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1969-03-04 第61回国会 衆議院 大蔵委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十四年三月四日(火曜日)     午前十時四十三分開議  出席委員    委員長 田中 正巳君    理事 金子 一平君 理事 倉成  正君    理事 毛利 松平君 理事 山下 元利君    理事 渡辺美智雄君 理事 村山 喜一君    理事 竹本 孫一君       大村 襄治君    奧野 誠亮君       木野 晴夫君    河野 洋平君       笹山茂太郎君    田村  元君       辻  寛一君    中村 寅太君       西岡 武夫君    坊  秀男君       本名  武君    村上信二郎君       阿部 助哉君    井手 以誠君       平林  剛君    広沢 賢一君       広瀬 秀吉君    河村  勝君       田中 昭二君  出席政府委員         法務大臣官房会         計課長     安原 美穂君         大蔵政務次官  上村千一郎君         大蔵省主計局次         長       相沢 英之君         運輸省航空局長 手塚 良成君  委員外出席者         法務大臣官房参         事官      田口 公明君         大蔵省理財局次         長       谷川 寛三君         専  門  員 抜井 光三君     ————————————— 二月二十八日  委員河村勝辞任につき、その補欠として小平  忠君が議長指名委員に選任された。 同日  委員小平忠辞任につき、その補欠として河村  勝君が議長指名委員に選任された。 三月一日  委員西岡武夫君及び村上信二郎辞任につき、  その補欠として小坂善太郎君及び船田中君が議  長の指名委員に選任された。 同日  委員小坂善太郎君及び船田中辞任につき、そ  の補欠として西岡武夫君及び村上信二郎君が議  長の指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  国有財産特殊整理資金特別会計法及び国の庁舎  等の使用調整等に関する特別措置法の一部を改  正する法律案内閣提出第二三号)      ————◇—————
  2. 田中正巳

    田中委員長 これより会議を開きます。  国有財産特殊整理資金特別会計法及び国の庁舎等使用調整等に関する特別措置法の一部を改正する法律案議題といたします。     —————————————
  3. 田中正巳

    田中委員長 政府より提案理由説明を聴取いたします。上村大蔵政務次官
  4. 上村千一郎

    上村政府委員 ただいま議題となりました国有財産特殊整理資金特別会計法及び国の庁舎等使用調整等に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきまして提案理由を御説明申し上げます。  現行の国有財産特殊整理資金特別会計は、国の庁舎等使用調整等に関する特別措置法規定する特定庁舎等集約立体化または再配置をはかるための特定庁舎等特殊整備計画に基づて処分する庁舎等処分収入金を、その計画に基づいて取得する庁舎等取得経費に充てるための資金として積み立て、その資金に関する経理一般会計区分して行なうために昭和三十二年度に設けられたものであります。しかし、この特別会計資金使用にあたっては、所要の金額を一般会計歳入繰り入れ、同会計歳出に計上して支出することになっておりますので、この計画に基づく庁舎等処分収入取得経費支出との関係は必ずしも明確にされていないのであります。  また、一般会計において、その位置、環境、規模、形態等から見て他の用途に供することが適当と認められる施設処分するとともに、これにかわる施設取得することを目的としたいわゆる建築交換等の方法による施設設備が一定の要件のもとに行なわれてきたところでありますが、最近土地利用重要性がますます高まってきている情勢にかんがみますと、これら国有財産のより有効な活用をはかる必要があります。  したがいまして、このためには、特定庁舎等集約立体化または再配置のみでなく、その他の施設整備をも含め、広く国有財産についての処分及びこれにかわる施設取得計画的に実施することが適当であると認められます。  以上のような見地に立って、従来の特定庁舎等特殊整備計画を改め、新たに特定国有財産整備計画を定め、その計画に基づく施設取得及び処分に関する経理をすべて本特別会計で行なうこととするため、今回、国有財産特殊整理資金特別会計法及び国の庁舎等使用調整等に関する特別措置法についてそれぞれ所要改正を行なうこととしております。  次にこの法律案概要を申し上げます。  第一に、国有財産特殊整理資金特別会計法改正について申し上げます。  これまで、本特別会計特定庁舎等処分収入を積み立てる資金会計であったのを、庁舎その他の施設の用に供する国有財産取得及び処分事業を行なう会計に切りかえることとしたことに伴い、一、本特別会計法の題名を特定国有財産整備特別会計法に改めるとともに、二、会計所管大臣としては、これまでの大蔵大臣のほかに、運輸大臣及び建設大臣を加え、三、かつ、会計歳入歳出としては、特定国有財産整備計画による国有財産処分収入、法令の規定による負担金一般会計からの繰り入れ金借入金等をもってその歳入とし、特定国有財産整備計画による国有財産取得費借入金償還金及び利子、事務取り扱い費等をもってその歳出とすることとしております。四、また、特定国有財産整備計画による国有財産取得経費を支弁するため必要があるときは、当該計画による国有財産処分収入をもって償還できる範囲内において借入金をすることができることとするほか、五、この会計予算決算添付書類を改める等会計運営に関し所要規定整備をはかることとしております。  第二に、国の庁舎等使用調整等に関する特別措置法改正について申し上げます。  一、従来の特定庁舎等特殊整備計画特定庁舎等集約立体化または再配置のみを対象としていたのに対しまして、今回の改正による特定国有財産整備計画におきましては、特定庁舎等にかかる整備のみにとどまらず、広く国の施設の用に供する国有財産につきまして、その適正かつ効率的な活用をはかるために行なう処分及びこれにかわる施設取得対象とすることにいたしております。  さらに、従来の特定庁舎等特殊整備計画は、閣議決定をもって定められておりましたが、今後、特定国有財産整備計画につきましては、大蔵大臣関係各省各庁の長の意見を聞いて定めることといたしました。  二、また、この計画による施設取得に関する事業は、公共用飛行場にかかるものについては運輸大臣が、官公庁施設建設等に関する法律規定による一般庁舎の営繕にかかるものについては建設大臣が、その他のものについては大蔵大臣が行なうこととするものであります。  以上が、この法律案提案理由及びその概要であります。  何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願い申し上げます。
  5. 田中正巳

    田中委員長 これにて提案理由説明は終わりました。     —————————————
  6. 田中正巳

    田中委員長 これより質疑に入ります。  通告がありますので、順次これを許します。村山喜一君。
  7. 村山喜一

    村山(喜)委員 今回のこの特別会計法改正案は、従来の資金会計法的なものから事業会計的な中身を持ったものに改正をしようということでございます。いま提案理由説明を承りましたが、当然国が事業をやってまいりますのに、一般会計のほうから支出をして、そういうような必要な国民期待にこたえる事業をやるというものと、それから国有財産を、特に普通財産活用いたしまして国民の要望に沿うような事業をやる。中身は、その目的はそれぞれあるといたしましても、そこにはやはり、こういうようなものはこのような立場からやるという一つ基準を持たなければならないのではないかと思うのでございます。一般会計でなすべきものが国有財産特別会計のほうに肩がわりをする、あるいは国有財産特別会計でやらなければならないようなものを一般会計処理をするということになると、もののけじめがつかないようになるのではなかろうかと思いますので、それを一体どういうようなところに基準を置いてこれからやっていこうとするのかという点について、基本的な方針をこの際承っておきたいと思います。
  8. 相沢英之

    相沢政府委員 国の庁舎等施設整備は、それぞれ各特別会計におきますものはそれぞれの特別会計において、一般会計に所属するものは一般会計でやるというのが原則でございますが、今回は、この一般会計において整備いたします庁舎等施設のうち、特に現在の庁舎等施設処分することによって収入があり、また、これを一部見合いにいたしまして庁舎取得等整備をするものに限って、これを一般会計からはずして特別会計でその整備を促進することにしたわけでございます。したがいまして、今後一般会計でやるべきものと特別会計でやるべきものとの区分は、特別会計でやるものは庁舎等処分収入があるものということになります。  それでは、その庁舎等のどの程度処分収入があればこの特別会計に入れるかということが問題になります。と申しますのは、かりに一億円の新庁舎整備をする場合に、五十万でも百万でも収入があればいいじゃないかということにいたしますと、どうもこの特別会計でやるという趣旨からしますと不適当なので、一応の基準といたしましては、せめてその取得に要する経費の一割程度以上の処分収入があるものということをめどにいたしております。そういった庁舎等施設取得する際にはこの特別会計においてやろうというふうに考えております。
  9. 村山喜一

    村山(喜)委員 「庁舎等」はわかりますが「その他の施設の用に供する」ということになりますと、いま想定をしておるのは飛行場のほかに何かございますか。
  10. 相沢英之

    相沢政府委員 これは従前は「庁舎等」ということでその他の施設は含まれていなかったのでございますが、今回これを含めましたことに伴いまして入ってまいりますのは、具体的な例として、四十四年度予算においては、鹿児島空港のほか宮内庁の三里塚の牧場、それから防衛庁の王子病院でございます。
  11. 村山喜一

    村山(喜)委員 鹿児島空港とそれから宮内庁御料牧場とそれから王子病院、それだけですか。そのほかに何か刑務所等の設置をこれでやろうとしているんじゃないんですか。
  12. 相沢英之

    相沢政府委員 失礼いたしました。法務省所管刑務所施設がございます。
  13. 村山喜一

    村山(喜)委員 法務省関係のほかに厚生省関係検疫所なんかもやるんですか。こういうようなのは対象にしますか。
  14. 相沢英之

    相沢政府委員 これは庁舎のほうに入っております。
  15. 村山喜一

    村山(喜)委員 これは代替財産取得をするという場合に限って、しかもそれは、収入として一割以上の収入が明らかに現有の財産処分をすることによって得られる場合を想定をして、それを拡大をしないんだという限界線を引きながらやっていこうとしていらっしゃるわけですね。そうなると、いま国有財産がどのような状態の中にあって、それを活用をしていくためには将来の長期的な展望を立てて、それをどういうような年次計画に基づいてやっていくんだという一応の基本的な考え方というものがあるはずだと思うんだが、それを明示願いたい。
  16. 谷川寛三

    谷川説明員 四十四年度のこの特別会計ワク組みにつきましては、ただいま主計局のほうから御説明を申し上げましたが、今後の見通しといたしましては、いま直ちにどれぐらいという青写真と申しますか。幅を申し上げることはちょっとむずかしいかと思っております。と申しますのは、あと地の売却によって財源があるとは申しましても、これは全体の財政バランスとの関係で見てまいらなければならぬと思いますから、ただいま申しましたように、将来こういうワクでいくということは、ちょっといまきめかねると思うのでございますが、私どもといたしましては、各省の御要求をよく尊重いたしまして、全体の財政ワクの中でのバランスを考えながら、できるだけ幅広く取り入れてまいりたいと思っております。  そこで、おおよその見当でございますが、少なくともこういうことは申し上げられるかと思っております。過去三年間ぐらいの建築交換実績を見てまいりますと、大体四、五十億の幅で建築交換をやっております。それから今回改正につきまして御審議を願っております国の庁舎等使用調整等に関する法律に基づきまして、庁舎合同立体−化を進めておりますが、過去三カ年の実績で見ますと三十億見当ということでございましたので、両方を合わせますと、少なくとも七、八十億のものは一つ目安として考えられるかと思っております。  それから、ここにどういうものが入るかと申しますと、いま申しました庁舎立体化合同化、これは中央官庁的なものは終わっております。それから地方の第一次部局につきましてもおおむね終わっておりますけれども、第二次の出先官庁がまだ相当残っています。これが百二十三件ばかり件数で数えますと残っております。もっともこの中には、あと地を直ちに財源化できるかどうかは十分念査をしてみなければわかりません。それから市街地にあります刑務所でございますが、これまたやっぱり最近の土地問題、それから社会開発といった面からいいまして、そういうところはもっと公用、公共的な方面に使用して再配置すべきじゃないかというふうに考えられますので、こういうものを拾ってみますと二十数件少なくともございます。  そういった点も中心になると思いますが、冒頭に申し上げましたように、全体のバランスを考えまして、できるだけ幅広く考えてまいりたいと思っております。いま直ちに何億というようなことは申し上げられないのでございますが、そういう考え方でおります。
  17. 村山喜一

    村山(喜)委員 さっきの説明の中では、七、八十億という幅ですね、これは事業内容としての幅をその程度に考えておるということですか。従来はそうだったが今回はそれをできるだけ拡大をしていくんだ、そうなると、私がお尋をしているのは、やはりそういうような特別会計による、まあ今度目的を持った事業会計方式——いままでは資金会計的なものだったものが、今度は事業会計になってきますと、それには人が伴うし、また、いろいろ処理をしていくのには機構的のものも必要になりましょうし、そういうようなものとの関係の中で、一体どういうふうにこれを運営をしていくのかということを聞いているわけですよ。だから、従来はこうだった、じゃ今後はこういうようなところでやっていくんだという一つ目安を持たなければ、これは論議できないのじゃないですか。できるだけ広げるとかなんとか言ったって、これはちょっと論議が詰まってこないと思います。
  18. 谷川寛三

    谷川説明員 ただいま私が申し上げましたのは、従来の経験から申し、実績から申しましても、少なくともこういったものは中心になっていくということでございます。それから、さっき申し上げませんでしたが、たとえば学園都市といったようなものにつきましても、最近整備を急ごうじやないかということで各省間で調整を始めておりますが、これにつきましても、これは全部学園都市、向こうに移ることにつきましての趣旨から申しまして、全部が財源化できると限りませんですけれども、そのものにつきまして財源化できるもの、あと地処分ができるものを抜き出すという作業もございます。全体をこういうペースで進めるということをいま直ちには申し上げられませんが、相当積極的に考えてまいりたい。ただ、機構につきましては、こういう特別会計改正をお願いしておりますからと申しまして、これを部局をふやしたりするということは全然考えておりません。ただいまの機構のまま実施できるというふうに考えております。
  19. 村山喜一

    村山(喜)委員 まあこの会計収支関係特別会計予算関係を見てみますと、国有財産の売り払い収入と、それからいままで積み立ててまいりました剰余金を受け入れまして、そうして歳入として、その中から国有財産整備費をもって歳出に充てていくという形をとろうとしているわけです。したがって、言うならば、たとえば刑務所等あるいは飛行場でもそうですが、そういうような国の行政財産がある土地が、最近の市街化傾向というふうなもので昔の機能を果たすことができない状態になる。と同時に、そこの土地等値上がりをするわけですね、そこには評価益が出てくる。そこで、市街地から直そう、そこでインフレによって土地値上がりが、最近十三年間に十倍もしているわけですから、それによって、値上がりした分で新しい土地固定資産の安いところにその身がわり行政財産を購入して、それでやっていこうというのですから、言うならば、これは土地値上がりがなければ事業としては成り立たない。ほかのところからは、一般会計のほうからはこれはつぎ込まないわけでしょうから、そういうふうに考えて差しつかえないですか。この会計の本質的なものはそういうようなものにあるんじゃないかという気がしてならないんだけれども、どうですか。
  20. 相沢英之

    相沢政府委員 おっしゃるように、大体官庁施設の移転を考えます場合には、そういう都会中心ないしは一部からいなかに移るというケースが多いものですから、確かに地価の差によって施設整備が促進されるということに結果的にはなるかと思います。しかし、それは地価値上がりというのと直接関係はないんじゃないか。つまり、両者の間に差があればそういうことに一その両者の価格の関係が、そういう都会地は高くていなかは安いという、その差があれば、その差でもって施設整備に充てられるということになりますが、その地価値上がりするということと直接関係はないんじゃないかと思います。  それからもう一つ、かりに取得する施設に要する経費処分収入を上回る場合は、それは他に処分益が出ればそれをもって充当いたしますが、しかし、そういう財源がこの特別会計によってなくなったということになれば、当然これは一般会計からこの特別会計財源繰り入れるということにいたしております。したがって、この特別会計歳入には、一般会計からの繰り入れを一応法律上は予定しております。
  21. 村山喜一

    村山(喜)委員 これは今後非常に私は大きな問題が出てくると思うのです。いまのところは、国有財産処分によりまして出てきた剰余金行政財産整備をしていくという予算案が出てくる。将来は、この特別会計で積極的に整備を進めていく、こういうふうになってきますと、どうもいままでの趣旨説明ですか、代替財産取得の場合には、売ってそれをつくるという方式が、これが今度の新しい特定国有財産整備計画というものの処理方式だと考えておるのが、今度は一般会計からこの会計の中にどしどしつぎ込んでいくということになってきますと、一般会計処理をしなければならないものと、この特別会計処理をしなければならないものとの間に、基本的にどれがどれやら境がつかなくなるようなことになりませんか。
  22. 相沢英之

    相沢政府委員 一般的には、そういう都会地からいなか施設を移すということで、地価の差による施設整備が促進されるということがあると思いますが、しかし、この会計対象に取り上げておりますところの庁舎等施設は、先ほど申し上げましたとおりに、施設処分収入施設取得に要する経費の一割程度以上あるものをこれに取り込むことにいたしておりますので、したがいまして、たとえば施設に十億を要するが処分益がかりに二億程度しかないといった場合には、当然八億円の持ち出しになるわけであります。その持ち出しの八億円について、これをカバーする財源特別会計にある場合は、これはそれを使えばいいと思いますが、不足する場合には一般会計から繰り入れをすることになると思います。しかしながら、一般会計との間には、先ほど申し上げましたとおりに、そういう施設処分収入が一割程度以上あるものだけをこの特別会計で取り上げるということにいたしておりますから、そう区分がなくなって乱に流れるということはないのではないかというふうに考えております。
  23. 村山喜一

