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1969-07-31 第61回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十四年七月三十一日(木曜日)     午前十時三十四分開議  出席委員    委員長 川村 継義君    理事 池田 清志君 理事 内海 英男君    理事 上林山榮吉君 理事 細田 吉藏君    理事 湊  徹郎君 理事 金丸 徳重君    理事 斉藤 正男君       阿部 喜元君    藤本 孝雄君      三ツ林弥太郎君    水野  清君       川崎 寛治君    工藤 良平君       兒玉 末男君    福岡 義登君       細谷 治嘉君    村山 喜一君       稲富 稜人君    小沢 貞孝君       小川新一郎君  出席政府委員         総理府総務副長         官       鯨岡 兵輔君         厚生省社会局長 今村  譲君         気象庁長官   吉武 素二君         建設省河川局長 坂野 重信君  委員外出席者         内閣総理大臣官         房参事官    川上 幸郎君         経済企画庁総合         開発局参事官  島村 忠男君         大蔵省主計局主         計官      井上 幸夫君         農林大臣官房参         事官      荒勝  巖君         農林省農林経済         局保険業務課長 松永 正隆君         農林省農政局農         産課長     上田 克己君         農林省農地局参         事官      井元 光一君         農林省農地局建         設部災害復旧課         長       櫻井 芳水君         農林省蚕糸園芸         局園芸振興課長 千野 知長君         林野庁指導部長 松本 守雄君         林野庁指導部治         山課長     藍原 義邦君         中小企業庁計画         部長      外山  弘君         気象庁総務部長 紅村  武君         気象庁予報部予         報課主任予報官 大野 義輝君         気象庁観測部管         理課長     岡 四四亥君         建設省計画局宅         地部長     播磨 雅雄君         建設省河川局防         災課長     生瀬 隆夫君         建設省河川局砂         防部長     木村 三郎君         建設省住宅局住         宅総務課長   白川 英留君         自治大臣官房調         査官      成田 二郎君     ――――――――――――― 七月三十一日  委員中馬辰猪君、橋口隆君、川崎寛治君、工藤  良平君、楯兼次郎君、細谷治嘉君及び村山喜一  君辞任につき、その補欠として山口敏夫君、増  岡博之君、永井勝次郎君、平等文成君、森義視  君、野口忠夫君及び佐々栄三郎君が議長の指名  で委員に選任された。     ――――――――――――― 七月二十三日  自然災害防止のため気象業務整備拡充に関す  る請願小沢辰男紹介)(第一一一二七号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 七月二十九日  六月及び七月の集中豪雨による鹿児島市災害対  策に関する陳情書  (第七五六号)  六月及び七月の集中豪雨による災害対策に関す  る陳情書  (第七八七号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  閉会審査に関する件  昭和四十四年六月及び七月の梅雨前線豪雨によ  る災害対策  請 願   一 岩手県の林野火災対策に関する請願(野     原正勝紹介)(第七二九〇号)   二 自然災害防止のため気象業務整備拡充     に関する請願小沢辰男紹介)(第一     一一二七号)      ――――◇―――――
  2. 川村継義

    川村委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  この際、閉会審査に関する件についておはかりいたします。  先ほどの理事会において協議いたしましたとおり、災害対策に関する件について閉会審査の申し出をいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 川村継義

    川村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  次に、閉会中の委員派遣に関する件についておはかりいたします。  閉会審査案件が付託になり、その審査のため委員派遣の必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 川村継義

    川村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、派遣委員の氏名、員数、派遣地、期間、その他所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 川村継義

    川村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。      ————◇—————
  6. 川村継義

    川村委員長 これより請願審査に入ります。  本日の請願日程二件を議題といたします。  先刻の理事会協議に基づき、両請願についての紹介議員説明は省略いたしたいと存じます。  日程第二、自然災害防止のため気象業務整備拡充に関する請願について、委員から発言を求められておりますので、これを許します。斉藤正男君。
  7. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 私は、ただいま委員長からおはかりがございました本委員会に対する請願二件のうち、特に自然災害防止のため気象業務整備拡充に関する請願関連をし発言をいたし、関係政府当局見解をたださんとするものであります。  御承知のように、私ども災害対策特別委員会は、去る昭和四十三年九月十九日、「自然災害防止に資するための気象業務整備拡充に関する件」ということで特別決議をいたしました。政府当局に、災害対策に対しまして、特に気象業務整備拡充に対する決議をいたしたわけであります。この決議は、災害による国土の荒廃あるいは人命財産等々に対する激甚な被害というようなことに対して、いわゆる気象業務整備拡充、充実することによって、その投資効果ははかりしれないものがある。今日、高度経済成長政策のもとでたいへんな各産業の発展があるわけでありますけれども自然災害に対する予防あるいは自然災害を未然に防ぐというような対策については、これらの諸施策に比べて十分でない。かなり緊急を要する問題であっても、これが放置をされている。もし事前にこれらの施策が十分行なわれているならば、もっと災害早期予報もできるであろうし、また災害に対する万全の対策も不可能ではなかろうということから、ここに五点の決議をあげたわけでございます。  しかし私は、たとえば本年度、昭和四十四年度の災害関係予算を拝見いたしましても、これが必ずしも十分ではないというように考えざるを得ないわけであります。すなわち、昭和四十四年度における防災関係予算というようなものを拝見いたしますと、まず科学技術研究ということで、関係省庁広範にわたってそれぞれの予算が盛られておりますけれども、その総額はわずかに二十八億七千万でありまして、基本的な科学技術研究といったようなものがまだまだ十分でない。しかもこれをしさいに検討してみますと、たとえばこの特別決議にあげられている気象庁関係予算を見ましても、わずかに一億五千九百万であります。二十八億七千万のうちで科学技術庁が十億二千五百万というような数字をあげておりますけれども、最も災害対策に必要であろうと思われる気象庁のいわゆる科学技術研究は一億五千九百万といったようなことで、ロケットが月へ行って人間が月面を歩いたというようなこの科学進歩に比べますと、一体気象庁はこの一億五千九百万というような額で、いわゆる気象観測科学技術研究ができるのかどうかということについて大きな疑問を持たざるを得ない。災害予防については気象庁四十七億というような予算は計上されておりますけれども、まず第一に指摘をいたしたい点は、いま申し上げましたような観点から、気象庁科学技術研究といったような項目に対する予算措置がきわめて貧弱であって、国民の要望にこたえていないということを痛切に感ずるわけでありますけれども、これに対して総理府ではどのようにお考えになっておられるのか。  それから第二点は、科学技術研究で各省庁のそれぞれの仕事を拝見いたしますとかなり重複をしておりますし、それぞれの省庁が独自な研究をされております。総理府に伺えば、それはそれぞれの分野があってそれぞれの研究をやり、これらを総合して防災に役立てているんだというような御答弁であろうというように思うわけでありますけれども、はたしてそうなっているのかどうか、私は疑問を持たざるを得ない。  たとえば地すべり対策というのがありますけれども、この地すべり対策科学技術庁でも行なっている、通産省でも行なっている、建設省でもやっている。地震に対しましては、当然のことでありましょうけれども、文部省としての部門があり、通産省もやるし、海上保安庁もやる。気象庁はもちろんやっておりますけれども、さらに建設省もやっているというようなことで、地震一つ考えましても五つの省庁がその基礎的な研究をされている。一体これでむだがないのか。あるいは同じような研究をしているのではないのか。しからば重点的にこれをどこがやっているのかというような点について若干の疑問を持たざるを得ないわけでありますけれども、一体こういうような各省庁にわたる災害関係科学技術研究脈絡統合といったようなものについてはどう考えておられるのかということについても、総理府から御見解を伺いたいというように思うわけであります。  第三点は、気象庁でありますけれども、例の定員一律削減によって、気象庁もそのあおりを食っていることは事実だと思うわけでありますけれども、私がかつて予算委員会分科会等で承ったところによりますれば、関係当局は特に気象庁については十分な配慮をいただいて、最小限にとどめることができて日常業務には差しつかえございませんというような答弁をいただいたわけであります。私はもちろん一律削減といったようなことに対しては反対でありまして、これは当然軽重濃淡があってしかるべきだという立場をとるわけでありますけれども、特に気象観測といったような仕事がじみな仕事であり、日ごろは役立たないけれども一たん事あればたいへんな仕事であるということを考えたときに、そしてまたこの気象観測は長い間のデータの累積が結論を生むし、また予報の結果を正確にする。そしてまた予報の集積は迅速な報知という形をとらなければならぬという、いわゆる積み上げによる効果というたようなものも考えましたときに、日常それほど注目を浴びていない、重要視されていない平常業務であっても、そのことは決して人員削減といったようなことによる不手ぎわがあってはならぬし、また手抜かりがあってはならぬというように強く感じているわけでありますけれども、一体こういう一律定員削減といったようなものに対する気象庁がとってきた態度、さらにこれからとろうとしている態度について、まず一点伺わなければならぬと思うわけであります。  さらに観測施設、庁舎を含めて、国の施設で一番おくれている部類に気象庁関係建物は入ると私は思うのです。建物がそのようでございますから、中の施設等々につきましてもこれまた建物に従って古い。今日、防衛庁なりその他の機関が使っている施設に比べれば、気象庁施設器具機械類は決して当代一流のものとはいえない。国産機械ではるかに優秀なものができているのに、予算関係上これを買うことができないというようなことも承っているわけでありますけれども、先ほど申し上げました私の前提からいきますれば、私は近代科学の粋を集めた施設が当然完備されなければならぬ。そのことがばく大な投資効果を生むものであり、人命財産等々については、特に人命についてはかけがえのないものだというようなことを考えますれば、かつての大災害による死傷者の数等々に比べて、最近の災害による死傷者の数等はきわめて少なくなっていることは認めますけれども、これを皆無にしていくということも、やはりそうした施設完備充実によって不可能なことではないし、災害事前にキャッチするためにも、また適切な予防を講ずるためにも最も優先して考えなければならない政治の課題だと考えるわけでありますけれども、こういう点についてどのようにお考えになっているのか、伺いたいと思うわけであります。  以上、総理府に対して二点、気象庁に対して二点お伺いして、見解をお尋ねいたすわけであります。
  8. 鯨岡兵輔

    鯨岡政府委員 お答えいたします。  私どものほうに対する御質問は二点あったように思います。  一点は、気象庁に対して、この重要な気象業務ということに対していまだきわめて不十分ではないか。これがいろいろもとになるし、特に災害相次ぐわが国の状態から見て、これを少し等閑視しているというような傾向があるように思うが、そういうことはないか。総理府はどう考えているかという御質問であったかと思います。  第二点は、地すべりとか地震とかいろいろなことを研究をしているが、その研究が何か各省に分かれて同じようなことをやっているというきらいはないか。もう少しこれを統合し、一元化して効率的な研究をするということが必要ではないか。統合してそれをやらなければならない総理府としてはこの点についてどう考えているかという、二つの御質問であったと思います。  第一点については、全く私ども先生と同じ考えを持っているわけであります。今日のように災害が相次ぎますと、気象がもう少し完全であれば予防もできまするし、適切な事前措置がとれると思うわけでありますので、決してこれで満足しているわけではございません。何とかしてもう少し適切な、そしてできるだけ早い予報をし、これにこたえて各関係方面で万全の措置をとっていただけるならば、同じながら災害を少なくすることができるのではないか。特に人命を救うというようなことはこれによって可能ではないか、こう考えましてせっかくその方面努力をいたしておるつもりでありますが、いまだ先生方の満足していただけるまでに至っていないことはまことに遺憾であります。せっかくそういうつもりで努力いたしておりますることを御了解いただきたいと思う次第であります。  それから第二番目に、同じような研究をしているのではないかということでございますが、これは必ずしもそういうことではございませんで、科学技術研究に関しては、一般的に見積もり、方針の調整科学技術庁で行なっておるのでございますが、総理府におきましても必要に応じてこれらの調整をはかるということは十分にいたしておるつもりであります。しかしながら一般的に考えて、俗にいわれるセクショナリズムといいますか、そういうような傾向が全くないかといえば必ずしもそうではないと思います。私どものほうも十分注意をいたしておるつもりでありますが、及ばざるところも十分ございますので、なお今後ともこまかい御指摘をいただいて、これが効率的な運用というものをはかっていきたい、こう考えておるのですが、何もかも一つのところでまとめてやっていくということがいいか悪いか、その点は十分考えてみなければならぬことだ、こんなふうに思っているわけであります。  それで二つ終わりですが、気象庁に対しての定員削減の御質問あるいは機械化等、もう少し充足してはどうかという御質問は、私どもにいただいた第一の御質問関連をいたすと思いますので、簡単に私ども考えを申し上げておきたいと思います。  なるべく少ない人員で、有能な人をもって効率をあげることが必要だというところから五%の削減ということが出てきたことは御案内のとおりであります。これはどこもかしこもみんな五%でいいということではないと私ども考えております。気象庁のごときは、これは幾ら有能だというても、必ずしも定員がえらい少なくていいものではございませんから、そこで何か一律に何でも五%ということが非常にいいことだとは思っておりません。気象庁のごときは、私ども考えとしてはその範疇に入るものだ、こう考えております。それはそうとして、有能な人間を大ぜい入れて、なお機械設備を充足させる、やはり一番いい機械を充足させるということが必要なことだと思いまして、私どものほうは、そう気象庁のほうもやっておりますから、大蔵省のほうにも十分に予算要求気象庁要求に基づいて強力にいたそう、こう考えておるわけでありますので、御協力もまたお願いいたしたい、こう思っておる次第であります。
  9. 吉武素二

