○手塚
政府委員 最初に飛行機の購入の
計画の問題でございます。
YS11に対する国の製造上の補助金につきましては、私どものほうで生産
行政を
所管いたしておりませんのでちょっとお答えの範囲ではございませんが、YS11につきましては、ローカル空港用の機材としては非常に適機であると考えております。現在、国内運航いたしております日航を除きまして、この飛行機が主力によっているということで、それに対する助成はひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
それから日本航空に対する出資の問題でございますが、日本航空は御承知の国際航空の唯一のナショナルキャリアで、今後の国際情勢から見まして、大いに機材その他強化をいたさなければならぬ
立場にございます。御承知の太平洋のパシフィック・ケースがございましたり、先般結ばれた日ソの協定による自主運航の開始、そのほか周辺国際情勢は非常に緊迫といいますか、日航自体の強化を迫られておるわけでございまして、こういったことから、日航自体で内定をいたしております機材その他の
施設計画等から見ますと、向こう五カ年間で約五千数百億の
資金を必要とすると考えております。その際にできるだけ資本の率を高めるということをひとつ考えていきたい。と申しますのは、機材はすべてこれアメリカから購入をいたしておりますので、アメリカの輸出入銀行から
資金を融資してもらうということをたてまえに考えております。これは今後も可能であろうと考えております。その際に、向こうの輸出入銀行からの要請の重要な
一つとしては、自己資本比率を高めるということを強く要請をされております。そういった観点から、二割の出資を四十四年度として確保するということにして、
予算上ああいった措置をとったわけでございます。今後、補給金のやり方等につきましていろいろなお検討を要すべき問題がございまして、私どもは、四十四年度におきましてこういった
資金の総体について、あるいはまた調達
方式についてもいろいろ抜本的に再検討を必要とするというふうに考えております。しかしながら、目下のところ、機材につきましては、もちろん
政府の保証等も考慮いたしまして、
資金需要としては十分調達が可能であるというふうに考えております。
それから、新空港の問題でございますが、成田の新空港につきまして現在
土地を
取得いたしましたのが全体の約六〇%、非常に概算でございますが、六〇%を
取得いたしております。これは現在登記継続中のものを含んでおりまして、全体
所要買収予定地が六百七十ヘクタールでございますが、それのいま申し上げた率が進んでおります。ただ、この空港を
整備いたしますについては、第一期工事と第二期工事に分けて
整備をすることにいたしておりまして、第一期工事を
昭和四十六年の四月から飛行機の供用開始ができるように
整備をするというたてまえに考えております。第一期工事におきます民有地の買収面積は二百八十二ヘクタールでございます。これはつい先般の買収の率といたしますと約七〇%
程度が進んでおります。今年度じゅうには九割はまず買収の見通しが立つというふうに考えており、したがいまして、その後の工事
計画等を加えてまいりますと、四十六年四月の供用開始は可能であるというふうに考えております。
この買収に関連いたしましての
代替地の問題でございますが、この
代替地につきましては、敷地内に三百二十五戸の移転を要する戸数の方々がおられます。これらの方々に対しまして、ただいま地元の県と公団との協力によりまして、約五百ヘクタールの
代替地を準備いたしております。その五百ヘクタールの中には三里塚の
御料牧場の一部も予定をされておりますが、この五百ヘクタールをもちましておおむね三百二十五戸の移転される方々の
代替地としては間に合うというふうに考えております。なお、この三百二十五戸以外に、
土地の
関係者で非常に反対をしておられる方が一部おられますが、これらの方々についての
代替地についてはなお別途考慮をする、この面積配分なり何なりにつきましては敷地内の皆さんと同様な扱いをしようということで、目下そういう準備とともに空港建設に対する御理解を得べく説得方これつとめておるというのが現状でございます。
それから、空港
整備五カ年
計画の千百五十億についての進捗率のお話でございますが、この点につきましては、ただいままで三年目でございますが、現在のところ四十四年度の
予算計画百二億というのを含めまして、全体として三六という見込みになっております。この中には
鹿児島空港も含まれております。それで、三年目というので三六%というのは非常に進捗度がおそいというふうに一部見られますが、確かに予定が若干おくれておることは事実でございます。
土地の買収等で非常に難航をいたしており、またいたした場所等がございまして、主として
土地取得上の観点からこれがおくれてまいっております。一応
土地取得の見通しが立てば、その後は非常に早いのでございますけれども、そういった意味で現状のところはその
程度でいま終わっております。
それから委託工事の問題で、今後工事を実施するについて委託工事に重点を置くのか、そういうことを推進していくつもりかどうかというお話でございます。私どものほうでは、空港の種別といたしまして第一種、二種、三種とございます。第二種までが国が設置し、管理するというたてまえになっており、第三種空港というのが地方公共団体が設置、管理する、こういうたてまえになっております。第二種空港以上の空港につきまして、一種、二種につきましては国が直轄工事でやるというのがたてまえでございます。これは従来もずっとそれで続けてまいっております。三種空港はむろん地方公共団体でやる。この二種空港につきまして、今回予定いたしております新
鹿児島空港は初めて県に委託を出すということになっておるわけでございます。これはいろいろ事情がございまして、先生も一応御承知かと思いますので省略させていただきますけれども、今後の方針としてはやはり直轄工事につきましてはできるだけ直轄でやりたいということを一応の基本に考えております。