は三百五円七十四銭ということになっております。
  107. 林百郎

    ○林委員 一食百円で何が食べられるかということは、ここで私が言うまでもないが、人事院は大体そこに食費の一つの基準を置いているということがわかったわけです。  そこで、その次にお尋ねしますが、今度の勧告は平均一〇・二%、五千六百六十円というのですけれども、この五千六百六十円という平均のアップまでいかない者は、どのくらいあるかということを私のほうで調査してみたのです。これはいつもこのことが問題になるわけですけれども、実は各マスコミでは実質では史上最高というふうなことが書かれているものですから、このことの正確な意味をやはり公務員諸君のためにここではっきりしておく必要があると思うわけですけれども、全職種で見た場合、四千五百円未満の引き上げが三九・二%。そのうち行(一)で四四・六%、行(二)では五一%、これが平均のアップまでいっていないのですね。なお、これはおたくのほうからいただいた資料かと思いますが、四千五百円から四千九百円までのアップのところを見ますと、行(一)が六二・七%、行(二)は八九・八%、税務が三三・四%。行(二)に至っては、平均五千六百六十円のアップといいますけれども、そこまでいかない四千五百円から四千九百円までの人が八九・八%いる。行(一)は六二・七%あるということです。一方次官級は四万三千円のアップということで、これは特に高級職員のアップですけれども、こういう中に公務員人事院勧告の制度自体に非常に不満を持っている一つの要因があるのじゃないか。いかにもかけ離れているのじゃないか。次官級は年間に約五十万近くのベースアップがあるというのに、一方では月五千六百六十円の平均までいかない者が、行(二)に至っては八九・八%あるというのですね。これは毎年問題になるところですけれども、これは総裁、どうお考えですか。
  108. 佐藤達夫

    佐藤説明員 公務員諸君の側には不満がありますし、また政府側には失心をする人もおるというような中で、私ども作業をやっておるわけであります。したがいまして、よりどころは、やはりわれわれが足で調べてまいりました七千事業所民間給与をがっちりとつかんで、そしてそこに水準を求めて、ぜひこれに合わせていただきたいというのが、一番手がたい行き方であるという意味で従来やってきておるわけでございます。  ただいま御指摘のいろいろのアップ率なり何なりにつきましても、相当こまかいところまで民間の各階層の部分を照らし合わせながらやっておるわけでございます。したがいまして、いま御指摘のようなことにもなりますけれども、たとえばいまのお話をパーセンテージに翻訳して申しますと、これは全体が一〇・二、その中で全部を俸給に回しているわけではございませんで、その配分としては八・七を俸給のほうに回しておる。あとは扶養手当でございますとか、先ほどの通勤手当でございますとか、そっちのほうに回しているわけでございますから、全部が全部俸給に回るものでもない。しかるに、ただいま御指摘のたとえば行(二)の方々の部分につきましては、パーセンテージからいいますと、一四・五%というところまでわれわれとしては勧告申し上げておるわけです。これは額に直しますと、いまお話しのようなことが出てまいりますけれども、まず一応率で見ていただくのも一つのあれではないかということで申し上げておるわけであります。  それからいまの指定職の場合につきましても、四万何千円とかおっしゃいましたけれども、これは三万五千円が一番トップで、次官級は三万円ということでございます。これも民間の役員給与をわれわれのほうは調べておりますが、まだ民間の役員給与に及びませんけれども、これはこの辺でがまんしていただかなければならない、こういうたてまえでできておるわけでございます。
  109. 林百郎

    ○林委員 これはパーセントも問題ですけれども、中間から以下の公務員にとっては実額が幾らくるかということが問題なのです、幾ら率がいいからといったって。だから、そのことを考えませんと、まあそれは佐藤さんの主観的な努力はわかりますけれども、やはり人事院勧告の制度が——それを守らないのはなお悪いけれども、低賃金一つの標準を人事院自身がつくることになるという酷評すらされることになるので、一例としていまのことを申し上げたわけです。  いまの問題でついでに、同じような性格の問題だと思いますが、賃金の間の差ですね、間差といいますか、昇給間差額千五百円未満をなくしてもらいたいというのが、公務員の強い要望なんです。ところが、そのまん中どころへいくと、それが非常にふえている。これが一つの問題になっているようですね。たとえば行(一)で見ますと、三十一号俸、五万一千六百八人で二一・二%、行(二)では八十三号俸、三万六百四十四人で四九・二%、これが間差額千五百円以下に残されているということですね。これはもう専門家の総裁おわかりでしょう。ここの改善については、総裁はどうお考えになっていますか。こういう強い要望があるにもかかわらず、依然として行(二)で間差額千五百円以下が約五〇%近く残されておるということですね。これでは号俸が上がったところで、千五百円以下のわずかなものにすぎない。ここへ公務員の大きな層がたまっているということですね。これについてはどうお考えですか。
  110. 佐藤達夫

    佐藤説明員 間差額を広くすればするほど御当人に対しては励みになる、また期待をお待ちいただけるわけで、これは望ましいことには違いございませんし、また公務員の諸君の御要望もよくわかります。しかし、先ほど来申しておりますように、大体民間の基準というものをわれわれとしては大きくにらみながらやっておるということと、それから、これは申すまでもありませんが、初号の近くのところの金額を上げておきますと、結局それはそれで、さらにどんどん間差額を積み上げた日にはどえらいことになります。そういう関係もありまして、たとえば運転手の方々なんか、民間の例を見ますと、初号からもうすでに高いところにいっておられますから、したがって、間差額は非常に詰まってしまっておる。これは当然の論理でございます。そういう面もあわせてお考えいただきますれば、まあわれわれとしては適正なところを勧告申し上げているというふうにお考えいただけると思います。
  111. 林百郎

    ○林委員 賃金が上がれば上がるほど本人の励みになる、しかし額に限度があると言いますけれども、同じ国家公務員でありながら、上のほうは今度の勧告で四十万にもなる人がいるわけなんですからね。あまりにそこがアンバランスじゃないか。だから、今度は上に厚く中間層以下に薄い。この間差千五百円未満をなくせという公務員の要求に対して、まだ五〇%残っておるということになりますと、それはやはり公務員としてはありがたい勧告だとは言いがたいのじゃないでしょうか。ましてやこの勧告実施されないこと自体——これはまた違う次元で話をしますけれども勧告自体に問題があるのじゃないかというように思いますがね。  それから、時間がないので、そういう点で総裁と論争をかわしているわけにいきませんけれども、ことに行(二)の人たちの賃金体系の不合理さということが非常に強く要望に出ておりますので、今度も依然としてそれが改善されておらないというところに問題があるのじゃないかというように私思うわけですよ。もし総裁が、この点はこうやった、行(二)と中間層のところで特にこういうふうに力を入れたというなら、言っていただきますが、ことに中間の層ですね、いま私が申しましたような三十一号俸から行(二)の八十三号俸あたりですけれども、この辺の前後に問題があるように思うわけです。  この問題、答弁がありましたら答弁を一括して聞かしていただきたいと思いますが、その次に扶養手当の点も、公務員の諸君に言わせますと、やはり妻だけだ。どうしてあとの子供につかないのか。妻も七百円という額ですが、つかないよりはいいわけですけれども、私はつけたのだから林さんその点評価しろと言われれば、その点評価しないわけではないですけれども、これは妻だけだ。しかも公務員の皆さん非常に賃金が安いですから、聞いてみますと、やはりみんな共働きをしているわけですね。共働きしているのに、扶養手当のつかない妻のところだけを七百円上げても、これは不合理ではなかろうか。やはり働くことのできない子供に扶養手当をつけるというのが合理的ではないか。それで勧告の「別表第三、民間における扶養手当の支給状況」を見ますと、やはり子供一人から子供五人のところへずっとつけておりますが、どうして今度の勧告ではその点を考慮されないのですか。あまり実益がないことになるのじゃないでしょうか、中間の公務員の諸君にとっては、妻だけが七百円、しかも共働きされているという実情では。どうして子供につけないのですか。
  112. 佐藤達夫

    佐藤説明員 大体私どもが今度の勧告で自慢に思っておるところにお触れいただいておるように思いますけれども、先ほどちょっと指定職の四十万円とかなんとかというお話ですが、これはちょっとお考え違いじゃないかと思います。これはそんなにはなっておりません。  それから行(二)の問題は、これはもうわれわれ実に力を尽くし力を尽くししてまいっておりまして、毎回いままでの改善の実績表などをつくりまして、まだこれでもこれでもという調子でやっておりますから、これはひとつ数年来の実績をずっとつなげて御判断いただけば、いかに努力しているかということがおわかりいただけると思います。  それからいまの中間の問題でございますけれども、それについて扶養手当のお話がありましたけれども、まず、私どもが今回の勧告相当力を入れましたのは、初任給と世帯を形成する年代のところです。すなわち二十七、八歳のところ。これはいま扶養手当についてお話になりましたから、そのほうに入りますけれども、扶養手当は、民間調査をいまごらんになっておりますように、千七百円というのが配偶者に対する民間水準になっておりますから、これをそのままちょうだいいたしました。それから子供のほうも、そこでごらんになりますように、国家公務員の場合は、いま第一子が六百円で、それからあとは四百円ずついくわけですね。ところが、民間は、前回の調査に比べると、子供の分はほとんど動いておりません。配偶者の分が飛躍的に上がっておるということで、それをちょうだいしたというわけです。  それからもう一つ声を大きくして申し上げておきたいと思いますのは、民間の場合においては、子供の分は大体何人目までということでほとんど打ち切りでやっておるわけです。ところが、国家公務員の場合は、何人お子さんがありましょうとも四百円はずっと差し上げるということになっておりますから、扶養手当などは今回の大きな自慢の一つになっておるわけです。
  113. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 林委員に申し上げます。時間ももうなんですから、ひとつそれだけにしていただきまして……。
  114. 林百郎

    ○林委員 もう私終わりますよ、まだ二十分に足りないですよ。
  115. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 あなたは関連でもやりましたことですから、結末をつけてください。ひとつどうぞ……。
  116. 林百郎

    ○林委員 いまの問題ですけれども、これは妻のほうだけは上げた。それじゃ子供のほうはどういうような措置をしたか。あなたは三百円とか四百円という数字を言っておりますけれども、妻のほうを七百円上げたところで、共働きをしている公務員の家庭では実効がないじゃないか。むしろ子供のほうを上げるほうが、あなたの言う世帯持ちの公務員を優遇するというならば、優遇することに実質的にはなるのじゃないかというように思うわけです。それからもし世帯持ちのことをおっしゃるなら、これはもう社会党の議員の方も聞かれましたけれども、たとえば住宅手当につきましても、これは民間公務員とほぼ類似の事業所の手当支給について見ますと、住宅手当が五九・二%ついておるのですね。これは公務員の諸君の資料ですけれども、約六〇%、(「人事院資料もそうだよ」と呼ぶ者あり)あなたのほうの資料もそうだという声もあるわけですが、この住宅手当については、公務員も強く要望しているわけです。それからいまの世帯ひとり者の生計費の中の住宅費も約四千円から五千円の間くらいを見ているようですけれども、事実はもう一畳二千円というような家賃が出ているときですから、やはりこれを考慮しなければならないと思うわけですけれども、この住宅手当について考慮がなされてない。公務員類似の事業所では約六〇%近くつけているというのに、この点についてはどうお考えですか。
  117. 佐藤達夫

    佐藤説明員 いまメモをもらいましたが、配偶者を持っておる者が五四%おるそうでございますから、配偶者に対する手当は相当きき目があると思います。  それからもう一つ、さっき自慢を落としましたけれども、先ほど子供のお話がございましたので申し上げておきますけれども、今回片親の者については第一子について千二百円ということをやりましたから、とくとその点御留意を願いたいと思います。まあ相当のことをやっておる、われわれとしてはおほめにあずかるつもりでここへ出てきておるわけであります。  それから住宅手当のお話が先ほど来出ておりますけれども、これはやはり民間の普及度というのと見合いながらやりたい。しかしながら、片や公務員宿舎に入っている人と入っていない人とのアンバランスはほっておけないということで、公務員宿舎の増設拡充を強くお願いして、近年数年にわたって相当これができてまいっております。そうしていわゆる上の人ばかりでなく、それ以外の人々もお入り願えるように態勢がだんだん進んでおります。
  118. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 林委員、それで最後にしてください。
  119. 林百郎

    ○林委員 七百円上げた、あるいは子供に四百円ついている、三百円ついている、それが努力の結晶だとして評価しろと言われれば、それはつかないよりはついたほうがいいかもしれませんけれども、いまの生活の実態からいって、子供一人に三百円ついているのが人事院の努力を評価しろといって、ああそうですかと言えますかっていうのです。  最後に、これは社会党の山口さんも質問されたのですが、高年齢の問題について何を言おうとしているのか、ここのところをもう少し正確に知っておきたいのですけれども、「一般職国家公務員民間を上回っている傾向があり、その昇給の実情についても」云々、これは読まなくてもわかるのですけれども公務員の諸君からいうと、これは昇給ストップなども含む賃金体系の改悪を意図しているのではないかという警戒心が出てきているわけです。何も高齢層の職員の給与が、それは官民の間に差があったからといって、公務員の高齢層の職員の給与がいいとは、とうてい言えないのです。それは一部特別職かなにかにある人は別ですけれども……。これは何を言おうとしているのか、公務員の諸君もこの点についてはむしろ非常に警戒をしている点ですから、この点を説明願いたい。  それから委員長、これしかもう質問できないですか。できないなら、最後自治省に、これはもう幾度か聞いているのですが、私はよくわからないのです。地方自治体に対する財源措置ですが、もう少し具体的に、こういう場合にはこれとこれとこういうことが考えられる、こういうものも考えられるというような——われわれも国会議員ですから、地方自治体へ行って、人事院勧告についてはこういう財源、こういう財源もあり得る、これはこういう要因をなしているのだという説明もしなければならないのですが、目下検討中、検討中のあの大臣の答弁だけでは、われわれ国会議員として地方自治体へ行って責任を果たせないと思うのです。だから、これだけのものは上がるとして——これは資料にもありますけれども、約千数百億ですか、どういうものが考えられるのか。あるいは昨年のように特交というようなことも考えられるのかどうか。自然増とすれば、自然増の趨勢がこうだから、ことしの何月実施数字からいってこうだとか、もう少し具体的な説明を大臣と細郷さんにお聞きしたい。一つ質問しかできないそうですから、両方兼ねて質問するわけです。
  120. 佐藤達夫

    佐藤説明員 高齢者の問題は、先ほども触れましたように、要するに、昇給制度というものについてのわれわれのいまの問題意識というものをここに投げたわけです。要するに、昇給制度というのは、どうして毎年毎年こう給与が上がるかと申しますというと、結局年数がたつにつれて本人の能力も向上するだろう、それからまた生計規模も拡大していくだろう、それに応じて段階をつくっていくということだろうと思いますけれども、高年齢に達せられた方については、そういう条件はもうちょっと出てこないわけです。しかるにまた一方、民間の場合について、国家公務員民間との年齢階層別給与を突き合わせてみますというと、民間のほうは、高年齢層の人の給与は非常に低くなっている。それで逆に働き盛りの中若年層の人々の場合と突き合わせますというと、民間が高くなっておる。公務員のほうがへこんでおるという形になって出てまいります。そこで、民間昇給制度をどうやっているかと申しますと、先ほど触れましたように、全部昇給ストップということをやっているものが三一%、それから昇給額がだんだん減っていくというものが五〇・何%、それから年齢にかかわりなく昇給額が変わらないというのがわずかに一八%しかないというようなことから考えまして、これはやはり昇給制度をもう少し根本的に考え直さなければいかぬということ。それからもう一つ、こういうことになっておる結果、官民給与を比較した場合に損になっておるということが、われわれの立場から申しますと、相当重大な関心を持って臨むべきことであるということで、根本をそういうふうに持っていって給与制度昇給制度の面を再検討して、そうして成案を得ましたならばこれを実現したいという気持ちでおるわけであります。
  121. 野田武夫

    野田国務大臣 給与改定措置財源は、御承知のとおり、本年度相当用意をいたしておりますが、その他いろいろ数字が出てまいりますから、その場合どうするか、これは政府委員からひとつお答えします。
  122. 細郷道一