    吉武政府委員 斉藤先生から、もう少し気象業務をしっかりやれという激励のことばをいただきまして感謝いたしております。  先生も先ほどおっしゃいましたように、いま科学技術進歩というものは非常に激しい。たとえばアポロII号が月に行くまでに地球の姿をカメラにおさめて、それを送ってきてテレビジョンにのせるということもやりました。それによってわれわれに非常に役立つ、いままで得られなかったような資料がわれわれに与えられつつある現時点であります。  私は、そういう技術というものをよくわきまえながら、やはり気象業務あり方というものはもっともっと近代化すべきものだというように考えております。たとえば水害がどこかである、そうするとそこに雨量観測所をつくる、そういうことで問題は解決するものではないというように私は考えております。御存じのように日本は非常に小さな島国でありまして、そのまわりに大きな海を控えております。海のかなたには大陸がございます。やはり日本の周囲でどういうようになっているかということをつかむことなしには、今後は私たち仕事はやっていけないのではないか。またそういう資料を得ることは現在すでに技術的に可能になりつつある。一、二の例を申し上げますと、気象衛星というものがいま飛んでおります。毎日私たちはその資料を受信しております。太平洋上の広い範囲にどのように雲が分布しているかということもわれわれはいま知りつつ仕事を進めている段階でございます。気象庁にも電子計算機を入れていただきました。また気象資料自動編集装置も入れていただきました。二、三日前までは、アメリカのエッサから人が来まして、ワシントンと東京の間の気象資料の迅速な伝達をいかにするかということで議論をやりました。それはおそらくは来年の春には実現しまして、われわれは北半球に関する資料を、まだ全部ではございませんけれども、非常に早い速さで短時間のうちに迅速に得ることができる。そういう施設を拡充することによってのみほんとうの気象業務というものが生まれてくるし、それがひいては災害防止に大きく役立つのだ、そういうように私は考えております。  そういう観点に立って、今後気象業務あり方というものを現時点にマッチしたように大いに改革していくつもりでございます。もちろん、人員削減というものがあることは、私にとっては決して望ましい——どう申しますか、肩の荷になることですけれども、新しい技術を取り入れていくことによってここで気象業務というものが飛躍的に発展するならば、それで皆さんの御要望に十分こたえられるであろう、いまちょうど転換期にあるということを先生に申し上げて、私のお答えといたします。
  10. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 総理府並び気象庁から見解を伺ったわけでありますけれども、やはり気象庁関係する皆さんは、長官以下技術者であって、その道にかけてはベテランであるけれども予算の獲得ということになりますとそうじょうずなほうではない。これはたいへん失礼な言い方かもしれませんけれども。そして、やはり理論的にいろいろ説明をし、要求するその態度はりっぱだと思うのですけれども、それだけでは各省庁予算というのはなかなか取りにくいと思うのです。副長官から特に発言があったわけでありますけれども、ぜひ気象庁予算要求に対しては総理府も全面的にバックアップをして、先ほど発言のありましたような精神で、私どもが上げたこの決議項目が、昭和四十五年度の予算編成には具体的にどういう形であらわれるかということについては十分御配慮をいただきたい。私どももまた四十五年の予算の結果を見て、やったかやらないか、本腰であるか口だけであったかということは肝に銘じて、ひとつそのときに追及なりあるいはお願いをしなければならぬというように考えるわけです。  特にこの際お願いしておきたいことは、気象庁予算の中で、いわゆる気象観測船が本年の予算をもって完成するわけなんです。よく調べてみますと、あれが非常に大きなウエートを占めておるわけでありまして、大蔵省は、もうあの船ができたんだからその分だけは削るというようなことは必ず言うと思うのです。私はこれに引き続いて、先ほど申し上げましたような国産で近代的な科学の粋を集めたいろいろな機械があるわけなんですから、当然これらはあの予算をさらにふやして整備拡充の方向へ使うべきだ。あれは船の予算だから、船ができたんだからこれでおしまいだというようなことでなくて、確保して、さらにこれを倍増していただきたいというように思うわけであります。  前段申し上げましたように、決議を上げた趣旨がそこにあることを御了解いただいて、衆議院災害対策特別委員会が特にあのようなことをした意義を具体的に施策の上に盛っていただきますように特に要望いたしまして、私の発言を終わらせていただきます。
  11. 川村継義

    川村委員長 これにて発言は終わりました。  本請願について政府の所見を求めます。鯨岡総務長官
  12. 鯨岡兵輔

    鯨岡政府委員 ただいまのだんだんの御趣旨を尊重いたしまして、私どもとしては最善の努力をいたしたいと思います。  科学者予算要求があまりじょうずでないという御指摘でありましたが、私どもはそのほうがむしろ科学者としては頼もしいのではないかと思っております。われわれはそれをバックアップして、その分はわれわれのほうでやらなければならぬ仕事だと考えておりますので、何ぶんの御協力をお願い申し上げます。     —————————————
  13. 川村継義

    川村委員長 この際、先刻の理事会協議のとおり、両請願について直ちにその採否を決することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 川村継義

    川村委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。  おはかりいたします。  本日の請願日程第一及び第二の請願は、いずれもその趣旨妥当と認められますので、採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 川村継義

    川村委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決定いたしました。  ただいま議決いたしました請願に関する委員会報告書作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 川村継義

    川村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  17. 川村継義

    川村委員長 なお、念のため御報告申し上げておきますが、本委員会に参考送付されております陳情書は只見町の豪雪災害対策に関する陳情書外四件であります。      ————◇—————
  18. 川村継義

    川村委員長 次に、昭和四十四年六月及び七月の梅雨前線豪雨による災害対策について調査を進めます。  まず、政府当局から今次災害に対する措置の概要について説明を聴取いたします。鯨岡総理府総務長官
  19. 鯨岡兵輔

    鯨岡政府委員 今次災害措置について、ただいま委員長からのお話について御報告を申し上げたいと思います。  本年六月二十日から七月十四日の梅雨前線による豪雨災害の被害状況と激甚災害の指定等について御報告をいたします。  まず、一般被害につきましては、前にもたびたび申し上げましたが、今日総計されましたところは、なくなられた方並びに行くえ不明者合わせて八十九名、負傷者が百八十四名、家屋の全・半壊、流失五百二十一棟、床上浸水が一万一千二百二十九棟、罹災者の数は四万七千百三十二人になっておるわけであります。  また、施設関係などの被害は、県の報告によりますれば、公共土木施設等金額にして約三百八十一億、農地等の被害はやはり金額にして百七十億、農作物等百三十三億、中小企業関係が約十六億、その他百二十九億、総計約八百二十九億円となっておるわけであります。  次に、これらに対し、政府といたしましては、天災融資法及び激甚法を適用することといたしまして、政令を明八月一日に閣議決定していただく予定でございます。  激甚法の適用条文は、六月二十日から七月十四日までの断続した豪雨による激甚災害に対しては、激甚法第五条農地等の災害復旧事業等に係る補助の特別措置、第八条天災融資法の特例、同じく第十条土地改良区等の行なう湛水排除事業に対する補助、同じく第二十一条水防資材費の補助の特例及び第二十四条第二項から第四項まで、農地等小災害に係る地方債の元利補給を適用し、また、六月二十八日から七月七日までの断続した豪雨による鹿児島県の川内市の区域に係る局地激甚災害に対しては、激甚法第十二条中小企業信用保険法による災害関係保証の特例、同十三条中小企業近代化資金等助成法による貸付金等の償還期間の特例及び第十五条商工組合中央金庫の貸付金の特例を適用いたすことといたした次第でございます。  終わります。     —————————————
  20. 川村継義

    川村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。池田清志君。
  21. 池田清志

    ○池田(清)委員 六月、七月にわたります集中豪雨によります災害対策の問題については、私ども委員会はさっそく現地の調査をいたし、あるいはまた本委員会において、さらにはまた理事懇談会等におきまして、具体的の問題を取り上げて政府を御鞭撻、その対策実現に推進をさせていただいておるわけ合いであります。そういうことによりまして、ただいま鯨岡長官から御報告のありましたように、具体的の案件がだんだん現実になってまいっておりますことはまことに御同慶にたえません。私は、激甚災害の指定を八月一日に政令告示するということを前回の理事会で拝聴しておりましたが、鯨岡長官の話によりまして、明日をもちましてそれが実現するということで、まことに歓迎をいたすものであります。  その中身についても御報告があったのでありますが、中身について一、二お尋ねをいたしますと、農地に対しまする激甚災害は、つまり広域の激甚災害指定でありますから、もちろん地域的に申しますと、この災害を受けたところのすべての府県にわたるべきである、こう考えるのでありますが、それは一体どうであるのか。  次には中小企業関係の局地激甚災害の指定につきまして、鹿児島県の川内市をあげていただきましたが、その他の市町村については局地激甚災害に当たらないのか。たとえて申しますと、同じような被害を受けましたところの鹿児島県の東郷町のごときはいかに相なっておるかということについてお尋ねを申し上げます。
  22. 川上幸郎

    ○川上説明員 お答えいたします。  ただいまの第一点の、第五条の農地等の災害復旧事業の件でございますが、これは先生が御指摘のとおり局地激甚ではございません。これは一般激甚でございますので、全国に及びます。  それから第二点の中小企業関係の川内市の局地激甚の件でございますが、これはただいまおっしゃいましたとおり、被害が多く発生しまして基準に該当いたしましたのが川内市でございますので、東郷町につきましてはちょっと、被害の明細等につきましてあとなお通産省調査中であると存じまするが、該当してはおらないというふうに理解いたしております。
  23. 池田清志

    ○池田(清)委員 ただいまのお答えの東郷町でありますが、罹災された方々については、これは川内市の罹災者と同様であるということを政府もお考えいただきまして、できるだけここにも局地激甚災害の指定をしていただくようにまずお願いを申し上げておきます。  次に、この激甚災害を指定せられますと融資の条件緩和ということが行なわれてまいるのでありますが、鯨岡長官の御説明にもありましたように、それぞれ実現をされることになりますと、政府が行なわんとするのは現行の法制のもとにおいてできるだけのことをしようということにとどまる。それは現在の行政としてはやむを得ないかもしれませんが、たとえばわれわれの委員会といたしましては、金利六分五厘というものに下がってまいりますけれども、それではまだ罹災者を救済するに足らない。ですから、三分五厘という金利の制度もあるから三分五厘まで下げるようにしたらどうかという主張をし、その主張をまだ取り下げておらないのでありますから、政府におきましても、委員会のその趣旨に沿って、この問題については下げるように努力をしてほしいということを申し上げますが、いかがでしょう。
  24. 外山弘

    ○外山説明員 激甚災指定の場合の金利につきましては、先ほど副長官が法律の条文を申し上げたとおりでございまして、その中にも六分五厘というのが書いてございます。先生のいま御指摘のような問題点があることも私ども承知しております。長期的に申しますと、私どもも事情の許す限りできるだけ低い金利であることが望ましいと思います。ただこれにはいろいろな事情がございまして、従来からいろいろ関係当局が御相談しておりますけれども、いまだ結論を得ておりません。そういう状況でございます。
  25. 池田清志

    ○池田(清)委員 いまの金利の問題は、政府当局の御説明がありまして、政府でも検討しておる、こういうことでありますが、私どもこの委員会はさらに、六分五厘から、少なくとも三分五厘という線があるのであるから、そこまでいかないまでも、もっと下げるべきであるということを強く強調しておきたいと思います。  次、公共土木関係の激甚災害の指定は、前の理事懇談会におきましては八月いっぱいにはめどがつく、こういうことでありましたが、どういう方針、進度で進められておりますか、どうですか。
  26. 坂野重信

    ○坂野(重)政府委員 先般申し上げましたように、災害の査定、特に緊急災の査定は、八月四日から実は九州の南のほうを始めることにいたしておりますので、緊急災の査定が済みますと各町村ごとに大体の目安がつくのじゃないかと思います。それともう一つは、標準税収入の調査も八月末までかかる。そういう段階になりますとある程度の見通しが出てくるというぐあいに考えております。しかし、最終的には本査定全体が済みませんと、事務的にはっきりしたことは申し上げられないわけでございますけれども、ある程度の見通しは八月の末ごろになると出てくるのではないかと考えております。
  27. 池田清志

    ○池田(清)委員 この問題もできるだけ早く、しこうしてできるだけ救済する激甚災害の指定があるように強く要望をいたしておきます。  次に小災害の問題です。小災害以上の問題は、現在行政当局において進めてもらっておりますことは喜びにたえませんが、小災害個々において国が手がつかないという問題があるわけです。小災害を救う道といたしまして、公共事業においては二十メートルの距離間隔、あるいは農地におきましては五十メートルの距離間隔、そこまでは一連のものとして、小災害以上の問題として取り上げてもらっておる、こういうわけです。ところが今回の災害におきましては、河川のはんらんということが原因でありまして、その河川の堤防があっちこっちでこわれてしまっておる。そのために農地というものがあちこちで壊滅をしておる、こういうのが実情であります。ですから、現行の制度をもちまして、二十メートルあるいは五十メートルというものでは救済し得ないところの小災害がたくさんあるわけでありますから、私たちといたしましては、二十メートルあるいは五十メートルというその距離間隔をもっと延ばすべきである、こういうことを主張しておるわけでありますが、政府御当局いかがでございますか。
  28. 坂野重信

    ○坂野(重)政府委員 お答えいたします。  いま先生の御指摘のとおりに、実は二十メートルというような問題も法律で昭和二十七年からきまっておる問題でございます。それから限度の十万というのもその当時のものでございまして、その後の物価の事情等を考えますと、実際には十万円というのは一その当時の十万円というのはかなり、むしろ小災害というものに実質的には近寄っておるということが言えるわけでありますが、災害の起きるごとにこういうお話が出ることも十分承知いたしております。またこの問題は制度といいますか、零細補助というか、全般に関する問題でございますので、検討はいたしておるわけでございますけれども、いま直ちになかなか結論が出にくい事情もございますので、なおひとつ前向きに検討してまいりたい、こういうように考えております。
  29. 池田清志

    ○池田(清)委員 いまの河川局長の御答弁で、二十メートル、農林省の関係は五十メートル、そういうような距離間隔もっと延ばすべきであるという私の主張に対しまして、政府関係当局におきましても前向きで検討する、こう言うのでありますから、この問題も、私ども委員会といたしましても、もっと距離間隔を延ばすように推進してまいることにさしていただきたいと思います。  次に、湛水防除施設であります。具体的な問題になりまして恐縮でありますが、川内川の派川であります春田川、これは川岸の堤防改修によりまして湛水するようになったということの理由で、建設省の力によって湛水防除施設をするという約束を公にしておられるわけでありまして、これはぜひそういうふうにしていただきたいと思います。  春田川のちょっと下のほうの市街地、いわゆる開聞町とか東開聞町あるいは向田町などなど、あるいは東郷町、こういうところにつきましても、河川改修が進んできたがゆえに湛水するようになった、こういうわけであります。そこで、春田川のその理論を適用してまいりますならば、川内市の問題、東郷町の問題について、建設省の力によって湛水防除施設をすべきである、こういう結論になってくるのですが、これはいかがでありますか。
  30. 坂野重信

    ○坂野(重)政府委員 春田川につきましては、先生指摘のとおりで、毎秒十トンばかりの排水ポンプを本年度着工いたしまして、できれば明年の出水期までにぜひ完成したいという予定でありますが、残りました三角地帯につきましては、その後県市当局、建設省の都市局等で検討いたしました結果、都市排水の施設をやろうということでおおむお話が進捗しつつあるところでございます。  東郷町につきましては、先生指摘のとおり内水の問題でございますが、そこに小さな二つの川がございまして、それを当面調査いたしまして、何らかの改修の方途を講じてまいりたいといま計画中でございます。
  31. 池田清志

