○中村(重)
委員 あなたのお答えではございますけれ
ども、歴代
長官のもとで、いまあなたがお答えになったようなことがほんとうに完全に
実施されておるのか。必ずしもそうではない。縦割り行政の弊というものを除去しなさいと、私は宮沢さんにも申し上げた。非常にむずかしい問題だ、おっしゃるとおりだが、そうした強い権限を企画庁が持つということについてはなかなか問題があるのだということを率直にお答えになったことがある。たとえば干拓なんかの問題にいたしましても、その県そのものには県の発展
計画の中において干拓は必要であろうが、全国的に見る場合に特定県に対して干拓が必要なのかどうかという問題もあったのですよ。あるいは工場誘致というものを特定の県においてやる、そのために積み立てなどをやっていく。ところが、その県だけの発展のためにはそれも必要であろうけれ
ども、これまた全国的な立場に立って、はたしてそれが適当なのかどうかというそれらの点に対しては、私は総合的な立場から企画庁というものはこれに関与していく必要があると思う。ですけれ
ども、現実には、お金を持っている大蔵省、それからそれぞれの担当省と地方自治体の間にのみ折衝が進められておるにすぎない。しいていえば、離島振興法がいわゆる総合主義のもとに立って
予算の一括計上というような形式をとっておるのであって、この
法律というものが、議員立法でありますが、非常によく働いておるというゆえんは
——これを一つの指針として全般的な国策の樹立の上に立って、
経済企画庁というものがもっと国土総合開発あるいは各種の国策上の総合調整というような役割りを果たしていく必要がある。答弁だけではなくて、実際にこれを実践していくということを非常に強く求めたいと思います。いろいろ具体的にそうした問題について申し上げたいのですが、時間の
関係もございますから、いずれまた適当な機会にそれらの問題については見解をただしてまいりたい、こう思います。
そこで、いま離島振興ということに触れましたから、その点でお尋ねをいたしますが、離島というものが、振興法という
法律の中におきましては、いわゆる高率の補助という形において振興されつつある事実は、これは認めるわけでございますけれ
ども、たとえば、その離島なら離島の縦貫道路というものを国道にする、こういうことになってまいりますと、いわゆる国土の総合開発という点、離島振興という立場から大きな効果を発揮してくるであろう。離島といたしましては、主として農業であるとか、あるいは水産業という一次産業ではございますけれ
ども、縦貫道路というものを国道にするという形において、その離島の産業の振興、離島の発展に寄与するところが非常に大きい。ところが、現在では、離島なるがために国道にするというわけにはまいらない、こういうわけで離島の国道というものはなかなかむずかしい。全然そういうところがないとは言わないのですけれ
ども、具体的な問題として、これまた私は長崎の例をとるのでありますが、長崎に壱岐、対馬という島がある。この島は水産業としてはその発展性というものは非常に強い。特に韓国との
関係の中において果たしておる役割りは非常に大きいわけです。同時に今度は、観光資源の開発という立場からもその果たす役割りは非常に大きい。ところが、縦貫道路というものが五十年来の島民の要望によって、まだ完成はいたしておりませんけれ
ども、ようやく日の目を見ることになった。これを国道にするということは、これは私は絶対的な要件であると思いますけれ
ども、これに対しては建設省も県道を国道に編入するということについては渋っておるということでありますが、これらの点についてはどう
考えるのか、お聞かせ願いたいと思います。