    細郷説明員 ことしは九百五十億すでに措置をいたしておりますから、その範囲でおさまれば問題はないと思いますけれども、もしそれ以上要するということになると、その差額について適切な財源措置が要るということになるわけであります。その方法につきましては、もうすでに先生方十分御承知のように、過去にいろいろなケースがあったおけでございます。借り入れをしたこともございますし、自然増収によって調達できたこともございますし、節約によって処理をしたこともございますし、あるいは交付税、起債等で措置をしたような時期もあったわけでございます。そういったものをまた組み合わせたときもございまして、そこいらにつきましては、なおこれからもう少し検討をしてみないと、的確なことは申し上げかねると思っております。
  123. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 三時に再開することとし、この際暫時休憩いたします。    午後二時十四分休憩      ————◇—————    午後三時九分開議
  124. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。野口忠夫君。
  125. 野口忠夫

    ○野口委員 専売公社の皆さんに御質問したいと思うわけでございますが、専売公社では、昭和四十三年の十一月十五日に、専売公社の新長期計画、「これからのたばこ事業」というようなことで御発表になり、今年の六月には、その実施計画として中期計画を御発表になっておるわけでございます。いろいろな理屈はついておるようですけれども、この趣旨は何か財政専売としての国への奉仕、そのためにいかにして企業利潤の増大をはかろうかというような企業性の強化、そういうようなことを中核とする計画案を発表されて、全専売の労働者の皆さんが、この計画の中から生まれる不安と不満というようなことから、昨日は労働者の要求の行動として全国的にあらわれておったようでございますけれども、専売の国家財政に対する協力ぶりというものは、私から見れば、昭和四十年の不況下の際でも、他のほうの税収が全部赤字というようなときにも、専売事業の納付金の納め方は黒字というような状態で、まことにこれは成長事業であると私たちは考えていたわけでございますが、さらに、国家財政への奉仕を協力する中で、専売の労使間の関係というものは、私からいえば、まことに正常な関係を従来保ってきたと思うのですけれども、何か不穏の状態が要求の中にあらわれてくるような結果になるような、こういう合理化案をいま実施しようとしておるわけですが、労働者のこのような要求を受けながら、総裁としてはどのような見解を持っていらっしゃるか。また、これらの要求に対してどういう態度をもって臨もうとなさっておるか、お聞きしたいと思う次第であります。  なお、時間は二十分という制限を受けておりますので、ひとつ答弁のほうも簡を得てきっちりしたところでお願いしたいと思います。
  126. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 政府委員各位もそのようにお願いいたします。
  127. 佐々木庸一

    ○佐々木説明員 御指摘になりましたような長期計画、中期計画を含めまして、目下専売事業の合理化を推し進めたいと思っておるところでございますけれども、これは単に財政への寄与を考えておるばかりではないつもりでございます。私ども、さきにたばこの定価改定についてやりましたときの国会での御議論として、専売公社の合理化をもっと進めるべきであるという御批判をいただきました。私どもは反省を要するところが多いと考えたわけでございます。私どもは、事業の効率化をはかることによりまして、また、つくります商品の品質を高めることによりまして、消費者の皆さんの御要望にもこたえ、その結果として国家財政並びに地方財政に寄与することを念願しておるものでございますけれども、利益を最大にするためだけの計画と申しますよりも、この合理化計画によりましてたばこ事業に関係するものの総体が、いろいろな条件を越えて生活なり生業なりの安定を期することができるようにというのが終局のねらいのつもりでございます。関係者が、国際競争が今後迫ってくるたばこ事業の変化の中で競争力あるものとして生き残っていけ、かつ、消費者の方々にも、税金的なものとしてお納めする部分は別といたしまして、なるべくコストの安いもので、そしてまた品質のいいものを提供したいというのが、この合理化の目標でございます。
  128. 野口忠夫

    ○野口委員 お話しの向きについては、私どものほうから一つ一つ指摘して、その問題について明らかにしたいのですが、時間がございませんから後ほどお答えいただいたときに申し上げることにして、ひとつお聞きだけしておきますが、いま国の政治の中で一番重要な問題なのは、過疎過密の問題でございましょう。当委員会においても、過疎問題について、これは与党の議員さんの提案の中で、いかにするかという提案がなされ、この問題についてみんなで真剣に討議をしてきたわけであります。その中で、参考人等の話を聞きますと、やはり過疎地帯の解消の方法は、地場産業の育成というような、いわば過疎地帯における経済の振興、産業の振興というようなことを考えなければならない。進められつつある地域格差の極限における拡大として過疎過密があらわれているものは、いまの当面する日本の政治課題としてはまことに大きなものであろうということで真剣な討議が行なわれたわけでありますが、専売事業は、その国の専売事業というような性格の中で単なる利益を求めるだけではなくて、それぞれの地域に地場産業的な葉たばこ耕作農民をかかえて、農業の問題を含めながら、その地域における公社の工場ないしは役所というようなものが、いわば山間部、恵まれない過疎地帯においては、長い間の歴史の中でそれぞれの地域の発展に大きな貢献をしてきたことは、私自身、自分の町に専売公社の出張所があって、長い歴史の中で町に対して貢献してきたものが多かったと思うわけであります。産業に恵まれず、そうした産業を振興するような意味における人間を集めていくような方向の工場や官庁等を持たない過疎地帯において、専売事業が過疎地帯をささえてきた力は大きかったと思うわけでありますが、今回の合理化計画を見ますと、その生産、その製造、その販売の各般にわたってこれが合理化を進行するわけでございますが、その中には、原料工場等においては相当数の減少を来たすというので、この原料工場等をかかえて発展してきた鹿児島県等の地域においては、地域住民をあげてこの問題について、困ったものだというような声が起こっております。一方には、過疎地帯をどうしようかということでこれからの産業の振興を考えていくときに、一方においては、そういう過疎地帯においていままでささえてきた力をなくしてしまうというような、何か相反するような方向が出ているようでありますが、単に中央の段階で「安くてうまいたばこ」というような表現もございますが、私はあまり安くもないと思います。あるいはまたコストの引き下げというようなことが一体地域の農民の上にどのような影響を与えていくだろうか、いろいろな意味を考えてみまして、専売公社は、企業の上に立って、公社として専売事業を受け持ちながらそのことにのみ頭を突っ込んでおって、これほど大きな問題になっている地域の過疎現象を解消しようとするような方向で御検討があり、しかも、その中心的な存在である自治大臣等にこうした問題については十分お話し合いが行なわれ、いわば国の政治の中における重要な問題についてみんなでひとつ協力しようというような中でお考えになっている態度が、あの合理化案の中にはどうも見られないように私は見ざるを得ないのでございますが、この辺のいきさつについて、なお過疎に対する専売公社の考えについて、ここで御意見をひとつ承りたいと思うわけであります。
  129. 佐々木庸一

    ○佐々木説明員 御指摘のありました過疎地域における専売事業のあり方の問題につきましては、私どもも、政府・与党、国会等でお考えになっております過疎対策というものを無視して公社の計画を進むべきものではないと考えておる次第でございます。その辺の調整は十分に留意をいたしてまいりたいと考えておる次第でございますが、御指摘になりました原料工場問題につきましては、たばこの原料の処理の方法が変わってまいりまして、いままで東で乾燥しておりましたものが、このごろスレッシング方式と申しまして葉っぱを機械でたたきまして葉肉と葉脈とを分離して処理していくという方法に変わってまいりましたような技術の変化がございますわけでございます。そこで、旧式な工場をやめまして、そのような方式に変えたものに処理を集中するということをいたした次第でございますけれども、たばこの原料工場自体というものは、たばこの生産地から離れたところに立地したのでは意味がないわけでございまして、今後の原料工場の立地問題につきましては、そのような観点から、集中をはかるにいたしましても葉たばこ産地と離れない地域に立地を定むべきものだと考えておる次第でございます。先生も御承知のとおりに、西のほうでは原料工場の整理をいたしましたけれども、福島県の須賀川におきまして新しい大型設備を設けております。今後また盛岡にも原料工場が要るかと考えておる次第でございまして、そこらにおきます私どもの工場の配置の関係をごらん願いますれば、私どもの公社のとっております原料工場に対する措置等も御理解願えるかと思う次第でございます。
  130. 野口忠夫

    ○野口委員 おっしゃることは、専売公社がその事業の繁栄と発展のために考えられる問題はまことにあるとは思います。しかし、いま当面日本の全国土の中に住んでいる人たちの中で住むに住めなくなって過疎というような問題が起こっているということを、そうした計画の中でお考えになっている姿で、原料工場の縮小とか、あるいは主産地形成の問題等が出ているとは私はどうも考えられない面がある。何か専売公社が財政専売的な姿において、企業の利潤を上げていくような方向で考えられている合理化が、そういう過疎の問題について、いままでは大きな役割りを果たしてきたものがなくなりつつあるような傾向に進んでいくであろうことが予想されると思うのであります。いま須賀川でそういうものができたということがございましたが、全国的な過疎問題のその中では、そこにつくっただけでは問題は解消しないわけでございます。そこにつくられた理由は、つくることによって専売公社のいわば企業の利潤の追求の中ではたいへんよいということになるわけでありましょうから、もう少しその辺のところは、いま当面する過疎というような問題も、いわば全国民的な立場に立った専売公社の合理化なり今後の進められる方向というものがもっと考えられなければならぬじゃないかというように私は思うわけであります。この点についても議論は残るわけでございますが、二十分ということで委員長さんの指名でございますので、私はもうかっきりと二十分を守りたいと思うものですから、これは討論にならないわけですが、そこもあずかっておきましょう。  内容にちょっと入っていきたいのですが、主産地形成ということについて、今度合理化の中で行なうわけでございますが、葉たばこ耕作農民の姿を見るのは山間部でございます。そこにも専売公社の事業の全国土的な発展の意味があったと思います。平らなところに行けば葉たばこ耕作農民というものは姿が見えない。まことに収入の少ない山間部の僻地の農民が、これはまことに手間がかかり、そのかけただけの収入としては若干希望は薄いのですけれども、案外価格変動が少ないというようなことで、葉たばこ耕作農民の努力は続けられてきたわけであります。この農民の努力の上に専売公社の現在の歴史があると私は考えるわけでございますが、この山間部の平地の少ないところで葉たばこというもので営農して、このたばこで生きる農民は、昨日私も農村地帯に行ってみましたが、全く朝から晩まで一家族をあげてやっているわけでございますが、この従来までの姿に対して、今回主産地形成ということを行なうわけでございますが、これはどういうことなのでございましょう。なぜこの主産地形成というようなことを特にうたって今後の葉たばこの生産を考えていくのか、その辺のところを御説明をお願いしたいというように思うわけでございます。
  131. 黒田実

    ○黒田説明員 葉たばこの耕作の問題でございますが、ただいま御指摘のように、福島県等で耕作されております在来種等につきましては、山間地が多いわけでございまして、全体の七割程度が山間地でございます。ただ西日本でつくっております黄色種等につきましては、逆に七割程度が平地にあるということで、種類によりまして差はあるわけでございます。今回主産地形成ということを申しておるわけでございますが、これは従来といえどもどもといたしましては、極力品質の面におきましても生産の面におきましても、適当な産地になるべく生産を集約したいというような気持ちでまいったわけでございますが、今後におきましてもそういうようなことをもう少し集中的にやりまして、産地の安定をはかるべきじゃないか、かようなことで一応の、抽象的ではございますが、主産地形成ということを打ち出しているわけでございます。  おもな考え方を申し上げますと、今後の葉たばこの産地といたしましては、将来の農業振興地域と目される地域につきまして、品質並びに生産性が好ましいと思われるところに集中的に持っていきたい、かようなことでございまして、したがいまして、やはり地方自治体のいろいろな農業地域の計画、こういうものと密接な関連を持って調和をはかっていきたい、かように考えているわけでございます。したがいまして、これらにつきましては、すでにいろいろな場所に、適当な場所に集団産地があるわけでございますので、今後新しい場所に産地をつくるというようなことは事実上考えられないわけでございまして、現在までの集団産地で、ただいま申し上げましたような、特にいろいろな面でたばこ作が安定するような産地を集中的に育成していきたい、かような趣旨でございます。  なお、申し上げておきますと、最近はいろいろな関係で、特に都市の付近でございますと、労力不足とか、他の競合作物というようなことがございまして、どんどんたばこは少なくなっていく、そのような場所で産地をつくりましても、当然安定を期しがたいものでございますから、やはり各種の条件がたばこの耕作経営に適している、かようなところを主産地として力を入れていきたい、かような趣旨でございます。
  132. 野口忠夫

    ○野口委員 四月二十四日の農林水産委員会でわが党の児玉議員からこの主産地形成の地域の指定について質問があり、これについて答弁されていることは私も了解しているわけでございますが、この主産地の指定については、今日もまだ変更ありませんね。
  133. 黒田実

    ○黒田説明員 主産地につきましては、実は具体的には四十五年度に基本的な調査をいたしまして、具体的な案をつくることになっておりまして、どこを具体的にきめていこうという案はまだ持っていないわけでございます。しかし、先ほど申し上げましたように、現実にもう全国各地に集団産地がございまして、それ以外に今後有力な集団産地ができるとは思えませんので、当然今後私ども調査いたしまして主産地を考える場合も、現在あります集団産地のうちからやはり選ばれるのじゃないか、かように考えられますので、そういう意味から申し上げますと、四月の国会で御答弁申しましたような地域というものが現在の大きな産地になっておりますので、その中からやはり将来の主産地というものができてくるのじゃないか、かように私考えております。
  134. 野口忠夫

    ○野口委員 この前の農林水産委員会の答弁は変わってはいない。そうなってきますと、この主産地形成から除外されるところとして、関東、中部、関西等が指摘されておりまして、ただいま御答弁になられました黒田さんは、この農林水産委員会の国会答弁で、これらの地域が指定されていないということを肯定なすっていらっしゃるようになっておりますね。そうなっていますね。  続けて申し上げます。黒田さんは、この除外されるところとして関東、中部、関西、あの答弁の中ではそれが肯定されているのですが、あなたは過日森山代議士に同行していらっしゃいまして、栃木県で農民の強い要求があった中で、関東も主産地形成の中に入っている旨のお話を農民の前でなさっているように栃木県の人から私承ったのでございますが、この辺は事実でございますか。
  135. 黒田実

    ○黒田説明員 前回の主産地の問題につきましての私の答弁は不十分でございまして、児玉先生から地域をあげての御質問があったわけでございます。それに対しまして、私先ほど申し上げましたように、公社が中期計画で申し上げております主産地というものは、まだこれから調査をして決定するという段階になっておりまして、現在の段階できまっているわけでございません。したがいまして、御質問のございましたどこどこは主産地になって、どこどこの地域はこれから除外するというような事実はないわけでございまして、実はその点は私はっきり否定すべきであったわけでございますが、はっきり否定しておりませんので、非常な誤解を招いたことはおわび申し上げたいと思っております。まあはっきり申し上げますと、児玉先生のおっしゃいました主産地と申しますのは現在非常に耕作面積の多いところで、主産地ではないというような御発言があったところは現在でもたばこの耕作面積は比較的少ないところと、こういう地域分けになっているわけでございます。私どもとしましては、先ほど申しましたようにいろいろな品質面なり経営面なりあるいは生産性面なり、こういうところから見まして、将来とも長くたばこの耕作が安定してつくられるようなところを将来の主産地として今後考えていきたいということを抽象的に考えているわけでございまして、現在の段階におきまして、どこが主産地でどこがそうでないということをまだきめていないわけでございます。ただ先ほど御指摘の栃木県の問題について申し上げますと、栃木県の那珂川の沿川というものは昔から古いだるま葉の大産地でございまして、何千町歩というだるま葉が昔から集団してつくられておりまして、現在もほとんどその面積は変わっておりません。したがいまして、こういうところはおそらく現状が続きますと主産地になるべきところだということが常識的に言えるわけでございまして、公社がいまの中計で将来の生産地ということに指定しているわけではありませんけれども、常識的に言いますと、おそらく調査をしてもああいうところはまず主産地になるところであろう、かような意味で私はものを申したつもりでおります。
  136. 野口忠夫