    ○池田(清)委員 いま河川局長御答弁のとおり、河川改修をしたことによって内水がたまる、それについては建設省がその力によって湛水防除施設をする、こういう方針と申しますか、それについては局長自身もお認めになりましたわけでありまして、ぜひそういう方向で進めていただきたい、こう考えるわけです。  次に農林省、同じような問題であります。海岸保全は農林省がされる。内地にありますところの農地を保全するためである。その海岸保全をしたために農地に湛水する場合においては、農林省の関係において湛水防除施設をしておられると思うのですが、この方針はいかがですか。
  32. 荒勝巖

    荒勝説明員 当然、農林省の海岸保全関係でその施設をしたがゆえにかりに湛水するということがありますれば、それにつきましては技術的に十分検討の上、今後施策を進めてまいりたいと思います。
  33. 池田清志

    ○池田(清)委員 いま建設、農林両省が答えられましたように、この湛水の問題は原因者負担、つまり河川改修をした、海岸補修をした、その関係省が自分の責任において湛水防除施設をするという政府の方針というものは明らかになったわけでありまして、ぜひその方向で前進していただきたいと思います。  農林省にお尋ねを申しますが、川内市の右岸、大小路地区におきましてはいち早く農林省が湛水防除施設をおつくりになりまして、まだ現在建設中でありますが、今回の集中豪雨におきましてはそれが非常なる功績があらわれまして、地元民とともに感謝をいたしておるところであります。そこで、こういう施設を拡大強化してもらわなくちゃなりませんが、大小路の上にありますところの中郷地区なんというようなところにたんぼがたくさんありまして、やっぱりこれが下のほうの湛水が影響して水にひっつかるおそれもありますから、そういうところにまで集水溝を延ばしていただいて、大小路の湛水防除施設に取り入れてもらうようにしてもらいたい、こう具体的な問題でお尋ねしますが、いかがでしょう。
  34. 櫻井芳水

    ○櫻井説明員 ただいま先生質問のことにつきましては、川内の市長さんから御陳情いただいておりますし、なお私のほうの農地防災事業担当の課長補佐も現地に派遣いたしました。ただいまの川内市当局としての御要望では、水路の延長、さらにポンプ場の前にごみがかかりますので、現在のスクリーンと別に、さらにごみをかき上げるような装置をしていただきたい、こういう話でございました。排水路の延長は、当初計画をさらに延ばす——一部市街地排水的な水路もございますので、私のほうの農地法を主体としたものについてはできるだけひとつ、これはせっかくの事業でございますので、防除事業とともに検討し、前向きの方向で検討することにしております。ただし、市街地そのものの排水も一部あるようでございますので、これは市のほうで御検討いただきたいというようなことを市長さんには申し上げておきました。
  35. 池田清志

    ○池田(清)委員 少なくとも農地の関係においては、農林省の所管において湛水防除施設を強化拡大してもらいたいということを強く申し上げておきます。  災害救助法の基準を改善するという問題を先般の理事懇談会におきまして提唱いたしまして、厚生省当局はそういうふうに検討をいたしますということでありましたが、その検討は今日までどうなっておりますか。
  36. 今村譲

    ○今村(譲)政府委員 お答え申し上げます。  その後財務当局といろいろ折衝いたしまして、数点ございます。応急仮設住宅、これが十九万円を二十二万円。それからたき出しの費用でありますが、百五十円というものを百七十円。それから災害発生のその日から三日間は百二十五円というのを百四十五円というふうに直してございます。それから被服品、生活必需品というものを、それぞれ夏と冬とだいぶこまかい規定がありますが、夏の場合は五人世帯で一万五千五百円を一万六千八百円というふうに数字をアップいたしました。それから住宅の応急修理費でありますが、現在のところ四万七千円というものを五万五千円まで引き上げるということになっております。それから障害物の除去につきましては、一世帯当たり七千五百円を二万円まで引き上げるというような点で話を進めております。したがって、これは今回の南九州の災害にもさかのぼって適用する、こういうことになりました。
  37. 池田清志

    ○池田(清)委員 ただいまの局長の御答弁で内容改善がある程度進められたということは喜びにたえません。ぜひ実行をしていただきたいと思います。  さらにこの問題で申し上げまするのは、法律の適用基準と申しますか、鹿児島県におきましては今回の災害において法外適用という市町村が非常に多いわけです。これはつまり適用に対する基準そのものがやはり高いということによって、そういう法外適用までしてやらなくちゃ目的が達せられないということからくることだと思うのです。その法律適用の基準そのものについても緩和すべきであるということを主張いたしますが、いかがですか。
  38. 今村譲

    ○今村(譲)政府委員 これは災害救助法そのものの改正になりますが、いろいろ検討いたしておりますが、鹿児島の今回のような場合でも、普通のいわゆる市町村単位のそういう基準といいますか、それに該当しなくとも、規模が小さくても全県下にあっちこっち散らばっておるというような問題につきましては、二号基準というふうなものでこれを広く発動ができるようなかっこうにするという規定がございます。それから三号、四号と、その場合にいろいろな事例を想定したものもございます。そのものについて検討いたしておりますが、まだ結論までは至っておりません。これにつきましてはもうしばらく検討させていただきたいと思います。
  39. 池田清志

    ○池田(清)委員 災害救助法の適用基準について緩和すべし、こういう主張をいたしておるものでありますが、政府におきましてもその方向で、法律を改正する必要ありという結論になった場合はわれわれ大いに協力いたしますから、ぜひそこまで進めてもらいたいと思います。  シラス対策を強化せよという主張は、これは初めからずっと続いておるわけであります。鹿児島県、宮崎県、熊本県南部、これがシラス対策に追われておる地域でありますが、これについては特別の一つの法律をつくるべしということになってまいるわけです。そのできるであろうところの法律を、たとえばシラス対策強化法とでも、まとめて言う場合は申しますにいたしましても、これを分解いたしますと、シラス地帯の宅地の問題、シラスに対します工事方法の問題、あるいはシラス地帯におきまする国庫補助の増額の問題などなどあると思うのです。  そこでちょっとお尋ねをしておきますのは、宅地造成と申しますか、宅地そのものについて宅地基準法というようなものをつくる意思がないかどうかということです。宅地の上に建ちます建築につきましては厳格なる基準法があるわけであります。ところが下の土地については何もそういったものがないということはおかしいじゃありませんか。そこでこの問題は宅地対策の問題といたしまして、ことにシラス地帯におきましては相当の規制をすべき根拠法が必要なりと考えるわけで、宅地基準法、こういうものをつくったらどうか、こういうわけですがいかがでしょう。
  40. 播磨雅雄

    ○播磨説明員 お答え申し上げます。  現在一般的な宅地造成といたしましては、六月十四日から施行になっております都市計画法で宅地開発に関しまして開発許可制度という新しい制度が取り入れられまして、法律並びにこれに続きます政令によりまして基本的な技術的な基準がいろいろと定められておるわけでございます。問題は、ただいまお話しのございましたシラス地帯その他の特殊土壌地帯につきましてそういった基準を別につくるべきであるという御意見でございまして、まことにそのとおりでございますが、先般からも申し上げておりますとおり、シラス地帯におきましてこういうふうにやればまず間違いないという基本的な技術基準が、残念ながらまだ確立する段階には至っておりません。すみやかにそういった点につきまして原因を究明いたしまして、政令その他によりまして基準を定めてまいりたい、かように考えております。
  41. 池田清志

    ○池田(清)委員 シラスにおきまするところの宅地基準法は政府も検討しておる、こういうことでございました。  問題は、このシラス地帯におきまする工事方法と申しますか、技術的な関係が相当究明されなくちゃならないのであります。私はこのことにつきまして、政府で真剣にそのことを検討しろということを主張しておりますし、そのためにはシラスの一番多いところの鹿児島県にシラス・センターと申しまするような研究機関を置いて真剣に勉強しなさい、こういうことを主張しておるのですが、いかがでしょうか。
  42. 島村忠男

    ○島村説明員 問題点がはたして企画庁で所管しております特殊土じょう法の範囲内のことであるか、あるいは現行法の範囲内であるかないかは別といたしまして、そういう特土法的なラインで考うべきかどうか、ほかの省庁に適当なところがあるのではないかという気がいたしておりますが、私どもに対するお尋ねでありますから目下のところの考え方を申し上げてみるならば、私は一体そういうものが必要性があるのかどうかということも実はいま、必ずしもネガティブな意味ではございませんが、考えている段階でございまして、まだ明確にどうこうとお答えするほどの実は確信を抱くに至っておりません。御了承願いたいと思います。
  43. 池田清志

    ○池田(清)委員 やるかどうかということを考えておる。考えておるというのはやはり寝るよりもよろしいかもしれませんが、私は積極的に考えなさい、研究しなさい、努力しなさい、そのためには政府自体も勉強しなさいということでありまして、そのために特別の勉強の場所、シラス・センターをつくりなさい、それはやはりシラスの対象が多いところの鹿児島県が一番よろしゅうございますよというのでありまして、あなたの所管であるということは前提としておりませんので……。鯨岡さん、政府の立場でいかがです。
  44. 鯨岡兵輔

    鯨岡政府委員 前々からシラス地帯に、あぶないですから家を建てないようにしたらいいだろうということも話に出ております。しかしこのごろのように農村人口がだんだん減って都市人口がふえて、住宅をどんどんつくらなければならぬということになれば、シラス地帯が非常に多い、たとえばいま御指摘の鹿児島というようなところでは、どうしてもそこへ家をつくらなければならぬことになるかもしれません。そうなれば、あぶないところにそのまま建てるというわけにいきませんから、そういうところに建てるためにはどういうふうな基礎などをしたらいいかということなどは、御指摘のとおり真剣に研究に値する問題だと思うわけでありまして、そのことは従来からもわれわれの内部の会議では話題にのぼっているわけであります。そこで、そういうことを専門に研究するセンターのようなものを、たとえば鹿児島のようなところへ一つつくってみて、そこを中心としてこの問題についてのみひとつ研究を深くしてみたらどうだという御指摘は、まことに示唆に富んだ御指摘と受け取りまして、私どものほうでもそういうことを中心として、なおいままでやってまいりました研究を進めていきたい、こう考える次第であります。
  45. 池田清志

    ○池田(清)委員 私の考えを是認していただきまして、前進するという趣旨政府の御答弁がありまして、ぜひその方向へ進めていただきたいと思います。  さらに、このシラス対策の問題といたしましては、さきも指摘いたしましたが、地方公共団体に対する助成を強化するということが一つの柱になってくると思うのであります一この法律をつくるにおきましては必ずこれが取り上げられる柱になりますが、鯨岡さん、これは覚悟しておられますか。
  46. 鯨岡兵輔

    鯨岡政府委員 そういうようなことも先般来話に出ておるわけでありますが、まだきまったわけのものでもございませんけれども、お話のようなことは私ども内部の会議で話に出ておるということをお答えいたしまして、御了承いただきたいと思います。
  47. 池田清志

    ○池田(清)委員 鯨岡長官のお話である程度納得をしたのでありますが、さらに政府におきましてもこれらの問題を真剣に取り上げて、前向きに進めていただきたいということを要望いたしまして終わります。
  48. 川村継義

    川村委員長 金丸徳重君。
  49. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 先般の梅雨前線によります思いがけない大災害関連いたしまして、会期末の本委員会でもありますので、そうしたことを踏まえまして、ひとつ総括的に私は二、三政府の御方針を承りながら、御要望も申し上げておきたいと思います。  その前に、災害日本とはいいながらまたしてもこのような、梅雨という年々来る気象でありながらこのような多数の人命を失い、多額の財産を失わなければならないような災害にあいました被害地の皆さんに深く御同情を申し上げますとともに、それなればこそ一そう災害対策につきまして、あらためて政府のいままでにもなく力強い対策を推し進めていただくように、まずもってお願いしておかなければならないのであります。  よく、ことしは災害はないなどといいながら本委員会で取り上げてきましただけでも、あるいは雪害あるいは霜害、また冷害、その間には、これはもうあってはならない言語道断のことではあったのでありますが、あのホテルなどの火災災害、まことに文明国として恥ずかしいような事態までかもし出しております。この人為上の災害につきましては、これはもう言語道断のさたであるといたしまして、自然災害につきましては、今日までもたびたび、年々再々といっていいくらい検討が進められ、対策要望されておるのでありますが、依然として遅々として進まないことを私は非常に心配いたしますとともに、嘆くものであります。その基本を見てみますと、どうしても、災害日本といいながら、またそれを自覚しながら、それに対する対策が何といっても非常におくれがちであることを思わざるを得ません。  そこで私は総理府のほうにお伺いしたのでありますが、いま政府のほうといたしましては国土総合開発計画というものをお進めになっておられるようであります。先般私も政府にお尋ねをいたしましたら、それをあらためて強く推し進めるからということでありました。私が国土総合開発について特にお伺いいたしましたのは、やはり災害対策というものを特に前面に押し出すという立場からわが国土をあらためて見直して、そこから出発いたすべきであるという見地に立ったのであります。いま政府でお進めになっておられるところの国土総合開発というもののねらいは、はたしてそういうところに重点が置かれておるのかどうかということを、もう一つ、これについてどのような進度で、どのような進め方でやられておりますか。まずその点をひとつ御説明をいただきたいのであります。
  50. 鯨岡兵輔