    村山(喜)委員 そういたしますと、処分収入が一割未満の場合はどういうような方式でやるのですか。
  24. 相沢英之

    相沢政府委員 それは従前どおり一般会計でやるというように考えております。
  25. 村山喜一

    村山(喜)委員 その一割というものをきめたのは、どこに根拠があるのですか。その算定の基礎というものがございますか。
  26. 相沢英之

    相沢政府委員 これは省でもまた関係省ともいろいろ議論をいたしました結果、一応それをめどにいたしたのでございますが、なぜ一割でなければならないかという点については、これは考えようでございますので、あまりはっきりした理論的根拠はございません。常識的に見て、一割未満というのではどうも処分収入見合いにしてつくるというような感じが出ませんし、またあまり割合を高くいたしますと、この特別会計に取り込むべき施設というものも少なくなるというようなことからして、まあまあこの程度が常識的な線じゃなかろうかということで予定しているわけでございます。
  27. 村山喜一

    村山(喜)委員 ですから、先ほど私が、この特別会計処分——処分といったらおかしいのですが、整備をするその整備計画というものと、それから一般会計でこれから整備していくという計画とあって、一割という財産処分収入があるものはこの特別会計でやる。   〔委員長退席金子(一)委員長代理着席〕一割以下のものについては一般会計でやりますとおっしゃる以上は、そこには長期的なそれぞれの会計別整備計画というものがあるに違いない。だから、それをお出しなさいと私は言っているんだけれども、それはまだしっかりしたものはないんだ、こういうことですか、谷川さん。
  28. 谷川寛三

    谷川説明員 たいへん抽象的なお答えになりまして恐縮でございますが、ただいまのところでは全体を見渡すような、そういうお示しする数字を用意してございません。
  29. 村山喜一

    村山(喜)委員 だから私は、国の立場から考えて、国有財産整備をするその場合に、国の庁舎あるいは施設というようなもの等の整備が、たまたまそこに国の財産があった、だからそれを処分をしたら非常に期待にこたえることができるというようなところで、そういうような財産があるところは整備が促進をされる、それに見合う財産がないところは、見返り財源がありませんのであなたのところはどうもということであと回しにされる、こういうような行政上のいわゆるアンバラというものが私は出てくるのではないかと思うのですよ。そういうようなのはどこでどういうふうに救済をするということをお考えなんですか。
  30. 相沢英之

    相沢政府委員 確かに御指摘ございましたように、施設処分収入見合いにいたしまして施設整備を促進するということになりますと、財産を現に持っているところの省庁の施設整備は促進されるけれども、ないところはどうしても取り残されるという弊害は過去におきましてもあったと思います。これは建築交換方式などにおいてはとかくそういう弊害が伴いがちであろうと思っております。そういったことも一つはこの特別会計をこのように改正いたします際に念頭にあったことでございまして、従来ですと建築交換の場合には、実際問題としましてはほぼ同額の交換をやっております。したがいまして、その処分収入が少ないところは建築交換にはなっておりません。この特別会計では先ほど申し上げましたとおりに、処分収入が少なくても一割程度以上あればその対象にもなる。この特別会計の中で、処分収入が多いところあるいは少ないところがいわばプールされるわけでございますから、そういった面においては一つの前進ではないかと思いますし、また、施設が一割もないところは従来どおりじゃないかという御疑念があるかと思いますが、この点につきましては、施設を持っているところはそれを種にして活用ができるんだというふうにいたしませんと、かりにそれが将来用途がなくなる場合でもなかなか出してこない。施設整備一般会計にその整備として要求する、しかしながらでき上がったあと地は取っておいて、これをほかの施設整備の種にするというような考え方各省庁にどうしてもございます。そういったような状況におきまして施設を出せば、その土地なり建物なりを出せば、その省庁の施設整備が促進されるというメリットも私はあるのじゃないかというふうに考えております。  どうも申し上げますことが若干矛盾するかもしれませんけれども、その両方のメリットをこの特別会計では考えているつもりなんでございます。
  31. 村山喜一

    村山(喜)委員 ちょっと苦しい答弁のように聞きますが、従来もこの建築交換方式国有財産処分しあるいは取り入れる場合には、評価額の四分の一をこえる場合には交換対象としてはならないというのが法律の中にございましたね。いま相沢さんの話を聞いておったら、いままでやった建築交換方式はいずれも同じ価額のものでやってきたのだということを言われた。そう言われたでしょう。それはいままでの法律基準からいえば、四分の一の差の範囲内にとどまる場合には交換対象になり得るとして処理されてきたという方針とちょっと食い違うんじゃないかと思うのですが、それはあとでお答えいただいて、今後国有財産処分についてはどういうような方式がとられるわけですか。建築交換方式、それから売買予約方式ですか、そのほかの方式として何かまだ考えられている方式がございますか。
  32. 谷川寛三

    谷川説明員 大体いま先生がお話しになりました購入、売り払い、売買のかっこうでやりたいと思っています。建築交換は、先ほど申し上げましたように従来相当幅広くやってまいりましたが、いろいろ欠陥もございますので、建築交換方式はこの会計ではなるべくやらないようにしてまいりたいと思っております。  それから、さっき御質問のございました、主計局からお答えいたしました点でございますが、交換につきましては法律で、渡し財産、受け財産の差額が高いものの価額の四分の一をこえるものはいけないという規定がございますが、その範囲内でございますと、場合によりましては現金で決済をつけるという方法もございますので、さっき相沢次長がお答えしましたところと法律とは別に矛盾はしないのではないかと思っております。
  33. 村山喜一

    村山(喜)委員 今後のその処分方式は、建築交換方式はなるべくやらない。そうすると、売買予約方式中心にやっていくんだ、こういうようなふうに考えていいのですか、どうなんですか。
  34. 谷川寛三

    谷川説明員 売買予約と申しますか、とにかく新しく買ってあと地を売るという形でございます。予約をします場合もありましょうし、そうでない場合もございます。
  35. 村山喜一

    村山(喜)委員 それは、契約の時点あるいはでき上がった時点、その引き渡しの時期によって違ってくると思うのですよ。それは時点はいつの時点において、契約の時点においてそういう方式をとられようとするわけですか。その中身をもう少し説明願います。
  36. 谷川寛三

    谷川説明員 たとえば具体的な例で申しますと、鹿児島の新空港でございますが、大きな投資をいたします。これは具体的には鹿児島県に飛行場の建設をしてもらって、そしてあと地を買ってもらうということでございます。そういう場合に、将来のめどもつけておかなければなりませんから、売買予約と申しますか、一応確認をしておきたいという考えがございます。そしてその場合には、現時点で大体どれくらいに売れるだろうかという一応のめどをつけますが、決済はもちろん何年後になりますか、三年後、四年後の完成期に購入財産の引き渡し、授受のときによって決定をするということになるわけであります。
  37. 村山喜一

    村山(喜)委員 どうもすっきりしないのですが、建築交換方式は今後なるべくやらないのですか。なくなるのですか。というのは、そういうことになりますと、いままで内規がありましたね、こういうようなふうにやるのだという内規がありましたね。これももうなくなるのですか。なくなるのか、なるべくやらないのか、そこら辺をもっと明確にしてもらいたい。  売って買う方式だと、こういうようなふうに言われるのだけれども、それはやはり契約の時点でやる場合と、それから現実に財産処分がなされる時点でやる場合と、いろいろあります。土地等については、価格が上昇をしていく。物権ですから、それの時点のとり方いかんによっては、非常に処理がむずかしくなる。だから、国が不当に損をする場合もあり得るし、また得をする場合もあり得ますので、その時点はいつを考えているのか。この点はやはり明確にしておかないと、あとでお尋ねいたしますが、新東京空港の用地買収の問題等にも関連してまいりますので、この点を明らかにしておきたいと思います。
  38. 相沢英之

    相沢政府委員 今後、建築交換方式はやめる方針かという御質問でございますが、この点はできるだけやめていきたいというふうに考えております。と申しますのは、建築交換については、やはり過去の事例におきまして、特に相手方によりましては、その引き渡す財産の評価、あるいは買い取る財産の評価等におきまして、いろいろと問題を生じたこともございますし、国のほうが施設の整理を急いでおります場合には、どうしても相手方から、いわば足元を見られるといいますか、そういったことからして、売り渡し財産が不当に安く評価されたり、あるいは受け取る財産が高く評価されたりというようなことがなきにしもあらずだったと思います。したがいまして、少なくともそういったような疑惑を招かないようにするためには、取得する財産は、はっきりと国が購入または契約によってこれを建築する、売り渡し財産は、これとは関係なしに、できれば一般競争入札等によって処分をするということにしたほうが、国の財産処分方法としてはより適正であるし、また、いろいろな疑惑を招かないのじゃないかというふうに考えておるわけであります。したがいまして、この特別会計におきましては、相手方が地方公共団体その他そういったような心配がないところでありましたら、場合によっては建築交換ということもやってもいいと思いますが、それ以外の場合は、原則として建築交換方式はやめたいと考えております。  それじゃどういう場合に建築交換方式を残すことを考えておるかと申しますと、これは相手側にとりましても交換になるわけでございまして、地方公共団体が予算に組みます場合に、その土地だけでございますと、交換のために特に歳出予算に組まないというメリットもあるわけであります。全額歳出予算に組むと、実際問題として、ほかとのバランスその他からいきまして、なかなかそれがむずかしいということもありますし、建築交換方式をやった場合には、国と相手方である地方団体との、双方のいわば利害が一致することもあるかと思います。そういった場合にまでしいて売り払い、購入というふうに契約を全然分けねばならないかどうか、その点については、そういう場合には建築交換も続けてもいいのじゃないかというふうに私ども考えております。  それから、売り渡しと取得する財産の評価等の問題でございますが、これは、たとえば鹿児島空港の場合で申しますと、取得する十三塚原の飛行場は、これは直ちに建築にかかるわけでございますから、それは契約金額としては現時点ということになります。   〔金子(一)委員長代理退席、委員長着席〕  それから売り渡し財産は、これは十三塚原飛行場が完成しました後において行なわれるわけでありますので、それは売り渡し時点において評価するというふうに考えております。
  39. 村山喜一

    村山(喜)委員 だから、鹿児島の空港の場合には、建築交換方式と売買予約方式をかみ合わせた方式だ、こういうようなふうに受け取りますが、ここでお尋ねしておきたいのは、一応いまこの予算書なり等で見てまいりますると、相手方というものは地方公共団体が主でございます。ところが、相手方というのは、今後、会社法人というようなもの等も出てくるというように法律上は考えるのですが、そういうふうになりますね。そのときに、国有財産が不当に安く評価されて相手方に渡る。それで、相手方のほうはそれによって得をして国有財産を払い下げたので、政治力の何かのコネがあって安く払い下げてもらってもうかったそうだというふうなことが、いままでずいぶん世上にいろいろ指摘をされたわけですが、そういうようなものに対しては不当利得を与えないような処置というものは、この新しい事業会計制度を始めるにあたって何か考えておられますか、この点はいかがですか。
  40. 谷川寛三

    谷川説明員 御質問の相手方でございますが、これは公共団体もあり、その他のものもあると思いますが、私どもは、今後におきましては、やはり残り少ない国有財産でございますので、できるだけ公的な部門に使っていただくことを念願しております。相手方を選ぶ場合にも、今回のあれをごらんいただいてもわかりますように、大きな施設の建築につきましては、地方公共団体をできるだけ取り入れてまいりたい。それから一般の民間の方にお願いをいたします場合にも、たとえば東京拘置所のように新都市センターでございますが、具体的には東京都の特許を受けまして、公的な色彩の非常に濃い仕事をやる法人、そしてその地区の再開発に貢献できるような仕事をするものということを頭に置いて選択をするようにつとめてまいりたいと思っております。  従来もいろいろ御批判はありましたが、私どもといたしましては、非常に不当な払い下げ、売り払いをしたものとは考えておりませんが、いろいろ選択等につきまして御批判がございましたので、今後におきましては、ただいま申しましたように、民間といえども公的な仕事をやっておる方ということを頭に置いて、それから払い下げをします場合にも、これをほんとうに用途どおり、当初の用途どおりに使ってもらうというふうに厳重な用途指定もいたしまして、従来のような無用の疑いが起こらないようにつとめてまいりたいと考えております。
  41. 村山喜一

    村山(喜)委員 なぜ私がそれを聞いたかといいますと、いまも谷川次長のほうでお話がありましたように、巣鴨拘置所を小菅に移した。その小菅にある刑務所を青梅市に移そうとしたわけですね。そうしたら西武鉄道が結局青梅にある多摩の刑務所についてはこれは西武鉄道が住宅用地として払い下げておる。住宅用地としてこれを売るんだからというので住民の人たちから土地を買っている。ところが、それを刑務所の敷地に今度は売るんだということがわかって、旧売り主がこれに対して反対をした。そのために結局、住宅等ができるということでおれたちは土地を西武に売ったのに、西武は刑務所の敷地にそれを売ってもうかることによって利ざやをかせごうとしているのはけしからぬということで、青梅市ではそれが実現をせずに、結局今度そこに出ておりますように、下野のほうに財産取得をするためにそれが移っていこうとしているわけですね。これはこの特別会計施設整備費取得をしようとしているわけでしょう。そこに介入をした業者というか契約の対象者というのは、株式会社である新都市開発センターが介入をして、それが対象になっているわけですね。そうなりますと、やはり私はこれは特殊法人ではないと思うのだ、株式会社ですから。利益を目的にしておる株式会社、営利会社ですから、利益がない限り、そういうような売買の契約をするはずはない。ですから、国有財産処理のやり方いかんによっては、それが食いものにされる。正常な姿の中で売買の契約が行なわれるということは、これは差しつかえありませんけれども、それがいいえさになって、特定の会社の利益をはかり、あるいは特定の個人の政治資金のほうのふところに入るというようなことになれば、これはたいへんな問題です。  私は、だからそこで、その相手方というのは、地方公共団体だけでなしに、民間人あるいは会社、法人、そういうようなものも対象にするのだということに法律上はなっているわけですから、今後のいわゆる契約の相手方というものをどういうようなふうにチェックするのかということを聞いたのですが、いま話を聞いておりますと、用途指定をやる。用途指定をやって、それがほかに転用されないように処置をするということですが、これは随意契約の場合には用途指定ができますね。だけれども、競争入札の場合等は用途指定ができますか。
  42. 谷川寛三

    谷川説明員 まず最初の点にお答えいたしますが、先ほどちょっと舌足らずの点がございましたが、相手方を選びます際には、まず国有財産地方審議会におきまして厳重にチェックをしていただきます。そういう相手方に売り払いをいたしますことが当該国有財産の有効な活用をはかる道であるかどうかという、法人の性格とか、事業目的等、慎重な御審議をいただくわけでございます。その上に立ちまして、評価につきましても厳正を期するし、用途指定も厳重に付するということでございます。  なお、競争入札の場合には、用途につきましては御指定が申し上げられませんが、こういったふうに土地問題もやかましくなり、それから残っております国有財産も限られてまいるということになりますと、競争入札にこのまま付するということでは、これを購入いたします相手方がどういう方になるかということがちょっとわかりませんので、ちょっとこれは問題ではなかろうかと思います。たとえば巣鴨にとりましても、あそこが、拘置所がありますために、地区的な発展がおくれているということであれば、その地区の発展に資するような方向で当該国有財産を使ってもらえるというふうなところに売り払いをする必要があるのではないかということで、競争入札が原則ではありましても、必ずしもそのまま競争入札に付するということは考えられない。むしろ随意契約になるような対象で、かつ、いま申しましたように、国有財産の利活用に資するというような事業をやっているところということになるのではないかというふうに考えている次第でございます。
  43. 村山喜一

    村山(喜)委員 競争入札はあり得ない。あり得ませんか、全部随契で処理ができますか。たしかあれは三十九年の大蔵委員会で国有財産処分についての転売禁止の修正を満場一致でしたと記憶しているのですが、その実効性はその後どういうふうになっておりますか。
  44. 谷川寛三

    谷川説明員 競争入札も理論的には絶対にないとはいえないかもしれませんが、いま申しましたように、土地の、国有財産の高度利用という点からいいますと、何もかも競争入札ということはちょっと問題であるというふうに考えていることを申し上げた次第であります。先ほどのは、三十九年の国会の、国有財産の公正かつ効率的な処理をはかるための検討事項としての御決議でございますが、参議院でなされております。それによりますと、先ほど私が申しました国有財産審議会の委員の選任についても、十分適格な方を選任するように検討すべきである、それから売り払い等の契約をいたします場合にも、条件を整備すべきであるといったような問題につきまして、適切な措置を講ずべきであるというふうな御決議がなされております。私どもはそういった御決議等もいただきまして、国有財産中央審議会で、たしか四十年でございますか、御審査をいただき、御答申をいただきまして、その後、先ほど申し上げましたような、相手方の選定とか、それから売り払いにつきましての用途指定とか、それからまた、用途指定に違反した場合の買い戻し等の違約についての措置とか、いろいろ厳重な規定整備いたしまして、国有財産の有効利用に負するような措置をしておる次第でございます。
  45. 村山喜一