    ○野口委員 これも時間がございませんから一つ一つあれするわけにいきませんので、あとにまた譲ることになりますが、あなたの御答弁によると、農林水産委員会における答弁で大体肯定されているところはだんだんなくしていくのだ、そういうやり方によって葉たばこのコストをなるべく引き下げながら専売公社はもうけていかなければならぬ、こういう一つの合理化の方向に従ってあなたの答弁はあったと思うのです。だが現実に栃木県に行ってみますと、農民は、そんなことはあり得ない中で、いや、それはまだ指定していなかった。何かいたずらなる混乱というものがある。いま栃木のたばこ耕作農民の皆さん方の心理状態というものは、もうなくされてしまうのだという中で大きな不満と不平で安定を欠くところの状態にあるわけです。専売公社の労働者の皆さんが合理化の中で昨日いろんな意味での要求を出された。地域における農民は農民でまた、この合理化の中から大きな不安を感じている。しかもそれに答える答え方が、どうも現実における答え方と国会答弁とが食い違っておるような状態では、一体専売公社はこうした問題についてはっきりとした定見を持ちながらやっていくのかどうか疑わしくなるような問題を提起していくのではないかと思うわけでございます。合理化計画を一方的につくって、その合理化計画を何でもかんでも上のほうから押しつけていくような態度、主権在民の憲法の中における国民の存在を忘れたようなやり方の中でこのような問題が出てくるのではないかと私は思います。内容的には申し上げませんけれども、これはひとつ十分御反省願いたいと思うわけでございます。  次に進みますが、この主産地形成をするということになりますと、主産地形成ということで葉たばこ耕作農民に対してはいろんなことを求めていくんでしょう。先ほどからのお話では、これから新しくつくるのではない。しかしいままでやられておったところを中心としてつくっていくのだという中で、コストの引き下げという問題もあるやにお聞きいたしました。そうすると、現在のような山間部の小さなところの反別を相手にして、それが全部集めてみると全体としてたばこ耕作地帯にはなっておりますが、これを主産地形成という名によって今後行なっていこうという中には、何かこの葉たばこ耕作農民の皆さん方にあなた方は求めていくものがあるのではなかろうか。そしてまた葉たばこ耕作農民のこの地域における耕作の内容等について、何か変わっていくような姿があるのではなかろうか。いわばコスト引き下げのための大農主義的な方向、機械化の方向というようなことがあなた方のほうでは計画されているのではないかと思うのですが、その辺のところを御説明願いたいと思います。
  137. 黒田実

    ○黒田説明員 主産地形成と申しましても、現地の耕作者の方が耕作を希望なさらなければ、これは公社のほうで強制すべきものでございませんので、いずれにいたしましても、産地であってそこの耕作者の方が現在の面積を維持する、もしくは現在の面積以上につくりたいというところでないと、主産地ということには将来育成しがたいということがまず第一あるかと思うのでございます。先ほど申し上げましたように、いろんな事情で逐次減っていくような産地は、公社としては幾ら力を入れてみましても将来の大きい産地には当然ならぬわけでございますので、勢いそこの地域の農民の皆さん方が、やはりたばこをもっとつくっていくというようなお気持ちのあるところが将来の主産地になっていくということであろうかと思います。公社といたしましては、やはりたばこの原料でございますので、第一にお願いいたしますことは品質が製造原料としてふさわしいものをつくっていただくことでございまして、これまでも耕作指導その他を通じましてこういうことは十二分にお願いしているわけでございます。また第二点といたしましては、やはり極力生産性を上げていただく、生産費を下げていただくということもお願いしているわけでございます。これは単に価格の問題だけでございませず、現在、御承知と思いますけれども、在来種の十アール当たりの労働日数が約八十日をオーバーしている。こういうような状態でございますと、今後人口の少なくなる農村におきまして、そういう面からどうもたばこはつくりがたいというようなことになるわけでございますので、私ども極力十アール当たりの労働日数を少なくしてたばこをつくっていただくことをお願いしているわけでございます。その二つが特に産地に対しまして私どもお願いしている事項でございます。
  138. 野口忠夫

    ○野口委員 問題があろうかと思いますが、次に移ります。主産地形成に含まれる地域の中に新都市計画法の市街地指定地域が含まれることになりますが、この場合の葉たばこ耕作農家の取り扱いはどうなるかについて御説明願いたいと思います。
  139. 黒田実

    ○黒田説明員 先ほど申しましたように、今後の主産地の選定につきましては、地域の農業振興区域というものを目標にしまして、そのほかのいまの新産都市の地域とか、いろいろな地域の将来の産業計画があるわけでございますので、その辺との調和をはかって農業地域に大体主産地を持っていきたいということを考えておるわけでございます。その際、ただいまの御質問のようなケースをどうするかというような具体的な問題につきましては、現在の段階で私ども具体的な処置は、はっきりしたことは、まだ何にもきめていない段階でございます。
  140. 野口忠夫

    ○野口委員 何にもきめてないということでは、耕作をしている農民からいえば、きょうあたりだって全く寧日なく葉たばこの耕作者がいまやっているわけでしょう。こういうところにいる耕作農民は、そういうような中でどうなるのであろうかという不安は持っているわけでよ。  もう一度お尋ねしますが、主産地形成からはずれる地域——主産地形成の中で、自分は一体耕作農民としてこれからどうなるかについて、やはり非常な不安を持っているわけですから、主席地形成という合理化方針を出されて進められる過程の中では、それはこうしますよというあたたかい手というものをやっていただきたい、これは要望しておきます。  なお、主産地形成からはずれる地域がありますね。この地域にも葉たばこ耕作農民があると思います。こういう方に対する、いわば専売公社の投資の保証ですね。こういうようなことを葉たばこ耕作農民に対してどのようにやっていくのか、その点についての御説明を願いたいと思います。
  141. 黒田実

    ○黒田説明員 おっしゃるような主産地というものを指定いたしますと、確かに指定された主産地以外に耕作される方が残るということは当然起こると思いますが、私どもとしましては、強制的に、つくりたい方をやめていただく、このようなことは考えていないわけでございまして、ただ、そういう主産地をなるべくもり立てていくような施策を公社としては考えたい、かように考えておるわけでございます。
  142. 野口忠夫

    ○野口委員 はずれるものをめんどう見ていくということでありますね。
  143. 黒田実

    ○黒田説明員 一応耕作希望者があれば耕作をしていただくということで、耕作したい者を無理にやめていただくということは考えておりません。
  144. 野口忠夫

    ○野口委員 催促がきましたので……。  大蔵委員会総裁が答弁しているのに、収納所を将来にわたって全廃していくんだ、それで原料工場に対して直接納付をやるのだというのですが、これは労力が不足していることは皆さん御承知のとおり。そういう中で、あの主産地を形成されたものの中から、郡山の原料工場にぼくらのほうでは持っていくわけですけれども、これは前夜運搬に対する補償は専売公社は見ないということで、何度交渉してもその点は見ることはできないといっておりますが、耕作農民は宿泊するような状態になるだろうと思います。収納所全廃の問題、それからそれに対して運搬していく耕作農民の宿泊の問題はどうするのだ、また火災等があった場合の前夜運搬における損害補償は一体どうするかという問題があると思うのです。収納所をほんとうに全廃するという、総裁の答弁のように収納所を廃止していく方向なのか、全廃していくのだ、こういう方向で進んでいるのかどうか。  同じように、やはり答弁がありまして、将来においては地方局を全廃する、支局、出張所、これは五百カ所くらいあるのを百カ所くらいの限度において置いていこうとする、こういうことも答弁されておるのですが、過疎地帯におけるこうしたようなあり方が、まことに地域の中の一つのモメントを失っていくわけでございますけれども、このような答弁は間違いないのかどうか、お尋ね申し上げたいと思います。
  145. 佐々木庸一

    ○佐々木説明員 御指摘のような考え方は長期計画のうちに盛ったわけでございます。各国の収納の状況などを見てまいりますと、交通事情がよくなるにつれまして原料工場に収納を集中するという傾向が見られるようでございます。ただ、われわれはそれをいますぐにやろうというわけでもございませんでして、中期計画のうちにもまだ組んでない将来の問題でございますので、十年、十五年という長期を考えた場合のものの考え方であるというふうに御了承を願いたいと思う次第でございます。  出張所、支局、地方局等につきましては、従来のままでいいかという問題を私どもかかえておると思っておるわけでございますが、販売面から申しますと、販売の活動のしかたをもっと考え直すことによって、——いまのところ、たいへんぐあいの悪いことは、小さい出張所等におきましては、直接販売に従事する者よりも内部事務に携わる者のほうの経費が多いという状況になっておりますので、ここらを直接費と間接費との割合を適当なものに詰めるというためには統合が要るのではないかと思っておる次第でございます。  なおまた収納所等におきましても統合を進めてまいっておりますけれども、これも経費の節約、それから現在あります収納所はだいぶ建物の古いものもできてまいりました。これらを建て直すということをいたします場合に、いろいろな付属施設をつくらなければなりませんので、これはある程度のものをつくりますためには集約したほうがいいという考え方で進めておるわけでございます。
  146. 野口忠夫

    ○野口委員 それでは時間がだいぶたったというのでおしかりをこうむりましたから、最後に二つばかりお伺いいたしますが、一つは、九月にたばこ耕作審議会があるわけでございますね、そこで来年度のたばこ耕作面積を諮問なさると思います。本年はこの諮問は、増反する形で諮問をしていくのか、減反する方向でこの諮問をしようとしているのか、これは九月の審議会ですからもう成案があると思いますので、これはひとつ専売公社の現在の方針を九月審議会に対してどうするか、増反か減反か、その方針を明らかにしていただきたい。  第二点は、十二月にたばこ収納価格の諮問がございます。これはいままだ時期が早うございますから、その結論は出ていないとは思いますけれども、物価が非常に上昇する中で一生懸命働いて葉たばこを耕作しておる農民からいえば、値上げは当然であろうという考えがあるだろうと思います。いまは結論は出ないとしても、十二月の葉たばこ審議会のときには、この物価が上がっていく方向に対して葉たばこの値段というものを考えていくという、そういう方向にあるのかどうか、これについて。二点だけ御質問を申し上げたいと思います。
  147. 佐々木庸一

    ○佐々木説明員 御指摘のように九月十一日、十二日に面積についての耕作審議会をお願いしたいと思っておる次第でございます。現在のところ需給の情勢から申しますと、概して言いますと葉たばこは在庫過剰の状況にあるわけでございます。とりわけ、先を見ますとバーレー種在来種についてはどうも減産になる傾向が見受けられますけれども、黄色種はなお耕作者のほうで増反なり増作の希望が強うございますので、自然の状況に放置しておいたのでは過剰在庫状況というものがますます強まるという感じを持っております。したがいまして、現状では特別に黄色種を過剰在庫にならないような配慮をしなければならぬと考えておる次第でございますが、しかし従来、たばこ作から米作に転換されるというふうな様子がありましたために、たばこ耕作者からかわられる方がありましたけれども、米が御承知のような問題になっております時期に転作の、しかも非常に問題であるという時期になっておりますので、私ども強い、激しい転換を進めるようなことはなかなかむずかしいのではないかと思っておる次第でございます。円滑な処理ができるようなことで考えてまいりたいと思う次第でございます。  価格問題につきましては、従来予算編成期ぎりぎりのおしまいの段階に間に合うようにということで十二月にやってまいっておりますけれども、これは約束された計算方式等があるわけでございます。それらにはめます諸種のデータ等をよく検討いたしまして、その上で結論を出したいと思いますが、物価の上昇や労銀の上昇があるということもおそらく御指摘のとおりでございましょうし、私どもそれらのものと、耕作の効率の進め方、ないしはたばこの葉の種類によっていろいろ需給状況が違いますが、そういうふうな需給関係等も入れまして、データのそろったところで結論を出したいと考えておる次第でございます。
  148. 野口忠夫

    ○野口委員 合理化というのは専売公社の事業の繁栄と安定のためにやるのでございましょう。その繁栄や安定というものは、このたばこ事業に関係するすべての者に還元されなければならぬものだと思います。ですから合理化が進められるというときには、農民といわず労働者といわず地域の小売り人といわず、まことにいいことをやってくれたといって、喜びの中に人間がそういう情熱と意思を持って参加していく中でもって専売事業のほんとうの意味の合理化と発展があると思うのです。ところが、今度の合理化は、答弁に対しての私の疑問は申しませんでしたけれども、進められる過程の中では、農民といわず小売り人といわず労働者といわず、この合理化によって喜びの声が上がるよりは、何となくさびしさが増してきたり、不満が増したりしておるという合理化が進められていると思います。そういう点から考えますと、今度の合理化の問題についてさらに十分検討して、全国民がこぞってたばこ事業の中でその繁栄と発展とを享受できるような方向をお考えになることが必要であろうと思います。  以上、要望を申し上げて、まことにどうもあちらこちらになりましたが、時間がたったというので三枚いただきましたので、以上で質問を終わります。
  149. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 太田一夫君。
  150. 太田一夫

    ○太田委員 警察のことでお尋ねをいたします。  最初にこれは警察庁にお尋ねをするのでありますが、最近四十五年度の予算編成の時期に差しかかっておりますので、したがってその各種の動きとか計画があるわけで、その中で特に顕著な警察関係の例として、警察官五千人の増員計画というのが伝えられておりますが、そういうのは事実でありますかどうかということと、もしその五千人を増員する計画が素案としてあるならば、いかなる事態を考え、いかなる方向にこれを使わんとするのか、交通であるのか、警備であるのか、防犯であるのか、何であるのか、こういう点についてお尋ねをいたしたいと思います。
  151. 浅沼清太郎

    ○浅沼説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生のお話しございましたように、昭和四十五年の警察庁予算の編成作業を進めておりまして、警察官五千人の増員を要求をいたしたい、このように考えているところでございます。この増員の要求の理由と申しますか、その根拠は大体二点ございますが、その一つは、本年の予算で管区警備、管区機動隊、これは認められまして、これはすでに第一回の訓練を、三カ月の訓練を、三分の一ですけれども終わりまして、先般の広島大学等では非常に成績をあげたのでございますけれども、この三分の一は管区警察学校に入れ、残りの三分の二はそれぞれの所属で働くという構想でございます。ところが御承知のように、最近の一部の学生の非常に過激な行動はますますエスカレートしている、またこれのみならず、都市化等にも伴いますが、非常に交通でも、刑事でも、防犯でも、外勤警らの面におきましても、集団警察力といいますか、部隊行動で警察業務を処理しなければならないような事案が非常にふえてきているのでありまして、したがいまして四十五年度におきましては、四十五年以降の治安情勢等全般を考えまして、この三分の二の県におる、個々の配置されている、いわゆる指名された管区機動隊員も県庁所在地等に集めまして、そこでただいま申し上げたような警備の事案でありますとか、あるいは交通、刑事等の活動に従事させたい、またかたがた訓練を強化をいたしたい、こういう考えでございます。したがいまして、その意味において相当恒久的に外勤なり交通の面にいわば穴があくと申しますか、支障を来たすおそれが出てまいりますので、これらの補充措置として増員をいたしたい、このように考えております。また同町に、特に三多摩地方におきましては、警察力が激増する人口増等に応じまして非常に足りないという状況が出ておりますので、これらにも相当の増員をいたしたい、これらを合計をいたしまして五千人の増員をお願いをしたい、このように考えております。
  152. 太田一夫

    ○太田委員 浅沼官房長、ちょっと重ねてお尋ねをいたしますが、そうすると、五千人増員はぜひやりたいというお考えである、新聞の伝えるとおりでありますね。現在たしか四千二百人ぐらいが管区に配属されているやに聞いておりますが、いま現在の地方公務員である警察官の県別の基準定員というのはどうなっておりますか。東京から、おもなもの五つ六つをあげていただきたいと思うのですが……。
  153. 浅沼清太郎

    ○浅沼説明員 御承知のように、政令によりまして都道府県警察官の定員の基準が定められておりますが、警視庁について申し上げますと三万六千六百九十名、神奈川が八千九百十名、愛知は八千七百八十名、京都について申し上げますと五千百五十名、大阪は一万五千五百六十名、兵庫は八千七百二十名、広島ですと三千百六十名、福岡は七千六百七十名、大体おもなところをちょっと申し上げましたが……。
  154. 太田一夫

    ○太田委員 その中で機動隊の数というのはそれぞれどれくらいでございます。わかっていましたら……。
  155. 浅沼清太郎

    ○浅沼説明員 お答えいたします。  警視庁で申し上げますと、機動隊が五千百三十七名、神奈川が五百二十名、愛知は二百名、京都が百八十一名、大阪八百八十二名、兵事は百八十一名、福岡三百四十二名でございます。総体としましては九千七百名ということでございます。
  156. 太田一夫