    鯨岡政府委員 ただいま先生指摘の問題は、終局的には経済企画庁のほうの問題でございまして、総合計画の中には当然その問題は入っているものでございますが、全般的に企画庁からお答えをいただく前に、私どものほうの考えを概略申し上げてみたいと思うわけであります。  御指摘のように、ホテルの火事を例にとって先生言われましたが、これはもう言語道断のことでありまして、断じてあってはならないことであります。まことに遺憾なことでございまして、関係省庁におきましても全く同じ考えでこれが対策に当たっていることを御了察いただきたいと思うわけであります。  問題は自然災害でありますが、わが国はいま御指摘のように、自然的、地理的な条件から台風その他災害が多くて、政府はこの災害から国土と国民を守ることを政治の基本の姿勢として考えてまいっているのでございますが、特に災害対策を総合的にあるいは計画的な視野に立って抜本的に推進するために、さきに災害対策基本法を制定していただいて、これに基づいて防災基本計画を策定して、防災体制の確立、防災事業の促進、災害復興の迅速化及び防災科学研究の推進の諸点に重点を置いて施策を進めているわけでございます。中でも、異常な自然の猛威にも十分耐え得る国土を建設することが最も重要なことであることは申すまでもないところでありまして、これがいま先生の御指摘の問題であると思う次第であります。そのために必要な各般の長期計画を策定し、防災事業の推進につとめておるわけであります。しかしながら、時といたしまして災害の発生をいまだ見ていることはまことに遺憾なことであります。罹災者の方々にはまことにお気の毒にたえない次第でございまして、政府といたしましては今後さらに防災に関する科学技術の成果等を十分に取り入れて、災害防止のために努力を払い、国土と国民の生命、財産を守るために万全の措置を講ずる所存であります。  なお、非常災害が発生した場合においては、政府は直ちに災害対策基本法に基づく非常災害対策本部を設置して、その対策の推進に遺憾なきを期しているのでありますが、さらにあわせて必要な財政措置等各般の対策を講じて、罹災者の方々に一日も早く安定した生活をしていただくことができるように処置をいたしておることは、先ほど来今次の災害について御報告を申し上げたとおりであります。それが起こるたびに、再びかくのごときことのなきようというきまり文句を言っておることは、私どものほうとしてもまことに恥ずかしいことで申し上げにくいことでありますけれども、しかしながら申し上げましたような地理的な条件、こういうことである程度はひとつ御了察をいただきたいと思いますが、全く同じ原因で同じようなことが起こることはあってはならない。ですから、そのためにこのことを戒めといたしまして、同じようなことが同じようなところで起こるというようなことは絶対ないように、これはもう最小限われわれが心がけなければならないことだ、こう考えておるわけでございます。今度なんかも、いままで考えられなかったような雨が集中的に降ったわけですから、そこにシラスということもありまして、死者なんかの原因はそういうことでありますが、なお一そうそういうことを国土開発の計画の中に盛り込んでやっていきたい、こう考えておるわけであります。  これが基本の大まかな考え方でありますが、どういうふうにそれが国土開発の中に織り込まれているかについては経済企画庁のほうからお答えをいただきます。
  51. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 経済企画庁のほうから事務的な御説明を承ります前に、いま副長官のほうからの御説明、私はたいへん同感で、多く期待いたすものでございます。健康なる国土の中で、その大事な国土をできるだけ高度に利用しながら国民のしあわせを願うという大方針は堅持していかなければならないでしょうし、それを土台として調査も進め、計画も進められなければならないと思います。と同時に、そういう考え方からしていまのように、二度と同じところで同じような条件の中で災害が超きたということのないようにしなければならぬ、これも私は当然のことだと思います。しかし国民の目から見ますと、どうも同じような条件の中で同じような災害が、なるほど場所は違っても起こっておるということは、全体として非常に不安にたえないと思います。  そこで、これから新しい国土総合開発計画が進められるとしますならば、そういう大きなねらいの中で強力に進めていきませんと、やはりお題目になってしまうのではないかと思うのです。国民の立場からどう安心するか、去年よりもことしのほうが国土というものに対する安全感が多くなった、ことしよりも来年のほうが高くなったということでなければならないと思うのですけれども、ここのところどうもますます不安の種が多くなってきておる。これは集中豪雨などという特別のものが出てきた、最近特に異常気象が頻発しておるということであるから、やむを得ないといえばやむを得ないのでしょうけれども、要するに国民の安心感をどう高めていくかということでなければならないと思いますので、私はその基調に立って、企画庁のほうでお進めになっている計画もその国民の安心感を誘う、安全感を高めるというねらいでなければならないと思います。  ところで、先ほどシラス地帯の対策について池田先生からお尋ねのあったときの御答弁によりますと、どうも私は事務当局の回答というものは満足できない。実際の仕事は事務当局がやっておられますから、そこで心配するのでありますが、この点、それをも含めて事務当局のほうからの御説明を承りたい。
  52. 島村忠男

    ○島村説明員 お答え申し上げます。   〔委員長退席、斉藤(正)委員長代理着席〕  新しい全国的な総合開発計画の中で国土保全という問題に相当重きを置いて取り上げる、これは先生も御承知かと思います。特に国土の保全に関する一章を設けまして、これは広範にわたって相当強くうたっているわけでございます。その趣旨といたしましては、ただいまお話のございましたように、国民が安心して暮らすことができる、そこに究極の理想を結びつけて考えておるわけでございます。ただ、それでは具体的にどの程度のことを企画庁として考えているのかということになりますと、これは技術的な問題と資金的な問題が出てまいると思いますけれども、それらはそれぞれ各省で、御担当のところでひとつ十分な計画をこの趣旨にのっとってつくっていただきたい、こういうことでございます。  なお、公共投資が昭和六十年までに百七十兆の投入というようなこともあの中に書かれておりますが、その中にはこの国土保全投資というものが相当大きく出てまいるであろう、またそのように持っていかなければなるまいというふうに考えております。
  53. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 抽象的のお答えよりほかはないのかと思いますが、私が心配いたすのは、せっかくそのような方針で進められてきても、青写真ができ上がったころには国土はすっかり荒れ果ててどうにもしようがなかったということであってもいけませんし、同時にあちらこちら工事は進められた、計画は進捗したけれども、しかしそれはできるところを適当に食い散らかしたというようなことであってはならないと思います。へたに食い散らかしてしまう、楽なところからやるとか利用度の高いところからやるとか、効果の高いところからやるということによって、総合的な全体計画の仕上げを誤ってはいけないと思うのです、この狭い大事な国土ですから。  そういう意味において、この計画は何ものにも増して急がなければならないと思いますし、またいまお話がございましたが、百数十兆という大きな金になるかもしれない。なるかもしれませんけれども、それは全体計画、国土保全、国土保安という立場からしますと、私ども建設委員会で承ったところによりましても、一番金がかかるであろうところの治山治水というところを取り出してみましても、たしか二十二兆何千億ということを聞いております。一番金がかかると思うそういうことについてもその程度ですから、いまや世界第三位、自由経済圏では第二位といわれるくらいに全体の国力を涵養しつつきた、進めてきたところの日本といたしましては、この辺でその基本に猛進してもいいのじゃないか。いままでにも増して力の入れ方を、これはもう御一新的に、革命的に入れていってもいいじゃないか。いな、それこそが先に立つべきではないかと思うのでありますが、その点いかがですか。
  54. 鯨岡兵輔

    鯨岡政府委員 金丸先生のお話は全くそのとおりに考えます。この前の先生の御質問の中で、国民が不安に感じて、いつ何どきこんなことになるかわからぬ、きのうは人の身だがきょうは自分の身じゃないかという不安を除去しなければならぬという具体的のお話がございましたが、この問題は御心配をいただいて、地区的にはそういう御要望にこたえているところも絶無ではないと思うのです。たとえば東京の下町地区のあたりは、ちょっと雨が降ればすぐに大水が出て困っていたのですが、これからでも異常な雨が降ればどうかわかりませんけれども、いまから十年ぐらい前あるいは十五年ぐらい前から見れば、ずいぶん安心して生活ができるようになってきたことは、先生方の御努力のおかげさまでありまして、全く非常な差異があるわけです。国土全体としてはなかなかそういうわけにいきませんので、御指摘のように、国民が毎日毎日安心して生活ができる、ちょっとぐらいの台風、ちょっとぐらいの雨では何も心配しないで済むようなことにしなければならない、こう考えておりますが、短期的には、きめていただいたこの災害対策基本法に基づいて、われわれのほうでは防災基本計画を立ててこれらの問題について取り組むということ、と同時に、国土総合開発の中で特に一章を設けてこの問題に取り組んでいることはいま御説明のあったとおりであります。これでなお万全だというわけではもちろんございません。各省十分に自分の所管について万全を尽くす中で、総合的にこれが万全を期していかなければならぬことは言うまでもありません。いまのお話を身に体しまして前向きに検討を続けていきたい、こう思います。
  55. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 その点につきまして押し問答しておりますと時間がかかりますからこの程度といたします。   〔斉藤(正)委員長代理退席、委員長着席〕 ただ私は、この常任委員会調査室のほうでおつくりになりました「災害対策のしおり」というのをずいぶん勉強さしてもらったのであります。これを勉強いたしております間に私は感じたことがあります。わが国の災害対策というものは、いかにも法令としましては、制度としましては実によくできていると思います。このしおりだけでもこれだけだ。しおりというものは大体一枚くらいで足りるのがしおりだと思うのですけれども、数十ページあるいは百何十ページのしおりを要するくらい中身の膨大なものだと思います。その中身の膨大なものであるにもかかわらず、実際問題がなかなかついていかないということを非常に残念に思うのです。  そこで、これはこれだけのりっぱなしおりができるくらいのたくさんな法令ができ制度ができておるのにかかわらず、なお国民が不安の念にかられておるというのは、実はこれは災害対策という名の言いわけをしておるのではないか、被害者に対する言いわけである。対策のおくれに対する弁解だ。弁解をしようとするとどうしても長くならざるを得ない。それから対策がおくれるのを逃げようといたします。逃げる対策といたしましてはなるべくことばをよけい使うというようなことで、こういうようなものになったのではないかと思うのであります。国民の立場といたしましては百万べんの言いわけをしてもらうよりも一つの実行であろうと思うのであります。今度の梅雨前線などにつきまして対策が方々講ぜられております。いまの質疑の中にも出てまいりましたが、政府といたしましては最善を尽くされるというのであります。その最善の努力が言いわけのほうに重点がいっておるというと、国民はそれに対して期待を持つわけにはいきませんから、最善の努力は言いわけではなくて、言いのがれではなくて、実行として出ていけるようにしていかなければならないと思うのであります。今回はいかがでありますか。いま、対策といたしましてもいろいろといままでにもなく、たとえば利率の点につきましても税制の問題につきましても、常にいわれるようなことをいままでにも増して強力に——私はことばが過ぎるかもわかりませんけれども、いままでにも増して革命的に推し進めるお考えというものは、今度のこの災害に顧みてあるのでありましょうか、いかがでございますか。
  56. 鯨岡兵輔

    鯨岡政府委員 先ほど私、八月一日付で指定される激甚法の閣議等についてお話をいたしましたが、その委員会でございますからどうしてもこの間起こったものに対するあと始末、その局地のこれからの対策、こういうことに重点が置かれてここ数回の委員会にはお話をしてきたようなことでございます。ですから何かこう、先生の表現をかりれば言いわけあるいはびほう策、こんなふうに受け取られてもしかたがないと思いますが、基本はそういうことにあるのではなしに、全体としてこれに対するかまえというものはどうか、これはもう全くごもっともな御指摘だと思います。経済成長も自由経済圏では二番目だというんだから、そうなってくれば、もうこの大事な国土の保全に対してほんとうに抜本的な前向きな姿勢が示されてしかるべきではないかというお話も全くそのとおりだと思います。今度の災害を契機としてというようなことでなくとも、それはもう全くお話のとおりに考えますので、そういうふうにやっていくのが政府としては当然のことだ、こう考えておる次第であります。
  57. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 それにつきまして、先ほど激甚地災害についての指定問題が具体的に出されました。それからそれに関連いたしまして、具体的には川内市と隣の東郷町との中小企業関係対策についての具体的なお尋ねがございました。現地のほうで受け取りますと、被害者の立場から考えますと、同じ雨で同じような、あるいはうんとひどい災害を受けておるのにもかかわらず、範囲が狭いとかあるいは町全体として総合すると少ないからとか、先ほどの小規模災害でいきますと、ぽつぽつとあるからだめだったというような、これは言いわけとしては成り立つかもわかりませんけれども、受けたほうの立場からしますといかにも、だからがまんしてくれという言いわけに逃げ込まれるような感じがしてなりません。これにつきましては、現地のほうから特に身をもって訴えを受けておられる村山先生が来ておられますから、このほうから特に政府の意向を伺って、私をして満足せしめるような御回答を得たいと思います。
  58. 川村継義

    川村委員長 関連して村山重三君。
  59. 村山喜一

    村山(喜)委員 時間一、二分だけ。  第一点は、中央防災会議、これが開かれていない。なぜ開かれていないか。やはり総合的に防災措置を講じなければ、先ほどから副長官が言われる話を聞いておるといろいろ問題があるようであります。特にシラス土壌地帯等におきましては、工法一つ考えてみても意見が一致していない。垂直に切断をするとかあるいは傾斜をつけて土層の切断をするとか、それはどっちのほうがいいのかということ、これまたいろいろな意見があって統一をされておりません。そういうような問題はじめ、予想できないような雨が降ったときにはどうなるかというような問題等については、これはやはり総合的に防災計画というようなものをつくって、そうしてやるという体制をつくらなければ、断片的に問題の処理をしようと思ったってそれは不可能ではないか。そういうような意味において、私は災害対策基本法にある中央防災会議等を開いて、総理大臣が会長ですから、その中において総合調整の能力を発揮するという体制を整えることが大事ではないか。なぜそれが行なわれないのか、この点が一つです。  それから、いまの中小企業の融資の問題は、これはやはり従来の慣習とかなんとかというのはあった。それに基づいて百万円と六分五厘ということでやっているのですが、これはやはり農業というものについては三分五厘資金というようなものがある。ところが中小企業の場合は、そういうような市中金融の金利が一割前後だということからきているわけだと思うのですが、しかし商品は全部やられ、そうして災害地ですからその購買力はそれだけ落ちているわけですね。そういうような中において、立ち上がれないような状態で連鎖倒産が次から次に出ている。今度は小売り段階だけではなしに、卸売り段階まで倒産が出てきていることは御承知のとおりです。そういうような場合には、やはり従来の慣例だ、従来はこうやってこれで済ましてきたのだということでは、今日の経済事情その他から見て非常に具体的に救済をするという措置になっていないのではないか。だから実情に合わせた、実情に合った救済措置が必要だろうと思いますから、そういうようなものをこの際やはり根本的に検討をする段階に来ているのではないかと私は思うのです。実情をいろいろ聞いてみますと、もう倒産をして夜逃げをしなければならないようなのが多く出ているようでありますから、そういう点に対する基本的な今後の施策といいますか、基本的なかまえというものを、従来の答弁の繰り返しではこれはつまりませんから、新しい展望について副長官のほうからお話しを願いたいのであります。  その二点だけです。
  60. 鯨岡兵輔

    鯨岡政府委員 防災会議が、今次災害が比較的小さいというような考えでやめたのではないかという——小さいというようなお話は村山先生からはありませんでしたけれども、やってないではないかというお話でございましたが、これはやってないのではないのであります。防災会議ではありませんでしたが、あと先になりますが、防災会議のほうは、これは持ち回りでもって会議をいたしたことを御了承いただきたいと思いますし、なおこの災害にあたっては、建設政務次官を現地に派遣をいたします前後に両三回、各省全部集めまして、これに対する対策会議を開き、この結果を官房長官を通じて総理大臣にも報告をしておるわけでありますので、それ、並びに持ち回りの防災会議を開いた、二十六日には激甚政令についての会議も開いたというようなことで御了察をいただきたいと思うわけであります。  ただ御指摘は、この災害にあたってというのではなしに、こんなに災害が多いのだから中央防災会議というものをもっとひんぱんに開いて、備えを万全にするという必要があるのではないかという御指摘であれば、これは全くそのとおりだと思います。これからもその会議を開いてやっていかなければならぬと思っておるわけでございます。  それから、これはもう前々から御指摘をいただいておるのですが、中小企業の六分五厘ですね、これは少ないではないか、何かこうえらい困った人にこれでもって救っているというように考えることは間違いだ、農業のほうはもっともっと低いのがあるのだから、そのくらいのことまで考えて、それまでいかないにしてもそれに近いものを考えたらどうかというお話は、前々からお話を承っておるわけであります。今度の東郷町のほうはどうかというような問題並びに川内市の中小企業者に対する救いがこれで万全でないという問題は、これは別途いま私どものほうで各省庁のほうから資料を集めて、いまの法令の許す範囲において先生方の御期待にこたえるように私はしたいと思っておるのですが、六分五厘の問題をどう考えるということになりますれば、この法令の中ではどうにもならぬことですから、これはまたひとつ先生方の御指摘もあるいは御協力もいただいて、われわれはこういう御質問が何回も何回も委員会のたびに出てくるだけに問題なのですかち、ひとう前向きに検討して、できるだけ御期待にこたえられるようなものにすることはできないかどうか研究をいたしてみたい、こう思っておる次第であります。
  61. 村山喜一