    村山(喜)委員 そういたしますと、そういうような違約的な行為があった場合、それらの整備された法令によって、買い戻しその他の措置がとられたケースがありますか。
  46. 谷川寛三

    谷川説明員 具体的な数字を持ってまいっておりませんが、契約違反の場合には違約金を取る、実際問題といたしまして、買い戻しということになりますと、金額が少なければいいのでございますが、巨額になる場合は、私のほうの予算的な措置の問題もございますし、それから相手方もすでにいろいろ措置しておる場合に、いろいろ問題がある場合もございますので、違約金を取る。企業としましては相当痛いような違約金を取った例がございます。ただいまも数千万円の違約金を取るケースが発生いたしまして、相手方に折衝しておるような事例もございます。
  47. 村山喜一

    村山(喜)委員 そこで、いわゆる施行令の十六条の二ですか、これによりますと、用途指定変更ができることが軽微の事項について書いてありますね。そういうような、用途指定変更というようなことの処理もしないで、国有財産の払い下げを受けて、用途変更を無届けで、自分の利潤を追求するためにやった例が発生をして、いま数千万円の違約金みたいなものを取ろうとしていらっしゃるということだろうと思うのですが、一体そういうようにして、今後この国有財産の管理というものが適正になされる措置を考えていく場合に、競争入札は望ましくないとおっしゃった。私も高度利用という立場から考えたらそうだろうと思うのだが、しかし、それは現行法令上、禁止規定はないわけですね。禁止規定がない以上は、それは競争入札をやる場合もあるし、随契でやる場合もある。そのいわゆる区分というもの、基準をそこに明確にしておかなければ問題が残るのではないかと思いますが、それらの基準ははっきりしておりますか。
  48. 谷川寛三

    谷川説明員 当該国有財産の状況からいたしまして、位置とか規模とか、そういったものから検討いたしましても、その土地を公的な方面に使う何もない、必要性もなかろうというようなものにつきましては、これは随意契約でやらなくてもよかろうし、さっき例を申しましたが、巣鴨拘置所のように、やはりその土地の発展に資するような仕事をする、それから法人の性格から見てもできるというものでなければ売り払いをしてはいかぬというものにつきましては、競争入札は必ずしも適当じゃないというふうな大原則を持っております。
  49. 村山喜一

    村山(喜)委員 特別会計事業会計制度にこれからなっていきますと、私は、国有財産特別措置法ですね、いわゆる国有財産を払い下げする場合には、必要に応じて二分の一の減免規定がありますね。この特別措置法によって実情に応じた行政が行なわれてきたと思うのだが、そういうようなものが、今度は一つの妻会計——独立採算というとおかしいですが、できるだけ国有財産は高く評価をして、そうして多くの収益を得て、それによって事業をやっていこうという、一つ事業会計自体の独自の性格が今度あらわれてくると思うのですよ。そういうふうになってまいりますと、特別措置法の発動というようなものがこれから非常にセーブされてくるのじゃなかろうかというふうに私は見るのですが、そういうふうなことはありませんか。
  50. 谷川寛三

    谷川説明員 今回のこの特別会計の運用につきましては、先ほど相沢次長から詳しく御説明を申し上げましたが、私どもといたしましては、いま先生がお尋ねになりましたように、とにかくできるだけあと地を高く売って、施設整備していこうということは決して考えておりません。一般的にも政府といたしましては、先ほどからたびたび申し上げておりますが、国有財産はできるだけ公的な方面に利活用をしていくべきものだということを考えております。売れるあと地がありましても、必ずしもそれを売って施設整備しなければならぬという気持ちではやっておりません。やはり公園にするとか緑地にするとか、公的な面に使う必要があるというものにつきましては、むしろ別途処理することとして、こういうものははずして、売ってもよろしいというものだけをあと地処分いたしまして、財源として作業を進めていくということを考えておりますので、これは将来とも厳重に守っていきたいと思っております。御了承を願いたいと思います。
  51. 相沢英之

    相沢政府委員 ちょっと一つ補足いたしますと、結局あと地処分をしてもいいものだけをこの特別会計に移してやるわけでございますから、移す段階で取捨選択が行なわれると思いますが、御懸念のようなことはないようにしたいと思います。
  52. 村山喜一

    村山(喜)委員 それは良識でやるんだ、こういうことになれば何をか言わんやですが、たとえば公園敷地にするとか、あるいは公設の運動場にするとか、子供の遊び場にするとか、その地域における国有財産のいろいろな活用の方法があるだろうと思うのです。そういうようなものはどこでそういうような基準をきめていくことになるのですか。やはり国有財産審議会あたりでやるのか、それとも官僚の良識によって、ここはそういうようなことなので残してあげましょうということになって、非常にあの人は話のものわかりのいい人だ、こういうようなことになるのか。その基準というものが設定をされるわけにはいかないのですか。それはどこでそういうようなものを取捨選択をするですか。
  53. 谷川寛三

    谷川説明員 重要な案件につきましては、国有財産法の規定に従いまして、先ほども申し上げましたように、国有財産中央審議会、これは各財務局にも設けられておりますが、そこで審議をいたします。それでその審議会の中には、一般の学識経験者のほかに大体地方団体の長が代表として御参加になっております。そこで各地方のあと地利用につきましての御意見、御要望等も拝聴ができるということでございますので、そういった過程を経まして、そして関係各省でもいろいろ議論を持つということでございまして、決して役所側のかってな判断だけでは措置をしないということにして従来もまいっておりますし、今後もやってまいりたい、こう思っております。
  54. 村山喜一

    村山(喜)委員 それは谷川次長、何か基準があるのですかと私は聞いている。それは取捨選択の権能というものは、あなた方に与えられているものなのか。そこにはやはり基準というものをきめて、そのワクの中でまたそれを一つのガイドラインにして、そこからものを考えていくようにするのか。その点は、やはりこの際明らかにしておかないと——非常にものわかりのいい谷川さんみたいな人もおるけれども、あるいは中にはそうでな  い人があなたのあとになるかもしれないのだから、そこら辺はきちっとしておいて、そして行政のさじかげんによってあまり不公平が生まれるという事態が出ないようにしておかないと、ぐあいが悪いと思うのですよ。  その審議会のメンバーですが、学識経験者というようなことで、どこどこの大学の教授でございますというようなことで名前を連ねていても、国有財産が今日あまり国民のために十分に活用されていないという不満を非常に国民は持っているのです。ですから、そういうようなものが、そこに住んでいる人たちのために生かされていくような方式を考えていくためには、何といってもそういうような財産活用の問題について、地方公共団体の代表だけでなくて、婦人とか労働者とか、そういう人たちがやはり長い目で見て活用ができるような方向を考えるべき段階が来ていると私は思うのですが、そういうような立場から——審議会のメンバーはどういうような人たちがなっていられるかわかりませんでしたけれども、おそらく変わりばえのしない、カビのはえたような審議会の委員になっているのではなかろうかと私は思うのです。そういうような立場から、一体審議会でやるとはおっしゃいますが、審議会としては、そこに何か一つ基準を策定をする権能がどの程度与えられているのか。そこら辺をちょっと説明しておいてください。
  55. 谷川寛三

    谷川説明員 特にこういう基準でこういうものは公園にする、緑地にする、遊び場にするという書いたものはございませんが、やはり個々の売り払いをいたします、対象になっておりまする国有財産の具体的な状態によりまして判断をする以外にはございませんので、書いたものはございませんが、私どもといたしましても、委員の方の御選任につきましては、できるだけ知恵をしぼってやっております。  ただいま申しましたように、地方的な御要望等は、十分そこに反映されるような状態にもなっておりますので、ただいまのところ特に支障は生じておりませんが、いろいろ御意見がございましたので、今後また委員の選任をいたします場合等におきましては、十分その間の事情、要望等が反映されるような人選もしてまいりたいと思っておりますし、それから売り払いにつきましての判断の基本的な姿勢につきましても、もう一ぺんよく検討いたしまして、今後問題の起こらないように、国有財産の適切な活用ができますように考えてまいりたいと思います。
  56. 村山喜一

    村山(喜)委員 ここで上村政務次官にお答えをいただきたいのですが、今度の法律の第三条によりますと、一般会計からの繰り入れ金が、先ほど主計局次長のほうの説明にもありましたように、できることになります。それは予算の定めるところによって繰り入れることができるということになっておるのですが、表面的には、提案されれば予算書を見ればわかるという筋合いになりますが、しかしながら、こういうような一般会計から繰り入れてやる方式がとられ、一般会計一般会計でまた国有財産整備計画をやる、両建てでやるということになります。そのときに、一体どういうふうに売ってつくるのだ、これは特別会計なんだ、売るものがなければ一般会計に出す、こういうふうに単純に割り切ることは私はできないと思うのです。  そこで、それにはそれぞれの計画というのですか、全体的な国有財産整備計画というものをつくらなければ——やはり国がやるべき仕事を地方公共団体のほうに委託をする、そうすることによって事業規模の拡大をはかることはできるわけです。しかしながら、そういうような権限関係が不明確になってくるようなことになりますと、これまた問題が今後において出てくると思う。地方の行財政というものと国の行財政の責任分野というものが権限関係に基づいて明確にされていなければ、行政秩序というものもこわれていきますし、地方財政法という法律自体の問題も価値がないような事実効果が生まれてくる。そういうような問題がこれにはひそんでいるわけですから、そこら辺の節度をどういうふうにして保っていこうという決意であるのか、これをちょっとあなたのほうから御説明を願いたい。
  57. 上村千一郎

    上村政府委員 村山委員の御質問をずっと承りまして、非常にもっともだと思います。要するに一つ財政関係会計関係におきましては、しっかりした基準を設けておく、そうして行政官庁の自由裁量の範囲というものをできるだけ少なくしていく、これは結局私は、会計あるいは財政の中に含まれている特別な体質であろうと思うのです。しかし、今回のように従来の資金会計事業会計に持ってきたということになると、一つ目的というものが従来よりも積極性を帯びてくる。ですから、一定の基準をはっきりいたしまして、自由裁量の範囲というものを少なくしていくということは特に必要ではあるけれども、資金会計から事業会計に移ってきた場合におきましては、どうしてもそこに自由裁量権というものもある程度その範囲を認めていかなければならないものだというふうになると思います。  ですから、いま村山委員がおっしゃったごとくに、強くそこの心配が生じてくるから、どこを基準にしてやるのか、こういうことですが、それは私はごもっともだと思う。ですけれども、従来は結局自由裁量の範囲があるわけですが、それをどこでチェックするか、もちろん法律、政令でチェックしておりますが、しかし具体的問題が多くございますので、国有財産審議会というものによってチェックしよう、審議会はどこで基準を設けているか、これは審議会というものの一つの良識にまかしてある、こういうことになっていると思いますので、谷川次長あるいは相沢次長が申し上げていることだと思うのですが、村山委員は、それだけでは心もとないから、何とかそこにある程度基準を設ける必要がある、こういうことでございます。特に国有財産処分関係というものは、国会のいろんな先生方の御審議におきまして、いろいろと問題点を含んでおりますし、それから国民も、国有財産につきましては相当の注目を持っておる。ですから、ここに適正な運営をはからなければならぬ、こう思っております。  そこで、先ほどの御質問の一般会計繰り入れ金、これはどういう点の基準を持つのか、どういう目安でいくのかということでございますが、この特別会計としましては、私は、一般会計で自由にいくんだというような基準が野方図になってしまったのでは、これは特別会計を設けた真意から逸脱すると思うのです。けれども、それかといって一般会計から繰り入れ財源が全然なしというふうにいたしますと、これまた、今度の事業会計をつくったところの真の効率化、高利用というような目的にも合致しない、こういうふうに思うのです。ですから、今回の歳入の措置としましては、特定の国有財政処分収益と、それから一般会計繰り入れ金、あるいは借り入れ金、あるいはその他というような意味において財源を持っておる。けれども、ものの考え方としましては、特別会計としましては、今度の事業会計を設置したその目的に合致する、そういう場合におきまして、どうしても財源措置がないという場合に、新しい一般会計というものの財源措置をやる。そしてそれは国会で予算としまして御審議を賜わっていく。こんなような運行状態になるだろう、こう思っておるわけでございまして、きょう先生がいろいろおっしゃったことにつきましては、私、承っておきまして、今後ばく然としたことでなくて、次第に国有財産というものが少なくなってきておる状態からしまして、ある程度のしっかりした基準というものも検討していく余地がある、こういうふうに思っておる次第でございます。
  58. 村山喜一

    村山(喜)委員 そういうような意味においても、私は、長期的な青写真をこの委員会に出してもらいたいと思うのですよ。そうでないと、いままでは法律上は一般会計から繰り入れができる、こうしているでしょう。現実に予算書として出てきているのは、いままでのためた分とそれから国有財産処分をした分とでやるんだ。それが百二億ありますから、ことし執行する八十一億ですか、その分の執行をしてもこれは金が余まります。だけれども、将来これを拡大をしていけば、土地値上がり分を期待をしてやる、そういうように、特別会計一般会計から繰り入れない限り、なるのですから、一般会計からどういうふうにして繰り入れながら整備をしていくんだという、一つの展望を持った法案として私は出してもらわないと、この中には四十五年以降三年以内にやりますといういわゆる国庫債務負担行為が、昭和四十七年度までの分も入っておるのです。そうなってまいりますと、そこには少なくとも向こう四年間、本年度を入れまして四年間の分まで国庫債務負担行為として示されるような予算書がある。予算がそういうような中身になっているにもかかわらず、全然そこに青写真がないということになると、非常に論議がしにくいので、これはきょうでなくてもけっこうですから、明日にでもお出しをお願いしておきたい。  そこで、具体的な問題に入ります。運輸省の航空局長お見えでございますね。予算書を見てまいりますと、相当航空政策というものを重視し始めてきているというのがわかるのです。特に私たちが考えてまいりますと、YS11をつくっている日本航空機製造株式会社、これに補助金をことしまた二億円出しておりますね。これは相沢さんのほうです。それから政府保証借り入れ金五十四億円、こういうようなことでYS11の量産化体制というものを進めていこう、外国に売っていこうというのですから、これはそういうような意味において、国内の産業というものを助長していこうという一つの産業政策だと考えるわけです。  そこで、その次には日航に三十三億の出資をやる。これは特殊の株式会社ですから、一般会計繰り入れ財源と、それから手持ちの株の売却財源によりまして、二割の増資に応ずる体制をとるんだということですが、これの資金の見込みはどういう程度になっておるのか、この点もこの際お伺いしておきたいと思うのです。  それから国際線の航空機材、これはジャンボだと思うのですが、購入のための必要な借り入れ金の債務について政府が保証をする。日航の分ですから、これもどの程度のものを見込んでおるのか、これもお伺いしたい。それと同時に、これは国際線を飛ぶ航空機材ですから、国内線はそういうような大型のものはもちろん使えないだろうと思うのですが、どの程度これが今後の航空政策の中で生かされていくのであるか。この点は航空局長のほうから御答弁願います。  それから成田空港、これは二百五十億つぎ込んでやろうとしておいでのようですが、この前の運輸委員会の議事録の中から見てみますと、一体どの程度これだけの事業計画をもって実務が処理できるのかという見通しです。というのは、売買の結果登記をされたものが一体どれくらいのなにになっておるか。私が聞きますと、どうも土地の値段が次から次に上がっていくものですから、売りましょうと言って賛成をした農民も、いや売り渡しの単価はそれは去年の話です、いまはもっと単価が上がっておりますから、それはその値段で売るわけにはまいりません、こういうようなことでなかなか買収が進まない。いまわれわれが聞いておるところでは、登記がもう済んだのは三町歩程度、その程度しか登記が済んでいないというふうに聞いておりますが、一体金銭の授受関係がいつ行なわれる見通しなのか、ちょっとそのあたりお聞かせを願っておきたい。それから代替地がうまくできるのかできないのか、この点についてお答えをいただきたいと思います。  それから国際空港の羽田と大阪、これは五十八億、債務負担行為が大まかにいいまして七億五千万、そのほかに十億の騒音対策の経費、そのほかのいわゆる国内空港は約四十億、ほかに国庫債務負担行為が十九億五千万、こういうような計画のように予算書を見ますと出ておるわけですが、千百五十億という空港整備五カ年計画というものがございましたね。これは四十四年度もう三年目に入るわけですが、どの程度達成率を示すわけですか。私がそれをお尋ねしておるのは、そういうような空港整備五カ年計画というようなものをあなた方がつくっていらっしゃる。これではとてもじゃないけれども間に合わないので、特別会計の中で委託工事をすることによって事業ワク拡大をしていこうという政策が今度とられるのではなかろうか、こういうようにこの予算書を見てる考えものですから、また国有財産特別会計の仕組みの中でそれが出てきているので、そういうような方向を運輸省の航空局としては推進をされるつもりなのかどうか、この点についてお答え願います。
  59. 手塚良成