    ○太田委員 私は心配する点があるのですが、実はチェコのプラハにおきまして、市民、国民の政治に対するところの、外交に対するところの世論的な抵抗がありまして、それがいろいろな政府の指示に対して若干抵抗をする。そういう際には戦車隊等が繰り出されまして、群集を、あるいは国民を、市民をけ散らすという事態が起きた、あるいはまた警察の装甲車が同じように群集をいわばけ散らす、鎮圧するために相当使われておるのでありますが、このデモ等の意思表示に対する弾圧というぐあいに使われることは——弾圧ないしは鎮圧と申しますか、弾圧に使われるということについては、どうもあまり新聞記事を見ても好ましい感じがこない。そこで、いま現在警察庁がお考えになっております一万人近い機動隊、さらにそれに臨時の定員があるでしょうから、動員力というものはこれはまた別でありましょう。一応機動隊としての定員九千七百人ほどといたしまして、そういう機動隊が増強され、今度の五千人もほとんどこれは機動隊と見なければならぬ。そうすると一体これは何が目的であろう。先ほどのお話がありましたが、それはちょうど広島大学の学生諸君の弾圧のためにこれを使ったということになるならば、いわば学生運動の弾圧ないしはデモ等による市民運動の弾圧に使われるということになる。私が一番心配するのは、平和というものを求める国民の動き、世論、ないしは戦争反対を叫ぶ国民の世論とか動きというものが七〇年を前にして相当激しく、顕著になると私は思うのです。その際に、増員される警察官がそれをけ散らす、いわば弾圧するために使われるということになると、これは国民感情として割り切れないものを持つと思うのです。あなたのほうの理念の中に、特に聞きたいことは、反戦とか平和の運動に対してこの機動隊を用いてけ散らすというような、そういうねらいがあるかないか。
  157. 浅沼清太郎

    ○浅沼説明員 お答えします。  先ほど申し上げましたように、私ども、最近の治安情勢で一部の過激な学生を中心とする集団的な違法行為、これに対しましては市民生活を守る立場におきましても法秩序を守る立場におきましても、これはきびしく取り締まりをしなければならぬ、このように考えております。ただ、平和を愛する、戦争に反対するというような、いわゆるイデオロギーなり、そういう思想というようなものについて、われわれは何らこれについて関知する考えはないのでございます。
  158. 太田一夫

    ○太田委員 それではもう一つ伺いますが、先ほどおっしゃった管区警察本部に新たにことしから編成されましたところの機動隊、これは予算が本年度認められたからということでありましたけれども、本来警察庁に所属する警察官あるいは地方の警察本部に所属する警察官、いわば地方公務員地方公務員として都道府県公安委員会のもとにあると私は思うのです。あなたのおっしゃる管区警察本部に機動隊が配属されて編成されていけば、これはいささか都道府県警察とは異色のものになる。この法的根拠は何に基づいていらっしゃいますか。
  159. 浅沼清太郎

    ○浅沼説明員 お答えいたします。  管区機動隊は御承知のようにそれぞれの府県で編成される部隊でございます。そしてその大部分は、先ほども申し上げましたようにそれぞれの府県で部隊行動に必要な場合に出動するというかまえになっております。ただ最近におきましては、都道府県の区域をこえて広域的な警備活動をしなければならない場合が少なくないのでございます。その場合には、これは警察法に基づきまして、所要の応援要請の手続のもとにそれぞれの府県に応援をする、こういう考えでございまして、あくまでも都道府県警察本部に所属する部隊であるというふうに考えております。   〔委員長退席、保岡委員長代理着席〕
  160. 太田一夫

    ○太田委員 もうちょっと伺いますが、その管区機動隊を誕生させたその決議は、いつ、どこでなされたのでありますか。国家公安委員会でなされたのですか、それとも各都道府県公安委員会でなされたのですか。いつ、どこでなされたか、わかりましたらちょっとお答えいただきたい。
  161. 浅沼清太郎

    ○浅沼説明員 警察庁の通達をもって示しておりますが、その日付はちょっといま手元にございませんが、通達をもって示しております。
  162. 太田一夫

    ○太田委員 私は、ことしの新たなる五千人増員計画の中に今後これが非常に強化されるようなにおいを感じますので、もしも管区機動隊を強化し、それを一つの単位として地方の何か行動とか現象に対して対処されんとするならば、単なる通達というような運用の問題でなくして、新たなる立法措置が要るのではなかろうかという気がするのです。これに対してどうでございましょうか。
  163. 浅沼清太郎

    ○浅沼説明員 先ほど私申し上げましたように、管区機動隊の人員そのものはこれを増強する計画ではございませんけれども、これがやや恒常的に第一線の交通なり外勤に支障を来たすような事態もございまするので、これに対して増員をもってまかないたいという考えでございまして、これがお認めを願う段階におきましては、先生の御指摘のように通達によらずして国家公安委員会規則なりその他そのような所要の根拠に基づく必要があろうかと考えますが、検討いたしたいと思います。
  164. 太田一夫

    ○太田委員 非常にいままで警察庁としては基本的には自治体警察という線を守っていらっしゃったわけでありますけれども、ことしの予算において管区機動隊が認められ、誕生いたしたにいたしましても、その数たるや都道府県の機動隊の九千七百人に対して管区機動隊が四千二百人とおっしゃれば、合わせて一万三千九百人、割合として、パーセントは大きいですね。ですから今後運用される場合に、どうもこれが中心になるような気がするのです。地区それぞれのところにいろいろな事案が発生した場合に、まっ先かけて突進するのは管区機動隊だということになるような気がするから、そこにいくと警察庁通達という根拠ではいかがなものか、こう思うわけです。  きょうは公安委員長いらっしゃいませんから、一応いまおっしゃった浅沼官房長のお話で、それ以上のことはお答えけっこうでありますけれども、ひとつ大いにそういう点についていろいろ誤りなきを期してもらいたいと思うんです。無用な混乱とか、いたずらな疑惑、疑念を抱かせることは、警察そのものの将来のために私は惜しまれる、こう思うわけです。  そこで、その点はそれでよろしいのですけれども、これはあとでまた公安委員長お尋ねすることにいたしますが、国家公安委員長というのはなかなかの豪傑でありまして、この間も何か大牟田のほうにおいて演説をなさったときに、お聞きになる方が自民党員一千人だったというのでいささか脱線されたんだろうと思いますが、加藤東大総長は大ばかかないしは中ばかであるというようなお話をなさったという記事があるのです。  それで、私もこういうのを見ますと非常にさみしい気がするんです。それは、ばかということばは、何も大ばか者だとか、おまえは何というばか者だと言われたときに、一つはそう深刻に相手をさげすんだというような気持ちでない場合もあると思うんです。ありますけれども、公式の際にあまりお使いになるのはいかがなものか。この前のときも、そういうことばの使い方について、私に誤りがあるならばあやまるとおっしゃったことがあるんですが、どうもそれがうまくいっておらないような気がする。  そこで、これは官房長、あなた国家公安委員長にひとつ抗議をしておいてもらいたいと思うことがあるんですが、間に合いましたら抗議をしておいてください。馬鹿とは馬と鹿と書きますけれども、これは辞典によれば愚かということであります。その愚かということは、回りくどいというような意味が非常に強いのでありまして、才知の働きが鈍いということなんです。これがばかなんです。そういう大辞典等によりますところの解釈からいいまして、それがまともにそういう理解のもとにおっしゃったのか、全然別の考え方、感覚をもっておっしゃったのか知りませんけれども、自分の気に入らない者はばかだというのが、荒木国家公安委員長の通例のことばである、日常語ならば、まあひとつのあいきょうであるかもしれませんけれども、大学の問題が起き、加藤学長もたいへん心配をしていらっしゃるときに、そういうように、政府の言うことを聞かないから大ばかか中ばかだと言うのは、ちょっと行き過ぎだという気がするのです。  そういうことを片方でおっしゃっていながら、管区機動隊の増強とか、警察官五千人の増員というのが出てきますと、国民は非常に心配をする。これでは平和のことも口では言えない、沖繩を返せと言ってもまた何か弾圧を受けるかもしれない、戦争反対と言うのもいけないかもしれない、憲法を守れと言うのもいけないかもしれないというような、そういう卑屈な暗い心の中に国民を閉じ込めてしまうということになりますと、その責任は大きいと思うのです。ぜひこれは官房長として、できましたら善処をしておいていただきたい。  幾つかお尋ねしたいことがありますので、次の問題に移ります。  次は、非常に機動隊、機動隊といって、機動隊の増強に狂奔される警察庁の所管される大事ないろいろの責務の中に防犯というものがある。国民の生命、身体、財産を守るという基本的な任務があるわけであります。この素朴な、基本的な任務に関係することでありますが、最近、長崎県議会議長が、わけがわからない理由によって刺し殺されたという問題がございます。それと同じように、全国各地にピストルによる暴力団同士の出入りの問題、ないしはあいくち、短刀等による理不尽な殺人事件が非常にたくさんあるのであります。それがほとんどどうも円満な解決というわけにはいかない。それから銃砲刀剣商の店からライフルだとか散弾銃だとかが盗まれているという事件、それから経路不明のピストル等が市中に一ぱい流されているという情報、こういうものを見ますと、私は、現在国民の持っておるところの不安というものは実に大きいと思う。暴力団に対して取り締まりはどういうふうにしていらっしゃるか、凶器に対する取り締まりはどういうふうにしていらっしゃるか、これについて現状お答えをいただきたいと思うのです。
  165. 内海倫

    ○内海説明員 長崎県で最近現職の議長が刺殺されるというふうな事件が起こりました。現在鋭意捜査中でございますが、これはただいま御質問の、いわゆる暴力団とどのような関係があるかというふうなことは、捜査を遂げてみないと明らかでございませんので、いまこれを暴力問題の一環として直ちに取り上げることは、必ずしも私ども立場からは、まだ正確な答えを申し上げるわけにはいかない、こういうふうに考えております。  ところで、現在の暴力団の問題あるいは暴力団の犯している犯罪の問題ですけれども、お説のように、確かに最近暴力団の傾向は悪くなっておると申し上げてよかろうと思います。昭和三十七、八年以来、警察におきましては暴力団の徹底的取り締まり、願わくはその組織を壊滅するということで、今日まで努力をいたしておるわけですけれども、遺憾ながらあとからあとからまた新しい団員がふえてくるというふうなことで、所期の目的を達するにはまだまだ今後も努力をしなければならないと思います。現在私どもが把握しておるので大体三千六百団体というものが組織暴力と見ております。その人員が大体十四万余名、また、彼らの犯しております犯罪でございますが、昭和四十三年、昨年一年の統計で見ますと約四万三千件、人員にしますと約四万人、こういう数字が出ております。しかもそれらの中で殺人事件が二百八十二件、あるいは強盗が三百四十三件、強姦が五百五十件、あるいは暴行が五千余件、あるいは傷害が七千余件、恐喝あるいは脅迫というふうなものを合わせますと六千余件等々が、四万三千件の中の一部分になるわけであります。全刑法犯の中でもこういうふうな犯罪の暴力団によって占められている部分はかなり高いわけであります。現状はそういうことでございます。  そこで、私どもはこれに対しまして、でき得べくんば組織そのものを壊滅せしめたいということで、すでに御存じのように関西、関東の有力な暴力団の最高幹部を逮捕いたしまして、その組織を壊滅にまで追い込んでおるわけですけれども、同時にまた、刑期が満ちてそういう者が出てくるというふうなことで、再建の運動も出てくる、こういうことでたいへん苦労を重ねております。現在私どもはさらに地域的に暴力行為の行なわれておるところ、たとえば静岡県の富士市あるいは名古屋市のある特定な地域、あるいは京阪神の特定な地域というふうに、いろいろな地域が暴力行為の集中多発しておるところでありますから、そういうところについても取り締まりを強化するというふうなことで、ともかく刑事警察の全力をあげてこれに当たっておるというところでございます。  なお、拳銃その他銃砲刀剣によるものが、犯罪の中における多くの部分を占めております。これの取り締まりにつきましても、私どもとしましては、あるいはそれの製造あるいは密輸入の経路とか、あるいは次から次へ渡っていく経路というふうなものを追跡をして、その取り締まりを厳重に行なうという体制を持っておりますけれども、これもなかなか私どもの思うような成果があげられないという状態でございます。今後こういうものに対する取り締まりをきびしく行ないたい。なお、銃砲刀剣につきまして、詳細が必要でございますれは、主管の課長から説明をいたすようにいたします。
  166. 太田一夫

    ○太田委員 というように、まことに警察庁当局もお手上げにひとしいような事件が起きておる。これは最近の犯罪史上に特筆されるような事件ではなかろうかと思うのです。特に暴力団の汚染地域などというものが出てくるということは、一つの点から線へ発展し、さらにそれが面へと発展をしたような感じでありまして、善良な市民を脅かすことこれより大なるものはないと思うのです。ぜひ暴力団に対する壊滅作戦というのは、徹底的にやっていただきたいと思います。これは法務省との関係もありますけれども、検挙をされる、そうすると起訴されるのは大体半分くらいだ。しかもほとんどは、あとの者は二十日間くらいの拘留処分で大体ちょんだというようなことが世間でいわれておるわけです。これは、警察当局としても、せっかくあげた暴力団のその種というものが、そのように軽く扱われて、次から次に、火種が市中にばらまかれるということについては、私は不本意な点があろうかと思う。法務当局とはどのように連絡をとっていらっしゃるか。もしそれがお答えできたらお答えいただきたい。
  167. 内海倫

    ○内海説明員 暴力団員、要するに暴力をふるう者の犯罪につきましての取り締まりということは、ひとり警察だけの問題ではございませんで、政府全体の重要な施策として行なわれているところでございます。したがって、警察自身がやっておりますことは、いま申しましたようなことであり、法務省とも十分打ち合わせをいたしております。したがって、事件も、検挙いたしました場合、検察の面におきましても特に重視をしてこれを調べる、あるいは起訴するというふうなことでございまして、決して手をゆるめておるわけではございません。その起訴事実におきましても、あるいは裁判における処断の状況——私は具体的に一々申し上げる材料を持ちませんが、極力重い刑が科されておるようでありますし、その点につきましては、警察もあるいは法務省系統、さらに裁判においても、社会生活の安全を乱し、法の権威をじゅうりんするそうした犯罪については、きびしい態度で臨んでおる、このように思っております。
  168. 太田一夫

    ○太田委員 内海刑事局長時代の一つの事績としてそういうことが実を結ぶことを心から期待します。  そこで、その銃砲刀剣の問題を、もうちょっとこまかく伺いたいのでありますが、刀渡り十五センチ以上の刀剣類が原則として禁止をされておるわけでありますが、最近はあいくちによる刺殺事件が実に多い。それも十センチ前後くらいのものが非常に多数凶器に使われておるのでありますが、現行の銃砲刀剣数所持等取締法というのは、私はそういう意味においていささか不備ではなかろうか、こういう気がするのであります。  それから、猟銃なども、最近は猟銃界というのは非常に好景気でありまして、散弾銃でありますが、それの新しい型ができるというと、在来の古いものをやめて新しいものをお買いになるというふうな点から、これが非常によく売れておるわけです。ということは、非常に精度のいいものが、許可されれば——ほとんど許可申請をすれば許可をされるようでありまして、猟銃ということになればある程度無制限と言っては何ですが、限界のない売れ方と所持の状態にある。こういうことに対して警察当局は何か改善する案というか、これに対して何か検討する態度を持っていらっしゃるか伺いたい。
  169. 小野島嗣男

    ○小野島説明員 ただいまあいくち等の問題が出ましたのですが、先生が言われました関係の刃物につきましては、法の二十二条に「刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物の携帯の禁止」という規定がございます。その規定によりまして、不法携帯といたしまして警察で昨年中に六千百八の押収をいたしております。したがいまして、銃砲刀剣類のみならず、この二十二条の刃物の不法携帯の条文を厳格に適用いたしまして、そういった刃物の危険性を防いでおるわけでございます。  それから、最近の銃砲の所持許可等について御質問がございましたが、法に定められます猟銃等講習会というのがございますが、猟銃等講習会の講習内容を充実いたしまして、所持許可の前にこれを受けさせる。猟銃等が不正に使用されることのないように指導をまず徹底いたしております。  それから、所持許可の段階では、法の第五条の一項に定めまする許可基準に照らしまして十分に審査をいたしまして許可をいたしておるわけでございますが、この許可も、実態的に、法の基準に従いまして所持させることのできないようなものにつきましてはこれを不許可にいたします。また所持の目的が法によってきめられておりますけれども、たとえば狩猟とかあるいは有害鳥獣駆除、標的射撃、そういうふうな法に定められました所持目的以外で所持をしようという者に対しましては許可をしておりません。したがいまして、許可にあたりましては、十分に審査をいたしまして、所持許可をいたしておる次第でございます。  以上でございます。
  170. 太田一夫