    村山(喜)委員 中央防災会議というものが法律の上に明記されておるわけですから、それを持ち回りで開くというようなことでなしに、いわゆる災害の防除、そうして予防という面についてこれからこういうような措置を講ずるのだというような意味において、当然総合調整の能力を発揮してもらうのは総理府ですから、そのような意味において後段で述べられたような方向で、やはり責任と義務の体制というものを確立してもらうというような意味において、ひとつその点については前進をはかっていただきたい。要請を申し上げておきます。  それから、中小企業の金利の問題は法律事項であるということは私は承知をいたしておる。したっがて、この点は私は委員長に要請を申し上げたいと思う。これらは実情に合うように、やはり委員会あたりで決議を上げて措置するような方向で——これは法律改正すすから議会の問題でもあるわけですから、その点で理事会あたりで善処方を要請申し上げて、私の質疑を終わりたいと思います。
  62. 川村継義

    川村委員長 承知いたしました。後日、理事会で打ち合わせをいたしてみたいと思います。
  63. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 いまの御質疑の中にあらわれてまいりましたように、個人災害に対してもう目を向けなければならない時期が来たように思うのであります。残念ながらいままでのわが国の災害対策は、公共災害については不満足ながらもやや力が入っておったと思うのですが、個人災害に対しては、これは天災たからがまんしろというような古い考え方の土台に立っていたことだと思うのでありますが、及んでおりません。いまのお話のように、水をかぶった中小企業者、商工業者というようなものについての救済の道というものは、低利の金融で復活しろという程度のことであります。私は、これではいけないのではないか、こう思うのであります。国力貧しくしてそこまで手が伸びなかったときはやむを得ないといたしまして、いまや、かりにも福祉国家という看板を掲げて、それに対して進んでおるものですから、公共土木事業については復旧するけれども、個人的な災害は天災でもってあきらめろというようなことではなくて、そういうものについてもできるだけあたたかい手を伸ばす。これは国民全体の義務として、みんなのことだからみんなで力を合わせてやろうじゃないかという基調に立って、それに方法を講じていくべきではないかと思うのであります。先ほどの御答弁によりますと、法律があるからその法令の範囲内でと、こういうことです。いまも村山先生からお尋ねがありましたが、法令があるからということではなくて、法令によってできなければ、その法令を改正してでもやらなければならないときが来た、またやれるような国力を持ってきたという意味におきまして、この点について抜本的な前向きの姿勢をおとりになる考えがいまあるかどうか、いかがでありますか。
  64. 鯨岡兵輔

    鯨岡政府委員 この問題については、私どもは何回か会議を開いて苦慮をいたしておるところでありまして、考えがあるかないかといわれれば、これはもう十分にあるわけです。十分にあるわけですが、ただ、個人がこうむった損害に対して国がこれを補償する措置を講ずる制度を設けるということは——人命の問題なんかでも、先生御案内の通りですが、いま、なくなられた人に対して何らのものもないわけですね。ただ自立更生のために手厚い保護が別途講ぜられて、たとえば災害救助法であるとか、その他世帯更生資金であるとか、生活再建のための母子福祉資金の貸し付けだとか、そういうものはありますけれども人命をそれで失われたという人に対して、いま申し上げたもの以外に何か補償的なものがあるかというと、ないわけであります。商売においても同じであります。個人の災害についてはやはり考えられておらない。それはもうそろそろ考える時期が来たんじゃないか、今次の災害を契機としてそれをいま考えておるか、こういうお話でありますが、現在のところではいまだ考え方はまとまっておらないわけであります。正直に申し上げてそう答える以外にはないわけでありますが、苦慮をいたしておるんだということだけはひとつ御了承をいただきたい、こう思うわけであります。
  65. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 苦慮をしておるからということで満足するわけにはいきませんけれども、実は先ほどからのお話の中にもありましたように、国としてやるべき対策がおくれておるということはお認めになっておるわけです。川を直したらよかろう、堤防を強くしたらよかろう、湛水防除施設についてはポンプなりその他の方法を講じたほうがよかろうと、気がついてはおるのだけれども、まだそこまでは行きかねる、あるいは根本的な方針がまだきまっておらぬからということでおくれておる点があるということは確かだ。そういうものについて、それあったりせば免れたであろうところの災害については、個人に対するものといえども、国として何らかの措置を講ずべき義務があるんじゃないかとまで私は思うわけであります。どうでありますか。その義務を感じながらも、いままではどうにもしようがなかったんだというときもあったと思います。戦争、戦後のあの状況からいたしましてはそういうこともあったかもしれませんが、いまやそうではないと思うので、私はあえてこれを重ねてお伺いするのであります。そういう義務を怠っておることに対する責任というものだけははっきりしておくべきじゃないかと思うのであります。いかがでありますか。
  66. 鯨岡兵輔

    鯨岡政府委員 非常に重要な問題でございますので、私も考えたとおりのことを申し上げて御了解を得たいと思いますので、多少行き過ぎがありましてもごかんべんを願いたいと思います。政務次官というのですから、あまり紋切り型のことばかり言っていても御満足いただけないかと思いますので……。  災害を受けて、国民経済的に、あるいはもう少し小さくいえば、当然その町が何とかしなければならぬものがこわれたという場合にはその町が何とか直さなければならぬ。道路がこわれたとか橋がこわれたとか、あるいは山くずれしたとか、それがその町の財政でもってなかなかうまくいかないということであれば、これを指定して、国家財政でもってこれを補助してやるということも必要である。これも満足にいってないということは、先ほどおしかりをいただいておるとおりでありますが、この問題については基本の考えはさまっております。どんどんこれを進めていかなければなりません。そうして国土の保全に万全を期さなければならぬことは言うまでもないのですが、さてそういう場合に、個人的な災害を受けた方の災害をどう国家が補償するかという問題になってくると、これはなかなか問題でありまして、それも国家が補償しなければならぬのだということになりますといろいろな問題も起こってくるのではないか。  たとえば、そこいら辺がおしかりを受けるかもわかりませんが、この間山登りをしていて雷さまで死んだ人がおります。これもその人にとってみれば災害ですね、日本は雷さまなんか多いですから。そうなると、雷さまで死んだということも国家が補償しなければならぬかということになってくると際限がなくなってくる。法律でもってきめるとすればどこのところをやるかということは、法律技術の問題とだけいえないむずかしい問題が出てくるのではないか。ですから私どももその点非常に疑問に思う点は、この間飛騨川ですか、バスのところに土がかぶさってなくなりました。あのほうは運転手が十分な注意を怠ったというような点で解決がついて、あの被災者の方は一人当たり三百万円か何かもらえたのですが、陰に隠れて、その下流に何か炭焼き小屋があってそこで死んだ人は何もないのです。どうもこれはおかしいじゃないか。当然だれが考えてみても常識的にはおかしいけれども、いまの法体系の中では救えない。それを救うようにするということになると際限なくなりゃしないかという心配がわれわれにあるわけであります。  えらい大ざっぱな言い方でまことに恐縮ですが、そんなことを先生方にもひとつ御協力をいただいて、お考えをいただいて、委員会の中でも御検討をいただきたい。どうしたらいいのかは、ちょっとそこのところはまだわからぬわけです。ひとつよろしくお願いいたしたい。
  67. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 鯨岡長官、勇敢にお答えをいただけるものだと思って期待しておったのでありますが、やっぱりどうも逃げ口上のような感じを受けました。  私は、雷さんに打たれた災害までと言いたくはなかった。ただ、国が調べてこうしたらよかろうということが何かの都合でやられなかった、その結果起きたところの災害、個人の被害については考えてやる方向へ進むべきではないか、こう思うのです。それは具体的になりますといろいろひっかかりが出てくると思います。だからそういうひっかかることのためにできないということについては、それは言いわけをされてもいいと思う。問題は、できるだけはやってやりたいという考え方で対策を練るべきじゃないか、こう思うのです。たとえば国土計画の中で、先ほども私は触れたのでありますけれども、治山治水につきまして、特に治水事業につきましては二十何兆円かありますと、大体は予想される豪雨あるいは台風というようなものについてはこたえ得るような国土ができる、こう言明されております。足りなければ三十兆になってもよろしい、四十兆になってもよろしいのですけれども、そういうものについてできなかっただけの事情があるとしますれば、それについては国としては何らかの方法によって何らかの程度までは救済してやるべきではないか、こういうことなんであります。ことばじりをとらえてもいけませんが、雷さんということまでは国はどうも、これは雷さんに聞かなければならぬですから、いけませんけれども、一応考え方としてはそういうことで、できることはやってやるべきだという考えで進めるならば、いまの個人災害に対しての救済方法というものも考えられるのじゃないか。  私は、副長官にお答えいただく前に参考として申し上げます。かつて、農地の災害につきましてはこれは復興してやらなかった。しかし、たしか三十四年災、伊勢湾台風以来、できればやはり農地はもとどおりに復旧してやる。これは、農地は個人災害です。にもかかわらずその農地をもとのように復興してやるのだ、こういうことであります。もっともこれは、当時は米を増産しなければならぬという特殊事情があったからかもしれません。かもしれませんけれども、やろうと思えばそこまでやれたのです。現にやっておる。相当の金をかけて、あるいは農地を買う以上の金をかけてもとのように農地を復興して、お百姓さん安心しなさいという方向を示しております。農地に対してそういうことができるのですから、農地の上の施設についても考えてやってもいいのではないか。同時に、農民に対してそういう対策が練れるのだから、中小企業者に対しても商工業者に対してもやはり、もし国においてできる対策が講ぜられておったならばこの災害はなかったであろうというものについては、何らかの方法で何らかの程度までは考えてやらなければならぬのじゃないか、こう思うのです。そういう意味においてお尋ねをしておったのであります。いかがでありますか。
  68. 鯨岡兵輔

    鯨岡政府委員 お答えいたします。  先ほどのお話はかなり勇敢にお答えをしたつもりなんですが、多少誤解を受けるのではないかと懸念しながらお答えをいたしましたところが、そのとおりちょっと誤解をされてしまった。まことにことば足らずで申しわけございません。  できるだけやってやりたいという考えでこれに対処するかというお問いでありますが、これが反対ならばできるだけやってやらないという考えで対処するということになりますから、この二つのうちどっちかといわれれば、それは言うまでもなくできるだけやってやりたいという考えで対処していることはもう申すまでもないことであります。それがあるから悩むのでありまして、できるだけやってやらないという、できるだけやらない方法はないかということならば、これはもう少しも悩むことはないのですけれども、できるだけやってやりたいと考えながらも、それじゃどこにその境を置くか、法外なしのようなことになりはしないかという心配がありますので、そこで悩むわけでありまして、第一点は、できるだけやってやりたいという考えで対処している、考えているということは、どうかひとつ御認識をいただきたいと思うわけであります。  そこで、その限度の問題について、ありがたいことに先生から御指摘があったわけであります。その限度は、国が当然やるべきことをやらなかったというために起こった被害、それが限度だというお話であります。そういうことであったならば何らかの方法で何らかの程度までこれに対処したらいいではないかというお話でありました。これはある限度が先生によって示唆され、与えられたと考えているわけであります。しかしながら、そんなことを言っては悪いですけれども、いまのこのお話はやや抽象的になりますから、これをやはり法体系としてきめるということになれば、もっとこれを詰めなければなりません。そこにやはり悩みがあるわけであります。できるだけやってやりたい、こうなってきた場合にはできるだけやってやりたいという考えでわれわれは対処しておるのだ、そういうふうに考えているということをひとつ御認識をいただいて、その上で御協力を賜わりたい、こう思うわけでございます。
  69. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 これについて時間をかけてはいけませんですが、私は実はこういうことだったのです。戦後、わが国の国策の方向が国土保全、国土安定ということに重点が向けられていったならば、いまの災害はある程度まで避けられたであろう。しかしながら当時の情勢、その後における状況からいきましてそのほうがネグレクトされて、経済伸長、鉱工業への重点ということになってきておった。したがって災害対策がおくれてきた。おくれたことについての責任はやはり国がとって、個人災害にまでいくべきではないか、こういうことであったのであります。私はいまのような、国力が急に伸びてきたということについて、それ自体かれこれ言うわけじゃありません。同慶の至りなんですが、だから今度はそれをおくれたる災害対策に向けるべきであると同時に、おくれたことによって起こるところの気の毒さというものについては、個人に向かっても何らか具体的に進めらるべきではないか。抜本的に考えるというのであるならばそこまでいくべきではないか、こう思ったから繰り返しお尋ねをいたしたのであります。やってやりたい気持ちは十分あるのだ。そういう方向で進めていくからということであれば、ああそうですか、そうお願いいたしますといって締めくくる以外にないのです。どうかよろしくお願いいたします。  そこで私は締めくくりますけれども、先ほど請願に対しての発言の中で出てまいりましたが、やはり私は、国民が心配する災害につきましては、丁寧に観測し、それから正確に予知し、すみやかに予報するということも、現段階においてはたいへん大切なことだと思うのであります。それにつきまして繰り返しませんけれども気象庁関係などにつきましての予算要求どおり、あるいは要求の三倍くらい出したところでたいしたことはありませんから、十分見てやってもらいたいと思います。もしそれによって国民の安心感が少しでも増すならば、こんな安いものはないだろうと私は思うのであります。  そこで、気象庁長官、実は私は戦争中役人をいたしておりました。運輸通信省の会計課長というのをいたしておりました。当時、藤原さんでしたが、長官として非常に予算獲得に苦労いたしておりました。私は一緒に参りまして、大蔵省で一緒に泣いたことがあったのです、防空体制下の予算折衝で。そしてそのとき思いました。確かに副長官おっしゃるようにへたくそなんです。へたくそなんですけれども、実に熱烈にねばったものです。当時軍部が予算を握っておりました。大蔵省等の役人といえどもなかなか思うにまかせぬような状況でありました。そうして、あの当時なればこそ一そう気象観測には責任を持たなければならないのに、予算が思うようにつかない。このような中で苦心しておるのを見まして、しみじみ当時のことを思い出したのであります。長官、ひとつがんばってください。あなたのところの仕事がしいいということばかりでありませんで、国民をして安心させる一番の根源じゃないですか。一番安く——安くと言っては悪いのですけれども、一番手っとり早い方法だと思いますので、これはがんばってもらいたいと思います。それによって、せめて何か上に言いわけのつかぬような国策の進め方をされるようにお願いをいたします。  私は時間が過ぎましたからこれで終わります。よろしくお願いいたします。
  70. 川村継義