    ○手塚政府委員 最初に飛行機の購入の計画の問題でございます。  YS11に対する国の製造上の補助金につきましては、私どものほうで生産行政所管いたしておりませんのでちょっとお答えの範囲ではございませんが、YS11につきましては、ローカル空港用の機材としては非常に適機であると考えております。現在、国内運航いたしております日航を除きまして、この飛行機が主力によっているということで、それに対する助成はひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。  それから日本航空に対する出資の問題でございますが、日本航空は御承知の国際航空の唯一のナショナルキャリアで、今後の国際情勢から見まして、大いに機材その他強化をいたさなければならぬ立場にございます。御承知の太平洋のパシフィック・ケースがございましたり、先般結ばれた日ソの協定による自主運航の開始、そのほか周辺国際情勢は非常に緊迫といいますか、日航自体の強化を迫られておるわけでございまして、こういったことから、日航自体で内定をいたしております機材その他の施設計画等から見ますと、向こう五カ年間で約五千数百億の資金を必要とすると考えております。その際にできるだけ資本の率を高めるということをひとつ考えていきたい。と申しますのは、機材はすべてこれアメリカから購入をいたしておりますので、アメリカの輸出入銀行から資金を融資してもらうということをたてまえに考えております。これは今後も可能であろうと考えております。その際に、向こうの輸出入銀行からの要請の重要な一つとしては、自己資本比率を高めるということを強く要請をされております。そういった観点から、二割の出資を四十四年度として確保するということにして、予算上ああいった措置をとったわけでございます。今後、補給金のやり方等につきましていろいろなお検討を要すべき問題がございまして、私どもは、四十四年度におきましてこういった資金の総体について、あるいはまた調達方式についてもいろいろ抜本的に再検討を必要とするというふうに考えております。しかしながら、目下のところ、機材につきましては、もちろん政府の保証等も考慮いたしまして、資金需要としては十分調達が可能であるというふうに考えております。  それから、新空港の問題でございますが、成田の新空港につきまして現在土地取得いたしましたのが全体の約六〇%、非常に概算でございますが、六〇%を取得いたしております。これは現在登記継続中のものを含んでおりまして、全体所要買収予定地が六百七十ヘクタールでございますが、それのいま申し上げた率が進んでおります。ただ、この空港を整備いたしますについては、第一期工事と第二期工事に分けて整備をすることにいたしておりまして、第一期工事を昭和四十六年の四月から飛行機の供用開始ができるように整備をするというたてまえに考えております。第一期工事におきます民有地の買収面積は二百八十二ヘクタールでございます。これはつい先般の買収の率といたしますと約七〇%程度が進んでおります。今年度じゅうには九割はまず買収の見通しが立つというふうに考えており、したがいまして、その後の工事計画等を加えてまいりますと、四十六年四月の供用開始は可能であるというふうに考えております。  この買収に関連いたしましての代替地の問題でございますが、この代替地につきましては、敷地内に三百二十五戸の移転を要する戸数の方々がおられます。これらの方々に対しまして、ただいま地元の県と公団との協力によりまして、約五百ヘクタールの代替地を準備いたしております。その五百ヘクタールの中には三里塚の御料牧場の一部も予定をされておりますが、この五百ヘクタールをもちましておおむね三百二十五戸の移転される方々の代替地としては間に合うというふうに考えております。なお、この三百二十五戸以外に、土地関係者で非常に反対をしておられる方が一部おられますが、これらの方々についての代替地についてはなお別途考慮をする、この面積配分なり何なりにつきましては敷地内の皆さんと同様な扱いをしようということで、目下そういう準備とともに空港建設に対する御理解を得べく説得方これつとめておるというのが現状でございます。  それから、空港整備五カ年計画の千百五十億についての進捗率のお話でございますが、この点につきましては、ただいままで三年目でございますが、現在のところ四十四年度の予算計画百二億というのを含めまして、全体として三六という見込みになっております。この中には鹿児島空港も含まれております。それで、三年目というので三六%というのは非常に進捗度がおそいというふうに一部見られますが、確かに予定が若干おくれておることは事実でございます。土地の買収等で非常に難航をいたしており、またいたした場所等がございまして、主として土地取得上の観点からこれがおくれてまいっております。一応土地取得の見通しが立てば、その後は非常に早いのでございますけれども、そういった意味で現状のところはその程度でいま終わっております。  それから委託工事の問題で、今後工事を実施するについて委託工事に重点を置くのか、そういうことを推進していくつもりかどうかというお話でございます。私どものほうでは、空港の種別といたしまして第一種、二種、三種とございます。第二種までが国が設置し、管理するというたてまえになっており、第三種空港というのが地方公共団体が設置、管理する、こういうたてまえになっております。第二種空港以上の空港につきまして、一種、二種につきましては国が直轄工事でやるというのがたてまえでございます。これは従来もずっとそれで続けてまいっております。三種空港はむろん地方公共団体でやる。この二種空港につきまして、今回予定いたしております新鹿児島空港は初めて県に委託を出すということになっておるわけでございます。これはいろいろ事情がございまして、先生も一応御承知かと思いますので省略させていただきますけれども、今後の方針としてはやはり直轄工事につきましてはできるだけ直轄でやりたいということを一応の基本に考えております。
  60. 村山喜一

    村山(喜)委員 その成田の問題がいま審議をしております国有財産特殊整理資金特別会計法及び国の庁舎等使用調整等に関する特別措置法の一部改正の中に関係があるわけです。というのは、御料牧場代替地の問題をめぐる資金関係会計がこの中に二十二億入っておるわけですから、そういうふうな意味において私は尋ねておるわけでありまして、いわゆる三里塚の分を今度栃木県の高根沢に建設をする。それが今度の国有財産特別措置法中身資金関係の中に入っておりますから、私はそれを尋ねないわけにはまいらないわけです。ことろが、これは二月二十五日ですか、運輸委員会の中で小川三男君が、公団の責任者である今井総裁等にただしておるわけですが、これから見てまいりますると、いま航空局長が言われたように、どうもスムーズにいきそうにないと私たちは見ている。というのは、何しろ第一期工事は四千メートルということですね。これにしてもまだ七〇%しか済んでいない。まだ未処理の分が三〇%も残っているわけです。それだけできまして、供用開始になりましても、二千五百メートルの滑走路、それから三千二百メートルの横風用の滑走路、これ等については、そこには反対派の人たちががんばっているわけですから、二期工事についてはなお見込みがない。そういうような中において、先ほども言いましたように、土地の売買価格が日々上昇をしていく中で、売ろうという人でも、値段がよければ売るのだけれども、この前の話は去年の話じゃないか、土地はその後また一割も上がっているのだから、上がった値段であれば、それはその値段で応じてもいいが、現金の売買もされていないのだから、売ることは売りますが、それについては承知ができません、こういうような人だってたくさんあるわけですね。そういうようなのをかかえながら、一体あなた方はこの処理ができる見通しがあるのかどうか。どうもこれでいきますと、昭和四十八年度中には完成をすると言っておられる。それからいまの第一期の工事については、四十五年度中には完成をするのだということを航空局長はおっしゃる。そういたしますと、一体いまの三里塚の御料牧場は高根沢のほうに代替建設をするのですが、この処理は、二十二億の分についてはいつ終わるのですか、この見通しは……。
  61. 手塚良成

    ○手塚政府委員 買収の見通しのお話でございますが、その後の土地値上がりもあろうではないかというようなことで、なかなか困難だという御趣旨でございます。実は、昨年の四月に、ここで権利を持っております方の八八%、約九割に近い方々と売買の承諾の契約を締結いたしております。そのときの買収価格につきましても、畑反当たり百四十万という値段を基準にいたしまして一応結論を得ております。実は、それから今日までの時日がたっておりますのは、一つ一つの個別の調査、つまり家屋から石材、立木、そういったもの一つ一つについての調査に非常に手間取っておるわけでございます。したがいまして、この値段も、一年たちましたけれども、現在去年と同額で進んでおりますし、また、これが終了いたします間につきましてもこの値段で進めたいということで、現在のところ値段についての問題というのはないわけでございます。このままの状態で事務的な取り運び方が順調に進むといたして、私どもは先ほど申し上げた計画が遂行されると考えております。  ただ問題は、御承知の一坪運動などという反対の面の方々があるわけでございます。たとえば面積が二・二ヘクタールというようなわずかなところへ一応所有者が千十二人というような登記がしてあるというようなところがございまして、これは第一期工事の中にも二カ所ばかりございます。こういったわずかな面積で、そこへ多数のこういうものがございますと、これは実はなかなか任意買収が困難であります。こういったものについてはもちろん十分なる説得をして進めていきたいと考えておりますし、また現在もやっておりますけれども、先行きの見通しといたしましては、おそらく任意買収は困難であろう。したがって、こういう土地に対しましては、やはり土地収用法も考えざるを得ないのではないかというふうにただいまのところ考えておる次第でございます。  高根沢の御料牧場につきましては、これは二百五十ヘクタールの総面積の土地でございまして、先生のおっしゃる二十二億でもって畑地かんがいそのほか建物等を建設するわけでございますが、この工事のほうは、若干当初予定よりはおくれましたけれども、順調に進んでおると考えます。土地の買収はもちろん全部完了いたしておりますし、放牧地等についての種まきも終了いたしておりますし、いま建築物に取りかかっておる。大体現在の見通しといたしましては、今年の八月末でこれが完了をするであろう。これが完了いたしますと、下総の御料牧場から向こうへ移転がお願いできる、こういうふうに考えておりまして、高根沢御料牧場に関しましては、いま申し上げたような状態で進んでおるというふうに考えております。
  62. 村山喜一

    村山(喜)委員 高根沢のほうの分はことしの八月に完成をする、それでその分については移るわけですが、一部分は、今度公団法の一部改正によりまして、御料牧場土地を現物出資という形で公団のほうに出すことになりますね。その点はいかがですか。
  63. 手塚良成

    ○手塚政府委員 おっしゃるとおりでございます。
  64. 村山喜一

    村山(喜)委員 そういたしますと、現物出資で出した、そこが飛行場に使われる部分と、それからいわゆる土地代替取得の分とした場合に、どちらのほうに該当するのですか。
  65. 手塚良成

    ○手塚政府委員 現物出資分については、現在のところ空港敷地内というふうに考えております。ただ、これがどの程度に全体の面積が配分されるか、もう一つ申し上げますと、現在ございます御料牧場が三つの使い方に区分をされます。それは敷地内に使われるもの、それから代替地として最終的に農民に交付されるもの、さらに保安施設その他公共の用地として使用されるもの、この三つに使われることになっております。それぞれがどれだけの面積になるかということについては、今後の評価にまたないと的確な数字が出ません。しかしながら、全体といたしまして四百四十ヘクタールございまして、高根沢は二百五十ヘクタールの土地でございますので、十分に敷地外でそういった交換は行なわれることになり、敷地内がおおむね現物出資ということになると考えております。
  66. 村山喜一

    村山(喜)委員 空港敷地内に幾らになるのか、農民の代替地が幾らになるか、それから保安施設、公共の用に供する部分が幾らになるかということがやはり明確にならなければ、新空港公団法の一部改正の中で現物出資をするといいましても、これは一体幾ら現物出資をするのかということが不明確のままで法律改正をするわけにいかぬのじゃないですか。そしてなお高根沢に二百五十ヘクタールの御料牧場代替地というのですか、それが取得をされる。それに二十二億の金がかけられて、いま建造中である。これは四十二年度に国庫債務負担行為で施行をして、四十三年度債務負担行為を繰り越して、そしてことしそれを続いてやろうということです。そういうようなふうにして高根沢に御料牧場取得をする。そういうふうにして、これは宮内庁の管轄になるわけですが、宮内庁法の一部改正というのがたしか今度出ていると思うんですがね。これは設置法の改正なしに、会計予算のほうが先行をして、それでできた時点において設置法の改正でそこが財産として取得をされる、こっちのほうが廃棄をされて、という形になる。こういうふうになると、法律よりも会計予算のほうが先行をするということになっていきますね、現在の仕組みを見ていると。それはたてまえ上は別におかしくはないわけですが、しかし、どうも法律よりも予算のほうが先行をしながらやっていくというそのやり方というものが、はたしてやり方として正常なものなのかどうかですね。やはり法律というのは国民の代表であるわれわれ国会において決定をする。その決定をされたものに基づいて、その予算上の、あるいは会計法上の処理がなされる、これがたてまえだろうと思うんですけれども、それがいまでは逆の形で現在進行中である。一体空港敷地内の、新空港公団法の一部改正によりまして現物出資をするのは幾らになるのですか。これは今日まだ国有財産ですからね。だから谷川さんのほうで、これはこういうふうにするのだということにならなければおかしいじゃないですか。あなたの所管でしょう、四百四十ヘクタールは。
  67. 谷川寛三

    谷川説明員 先ほど航空局長から御説明申し上げましたように、新しい高根沢の牧場交換をいたしました残りを現物出資するわけでございますが、ただいま評価をどうするかということで鋭意作業を進めておるところでございます。
  68. 村山喜一

    村山(喜)委員 そうすると評価がなされない中で、こういうふうに法律が現物出資ができるという形がとられている。ちょっとおかしいと思うんだが、いっその評価が終わるのですか。
  69. 谷川寛三

    谷川説明員 早急にやりたいと思っております。いろいろ問題がございまして、先に買収価格等が出ておるような関係もございまして、非常に問題がございますので、できるだけ早くやりたいと思って急いでおりますが……。
  70. 村山喜一

    村山(喜)委員 その結論が出るまでは、どうも特別会計法中身に関する問題がまだ未確定のままに法律を上げるというわけにはいかぬと思いますがね。できるだけということですが、いつまでにお出しいただけるのか、再度お尋ねしたいと思います。
  71. 谷川寛三

    谷川説明員 私たちがいま見当をつけております概数でございますから、あしたあたり御審議の過程におきまして申し上げ得ると思います。これは決定というわけではございませんが、ほぼその見当というなには……。
  72. 村山喜一

    村山(喜)委員 では、それは明日承ることにします。  そこで、航空局長にお尋ねしますが、これも新聞にちょっと出ましたあの問題です。日米間の地位協定六条によりますいわゆる飛行場使用の問題ですが、いま伊丹の飛行場、これは国際空港ですね。この伊丹の飛行場の隣に新明和の飛行機会社がありますね。私も一ぺん内閣委員をしておりましたときに見に参りましたが、そこにはアメリカ軍の軍用機等が修理のために回されておりますね。新明和の飛行機の会社は滑走路を別に持っているわけではございませんから、伊丹の飛行場の滑走路を使って、そして新明和の工場のほうに引っぱってきてそこで修理をしていますね。それから羽田のほうは、これはやはり国際空港ですが、これには米軍のほうでチャーターをしたやつが発着をしていますね。そういうような点から考えますと、これは明らかに地位協定の六条によって日本のそういうような民間の航空施設が使われているわけですね。根拠はそこにあるんでしょう、違いますか。
  73. 手塚良成

    ○手塚政府委員 いま羽田で使われておりますいわゆるMACチャーターと私ども呼んでおりますが、米軍にチャーターされておる飛行機が離着陸をいたしております。伊丹におきます飛行機もこのMACチャーターの一部のものもあり、そうでないものもございますが、米軍関係のものを扱っておる、この離発着をやります根拠は地位協定の第五条でございます。
  74. 村山喜一

    村山(喜)委員 その地位協定の五条関係はあとで私も調べますが、そこで、この際私お尋ねしておきたいのは、なお答弁のいかんによりましては質問を留保しておきたいと思いますが、新東京国際空港ができた場合には、やはり羽田とあるいは大阪の伊丹等と同じように、米軍のほうから要請一があった場合にはこれを断わることはできない仕組みになっておるんでしょう。この点は原田運輸大臣、そういうふうにおっしゃったというのが新聞に出ておりましたが、そういうふうに航空局長はお考えですか。
  75. 手塚良成

    ○手塚政府委員 先般、運輸委員会でもそういった御質疑が出たわけでございますが、ただいま申し上げました地位協定との関係から申し上げますと、ああいった米軍の出入という程度の離発着、こういうものについてはこれは協定上拒否はできない。しかしながら、これの使い方といたしまして、いわゆる軍事基地式の使い方につきましては、これは先ほどの地位協定の第三条によることになると思いますので、これによりますと、日米合同委員会の合意を得なければならないことになっております。したがいまして、この軍事基地という使い方、あるいは戦闘の目的というような使い方、こういうものについては、われわれは合意するつもりは毛頭ございません。そこで、こういったものについての使い方は、新空港については、これはいまの民間空港でも同じでございますが、これについては、われわれはそういう使い方は米軍との間ではしない、させたくない、こういうふうに考えております。これが新聞等で伝えられております中曽根大臣が拒絶するというようなことばで申し上げた内容でございます。  ただ、このMACチャーター式の離発着にいたしましても、実は羽田でも同じでございますが、時期的に来般来実績としても非常に多く離発着した年がございます。昨年のちょうどいまごろは、一カ月に二百機前後の離発着があったことがございます。これは私ども一般の民間空港として非常に望ましくないということで、さっそく外交チャネルを通じまして、この離発着の制限を申し入れました。その結果、向こうも自制をいたしてくれまして、回数はずっと減って、百六十機前後という数字になってまいったことがございます。現在、現状におきましては、やはり百機前後ということで、昨年の現状に比べますと、ずっといま減っております。しかもなお、先般、今度はあそこで工事も始めますことでございますので、使用の時間等についても、一般民間機が数多く離発着いたします午前の十時前後あるいは午後の九時前後、こういった時間は避けてくれということを申し入れまして、向こうからもそれの応諾の話を受けております。  こういったことがございますので、かりに先ほど申し上げた五条によるところの離発着が成田で行なわれる、これがやむを得ないものといたしましても、この使い方につきましては、ただいまのような話し合いは十分できるものと考えておりますので、成田の使い方は、羽田に比べてなお一そう純民間的な使い方にしていきたい、こういうふうに考えております。
  76. 村山喜一