    ○太田委員 最初申し上げましたが、銃砲刀剣の販売店等におきましては、常に銃並びに銃弾というものを貯蔵しておるわけでありますから、それが盗まれたというときにはたいへんなことが起きる。だから販売についても厳重な規制が必要だと思う。いまのお話はありますけれども、国民の不安というものもですが、銃というものに対する魅力、それがテレビあるいはその他のものから、近代的な青年が魅力を感じて、殺人的な凶器を何かアクセサリーのごとく持たんとする傾向が出るとすればたいへんだと思いますから、取締法についての十分な再検討をお願いしたいと思います。  時間がないと思いますから、これはその程度にしておきまして、一一〇番活動についてちょっとお尋ねしたいのでありますが、先ほど来暴力団やぐれん隊等の取り締まりについて相当力を入れてやっていらっしゃるようでありますが、どうも一一〇番というものは、かけてもなかなか飛んでこない。パトカーは来ない。そして、何がどこで、どんなことが起きておるのか、おまえはだれだ、それはどういうことだと、根掘り葉掘り聞いて間に合わない。目の前に凶行状態が現出されておるにかかわらず、電話をかけたらさっと飛んでくるのではなくて、なかなか来ないというのは、しばしば、七割かそこら、ある程度たいしたものではないものもそういう電話をかけてくるものだからそうなっておるのかもしれませんけれども、少なくとも一一〇番をかけたならば、市民の味方である警察の機動力は、すみやかにその場をさしてまっしぐらにかけつけるという体制がなくてはならぬと思うのですが、それはどうなんですか。
  171. 浅沼清太郎

    ○浅沼説明員 お答えいたします。  一一〇番につきましては、最近急激に訴えがふえておりまして、警視庁などは、過去五年の間に倍になっておる。一般的に全国的平均を見ましても、七割くらいふえておるというような状況でございます。それに対しまして、私どもといたしましては、パトカーの増強、特に先生御承知のとおりでございますけれども、一一〇番は、警察の管轄区域と電話局の管轄広域が必ずしも一致しておりませんので、警察が受けて直ちに車に手配をしたり、交番に手配をしたりすることができますように、一一〇番の集中収容といいまして、こういう措置を首都圏、中京圏、近畿圏、北九州圏等、現在整備を終わりまして、四十四年度中には県庁所在地をはじめ、全国百二十都市についてこの一一〇番の集中収容をいたしたい。これができますと、受けてすぐ手配をして車が現場に行けるということになるのでございます。  ただ、個々の場合について考えますと、御指摘のように非常な交通渋滞等の関係もございまして、平均的には、警視庁の場合ですと、三分ないし四分で現場に到着しておるのでございますけれども、個々のケースによりましては、非常な交通の渋滞等の結果、おっしゃるようなケースが出ておるのではないか、このように考えております。
  172. 太田一夫

    ○太田委員 一一〇番については、私は、殺人事件を防止するとか、傷害事件を防止するとか、早期に解決するということのために必要だと思う。特に市民の不安を解消するために必要だと思う。  そこで、特にいまのお話しの点、いろいろありましょうけれども、七割もふえたということもありましょうが、その中に相当数重要な事件がありますから、だまされたと思ってもぜひすぐかけつけてください。それくらいの気持ちで頼みます。  そこで、内海局長さんにもう一回お尋ねいたしますが、最近の殺人事件の検挙率というのはどれくらいですか。かつては九七、八%の率を誇っていたと思うのですが、最近はどんなぐあいでございますか。
  173. 内海倫

    ○内海説明員 いま手元に正確な資料を持ちませんが、私の記憶しております範囲で申し上げますと、殺人事件につきましては、昭和四十三年度におきまして約九〇%、前年と比較しましても、殺人事件等凶悪犯に関しましては、検挙率はわずかに下がっておるものもありますが、ほとんど異動を示しておらない、かように申し上げていいと思います。
  174. 太田一夫

    ○太田委員 犯罪の様相が複雑化しておるときでありますから、ただ、あなたたちだけを責めるのは酷だと思いますが、科学と技術を駆使して、あなたたちの従来の長い技能を発揮して、少なくともいまから十年くらい前は九七、八%を誇っていたはずでありますから、ぜひそれくらいに成績を高めていただきたいと思うわけです。  そこで今度は、警察関係最後でありますが、交通局長さんにお尋ねをいたします。  最近、社会不安が激増しておるというその理由に、国民はみんな、機動隊に使われて、それデモだ、それ学生だ、それ何々の集団だという方面に警官が回されるからそうなるのだ、そのために交通警察官というのはいささか気が荒くなってきて、道交法の中に反則金制度を取り入れたときは、摘発主義ではいけない、指導性を発揮して、なるべく指導という点に重点を置くと、こういう前の鈴木局長時代の御答弁があり、それは確認されておるはずだ。にもかかわらず、最近は点取り主義、摘発主義で、血も涙もない扱いが非常に多いということを運転者諸君から言われておるのでありますが、その点はいかがでありましょうか。
  175. 久保卓也

    ○久保説明員 従来、点取り主義でありますとか、あるいは取り締まりのしやすいものを取り締まるといったような傾向があったことは、一部からとかく批判されておったところであります。しかし、その後、特に四十二年に次長通達でもって、国民に納得される取り締まりをやるように、悪質な違反については厳重に取り締まるけれども、単に取り締まりいいからといって取り締まるのではなくて、また制止するあるいは防止するということで足りるものを取り締まるということでないように、そういう合理的なあるいは適正な取り締まりをやるようにという通達が出ております。  そこで、ちょっと前の流れになりますけれども、昨年の検挙の取り締まりが三百九十六万件です。過去一番多かったのが四十年の五百六万、この三百九十六万という昨年の数字は、過去七年で一番少ないわけであります。単に検挙件数が多い少ないということの是非を言うものではございませんけれども、この取り締まりの内容を見ると、やはり次長通達の趣旨が生かされているように私どもは思っております。  そこで、ただいまの反則金の制度が施行されました昨年以降の問題でありますが、やはり同じ傾向をたどっておりまして、昨年の後半、つまり反則金が実施されました半年と、ことし前半の半年を比べましても、総検挙なりあるいは反則行為の数は少しずつ減っております。内容も逐次前進をいたしております。しかしながら、私どもはこれでもって満足しているわけではありませんで、数日前、八月二十日付をもちまして、あらためて次長通達を出しまして、こういった趣旨の指導をいたしております。つまり警察官の手数をなるべく少なくして街頭に出すということ、これは事故処理の科学化あるいは事務手続の簡素化というものも含め、さらにまた外勤活動の合理化という方針が打ち出されておりまして、その中で特に交通について毎日監視の時間を定めるといったようなことがすでに出されておりますが、そういうようなことを含めまして、交通監視体制というものを全国的にしく、その中でわれわれが強調することは、そこで危険な違反であるとかあるいは運転、歩行といったようなものは、いろいろ取り締まるべきものは取り締まるし、指導で足りるものはどしどし指導していく、そういう軽微なものについての指導、悪質なものについての検挙といったような区分けをするということ、さらにまた、御承知でもありましょうが、歩行者であって死亡者の中で老人、子供の占める割合というのは六割であります。したがいまして、われわれは、この交通監視体制の中で老人、子供のような弱い立場にあるものを保護、誘導するということを強調することをあらためて通達いたしておりますが、今後そういう方向で積極的かつ強力に指導してまいりたいと思いますので、今後の警察のあり方は、より一そう適正化されるものと期待いたしております。
  176. 太田一夫

    ○太田委員 とにかく四十五年度予算の要求のときであり、新たなる制度改正とかあるいは組織変更というときに直面しているように思いますから、きょうは長官も国家公安委員長もいらっしゃいませんけれども政府委員各位におかれては、十分新しい時代を認識すると同時に、まさにくずれんとする日本国民の政府に対する信頼、警察に対する信頼というもの、そういうものを特に警察だけは、自治体警察である限りにおいては、国民の信頼をつなぎとめるというその決意を持って、一切をやっていただきたいと思う。  これは余分なことでありますが、この間、文藝春秋の九月号に大宅さんが書いていらっしゃって、ヨーロッパなどを回ってきたけれども、イギリスなどのあの政治の半分眠っているような老化現象には、実際あきたらぬものを感じた。日本などはスタミナがあってまことによろしい。ゲバ棒の学生があったり、乱闘的な国会があったりすることは、まだしも清新はつらつたる感じがして気持ちがいい。日本をヨーロッパやイギリスのような国にしてはいけない。もしこれがいけなかったら、あなたのほうから大宅壮一さんのほうにひとつ横やりを入れて、異議をおっしゃっていただきたいと思うが、まさかそうはおっしゃらないと思う。警察当局は長官もおかわりになった。あるいはまた異動期になれば、この中からずいぶんたくさん御栄転なさる方もあろうと思う。しかし、日本の国の警察の行く道だけは間違えないでいただきたい。このことを要望しておきます。  内海さん、これはあなたの管内でございますか、関係ですか、福岡県の住職の刺殺事件について、犯人が自首しようと思って駐在へ来たら、まだ六時半ごろであったけれども、どうしても起きないから、自分がその警察の電話を使って、派出所から本部のほうへ、私は自首してきたけれども警察官が起きませんから、直接犯人から申しわけありませんが私がかけますなんという反対の話がありましたね。士気の引き締めということも間違いない方向にやっていただきたい、こう思います。これは要望です。  最後に、これは自治省お尋ねしますが、前々から問題になっておりますところの札幌市におきまして、法人の所得に関する住民税所得割り、これが資本金一千万円以上と以下とに区別して、資本金一千万円以下は現行のままの標準税率であるが、一千万円以上のものは制限税率一ぱい取りたい、こういう決議をしたらば、それは法違反だというので否認をされたという事件があるのでありますが、これは元来所得において税金を払うというのは、何も地方税法において否定されておるわけじゃありませんから、法人といえども、そういう地方の条例によって当該世論的な立場をとる市議会が決議をして条例改正をするならば別に差しつかえないと思うのですが、どうしてそれがいかぬのであるか、これは念のために聞いておきたいと思います。
  177. 高橋睦男

    ○高橋説明員 お答えいたします。  札幌市から、そういう税制をとりたいということについて問い合わせがありましたことは事実でございます。それで私どものほうとして検討をいたしたわけでございますが、御指摘のとおり法人税割りの税率は標準税率になってございますので、これを制限税率の範囲内できめるということについてはもとより問題のないところであるわけでございます。しかしながら、私ども検討をいたしました段階におきまして、地方税法におきまして標準税率が定められている税目につきまして、地方団体が差等税率を設ける、こういうことにつきましては、法令上いろいろの規定を設けてこれを容認する、こういうたてまえになっておるわけでございます。例を申し上げますと、娯楽施設利用税などにおきまして、地域等によって区分をして、税率に差等を設けることができるとか、それから自動車税の車種によってさらに区分をすることができる、こういうふうな規定になっております場合には、差等税率を設けることができる、こういう考え方でおるわけでございます。御指摘のような資本金によって差等を設けるということにつきましては、一種の不均一課税ということになりますので、不均一課税が許される地方税法の六条の規定というものから考えましても、公益上の理由によって税率に差等を設ける、こういうことには当たらないのではなかろうか、こういうふうな二つの理由。その他法人税割りというものが法人税額というものにスライドしてできておる、こういう税制上のたてまえなどから申しまして、これに資本金によって差等を設けるというのは違法ではなかろうか、こういう回答をいたしておるところでございます。
  178. 太田一夫

    ○太田委員 地域的には不均一な場合が出てくるわけです。標準税率を用いるのとさらに制限税率一ぱい用いるのと、これは地域的には出てくる。しかし、一つの企業のその規模的には認められないというのも、理屈としてあなたが六条を持ち出された場合に、必ずしもそれが一つの弁解のことばにならぬわけではないけれども、考慮すべき余地があると思う。そういうふうにだめだというのは、いささか資本家側のみにくみしたところの一方的な牽強付会な説であるような気がする。差等、不均一課税というものは一ぱい例があるわけであります。そうでしょう。月給取りに対して、所得の多い者に対しては県民税四%、少ない者は二%、これも不均一課税を容認しておるのだから、必要があればそういうものを法定するなら法定するように、今後の前向きの姿勢というものは考えてよいのではないかと思う。御検討なさる御意思はありませんか。
  179. 高橋睦男

    ○高橋説明員 先ほどもお答え申し上げましたように、現在の税制の考え方といたしましては、何といいますか、そういうやり方が入り込む余地がないような考え方に立っております。将来の問題として、たとえば法人税負担をどうするかというふうな大きな問題として考える場合には検討の余地があろう、かように存じております。
  180. 太田一夫

    ○太田委員 終わります。
  181. 保岡武久

    ○保岡委員長代理 山口鶴男君。
  182. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 時間もだいぶ回っておりますから、きわめて端的にお尋ねいたしたいと思いますので、お答えもひとつ簡潔にお願いをいたしたいと思います。  お尋ねしたい点は、当地方行政委員会におきまして、かつて新東京国際空港周辺整備に関する法律を議論いたしました。その際、河川行政としていかがかと思う点がございましたので、その点をお尋ねしたいことが一つ。それから次に、過疎地域の財源問題ということから、多目的ダムに対する課税の問題について若干お尋ねをいたしたいと思います。三番目に、地方自治は特に住民自治であらねばならぬというのが私どもの主張でありますが、そういった立場から、住民の意向を尊重するということに相反するようなダム行政が行なわれているという点がございますので、その点についてもお尋ねをいたしたいと思います。  最初に河川局長さんにお尋ねしたいと思いますが、実は当委員会で新東京国際空港の周辺整備に関する法律を審議いたしました。審議未了廃案になったわけでありますが、その際、この成田空港が建設されました場合、その周辺に降りますところの雨等の排水を一体どうするのか。本来ならば河川を使って太平洋に流すのが一番合理的だと思うのですが、あの案では、どういうわけか利根川に落とすという計画であります。理由を聞きますと、どうも三里塚地区に反対が多くて、太平洋岸に落とすのは困難である。したがって利根川に落とす。しかし、現在建設省は多目的ダムを建設する計画をいろいろお持ちです。その場合に、洪水調節のために必要だということを言われておるわけであります。洪水調節のために上流にダムが必要であるとするならば、その下流の利根川に対して、太平洋岸に落とせばいいものを、わざわざ利根川に新東京国際空港周辺の排水を落とすということは、どう考えても不合理ではありませんか。この利根川の治水という観点でお尋ねをいたしたいと思います。
  183. 坂野重信

