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佐藤内閣総理大臣 お答えいたしますが、第一は総裁選挙の際の私の
発言、これは、大体外交の問題など政争の具というか、党内で争うことは、そういう問題にすることは私は適当でない、かように思って、実はその
発言をいたしました。今日もさように思っております。
それから、その後私の
考え方が変わったか変わらないか。政治家ですから、変わったとか変わらないとか、こういうことが問題よりも、いま
考えていることは一体賛成できるかできないか、このほうに主要な点を置いてください。私はいままで、まだ
結論は出しておりません、こういうことを申しておりますよ。しかし、これからだんだん
結論を出してくるかもわからない。またそうして、言っていることがあるいはそのうち変わるかもわからない。こういうものがいつまでも固定した状況で外交
交渉が行なわれるものでもないだろう、かように私は実は思っておるのですよ。変わったとか変わらぬとかいうことがずいぶん問題のようですが、変わったってよくなったことなら、その変わることのほうがいいんじゃないか。変わっても、反対のことがある。しかし、変わって、よく変えた、こういってほめられることもあるだろうと実は思うのです。その中身は一体どうなのか、そのほうを主体に、着ている着物が薄いとか厚いとかいわないで、いまとにかくその時期に適当な着物を着ているといったほうが、これは望ましい形なんだ。これはいま私、テレビ対談その他をよく聞いていて、変わったとか変わらぬとか盛んに責められている。しかし、ものによっちゃ変わっていい。(
渡部委員「じゃ変わったんですか、変わらないんですか」と呼ぶ)私まだ
沖繩問題については
結論を出しておらない。これはもうはっきりしている。(
渡部委員「だから、何もおっしゃらない、変わったか変わらないかが問題なんです」と呼ぶ)私は、どうもいま言っていることが変わった、たとえばいまのように、三木君をあれだけ攻撃した者がいま三木君と同じ主張をしているじゃないか、変わったんじゃないか〉と言われるのですけれ
ども、一体どうなのか、公明党はどういう主張が好ましいのか、このことをやっぱり教えていただきたい。このことが私は望ましいのです。私はもういままであらゆる機会にその話をしております。また、私
自身が変わっても、悪く変われば、もちろんけしからぬといって攻撃されてしかるべきだ、かように思います。いま言っていることが、あれならまあ応援ができる、あんな変わり方じゃ応援ができぬとか、こういうものがやっぱり大事なことなんじゃないかと思います。まあそれはどちらでもいいんですが、そういうように思います。
それからその次の問題は、いまの岸との
関係の問題であります。これはもう信念云々ということじゃございません。これは
先ほど、岸と私とはきょうだいではあるが、この問題に関する限り、これは別だ、公私の別を明らかにする、こういうことで主張をはっきりさしておりますから、これまた御
理解をいただきたいと思います。私がきょうだいだからといって、岸と連携をとって、自分が言いにくいことを兄に言わした、こういうようなものでは絶対にございません。連携はない。はっきり申し上げる。また、兄も弟の代弁をするほど不見識な兄ではない、かように思いますので、そこらはひとつ御
理解をいただきたいということ。
それから第三の問題。第三の問題は、下田君のただいまの向こうへ行っての
交渉であります。ただいま
政府が安保体制を堅持するということ、これはもうしばしば申し上げております。
国民大多数もやはり安保体制の堅持に賛成だ、これは過去の選挙がさような結果を出しております。また最近の
世論調査でも、これはやっぱり安保体制は支持している。だからまあ、反安保、それをつくり出したものだからどうとかいうことよりも、
国民大多数はどちらを支持しているか、これをやっぱり正確につかむ、そこに政治があるんだ、かように御
理解をいただきたい。これは私は、つくり出したものだとかなんとかいうそういう批判よりも安保体制は堅持するという
政府を
国民大多数は支持している、かように
考えております。
また、
沖繩の問題につきましては、
沖繩の
早期返還を願っておる。これまた下田君の
発言したとおりであります。その
返還のしかたその他につきましては、私もまだ指図はしておりませんが、ただいま申し上げる基本的な路線だけで下田君もいろいろ
交渉している、かように思います。