    村山(喜)委員 地位協定の五条による緊急避難の場合等は、あるいはそういうようなチャーターをされたものが来るというふうな場合は拒否できない。これは、これから来る民間国内航空の場合も同じようなことが言える。  そこで、私がなぜそのことをあえてここで言ったかというと、いわゆる現在の滑走路の長さによって——四千メートルも成田空港の滑走路がある、あるいは三千メートルグラスの滑走路、大阪は三千メートルにするというのですか、あるいは今度鹿児島空港の場合は二千五百メートルという滑走路をつくる。しかもそれは、将来においてあと千メートルは確実に延ばし得るスペースを置いたところから滑走路の起工点をつくろうとしていますね。そういうような点から見まして、一体第二種空港というのは、滑走路の基準というものがあるのかないのか、そういうような問題にも関係してまいりますので、その点をお尋ねしておきたいと思います。  それと、現在の運輸省の管理する飛行場整備された状態がどういうふうになっているのか、これは資料としてお出しをいただきたいと思うのです。まああなたの話を先ほど聞きますと、第三年目である四十四年度までかかっても三六%しかできない、あと二年度しか残っていない、そういうような整備状態である。そこにもってきて、特別会計方式整備が行なわれる、これはプラスアルファです。整備を進めていくためには、そのプラスアルファも入れて、五カ年整備計画というのはこれからやっていこうということで考えていらっしゃるのか。  また、大蔵省のほうは、鹿児島空港建設方式のようなものも、今後もやはり取り入れながら、空港整備計画を進めていくという腹であるのかどうか、そこら辺も明確にしておいていただきたいと思います。
  77. 手塚良成

    ○手塚政府委員 第二種空港の滑走路の長さの基準の問題でございますが、この空港の滑走路の長さと申しますのは、ここで飛行いたします航空機の種類によって違ってまいることは御承知のとおりでございます。私どもは、従来飛行機の機種が変わるごとに少しずつ継ぎ足して延ばすようなこともやっておりました。しかしながら、先般四十一年に御承知の五大事故の連続がございまして、その後こういった問題についての検討をいたしまして、将来のローカル空港における機種等も一応想定をいたしまして、この滑走路の長さというものを一応部内的な基準としてきめております。それによりますと、第二種空港の滑走路の長さというものは、原則として二千メートルにする。従来、それまでは大体千二百メートルでございましたが、二千メートルにするということで勘案をいたしております。これはだんだん需要が第二種空港等にふえてまいりまして、飛行機の機種といたしましても、従来のYS11だけではまかない切れないということで、勢いローカル空港といえどもジェット化を進めていかざるを得ないというような観点が出てまいりまして、緩急の度合いはございますが、原則として第二種空港は二千にいたしたい。ただ物理的に二千にできないところもございますが、そういうところは、またそれなりに精一ぱいの長さのものにして、それに合う飛行機をやっていく、こういう計画でございます。  それから、いままでの整備に対応する資料というお話で、これは後ほど資料として御提出を申し上げたいと思います。  それから、二種空港を含めまして整備計画が遅延をしておるという問題を再度お触れになりましたのですが、実は先ほど申し上げましたように、一番遅延いたします理由は、土地の確保が一番難航いたしております。例で申し上げますと、先般事故を起こしました松山の空港などは、いの一番に着手をいたしたわけでございますけれども、御承知のように海上三百五十メートルの延長、陸上四百五十メートルの延長ということで、いずれも難航をいたしておりまして、片がつかないわけでございます。ようやく最近海上分についてめどがついて、工事の着工を始めたわけでございますが、そういった状態が諸所にあるわけで、この面が非常な問題になっております。こういった地上の面が解決いたしますと、実は五カ年計画の内容の中身になっております、いわゆる保安施設関係というものにつきましては、これは早急な手が打てると思うわけございます。そこで、何とか今年中にはそういった陸上部門についてのめどというものを早急につけたい。そうしてその残りの地上保安施設を完備していくことを、これはまた急ぎたい。こういうようなスケジェールを頭に描きながら鋭意努力をいたしておるわけでございます。
  78. 相沢英之

    相沢政府委員 空港で、ほかに鹿児島と同じような形式で整備を考えたものがあるかという御質問でございますが、まあ都市の中、またはその周辺にある空港で、周辺の土地の利用状況から見まして、移転することが適当な場合には、特定国有財産整備計画によって整備することが可能であろうと考えております。現在のところ、その条件の熟しましたものは鹿児島だけでございますので、四十四年度予算にはそれを取り込んでおりますが、今後なお情勢の進展によってこの特別会計に取り上げる空港が出てくるところもあろうかと存じております。
  79. 村山喜一

    村山(喜)委員 もうだんだん時間もなくなったのですが、航空局長にお尋ねをいたします。  二千メートルというのは部内の基準ですね。そういたしますと、あなた方が整備計画事業をやられます。これは具体的に熊本でも大分でもよろしいのですが、国のほうの全体計画の中の財政負担は七五%、それに後進地域のかさ上げ措置等がございます、財政力指数によって貧弱のところは負担率はなお軽減されるわけですが、それにしても、やはりそこには一つ基準というものがなければ、整備の具体的な補助額というものは出てこないはずであります。したがいまして、二千メートルというのは、これは予算をつける場合の、いわゆる大蔵省とあなた方との間における話し合いの基本的な線だ、こういうように承っておってよろしゅうございますか。  それから、したがって二千メートルをこえるような場合は、県単独事業というのですか、地方単独事業というものもあり得るともこれは解釈できますね。  それから、ジェット化を進めるとおっしゃるが、そのジェット化は、727ですか、それが将来は737のものも考えていく。いまどうなっていますか、737ですか。727が将来は職になっていくんだと思っておりますがね。それから、さらに将来においては、もっと大型のエアバスのようなものが考えられておる。とするならば、その航空機の発着がありますわね。現在それは飛んでいないけれども、将来は飛ぶであろう大型機で、速くて輸送力が大きい飛行機が発着をする。となれば、飛行場はそれに伴って滑走距離、滑走路は長さが長くならなければ大型機は飛べませんわね。そういうような問題が出てくるときに、将来のいわゆる滑走路の基準というものは、第二種空港についてはやはり二千メートルということでおやりになるのか。将来は二千五百になり、それが三千になるから、将来を見越して、いまからつくるやつは三千も三千五百も滑走路の距離がとれるようなところに飛行場を建設をするように行政指導をしておられるのかどうかですね。私のところにできる、飛行場は二千五百でできます。そして、それは将来は、必要があれば三千五百に延ばすことが可能だと、私たちは現地を見ておりますから、見ております。そういうようなのが運輸省の今後の第二種空港建設の指導方針というふうに承っていいかどうかということです。その点を明らかにしてもらいたい。
  80. 手塚良成

    ○手塚政府委員 第二種空港基準の二千メートルにつきまして、一応内規といいますか内定といますか、そういう言い方をいたしましたのは、正式な五カ年計画閣議決定を見てないという意味でそういうことを申し上げたので、いままでの予算内容につきましては、申し上げたような二千メートルを前提にいたしまして予算をつけてまいっております。  将来の滑走路の長さの問題につきましては、これはやはり将来の路線計画あるいは機材計画というものをわれわれは頭に浮かべてそういうものを指導もし、われわれは計画等をいたしております。したがいまして、二千メートルというのでさっきおっしゃいました737、いま飛んでおりますジェットは幹線で727でございますが、将来といいますか、ローカル用のジェットというのでは737というのになります。これはエンジンが727の三発が二発になるというので、少し小さいのでございます。これはローカル用のものでございます。これは二千メートルでもっていけるということで考えております。鹿児島の場合に、特に二千五百ということを考慮いたして、そういうことで計画を進めておりますのは、実は鹿児島は第二種空港の中でも一番利用度が高い、それから便数も一番多い。将来を見通しましても、これがまた非常に多い。かたがた、また沖繩という国際路線、現在の姿で普通の国際路線をやっておる。将来のまたあそこを起点としての考え方もあるわけでございます。  それらを総合いたしますと、機材的には737よりも、さらに数年後にはもう一つ大きいいわゆるエアバスというようなものを投入していくことが一番効率的ではなかろうかというふうに考えております。このエアバス等をもし鹿児島に使用いたすということになりますと、やはり滑走路は二千五百あったほうがよろしい。それから沖繩等の国際線を考慮に入れますときには、現在の国際線に使っております機材がまたドロップしてまいりまして、これが沖繩あたりに使われる、あるいは近距離国際線に使われるということが想定されます。したがいまして、そういう面からいきますと、鹿児島については二千五百というのが適当ではなかろうかということで、鹿児島についてのみ二千五百を計画事業を進めようとしておるわけであります。
  81. 村山喜一

    村山(喜)委員 乗客数からいえば、東京、大阪の国際空港に次いで一番乗りおりが多い。飛び抜けて四十五万人も昭和四十二年度で乗降客がある。四十三年度は六十万人ぐらいといわれておりますし、まだこれから伸びていくだろうという情勢にございますから、将来どういうような機種の飛行機が利用するのかということを考えないで飛行場整備をしても、これは意味ないと思うのです。ですから、私はそういう意味において、将来を展望をしながら、この飛行場整備というものをやらなければならないということはよくわかります。現在二千というのは、727は無理なんですか。737はたしか千四百メートルぐらい滑走路があれば、国内の分についてはだいじょうぶだろう。それは燃料をどの程度積むかによって、これは航続距離との関係もありますし、滑走路の長さとの関係もありますが、将来、国内の第二種空港が、今後において滑走路としては二千メートルで将来を見通したときに足りるのかどうか。それとも二千五百にしなければならない時代が、十年なり二十年先には来ることがもう予見できるのかどうか。そういうようなことを見通した上で、航空整備計画というものはしなければうそだと私は思うのです。だから、それをお尋ねしているわけです。
  82. 手塚良成

    ○手塚政府委員 先生おっしゃるとおり、将来の機種を予見して空港の整備はやるべきであるし、私どもはさらにそれの路線計画等も考慮いたしまして、そういうものを勘案しておるつもりでございます。二千メートルにいたしておきますと、現在幹線で使っておりますジェットの727、それから先ほど申し上げた、今度新しく入ってまいります737、いずれも二千メートルでは使える。727自体の最大離陸重量等を見ますと、二千二百十メートルというふうに書いてありますが、これを国内のローカルで使います場合には、先生もお触れになりましたように、重量制限といいますか、燃料の搭載が満載でなくて済みますので、これは二千で使えるというふうに考えております。したがいまして、そういった将来の機種といたしましては、まずローカルではその程度の機種が当分続くであろう。これは十年、二十年先になりますと、またどういうものが出てくるか、いろいろうわさもないわけではございませんけれども、わが国の地理的事情なりあるいは需要の程度なり、あるいは路線の関係等から考えますと、やはりこの程度のもので当分いくべきではなかろうか、また、これで十分いけるというふうに考えて、二千という企画を進めておるわけでございます。
  83. 村山喜一

    村山(喜)委員 そのほかにも、先ほどまだ答弁が明確になされておりません地位協定の第五条関係のことですが、国際空港であっても国内空港であっても、緊急避難とかあるいは特に米軍の燃料補給とかなんとかいう問題が発生をした場合には、民間の飛行場も使える。その場合に、いわゆる戦闘用の飛行機が、その機種が民間の空港の施設を使う場合には、滑走路の長さによりまして発着できる飛行場と発着ができない飛行場と出てくると思う。それはまた爆撃機の場合と戦闘機の場合とは、軍用機であっても違う。  そこで私は、それらのいわゆる安全保障上の問題等と民間の飛行場の機能との問題について、それから地位協定の五条との関係につきましては、前に中曽根運輸大臣が言われたことと原田現運輸大臣が言われたこととの間には確かに食い違いがあると思うのです。そういう意味において、委員長にこの際申し上げておきますが、私の質疑はその問題に関しましては保留をしていただいて、以上で大体私の質疑は終わりたいと思いますので、その点だけ後ほど適当な時間をいただきたい。
  84. 田中正巳

    田中委員長 午後二時再開することとし、暫時休憩いたします。    午後一時四分休憩      ————◇—————    午後二時二十二分開議
  85. 田中正巳

    田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。広瀬秀吉君。
  86. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 国有財産関係法律案に対して、関連する諸問題について質問いたしたいと思います。  まず最初に、国有財産台帳があるわけですが、この台帳記載の価格は取得価格を原則としておるわけで、それは大体五年ごとに評価を修正していく、再評価をし直していくというたてまえになっておるわけですが、特にその中で、土地の場合に、今日土地値上がりというものが非常に大きな社会問題にもなり、また経済問題でもある。また、物価問題の中でも非常に重要な問題だといわれているわけです。それで、きょうの読売新聞に、消費者物価が二十一年から十一倍何ぼかに値上がりしている。株の値段ですら、二十四年を基準にしまして大体十八・八倍ぐらい。ところが土地については、二十一年を基準にいたしまして千百九十七倍くらいだというような数字が出ておるわけであります。そのように、たいへんな値上がりになっているわけですが、この国有財産台帳における土地の台帳価格というものが、最近では四十一年の三月三十一日に再評価されておるそうでありますが、それはどういうものを基準にしてなされておるのか、ここらの点をひとつお聞きしたいと思います。
  87. 谷川寛三

    谷川説明員 台帳価格につきましては、ただいま先生がお話しになりましたように、五年を周期にして一応再評価をすることにしてございます。直近はいまお話がありましたとおり、四十一年三月三十一日でございます。  評価のやり方でございますが、取得の時期を基準にいたしまして、この取得の時期につきましては、四十一年前の再評価時、三十六年の三月三十一日でございますが、そのときに国有財産の台帳価格改定を行なったものにつきましてはそのときを基準にいたしますが、一応、取得の時期を基準にいたしまして、あるいは三十六年三月三十一日を基準にいたしまして、価格改定を行なう時期、一番新しいのは四十一年三月三十一日でございますが、そのときの価格の変動を各年度ごとにつきまして、土地につきましては日本不動産研究所の価格指数で引き伸ばしをいたしております。その場合に、若干大ざっぱでございますが、商業地、工業地、住宅地と用途別にとりまして、それから六大都市、その他の市、町村というふうに、地域別にただいま申しました日本不動産研究の不動産価格指数をとりまして、基準のときの価格に評価時までの倍率をかけてやる、こういったふうに時価主義をとっておりますけれども、五年ごとの周期でございますし、それからいま言ったように商業地、工業地、住宅地と一応分けますけれども、大ざっぱであるし、地域別にも六大都市、その他の市、町村というふうに若干大ざっぱにやっておりまして、必ずしも時価をそのまま表現しておるとは考えられませんけれども、私たちが見たいのは、むしろ国有財産行政上必要なのは地積のほうでございまして、一応のめどという見地から台帳価格をにらんでおるということでございます。
  88. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 そういうことでやる以外にはなかなか方法はないんだろうと思いますが、土台になる取得価格といいますか、こういうものも、軍関係財産を引き継いだというような問題だとか、そういうような場合にはかなり低い価格でおそらく引き継がれているだろうと思うのです。それが土台になっていれば、不動産研究所の指数を使って引き直しをしてきても、これはかなり売買実例価額というような、近辺の商業地あるいは工業地、あるいは住宅地というような区別はあっても、それなりに実際の国有地以外の場所の民有地等を中心にした価格の動きというものは、これはもう独自の経済法則に従ってはね上がっていくわけですが、そういうようなところから見ればやはりそういうものよりはかなり安い、国有地は大体低位にある、こういうふうに見ていいですか。
  89. 谷川寛三

    谷川説明員 台帳価格はまさにそのとおりなのでございます。先ほど申しましたように、私たちのほしいのは国有財産の面積でございまして、価格の点は一応のめどという程度に考えてやっておる次第でございます。
  90. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 そこで帳簿価格といいますか、台帳価格というか、そういうものはかなり低いところにあるはずであります。それはそのとおりでありますが、いま宇都宮の近辺でも、やはり軍関係工場の敷地が国有財産になっておるわけでありますが、これはもうすでにそこを借りて住んでおった人たちに、何回かに分けて払い下げが行なわれてきた。しかし、その中でまだ残っておる土地が相当あるわけであります。これはさら地になっておるところが点々と、しかも相当面積あるわけでありますが、こういうようなところに対して、国有地を払い下げするというような方針をきめられて、今度は競争入札でやられるというようなことを考えておられるようであります。そういうことになりますと、これはかなり台帳価格とは違った価格で、土地を投機の対象にするような気持ちで買う人もあるだろうし、そういうような人たちはある程度先を見越して、かなり高いところに値をつけるだろうしというようなことになる。しかもそれが不動産を業としておるような人たちなんかに、そういう投機的な形で買おうという人がおるわけでありますから、ほんとうに住宅がほしい、この土地を利用して住宅地としてほしいのだという善良な庶民といいますか、勤労大衆といいますか、そういうような人たちなんかには、なかなかそういう形でやられたのでは手に入らぬ、こういうことにもなるわけであります。  しかも今日、土地の価格の安定ということは、かけ声としては、少なくとも重要な政策になっているはずであります。地価安定の諸方策というものがいろいろ考えられておる。しかしながら、実のある地価対策というようなものが出てこない。最近ではどうやらこの国会に地価公示法というようなものを出そうということにはなっておるけれども、そういういろいろな動きの中で、そういう方式で国有の土地を売りに出すということになりますと、その土地における売買実例価額というものをむしろ全体的に引き上げていく。むしろそういう方式をとったら、地価引き上げの誘因になっていくのではないかということが考えられるわけですね。そこらについてどういうようにお考えなのか、聞いておきたいと思います。
  91. 谷川寛三