    ○坂野説明員 お答えいたします。  ちょっと詳しい資料をいま持ち合わせございませんが、空港の場合は、確かに先生おっしゃるように、あそこに降った雨をどちらに、どういう流域分布によって人工的に流すかという問題が確かに議論されたわけでございます。私どもは、別に利根川にウエートがかかるような方向でやったつもりはございません。自然の地形等をいろいろ勘案しながら、そういった河川改修のコストというようなことを総合的に勘案して、結果的には太平洋岸に流れる部分と利根川の流域に流れる部分とに分けて考えて、その辺の地形の状態等を十分勘案してやったわけでございます。  確かに、観念的には利根川にそれだけの分を余分に流すということになると、利根川にウエートがかなりかかるじゃないかという御指摘はもっともでございますけれども、御承知のように、雨の降り方によって関東地方にどういう時間的なあるいはどういう分布によって降るかということは、非常にむずかしい問題でございますが、一般的には、利根川の長い河道から見て、上から降った雨が下流に流れてくるまでには二日ないし三日かかるわけで、その間に、一般的にはあの辺の国際空港に降った雨はもうすでに流れ去ってしまうという状態があるわけでございます。そういうことを考えますと、利根川自体にウエートがかかるというような問題とダムとからませて考えるほどの大きなウエートはないというぐあいに私は考えているわけでございますので、その点御了承願いたいと思います。
  184. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 常識的に考えて、洪水調節をやらなければならぬという立場でダムをつくる。一方に、太平洋岸に落とせばいいものを利根川に入れるということは、治水のためにダムが必要だと建設省から押しつけられている上流の地域の者にとってみれば、全く割り切れない話である。しかし、この点はまた次に臨時国会でもあれば、新東京国際空港周辺整備に関する法律が出てまいるかもしれませんから、またあらためて議論することにして、きょうはそれはおきましょう。  そこでお尋ねしたいのは、私の住んでおります群馬県は、たいへん建設省からねらわれておるわけでありまして、草木ダム、八ツ場ダムあるいは沼田ダム、本庄ダム、山口ダム、跡倉ダムというような数々のダムの計画がございます。すでに実地調査段階に入っているものもあれば予備調査段階にあるものもございます。そこで、このダム建設をめぐりまして、非常にトラブルが多いのであります。私は、建設省も少ししっかりしてもらいたいと思うのですが、この八ツ場ダムに対して水準測量が必要だということで十カ所ばかりくい打ちを計画して実施をされました。そのうち六カ所ほどくい打ちをやったようでありますが、民地だと思っていく打ちに行ったら、これは官地ですね。道路敷だと思ってくい打ちに行ったら民地であったというような、非常にとんまなことをやっておるんですね。県の土木出張所に問い合わせれば、これはもうはっきり民地か官地かということは明瞭になるわけでありまして、そういった手続もせずに、土地の権原も明確にしないで、そして官地だと思って民地にくい打ちをするというようなずさんなことでは困ると思うのです。現にこの調査事務所等を置きまして相当人員も配置しておるわけですね。そういった誤りというのはたいへん困るのじゃないかと思いますし、遺憾だと思いますが、今後そういった間違いで無用な混乱を起こすというようなことについては、ひとつ十分善処をしていただきたいと思うのですが、その点簡単でけっこうですからお答えをいただきましょう。
  185. 坂野重信

    ○坂野説明員 お答えいたします。  御指摘のとおりでございますが、その当時の事情を聞いてみますと、確かに出先の建設省の事務所から県のほうに照会したところが、県のほうも若干、何というか、県自体の調査不十分というか、そういうこともあって、どうもあすこは道路敷だというぐあいに県も初めは思っておったが、そうしたら、地元から指摘されて、よく調べてみるとどうもこれは民地らしいというようなことで、現在に至ってもなお民地か道路敷かはっきりいたしておりません。なおこれはひとつ十分今後調査したいと思っておりますが、確かに御指摘のようなことで、はっきり道路敷なら道路敷ということを確かめた上で調査すべきであったことは御指摘のとおりでございまして、その点については、今後ひとつそういうことのないように注意してやってまいりたいと思います。
  186. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 そういうミスなどもあるようでありますが、その後どういうわけか知りませんが、八月の五日になりまして、群馬県知事に対しまして土地収用法の十一条に基づく準備のための立ち入り、その通知を建設省はいたしたようであります。準備のための立ち入り調査でありますから、直ちに土地を収用するということとは別でありますけれども、しかし土地収用法という法律の権限に基づいて、いやがる地主のところに立ち入ることが可能なそういう権限の行使をなされるということになりますと、地元ではたいへん問題が起きるわけであります。  そこで、群馬県の長野原町という町が当該の地域であります。ここでは町議会をしばしば開きまして、その結果、この十一条による立ち入りというものはすべきでない、あくまでも話し合い、納得による調査ということでなければいかぬ、強権的な十一条による立ち入りはすべきでないということを議決をいたしまして、さらにそういう権力的な八ツ場ダム調査事務所の某所長は一日も早く更迭をしてもらいたい。憲法の規定もありますが、公務員を罷免する権限は国民にあるわけでありまして、そういう立場から国民があるいは議会が国家公務員に対してこの人は困るということを言うことは、私も無理もないと思います、当然だろうと思いますが、そういう強硬な決議もいたしております。また、群馬県の議会におきましても、開発特別委員会を開きまして、そういった強権的な方法でなしに、十分慎重に対処をしていただきたいという決議もいたしておるのであります。私は、やはりこういうダムの行政も行政の一環でありますから、当然住民の意向を尊重するということがたてまえでなければいかぬ。しかも住民の考え方をきめるいわゆる議決機関は議会ですね。県民の意思決定機関は県議会であり、そしてまた町民の意思決定機関は町議会だ。町議会なり群馬県議会という議会が、慎重に扱えという、あるいは十一条の立ち入りというものはすべきでない、こういう意思表示をする場合は、十分国の機関も、そういった地方自治、住民自治を尊重するという立場からいって考慮すべきでないかと思うのでありますが、この点建設省のお考え方はいかがですか。
  187. 坂野重信

    ○坂野説明員 御指摘のとおり、私どもは本来決して工事そのものを強行するつもりはございませんけれども調査そのものはできるだけ地元の納得と了解を得た上でやっていきたいという基本的な態度なり方針というものは、先生御指摘のとおりでございます。そこで、私どもとしては、できるだけ現地に事務所を置いて、地元の納得を得るように、ここ一年間努力してきたわけでございます。それにもかかわらず、なかなか地域の方々の全体の協力を得るところまでは至っていないわけでございます。もちろん、中にはダムを早くつくってくれというような絶対賛成あるいは条件つき賛成の方もずいぶんおられるわけでございまして、必ずしも全体が全体絶対反対だというわけではございません。その辺のことを私どももいろいろ現地のほうから報告を聞いております。確かに群馬県議会としては、ダムの調査なり、ダムそのものには反対でないというような議決があったことは先生も御承知でございます。ただ、地元の長野原町の町議会においては、まだまだそういった反対の方が多いということも承知をいたしておるわけでございます。しかし、ダムの重要性ということは、先生もおそらく御否定にはならないものと思います。利根川の群馬県を含めた治水の重要性、あるいは首都圏全体の水資源の開発という重要性にかんがみて、私どもとしては、ともかく何とかしてダムを建設したいという念願に燃えておることは先生も御承知と思います。  そこで、なかなかそういった調査のための立ち入りもできないということになってまいりますと、ほかのダムでも例がございますが、群馬県の長野原町にも例がございます。あるいはその他の日本全国のダムサイトにも土地収用法の十一条を適用して立ち入りの権限を取得した上で、その上で地元の了承を得ながら仕事をやった。あるいは、さらに一歩進んだ強制立ち入りのケースもございますが、そういうことでやむを得ず十一条の通例の方法に基づく事務的な手続をとったわけでございます。しかし、今後私どもといたしましては、できるだけ地元の了承を得て、調査そのものもそういう方向で進めたいということは、先生御指摘のとおりでございます。しかし、何しろ地元の方々の不安の状態というものを分析してまいりますと、ダムができたとした場合に、一体どういう生活再建をやってくれるのか、どういう地域開発をやってくれるのかということに対する不安のほうがむしろ多いのではないかというふうに私ども推察しておりますので、そうしますと、やはり調査をやって、調査の結果に基づいて生活再建なり、あるいは地域開発というものは調査をしなければ出てこないわけでございますので、まず調査をさしていただいて、その結果に基づいて住民の不安を除くような、また住民の了解を得るような、具体的な計画を何とか早く立てたい。それによって地元の皆さんと協議し、また話し合いをし、その上でダムをつくったらどうかということがまだ残されるわけでございますので、そういう基本的な態度を私どもとっておるわけでございます。  もちろん私どもは、国際空港のようなああいった紛争を起こすというのは、そういうものは全然好まないところでございますし、また、そういうことをしたくないわけでございますけれども、しかし、調査も何もできないということになってまいりますと、せっかく事務所をつくったけれども、どうも進行しないということもございますし、ダムの必要性は、先ほど申し上げたようなことでございますので、調査だけは何とかして直ちにやりたい。そのための前提としては、できるだけ私どもは地元の了解を得るように最大限の努力を払うということは、ひとつ御了承をお願いしたいわけでございます。  いろんな事務所長の個人的な御批判もございましょうけれども、それは、私たちは私たちなりに御指摘を受けた点は、是正すべき点があれば十分その辺の態度なり、あるいはいろんな仕事振り等について是正さすことはやぶさかではございませんので、何とかひとつ事務所長問題——個人的な問題でございますけれども、地元の了承を得るようにひとつお願いしたいわけでございます。やはり立場がございますので、地元の反対の立場にある方々から見られると、どうも事務所長が高圧的態度だとか、一方的意見しか聞かぬということがあるかもしれませんけれども、私どもの指導方針としては、地域住民の方々に公平に話し合いを進めるという指導方針でございますので、その点御了承をいただきたいと思います。
  188. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 地元に条件つき賛成という人もあります。それから、中立と称して賛成をしておる人もあります。しかし、住民の七割以上は反対をしているという事実は依然として変わっておりません。それから、当該地域の長野原町議会も、十三対八ですか、絶対反対の決議をしていることもこれまた変わりがないわけです。また、決して私ども社会党だから反対しておるわけではないのでございまして、自民党の師団長といわれる方の一人である中曽根代議士も反対だと言っておられるわけですから、結局問題は、住民の意向を反映して、当局が行政を進めるかどうか、このことを私は問題にいたしておるのであります。  そこでお尋ねしたいのでありますが、生活再建をするのに、生活再建の案を示すためにも調査が必要だと言っておられる。しかし、現在航空写真等も発達しておるわけです。それから、あの地域において、状況等は十分県当局に聞いていただけばわかるわけでありますが、実情は承知をしておる。そういうことでありますから、問題は農家の人たちにすれば、代替地をどこに確保してくれるのか。旅館業者の方からいえば、どこに新しい温泉地を確保してくれるのか。また、補償するということになれば、一体どの程度の補償をしてくれるのかということを一番問題にしておるわけです。そういうものは、何も立ち入り調査水準測量なんかしなくても、おおよその青写真というものは示せるはずだと思うのです。ですから、真に生活再建のプランを示すということであるならば、何も十一条に基づく、あるいは十二条に基づく立ち入り権というものを設定する必要はないんじゃないか、これが第一。   〔保岡委員長代理退席、委員長着席〕  第二には、地元の協力を得てやりたいと言っておるのでありますが、実は八月二十二日に、中立と称しておる八ツ場ダム総合対策連盟というものがあります。責任者は萩原好夫さんという方でありますが、この方が建設省の生活相談所を会場にいたしまして、八ツ場ダム生活再建対策会議というものを開催されたようであります。四十一人集まったそうでありますが、一世帯から数名出たところもありますから、実際には三十六人くらい。ごく一部の方が集まったようでありますが、そこでこの総合対策連盟の会長さんが、関東地建から実は三百万円予算をもらった。したがって、この金でもってダムの調査に行きたいという話をいたしました。この三百万円の割り振りをめぐって大激論がありましてまとまらなかったようでありますが、問題は、その会を開催する通知を出したのでありますが、そこにも、この費用一切は建設省側で負担することになっておりますというような文書もちゃんと入っておる。しかも関東地建の局長さんから、三百万円もらうことになっておる。だから方々調査に行くのは一切御迷惑をかけぬで、費用一切は建設省で負担するから心配ないというような話をしたようでありますが、条件つき賛成、中立、絶対反対が七割、こういう状態で、中立とかそういう団体に建設省は三百万円というような金を出すのですか。一体どういう名目で出すのですか。そういうことがはたして明朗な行政といえますか。この点をひとつお答えを願いたいと思います。
  189. 坂野重信

    ○坂野説明員 第一点の問題でございますが、先生御承知のように、私どもはほんとうの将来の夢物語りというか、そういうような絵にかいた将来の構想図というものは持っております。だから、それを地元の皆さんにお配りしたことも事実でございます。しかし、それはほんとうの、何といいますか、単なるアウトラインでございまして、やはりここの人たちの、水没が一体どこまでかかるのだという——あるいはいろいろ農林省等も相談しているわけでございますが、国有林の払い下げをするような場合でも、一体その辺の限界はどこまでかかるのか。それから、そこに住んでいる人たちは、各個人が一体自分がどういう立場にあるのか、自分の所有地は一体水没せぬでぶった切られるのかどうかということが非常に不安だと思いますし、その辺もはっきりした水準測量というものがなければ、コンクリートな地域計画なりあるいは生活再建というものは、アウトライン的なものはできても、もう少しコンクリートなものがなければ、各戸の人たちがなかなか納得するまでにいくような資料というものはつくりがたいということでございますので、私どもとしては、先ほど申し上げましたように、まあこれはずいぶん議論はあると思います。鶏が先か、卵が先かということで、調査しなければできない、調査せぬでもできるじゃないか、ということはございますけれども、私どもの事務的な判断では、やはり調査というものを先行いたしまして、それによる資料がなければコンクリートな将来の姿というものは描けないということはあるわけでございます。  先ほど三百万とかなんとかいうことがちょっと出ましたけれども、私どもはその辺ははっきり地建からも聞いておりませんが、ただ、いろいろな調査段階で、そういった地元の人たちに調査を委託して、そして地域再建なり何なりという問題をそういう人たちに見てもらって、それをまた参考にして一つの反映をしていくという立場はあると思います。ですから、そういうことは、関東地建が三百万出したかどうかは知りませんが、そういうことはあり得るわけでございます。ただ、先生のおっしゃるように、そういった一部の人たち、少数の人たちにそういう調査を依頼して、そういう人たちだけの意向を反映したものでは、非常に不公平な、また万全を欠くのじゃないかという御指摘はよくわかります。しかし、全体の人たちの意見を聞きながら——人たちに集まってもらって説明をしようと思っても集まっていただけないわけですから、これはやはり協力していただける人たちだけでもひとつそういった意見を十分反映したいというのは、これはやむを得ないと思います。
  190. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 条件つき賛成という諸君には出していないのですね。それから絶対反対にはもちろん出していない。どういうわけか知りませんが、中立というところにだけぽっと三百万出して調査に行ってくれということは、常識的に考えても、そんなことはおかしいじゃないですか。もし当該地域の協力を得るということになれば、これは町とか議会とか正規の機関があるわけでしょうから、そういうところに委託なら委託をして調査をしてもらうということなら筋が通ると思いますがね。三つに分裂をして、しかも賛成、中立、反対とあって、中立にだけどういうわけか知らぬが金を出すというようなことは、私はおかしいと思うのです。これはひとつはっきりしてください。
  191. 坂野重信

    ○坂野説明員 実態がよくわかりませんので、よく調べてみたいと思います。
  192. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 そういう遺憾なお金の支出をすれば、よけい対立を激化し、絶対反対の方はよけい絶対反対で固まるということになるのは当然じゃありませんか。私は建設省の立場にかりに立ったとしても、そういうことはたいへんばかな——先ほど荒木国家公安委員長の話じゃありませんが、大ばかか中ばかかということでたいへんいかがなことじゃないか、こういうふうに思います。  そこで問題は、お盆の日にわざわざ調査をしようというようなことをやったのですね。祖先伝来の土地を守ろうということで反対をしておる、そういうときに、わざわざお盆の日を選んでくい打ちをしようなんということは、これまた私はどうかと思うのです。  そこでお尋ねしますが、土地収用法十二条による、五日前までに市町村長に通知をしますね。準備のための立ち入り、これはしばらくの間私は見合わせてもらったほうがいいと思うのです。十分町議会なりあるいはその住民の意向を聞いて、慎重に配慮してもらいたいと思うのですが、この点はどうですか。
  193. 坂野重信

