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kokalog - 国会議事録検索
1968-12-11 第60回国会 衆議院 本会議 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十三年十二月十一日(水曜日)
—————————————
議事日程
第二号
昭和
四十三年十二月十一日 午後一時
開議
一
国務大臣
の
演説
—————————————
○本日の
会議
に付した案件
佐藤内閣総理大臣
の
所信
についての
演説
午後一時五分
開議
石井光次郎
1
○
議長
(
石井光次郎
君) これより
会議
を開きま す。
————◇—————
国務大臣
の
演説
石井光次郎
2
○
議長
(
石井光次郎
君)
内閣総理大臣
から
所信
について発言を求められております。これを許します。
内閣総理大臣佐藤榮作
君。 〔
内閣総理大臣佐藤榮作
君登壇〕
佐藤榮作
3
○
内閣総理大臣
(
佐藤榮作
君) 第六十回
臨時国会
が開かれるにあたり、
所信
の一端を申し述べたいと思います。
世界
は、いま多くの分野で転換期を迎えていますが、特に
わが国
は、
社会構造
の急激な変化に伴って、
大学
問題をはじめ、数々の困難な問題に直面しております。これらは、いずれも、
わが国近代化
百年の歴史の中で、われわれが初めて当面した新しい試練であります。これを乗り越えて、十年先、二十年先、さらに二十一
世紀
へ向かって賢明に対処することこそ、
政治
の
使命
であると確信いたします。(
拍手
)私は、
国民各位
の御
協力
を得つつ、最も適切な
解決
をはかってまいる
決意
であります。 最近の
国際情勢
は、新たな局面を迎えつつあります。
米国
においては、共和党のニクソン氏が
次期大統領
に選ばれました。
政府
は、引き続き、
日米友好関係
を維持し、
世界
の平和と
アジア
の安定という共通の目標に向かって
協力
してまいります。
ベトナム
における
北爆
の
全面停止
が実現し、
政治交渉
の糸口が開かれたことは、過去数年間、
アジア
における最も大きな
不安定要因
であった
ベトナム戦争
が、ようやく終息の時期に入ったことを示すものであります。われわれは、
和平
の機運が
動き
つつあることを心から歓迎し、今後とも、
わが国
独自の
役割り
を果たしてまいりたいと考えます。特に、
和平実現
に備え、
政府
は、
インドシナ地域
の復興と
繁栄
に寄与する方策を鋭意検討しております。
中共
の文化大革命も、
収拾段階
にあるものと認められます。われわれは、
国際緊張緩和
のため、
中共
が柔軟な態度を打ち出すことを期待するものであります。 一方、去る八月に起こったチェコ問題は、
東西関係
に大きな刺激を与えました。この影響は、今後の
世界情勢
に長く尾を引くことが予想されます。 この間にあって、
わが国
は、自由を守り、平和に徹し、
政治
的安定の上に
経済的繁栄
を達成しつつあります。それだけに、
わが国
に対する国際的な
信頼
と期待はますます強まり、
わが国
の
使命
と
責任
はさらに重きを加えるものと考えます。(
拍手
) 当面の最も大きな
外交課題
は、
沖繩
の
祖国復帰
であります。先般の
琉球政府主席選挙
においても、一日も早く
祖国
に復帰したいという
沖繩同胞
の
願望
が強く示されました。
祖国
を離れて二十余年、いまだに
外国
の
施政権下
に暮らす同胞の
心情
を思うとき、私は、
沖繩
の
早期返還
を実現するとの
決意
を新たにした次第であります。(
拍手
) 私は、今後とも、
米国
との
相互信頼
の基礎に立って、
安全保障
上の要請を踏まえつつ、
沖繩
の
早期返還実現
のため
全力
を尽くす考えであります。(
拍手
)同時に、
沖繩
と本土との
一体化政策
を強力に推進してまいります。 他方、
北方領土
に対する
国民的関心
もまた急速に高まっております。
北方領土
の回復を実現するため、私は、
国民
の
願望
を
背景
として忍耐強く取り組む
決意
であります。(
拍手
) 自由に恵まれた
わが国
の
民主主義体制
を守ることは、
国民
の総意であると確信いたします。しかるに、最近における
大学紛争
の実態を見ると、戦後
国民
の
努力
によってかちえたこの自由を危うくするおそれすらあり、まことに憂慮にたえません。(