    谷川説明員 国有の土地を売り払います場合には、もちろん競争でやりますことがたてまえではございますけれども、   〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕 最近におきます国有土地の売り払いの実態を見ましても、たとえば物納財産——税金の物納でございますね、その物納財産で、上に家作がありましてたな子もおるということで、必ずしも競争入札で処分ができるということではないものがたくさんございます。それから戦時中に軍の工廠等がございまして、工廠勤務の方々が住んでおられました官舎に、そのままそういう人たちが住みついて現在に至っておるということで、これまた別の方に売り払うことが適当ではないというものが非常に多いのでございます。  実は、四十二年度の売り払いの実績を見てみたのでございますが、全体で一万六百二十六件ございますが、そのうち八五%までが、九千六十三件というものが、そういった物納財産で物納になる前からの権利者に売った。それから軍工廠等に大蔵省が引き継ぐ以前から住みついておられた方もあるというものでございます。  それからまた、その他の未利用国有地につきましても、土地問題が今日のようにやかましくなってまいりました現状におきましては、これは必ずしも競争入札で売っていいかと申しますと、けさほども村山先生の御質問に対してお答えしましたとき申し上げましたが、そうはいかぬ。やはり公園とか緑地とか公共用の方面に向けるべきではないか。競争入札でどういう方が手に入れるかもわからぬ状態ではいかぬだろうということで、どうしても公共団体とかそういった方面が多くなってまいってくると思います。これまた四十二年度の売り払い実績で見ますと、件数は少ないですけれども、地積で申しますと、八二%までが地方公共団体とか福祉法人とかいう方面にいっております。  そういったことで、売り払いの実態から申しましても、競争入札で必ずしもいっておりませんので、国有財産の売り払いが一般地価を引き上げるということにはならぬだろうかと思います。
  92. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 そういう場合に、私は必ずしもいまの御答弁のようにはまいらないだろうと思うのです。入札だということになりますと、これは資金を相当豊富に調達できるような、専門的な不動産業者というものが投機の対象として買うというようなものにほとんど取得されるというようなことで、庶民ではもうちょっと手が出ないというようなこともあろうと思うのです。それは先行きほうっておけば、いまのところまだどんどん地価が上がっておりますから、それを見越して投機的なそういう人たちが手を出してくる。これは競争入札になれば、やはり高いほうに売るのは当然の取り扱いになるわけですから、そういうところにどんどん渡ってしまう。それからまた、今度は庶民大衆が泣く泣く高いものを、さらに利潤を見たものを買わざるを得ないというようなことにもなりかねないわけです。そういった場合に、そういう特定の投機的な立場取得する業者というものをある程度排除するというような考慮というか、そういう方法はとれないわけですか。
  93. 谷川寛三

    谷川説明員 もしそういうものが野放しになりますと、確かに一般地価をつり上げるおそれもございますので、入札をいたします場合は資格につきまして財務局なり、事案によりまして財務部もございますが、役所のほうで厳重に審査をいたしまして、いわゆる落とし屋とかいうような、その方がお使いになるものでないものをお買いになる中間の業者はなるべく排除するようにやっております。今後も、おことばにありましたように、厳重に注意をしてやってまいりたいと思っております。
  94. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 そういう、いまおっしゃったようなきめこまかい配慮というものをぜひやっていただかないと、ほんとうに自分がこれから結婚をするんだ、そして土地と持ち家がほしいんだ、それはある程度親から資金の援助があるにせよ、あるいは自分の蓄積があるにせよ、あるいは労働者の金融機関から金を借りるなりというようなもので、ほんとうにささやかな、自分の居住する土地と家がほしいんだというような、そういう切実な人たちにじかに国の手から渡るような対策というものは、やはり十分——その場所が小さな五十坪とか百坪とかいうような、公共性のある大きな建物を建てられないようなもので、これは庶民の住宅としてちょうど適当な地積なんだというようなものについては、やはりそういう特別な配慮を十分考えてやっていただかなければならぬと思いますので、その点どうぞひとつしっかりやっていただくようにお願いをいたしたいと思うわけであります。  それから、そういう場所の中で、いま国有財産、特に土地等について、先ほどからお話にも出ていましたけれども、緑地であるとか公園であるとかいうようなもの、これもまた国民の健康にして文化的な生活という立場から非常に必要な場合が多いわけでありますが、そういう中で今日、これは最近のことばでありますけれども、ちびっこ広場という子供の遊び場ですね、そういうものをつくりたいというような希望が非常にあるわけであります。そういう場合に、地方公共団体等に対して普通財産土地を売り渡すのが相当多い、八二%というようなことをいわれています。そういう中に、地方公共団体に準ずるような形で、町内会という組織で、その町内会で町内の子供たちのために国から、たとえば二百坪ぐらいちょうどいいあんばいに町内のまん中にさら地がある。この土地をひとつ、今日の交通ラッシュの中で、子供たちが安全に遊べる広場をほしいんだというふうなことで、町内会というような立場でちびっ子広場をつくりたい、子供の遊び場をつくりたい、こういうことで土地を、なかなか町内会としては買うわけにはいかぬ、お貸し願いたいというようなことを財務部等に申請をするケースが多いわけであります。そういう場合に、どういう方針を大蔵省としてはとられますか。
  95. 谷川寛三

    谷川説明員 けさの、それからまた先ほどの御質問でもお答え申しましたが、最近におきましては、国有地はできるだけそういった、いまお話しになりましたようなちびっ子広場だとか、公園とか緑地とかいうようなものを中心にいたしまして、公的な面にお使いいただくようなことを考えておるわけでございますが、法律上はやはり地方団体がそういった施設をする場合でないと無償ではお貸しできないことになっております。なっておりますが、実行上どういう措置がとれますかわかりませんが、いろいろとできるだけの御便宜をはからうようなことを考えていきたいと思っております。なお、四十二年度におきまして、これは地方団体が設置いたします場合に無償でお貸しした件数でございますが、公園と緑地を入れて、五十四万平米ぐらいのものを御提供申し上げておる次第でございます。あらゆる努力をしたいと思っております。
  96. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 そういった場合には、当然借地料ぐらいは何とかできる、町内会のみんなが出し合ってできるという場合に、有料貸し付けというような方法は全く否定するという立場ではないわけですね。状況によっては、そういうものについては、有料貸し付けも認めてもよろしい、そういうお考えでございますね。
  97. 谷川寛三

    谷川説明員 個々の状態を見なければわかりませんけれども、利用の目的がありますものにつきましても、短期間でございますと、まあ無償ではございませんけれども、お貸しするとか、いろいろ町内の子供さん方の御便宜をはかりたいと思っております。
  98. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 わかりました。  そこで、ぽつぽつ本題に入りたいと思いますが、今度、国有財産特殊整理資金特別会計法及び国の庁舎等使用調整等に関する特別措置法の一部を改正する法律案、こういうことで出ておるわけでありますが、今日まで、この特殊整理資金特別会計でやってまいったけれども、どうも不便である、しかもたいした効果をあげてない、こういうことになっておるわけでありますが、いまこの整理資金特別会計の積み立ての残額、これはどのくらいございますか。
  99. 相沢英之

    相沢政府委員 四十三年度末の見込みで、四十一億五千四百万円です。
  100. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 これは、今度の特別会計にそのまま引き継がれるわけですね。
  101. 相沢英之

    相沢政府委員 さようでございます。
  102. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 そこで今度は、新しく特定国有財産整備特別会計というように名前も変わるわけであります。そして対象になる財産の種類も、「国の事務、事業又は企業の用に供する庁舎その他の建物等、公共用飛行場、演習場等、皇室用財産、公務宿舎、特定普通財産——それは駐留軍提供施設というなことになるわけでありますが、いまのところ考えられるのはそれだけでございますか。さらに、この特別会計所管として、これらのほかにどういうものが考えられておるか、ひとつお考えを明らかに聞かしていただきたい。
  103. 相沢英之

    相沢政府委員 この特別会計対象といたしますところの庁舎等施設の範囲は、この法律規定にございますとおり、国の事務または事業の用に供するところの庁舎と、それからその他の施設ということになっておりますので、いまお話しの官庁の庁舎のほかに、四十四年の例で申しますと、宮内庁御料牧場とか、あるいは法務省刑務所等の収容施設、あるいは運輸省の公共飛行等でございますが、今後この基準に該当いたしますものは当然これに入ってまいります。四十四年度に予算にあがっておりますものと特に変わったものが対象になるということはないと思います。
  104. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 四十四年度の予算書を見てみますと、建設省関係では大阪港湾合同庁舎だとか、大蔵省関係はあまり詳しく出ていないのですが、宮内庁御料牧場だとか、法務省刑務所、さらに法務局の庁舎であるとか、海上保安庁ほかの施設だとか、こういうようなのがずっといろいろ書いてあるわけですが、一体この特別会計をこういうように整理をされて、新しい、より国有財産の利活用をはかる。そうしてまた、この特別会計が単なる資金処理というところから事業会計に発展的に整理をされてきたということなんでありますが、その最大の重点を置いてこれらの中でやっていこう、その特別会計を新たに発展的に事業会計にしてきたということで、何が一体整備されるといいますか建設が促進をされる、その一番ねらいとするところ、ここをこうやりたい、そういうためにこの改正をやるのだというその中心的なものといいますか、最重点を置くねらいというものはどこにございますか。
  105. 相沢英之

    相沢政府委員 対象施設としましては、特に飛行場をやりたいとかあるいは刑務所施設整備をやりたいということを考えているわけではございませんので、要するに、現在ございますところの官庁の庁舎その他の施設というものを極力利活用して、その整備の促進をしたいということになっているわけでございますので、特にそのうちどれを中心整備を促進したいというようなことを考えておるのではございません。
  106. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 そうしますと、やはり国の庁舎等整備というようなものが中心にはなる、こういうように理解していいわけですか。
  107. 相沢英之

    相沢政府委員 四十四年度の歳出予算で見てみますと、金額的に大きいものは刑務所等の収容施設整備、それから鹿児島空港整備ということになりまして、あとは一件当たりといたしますとそれほどの金額のものにはなっておりません。今後のことを考えましても、一件当たりの金額として大きいのは、やはり公共飛行場整備あるいは刑務所等の収容施設整備ということになろうかと存じております。なお、ことし一番金額的に大きいのは宮内庁御料牧場整備の二十二億でございますけれども、これは臨時的なものであります。
  108. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 国の庁舎その他の施設処分及び代替施設取得に関する計画特定国有財産整備計画として定める、この整備計画というのは部分的にでも現在まであったのですか。この特別会計を発足させてそれからつくるわけですか。そこらのところはどうなんです。
  109. 谷川寛三

    谷川説明員 今度は、法案の提案理由にもございましたように、範囲が非常に広くなりましたので、いままでは国の事業の用に供する庁舎その他の建物だけに限っておりましたのを、ずっと広くいたしましたので、ここに書いてありますように「特定国有財産整備計画」と計画の範囲も拡大したわけでございますが、従来は庁舎だけでございますので、「特定庁舎等特殊整備計画」といたしまして発足以来今日まで六次まで計画を出した次第でございます。
  110. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 今度はその範囲が非常に広くなった、それを全部対象に入れて整備計画というものはいつごろできるのですか。
  111. 谷川寛三

    谷川説明員 ここに、予算書に書いてありますもろもろのものをとりまして、ほんとうならば予算の概算要求を出すころまでに一応案だけでもつくりまして、そして主計局予算の査定が済みましてきまるころに同時に計画ができるというのが平年度のあり方だと思いますが、今回は、法案が今度改正になりましたものでございますので、初年度といたしましては、これが通りましたらさっそくにいま予算書に出ておりますものに基づきまして細部の計画をつくるということに——これは変則的でございます。初年度だけでございます。明年度以降は、先ほど申しましたように、概算要求のころに案ができる、そして予算がきまるころにきまるというかっこうになると思います。
  112. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 そうしますと、特定国有財産整備計画というのは、予算の裏づけといういわゆる単年度の計画だけでしかできない。三年間であるとか五年間のある程度長期的な展望というようなものをつくっておいて、それを一つの中長期的な計画として、それに合うような形でこの特別会計の中で努力をしていくというようなものではなくて、その予算の裏づけになる計画という程度でしかない、こういうわけですか。
  113. 谷川寛三

    谷川説明員 この四十四年度の予算に載っておりますものについて見ていただいてもわかりますように、たくさんございますが、その中で金額の小さいのは単年度だけでできるものもありましょう。ところが、鹿児島空港とか三里塚牧場とかといったふうに、それから東京拘置所のかわりの拘置所といったふうに二、三年の建設の期間を要するもの、これは債務負担行為をとるというかっこうになるわけです。
  114. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 そういうものであるということはわかりました。  それからこの「国の庁舎等」の「等」の中に、いわゆる公務員宿舎というようなものについて、大体二十五万戸くらい一切がっさい含めて今日あるようでありますが、これは今日どのくらい宿舎がほしいというような公務員側からの需要といいますか、希望というものがあり、それに対してどの程度充足しておるのか、将来どういうように公務員宿舎というものを増強していく計画があるのか、その辺の計画をひとつ……。
  115. 谷川寛三

    谷川説明員 まず法案につきましては、いまお話しのように、従来は公務員宿舎をはずしておりましたが、今回は公務員宿舎もこの計画に乗っていけるようになりました。従来よりずっと促進されるかと思っておりますが、現状を申しますと、公務員宿舎は四十三年度末におきまして約二十六万七千戸になります。安定率と申しますか充足率と申しますか、職員の方のそれは大体全体で九五%くらいになろうかと思っております。  それから、公務員宿舎につきましては、四十一年度にそのときのいろいろ公務員宿舎の御要望等を各省から承りまして、四十一年度を初年度といたしまするところの五カ年計画をつくりました。四十五年度までに五万戸建てようということにいたしましたが、大体四十三年度までに二万八千戸を建設することにいたしまして約五六%の達成をいたしております。四十三年度も相当入りましたし、おおむね順調にいっておると思っております。
  116. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 そういうところから見ましても、まだ五カ年計画の半分ちょっとしか充足してない。ところが、四十四年度の計画では、この中ではほとんどないわけですね。それ以外の一般会計であと四十五年までの五万戸は全部できる計画になっておるわけでありますか。その点はっきりひとつさしておいていただきたいと思います。
  117. 谷川寛三

    谷川説明員 四十四年度につきましては、この特別計画のほうには出ておりませんが、一般会計とそれから国家公務員共済組合から借り入れのものも入れまして、予定どおりのテンポで進捗をいたしております。
  118. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 この昭和四十四年の予算を見まして、特に四十四年度は宮内庁御料牧場の問題が二十二億という非常に大きな額を占めておるという答弁が先ほどあったわけでありますが、さらにそのあとの刑務所の問題であります。この刑務所も十七億九千二百万円ということでありますが、これは大体三カ所くらい予定されておるという話であります。岡山、宇都宮あるいは京都というような——この一番大きいところ二つが私どものところに関係がありまして、その宮内庁御料牧場、先ほど村山委員がかなり詳しく聞きましたけれども、栃木県の高根沢に三里塚の御料牧場が移されるという形になるわけでありますが、この二十二億というのは高根沢に御料牧場として完成される一切の経費がこれだというように理解していいわけですね。  それともう一つ、これと同額の三里塚牧場処分の代金といいますか、それを引き当ててしかも余りがあった場合には、それは全部現物出資ということになるというふうに伺ったわけでありますが、そういうことでございますね。
  119. 谷川寛三

    谷川説明員 けさほど村山委員の御質問に対しまして航空局長のお答えしておるとおりでございますが、交換をいたしまして、残りは現物出資をするわけであります。
  120. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 この高根沢につくられる御料牧場は大体二百五十町歩程度でありますが、この土地買収につきましても、これは非常に安い値段で、農民の諸君もあとになって非常に後悔して、たいへんなことをしたというようなことを言って、相当不満を持っておるわけであります。先ほど航空局長からも答弁がありましたような、三里塚あたりにおいてはいま大体反当たり畑で百二十万くらいというにもかかわらず、この高根沢ではちゃんとした畑地等でも二十五万から最高が三十万くらいのところで、まあ四分の一以下というようなたいへん安い値段で取得されているという状況になっておるわけであります。この点は地元でそれで了解したのだからしようがないじゃないかと言われるわけでありますが、この差額のほうについては、売り払ったものの残りは現物出資するという、そのことが非常に高根沢の地価を安く買いたたいて——これは知事が乗り出していってきめるというようなこともあったわけでありますが、こういうものに対してあまりにもこれは安過ぎたのではないか、こういうように思うのですが、大蔵省としてのお考えはどうですか。
  121. 谷川寛三