    ○坂野説明員 まあ、お盆に測量ということでけしからぬじゃないかという先生のお話もございました。確かに地元住民の感情の問題もあるかと思いまして、私はすぐに関東地建の局長に対して、少なくともお盆の間はひとつ見合わせるようにというようなことをいたしました。ただ、時期的にちょっとあの時点が十四日の昼ごろでございましたからちょっと一、二日のズレがあったかもしれませんが、十五日以降は調査は中止いたしております。今後の問題でございますけれども、これは先生の御意向もわかりますので、十分検討してみたいと思います。  ただ、いつまでも調査をしないというわけにはまいりませんので、ひとつ最大限の説得の努力をやってみたい。それはいつまでとかなんとかいうことはいまこの時点では申し上げられませんが、そういう努力を積み重ねたい。しかし、いま申し上げたように、これは調査でございます。工事を強行するということじゃなくて調査でございますので、調査は何とかひとつぜひともやりたいという意向だけは表明させていただきたいと思います。
  194. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 十分ひとつ地元住民の説得に努力をしていただきたいと思うのです。十二条の五日前の市町村長に対する通知というものは十分配慮をいただきたいと思います。  それから、三百万の問題につきましても、関東地建で御調査いただきまして、どういう事情なのか、これはあとでけっこうでありますから、ひとつ内容をお知らせをいただきたいと思います。  それから、もう時間がありませんから最後にまとめてお尋ねをしたいと思いますが、水源県で水源地域開発促進法というものをつくってもらいたい、水源地域が犠牲にばかりなることはごめんだ、人口も流出して過疎地域になる、しかもたいして財源が付与されるわけではない、いわば犠牲にばかり水源県がなることはまっぴらだ、こういう気持ちを持つことは当然だと思うのです。水源地域の知事が一緒になりましてこのような法律をつくってもらいたいというようなことを言っておるわけでありますが、建設省としては一体どうお考えですか、お答えをいただきたいと思います。  それから、自治省の固定資産税課長さんにお尋ねしたいと思うのですが、このダムをつくる、それで発電をいたします場合は、当該部分のアロケーションの分につきましては、当然固定資産税がかかるわけでありますが、この治水という目的のための部分、治水のアロケーション分について税をかけるということは、これは問題があると私も思いますが、少なくとも利水ですね、工業用水なりあるいは都市用水というものに対して利用する部分のアロケーション分については、私は固定資産税を課するということも一つの方法じゃないかと思うのです。当委員会で過疎地域の法律をいろいろ論議いたしましたが、何と申しましても、過疎地域に財源を付与するということは大きな問題だと思います。そういう意味で、発電部分ばかりではなしに、用水部分に対する固定資産税ないしは固定資産税相当の交付金というものを自治省として考えるおつもりがあるかどうか、あわせてひとつ御答弁をいただきたいと思います。
  195. 坂野重信

    ○坂野説明員 水源地域開発促進法の話はいろいろ承知しておりまして、私どもの省内においても検討いたしております。ただ、これは建設省だけの問題でございませんので、まあいろいろ趣旨そのものには私ども反対でございませんけれども、いろいろな問題点を腹蔵しておりまして、いろいろな公共事業の中でも、ダムをめぐる地域だけをはたして他とのバランス上どう考えるかというような問題、あるいは水源地域の開発計画の内容をどうするかというような問題、規模をどうおさめるかというような問題、あるいは財源の問題にしても、どこがそういった財源を持つかという、つまり、主張される論点は、水源地域の開発、公共事業の補助率アップの問題、いろいろな問題がございます。その辺の財政措置的な問題もいろいろな問題を腹蔵しておりまして、これは建設省だけで解決できる問題ではございません。各省にわたる問題でございますが、そういった総合的な問題の見通しがつかなければ、なかなか一挙にこういう法律というものはむずかしいんじゃないかというぐあいに考えております。しかし、地元のそういった水源地域開発促進法をつくりたいという趣旨はわかりますので、当面そういった趣旨に沿うような、各ダムサイトごとに何らかの——各省を網羅した協議会的なものをすでに東北等で発足いたしておりますが、そういうような方向で、とりあえず各省のそういった出先における連絡協議会というようなものをつくって、その場で議論をして問題を一つ一つ解決するような方向でいきたい。それと同時に、いまの八ツ場等で問題になっておりますように、できるだけダムの水没によって地元の人たちが迷惑をこうむらないように、むしろ、できればそれを契機にひとつ地域開発というものの方向に持っていきたいという方向につきましては、私どもはそういう方針に沿って現在努力中でございますし、また、そういう方向で今後とも進んでまいりたいというぐあいに考えております。
  196. 高橋睦男

    ○高橋説明員 お答えいたします。  ダムの開発に伴う固定資産税の問題につきましては、御指摘のように、水道、治山治水の部分につきましては、現在地方税法及び同法施行令によりまして非課税ということになってございます。しかしながら、御指摘のような過疎問題とも関連をいたしまして、これらのダム所在地の市町村に対する財源の充実という点からは問題があるところではないか、こう考えております。  一方、水道料金に対するはね返りというふうな問題もございますので、これらの点につきまして、関係方面とよく連絡をとりまして十分検討いたしてまいりたい、こういうふうに存じております。
  197. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 どうもただいまのおことばでは、お二人とも検討したいとかいうようなことでございまして、不満であります。建設省は、ダムをつくる場合に、総合開発でやりたいので、決してダムをつくっただけということではなくして、その周辺の開発にも努力をしたいというようなことを言われるのですけれども、現実にそれではダムをつくられた地域はどうであるか。過疎はますます激化して、そうして当該地域の住民は決してしあわせになっておらぬというのが現状ではありませんか。法律はどうだといえば、各省にまたがるからいろいろ検討してというようなお話で、そういうことでは水源県というものは浮かばれぬと私は思うのですね。建設省はそういう熱意のない態度である、だからこそ水源地域の住民は一致して反対運動に立ち上がっておるというのが現実ではありませんか。だから、八ツ場ダムにつきましても、七割以上の住民が反対している。町議会も反対の決意を変えていないという状態ではありませんか。ですから私は、そういう意味では、建設省がほんとうにやるつもりならば、その地域を抜本的に開発するための水源地域開発促進法くらいはつくるというつもりでなくてはならぬと思うのです。そういうものはつくらぬ、検討だけ適当にやっておけばいい、ダムだけはつくりたいというようなことではこれはだめですよ。そういうことでは私は地域住民の賛成は絶対得られぬということをここで申し上げておきたいと思います。  最後に、建設省の河川局で「全国水需給の展望について」というのをおつくりになったようですが、これを見ますと、矢木沢、下久保、草木、八ツ場各ダムをつくりたい、それから印旛沼、霞ケ浦等の湖沼開発及び河口ぜきによって三十四・三億トンの水を開発することにしたいというようなことを書いております。これを見ますと、当面ここに書いてあるようなことをやれば足りるということであって、さらに、群馬で問題になっておる沼田あるいは本庄、山口、跡倉、こういうものは、この「全国水需給の展望について」を拝見する限りにおいてはお考えになっていないということで了承してよろしいですね。  これでやめておきます。
  198. 坂野重信

    ○坂野説明員 水需給の将来展望でございますが、その資料の中に載っておると思いますが、私どもは、年間でたとえば利根川の場合ですと、将来五十三億トンばかりをひとつ開発したいということでございます。こうなりますと、利根川の年間流れてくる水の中でこれを使うといいますか、年間全体を通じて利用する利用率を七四%くらいまで上げられるわけです。現在一八%くらいしかやっておりません。そういうことで、これはどちらかといいますと、需給計画というのは川の流れ方のほうからながめて、年間のそれを統計的に計算いたしまして、こういうような流れ方に対してはどのような施設の組み合わせをやっていけばどのくらいまで水の開発ができるであろうかという、どちらかというと上から流れてきた水の流れ方の状態を見て、そっちのほうからどのくらい開発できるかという限界といいますか、そういうものを踏んでいるわけです。したがって、この中に山口、跡倉とかあるいは沼田を含んでいるかとおっしゃいますと、含んでいるといえば含んでいる、含んでいないといえば含んでいないということで、いろいろな組み合わせを考えながら、むしろ結果的に見て、これだけは開発すべきである、開発できると、先に出しておいて、そうして一つ一つのダムについては年々予備調査なり何なりをやって、洪水調節とからみ合わせて次第次第に計画の全貌を明らかにしていくということでございまして、沼田も入っているといえば入っているわけでございまして、常識的に見て、やはりあれだけの洪水調節の容量を持つ水資源の開発からいきましても、そういう意味合いからいうと、沼田をつくるというようなことは望ましいわけでございます。しかし、これは計画としてセットしているわけではございません。さっき申し上げましたように、いろいろな組み合わせを、過程を設けながら、どのくらいの容量の水をためれば一体どのくらいの利根川の水が開発できるかということのほうから見通しをつけているわけでございます。
  199. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 まあ入っているといえば入っている、入っていないといえば入っていないというような、そういった地域住民の関心の的になっているものに対して、きわめてあいまいもこたることを言っている、そういうことは、私はやはり政府に対する住民の不信につながると思うのです。言うならば、何とか地元をねじ伏せて、できるだけつくりたいというのが本心じゃないかと思いますし、そういうふうにとれる御答弁でありましたが、先ほど申し上げたように、国の権力をもって、公権力をもって強引に反対運動をねじ伏せよう、地域住民の利益あるいはその地域の開発ということを考えぬというようなやり方では、当該地域の住民の賛成を得ることはできぬ。そういった行政の姿勢というものを再検討していただかなければならぬということだけを申し上げて、私はやめておきたいと思います。
  200. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 小濱新次君。
  201. 小濱新次

    ○小濱委員 時間の制約を受けましたので、私は五、六点にしぼって久保交通局長にお尋ねをしたいと思います。  四十三年度、四十四年度にわたって非常に事故発生が多いわけでありますが、聞くところによりますと、本年度は戦後最高といわれる死傷者を出しているということです。まずこの件数、負傷者、死者、もう一つは比率等がおわかりになっておりましたらお知らせをいただきたいと思います。
  202. 久保卓也

    ○久保説明員 四十三年度は件数が六十三万五千件で、これは前年に対しまして二二%の伸びでありました。これに対して、本年の七月までの数字を見ますと、発生件数が三十九万四千件、一六・四%の伸び、これは昨年同期に対する伸びでございます。したがいまして、全般的に見ますと、件数だけでいえば若干伸び率が減っているということでございます。それから負傷者の数は、昨年は八十二万八千件で一昨年に対しまして二六%の増でありました。そこで、本年の一月から七月までの数字は五十二万三千件で、昨年同期に比べまして一九・二%の伸びでございます。この点も若干減っております。ところが、非常に異常なことは、死者の数がふえていることでございまして一昨年は一万四千二百五十六人、これは一昨年に対しまして伸びが四・七%でありました。ところが、ことしの七月までですでに八千五百九十二名、これは一四・五%と異常な伸びでございます。なお、昨日現在では九千九百四十七名、つまり、あと五十三名で一万人の死者になるということで、あしたにも一万人に達しようという非常になげかわしい状況にございます。
  203. 小濱新次

    ○小濱委員 久保局長は、本部長、それから企画、また、この道のベテランとも聞いておりますが、こういうようにとうとい人命が年々多数増加して失われているという立場から、警察庁としては総力をあげてこれに努力を払っておられると思いますけれども、新しく就任をされた久保局長の立場から、具体的対策、抱負なりあるいはまた意見なりを必ずお持ちになっているだろうと思うので、ぜひお聞かせいただきたいと思います。
  204. 久保卓也

    ○久保説明員 交通事故は車と人と道路、この三つの要素で成り立っております。その競合でございます。また、別の言い方から言いますと、いわゆる三Eということで、教育の関係、それから技術の関係、それから執行、これは警察関係でございます。そういう三Eの要素から成り立っているということもいわれます。また、アメリカの安全教育に関する資料によりますと、交通事故の原因の五%は車、五%は道路、残り九〇%は人であるというふうにいわれております。大体、人は石垣人は城といわれますが、人が基本的な原因になることは申すまでもないと思います。  しかしながら、まずわれわれが要望したいことは、車と人の分離が道路環境において非常に行なわれておらないということに一つの大きな原因がある。現在までの歩道の整備状況が、御承知のように市街地で国道で五〇%、都道府県道で二〇%弱といったような状況でございます。また、舗装率が非常に低い。たとえば、イギリスでは一〇〇%舗装ができておりまするのに、わが国はわずかに九%であるというようなことで、道路環境が非常に悪いこと、さらには都市構造の関係が交通に便でない。また、事故を起こしやすいような状況になっておるということは、諸外国と比較するまでもなくわかるところであります。そういった道路環境なり都市構造に一つの大きな原因があることは言うまでもないところでございまして、私どもはいろいろな機会に関係省庁のほうに御要望するわけでありますが、当然また議会でも再々そういった点は要望が行なわれておることで、私から申し上げるまでもございません。  それから、車の問題につきましては、若干欠陥車両というような問題もありましたが、より大きな問題は、保安基準ということであります。これも運輸省のほうで鋭意御研究になりまして、逐次保安基準の追加が行なわれておりますが、われわれの立場からしましても、事故の分析を行ないまして、その中から保安基準につけ加えるべきものをつけていくということが非常に重要であろうと考えます。  また、たとえば自転車による事故が外国に比べまして非常に多いのであります。全死亡事故の中で十数%に達すると思いますが、この自転車に関しましての行政が実はどの役所にもないということで、私どもは事実上の指導といたしまして、自転車の乗り方あるいは自転車についての保安基準の問題、これを考えてまいりたいというふうに考えております。  なお、道路のところで申し落としましたが、歩道以外に安全施設、これは建設省、道路管理者の関係と公安委員会関係がございますが、御承知のように第二次の三カ年計画によりまして相当の整備が進められております。ちなみに申し上げますと、たとえば五・五メートル幅の道路の交差点、全国で約十万カ所といわれておりますが、それの四分の一ぐらいはこの三カ年計画の最後にはでき上がるというふうに見ております。そういった安全施設というような面での政府の施策が大いに進められなければならない。  それから、警察の中にもずいぶんございます。われわれは交通の安全対策につきましてやるべきことが非常に多いということにむしろ勇気づけられているところでありますが、その幾つかの例を申し上げますると、まず事故の原因が何であるかということ。これは従来警察の統計なり警察の交通事故の分析は、やはりどういう違反があったか、違反者にあるいは事故を起こした者に刑事上の責任があるかないかという、いわば警察立場からの事故分析が中心をなすわけであります。それ以外の分野も入っておりますけれども、重点がどうしてもそちらへまいります。そこで、そういったものを、サンプル調査でもよろしいからもう少し範囲を広げて、警察的視野のみならず、関係省庁あるいは一般の組織団体が安全教育に役立てるような事故分析を行なうべきではないかということで、これをいま始めようといたしております。さらにまた、それに基づいた統計も同じことでありまして、統計も警察のための統計というのがどうしても私どもでは集めやすいわけでありますけれども、この統計をいろいろな分野の方々あるいは関係官庁の方々が利用し得るといったように持ってまいりたい。これもそのように進みつつあります。  それからまた、運転者の教育ということが非常に重要でありますが、これは指定自動車教習所の教習課程の問題、あるいは免許更新の場合における講習のあり方の問題、これらの教材のあり方、教え方の問題、そういったような問題を逐次進めております。  行政側からすることは非常にたくさんあるわけでありますが、しかし私は、いろいろなことを考えた結果、一番最後に到達するのはやはり人の教育である。人と申しますのは、運転者であり、歩行者である。そこで、現在多くの運転者というものは、交通のルールは知っておるけれども、その知っておることを守らない、実行しないところに非常に大きな問題があるわけで、言うなれば人間性の改造ということになりましょうか、人を改造することはきわめて不遜ともいうべき非常にむずかしいことだと考えますけれども、しかしそれを行なわなければどうしてもだめである。たとえばアメリカでは、非常に道路は広いし、歩行者と車の分離が行なわれておる。中央分離帯も十分に整備されておる。立体交差も行なわれておる。安全施設も非常にたくさんある。そういった道路環境が十分に整備されておるアメリカにおいてすら、昨年の交通事故による死者は五万三千名であります。ベトナム戦争全期間を通ずる死亡者よりもはるかに多い死者が一年間に出ておるわけでありまして、私どもは、政府側の施策というものは、あらゆる重点を講じてやらなければなりませんが、しかしそれで事故が減るとか横ばいになるとかというものではなくて、やはり人の心に訴えるということで一般の人たちに対する安全教育なりあるいは国民的視野における安全運動というものが基本的に重要であるというふうに考えるわけであります。ただし、この安全運動というものは、中央官庁でいえば総理府が主になりまするし、地方でいえば県あるいは市町村が中心になるべきでありまするけれども、私ども立場から、平生事故を取り扱っておりまして、こういうふうに持っていってほしいというような要望を現在検討しておりまするけれども、その要望を関係のところに向けて、共同で安全運動を進めてまいりたい、かように考えておる次第であります。
  205. 小濱新次

    ○小濱委員 年内で自動車の台数は千五百万台といわれております。いま年間四百五十万台が生産されている。運転の免許をとった者もすでにもう二千五百万人近いという。その中で体質的な問題、からだのぐあいの悪い人あるいは精神異常者が、二十三万人くらいいるということ、こういうことで、高速道路ができても高速道路でない、そういうイメージが最近起こっている。  そこで、事故防止は何といっても運転者の自覚を一そう強化する以外にありませんけれども、いまお話のあったように、教習所、ドライバーの訓練ですね。教育というか、育成というか、こういう問題について、これはどうしてもこの辺で警察庁も考えていかなければならないんじゃないか、こういうように考えておるわけです。高速道路に経験の浅い運転者などが乗ってくる。ここにも大きな事故の要因があるわけですけれども、何としたならば、この事故対策を講ずることができるであろうか。まあ、高速道路には一定の期間停止をして乗せないことも一つの方法じゃないかとか、あるいはまた、一定の期間ベテランを助手台に乗せてというふうなこともいろいろ言われておりますけれども、教習所とドライバーの訓練強化というか、育成の問題について大きく取り上げる必要があると思うのですね。この点はどうですか。
  206. 久保卓也