  71. 稲富稜人

    ○稲富委員 時間がずいぶん制約されておりますので、要点だけ二、三点簡略にお尋ねいたします。  まず、明日の閣議におきまして激甚地の指定等も御決定になるそうでございますので、一応われわれは安心をいたしておりますが、さらにそれに連関をいたしまして二、三お尋ねしたいと思うのであります。これは先刻村山君からもお尋ねしておったのでございますが、災害対策基本法の第十一条では中央防災会議を置くことになっております。先刻副長官の御説明で、いろいろこれに対して御協議はなさっておるということは承ったのでございますが、ただここでお尋ねいたしたいことは、今回の災害は、特にシラス地帯のごときは相当重大な問題を生じておるのでございます。この十一条の三項には「内閣総理大臣は、次の各号に掲げる事項については、中央防災会議に諮問しなければならない。」こういう条文があるのでございますが、今回の災害についてどういうような諮問が内閣総理大臣からなされておるのであるか、その点一応承りたいと思います。
  72. 川上幸郎

    ○川上説明員 お答えいたします。  ただいまの諮問でございますが、これは先ほど副長官から御説明しましたとおり、激甚災害を指定いたします場合におきましては、激甚災害法の第二条第三項によりまして、激甚災害を指定いたします政令につきましては中央防災会議の意見を聞かなければならない、こういうふうになっております。このために、この激甚災害の政令を制定するのは妥当であるかどうかを諮問してございます。
  73. 稲富稜人

    ○稲富委員 その諮問に対してはどういうような答申をされておりますか。
  74. 川上幸郎

    ○川上説明員 お答えいたします。  ただいまその文書は持っておりませんけれども、本諮問に対しては防災会議としては異存はない、この旨の答申をいただいております。
  75. 稲富稜人

    ○稲富委員 そういうようなことが激甚地の指定等の閣議決定の資料になるものだ、かように考えるわけでございますが、ここで私まずお尋ねしたい。これは私、以前にもお尋ねしたことがあったと思うのでございますが、御承知のとおり災害対策基本法の第十一条には、いま申しましたように内閣総理大臣はこういうことを防災会議に諮問しなければならないということになっておる。ところが第十二条には「会長は、内閣総理大臣をもって充てる。」ということになっている。すなわち会長である内閣総理大臣が防災会議に諮問をするということになる。これはいろいろな審議会等ではこういう事例もあるということは聞いているのでございますが、これはおのずから内閣総理大臣は行政的にこの防災会議に諮問をする、防災会議はこれによって政府がなすべきことを答申する、それによって行政的な措置内閣総理大臣はやらなくてはいけない、こう私は思うのです。その内閣総理大臣が同じ資格——防災会議の会長は内閣総理大臣でございますから、内閣総理大臣が防災会議の会長の内閣総理大臣に諮問をし、またその防災会議の会長の内閣総理大臣が内閣総理大臣に答申をするという、どうもこの点、これでいいのであるか。私たちはこれに対してやはり何とか考えるべきじゃないかと思うのでございますが、この点どういうようなふうに政府としては解釈していらっしゃるのか、承りたいと思うのです。
  76. 川上幸郎

    ○川上説明員 お答えいたします。  ただいま先生から御指摘ございましたとおり、中央防災会議総理府の、国家行政組織法によります八条の附属機関でございまして、防災会議は各指定行政機関の長、つまり各省の大臣からなっております。でございますので、中央防災会議と申しますものは各省大臣、もちろんこれ以外に日赤総裁、それから日銀総裁等が入ってまいりますが、このようなメンバーをもって構成されます一つの機関でございます。この機関の会長は、特に重要でございますので内閣総理大臣をもってこれに充てておる。片や諮問いたします大臣といたしましては、これは内閣の長でございます内閣総理大臣が、先ほど申し上げましたような各指定行政機関の長を統括いたします内閣総理大臣へ諮問する、こういう形式でございますので、法的には不備はないと存じます。
  77. 稲富稜人

    ○稲富委員 法的にはもちろんそれで成り立つかもわかりませんけれども、事実上の問題として、ことに災害なんかの場合に、内閣総理大臣はこの災害に対して対策をやるべき一つの行政的な任務を持っている。防災会議というものは、この災害に対してはいかなる措置をとるべきであるということを答申しなければいけない立場にあるので、答申をする人と諮問をする人と、同じ人がこれをやる。単なる個人ではなくして内閣総理大臣——「会長は、内閣総理大臣をもって充てる。」と書いてある。十一条の三には、内閣総理大臣はこうこうこういうことを諮問しなければならないと書いてある。内閣総理大臣が諮問をしなくてはいけない。その内閣総理大臣は防災会議の会長でございますから、会長がまたこれに対して答申をしなくてはいけない。この点はどういうことでこういうことになったのか。これでいいのか、私は大いに検討すべき問題じゃないかと思いますが、副長官どうですか。
  78. 鯨岡兵輔

    鯨岡政府委員 これは前に御決定いただいた災害対策基本法の内容の問題でございますから、なるほどそういうお話になれば、常識的にはそんな感じもしないものでもありませんが、一応これは私どものほうの考えというよりは、ひとつ先生方のほうで御検討をいただくことがより適切かと思います。しかしこればかりじゃないのですね。そういうことを言いますと全部そうですね。そこで、なおよく検討をお願い申し上げたい。私どものほうでも研究をいたします。
  79. 稲富稜人

    ○稲富委員 審議会等によくこういうのがあるのです。ところが災害の場合だから特に私この点、普通一般の審議会なんかと違って、災害という問題があるがためにこの問題は検討しなくてはいけない問題があるのじゃないかというふうに考えているのですが、これを議論していると切りがありませんのでこの程度にいたしまして、具体的な問題でお尋ねしたいと思います。  まずお尋ねしたいと思いますことは、これは先般来しばしば河川局長にもお尋ねした問題でございますが、私たちが最近の災害を見ますと、ことに数年来の集中豪雨等によりまする災害を見ると、中小河川の維持管理というものが非常に不十分である。昔と違いまして中小河川等にはあまり水がない。日ごろ川が流れていない。ついなおざりになりまして、その川の中にたくさん草がはえている。昔はよく水さらえというものをやったのでございます。ところが最近それもやりません。それがために中小河川というのはもう十分河川としての機能を発揮してないような点もあります。あるいはまた農林省関係の老朽ため池等も、昔はよくため池の土をとって堆肥等をつくりました関係上、いわゆるため池さらえというものをよくやったものですが、最近ほとんどやりません。こういうことから、ため池の底が一メーターも二メーターも上がっている。それがために水をたくわえる量も少なくなってくる。こういうようなものが非常にある。これが最近の災害の原因をなしているのが非常にありますので、この機会に、これは建設省関係でありますが、中小河川におきます管理というものを、これが直轄河川でございましょうともあるいは町村のでございましょうとも県営でございましょうとも、この管理を十分するということをひとつ考える必要があるのじゃないか。さらに老朽ため池等に対しましても、これは農林省関係であるが、数年前の災害のときにも私はこのことを十分注意をしたことがあるのでございますけれども、まだ老朽ため池等の管理等は怠っているのがずいぶんありますので、この機会にひとつ、今回の災害から十分この点を高く考えるべきじゃないかと思うのでございますが、これに対する政府考え方を承りたいと思うのであります。
  80. 坂野重信

    ○坂野(重)政府委員 御指摘のとおり河川の維持、管理の問題は非常に重要な問題でございまして、今回の災害の状態等を見てみましても樋門の操作が不適切であったというような事例も出ております。これらにつきましては、私どもとしてもそういった監督、指導の責任を痛感いたしておりまして、御承知のとおり一級河川は国がみずから管理する。一部指定をいたしまして県知事に管理を委任しておるところもあります。また二級河川につきましては知事がみずから管理の責任をとるということになっておりますけれども、いろんな機会に私どももそういった維持、管理につきましては指示——文書、その他機会あるごとにそういった維持、管理の適切を期するように指示いたしておりますけれども、なお一そうそういった問題につきまして間違いがないように、あるいは予算の面等におきましても今後最大の努力を払ってまいりたいというぐあいに考えております。  それから樋管の問題等につきましては、実は毎出水期に事務次官通達等でもって、こういった操作あるいは管理の誤りがないように十分指示しているわけでございますけれども、なかなか末端のほうにまいりますと往々にして、ふだんそういった災害がないわけでございますので、しょっちゅうあれば問題になるわけでございますが、何年かに一ぺんやってくるということで、往々にして手抜かりがどうしても生じやすいということでございますので、そういう点につきましてはさらにひとつ改善の努力を払ってまいりたいというふうに考えておりますので、御了承願いたいと思います。
  81. 櫻井芳水

    ○櫻井説明員 それでは私からお答えいたしたいと思います。と申しますのは、私のほうで防災事業といたしまして老朽ため池の補強事業をやっております。これは全く先生指摘のとおりでございまして、ため池の決壊等の原因にはやはり維持、管理が不十分、あるいはかんがい期に水をためるために土へいを積んで、そのために水が溢水したというような現象がございます。現在四十四年度で三百六十カ所ほど全国で老朽ため池をやっております。四十四年から私どものほうの防災事業の重点事項としてやっております。それでもまだまだ伸ばすべきでございますし、それからつゆどきに、前には私のほうからも局長名等で各県にため池の管理を十分やっていただくような注意は毎年やっておりますし、さらに香川県、その他の県でもため池の保全のための条例をつくって指導しておられる県もございます。今後私どもは、各県ともにやはりそういうようなこまかい指導を十分やるべきだと思いますし、それから管理も、やはりかんがい用の大事なため池でございますので、関係の農民の方々にも十分注意を喚起して、今後十分積極的に保全のために努力したいと思います。
  82. 稲富稜人

    ○稲富委員 よく災害は忘れた時分にやってくるといわれるのであります。忘れた時分にやってくるというのは、いま河川局長が言われましたように、日ごろ水があまりないからほっておく、それが集中豪雨でこうなったと思うのであります。この間河川局長は巨瀬川に行かれたということを聞いておりますが、巨瀬川のごときは御承知のとおりほとんどアシがたくさん植わっていて、もうほんとうに少しばかり水が流れていて、集中豪雨でもあれば十分これを流すことができないという状態である。こういうことはやはり管理を怠っているからだと私は思う。それで、特に直轄河川だけの管理じゃなくして、治山治水という立場からいっても、この中小河川については政府がもっと積極的にこれが管理等に力を尽くされることが非常に必要でないかと思いますので、特にそういう点をこの機会にひとつ十分念頭に入れておいていただきたいということを強く要望するわけでございます。  さらにまた、私今回の災害等を見まして非常に感じますことは、最近やはり山の開墾、いわゆる造成地等がたくさんできております。こういうような関係からの地すべりが非常に多いのでございますが、これに対しましては、これは建設省も農林省も両方でありますが、やはり砂防施設というものをもっとやらなければいかぬじゃないか。これは農林砂防におきましても建設砂防におきましてもそうでございますけれども、こういう点はこの機会にやはり砂防計画というものを立てて、そういうような被害を再び繰り返さないようにこういうことを再検討すべきじゃないか、かように考えておりますが、これに対しては建設省並びに農林省はどういうような考えを持っていらっしゃるか、承りたいと思います。
  83. 坂野重信

    ○坂野(重)政府委員 山地の崩壊につきましては先生指摘のとおり、最近の気象条件、特にこういった異常集中豪雨傾向によりまして山地の崩壊が非常に目立っております。土石流あるいはいろいろな地すべり現象等、そういったことに伴って災害が激増しておるのは先生の御指摘のとおりであります。特に中小河川の上流等においてそういう現象が顕著にあらわれておりますので、私どもの新治水事業五カ年計画をつくる際にもそういうものを実は重点にいたして計画しているわけでございます。そういったものにつきましてはさらに五カ年計画の推進ということに努力してまいると同時に、地すべり等につきましては、実はことしの四月新潟で地すべりが発生いたしましたのを契機にいたしまして、全国的に再点検をいたしておりまして、この調査の成果というものが逐次出てまいっておりますので、そういうものを踏まえましてさらに対策考えてまいりたいというぐあいに考えております。
  84. 藍原義邦

    ○藍原説明員 林野庁におきましても、新しい五カ年計画によりまして危険地その他を重点的に推進するために、山地の崩壊個所あるいは予防個所につきまして積極的にやっております。いま河川局長からお話がありましたように、最近は局地における災害というものが非常に多うございまして、それにつきましては林野庁といたしましても、全国の危険個所あるいは今後対策を講ずべき個所につきまして調査をいたしまして、現在取りまとめ中でございます。そういうものができましたら、すでに五カ年計画で個所をきめておりますけれども、早急にそういうものの度合いその他を考えまして、危険地につきましては早急に、積極的に対策が講じられるように対処するつもりで現在検討を進めております。
  85. 稲富稜人

    ○稲富委員 それでは地すべり地帯の問題をちょっと、局長が言われましたので申し上げたいと思います。  実は福岡県の山門郡の山川村というところがございます。これは二十八年災害のとき私は現地へ行きまして、非常に地すべりがひどいので、この際これは地すべり地域として指定を受けなければいかぬじゃないかということを私は町村に言ってきたことがあったのでございます。私は、それは地すべり地帯として対策をやっておられると思っておった。この間の災害で行ってみましたら、地すべりを生じております。ところが指定をまだやってないわけです。これは二十八年くらいから問題になっておるのがまだ指定を受けてないそうなんで、役場のほうではしばしば県にお願いしておる、こう言うのでございますが、まだ指定区域になっていないそうでございます。この点は十分ひとつ県等と打ち合わせになって、直ちに地すべり地帯として指定をすると同時に、これに対する防御対策というものをやることが必要であると思いますが、こういうことに対して何らか資料があなたのほうに入っておるのなら承りたい。もしも入ってないとすれば今後対策考えていただきたいと思うのでございます。
  86. 坂野重信