    谷川説明員 私どももよく検討させていただきましたが、私どものほかに不動産の鑑定の専門の方の評価意見もとっておりまして、いまいろいろお話がございましたけれども、私どもとしましてはまあまあ妥当な価格ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
  122. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 その点をいまさらここで論争しても始まらぬのですけれども、たとえば矢板のバイパス、高根沢からそう遠くない国道の改修のためにバイパスをつくったわけですが、そこでもやはり畑あるいは田では反当たり四十何万というような数字も出ているわけなんです。そういうようなものから見ましても、これは非常に低かったということがいえるわけです。また、いま東北縦貫道で栃木県内でやはり買収交渉が進んでいるというようなところでも、反当たり百万を下っては断じて売らぬというような声が出ているときに、昨年か一昨年あたりにその程度でということは非常に問題があったわけであります。しかし、とにかく地権者がそれで納得したということなんだから、私もこれをいまさらどうこうは申しませんけれども、何らかの形で、——やはりそういうことでそこの土地を手放したことによって営農に支障を来たし、出かせぎに出なきゃならぬというようなことなどもありますし、この牧場の中で十分待遇をして使用してもらえるというようなある程度の話もあるようでありますから、そういう中でやはりある程度埋め合わせのようなものを考えてやらなければいかぬと思うのです。そういう面についても、この価格の問題で大蔵省のほうからもひとつ要請というかそういう面での配慮というようなものを、非常に安く買いたたいたことについての配慮というようなものをやっていただくように、これは要請をいたしておきたいと思います。  次に、栃木県の黒羽に刑務所を新設をすることになっておるわけでありますが、宇都宮の刑務所を廃止する、したがって、これが当然黒羽に移されるということにもなるでしょうし、また東京の小菅の刑務所ですか拘置所ですか、そういうものが一緒になってそこに移される、こういうようなことになっておるわけでありますが、十七億九千二百万のうち、どれくらいで刑務所施設というようなものが土地を含めて取得されるのか、この点ちょっと伺いたいと思います。
  123. 安原美穂

    ○安原政府委員 法務省に直接関係ございますので、法務省会計課長でございまするが、いまのお尋ねに対しましてお答え申します。  実は広瀬先生御指摘の黒羽にできます刑務所は、宇都宮刑務所を廃止して、それにかえて黒羽につくるということでございませんで、組織上は、いわゆる巣鴨プリズンのあと地処分等一連の国庫債務負担行為の一環といたしまして、小菅刑務所のかわりに多摩青梅に刑務所をつくるという計画がとんざいたしまして、したがいまして、この黒羽の関係は組織上は、あるいは国庫債務の関係では小菅刑務所のかわりに黒羽に刑務所ができるということになるわけであります。ただ、実際問題といたしまして、栃木県にたくさん刑務所ができるという問題もございますし、宇都宮の地元からも、宇都宮の市内にあります宇都宮刑務所につきましては移転要請がございました。   〔山下(元)委員長代理退席、委員長着席〕 栃木県にそういう黒羽刑務所ができました場合には、今後の問題としては少なくとも宇都宮刑務所にかわるものを、県外に代替所をつくるかどうかはまだきめておりませんけれども、いずれにいたしましても、栃木県にある宇都宮刑務所というものがなくなるということだけは確定しておるということでございます。  それから、いまの黒羽の刑務所所要経費の見込み額でございまするが一私ども総額で二十二億八千五百八十六万二千円というふうに考えております。その内訳は、土地が一億二千万円くらい、それから建物の関係が二十一億六千万円くらいというふうに考えておりまして、そこに収容されますいわゆる収容者の数は大体二千名をもくろんでおりますし、職員の数といたしましては三百二十名というふうに予定いたしております。
  124. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 敷地の面積はどのくらいになりますか。
  125. 安原美穂

    ○安原政府委員 坪数で申し上げますと約六万坪でございます。
  126. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 そうすると、宇都宮の刑務所は廃止をされるわけですね。廃止をするということだけがきまっている。これがあそこに収容しておった囚人の人たちをどこに移すということではないのだ。そこらのところよくわからないのですけれども、宇都宮刑務所をいつ廃止をされて、宇都宮刑務所に現在いる職員の人たちはどう処理されるのか、囚人はそれではどこへ持っていくのか、これは刑務所によっていろいろ性格も違っている場合もあるわけですから、そこらのところはどういうことになりますか。
  127. 安原美穂

    ○安原政府委員 黒羽刑務所ができました場合には宇都宮の刑務所というものはなくなる。しかしながら、国全体といたしまして、収容施設として宇都宮の刑務所にかわるものを県外につくるかどうかということはまだ確定しておらないということでございます。  これはそれでございまして、現実の問題といたしまして、宇都宮におる、中に入っておる収容者はどうするかという問題も、これから黒羽の刑務所にどういう分類をした収容者を入れるかということも、いま計画を樹立しておる段階でございますので、おそらく宇都宮の刑務所におります収容者の一部は少なくとも黒羽に移されると思いますけれども、宇都宮の刑務所に入っておる者の犯罪の経歴なり傾向なり、あるいは刑期というようなものを考えまして、場合によりましては付近の収容施設に分散して収容するか、あるいは宇都宮の刑務所にかわるものをつくりました場合にはそこに収容するということになろうと思いますが、いまだ確定はいたしておりません。  それから職員につきましては、やはり一番もよりのところでございますので、宇都宮の刑務所の職員の大部分を、黒羽の刑務所に転任をして勤務してもらいたいというふうに本省では考えております。
  128. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 その問題はそのくらいにいたしておきます。  特定普通財産、駐留軍提供施設というものが今度の特別会計対象になるわけでありますが、これはどういうことが構想されているのか、この点ちょっと明らかにしていただきたいと思います。
  129. 相沢英之

    相沢政府委員 今回の改正案によりまして、特定国有財産整備計画対象となりますものは、従来の庁舎等行政財産のほか、普通財産が入ることになるのでございます。そこで普通財産は、一般的には行政目的に供せられていない財産でございますから、特にその財産処分いたしまして、これにかわる新しい財産取得するということがないわけでありますけれども、駐留軍に提供いたしております財産は、国有財産区分としては普通財産になっているけれども、特定用途に供されているわけでございます。したがいまして、特定用途に供されている財産代替物を取得することがあるわけでございますので、この特別会計における普通財産整備として出てくるものは、結局この提供施設になるということでございます。
  130. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 それでは、現在この対象を広げる中にそれを入れたというだけで、いまのところは特別な構想とか計画とかいうものはないというようなお答えだったと思うのですが、最近米軍に提供しておった施設等についても一つ一つ点検をして、また日米関係における民族感情というもの等も、安保問題を明年に控えてかなり先鋭化するものもある。そういう中で米軍が地位協定等において提供を求めておる財産が、非常に膨大なものがある。それらの中でかなり不用の分も出ておるのではないかというようなことで、とりあえずこの特別会計の中で処分をして、それでまた歳入見合いにして別な施設を米軍に提供する、こういうようなものでいまの時点において話題にのぼっておるというか、この特別会計対象になるケースというようなものは、いまのところただ法律としての整備をやっただけで、そういう具体性というものはまだ何もこの問題についてはない、こういうように理解していいのですか。
  131. 相沢英之

    相沢政府委員 駐留軍の提供施設につきましては、はたして現在のような大きさ、あるいはその地点において提供されることが必要であるかどうかという点については、先般来検討が行なわれて、ある程度の数の施設が返還ないし返還される予定になっていることは承知いたしておりますが、そういう駐留軍に対する提供施設全般についての検討は検討として行なわれるわけでございまして、これはもちろんそういう検討と関連は持っておりますが、ねらいは、現在提供されております施設としてさらに今後継続して提供されるべきものであるが、しかし置かれているところの環境が、過去はともかく、現在においてはいろいろな点からして適当でなくなっているものをしかるべき場所に移転をする。そのことが一般の住民感情その他からして妥当であると判断される場合に行なわれるわけでございますから、そういう駐留軍に提供する施設のいわば合理的な再配置を促進することになるのではないかと考えております。四十四年度の予算には王子病院の移転が御案内のとおりあがっているわけでありますが、今後この特別会計でどういう提供施設が取り上げられるかということにつきましては、まだ具体的な話は私どもも聞いておりません。しかし、同じように都内と申しますか、都市内から外へ移転するというケースは今後もあろうかと存じます。その場合には、処分収入があがる限りこの特別会計でやるということになると思います。
  132. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 例の問題の王子の野戦病院が四十四年度としては一つだけあがっているわけですが、現在の王子野戦病院をどこに持っていくか、そしてそれはどのくらいかかるのか、そして王子の野戦病院はどういうように処分をされるおつもりなんですか、この点明らかにしていただきたいのでございます。
  133. 相沢英之

    相沢政府委員 私も直接防衛予算の担当でございませんので、詳しいことは存じておりませんが、現在三カ所ぐらいが移転先として候補にあがっておると聞いております。多摩の弾薬庫のあとはその一つだというふうに承知しております。王子病院の移転後の処分につきましては、まだ具体化していないというふうに聞いております。
  134. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 そういう答弁でありますから、きょうはかぜも引いておりますので、この程度でやめておきますけれども、いずれまた資料の要求等いたしたいと思います。
  135. 田中正巳

    田中委員長 河村勝君。
  136. 河村勝

    河村委員 いま問題になっております国の庁舎等使用調整等に関する特別措置法と、それから国有財産特殊整理資金特別会計法、この二つができたのは昭和三十二年であります。それから十二年たっているわけでありますが、その間、さっきの御説明だと、六次にわたって、特定庁舎等整備計画ができておるということでありますが、それに基づいて処分をされた土地建物の金額、それからこの特別会計から一般会計にそのために繰り入れた金額、それからこの整備計画に基づいてできた庁舎等それの金額、これはいくらになりますか。
  137. 相沢英之

    相沢政府委員 特定庁舎等整備計画に基づきまして、庁舎等処分により国有財産特殊整理資金として受け入れられました金額は、昭和四十三年度までに約三十九億円、四十四年度以降に受け入れられる見込みの金額が約七十億円、合わせて百九億円でございます。
  138. 河村勝

    河村委員 いや、私が質問しているのはそうじゃなしに、いままでにこの法律に基づいて処分をされた土地、建物の金額、それが特別会計に入るわけですね。それが一般会計にどれだけいって、この計画に基づいてどれだけの庁舎等ができ上がったか、その金額を聞いておるのです。
  139. 相沢英之

    相沢政府委員 この計画に基づいて処分されましたところの収入は、ただいま申しましたとおり四十三年度までに約三十九億円、四十四年度以降で約七十億円、合計百九億円ということになっております。この特定庁舎等特殊整備計画に基づきまして、一般会計において庁舎等取得費として支出されました金額は約二百二十三億円になっております。しかしこの特別会計から一般会計繰り入れられた金額は昭和三十四年度に二億五千百万円でございます。
  140. 河村勝

    河村委員 昭和四十三年度に二億五千百万円繰り入れただけで、あとはないわけですか。
  141. 相沢英之

    相沢政府委員 四十二年度ではございませんで、三十四年度でございます。三十四年度に二億五千百万円繰り入れただけで、その後は繰り入れを行なっておりません。したがって、三十九億円の売り払い収入から二億五千百万円を繰り入れたわけでございますが、その後、資金の運用利益等上が加わっておりまして、昭和四十三年度末においての資金の残高は四十二億円になる見込みでございます。
  142. 河村勝

    河村委員 昭和三十二年度にこういう制度を設けて整備計画をつくった。それでいて一般会計繰り入れたのがわずかに二億五千万円なら、あとは残らず一般会計の独自の金でつくったわけですか。そうだとすると、制度はつくったけれども、全然今日まで動いていなかったということになるわけですね。
  143. 相沢英之

    相沢政府委員 遺憾ながら、結果的に見ますとそういうことになっております。
  144. 河村勝

    河村委員 そうしますと、わからないのは、今度の新しく対象範囲を広げ、資金会計事業会計に直すことの理由は、いままでのやり方では、この計画に基づく庁舎等処分収入取得経費支出との関係は必ずしも明確にされていない、こういうことを明らかにしていこう、あとは対象範囲を広げるわけですね。そういたしますと、一向にいままで不都合であったという実際的な根拠というのは何もないのですね、やらなかっただけだ。それで制度だけ新しくしようというのはそもそもどういうわけですか。
  145. 相沢英之

    相沢政府委員 昭和三十二年にこの特別会計が設けられました際に、実はこの当時担当しておりました管財局からは、この特別会計事業会計としたいというような要求がありました。庁舎等処分収入をもって代替施設その他の庁舎等施設取得する、そういう特別会計の構想があったのですけれども、当時主計局が反対いたしましてこのような資金会計ということになったわけであります。はなはだわれわれ主計局の人間といたしましては当時の不明を恥じねばならないことになるかもしれませんけれども、こうやってつくりました資金会計が、実際に使う際には一般会計に金を繰り入れるということでございまして、庁舎処分取得との間に有機的な関連がないということになると、やはりうまく動かなかった。特別会計として現在の資金会計がうまく動かなかった、また、うまく動くような仕組みになっていなかったのではないかということは、私ども十分反省しているわけでございます。
  146. 河村勝

    河村委員 どうもひどく正直な御答弁でありますけれども、しかし、実際活用をしてもみないで、それで有効であるかないか、まるで国会でもって法律をわざわざつくって、使いもせぬでこれはだめだというのはおよそ国会を愚弄するもはなはだしいので、大体一般会計特別会計から繰り入れるにしても、それを有効に使うか使わないかは予算化の技術の問題ですね。だからできないはずはないので、実はやらないわけなのです。一体なぜやろうとしなかったのか、それを聞かせていただきたい。
  147. 相沢英之

    相沢政府委員 それは結局先ほど申しましたとおり、特定庁舎等整備計画に基づいて取得した財産が二百二十三億、処分して入った、または今後入る収入が百九億、約半分になります。この庁舎等処分収入をもって新しい施設をつくるにしては金額的にかなり不足している。しかもその処分収入はこの特別会計に入って資金として積み立てられる。各省一般会計のほうに施設整備として要求をし、折衝をして認められるならばそれで済むということになっておりますものですから、どうしてもこのような施設処分して新しく財産取得したいというような形での要求、これに対する折衝という形になりにくい面が実際問題としてはあったのだろうと思います。そこで、資金は十億やそこらではあまり資金らしくもない、ある程度かためて、たまったところで一般会計繰り入れて使いたいというような気持ちもございまして、三十四年に二億五千百万円繰り入れた形で、その後は特別会計でいわば滞留しておったというのが実情だと思っております。
  148. 河村勝

    河村委員 そうしますと、ことしになってから新しく対象範囲が広げられて予算化をしようというものは、飛行場であるとか宮内庁の御料林であるとか、こういったようなものは別段新しく特別会計をつくろうとつくるまいと、普通に処理して、一般会計のままで処理しても一向差しつかえないものですね。それから対象を広げたというのはほんとうは今回の改正理由ではないので、やはり一種の特定財源をこしらえて、大いに庁舎やなんかをつくってやろう、そういうことが動機である、そういうふうにしか考えられないのですが、そういうことなのですか。
  149. 相沢英之

    相沢政府委員 特にそういう宮内庁御料牧場とかあるいは刑務所等施設整備を促進するためにこの特別会計のいわば改組を考えたのでないことは、先ほど私が申し上げたと存じますが、そうでなくて、やはり国の庁舎等施設というものの整備は、できれば一般の税金その他の財源を使ってやるのではなくて、現在あるところの庁舎等施設国有財産をできるだけ有効に活用することによって整備すべきじゃなかろうか。そういうことで、やれる限りはそれでやって、やれない、足らない部分は一般会計から一般財源でもって補てんしてもらう。そういうふうにすることがいいんじゃないかという考え方なんでございます。したがいまして、四十四年度はその初年度であるわけでして、従来の建築交換等の引き継ぎが大部分ないしは懸案事項の処理がそのほとんどでございますから、われわれの考えておることが予算の面で必ずしも十分に具体化されないといううらみはございますけれども、気持ちはそういうところにあるわけであります。
  150. 河村勝

    河村委員 その話はそれでしかたがありませんが、大体いま国有財産、特に国有土地ですね、これはたいへん大事なものであって、これを有効に活用することはたいへん大事でありますけれども、しかし、いま新しく立法を考えるなら、この土地を生かして庁舎であれ、空港であれ、そういったものをつくろうという方向でものを考えるのは間違いであって、むしろ、特に大都市中心でありますけれども、市街化していく区域の中にある国有地をもっと活用して、国全体の土地利用計画をほんとうにやろう、そのために国有地を有効に処分するというほうに重点を置いた考え方をすべきであると思いますが、政務次官どうお考えですか。
  151. 上村千一郎

    上村政府委員 今回の法律改正につきましては、いま相沢次長が述べたのはきわめて率直に申し上げておって、反省の上に立って、そして将来特定施設について整備をしていこうという考えに立っておることは確かなんでございますが、いま先生おっしゃいましたように、都市計画その他都市問題の盛んなときでございますので、私は、いま先生がおっしゃったような点をよく頭に置いて、処置をしていくべきものだ、こう思うのです。それでございますので、財源措置、そういうような問題につきまして、先ほども村山委員に申し上げた際に触れましたけれども、一般会計繰り入れあるいは借り入れ金とかその他の財源なども活用しておる、こういうわけでございます。
  152. 河村勝