拍手
) 学内にあっては、
紛争
を長期化して
教育
と研究の自由を奪い、学外にあっては、
社会
の
秩序
を乱し、公共の施設を破壊し、時には
市民生活
に不安を与えるなどきわめて遺憾であります。(
拍手
) 個々の
大学
内における
紛争
の
解決
は、
大学当局
の手によるすみやかな
収拾
に期待し、
政府
は、その
努力
を支持するとともに、進歩する
社会
に適応し得るよう
大学自体
のあり方について真剣に検討を進め、
大学教育
の
改善
と
正常化
をはかってまいりたいと考えます。(
拍手
) 特に、私は、父兄の
心情
に思いをいたし、学問が真に人間の形成に役立ち、青少年が次の時代のすぐれたにない手となることができるような
教育環境
をつくる
決意
であります。
学生諸君
は、過激な行動によるみずからの学園の荒廃を座視することなく、その
秩序維持
のため、進んで建設的な意見を述べ、
諸君
みずから新しい
大学
を創造していく
責任
を分かつものであることを自覚するよう、強く訴えるものであります。(
拍手
) 最近の
経済
の
動き
を見ますと、
国内経済活動
は依然として
拡大基調
にあり、
国際収支
も、輸出の好調と
長期外国資本
の流入によって、引き続き好調に推移しております。特に、不安定かつ流動的な
国際通貨情勢
の中にあって、
外貨保有
も着実に充実を見、
円価値
の安定を堅持し得ていることは、
国民各層
の
努力
を
背景
とした
わが国経済力
の反映であり、心強い次第であります。 しかしながら、
国内経済
においては、
物価
の
上昇基調
は依然として根強く、
海外経済
においても、
米国景気
の見通し、複雑なる
国際金融情勢
の推移など、なお警戒を要する
動き
も少なくありません。
政府
は、これら
内外
の
経済情勢
の
動き
を見きわめつつ、慎重に
政策
を運営し、
わが国経済
の均衡のとれた
持続的成長
をはかってまいりたいと考えます。 特に、
消費者物価
の安定については、
国民生活
を守るため、最
重点施策
として力を注いでまいります。年末を控え、
国民
の台所に直結する
生鮮食料品等
については、安定した価格で供給し、家計に不安を与えないよう
努力
いたします。(
拍手
)
昭和
四十四年度の予算の編成にあたっては、
景気
を刺激しないよう、その規模の
適正化
をはかり、
国債依存度
の引き下げなど
財政体質
の
健全化
につとめ、あわせて
国民税負担
の軽減に一そうの
努力
をいたします。
政府
は、
公務員給与
の
改善
に関する
法律案
を今
国会
に提出いたしました。御審議をお願いいたします。
明治改元
百年の意義ある年を終え、激動する次の百年を迎えるに際し、私は、当面する
内外
の難局に処して、
国民諸君
とともに、自由と平和に輝く
繁栄
の
世紀
を
わが国
にもたらすべく、
全力
を傾倒することを誓うものであります。(
拍手
)
国民諸君
の理解と
協力
をお願いいたします。(
拍手
)
————◇—————
山村新治郎
4
○
山村
新
治郎
君
国務大臣
の
演説
に対する質疑は延期し、明十二日午後一時より本
会議
を開きこれを行なうこととし、本日はこれにて散会せられんことを望みます。
石井光次郎
5
○
議長
(
石井光次郎
君)
山村
新
治郎
君の
動議
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
石井光次郎
6
○
議長
(
石井光次郎
君) 御
異議
なしと認めます。よって、
動議
のごとく決しました。 本日は、これにて散会いたします。 午後一時十八分散会
————◇—————
出席国務大臣
内閣総理大臣
佐藤
榮作
君 法 務 大 臣
西郷吉之助
君 外 務 大 臣 愛知 揆一君 大 蔵 大 臣 福田 赳夫君 文 部 大 臣 坂田
道太
君 厚 生 大 臣 斎藤 昇君 農 林 大 臣
長谷川四郎
君
通商産業大臣
大平 正芳君 運 輸 大 臣 原田 憲君 郵 政 大 臣 河本 敏夫君 労 働 大 臣 原 健三郎君 建 設 大 臣 坪川 信三君 自 治 大 臣 野田 武夫君 国 務 大 臣
荒木萬壽夫
君 国 務 大 臣 有田 喜一君 国 務 大 臣
菅野和太郎
君 国 務 大 臣 木内
四郎
君 国 務 大 臣 床次 徳二君 国 務 大 臣 保利 茂君
————◇—————