    ○坂野(重)政府委員 至急調査しまして、対策を検討いたしたいと思います。
  87. 稲富稜人

    ○稲富委員 それから、今回の災害で非常に困っておりますのは、これは先刻池田委員からも御質問があったのでございますが、農地並びに農業施設その他建設関係の事業でございますが、小災害が非常に多い。こういうような集中豪雨の結果、いつも起こるのはその小災害なんです。小災害に対しては、あるいは先刻も話がありましたように、建設関係は二十メートル、農地関係には五十メートルというような方式を立てられておるようでございますが、これはやはり町村単位にして、その町村にそういうような小災害が幾つかあるというものは何とかこれに対して対策をやる、こういうようなことで検討することが最も妥当ではないか。距離によってこれをつなぐということよりも、そういうようなことでひとつ検討したらどうかと思うのでございますが、これはいかがでございますか。これは副長官からやってもらったら一番いいのじゃないですか。
  88. 坂野重信

    ○坂野(重)政府委員 まことに御指摘の御趣旨はわかるわけでございまして、その点につきましていろいろ検討はいたしておりますけれども、二十七年にこの法律が制定されて、もう十年以上たっているわけでございます。一応一件の災害が十万円というのが限度になっておりまして、その当時の十万円はかなりの額だったと思いますが、いまにしてみれば十万円といいますと、額からいいますとほんとうにそれは零細な金額でございますが、公共土木施設の復旧としては、金額の面ではかなり手厚いものを見ているというぐあいに、結果的にはそういうことになっているわけでございます。しかし、この点につきましてはなお、さっき申し上げましたように検討してみたいと思っております。  それから二十メートルの問題につきましても、大体二十メートルといいますと、それが連続した一つの個所だという解釈で従来きておるわけでございます。これらの点につきましてもさらに検討させていただきたいと思いますが、ただ、どの辺にその限界を置くかという問題、零細の補助という問題につながる問題でございますので、その辺はさらに全般の問題として、また総理府等とも十分連絡をとりながら、また大蔵省当局とも連絡をとりながら、検討をしてみたいと思っております。
  89. 荒勝巖

    荒勝説明員 基本的には、いま建設省のほうから御答弁になりましたことと同じように、農林省といたしましてもこの法律できめられて以来、元金の十万円というのは据え置きになっておりますので、本件につきましては今後建設省ともなお協議していろいろ検討したいと思っておりますが、今回激甚法の指定になりました関係もありまして、こういう小災害につきましては、いわゆる十万円以下のものにつきましても、三万円以上十万円未満のものにつきましては地方債の発行が許可され、その元利償還金について元利補給金が市町村に交付されますので、地元の市町村のほうでお困りになっております県は多少でも緩和されるのではなかろうか、こういうふうに理解しておる次第でございます。
  90. 稲富稜人

    ○稲富委員 それで、もちろん起債その他で借りたものは返さなければいかぬのですからね。これは農林省にも関係があることであるし、建設省にも関係があることであるから、総理府のほうで、いつでも問題になりますのは小災害の十万円以下の問題が非常に多くなってくる、こういう問題でたびたびなるのですから、何とかひとつ基準を置いて、こういう問題でも対処せられるのだということを、これはひとつあなたのほうで音頭をとってもらって、農林省とそれから建設省、自治省、こういう関係で何か基準をつくってもらうことが一番妥当じゃないかと思うのでございますが、この点ひとつ副長官からお考えを承っておきたいと思います。
  91. 鯨岡兵輔

    鯨岡政府委員 考えを述べるまでの段階に至っておらないのですが、これはこの前の委員会、参議院でも問題になりました。どこでも問題になりました。先ほどから再々申し上げておりますように、今度の災害についてだけでも四、五回会議を開いております。その会議のたびに出ている問題であります。いまだ結論らしきものは出ておりませんけれども、いわゆる実情にそぐわなくなってきているのではないかという考えはわれわれにもあります。ただ、いま建設省からもお話がありましたように、この限度をどうするかという問題も残されておる問題であります。なお御趣旨を体して検討を続けてみたい、それでなるべく御期待に沿うように、こたえられるようにしたい、こう思っております。
  92. 稲富稜人

    ○稲富委員 時間がありませんから、最後に一点だけお尋ねいたします。  これは農林省関係ですが、前から言っているので非常にくどいようで申しわけございませんが、今回の樹園地の地すべり等で復旧不能の土地が融資を受けておる、この融資に対する対策というものを——これは復旧ができればおのずから融資金の緩和その他によって方法がとられると思うのですが、全然復旧ができない、復旧すると相当額の金が要る、こういう問題に対してはいかなる方法をとってこれを救済するようなことをやればいいのであるか。何とか御検討を願っておると思うのでございますが、そういう検討ができておりますならば、この機会に御検討の段階だけでも承っておきたいと思うのでございます。
  93. 荒勝巖

    荒勝説明員 たびたび御質問がありますので、農林省内部におきましても担当関係局課で、この件についての取り扱いについては非常に苦慮している次第でございます。ただ、いずれにいたしましても融資金であります関係で、返さなくてもよろしいというたてまえで議論をするわけにもまいりませんが、その点につきましては、なお融資の貸し付け先が農林漁業金融公庫という政府関係機関でもありますので、本件の取り扱いにつきましてはわれわれも十分に公庫ともよく協議をいたしながら今後進めてまいりたいと思いますし、なおかつ地元のほうにおかれましても、公庫方面とも十分御相談願いたい、こういうふうにいま考えておる次第でございます。
  94. 稲富稜人

    ○稲富委員 この問題についてはさらに御検討願うことにしまして、もちろん棒引きするわけにはいかないでしょうが、現在借りているものはできるだけ長期にこれを緩和するということと、その人がまた別に事業をやるという場合には特別のこれに対する融資の方法を考えるとか、そういうようなことで補うことによって困ることを少なくするというような、何か両方にらみ合わせた、からめた一つの方法があるんじゃなかろうかとも考えますので、こういうことも十分ひとつ御検討願いたい。この被害をこうむったものは相当に多いのです。特に、すでに御承知になっておると思いますが、本年度から返済期限に入ったというのが災害をこうむっているというようなのが、この三年来非常に多うございますので、特にこの問題に対してはそういうような前向きの形で、いろいろな方法で御検討願いたい、こういうことを特に要望いたして、私の質問を終わることにいたします。
  95. 川村継義

  96. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 災害にいろいろと御努力を賜わっておることに対しては、公明党としても感謝申し上げておりますが、ひとつより一そうあと始末のほうをお願いいたします。  関連がありますのでちょっとお尋ねしたいのですが、下久保ダムの点についてお聞きしておきます。ちょうど六月の三日に地元において、下久保ダムの周辺地の神戸地区、鬼石、扇屋地区、これらについて亀裂があるということを発見されましたが、下久保ダムは御承知のとおり利根川水系の大きなダムでありまして、関東屈指のダムでありますが、これについてまずお伺いしたいのであります。この下久保ダムの現在の貯水量はどれくらいありますか。
  97. 坂野重信

    ○坂野(重)政府委員 ちょっといま、現在の貯水量ははっきりつかめておりません。後ほど調べて報告します。
  98. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 いま私が申し上げましたような亀裂の事実はあったのでございますか。
  99. 坂野重信

    ○坂野(重)政府委員 御指摘のとおりでございまして、下久保ダムの上流の地点、鬼石町の神戸、沼ノ窪地区、さらに上流十きロメートルの扇屋地区に発生いたしておりまして、水位が下がってからそういうものが発見されたということでございまして、現在のところは発生したことは事実でございますが、局地的な現象であるというふうに考えております。
  100. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 現在、私が貯水量をお聞きしたのは、水位が下がったということで、一体この七、八月の水位というものはどれくらいか、こういうことをお聞きしたのでございますが、つかんでいらっしゃらないので、後ほどでけっこうですが、現在の貯水量、これを例年のあれに比較してひとつお知らせしていただきたい。  なぜこのような亀裂が生じたかということで、地元の鬼石町から水資源開発公団に対して陳情が行っておりますが、その陳情の内容はどんな内容なんでございますか。
  101. 坂野重信

    ○坂野(重)政府委員 陳情の内容は、この地すべりの実態がよくわからないので、あるいはこれがさらに拡大するのじゃないか、それに対してどういうぐあいに公団なり国のほうが措置してくれるかというような趣旨だと解釈しております。
  102. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 それに対して水資源開発公団の回答並びに建設省の回答はどうなんですか。
  103. 坂野重信

    ○坂野(重)政府委員 地すべりの陳情、あるいは現地における報告がございましたので、建設省といたしましては直ちに公団と一緒に現地の視察をやり、また調査したわけでございますが、現在のところ、扇屋地区につきましては、先ほど申し上げたようにダムサイトから約十キロくらい上流でございます。そこにつきましてはさっそく早急な工事を行なう。それから道路の交通安全の問題がございますので、一般交通に支障のないように措置をしようということにいたしております。  それからもう一地区の神戸、沼ノ窪地区につきましては、すでにこれはダムの建設の当初から地すべり現象もございましたので、それに対して対応策もすでに済んでおりまして、したがってその対応策が済んだところは別に問題はないわけでございます。その近隣におきまして一部ひび割れができておりますということで、地元民がたいへん心配いたしておるわけでございますが、現在のところ急速な進展はないということでございますが、なお調査並びに観測を強化してまいりたいということにしております。これらの対策は、私どもとしては金額にいたしますと約三千万円くらい要るわけでございますが、これらにつきましてはそれ相当の対策工事を水資源開発公団に直ちに措置させるということで指示いたしております。
  104. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そういたしますと、地くずれもしくは地割れ、この地区はそういう危険地域であるということで電源開発ではこれは手をつけなかった。そこに国が水資源開発公団に命じてやらしておるわけでございますが、この辺の地質というものはどういう土質なんですか。
  105. 坂野重信

    ○坂野(重)政府委員 こまかい土質、工学的な名称ははっきりいたしておりませんが、一部さっき申し上げたようにダムサイトの約五キロ上流の地点で地すべり発生の徴候が見られましたので、その当時から建設省なり公団においてそういう対策を講じたわけです。講じたところについては先ほど申し上げたように別に異常現象はなかったわけです。講じなかった近隣の付近に先ほど申し上げたようにひび割れができたということでございますが、よく観測いたしますと、現在のところそれ以上拡大するおそれはないということで、相当離れた上流の側について、むしろ道路交通の安全上からいって早く手を打つ必要があるのではないかということで手を打ったわけでございます。もちろん、そういったことで観測をいたしまして、あるいはもう少し広範にそういった地すべりの手当てをする必要があるのではないかということが明らかになってまいりますと、別途地すべり防止個所に指定するなり何なりの対策を将来において講じてまいりたいと考えております。
  106. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 私が心配しておりますことは、いま局長から土質に対する御説明がなかったのですが、私はこういった点ではしろうとでございますのでお尋ねするのですが、風化緑泥片岩または緑泥片岩というものは、こういったダムに大きな何千万トンという水をためておくような、こういう地域としては適当なのか不適当なのか。またこういうふうに土地がくずれて地すべりが起きている。それがいまお話のありましたように、水位が低下したようなことぐらいが原因で、ダムの水位が低下したぐらいのことが原因で地すべりがしたり、地割れがしたりということははなはだ不安なんですが、この点は地質学的にいっても、いま私が申したような地元に不安を与えるような問題が起きるものなのかどうなのか。この点は非常にあいまいもことしておるのですが、その点局長いかがですか。
  107. 坂野重信

    ○坂野(重)政府委員 さっき申し上げたように、現在のところはこれ以上進展する心配はない。そこで対策工事等につきましても専門家の間等で十分討議して、鉄のパイルを打ったり、こういった対策工事をやれば十分防止できるというぐあいにいままでのところ確信を持っておりますけれども、なおしかし慎重に今後とも、観測の機械等をすでに設置しておりますので、そういうものによって今後ひとつ判定してもらいたいと思いますが、現在のところは心配はないというぐあいに判断いたしております。
  108. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 扇屋地区における農業倉庫や物置きを移転するという話がいま起きて、また移転する計画になっております。これに対する補償というものは建設省か水資源開発公団に——水位の低下によって生じたということによって当然そういうところの危険な建物は除去しなければならぬということで、地元から補償の問題が出ておりますが、これに対してはどのようなお考えがありますか。
  109. 坂野重信

    ○坂野(重)政府委員 当面の問題につきましては先ほどお話をしたとおりでございます。本来的な地すべりなり、そういった崩壊の現象と、水位の変動により、そういうものが直接の原因になって変動を来たしたという問題を分析する必要があるわけでございますが、現地の実態においてその辺の分担をどうするかというような問題につきましては、今後事務的に詰めてまいりたい。いずれにいたしましても地元民に心配を与えないような対策は早急にとるようにいたしたいと思います。
  110. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 この問題は非常に大事な問題でございまして、利根水系の開発ダムというものはこれからも数多く計画されておりますが、このことによって、群馬県や私の地元の埼玉県も関連があるのですが、こういった問題が起きますと、ダム設置に対する国土開発の立場からいっても非常な大きな阻害になると思います。この点は地元民も不安を感じておりますので、ただいま局長が申しましたような安全であるということを完全にPRもしてもらいたいし、またそれに対する災害防除の面においては予算を惜しみなくつぎ込んで、ひとつ大事故にならないように私どものほうから注意を喚起しておきます。どうかその点よろしくお顔いします。総理府総務副長官からもお答えを願いたいと思います。
  111. 鯨岡兵輔

    鯨岡政府委員 いま建設省からお答えしたとおりでありまして、いま御指摘のとおり、住民に不安を与えないような施策並びにPRは必要だと思います。
  112. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 では、その点はこれで打ち切っておきますが、第二点は、副長官にお尋ねしたいのですが、最近の都市計画上、地下街が非常に発展しております。この間も地下街の火災が起きました。ところが私、東京駅の地下街の中でプロパンガスを使っているということをちょっと聞いているのですが、地下街では一体プロパンガスを使わせているのですか。
  113. 鯨岡兵輔

    鯨岡政府委員 それは消防庁のほうからお答えをいたさせます。
  114. 川村継義

    川村委員長 消防庁はおられませんが……。
  115. 鯨岡兵輔

    鯨岡政府委員 それでは小川先生、後ほどお答えをいたします。
  116. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 私、きょう消防庁は連絡しておきませんでしたので悪かったのですが、ほんとうは聞きたいことがあるのです。この間の観光地における旅館、ホテル等のあと始末のこと、総点検をこの前の委員会でも要望しておいたのですが、その点のことも続いてお聞きしたかったのですが、きょうはおいでにならなければしようがないのですが……。  これは考え方として副長官、地上にあるものなら飛び出していけますが、また高いところだったらおりられますが、地下の底だったら、上に火が上がりますと全然出られません。そういうような危険な地域において、プロパンガスが火事のときに爆発を起こしたりして非常に危険である。これが事実であるかないかはこれから消防庁で調べなければわかりませんが、こういうことが事実であればこれは当然禁止すべきだと思いますが、その点、まずお考えだけお聞きしておきたいと思います。
  117. 鯨岡兵輔