    河村委員 ちょっと伺いたいのですけれども、いま、たとえば東京都内で、公務員宿舎等の二階建て以下ぐらいで、有効に土地を利用していないと思われるもの、それから刑務所等のごとく、市街化した地域の中にあるのにふさわしくないもの、建物はどうでもよろしいから、そういった土地の合計ですね。完全なる空閑地はもちろん入ります。そういうものの合計は、東京都でいえば何ヘクタールぐらいですか。
  153. 谷川寛三

    谷川説明員 東京都内の二十三区をとりまして見てみたのでございますが、あまり狭いところもいかがかと思って千平米以上を一応拾ってみました。一般会計特別会計合わせまして、建物で申しますと、いまお話しがありました二階建て以下でございますが、十七万九千平米、そこの土地が九十三万六千平米になっております。ところが、この中には自衛隊の駐とん地も入っておるわけでございまして、ちょっとこれは立体化ということもいろいろ制約があろうかと思います。それから農林省の林業試験場、こういうものも入っております。それから検察庁のようなものもございます。これもやはりいろいろ問題があろうかと思いますので、そういった特殊なものを除いていきますと、いまお話しになりましたような目的に利用できますものは六万七千平米ぐらいじゃなかろうかと見当をつけております。九十三万六千平米と、統計で見ますと土地も広いし、なにでございますが、制約のあるものをずっと除いていきますと六万七千平米くらいと考えておる次第であります。
  154. 河村勝

    河村委員 別段試験場を除く必要はありません。いろいろな試験場にしたところで、二階建て以下の建物でやっている理由はないのです、非常に大きな機械でも使うなら別ですけれども、ですから、実際有効に活用できるところはずいぶん多いのです。ですから、これを、都市の再開発あるいは都市計画を進める、あるいは公園緑地に振り向けるのもあるでしょうし、建物を処分したりなんかする際のあと地に使うこともあるでしょうし、そういった方向に計画的にやるべきものだと私は思うのです。ですから、まずこういう官庁等の建物整備計画ではなしに、都市計画と見合った活用計画をつくって、そういうものをどうやって生かすかという特別会計にこれを初めから変えていくべきものだと思いますが、いかがでしょうか。
  155. 上村千一郎

    上村政府委員 実は、先生のおっしゃる点はよくわかりますし、また、現在都市計画あるいは都市開発という問題が非常に大きなウエートになっておりますし、重要な問題になっておることは確かだと思うのです。ただ今回の改正によりまして特定国有財産整備特別会計でいく、あくまでも国有財産整備計画でいくという構想のもとに改正を立案したわけでございますので、先ほどいろいろと御説明をいたしたような次第で、いま先生のおっしゃるような点は運営上よく頭に入れながらやっていく、こういう考えでございます。
  156. 河村勝

    河村委員 その考えは私は間違いだと思うのです。別段私は、庁舎であれ刑務所であれ、これを活用してつくっていかぬと言っているわけではない。市街地内にある遊休あるいは遊休に準ずる、あるいはふさわしくない土地建物を処分すれば代替施設をつくるのは当然でしょう。代替施設がなければいかぬわけですから。だけれども、その目的というものは代替施設をつくる、あるいは庁舎をふやそうというような感じのものではなしに、市街地内にある土地を有効に都市計画のほうに使うんだという立場でもって、この法律をつくり直してお出しになったらいかがかと思いますが、いかがでしょう。
  157. 上村千一郎

    上村政府委員 いろいろと御意見もあるわけでございますが、私どもの考え方は、先ほど相沢次長あるいは谷川次長が申しておりますように、とにかく国有財産整備に対してはできる限り従来の国有財産を有効に使用いたしまして、また、処分した財源を有効に使用して、そしてやったほうがよかろう、効率的に活用していったほうがよかろうという考え方であるわけです。がしかしながら、実際問題としましては、今後の国有財産整備をやっていく、資金会計から事業会計に移っていった、そういうことになりますと、あくまでも、一方の国有財産処分しておってその代替で新しく整備していくという考え方よりも、もっと広い考え方をとるとともに、いま先生おっしゃいましたように、市街地にあるところの国有財産というものにつきましては、いまお話しのような利用ということも大いに考えていかなければならぬということになりますと、財源措置としましてはいろいろと不足してくる点もある。また、事業計画でございますから、今後の整備計画をうまくやっていくためには財源というものの必要な点が生じてくる。でございますので、結局一般会計からの繰り入れとかあるいは借り入れ金その他で財源措置も考えていこう、こういう着想になっておるわけでございますので、ひとつよろしくお願いいたしたいと思っております。
  158. 河村勝

    河村委員 これ以上押し問答してもしかたがないのですけれども、いま国有財産を扱う際に、私はこういううしろ向きの姿勢で考えることに非常に不満なんです。ただ国有財産活用して新しい政府関係施設をつくろうというような、そういう狭いところに極限されてスタートしているわけですね。それじゃやはりこれからの運営だって大体先が見えていると思うので、そういう意味で、私はこの際、もっと新しい観点から前向きにこういう問題に取り組んでほしい、そういうふうにお願いをしたいと思います。  そこで一、二聞きたいのですが、建築交換というものはいろいろな弊害があるからこれを今後やめてもらいたいということも、一つの今度の改正理由になっているような御説明なんですけれども、現実には、四十四年度は建築交換が大部分ですね。一体これは、やめる気なら一般会計だっていつでもやめられる性質のものだと思いますが、その点はどうお考えですか。
  159. 相沢英之

    相沢政府委員 もともと建築交換という形は、国有財産交換の原則から考えますと、私は異例であると思います。というのは、交換というのは現にある土地とか建物同士の交換なんでありまして、相手方にものをつくらしてその上で交換をするというのは、これはいわば例外的な措置だろうと思います。従来、そういうような建築交換国有財産のいわば活用ということに結果的になったという面もあり、かつ、ある程度財産を持っている省庁の施設整備を促進するということにもなっておりました。そういった点のメリットはあったかと存じますが、しかし、そういう相手方を特定して、それとの間に整備を伴う庁舎処分取得というものを行なわせるということになりますと、とかく国の側から、つまり庁舎整備を促進したい官庁の側からいたしますと、相手と話をつけるために財産の評価をとかく、渡すものは押えられる、取得するものは高く評価されるというようなそういった弊害もございますし、また相手方を特定するということは、随意契約でございますから、その随意契約に伴ういろいろないやな問題が起こり得るということもありまして、できれば建築交換はできるだけやめていきたいというふうに考えておるわけであります。したがいまして、四十四年度の特別会計におきましても、できるだけ建築交換方式をやめたいというふうに存じておりますが、すでに四十三年度までにもう建築交換でやるというふうに話がついているものが相当ございますので、それを打ち切ることも困難なので、さしあたりはそれを全部この特別会計において吸収をしております。したがいまして、建築交換は相当あるわけであります。今後はできるだけ建築交換方式によらないでやっていきたいと思っております。  もちろん、一般会計においても、おっしゃいましたとおりに建築交換方式によらないで、施設取得及び処分それぞれ予算を立ててやることは可能なわけでありますけれども、何ぶん一般会計という広い世帯の中にありますと、その間のつながりが明らかにならないという点に問題もございますので、この特別会計区分をしてやれば、そういった点はつながりが明瞭になるのじゃないかというふうに思っております。
  160. 河村勝

    河村委員 四十四年度の建築交換をする対象が幾つかありますが、その中で御料牧場とか王子の陸軍病院なんていう、こんなのははっきりしておりますけれども、あと刑務所その他幾つか並んでいるものの交換の相手方は一体どこですか。
  161. 谷川寛三

    谷川説明員 東京拘置所のように大きな施設につきましては、けさほどの御質問でも申し上げましたが、新都市開発センターでございますとか、その他大体当該刑務所所在の地方団体になっております。
  162. 河村勝

    河村委員 大体というのは例外もあるというわけですか。
  163. 谷川寛三

    谷川説明員 例外もございます。
  164. 河村勝

    河村委員 例外というからには少ないんでしょうから、ちょっと言ってください。
  165. 相沢英之

    相沢政府委員 四十四年度の歳出の中で、川越の少年刑務所、これは相手方が新都市開発センター、それから岡山刑務所も同じく新都市開発センター、それから東京法務局の杉並出張所、これは日本勧業角丸証券、それから東京法務局の局長宿舎が日本橋地所という株式会社、それから第三管区海上保安本部浅間台送信所、これが東京芝浦電気というような例でございます。
  166. 河村勝

    河村委員 この東京拘置所とかあるいは川越と岡山の新都市開発センターですか、これはさっきのお話で株式会社であるけれども、何か都市計画事業ですか。この性格はどういうものですか。
  167. 谷川寛三

    谷川説明員 都市計画法に基づく都市計画事業といたしまして、高速道路の五号線との取りつけ道路、インターチェンジ、バスターミナル等をつくるとかいったようなことをすることになっております。
  168. 河村勝

    河村委員 角丸証券、これは株屋ですね。日本橋地所、これは不動産業者でしょう。東芝電気は、まあ銘柄はとおっているけれども、民間の会社ですね。特にこういう角丸証券だの日本橋地所を建築交換の相手に選んだというのは、一体これはだれがどういう責任を持って選んだのですか。
  169. 田口公明

    ○田口説明員 法務省の官房参事官でございます。私のほうの直接の担当者がおりませんので、詳細なことはわかりかねますが、私の承知しておる限りでは、ただいま御指摘のありました東京法務局の杉並庁舎関係では、私のほうが渡します財産を証券会社において事務庁舎として取得したいという特に希望がございました。いろいろ折衝した結果、相手方の希望がもっともであるという、こういう判断をいたしまして相手方として指定した、こういう状況でございます。
  170. 河村勝

    河村委員 こういうことを一々せんさくしようとは思いませんけれども、性格的に一番変な煙の出そうな相手とこういうことをやること自身が、こともあろうに法務局なんというところが、私はむしろ非常に不謹慎だと思うのです。もともと建築交換というのは、先ほどから相沢さんの話にもありましたように、大体が公入札をのがれるための脱法的なやつ、それから国有財産の払い下げと言われたくないための細工であるとか、そういったものが多くて、非常に間違いの多いもとですね。ですから、どうですか、公共団体、地方自治体、これはいいでしょう。さっきからのお話で、そういう必要がある場合もあるでしょうから。それから同時に土地収用法の適用し得る資格を持つ事業体、このくらいは今後も許されてもいいと思うのです。ですけれどもそれ以外は、これは制度的に禁止をすることを考えたらいかがですか。
  171. 相沢英之

    相沢政府委員 建築交換国有財産法上の交換の一種ということになっておりますので、法律規定なくしてこれを禁止することはいかがかと思いますが、しかし、先ほどから申し上げておりますとおり、建築交換というのはあまり好ましいやり方ではない。特におっしゃいましたとおり、地方公共団体その他公的な機関以外のものとの建築交換は望ましいことではないと思いますので、これはできるだけやめる方向で検討したいというふうに存じます。
  172. 河村勝

    河村委員 政務次官、いかがですか。これは立法が必要かもしれません。政令ではいかないのかもしれませんけれども、私が言っているのは無理を言っているわけじゃありません。奨励すべきじゃないかもしれませんが、地方自治体は許され一るでしょう。それから土地収用法適用事業、これも許される場合があるでしょう。しかし、それだけを除外すれば、禁止しても何ら支障ないはずだと私は思うので、ここで態度を明らかにしていただきたいと思うのですが、いかがですか。
  173. 上村千一郎

    上村政府委員 いろいろと建築交換の問題につきましてはとかくの論議になるし、それからいろいろの事情が伏在しやすいところなんです。ただ、いま相沢次長言いましたのは、具体的な場合におきまして、特定の場所がぜひほしいという、各官庁によりましていろんな施設の場所、そういうようなことも具体的にはある。それがたまたまその場所なりいろんなものを確保する意味におきまして、いまの地方公共団体その他、先生が御指摘された事業以外の事業体の所有になっておる場合もあり得る。そういうような事情もあって、全部禁止してしまうということもいかがかという考えかと思いまするが、いま先生のおっしゃったような方向で善処していきたい、こういうふうに思っております。
  174. 河村勝

    河村委員 今度、いま審議中でありますけれども、これが改正をされて、それで事業会計に変わるわけですね。そうすれば、やる気になれば、これを活用すればできるのですよ。いままでの一般会計の中の歳出歳入両建てにして苦しいやりくりをするということを無理にやらぬでも、それを生かせばできるのでしょう。そのためにこの法律改正をここで審議をしているわけでしょう。それにもかかわらず、私が申し上げたように地方自治体とか土地収用法適用事業とかという、初めから除外していいものを初めから提案しながらおやりなさいと言っているのに、まだ逃げる必要があるのですか。それならこの法律案審議する理由がないから、もうやめたほうがいいんじゃないですか。
  175. 相沢英之

    相沢政府委員 これは対象土地ないし土地を含むものでございますから、やはり国の役所の側としてどうしてもある特定の場所が立地からいたしましてほしい、そこにかわりたい。しかし、その所有者が簡単にそれを売ってくれればいいわけですけれども、売ることは売るけれども、しかしそのかわりの土地がほしいとか、あるいは現にそのおたくの官庁が持っているその土地がほしい、それとの交換ならば応ずるけれども、ただ売るだけではいやだというようなことが、私はこれはあり得ると思います。そういった場合の、これは売れれば売るのだ、その金でもってかってにさがしたらいいだろうという、そういうことにならぬ場合も私はあろうかと存じますので、その辺のところは法律で全面的に禁止するということではなくて、運用の問題としてやっていったらどうだろうというふうに考えておるのでございますが、いかがでございましょうか。
  176. 河村勝

    河村委員 いまの話は、実態を無視した詭弁です。大体いまの逆であって、建築交換が行なわれるのは、相手方が当該国有財産がほしいという場合ばかりで、逆の場合はないのですよ。そう思いませんか。
  177. 上村千一郎

    上村政府委員 私も多少司法関係関係した者でございますが、いまこの法務省関係に意外にこういうことが起きてきている、そのことにつきまして私、多少心当たりがあるのです。と申しますのは、刑務所なんかの移転問題や何かは実際上都心の中に入ってまいりますと、早く越していってもらいたいということ、またその施設自体が好ましからざるというのですか、あまりそこら辺におっては好ましい施設ではない。そうするというと、その施設をよそへ持っていった場合に、移転先のほうがまた反対運動をするというようないろいろな苦難な問題が、特に法務省関係に起きると思うのです。それで結局、先ほど先生の御質問をなさった中に意外に法務省のがあったり何かするのは、そんな点ではなかろうかというように憶測をするわけでございます。私は、いま先生のおっしゃったような意味において、建築交換というものについては非常にいかがわしい問題が伏在しやすい要素をたくさん含んでおるから、御趣旨のような線でやるほうがいい、しかし、これを全面的に禁止するというふうにしてしまったのでは、特殊の場合に動きのつかぬ場合も生じやせぬだろうか、こういうようなふうに考えるわけでございます。
  178. 河村勝

    河村委員 いまのは全然話がおかしいですね。大体この角丸証券のは、さっき御説明があったけれども、これも角丸証券が事務所として法務局の建物をほしいと言ったわけでしょう、私の言ったとおり。相沢さんの言ったのは、逆ですね。それから刑務所なんかの場合に、来られちゃ困るから建築交換が要る。来られちゃ困るというところが、何で代替施設を提供することがありますか。これも意味がありませんね。ですからそうお逃げにならないで、私は窮屈なことを言っているのじゃない。どうしても必要な場合があったならば、それは例外規定をつくってもいいでしょう。しかし、原則的に禁止するくらいのことを、そうおっかなびっくり返事しなくてもいいだろう。再度御答弁をお願いしたい。
  179. 相沢英之

    相沢政府委員 例として適当かどうか知りませんが、たとえば王子病院の場合などは、これは別にいまのところ建築交換でやるということになっているわけではありませんから、そういう限りでは例にならないかもしれませんけれども、しかしながら、移転をしようという理由は、これは相手側じゃなくて国の側にあるわけです。国の側でどこかへ持っていかなくちゃならないということになっているわけでございますから、そういう国の側の理由からしてどうしても移転しなくちゃならぬという場合に、移転先を見つける場合に、それがどうしてもこの土地をほしい、そうすればうまく片づくといったことも、それは私はあるのじゃないかと思います。
  180. 河村勝

    河村委員 そう無理をしなくてもいいでしょう。王子病院病院でなくなれば売り飛ばせば高く売れるのですよ。行き先はたまたま今度の場合だって、多摩の弾薬庫にしたところが、どこにしたところが、これは駐留軍の土地の中ですから例には全然ならないんで、そう私は逃げ回る必要はないと思うのですが、何でそうこだわるのかわかりません。しかし、あまり長くなるから、これでやめますが、ほんとうにまじめに考えてください。  それから、資料を一つだけお願いしておきます。さっき私は、東京都区内の二階建て以下の建物、それから刑務所等存在するのがふさわしくないもの、そういうものについての地積を聞いたのですけれども、大阪、東京、名古屋と合わせて数字をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  これで質問を終わります。
  181. 田中正巳

    田中委員長 次回は、明五日水曜日、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後四時一分散会