    ○久保説明員 高速道路における安全運転については、二つの分野があります。  一つは、教習所における教習の問題でございますが、この点は、この春に、四月でありましたが、通達を出しまして、教習所の教科書で安全運転の知識というものがありますが、この中に高速道路の安全運転という項目を取り入れて、これを教えることを義務づけております。  それから、問題になりますのは教習所における講習でありますとか、あるいは平生における運転者の再教育の場で高速運転の教育ができるかどうかということでありますが、遺憾なことに、高速を出せるような練習場がございません。また、そういうところでやりましても、危険性ということも考えられるということで、私どもがいまやりつつありますることは、シュミレーターのような機材を使いまして、それで高速運転と同じ感覚と技能を発揮でき、獲得できるといったような機械をつくってほしい。しかも、現在ありまするシュミレーターでは、必ずしも実際の感覚が取り入れられていないそうでありまして、やはり実際と機械との違いがだいぶあるということであります。しかし、これは金を投ずれば開発が可能であるということであります。しかももう一つの点は、いまありますシュミレーターは、高いということだけではなくて、台数が非常に少ない。金額関係で少なくなるわけでありますが、そこで講習をやる、あるいは教習所で取り入れるという場合には、多くの人を対象にしなければはかがいかない。したがいまして、マス教育に応じ得るような、そういった技能教育のできる機材をつくりたいということで、これは現在開発を進めさせつつあります。  それから、先ほど申し上げました一般の講習の場合におきましても、これは特に免許証の更新の場合には講習が義務づけられているわけではありませんけれども、大体九〇%くらいの人が講習をそのときもしくはその以前に受けておりますので、その際に安全運転の知識を教えているというようなことであります。そのほかには、いま申し上げましたような一般的な安全運動あるいは安全教育の中で、ドライバーに高速道路における運転ということを知ってもらう。もちろん一般の道路を運転する場合と違いまして、高速道路の場合には違った運転技能ということが必要のようであります。そういうことを多くの人は知っているようでありますけれども、先ほど申し上げましたように、どうも知っていることをそのまま実行しないという点が非常にむずかしいところでありますけれども、いずれにせよ、そういった方法で教習所の中あるいは免許証の更新の際もしくは一般的な安全教育の際に、高速道路における安全運転についての教育を推進していきつつありますが、今後さらに徹底してまいれると思います。
  207. 小濱新次

    ○小濱委員 その高速の取り締まり体制ですが、パトカーで追跡をするということは効果があまりないのではないか、こういう疑問を持つわけです。  そこで、事故の内容ですが、タイヤの摩耗が非常に多いようですね。新しいタイヤでも——タイヤによるのですけれども、ぼろぼろになってしまう。それからスリップの問題、転倒あるいはブレーキ、こういうものが——ラジアルタイヤ、高速用のタイヤを使っている車は別として、その他のタイヤを使っている車は事故が非常に多い。ここで事故が起こってから非常に手間どって調査をしているわけですけれども、こういう点の取り締まり体制を何か考えていかなくちゃならないのではないか、こういうふうに考えております。一般の人は、タイヤの認識も薄い人が非常に多いようです。車両故障の事故は六割まではもうタイヤだそうですね。そういうわけで、これが命取りの原因になっているわけです。どうしてもこの問題の体制をやはり考えていかなくちゃならない、こう思うわけですが、この点についてどういうお考えをお持ちでしょうか。
  208. 久保卓也

    ○久保説明員 高速道路におきまする事故がクローズアップされるまでは、実は警察側ではタイヤの問題についてはあまり十分な関心を持っておらなかったように思います。ところが、高速道路の利用が非常に活発になってくると同時に、タイヤの問題が生じてまいったわけでありますが、われわれいままでタイヤの問題を問題にしていなかったものですから、事故分析あるいは交通の統計の上で、タイヤによる事故がどういうふうになっておったかということが判明しておりませんでした。したがいまして、いま統計と事故分析のあり方を検討し直しておりますが、この際にタイヤの問題をそこに取り上げたいと考えております。ちなみに、この七月に神奈川県で整備不良の車について車検をやっておりましたが、いろんなものが出てまいりましたけれども、タイヤの破損、摩耗というものがやはり一番多いという結果が出ております。ただし、この問題は、実は国会でも問題になりましたけれども、運輸省なりあるいは通産省なりが主管されるはずだと思いますので、私どもはいろいろの事故の中で、あるいは整備不良車の中で、タイヤの問題が非常にあるということを具体的な数字を出しまして善処を求めるというふうにしてまいりたいと考えております。
  209. 小濱新次

    ○小濱委員 整備不良車には法律でこの点規制されているわけですね。ところが、いまお話しのあったように、タイヤにはどんな危険なもの、もうすごく減ったものであっても、これに対する規制がないわけです。これが大きな原因になっている。いまお話しのとおりであります。人命尊重という立場からこの問題は早急に取り上げなくてはならないであろう、こう思うわけです。いまお話しありました程度では、ちょっと対策がおそいような感じを受けるわけです。この点についての御答弁をもう一度お願いしたいと思います。
  210. 久保卓也

    ○久保説明員 高速道路を通りまする車の全部を警察が点検するわけにはまいりませんが、時々計画的に、特に陸運事務所と共同で取り締まりをやっております。そういう際に、タイヤの摩耗の非常にはなはだしいものは高速道路を通さないで、お帰りなさいというふうにして帰しておるものもあるそうであります。ただし、いま申し上げましたように、現在タイヤに関する規制が行なわれておりませんので、これは早急に——運輸省のほうの保安基準で考えるべきなのか、その辺よくわかりませんけれども、扱うべきだろうと考えます。私どものほうといたしましては、整備不良の車を運転してはならないというのは私どもの仕事でありますので、そういった車はそこで動かさないようにするか、あるいはすぐタイヤをかえてきなさいというふうに言うか、そういうようなのが私どもの分野でありますので、やはりあくまでも関係省庁と連絡をしながらこの策を進めていくべきであろうというふうに考えます。
  211. 小濱新次

    ○小濱委員 お話しのように、ときたまインターチェンジ等で警察あるいは陸運事務所、道路公団、タイヤ協会等でたまたま——ときたまということなんです、これをやっているという。インターチェンジで車をとめるわけにはいかぬということですが、とにかく事故対策としては、あそこで何とか食いとめなくてはならないだろう、言うならば、常時やるか、高速道路にのぼるときには絶えずあそこで、何というのですか、タイヤ計というのですか、はかるものがあるそうですね。さっさっとこうやっていくと、タイヤの減りぐあいがわかるそうです。そういうものを利用してでもあそこでの点検を強化していかなくてはならないだろう。上に入ってからではどうにもならない。こういう点で、私どもとしては、高速道路ではタイヤの規制をどうしてもこれを大きく取り上げて明文化していかなくてはならないであろう、こう考えておるわけです。私ども努力してまいりますが、これは交通局長のほうでもひとつ大いに努力を払っていただきたいと思いますが、この明文化についてはどういうお考え方をお持ちになりますか。
  212. 久保卓也

    ○久保説明員 タイヤだけではありませんけれども、道路公団と協議をいたしました場合に問題になりましたのは、車が高速道路の運転に耐えないようなものが高速道路に入ってくる、それを途中で点検してもらえないかという一般の御要望があるわけであります。ところで、道路公団に言わせますると、途中のサービスエリアの中に、たとえば、おっしゃいましたようなJAFのサービス機関があったり、そこでやれますからいいんじゃないでしょうかというようなお話もありますが、一般の御要望というのは、途中入ってからであるよりも、むしろインターチェンジのところで簡単なチェックのサービス機関を置いてもらって、そこでやってほしいという御要望が出ております。これは単にタイヤだけではありませんで、オイル、ガソリンの切れの問題、こういうような問題もありまして、この点は、現在道路公団のほうとも相談をしております。ただし、場所の選定その他どういうかっこうになりますか、私どものほうからいたしますと、そういうものがあったほうがもちろん望ましいので、公団側でひとつ善処をしてもらいたいということを今後一そう要望してまいりたいと思います。
  213. 小濱新次

    ○小濱委員 次に、高速道路における事故発生の場合の実地検証について、これはやはりいち早く発見する体制が大事であろうと思うのですが、どういうふうにお考えになっておられますか。また、どういうふうに実施されておられますか。
  214. 久保卓也

    ○久保説明員 現在、東名、名神、中央につきまして車の関係をちょっと簡単に御報告申し上げますと、交通のパトカーが東名で十七台、事故処理車が六台、それから名神で交通パトカーが十九台、事故処理車が六台、中央で交通パトカーが六台と事故処理車が三台、こういうようなものを駆使してやっておるわけでありますが、この中で事故処理車に、まだ十分でないものは、現場における事故処理をなるべく短時間に行なうためには、通常の手作業では不十分でありますので、ステレオカメラといいます立体的に写真をとれるようなもの、これで立件をする場合に十分証拠になるというようなものが開発されて、昨年からでありますが、一部各県で整備し始めました。それの整備をこの高速道路におきましても行ないたいということであります。そういうことでこの交通事故処理というものをなるべく簡単にしたいとは思いますけれども、何ぶんにも車の数あるいは人手等が十分ではありませんし、かつまた、これは当然道交法の違反あるいは業務上過失といった刑法の違反というものがありますので、あとで裁判の問題になりましたときに手落ちのないような処置警察としてはいたさねばならないといったような点もありますので、ある程度時間が現在のところはかかっておるということでありまするけれども、さらに車の増加なりあるいは機械化といったような点に重点を置いてまいりたい。  なお、現在の無線の通信系でありますけれども、これも道路公団系とそれから各県の警察の系統というふうに分かれております。つまり神奈川県の波、静岡県の波というふうに分かれております。そこで来年度の予算をもちまして高速道路上の無線は一本で聞ける。しかしながら、またいろいろの事故処理なり違反の捜査なりで、地元の県とも連絡をしなければならないというようなものもありますので、道路公団系とそれから各県系と二つに切りかえのきくような通信系にしたいということで予算を計上いたしております。
  215. 小濱新次

    ○小濱委員 ただいまステレオカメラのお話が出ましたけれども、縦横の高さが立体的に写せるということ、そのことが作図のもとになる。非常に簡単にやれるようでありますけれども、現場を見ておりますと、まだそのステレオカメラも少ないせいでしょうか、時間に手間どっているようであります。そういう点ではたして交通警察官の処理知識がどうであろうか、こういう疑問を私は持つわけです。言うならばその点が非常に欠けているのではないか、交通警察官の教育をやはりする必要があるのじゃないか、こういうふうに考えているわけです。  そこで、この交通事故処理のための警察として専門学校を建てて、そこで特別に教育をして、そして現地に配置をする。第二、第三の事故がもうすぐ起こる、これを防ぐためにも、どうしても時間の短縮ということが問題になるわけです。警察庁においてもまだステレオカメラは何台もないようであります。そういうことからも、私どもはこの現地にはせ参ずる交通警察官の訓練、欠陥車をぐっとそこで見分けのできるような——整備工場に持っていかなくちゃならないようなそういう処置では困ると思う。それから、いまのようなステレオカメラの技術だとか、処置だとか、そういう第二、第三の事故に備えての対策を緊急にやる必要がある、こういうように思うわけですが、この点については何かお考えをお持ちでしょうか。
  216. 久保卓也

    ○久保説明員 警察官の教養というものは、あらゆる分野について不断に行なわれております。単に交通だけではありませんで、その他、そのときどきの事象に応じた新たなる教育というものが要請されるわけで、非常に過重な教養内容になっておると思います。おそらく、役人の中で警察官ほど教養の機会の多いものはなかろうと考えます。  ところで、現在交通の問題につきましては、技術的な問題も含めまして県の学校、それから管区学校におきましてそれぞれ行なわれております。ただ、全体の収容力なり配分の時間なりの関係で十分とは申せないかもしれませんけれども、現在、たとえば管区学校におきましては、巡査部長を対象にしまして約七百名余、それから警部補を対象にしまして三百名余、巡査のクラスは大体各県で実施をされております。それから警察大学校では、警部、警部補という幹部クラスを対象にしまして百名足らずが教養を受けておるわけでありますが、これは年間の数字であります。しかし、それぞれの数字が十分とは申せませんが、私どものみならず、各部門からこういうものについての教育を要求されるわけで、その調整がなかなかむずかしい問題でありますが、私ども交通の立場としましては、できるだけこういった数字をふやしてもらうように担当部局には要望しておるところであります。  なお、いま管区学校でこういった教育をやっておると申しましたが、これは各管区学校でやっているのでありまして、今後新たな方針が立てられまして、中部名古屋の管区学校におきまして交通を専門に取り扱う学校にする。これだけではありませんが、交通関係はすべて名古屋に集中をするというような方針が出されております。ちょうど中部管区警察学校の改築が問題になっておりますので、そこでコースを拡充をしたり、それから整備工場を新たにつくったりすることを、来年以降の予算でありますけれども、来年を含めて来年以降にそういった体制で中部管区学校にいろいろな機材を集中して、能率のよい、しかも程度の高い教育を実施するというのが、いまのところ警察庁の方針として出されております。
  217. 小濱新次

    ○小濱委員 最後に、場当たり的なそういう対策が非常に多いといわれているわけですが、これは大きな問題でありますけれども、軽飛行機——ヘリコプターですね、御存じのようにハイウェー・スカイ・パトロールというんだそうですね。高速道路を空から監視をしていく方法、このことについて早く確立の必要性があるという声を聞いておりますが、パイロットの訓練も相当年数はかかるかと思いますけれども、どちらにしても、とうとい人命にはかえられない、そういうことからも、この程度の対策はできないわけはない、こういう考え方を持っておるわけですが、警察庁の一部で検討中とも聞いているわけです。これが一日も早い確立をわれわれは願っているわけですが、この点について最後に御答弁をいただきたいと思います。
  218. 久保卓也

    ○久保説明員 現在警察が持っておりますヘリコプターは、全国で十機であります。もちろんこれは交通関係、捜査関係その他全般について行なわれるわけでありますが、必ずしも高速道路に限って使われておるわけではありません。むしろ高速道路には使われておらないと思います。しかしながら、現在の高速道路で、警察の車がたとえば百数十キロで走っている違反車両を追っかけるといたしますと、かえって危険なことが予想されます。したがいまして、あの長い、しかも今後延長が予想される高速道路につきまして、警察車両だけでこれを追跡し、あるいは取り締まるということは非常に困難だと考えられます。もちろん、一般の車両に比べて程度の高い車を配置はいたしておりますけれども、それでもやはりいろいろの事故がかえって予想できないではないということで、私どもの長期構想としては、ヘリコプターを採用したいというふうに考えております。  しかしながら、御承知のようにヘリコプターの稼働時間というものは、私はよく存じておりませんが、おそらく月間何十時間という時間でありますし、整備には非常な時間を要するものであります。そういうことで、相当数のものを用意しなければ、現在の高速道路のみならず、今後伸びていくであろう高速道路について対処することは困難である。もちろん、それのパイロットなり整備員なりという問題もありますけれども、そういったむずかしい、あるいは予算的な問題はありましょうけれども、しかし長期的に見るならば、アメリカでも一部行なわれておるようでありますけれども、そういったヘリコプターによる取り締まりということが行なわれねばならない。今日ようやく、本年度でありますが、ヘリコプターの一台に無線機がつけられて、下と上とが無線連絡ができるといったようなまだ状況であります。しかも無線機をつけるためには、中型ぐらいのヘリコプターを用意しなければなりませんので、相当の金がかかります。実は来年度で、庁内では二機の新たな予算要求をしようとしたのでありますけれども、二五%ということで押えられまして落ちてしまいました。来年度は新しくヘリコプターを採用するわけにはまいりませんが、少なくとも数年のうちにはそういうことが逐次実現していくように持っていきたいというふうに考えます。
  219. 小濱新次

    ○小濱委員 長時間ありがとうございました。終わります。
  220. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 次回は来たる九月十二日金曜日午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時七分散会