    鯨岡政府委員 これは、私は全然しろうとですが、何か感じとしてはおっしゃられるとおりにわかりますが、地下街はまるで商店街になりましたから、そこでそれに対する対策というものが十分に講じてなければあれを許可するはずはないというふうに感じているのです。プロパンガスというものが使われていることが危険かどうかということになれば、私はよくわかりませんので、なお消防庁のほうとも協議をしてみたいと思います。
  118. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 いま副長官も御存じのとおり、地下街で食事等をさせておりますね。てんぷらもあげております。肉のフライもあげておりますね。これでは一たん火事になったらたいへんなことである。普通の都市ガスであればこれは問題はないのでありますが、都市ガスを引けない地域がありますね。たとえば埼玉県におきましては草加市とか大宮市なんかも引いておりません。そういうところにどんどんいま地下街ができております。当然こういうところで都市ガスが引けない場合にはプロパンガスを引くわけです。プロパンガスというのは御存じのとおり爆発をいたしますので、これは非常な危険なものであるということで、きょうは消防庁にお尋ねしたかったのでありますが、おいでにならないのでこの点の結論が出ないのですが、この点もひとつ防災会議の議題にしていただいて、中央防災会議の中でもやっていただきたい、こう思っているのです。  中央防災会議というのは一体一年間に何回ぐらい開かれるのですか。
  119. 川上幸郎

    ○川上説明員 お答えいたします。  ただいま先生から御質問がございました中央防災会議の開催件数でございますが、この会議につきましては先生御存じのとおり、会長専決の場合もございますし、持ち回り会議等の場合もございますが、これをこの四十一年から申しますと、四十一年におきましては九回、四十二年におきましては十四回、四十三年におきましては十一回、このような数字になっております。
  120. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 それから、防災会議の事務局員等が足りないからというのでふやすように要求があったけれども予算関係等で削られた。私は川上参事官が一生懸命がんばっておられる姿を見て、もう少し人手をふやして——まるでもうくるくるコマネズミのように一人で活躍しておられますが、何とかならないものだろうか。こういう防災会議のようなものについては、もう少し金を惜しみなくつぎ込んでいただきたいと思います。鯨岡さんの前でこんなことを言うのは何ですが、この点いかがでしょうか。
  121. 鯨岡兵輔

    鯨岡政府委員 全くそのとおりと考えておりますので、御協力をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
  122. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 御協力は十分いたしますが、ひとつ副長官のほうも、国会でこういうお尋ねがあったということ、こういうわれわれの意見というものを尊重してもらいたい、こういうことなんです。  次に、災害救助法でございますが、災害救助法の第二十三条第三項による救助の程度というものを大幅に増額すべきであると考えておりますが、いかがでしょうか。
  123. 今村譲

    ○今村(譲)政府委員 これは御指摘のように、ほとんど毎年に近いほど増額を実はやってきておるわけでございます。あるいは仮設住宅といったものの基準については改善をしてきております。ここ数年で相当幅は上がってきたと思っております。そのつど、この基準を厚生省の通牒でやってきておりますが、これはずっと上がってきております。今後ともその努力は続けていきたい、こう考えております。
  124. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 副長官、この第二十三条第三項、これは中央防災会議の議題に入れていただくことをひとつお約束していただきたい。この基準額をどうしてもふやさなければいかぬ、こういうことです。  次に、応急救助に必要な装備、機材の整備及び救助用物資、備蓄倉庫の整備に対して補助制度を確立すべきであると考えますが、この点についてはいかがでしょうか。
  125. 鯨岡兵輔

    鯨岡政府委員 それもやはり毎々しばしば話にも出ておりますが、できるだけ大蔵省のほうとも折衝いたしてみたい、こう考えております。
  126. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 副長官、しばしばと言われますが、この問題はぜひやらなければいかぬですよ。そんなしばしばということで逃げられては困りますよ。ちゃんと補助制度をきめてやらなかったら、たいへんなんですよ、この問題は。一ぺん防災会議のおえら方が行って、その倉庫の状況を見てもらう、そうすればどういうものかということがよくわかります。だから、この点だけお願いいたします。  次は、災害対策基本法第百一条に「別に法令で定めるところにより、」とありますが、この「別に法令で定める」というのは一体何ですか。
  127. 川上幸郎

    ○川上説明員 お答えいたします。  第百一条に「地方公共団体は、別に法令で定めるところにより、」こういうふうにございますが、これは各自治体において設けております基金——これは正式な名称はちょっと失念いたしましたが、その基金等でございます。
  128. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 災害救助法第三十七条の災害救助基金というのは各県によって若干差異がありますけれども、なぜそういう差異があるようになっているのか。またどういう仕組みになっているのですか。
  129. 今村譲

    ○今村(譲)政府委員 三十八条にありますように、各県とも「当該年度の前年度の前三年間における地方税法に定める普通税の収入額の決算額の平均年額の千分の五に相当する額とし、災害救助基金がその最少額に達していない場合は、都道府県は、政令で定める金額を、当該年度において、積み立てなければならない。」ということで、目標としましては、五百万円に満たないときには、最少額は五百万円とする、こういう基準でございまして、年々千分の五というものは変動してまいっております。こういうようなことで各県のほうに準備をお願いしている、こういう状況でございます。
  130. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そうすると、その三十七条と地方自治法第二百四十一条との関係はどうなりますか。
  131. 川村継義

    川村委員長 小川委員、すみませんが、もう一ぺんいまの御質問をしてください。
  132. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 災害救助法第三十七条と地方自治法の第二百四十一条の関係はどうなっているかということです。
  133. 成田二郎

    ○成田説明員 お答えいたします。  地方自治法の規定は一般規定でございまして、一般的に地方団体が財政事情の余裕がありました場合、また必要やむを得ないような事態、たとえば災害もその一例だと思いますけれども、そういうような場合に備えまして、基金は設置しておかなければならぬ。また最近都市計画法の施行によりまして、都市開発に必要な用地の事前買収と申しますか、そういうような場合につきましても、事前にできるだけの具体的な措置をすべきである、こういう観点から、私どもといたしましては、たとえば今年度も地方交付税で六百億円を措置いたしまして、そして地方団体の都市対策の上で支障がないような配慮をするようにいたしておるわけでございます。ただいま御指摘防災計画でございますが、これも地方団体の財政事情が許す限りできるだけの処置をしなければならぬ、こういうような趣旨考えております。
  134. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 地方自治法のいま私が申し上げました第二百四十一条の規定によって、災害対策基本法第百一条の基金というものを積み立てた例はありますか。
  135. 今村譲

    ○今村(譲)政府委員 各県ごとの数字は持ってまいりませんが、各県ともそれ相当の金額はみな積み立てております。
  136. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 それではその各県別の一覧表を私のほうへあとで、ひとつ資料要求をいたしておきます。お願いいたします。  それから、その基金の中で、国と地方公共団体の双方で資金を出し合ってつくった例はありますか。国と地方公共団体が出し合ってその基金をつくった例がありますか。
  137. 今村譲

    ○今村(譲)政府委員 三十八条で積み立ててまいりますので、これは決算のいわゆる千分の五相当額云々ということで積み立てておりますので、積み立ててある金そのものについては、国が直接に国の負担分として金を出すということはございません。
  138. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そうしますと、これはあくまでも地方自治体の財政のワクの中で、基金というものをただいま定められた地方自治法にのっとって積み立てているのであって、国はそれには参加していない、こう理解していいのですか。
  139. 今村譲

    ○今村(譲)政府委員 そういうふうに理解しております。
  140. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 だから私は、こういう災害対策の問題は、地方と国とが拠出し合って基金をつくらなければ、地方財政の緊迫なところや災害が常時起きているところと、災害なんかないのだと甘く考えている県と違うと思うのです。これはあなたのほうから出してもらった一覧表を見ればあとでわかると思うのです。その点について私はそういう考え方を持っているのですが、これは副長官、その点について私の考えは間違っていますか。
  141. 鯨岡兵輔

    鯨岡政府委員 私はその点についてはあまり知識はないので、よくわかりません。
  142. 今村譲

    ○今村(譲)政府委員 この罹災救助基金に対して、直接的に県が積み立てる分の何分の一を国が補助をするというようなかっこうにするかせぬかという問題につきましては、現在の府県の積み立て基金制度の根本問題に触れるものですから、これはいろいろ関係方面が多い状況でございますので、いましばらく検討さしていただきたいと思います。
  143. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 これも副長官、大事な問題です。これもひとつ防災会議のテーマにしていただきたい。なぜかと申しますと、この基金がないために非常に問題になって、結局積み立てておけばいざというときに非常に役に立つのですが、これはあとであなたのほうから出ればわかると思うが、非常に少ないのです。やったりやらなかったり、格差が一ぱいあるのです。その点、中央防災会議災害の基本的な問題をというので私ども調べてきてやったわけなんですが、ひとつこの点テーマにしていただきたいと思います。  それから、先ほど川上参事官もおっしゃっていてよくわかっていると思いますが、この前の災害対策委員会におきまして、中央防災会議から各省に対して防災計画、業務計画、これが提出のないところに提出の勧告がございましたが、その後一体どういうふうな成果が出たか、ちょっとお尋ねしておきたいと思います。
  144. 川上幸郎

    ○川上説明員 お答えいたします。  ただいまの点につきましては、まず各省の関係防災業務計画、それから各地域の防災計画と両方ございますけれども、各省の防災業務計画につきましては、関係各省におきまして、できてないところはいろいろ理由があるのでございまして、たとえば大蔵省で申しますと、大蔵省の場合にどのようなことを書いたほうが一番適当かというような問題もございますし、いろいろありますので、議論は詰めている最中でございます。  なお各地域の防災計画につきましては、これは消防庁と連絡いたしまして、事があるたびに防災計画の作成をはかるように指導しているところでございますが、四十四年五月末現在におきまして八九・五%、九〇%というようになっておりますのは非常に遺憾である、かように考えておりますが、なお一そう促進をはかりたいと思っております。
  145. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 これは副長官、地方防災計画は非常に提出が悪いです。そのために、地方の市町村にこれを作成する能力があるのかないのかという点までこれは考えを及ぼさなければいかぬ。非常にこの防災計画等において地域住民の声が計画に反映されない。そのために、この間私ども鹿児島を視察したときに、田上自動車関係の地くずれで四人死んだ、あれなんか明らかに建築基準法違反です。密集地域です。私どもあれなんか一目してわかります。建蔽率違反、そういうようなところはがけくずれで死んでいる。これはもうその災害を受けた地点が違法行為の、建築基準法違反なので、もっとこれが拡散されていればあんなに大きな被害がなくて済むのだということは、われわれのようにいささかでも少しでも知っている者が見ればわかりますが、そういうところは防災計画の上にのっとって過密地域なりそういうものになるのだということで、一つの中にあらわれてくればこれは非常にそういった計画も成り立つけれども、そういう防災計画も何も出てない。これは行管から総理府なんかも注意されて、あなたにこの前詳しく数字を言ったのです。その以後のやつを聞きたいのですけれども、逃げちゃって言ってくれないのです。これは非常によろしくないですよ。そういう点でこれもひとつ中央防災会議の最大テーマにしていただきまして、地方防災計画、業務計画をつくるように、また各省が行管からそういった警告を受けておりながらいまだ実施してない、そういうのがあるのです。彼は知っているのです。ところが言わないだけなんです。そういう点もひとつテーマにして——メモしておいてください、お願いしますよ。そういうことは非常に大事な点であると思いますからよろしくお願いしたい。  最後に、これは埼玉県の例なんですが、これは河川局長、おか砂利を取って大きな穴がぼこぼこできている、利根川水系に。これは河川砂利がないもので、要するに利根川水系のたんぼが畑になっている地域、俗にいうおか砂利ですね、砂利採取規制法に触れますが、ここへ大きな穴があきまして、あなたも今度行ってみればわかりますが、栗橋から川里村、あの辺ですね、利根川沿岸にはでかい穴があいております。プールのように水がたまっている。一たん水害が起きたときにはたいへんだと思うのですが、なぜああいうふうに穴ぼこになっている状態が復元されないか。これはいろいろな問題で砂利採取法のときにも問題になったのですが、河川対策の上で、利根川の堤防を守るためにも、堤防から外のほうにああい大穴が続出している点については何らか対策を講じなければならぬと思いますが、この点についてはいかが対処なされるのですか。
  146. 坂野重信

    ○坂野(重)政府委員 通産省からもお答えいただけると思いますが、おか砂利の問題、これに端を発して砂利採取法の改正ができたわけでありますけれども、砂利採取法の改正ができてから、分担も通産関係と建設関係と分けまして、川沿いのものは建設関係ということで実はいっております。しかしおか砂利であっても、河川の付近で河川に影響のありそうな問題につきましては河川管理者に注意することになっております。その地点はどういうところかわかりませんが、河川に近接したところであればこれは厳重に取り締まってもらいたいというぐあいに考えております。一般的に河川から離れておってあまり影響のないようなところは、これは農地の問題、農林関係と通産関係のほうで現実に取り締まっているはずであると思っております。  おか砂利の問題につきまして、一般的には通産省のほうから御答弁願いたいと思います。
  147. 川村継義

    川村委員長 通産省は来ておりません。
  148. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 これも副長官、いま御答弁いただけませんけれども、これは一ぺん視察していただくとわかりますが、二十五メートルプールくらいの大きなプールのような穴が各所にあいております。それはいま河川局長おっしゃったように、古利根とか小さな川の近くなんですが、これは川に近くないところもあります。確かにこれは河川局のほうの責任外のところもたくさんありますが、これも災害の原因になっておりますので、ひとつ監督のことをよろしくお願いします。  最後に、この点一つだけお聞きしておきたいことがあるのですが、埼玉県大宮に三菱の原子力の研究所がございますが、夜になると原子力の放射性物質の運搬をしているわけですね。放射性の物質、いろいろあります。これはいまも自動車が通っているのですが、これは非常に大きな問題なんです、交通事故等起こしたとき。この間もちょっと車がぶつかったのですが、車がぶつかってこれが落っこったりはねたりした場合は、普通の自治体の持っている消防署、救急体制では、これらの放射性の物質の事故にあったときには対処できない。これはこの委員会で問題にすべきかすべきでないか、ちょっと疑義がありますが、これも大きな災害の要因となります。放射性物質運搬自動車の警護、またはその地方自治体におきますところの消防官の訓練、また事故が起きたときにはどういう対策を講ずるか、これはもう全然ゼロであります。この点については災害対策委員会でテーマにすべき点であるかどうか、ちょっと疑義があるのですけれども、これもちょっと問題が大きいので、防災会議の中でお話があったらひとつテーマにしていただきたい、こう要望いたしまして私の質問を終わらしていただきます。
  149. 川村継義

    川村委員長 本日は、これにて散会いたします。    午後一時三十四分散会