○美濃
委員 それは、いま長官の言う考え方は食管収支の均衡、農政的に言うと、食管の赤字というものは国民に帰せられるわけですね、食管の赤字が何ぼだ。しかし、この場合、十年間据え置き、その後二十年間の現物支払いなんというような条件の韓国に対する供与は、これは明らかにその金利計算をすると
——これはもう金利はもちろん
食糧証券で借り入れしておりますから、金利部分は一般会計から補てんされるとはいいながら、この
食管会計の赤字というものはいま非常に問題年繰り入れられて赤字赤字といって騒ぐというようなことは、私に言わしめれば、たとえばトン二万円から二万五千円で思い切ってえさにでも処分したほうがそれだけ金が入るから
——十年間の金利というものはばく大なものですよ。あと十年間で一ぺんに返ってくるのと、あと二十年間で分割して現物が返ってくる、それを売って元金がなくなったときに金利が解消されるというような出し方は、
食管会計の上における金利負担というものは長期にわたって行なわれるわけですから、その赤字は結局食管赤字となる、米が余っておる、農政上の食管赤字となって問題になるわけです。問題になる性格のものだったら、これはもう十年間の据え置き、二十年間の現物償還なんという出し方よりも、思い切ってえさに処分したほうが、二万でも三万でも金が入って処分されてしまいますから、その期間の金利計算をしてみると、長期にわたる食管の赤字よりは
財政負担はずっと少なくて済むわけですね。そういう相関
関係にありますから、これは食管赤字でなくて何か
特別の財政
措置を講じて、そういう食管の累積赤字となって米を
生産しておる農民が何か悪いことをしておるような風潮が起こらないように
——これはやはり海外条件がありますから、出すことが悪いとは言っておるのではないのであります。出すものは出すとして、その時点において
——将来国の政策からいえば、どうせ一般会計から見るんだからどっちで見ても同じでないか、こう言うかもしれませんが、私
どもは、国内の農政の観点に立てば好ましくない。
それから、財政法上から見ると、これは食管でそういうふうにする、やればできるようになっておりますけれ
ども、会計法から見ればおかしいじゃないかと私は言いたい。やはりそういう食管に及ぼさないように、こういう
外国へ出す米は、食管との間の問題は一次元で切って、そういう行為は一般会計から繰り入れられる。これはどういう
方法で補てんをしたとしても、国の財政から見れば同じだと思うのです。同じであっても、そのために
特別会計というものを立てておるわけですから、
特別会計との間は混同しないように、明確に海外援助したものだったら海外援助でやる。韓国に出す米も援助だと私は思うのです。十年間据え置いて、二十年で現物で返すなんということは、金利計算をすれば無償で供与したというのと同じです。たとえば
日本の米業者が十年間無利子の据え置きで払い下げを受けて売ったとしたら、それを信託に積んでおけば、十年後は元金だけ残して利子だけで払えるのですから、こういう出し方は無償と言っていいですよ。金利計算をすれば無償にひとしい供与である。そういう出し方をする場合、会計原則から見ると、きちっとそういうものが毎
年度その金利が
特別会計の赤字に計上され、一般会計から見るんだからいいんじゃないか、こういう出し方は、私は、会計法上から見ても
特別会計という
食管会計から見ても、そういう行為をやって、言うなれば、
食管会計にその借り入れ金が滞留して金利が一般会計から持たれる過程においては、えさで売り渡したよりもずっと不利な財政上及ぼす影響をもって米を出すわけですから、そういう
措置は会計法上はきちっと明確にして、一般会計と分離して財政上の補てん
措置が講ぜられてこれは実行すべきだ、こう考えるのですが、いかがでございますか。